h30 jacic研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了)...

38
契約執⾏形態を考慮した社会基盤プロジェクトにおける CIM活⽤に関する研究 東京都市⼤学 副学⻑ 皆川 東京都市⼤学 客員教授 草柳俊⼆ 2018年11⽉15⽇日本建設情報総合センター研究助成事業成果発表会

Upload: others

Post on 24-Jul-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

契約執⾏形態を考慮した社会基盤プロジェクトにおけるCIM活⽤に関する研究

東京都市⼤学 副学⻑ 皆川 勝東京都市⼤学 客員教授 草柳俊⼆

2018年11⽉15⽇日本建設情報総合センター研究助成事業成果発表会

Page 2: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

社会的背景

Curtsey of TESUNG S&I

設計時の仮想施⼯ 建設において設計

フロントローディングによる設計

設計時予測が不十分な施工リスク

設計時に十分な施工性検討

設計変更やスケジュール遅延

設計変更リスク減少

同コストでより良質な建設生産あるいは低コスト・工期短縮実現

設計 施工

施⼯等に関する情報の共有フロントローディング

Page 3: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

⽬的設計時の仮想施⼯計画とフロントローディングの効果を評価

施工段階では予見が困難な地中埋設物等の影響が受注者の費用負担に大きく影響

プロジェクトマネジメントソフトウェアによる施工遅延分析により評価

設計フロントローディングに

よる設計

設計時予測が不十分な施工リスク

設計時に十分な施工性検討

設計変更やスケジュール遅延

設計変更リスク減少

地中駅建設工事における仮設段階を対象として効果を把握

コンサル・ゼネコン・発注者のメリット最大化のための方策の検討

Page 4: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

研究⽅法BIMソフトウェアによりモデル化

2次元図面のモデル化・不整合性の確認・埋設物の位置関係を再現

Page 5: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

研究⽅法プロジェクトマネジメントソフトウェアにより構築

工期遅延の原因タスクの特定

プロジェクトマネジメントソフトウェアにより解析施工性向上の効果を間接的に評価

タスクの影響度を重大に想定

Page 6: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

実際の⼯事における図⾯のCIMモデル化

Page 7: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

Window Analysisによる遅延解析法

A B C D E

Aに起因する遅延1

2

3

4

5

工期

ウィンドウAに含まれる遅延原因タスク

Page 8: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

Window分析結果

ウ ィ ン ド ウ 内 の 遅 延E C N N

0 ( 開 始 ) 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 5 / 3 月 末 5 4 3 日 8 01 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 5 / 6 月 末 5 4 4 日 1 02 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 5 / 9 月 末 5 4 6 日 0 23 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 5 / 1 2 月 末 5 4 7 日 0 14 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 6 / 7 月 末 5 4 8 日 0 1

5 ( 完 了 ) 2 0 0 5 / 1 / 1 1 ー 2 0 0 6 / 1 0 月 末 5 4 8 日 0 0合 計 9 4

ウ ィ ン ド ウ 番 号 ス ケ ジ ュ ー ル 更 新 完 了 期 間

0

5

10

15

20

25

30

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

東電緊急工事

試掘工(追加分)

試掘工(追加分)

試掘工(追加分)

不明水道管

設定期間

遅延期間(日)

02468101214

0 1 2 3 4 5

ウィンドウご

ウィンドウ番

Page 9: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

図⾯の⽐較結果-40箇所の変更

発注者による変更4箇所

⼲渉による変更21箇所

埋設物との離隔考慮による変更

4箇所

施⼯性を考慮した変更7箇所

その他の変更4箇所

異なるタイミングで更新された2次元図⾯を⽐較し,⽌⽔壁の変更を抽出

Page 10: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

異なるタイミングで更新された図⾯の⽐較

発注者による変更4箇所

・発注者側の意向による変更

・発注者の設計変更の意図が不明瞭(施⼯者へのヒアリングにおいて確認済)

Page 11: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

異なるタイミングで更新された図⾯の⽐較

NTT管(新図面)NTT管

(旧図面)⼲渉による変更21箇所

・埋設物との⼲渉による変更

設計段階で使⽤された埋設物情報の精度が不⼗分

埋設物情報の精度が⾼まれば改善される.

Page 12: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

異なるタイミングで更新された図⾯の⽐較NTT管(旧図⾯)

NTT管(新図⾯)埋設物との離隔考慮による変更

4箇所

・埋設物との離隔考慮による変更

設計段階で使⽤された埋設物情報の精度が不⼗分

埋設物情報の精度が⾼まれば改善される.

Page 13: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

異なるタイミングで更新された図⾯の⽐較

施⼯性を考慮した変更7箇所

・施⼯者側の意向による施⼯性を考慮した変更

設計段階でのCIM活⽤による事前対応が可能

(⽌⽔壁変更全体の17.5%)

Page 14: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

CIMによる建設⽣産性向上のための3つの視点

1.関係組織のCIM対応能⼒向上

2.協働体制の確⽴

3.関係組織のメリット最⼤化

Page 15: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

関係組織のメリット最⼤化15

Page 16: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

契約執⾏形態に関する課題-設計施⼯分離の原則-

「建設コンサルタントの業務領域とコントラクターやメーカーの業務領域の境界をはずしてはならないこと」

「設計者に対する発注者の基本的要請は,国⺠の利益に合致するような設計をすること」

「コントラクターなどが設計する場合には,機材,技術者,建設労働者,各⼯事種⽬に対する技術などの経営資源を『⾃社の利益を最⼤限にする』ように動員することは経営者として当然のことである.・・・資本主義社会では売⼿(コントラクター)が⾃らの利益を最⼤にするという⾏動が倫理としてもまた実利としても正しいのである.」(⽯井⼸夫:インフラのデザイナー,pp.102-103,⼭海堂,2003.3)

「設計業務の受託者には原則として,当該設計に係わる⼯事の⼊札に参加させたり,または当該⼯事を請け負わせてはならない.」(⼟⽊事業に係わる設計業務等を委託する場合の契約⽅式について,建設省事務次官通達,1959年)

Page 17: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

設計施⼯分離原則のもとでのコンサルタントの役割

設計施⼯分離において,CIMによる施⼯性・維持管理性を考慮した設計を実現する⽅法には⼤きく⼆つの⽅法がある.

その⼀つは,設計者が施⼯性あるいは維持管理性を設計段階で⼗分検討する能⼒を保持する.

他の⼀つは,それが保持できない場合に,外部組織からその能⼒のある⼈材を導⼊すること.

過渡的段階では海外も含めて,BIMマネジメント能⼒を有し,インフラプロジェクトに精通した技術者集団を登⽤してゆくことが望ましい.

⼤⼿ゼネコンに設計部⾨を有するという⽇本の状況では,これを実現しなければ,コンサルタント不要論がでてくるかもしれない.

コンサルタントにとって,BIM/CIM導⼊推進は⼤きなチャンスとなり得ると共に,淘汰される可能性も秘めている.

17

Page 18: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

関係組織のCIM対応能⼒向上18

Page 19: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

技術協⼒・施⼯タイプ

(国⼟交通省直轄⼯事における技術提案・交渉⽅式の運⽤

ガイドラガイドランより引⽤)

Page 20: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

ECI成功の条件 Involve contractors early enoughManageable risk transfer to the contractorsProject owners’ competenceProper compensation for the contractors’

contributionQualification of the contractorsTrust between the project owner and

contractors →わが国独⾃の「信義則」?

参考⽂献:Wondimu, P., Hailemichael, E., et.al. : Success factors for early contractor involvement (ECI) in public infrastructure projects, Energy Procedia, Vol.96, pp.845-854, 2016.

Page 21: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

設計施⼯の2形態(⽯井⼸夫2003,p.207)

形態1:コントラクターのみによるもの コントラクターに対するコンサルタントによるチェック機能がない. 発注者あるいは国⺠の利益が守られない懸念がある. 欧⽶では,第三者エンジニアがマネジメントを⾏い,国⺠の利益を守

る.

形態2:コンサルタントとコントラクターのコンソーシアムによるもの

設計担当するコンサルタントと,施⼯・製作を担当するコントラクタ・メーカーがコンソーシアムを組み,設計から施⼯・製作までを⼀括して受注.

コンサルタントという牽制者による内部チェック機能を持つ. 欧⽶では広く⾏われている.

Page 22: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

設計施⼯⼀括発注におけるコンサルタントの役割

コントラクターのみによる設計施⼯⼀括は,⾃社内で詳細設計及び施⼯を実施できることから,BIM/CIM導⼊における,別組織間の情報共有・連携をし易くすることは明らか.

特定のコントラクターのみが設計・施⼯可能な特殊なプロジェクトであれば,それも選択枝.ただし,その場合,本質的には⺠間企業のプロジェクトであり,「ご勝⼿にどうぞ」の世界.

BIM/CIM導⼊を機に,設計者たるコンサルタントがその存在意義を⾼めてゆけば,その先には,コンサルとコントラクタによるコンソーシアム⽅式がより望ましい形態となる.

22

Page 23: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

23 協働体制の確⽴

Page 24: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

2018/12/5 24

CIMを基盤としたプロジェクト仮想施工の基盤

設計時プロジェクト仮想施工

設計ProcessInformationModel安全管理 品質管理

コスト管理時間管理

適正なレベルの詳細度で,時間管理,コスト管理データを設計CIMと連携し,設計時に仮想施工により,最適な設計・施工計画立案

設計CIM

スケジュール表(時間管理基盤)

工事費内訳書(コスト管理基盤)

Page 25: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

Project management using BIM

25

2D

3D

Using project management softwares

4D=3D CAD+ time contro

試 算 調 書B A L A N C E S H E E T : T A R G E T B U D G E T V S . F O R E C A S T E D C O N S T R U C T IO N C O S T

(1 9 9 5 .0 7 .3 1 )

M A L E S E A W A L L P R O J E C T P A G E 1D IV IS IO N (1 ) :D IR E C T W O R K

実 施 予 算 出 来 高 残 工 事 実 施

( B Q 対 応 )対 応 原 価 対 応 原 価 予 定 原 価 差 額C O S T ITEM T ar g e t B u dg e t C os t T o D a te C o s t T o C om pl e ti o n Fo r e c a s te d C on s t. C os t B a l a n c e

U N T Q TTY EQ U IV A L EN T ( Y EN ) Q TTY EQ U IV A L EN T ( Y EN ) Q TTY EQ U IV A L EN T ( Y EN ) Q TTY EQ U IV A L EN T ( Y EN ) Q TTY EQ U IV A L EN T ( Y EN )

C O D E D ES C R IP TIO N U /P A M O U N T U /P A M O U N T U /P A M O U N T U /P A M O U N T ( M ) = U /P A M O U N T

( A ) ( B ) = C /A ( C ) ( D ) ( E) = F /D ( F ) ( G ) ( H ) = I /G ( I) ( J ) ( K ) = L /J ( L ) = F + I A - J ( N ) = B - K ( O ) = C - L

1 1 1 1 0

D i r e c t W o r kEa r t h W o r kD e m o l i s h .S e a w a l lo n S h o r e

m 3 4 ,4 5 0 6 6 0 2 ,9 3 7 5 ,6 7 1 7 2 4 4 ,1 0 6 1 ,9 1 5 6 6 0 1 ,2 6 4 7 ,5 8 9 7 0 8 5 ,3 7 0 - 3 ,1 3 9 - 4 8 - 2 ,4 3 3

1 1 1 2 0

D i r e c t W o r kEa r t h W o r kD e m o l i s h .S e a w a l lo f f S h o r e

m 3 3 ,2 3 8 2 ,3 7 3 7 ,6 8 4 2 0 3 2 ,8 4 2 5 7 7 0 0 0 2 0 3 2 ,8 4 2 5 7 7 3 ,0 3 5 - 4 6 9 7 ,1 0 7

1 1 2 1 0

D i r e c t W o r kEa r t h W o r kEx c a v a t i o no n S h o r e

m 3 2 ,3 8 1 8 6 0 2 ,0 4 8 8 5 4 6 9 6 5 9 4 1 ,6 2 5 8 6 0 1 ,3 9 8 2 ,4 7 9 8 0 4 1 ,9 9 2 - 9 8 5 7 5 6

A M O U N T = * 1 0 0 0

5D=3D CAD+time control + Cost control

Virtual Construction仮想施⼯

(施⼯性・安全性検証)

草柳俊⼆教授提供

Page 26: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

国内プロジェクトにおけるスケジュール管理(草柳2001)

“完成期⽇”以外、契約の当事者である発注者と受注者を束縛するものはない。

経過(Process)の管理に契約的束縛はない。全て受注者の裁量に任せられている。

完成期⽇を守るためであれば、⼯事遂⾏のプロセスをどの様に変えても構わない。

受注者によって、作成基盤の異なる⼯程表が次々と作成される。

“変化” は原型が残されていなければ分からない。契約条件の変化による時間的変化が分析できない。追加費⽤と⼯期延伸請求の基盤がない。

Page 27: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

サブコンのコスト管理

従来、 各⼯事要素原価を積上げ、⼯事単価を算出する⽅式を取っていた。

“市場単価”からさらに値引きを要請する⽅式でサブコントラクターとの契約⾦額を決めている。

サブコントラクターとの契約⾦額を“既決定コスト”としている。

Page 28: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

CIMではPMSの位置づけが重要

3Dモデリング:形状と位置・配置に関する情報+材質など属性情報

仮想施⼯:3D モデリング+時間+コストの5Dモデリングが必要.PMSと連携.

発注者,設計者,施⼯者,ゼネコンとサブコンによる,5Dモデリングを共有した協調作業

Page 29: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

2018/12/5 29

CIMを基盤としたプロジェクトマネジメントの基盤

プロジェクト遂行管理標準

施工ProcessInformationModel安全管理 品質管理

コスト管理時間管理

施工計画書、工事内訳書、約定工程表の3点セットの充実と連携は契約管理だけでなく、質品・安全・生産性の確保の基盤

施工CIM

スケジュール表(時間管理基盤)

工事費内訳書(コスト管理基盤)

草柳俊二教授提供

Page 30: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

1.「買」と「売」を基本的に同じ取り扱い.2.公告による競争(一般競争入札)を原則.

3.物品,サービス,工事などの目的物によらず同じ扱い.

4.交渉手続きを定めていない.5.価格の制限(予定価格)を必ず定める.6.予定価格は事前に非公表.7.落札基準は最低価格とすることを原則.

(木下2012)

公共調達で,変わらない七つのポイント

Page 31: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

設計コストは,ライフサイクルコストの数%

An Apartment house project (100units)Life span:35years Planning & investigation cost 1.0〜2.0% Design cost 3.0〜4.0% Construction cost 55.0〜60.0%Maintenance & operation cost 35.0〜40.0%

Industrial Zone project (250hrs)Life span : 35years Planning & investigation cost 1.0〜1.5% Design cost 2.5〜3.0% Construction cost 45.0〜50.0%Maintenance & operation cost 50.0〜55.0%

31

Planning & investigation cost & Design cost is not big in LCC草柳俊⼆教授提供

Page 32: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

CIMは,設計成果の品質を向上させる

CIMにより,設計品質が格段と向上する可能性がある.

施⼯・製作・維持管理に⽐べ, 設計のコストは,⼩さい.

交渉⽅式により,設計品質に応じた価格設定を可能とするべき.

従って,予定価格の上限拘束性を撤廃することが必要.

Page 33: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

設計成果であるBIMモデルは設計者の著作物-公共土木設計業務等標準委託契約約款の問題-

(著作物の譲渡等)

第6条 受注者は、成果物が著作権法に規定する著作物に該当する場合には、当該著作物に係る受注者の著作権を当該著作物の引渡し時に発注者に無償で譲渡する。

Page 34: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

FIDICの推奨 ⼀般的な場合として、契約書は⼄が設計図、仕様書と他の図書

類の著作所有権を保持すべき であると規定するのが妥当であろう。

甲は、プロジェクトの運営と管理の⽬的でのみ、⼄が作成したそのプロジェクト⽤の図⾯と 図書を使⽤、製作または複写する権利を与えられるべきである。

限られた状況のもとでは、著作権の所有が甲へ完全に委譲すると契約書が規定するのも妥当 であるかもしれない。

すべての場合、もし、著作所有権が完全に甲側に移る場合は、契約書で⼄の報酬が必然的に ⾼くなることを認めるべきである。

Page 35: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

契約執⾏形態から⾒た,BIM/CIM推進のための⼆つの段階

第1段階 現段階の契約執⾏形態の下では,3次元モデルの活⽤の効果は限定的 試⾏として,設計施⼯⼀括,ECI⽅式などにより,設計品質向上やコス

ト低減・⼯期短縮に対する効果を把握.

第2段階 設計施⼯分離原則の下で,コンサルタント,ゼネコン,発注者(すなわ

ち国⺠)のメリットをBIM/CIMにより最⼤化 コンサルタントが現在⽢んじている,発注者のお⼿伝いから脱却 ゼネコンは設計の⼼配をせず,良質な施⼯の実現に集中 発注者は,これらを実現するため阻害要因の排除などの制度設計 これらが全体としてパラダイムシフトを⽣む.

35

Page 36: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

まとめ(1)地下埋設管位置などの情報が⾼精度化すると,BIM/CIMに

より施⼯時の設計変更リスクは低下.コンサルタントの役割は,計画性の向上であり,それによ

り,施⼯・維持管理段階でのコスト縮減を達成すること.ゼネコンは,仮想施⼯を活⽤して,効率的で安全・適切な

施⼯を実現.受発注者間,元請けと下請けの連携を5次元まで拡げ・

深めることができるか.発注者は,上記の実現性を⾼めるため,制度・運⽤のあり

⽅を改⾰する役割.

Page 37: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

まとめ(2)プロジェクトマネジメントソフトウェアを利⽤した,受発

注者間,グループ会社間でのコスト・スケジュールの共有と透明性の確保,適正なコスト評価が不可⽋.

BIM/CIMでは,設計業務において⽣成される設計情報の品質が,受注者の能⼒により⼤きな幅を持つことから,設計業務での予定価格の上限拘束性の撤廃と,交渉⼿続

きの導⼊が不可⽋.著作所有権を設計コンサルタントが保持し,発注者は使

⽤権等をもつように,約款の改定が必要.

Page 38: H30 JACIC研究助成報告会 16皆川勝4 2005/1/11ー 2006/7月末 548日 0 1 5(完了) 2005/1/11ー 2006/10月末 548日 0 0 合計 9 4 ウィンドウ番号 スケジュール更新

ご清聴ありがとうございました。Thank you for

your kindly attention.

38