his agazine week of june 3 - 楽天証券 · preview 今週の予定→ p.18...

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※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON’S 誌の内容を利用して作成したものです。 ※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資 料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。 Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc. 本誌記事の無断転載・複写を禁じます 2013年6月3日号 THIS WEEK’S MAGAZINE Week of June 3 1. Beware The Hidden Costs In Tech 隠れコストに要注意→ P.2 【株式報酬】 一部のハイテク企業は株式報酬を見過ごされ、PER が実際より低くなっている 2. The Stars Are Lining Up For Intel インテルの明るい未来→ P.5 【インテル】 タブレット端末とスマートフォンでのシェア拡大で、今後 5 年で株価 2 倍の可能性も 3. Graduation Day For Spinoffs 事業の分離・独立が急増→ P.8 【スピンオフ】 投資家に多くのチャンスを提供 4. Bubble, Bubble, Money And Trouble バブルとトラブル→ P.10 【インタビュー】 マーク・ファーバー氏に聞く 5. The Trader FRB の動向を織り込む展開が続く→ P.14 【米国株式市場】 2 週続けて下落したものの、月間ベースでは 6 カ月連続の上昇 6. China's Woes Create Bargains 社会的課題から生まれる割安銘柄→ P.17 【中国株式市場】 人民元高と資源価格下落が中国市場の追い風に 7. Preview 今週の予定→ P.18 【経済関連スケジュール】 ミツバチをめぐる紛糾 8. Up & Down Wall Street 中国の対米投資は今後も続く→ P.21 【コラム】 経済はそれほど強くなく、頼りになるのは FRB だけ 9. Is the Low-Bata BubbleDeflating? 低ベータ株バブルは収縮中?→ P.23 【株式市場展望】 低ボラティリティ株から景気循環株への乗り換え時期か? 10. Why Solar Stocks Need To Chill 過熱気味の太陽光発電関連株→ P.25 【太陽光発電関連株】 楽観的な需要見通しだけで上昇しているファースト・ソーラーには要注意

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Page 1: HIS AGAZINE Week of June 3 - 楽天証券 · Preview 今週の予定→ P.18 【経済関連スケジュール】 ミツバチをめぐる紛糾 8. Up & Down Wall Street 中国の対米投資は今後も続く→

※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON’S誌の内容を利用して作成したものです。

※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資

料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの

ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。

Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

本誌記事の無断転載・複写を禁じます

2013年 6月 3日号

THIS WEEK’S MAGAZINE Week of June 3

1. Beware The Hidden Costs In Tech 隠れコストに要注意→ P.2 【株式報酬】

一部のハイテク企業は株式報酬を見過ごされ、PERが実際より低くなっている

2. The Stars Are Lining Up For Intel インテルの明るい未来→ P.5 【インテル】

タブレット端末とスマートフォンでのシェア拡大で、今後 5年で株価 2倍の可能性も

3. Graduation Day For Spinoffs 事業の分離・独立が急増→ P.8 【スピンオフ】

投資家に多くのチャンスを提供

4. Bubble, Bubble, Money And Trouble バブルとトラブル→ P.10 【インタビュー】

マーク・ファーバー氏に聞く

5. The Trader FRBの動向を織り込む展開が続く→ P.14 【米国株式市場】

2週続けて下落したものの、月間ベースでは 6カ月連続の上昇

6. China's Woes Create Bargains 社会的課題から生まれる割安銘柄→ P.17 【中国株式市場】

人民元高と資源価格下落が中国市場の追い風に

7. Preview 今週の予定→ P.18 【経済関連スケジュール】

ミツバチをめぐる紛糾

8. Up & Down Wall Street 中国の対米投資は今後も続く→ P.21 【コラム】

経済はそれほど強くなく、頼りになるのはFRBだけ

9. Is the “Low-Bata Bubble” Deflating? 低ベータ株バブルは収縮中?→ P.23 【株式市場展望】

低ボラティリティ株から景気循環株への乗り換え時期か?

10. Why Solar Stocks Need To Chill 過熱気味の太陽光発電関連株→ P.25 【太陽光発電関連株】

楽観的な需要見通しだけで上昇しているファースト・ソーラーには要注意

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 2 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

1. Beware The Hidden Costs In Tech 隠れコストに要注意 【株式報酬】

一部のハイテク企業は株式報酬を見過ごされ、PER が実際より低くなっている

■ 株式報酬費用の扱いに差

利益が利益でなくなるのはいつか?ハイテク投資家にとっては、そ

れが問題だ。

多くの新興ハイテク企業は、利益計算に際しては多額の株式報酬費

用を無視するよう促しており、投資家は言いなりになっている。

その結果、フェイスブック(FB)、グーグル(GOOG)、アマゾン・

ドット・コム(AMZN)、クラウドコンピューティングのセールス

フォース・ドットコム(CRM)、ビジネス向け会員制交流サイト(SNS)のリンクトイン(LNKD)、ソフ

トウエアメーカーのVMウェア(VMW)など多数のハイテク企業で、株価収益率(PER)は実際より低く

なっている。これらの企業はウォール街方式の PER を採用しているが、株式報酬費用は非常に大きくなり

がちにもかかわらず、ウォール街では利益計算から一般的に除外されているのだ。

対照的に、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、インテル(INTC)などのハイテク企業のアプロ

ーチは保守的で、米会計基準(GAAP)のみに準拠した利益を報告している。GAAP では全ての費用が利益

計算に含まれる。実際、ハイテク業界とバイオテクノロジー業界以外では、株式報酬費用を無視する会社は

極めて少ない。

セールスフォースは特に極端なケースで、株式報酬を織り込むと利益は消えてなくなってしまう。クラウド

コンピューティング関連として人気を博している同社の株価は約 42 ドル。2013 年 1月期の非GAAP1株当

たり利益 49セントに基づく PERは 87 倍だが、GAAP 準拠の損益は 29セントの損失となる。

アマゾンとフェイスブックの PER は、GAAP 準拠だと大幅に上昇する。アマゾンの今期予想の PER は 89

倍から 200 倍、フェイスブックは 43 倍から 66 倍、リンクトインに至っては 117 倍から 806 倍に跳ね上が

る。

■ 無視する理由

投資家は非GAAP の利益計算を採用する企業を避けよ、というわけではない。そのアプローチは法令順守上

問題があるわけでも倫理上問題があるわけでもない。しかし、標準的な利益計算を採用しているハイテク業

界の内外の他社とは、同じ土俵で比べるべきだろう。GAAP 準拠で PER が 100 倍以上なら、それを正当化

するためには極めてハイペースの成長が必要となる。

株式報酬を無視してよい理由として一般的だったのは、「株式報酬は主にストックオプション(自社株購入

権)という形を取るが、その価値は測定が難しい」というものだった。しかし、近年は譲渡制限付き株式へ

のシフトが顕著になっている。この株式は通常 3、4 年後に取得権を行使できるようになるが、価値は容易

に測定できる。フェイスブック、アマゾンをはじめ大半のハイテク企業が、株式報酬の手段として主にこの

譲渡制限付き株式を使っている。

ハイテク業界の口実もそれとともに変化し、現在では「非現金」費用だからと主張する企業が多い。しかし、

株式に価値があるのは明らかで、だからこそ従業員に歓迎されているのだ。

従業員向けに大量の株式を発行しているセールスフォースは、新しい説明を考えた。株式報酬は従業員に対

する資本投資のようなものだ、というのが同社の見解で、最近の決算報告では次のように述べている。「従業

員の利害を株主の利害と連動させること、そして従業員に対して特定期間の営業成績で鼓舞したり報いたり

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 3 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

Who Pays the Most

Stock-Based

Compensation/

Company Revenue

Apple 1%

IBM 1

Oracle 2

Intel 2

Cisco Systems 3

M icrosoft 3

Google 5

Broadcom 7

V M ware 10

Salesforce.com 10

*Five-year average through 2012.

Source: Bernstein Research

Salesforce.com and VMware have been

lavish in their stock grants, while Apple and

IBM are more restrained, leaving more cash

for shareholders.

するのではなく、長期的に引き留めることが主な狙いである」。

多くのハイテク企業は株式報酬を除外した「フリーキャッシュフロー」でバリュエーションを見積もられて

いるが、それらの企業は発行済み株式総数が増えないよう、従業員に発行した株式を買い戻すことが多い。

この買い戻し費用は、フリーキャッシュフローから控除されていない。その結果、従業員にキャッシュで支

払っている会社と比べて、フリーキャッシュフローが不当に押し上げられることになる。

■ 希薄な投資家の関心

アナリストや投資家が問題視しないのをいいことに、多くの

企業が従業員のために発行する株式の数を増やしている。セ

ールスフォースの株式報酬の売上高に対する比率は、2010

年の 7.3%から昨年は 12.4%まで上昇した。費用管理ソフト

ウエアのメーカーであるコンカー・テクノロジーズ(CNQR)

やクラウドコンピューティング関連のアルティメット・ソフ

トウエア(ULTI)でも、この比率がかなり上昇している。

バーンスタイン・リサーチのアナリスト、トニー・サッコナ

ギ氏は最近のレポートでハイテク企業主要 25 社の株式報酬

を調査した。また、報告されるフリーキャッシュフローのう

ち、株式報酬と買収を調整した上で実際に株主に帰属する分

の割合を算出しようとした。

アップルやマイクロソフト、IBM(IBM)といった最も魅力

的な会社の株式報酬は控えめだった。2008~12年の期間で、

株式報酬の対売上高比率はアップルと IBM で 1%にとどま

り、VMウェアの 10%や半導体メーカーであるブロードコム

(BRCM)の7%よりはるかに低かった。

多くの投資家は株主報酬の問題を気にしていないが、サッコ

ナギ氏らは気にするべきだと言う。「キャッシュフロー倍率

は正しく比較可能なものではないと、われわれは主張している」と同氏は書いた。株式報酬を行わない会社

の方が、配当や発行済み株式総数を減らす自社株買い戻しに使えるキャッシュを多く持つ傾向にある。

多くのハイテク企業は他社がうらやむ成長を決算で示しているが、従業員への株式付与を考慮した利益がご

くわずか、あるいは存在しないなら、その成長に中身はない。そして、従業員に気前よく株式を振る舞いつ

つ、それは費用ではないと言い張る経営陣は、株主マネーの理想的な番人とはとてもいえないだろう。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 4 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

Now You See Profits, Now You Don't

Recent 52-Wk Not Including Including Not Including Including Mkt Value

Company/Ticker Price Change Stock Grants Stock Grants Stock Grants Stock Grants (bil)

Amazon.com/AMZN $266.83 27.50% $3.00 $1.33 88.9 200.6 $121.30

Broadcom/BRCM 36.26 12.6 2.89 1.69 12.5 21.5 20.6

Concur Tech/CNQR* 80.57 30.6 0.99 -0.36 81.4 NM 4.5

Facebook/FB 24.55 -12.9 0.57 0.37 43.1 66.4 43.0

Google/GOOG 870.76 48 46.14 39.71 18.9 21.9 287.1

LinkedIn/LNKD 169.35 72.6 1.45 0.21 116.8 806.4 18.7

Salesforce.com/CRM** 42.76 21.3 0.49 -0.29 87.3 NM 25.0

Ultimate Software/UTLI 112.77 40.1 1.39 0.67 81.1 168.3 3.1

VMware/VMW 71.50 -24.5 3.29 1.96 21.7 36.5 29.4

2013E Earnings Per Share 2013E P/E

E=Estimate. NM=Not meaningful. **Fiscal year ends Sept.

**Fiscal year ends Jan. 

Sources: Thomson Reuters; Bloomberg

A comparison of non-GAAP earnings projections, which exclude stock grants, with projections based on GAAP,

which include all costs.

Facebook Inc (FB) Google Inc (GOOG) Amazon.com Inc (AMZN)

Salesforce.com Inc (CRM) Linkedin Corp (LNKD) VMware Inc (VMW)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 5 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

Microsoft Corporation (MSFT) Apple Inc (AAPL) Intel Corporation (INTC)

Concur Technologies Inc (CNQR) Ultimate Software Group Inc (ULTI) International Business Machines

(IBM)

Broadcom Corp (BRCM)

チャートは 3年

By ANDREW BARY (Source: Dow Jones)

2. The Stars Are Lining Up For Intel インテルの明るい未来 【インテル】

タブレット端末とスマートフォンでのシェア拡大で、今後 5 年で株価 2 倍の可能性も

■ 当面は配当利回り、長期的には株価上昇を期待

インテル(INTC)の未来は投資家が考えているより明るいもの

になりそうだ。タブレット端末とスマートフォン向け半導体でシ

ェア拡大の兆候が見られるのに加えて、近い将来にはサーバー用

半導体の売り上げ増加やパソコン(PC)市場の安定も期待できる。

インテルは S&P500指数を過去 1年、3 年、5年間でアンダーパ

フォームしていたが、今年はアウトパフォームしている。現在 24

ドルの株価は今後 5年以内に 2倍になる可能性がある。

タブレット端末やスマートフォンが力強い伸びを見せる中、今年の PC 出荷台数は減少し続けている。イン

テルは売上高の 3 分の 2、利益の大部分を低迷が続く PC 市場に依存している。半導体の市場シェアは、デ

スクトップ PCで 80%、ノート PCで 87%にもなるが、タブレット端末ではわずか 1%、スマートフォンで

はそれをさらに下回る。モバイル端末の大部分は、クアルコム(QCOM)、アップル(AAPL)およびサム

スン電子(005930.韓国)製のARMベースの半導体を採用している。これらの会社は半導体の設計を ARM

ホールディングス(ARMH)からライセンスを受けており、同社の株価は過去 3年で 4倍になった。

インテルは最近、売上高の伸びを上回るペースで支出を増やしており、今年の 1株当たり利益(EPS)は 12%

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 6 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

減少し 1.87 ドルになると予想されている。株価収益率(PER)は 13 倍で S&P500 指数の 15 倍を下回る。

株価下落に伴い配当利回りは上昇し、S&P500 指数の 2 倍近い 3.7%になっている。投資家は今、インテル

株に投資してもいいし、配当利回りを享受して同社株の復活を待つのもいいかもしれない。

■ モバイル端末でシェア拡大を狙う

昨年、インテルは半導体の研究開発費用が、支出額で第 2位のクアルコムの 7倍にも達した。今年は世界最

大の半導体受託生産会社である台湾積体電路製造(TSMC、ティッカーは TSM)をも上回る投資を製造部

門で行った。これにより、半導体の能力向上、消費電力の低下、生産コストの低下などで競合企業に今後数

年間優位に立つ可能性がある。

期待できる好材料を四つ挙げる。最初に、長らく待たれたモバイル端末でのシェア拡大だ。インテルはネッ

トブック向けに低コストのアトムプロセッサーを 2008 年に発売したが、これを開発の最前線に持ってきて

いる。今年、同社は最先端の 22 ナノメートルプロセスのアトムを発売した。来年には、14 ナノメートルま

で微細化が進むことが予想される一方、ARMベースの半導体は28ナノメートルにとどまる可能性が大きい。

サムスン電子とASUSは、最近グーグル(GOOG)のアンドロイドを搭載する大型のタブレット端末でARM

ベースの半導体からアトムに変更した。ドイツ銀行のアナリストのロス・セイモア氏は、この動きをインテ

ルの成功の前兆だという。同氏はインテルが今年タブレット端末でシェアを拡大し、来年にはスマートフォ

ンでもシェアを拡大し始めると予想する。

モバイル端末でのシェア拡大でインテルはさらに投資家の支持を集める可能性があるが、これが売り上げを

大きく押し上げることはなさそうだ。ウェルズ・ファーゴのアナリスト、デービッド・ウォン氏によると、

アトムの価格は 30 ドル足らずで、デスクトップ PC やノート PC 用半導体の 100 ドル超、サーバー用半導

体の約 600 ドルを大幅に下回る。インテルのシェアがスマートフォンで 10%、アップル製以外のタブレッ

ト端末で 30%になっても、売上高はわずか数%増加するに過ぎない。

■ サーバーが利益に貢献、PCは復活、半導体生産受託などの新分野も

それよりも重要なのは、モバイル端末からのデータ通信量の増加で、これによってサーバー用半導体の需要

増加が予想される。同社はタブレット端末が 122台増加すると新しいサーバーが 1台必要になると試算して

おり、サーバー1 台に少なくとも二つの半導体が搭載される。インテルではサーバーは現在の売上高全体の

21%を占めており、今後数年間は 10%台半ばで伸びる可能性があってこれが利益に大きく貢献すると、ウォ

ン氏はいう。

PC については、今年の減少の大部分は世界経済と新モデルがないことに起因するもので、ユーザー側の要

因によるものではないことは販売価格が堅調なことを見れば分かる、とトペカ・キャピタル・マーケッツの

スジ・デ・シルバ氏は指摘する。調査会社 IDC の予測によると、今年の PC 出荷台数は 7.8%減少する可能

性があるが、来年は 1.2%減にとどまるという。ウォン氏はインテルが新興国市場の成長や市場シェアの拡

大によって、今後数年でデスクトップ用半導体の売上高の伸び率を 1 桁台前半まで押し上げ、ノート PC の

売上高の伸び率は 2 桁台になると予想する。ライバルのアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は現

在ハイエンドの半導体で後れを取っている。

最後に、インテルは 120 億ドルに上る巨額の設備投資によって製造

コストが低下すると予想されており、ハイエンドの半導体の受託生

産など、新しい事業分野を拡大している。インテルは今年、マイク

ロセミ(MSCC)やアルテラ(ALTR)と小規模な契約を結んでお

り、今後アップルと契約する可能性もある。長期的に、半導体受託

生産はモバイル端末用の半導体設計での勝利に向けた手段となり得

る。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 7 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

インテルのEPSは今年 8%増の 2.02 ドルと予想される。EPSは今後 10年程度で 3ドルを上回り、PERも

上昇が見込まれる。市場の PER15倍を 3ドルのEPSに適用すると株価は 45 ドルとなる。これに 5年間の

配当(わずかな増配を想定)を加えると 50ドルになり、現在の株価を大きく上回る。

Intel Corporation (INTC) QUALCOMM Inc (QCOM) Apple Inc (AAPL)

Samsung Electronics Co. Ltd.

(KR:005930)

ARM Holdings PLC (ARMH) Taiwan Semiconductor Manufacturing

Co Ltd (TSM)

Google Inc (GOOG) Advanced Micro Devices Inc (AMD) Microsemi Corporation (MSCC)

Altera Corp (ALTR)

チャートは3年

By JACK HOUGH

(Source: Dow Jones)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 8 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

3. Graduation Day For Spinoffs 事業の分離・独立が急増 【スピンオフ】

投資家に多くのチャンスを提供

■ 分離・独立の季節

最高の親は、子供が独り立ちするにふさわしい時期が分かっている。企業

の場合も、事業の一部を分離する際には、往々にして投資家にとっても最

高の機会を提供する。

米国は卒業シーズン間近である。企業の中にもスピンオフ(分離・独立)

を通じて事業の切り離しを検討する動きが増えている。工業製品メーカー

のドーバー(DOV)は先月、急成長中の消費者向け電子機器部門を分離する計画を明らかにした。メディア

業界では、タイム・ワーナー(TWX)と、本誌の親会社であるニューズ・コーポレーション(NWS)が、

出版部門を分離する計画を公表している。飲料・食品大手ペプシコ(PEP)は従来、スナック事業と飲料事

業の分離を求める投資家の追求をかわしてきたが、インドラ・ヌーイ最高経営責任者(CEO)は 4月、同社

が「重要な構造的選択手段を通じて、増加する価値を開放する賢明な機会を」模索していると述べた。理解

に苦しむ会社用語だが、スピンオフを示唆しているのでは、と取り沙汰された。

今年実施された公開企業のスピンオフは 5 月末現在で 15 件となっており、前年同期の 10 件から 5 割増だ。

さらに、シカゴの調査会社スピンオフ・アドバイザーズによると、今年のスピンオフされた企業の上場後の

時価総額は 1300 億ドルにも達し、前年同期の 530 億ドルを大きく上回っている。

■ 目立たぬ部門が注目の的に

投資家も恩恵を受けている。時価 10 億ドル以上のスピンオフを対象とするブルームバーグ・スピンオフ指

数は、5月 30 日までの 1年で 60%上昇し、同時期の S&P500 指数の上昇率の 2倍を超えた。親会社の株価

も上昇する傾向がある。クレディ・スイスが、1995 年から 2012 年半ばまでの親会社とスピンオフ企業双方

の実績を調査したところ、分離後の最初の 12 カ月で親会社の株価は S&P500 指数を 9.6%、スピンオフ企

業は同指数を 13.4%、それぞれ上回ったことが分かった。別の調査ではこうした好実績が 24~36 カ月続く

とされており、資源配分の改善や、以前にはできなかった取引が可能になったことが要因に挙げられている。

また、スピンオフを通じて注目されるようになった企業が、格好の買収対象となるという妙味もある。

例えば、石油精製大手バレロ・エナジー(VLO)は、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア運営の小売

り部門コーナー・ストーンを、CST ブランズ(CST)という新たな社名で分離した。バレロの内部にあって

はほとんど注意を引かない小規模な部門である。分離後の CST の経営陣は、ぱっとしないマージンとマー

チャンダイジングを改善するため、株式報酬という動機と経営の実権を手にした。さらに、時価総額 220 億

ドルの巨大企業バレロの株主には、ガソリンスタンドでビールやビーフジャーキーを販売するような小企業

の株を保有する理由がないので、CST 株を安値で売却する可能性があり、他の投資家が同株を安値拾いする

チャンスが生じるかもしれない。CST の現在の 2014 年予想株価収益率(PER)は 12 倍である。同業他社

が 15 倍で推移していることから、そこまで近づくとなると、株価水準は直近の 31 ドルから 40 ドルまで上

昇することを意味する。オスカー・グラス・アンド・サンのアナリスト、ルイス・マイヤー氏は「大学にス

ピンオフ入門というクラスがあるなら、これは古典的なケースだ」と語る。同氏は CST のような「見捨て

られ型」のスピンオフ企業は、20~50%上昇する可能性があると指摘する。

■ スピンオフ前の親会社も狙い目

もう一つの選択肢は、スピンオフ実施前に親会社に投資することだ。例えば、複合企業インガソール・ラン

ド(IR)は、利益率が最も高いセキュリティ技術部門のスピンオフを計画中。同部門はスクーターやバイク、

住宅用の錠前で有名だ。スピンオフ実施前の親会社の株は、往々にしてサム・オブ・ザ・パーツ分析に基づ

くバリュエーションに従って取引される。インガソール社に当てはめると、評価は現在の 57 ドルを 16%上

回る 67 ドルとなる。ただしスピンオフは年内には完了しない見込みなので、住宅市場の回復が続いて同社

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 9 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

Three Ways to Play Spinoffs

Mkt Recent P/E

V al (bil) Price 2014E Type

CST Brands/CST $2.4 $31.38 11.8 Spinoff

Ingersoll-Rand/IR 17.3 57.81 13.9 Parent

Blackhawk Network /HAWK 1.3 24.13 17.2 Carve-Out

Source: Bloomberg

Company/Ticker

E=Estimate.

Spinoffs tend to outperform the broad market for up to three years, but don't ignore the parent's

stock. Three good options are below.

の中核事業である暖房、空調システムの業績が上向いた場合に、一段の株価上昇が期待できそうだ。

インガソールのスピンオフでは、同社の株主が新会社の株式を受け取るので、税金はかからない。どちらか

と言えば主流はこの種の「純粋な」事業分離であり、分離する事業を切り出して(カーブアウト)、個別に株

式を公開する事例に比べ、投資家の関心を集めるためのロードショーが実施されない分、好まれる傾向があ

る。ただし例外もある。スーパーマーケット大手セーフウェイ(SWY)が 4月に実施した、ブラックホーク・

ネットワーク・ホールディングス(HAWK)の株式公開がその一例である。ブラックホークはギフトカード、

プリペイドカードを販売し、セーフウェイ内部での利益率は上位にあった。同社のギフトカードは 10 万店

の小売り店舗に置かれ、ライバル社を圧倒している。

スピンオフ投資に焦点を当てたグッゲンハイム・スピンオフ・ファンド(CSD)という上場投資信託(ETF)

は、資産 1億 5500万ドルと小型だが、過去 30カ月に分離独立した企業の株式を保有し、多様化を望む投資

家の需要に応えている。同ファンドは比較的小規模のスピンオフ企業株を扱っており、スピンオフ・アドバ

イザーズ代表のジョー・コーネル氏によると、投資家やアナリストに知れ渡った大規模なスピンオフ企業よ

りも投資の妙味があることが多いという。同ファンドの過去 3年の年間リターンは 24%で、投資信託評価の

モーニングスターの分類で最上位に位置し、経費率は 0.65%で、同テーマを手掛ける他のアクティブ・ファ

ンドを大きく下回る。

Dover Corp (DOV) Time Warner Inc (TWX) News Corp (NWS)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 10 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

PepsiCo Inc (PEP) Valero Energy Corp (VLO) Cst Brands Inc (CST)

Ingersoll-Rand Plc (IR) Safeway Inc (SWY) Claymore/Clear Spin-Off ETF (CSD)

チャートは 3年(CST は 2カ月)

By RESHMA KAPADIA

(Source: Dow Jones)

4. Bubble, Bubble, Money And Trouble バブルとトラブル 【インタビュー】

マーク・ファーバー氏に聞く

■ 現在はバブル

マーク・ファーバー氏は、「憂鬱(ゆううつ)、ブーム、運命

のレポート」と題するニュースレターを発行しており、本誌

のラウンドテーブルのメンバーでもある。個別銘柄に精通し

ているほか、世界を懐疑的にみる傾向がある。現状をバブル

とみなしている。

本誌:紙幣増刷に対して懐疑的な理由を改めて教えて欲しい。

ファーバー氏:問題は、資金がシステムに均等に行き渡らず、

実体経済と資産価格を同時に押し上げていないことだ。紙幣増刷は 1999~2000 年のハイテクバブル、2008

年に崩壊した住宅バブル、コモディティーバブルなどを生み出した。資金は今や、株式、債券、絵画、ワイ

ン、宝石、高級不動産に流入している。資金源に近い人々に恩恵をもたらしているが、大多数の中産階級に

は恩恵をもたらしておらず、富の格差が拡大している。

Q:株式はバブル状態か。

A:4 年連続の景気拡大とゼロ近辺の金利が誤った資本配分を増幅させる。S&P500 指数は、1~2 カ月先に

調整する前に 1750、もしくは 2000 にまで上昇する可能性がある。株式や債券に加えて他の資産の価格が世

界的に膨れ上がっているため、資産を保有する全ての人々がリスクを抱えている。

Q:現在の行き過ぎた状況はどのように調整されるとみているのか。

A:富裕税か増税によって富裕層が標的にされるだろう。中東やアジアで地政学的情勢が悪化する可能性が

ある。アジアに対する米国の姿勢の変化を中国は警戒している。想定外の事態もあり得る。S&P500指数が

20%下落すれば米連邦準備制度理事会(FRB)は紙幣を増刷するだろうが、債券市場は暴落し、インフレも

高進する可能性がある。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 11 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

Company / Ticker Recent Price

JAPAN

NTT DoCoM o / DCM $15.15

V IETNAM

V ietnam Dairy Products /

V NM .V ietnamVND134,000

M ilitary Commercial Bank /

M BB.V ietnam 13,200

SINGAPORE

SIA Engineering / SIE.Singapore S$5.07

Kingsman Creatives / KMEN.Singapore 0.91

HONG KONG

China M engniu Dairy / 2319.Hong

KongHK$26.85

EUROPE

Novartis / NV S $73.13

GDF Suez  / GSZ.France € 16.05

V eolia Environnement / V IE.France 9.63

Iberdrola / IBE.Spain 4.23

Energias de Portugal / EDP.Portugal 2.52

GOLD & NATURAL RESOURCES

Newmont M ining / NEM $34.34

Chevron / CV X 125.11

Total  / TOT 51.32

OTHER

Kazkommertsbank / KKB.UK $1.99

Euphrates Iraq Fund  1,244.75

India Capital Fund* 62.08

Cash (in U.S . dollars )

*Est. NAV as of 5/24.

Sources: Bloomberg; India Capital Fund; Euphrates Iraq Fund

■ アジアに投資

Q:かつては強気だったが。

A:資産の 25%を株式に投資しているが、米国株

ではなくアジア株を保有している。フィリピン、

インドネシア、タイの株価は金融危機後の底から

4 倍に上昇しており、もはや魅力的とはいえない

が、配当利回りが比較的高い銘柄を保有している。

中国はあまり評価していない。ただし、情勢が悪

化すれば紙幣は増刷され通貨が下落して株価は上

昇するだろう。香港の企業を数銘柄保有している。

コングロマリットのスワイヤ・パシフィック(19.

香港)、ハンセン銀行(11.香港)、不動産のサンフ

ンカイ・プロパティーズ(16.香港)、フォーチュ

ン・リート(778.香港)などだ。中国関連銘柄で

は中国の大手乳製品メーカーの蒙牛乳業(2319.

香港)を好んでいる。

日本については、政府が円安政策をとれば相場が

即座に急騰すると考えていた。野村ホールディン

グス(8604)などの証券会社に投資した。その他

には、プレミア投資法人(8956)やアクティビア・

プロパティーズ投資法人(3279)などの不動産投

資信託(REIT)も保有している。NTT ドコモ

(9437)を特に好んでいる。

Q:ベトナムを訪問していたが。

A:不良債権が多く、株価は高値から 70%下落し

たが、期待は大きい。ダナンとホイアンの間には

35キロメートルの浜辺があり、リゾートとして有

望だ。ミリタリー・コマーシャル・バンク(MBB.

ベトナム)と乳製品のベトナム・ダイアリー・プ

ロダクツ(VNM.ベトナム)を好んでいる。

ラオス、カンボジア、ミャンマーなどが開放に向

かっており、ベトナムも再開放しつつある。どこ

へ行ってもミャンマーの話で持ち切りだ。不動産

会社のヨーマ・ストラテジック・ホールディング

ス(YOMA.シンガポール)だけが、ミャンマーに

直接のエクスポージャーを持っている。

Q:中国について意見を聞かせてほしい。

A:信用バブルの状態にあり、うまく乗り切れな

いだろう。中国経済は、公式には 7.7%成長だが、

実体はせいぜい 4%成長だ。中国の台湾、韓国、

香港、シンガポール向け輸出額は、それぞれの国

の統計における輸入額を大幅に上回っている。

シンガポールは、過去 6カ月間はゼロ成長で、イ

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 12 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

ンフレ率は 4%だ。タイでは景気刺激策にもかかわらず景気は減速している。

Q:欧州には関心はあるか。

A:あまり楽観視してこなかった。とはいえ、2009 年の危機以降にスイスの保険会社に投資した。09 年の

危機以降で S&P500指数は 2倍以上に上昇したが、欧州の多くの株式市場は 09 年の底値水準から変わって

おらず、何かがおかしい。人生で初めて欧州株を買ったが、今後も買い増すつもりだ。

バロンズ誌が欧州の通信銘柄を最近特集したが、その中で言及されていたフランス・テレコム(FTE)、テ

レコム・イタリア(TI)、ドイツ・テレコム(DTEGY)の全てに加えて、ポルトガル・テレコム(PT)を

保有している。その他には、公益会社の GDF スエズ(GSZ.フランス)、公益・水処理のベオリア・エンバ

イロンメント(VIE.フランス)、電力会社のイベルドローラ(IBE.スペイン)、電力・ガス会社のエナジアス・

デ・ポルトガル(EDP.ポルトガル)を推奨しており、製薬会社のノバルティス(NVS)も好んでいる。

Q:シンガポールのREIT について。

A:航空機メンテナンスサービスの SIA エンジニアリング(SIE.シンガポール)やサービス・コングロマリ

ットのキングスメン・クリエイティブス(KMEN.シンガポール)を好んでいる。REIT は上昇したが、配当

利回りは依然として 5~5.5%あり、米国のREIT よりも高い。さらにインフレ率が上昇すれば、REIT は賃

料を引き上げられる。

Q:金については。

A:2011 年の直近の高値から 30%下落したが、1999年以降では金融資産をアウトパフォームしている。調

整は行き過ぎと考えている。資産の 25%を金に配分しており、毎月買い増している。資産バブルが崩壊すれ

ば金融資産は悪影響を被りやすいため、銀行システムには存在しない資産を保有したいと思っている。

その他、金鉱大手のニューモント・マイニング(NEM)のほか、シェブロン(CVX)やトタル(TOT)な

どの資源株も好んでいる。

現金も、米ドルで多額を保有している。その他には適格投資家が投資できる、インディア・キャピタル・フ

ァンドなどにも投資している。カザフスタンのファンダメンタルズは好調だが、債券価格は上昇した後だ。

従って、同国最大の銀行であるカザコマーツバンク(KKB.英国)を選好する。最後に、ユーフラテス・イ

ラク・ファンドは、国内と海外の資本を魅了する初期段階のフロンティア市場に投資できる良好な手段だ。

Swire Pacific Ltd. A (HK:19) Hang Seng Bank Ltd. (HK:11) Sun Hung Kai Properties Ltd. (HK:16)

Fortune Real Estate Investment Trust

(HK:778)

China Mengniu Dairy Co. Ltd.

(HK:2319)

野村ホールディングス (JP:8604)

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プレミア投資法人 (JP:8956) アクティビア・プロパティーズ投資法人

(JP:3279)

NTTドコモNTT (JP:9437)

Yoma Strategic Holdings Ltd. (SG:Z59) France Telecom (FTE) Telecom Italia SPA (TI)

Deutsche Telekom AG (DTEGY) Portugal Telecom SA (PT) GDF Suez S.A. (FR:GSZ)

Veolia Environnement S.A. (FR:VIE) Iberdrola S.A. (SP:IBE) Novartis AG (NVS)

SIA Engineering Co. Ltd.( SG:S59) Kingsmen Creatives Ltd. (SG:5MZ) Newmont Mining Corp (NEM)

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Chevron Corp (CVX) Total SA (TOT) Kazkommertsbank GDR (UK:KKB)

チャートは 3年

By LAUREN R. RUBLIN

(Source: Dow Jones)

5. The Trader FRB の動向を織り込む展開が続く 【米国株式市場】

2 週続けて下落したものの、月間ベースでは 6 カ月連続の上昇

■ 週間ベースで連続安

先週の株式市場は「連邦準備制度理事会(FRB)の

政策変更」を気にして、週間ベースでまた下落とな

った。

バーナンキ FRB 議長が議会証言で今後数カ月以内

に FRB が債券購入規模を縮小するかもしれないと

示唆したこと、また直近の連邦公開市場委員会

(FOMC)での議論を受けて、メモリアルデーで 4

日間しかなかった市場は前週と同様に調整した。投

資家はいつ、そしてどの程度 FRB が緩和策を縮小

するか探ろうとしたため、結果として米国債市場は

過去 2年以上の期間で最も大きな下落となり、利回

りは過去 1年間で最も高い水準に上昇した。30年債

の利回りが 4%を超え、10 年債の利回りが 2%を超

えたため、今年初めて S&P500指数の利回りと米国

債指標銘柄の利回りが同じ水準となった。

FRB の引き締め策が引き締めと受け止められない

のはいつになるのだろうか。恐らく徐々に解除する

しかないのだろう。つまり、経済を刺激するために

債券を購入するプログラムである量的緩和策は長く

続けられるものの、現在の毎月 850億ドルという規

模から、景気を上向かせたままの状態で徐々に縮小

するという方法になるのだろう。

「投資家が話題にしているのは、FRBがどの程度流

動性供給のバルブを緩めたままにするのかという点

だ。現時点で FRB は依然、流動性の供給を増やし

ており、積極的な金融緩和を行っていることになる」

と、ニューヨークの機関投資家向け調査会社ストラ

テガス・リサーチ・パートナーズのジェーソン・ト

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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レナート氏は指摘する。

先週、ダウ工業株 30種平均は週間で 1.2%下落して、1万 5115 ドル 57セントで引けた。それでも月間ベー

スでは 1.9%の上昇となり、6 カ月連続の上昇を記録した。過去 20 カ月で 17 回上昇しており、この勢いは

1951年以来のことである。ナスダック総合指数はわずかに 0.1%の下落で 3455.91 となった。同指数も月間

ベースで上昇し、こちらは 7カ月連続の上昇だった。

S&P500 指数は 1.1%下落して 1630.74 となり、5 月としては 2009 年以来の上昇を記録した。こちらも 7

カ月連続の上昇で、過去 18 カ月で 15 回目の上昇だった。小型株のラッセル 2000 指数はほぼ変わらずの

984.14 で週末を迎えた。

■ 住宅統計

月曜日の休日の後、株式市場は 3 月の住宅価格が 1 年前から

10.9%と、過去 7年で最も高い上昇率となったことを受けて上

昇して始まった。この S&P ケース・シラー住宅指数は既存の

一戸建て住宅の価格を表すが、今回、20 都市全てにおいて 3

カ月連続で価格が上昇したことが分かった。この結果に難があ

るとすると、住宅の供給が限られていたことが背景にあったと

いうことだろう。

加えて、米商務省が発表した別の住宅統計でも新築住宅販売件

数が強いことが示された。季節調整済み年率換算で 45万 4000

戸という数値は 1 年前を約 30%も上回る水準である。従って、

消費者が強気になるのも自然な流れだ。コンファレンス・ボー

ドが発表した消費者信頼感指数は 08 年 2 月以来の高い数値で

ある 72.6 となり、4 月の 69 から大幅に上昇した。将来の期待

値に関しては 4月の 74.3 から 82.4 に大幅に上昇した。

追加の好材料はムーディーズ・インベスターズ・サービスからもたらされた。米国の銀行システムに対する

格付け見通しを弱含みから安定的と、08 年の金融危機以降で初めて引き上げたからだ。銀行株は逆行高とな

った。

中でも注目されたのがシティグループ

(C)で、株価は 52週高値の 53.56ドル

となった。これは 09年に記録した 54.30

ドルに次ぐものであり、2010年や 11年

の高値を既に抜いている。モントリオー

ルに本社がある独立系テクニカル・リサ

ーチ会社であるフェーズ・アンド・サイ

クルズでは、株価は急上昇する手前にあ

るとみている。

これらは経済の強さを示すものだが、同

時に FRB が流動性の供給を縮小するか

もしれないとの懸念も生んだ。バーナン

キ議長は景気回復を妨げないように、雇

用の改善が示されなければすぐには流動

性の供給をやめることはないということが重要な点である。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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■ 1995 年の再現か?

先週は下落したものの、今年の株式市場は 1995年と似たような動きになっているとの見方が出てきた。

ビスポーク・インベストメント・グループの指摘によると、S&P500 指数は 1995 年とほぼ同じような動き

を示す可能性がある。S&P500 指数は当時年間で 34.1%上昇し、直前の高値から 2.5%を超えて下落するこ

となく上昇基調を続けた。当時そのような下落は、その年の取引最終日の 11 営業日前になってやっと見ら

れたが、5月 19日までの市場のチャートは水準こそ異なるものの、S&P500指数が 95年と同様であること

を示している。

先導株、出遅れ株のパターンも 95年と似てきた。5月 19日現在で上位だった 5セクターのその後の年内の

上昇率は 13.5%だったが、下位だった 5セクターの上昇率は 23.9%だった。

もし 95 年と同じパターンが今年も現れるとすれば、素材、ハイテク、エネルギー、公益の年後半の上昇率

は前半を上回ることになる。一方、ヘルスケア、一般消費財・サービス、生活必需品および金融という年前

半に好調だった各セクターから投資家は引き揚げるべきところだろう。少し早いかもしれないが、このよう

な変化は着実に起こっているようだ。

ネッド・デービス・リサーチも 95年と似ていると指摘した。5月 29日現在で高値を超えた S&P500 指数採

用銘柄の比率は 61.8%を超えたが、これが 71 年の 62.5%、95 年の 66%以来の比率ということになる。同

社のグローバル・ストラテジストであるウィル・ゲイスドルフ氏は、95年後半に成功した投資ストラテジー

は予想利益の上方修正が行われた場合だと指摘した。現時点でそれに該当しそうなのは、アルコア(AA)、

ディレク TV(DTV)およびウェアーハウザー(WY)などである。

■ 主要指標

Friday's

Close

Week's

Change

Week's %

Chg.

Last

Week

Week

Earlier

DJ Industrials 15115.57 – 187.53 – 1.23 NYSE Advances 896 1,089

DJ Transportation 6290.18 – 105.52 – 1.65 Declines 2,277 2,077

DJ Utilities 482.16 – 17.05 – 3.42 Unchanged 48 61

DJ 65 Stocks 5093.15 – 89.90 – 1.73 New Highs 408 851

DJ US Market 410.14 – 4.38 – 1.06 New Lows 224 81

NYSE Comp. 9302.27 – 139.96 – 1.48 3,572.3 3,504.8

Amex Comp. 2364.99 – 37.44 – 1.56 Dollar (Finex spot index) 83.38 83.70

S & P 500 1630.74 – 18.86 – 1.14 T-Bond (CBT nearby futures) 130-080 131-110

S & P MidCap 1184.32 – 3.75 – 0.32 Crude Oil (NYM light sweet crude) 91.97 94.15

S & P SmallCap 551.98 – 1.20 – 0.22

Inflation KR-CRB (Futures Price

Index) 281.85 284.89

Nasdaq 3455.91 – 3.23 – 0.09 Gold (CMX nearby futures) 1392.60 1386.80

Value Line (arith.) 3719.72 – 7.71 – 0.21

Russell 2000 984.14 – 0.13 – 0.01

DJ US TSM 17014.54 – 171.02 – 1.00

Citigroup Inc (C) Alcoa Inc (AA) Directv (DTV)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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Weyerhaeuser Co (WY)

チャートは3年

By SANDRA WARD

(Source: Dow Jones)

6. China's Woes Create Bargains 社会的課題から生まれる割安銘柄 【中国株式市場】

人民元高と資源価格下落が中国市場の追い風に

■ 好調を持続する中国株式市場

「5 月売り抜け」作戦が今年は幾つかの市場で奏功する可能性がある中、中国はそれが当てはまらない市場

だ。他の市場に遅れること数カ月、経済成長の減速と国際的な資源価格下落に対する投資家の懸念をよそに、

中国株式市場は 5月に 6.5%跳ね上がった。

中国は資源生産に頼っている新興国市場ではない。「中国はコモディティー集約型経済であると同時に、世界

最大の原材料輸入国かつ消費国でもあるので、今すぐ中国買いをすべきだ」と言うのは、ジェフリーズ香港

のストラテジスト、ショーン・ダービー氏。さらに、人民元が過去 5カ月間で、上昇している対ドルほどで

はないにせよ、主要通貨に対して高く推移していることも大きなプラス要因だ。

「歴史的にみると、ドル高、コモディティー価格の下落、そして金融引き締めが中国株式に良い結果をもた

らしてきた」とダービー氏は言う。2000 年から 03年にかけて同様の環境だった時にも中国株式は好調だっ

た。ドル高以上の人民元高の進行により、中国の製造業は安価なコモディティーの購入でさらに有利になっ

ている。

輸出企業のことは忘れ、このような環境下で利益

を上げている内需型の中国企業を買うべきだと主

張するダービー氏は、「内需型企業の多くは今後

6 カ月以内に利益が上向き始めるだろう」と考え

ている。鉄鉱石価格が下落してから、製鉄会社の

コストが低下し利益が増加するまでに時間差があ

るのが、その一例だと同氏は言う。

ノムラ・インターナショナル(香港)の中国株ア

ナリストであるウェンディ・リウ氏は、数カ月間

にわたり慎重であった中国株式に対する見方を、

6 週間前に強気に転換した。リウ氏は今後 3 カ月

間程度で MSCI 中国指数は最低でも 10%上昇す

るとみている。「バリュエーションは割安」という

のが同氏の根拠で、中国株式の株価純資産倍率

(PBR)は 1.3倍であり、MSCI 中国指数の利回

りは 3%を超えていると話す。MSCI 中国指数を

反映した商品として、i シェアーズ MSCI 中国指

数ファンド(MCHI)がある。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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■ 中国が抱える課題に関連する銘柄に注目

マッコーリー証券(香港)の中国担当ストラテジストであるジオン・シャオ氏は、自動車セクターを選好し

ている。「今後は国内の二、三番手の都市で自動車の購入者が増加する」ことから、中国の自動車販売は今後

ますます拡大する構造にあるとシャオ氏は言う。自動車セクターにおけるマッコーリーの筆頭推奨銘柄は、

今年の予想株価収益率(PER)がわずか 10倍の華晨中国汽車(ブリリアンス・チャイナ、1114.香港)であ

る。

シャオ氏はガスセクターにも関心を持っている。工業用ならびに一般用ガス販売の中国燃気(チャイナガス、

384.香港)はセクター内で利益成長率が最も高く、注目を集めている。同セクターの発展は、温室効果ガス

を 17%削減するという政府目標や、基本エネルギー消費に占める天然ガスの割合を 4.6%から 8.3%にほぼ倍

増させる計画にも資するものである。中国燃気株は急騰を続けてきたため非常に割安な銘柄であるとはいえ

ないが、シャオ氏は 22%の上昇余地があると予想し、9.80香港ドル(1.26米ドル)を目標株価としている。

さらにシャオ氏は、アジア最大の風力発電会社である龍源電力集団(916.香港)を「中国における最も優良

な再生可能エネルギー事業者の一社」として選好している。中国政府は大気汚染の改善にようやく本腰を入

れつつあり、2015 年までに総エネルギー量に占める風力発電量割合を現在の 3%から 5%に引き上げようと

している。

筆者はシンガポール在住でアジア市場をカバーしている。

Ishares Tr (MCHI) Brilliance China Automotive Holdings

Ltd. (HK:1114)

China Longyuan Power Group Corp. Ltd.

(HK:916)

チャートは 3年

By ASSIF SHAMEEN

(Source: Dow Jones)

7. Preview 今週の予定 【経済関連スケジュール】

ミツバチをめぐる紛糾

■ ミツバチの大量死と殺虫剤の関係

ミツバチをめぐるうわさ話のざわめきは、今やごう音になりつつ

ある。欧州連合(EU)は先週、ミツバチ急減の原因である可能

性があるとして、ドイツの製薬大手バイエル(BAYRY)、スイス

の農業化学大手シンジェンタ(SYT)などが製造する複数の殺虫

剤に対し、2 年間の使用禁止措置を発動した。また米国でも、非

営利団体「食品安全センター」が、3 月に米環境保護局(EPA)

の職員に対して起こした訴訟を継続し、米国でも同種の殺虫剤の

一部について、使用停止を求めると発表している。EPA は米農務

省と共同で、養蜂数の減少が商業授粉に頼る農業セクターへの多大な圧力につながっているとする報告を発

表したばかりであるが、食品安全センターによる訴訟に関してはコメントを拒んでいる。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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来週には、アグリビジネスの巨頭モンサント(MON)が議長を務める「ミツバチ・サミット」の開催が予

定されている。これまでのところ同社は、この会議に関する情報の提供に消極的であるが、ある招待者によ

れば、同会議は「Project Apis Mellifera(プロジェクト・西洋ミツバチ)」という非営利団体の呼び掛けによ

って開かれるもので、米国でも有数の養蜂研究家が一部参加するという。

ミツバチをめぐる今回の騒ぎのもとになっているのは、ミツバチの大量死の問題だ。米国で消費される食品

と飲料の 3分の 1の原料となる植物、さらに、金額にして年間 200 億~300億ドルの農作物の授粉を担うと

されるミツバチが、通常の 2倍に当たる年間 30%の割合で死んでいるのだ。

イリノイ州アップルクリークで長年養蜂業を営んできたテレンス・イングラムさんは、自身が育てているミ

ツバチの死は、モンサントが販売する除草剤「ラウンドアップ」の散布に原因があると言う。一方、モンサ

ント側は、「ラウンドアップ」の有効成分は徹底した試験を経ており、農作業自体が正しい方法で行われてい

れば、ミツバチに対して深刻で慢性的な副作用を及ぼすことはないとしている。

■ 今週の国債入札

曜日 Yields (%)

When Issued*

Yields (%)

Last Auction

月曜日 300 億ドル 3 カ月 0.041 0.045

250 億ドル 6 カ月 0.076 0.080

(* 金曜日午後現在)

■ 今週の予定

6月 3日(月)

・ 5 月 ISM 製造業景況指数発表。全米チーフエコノミスト、デービッド・バーソン氏によれば、52.1 に上

昇する見通し。

・ 5 月新車販売台数発表。前出のバーソン氏によれば、年率換算で 4 月の 1490 万台から 1510 万台に増加

する見通し。

・ ロシア・欧州連合(EU)首脳会議がロシアのエカテリンブルグで開催。

・ 大手医療機器メーカーのC.R.バード(BCR)、医薬品開発会社インフィニティ・ファーマシューティカル

ズ(INFI)、インターネット調査会社コムスコア(SCOR)が投資家向け説明会を開催。

・ 韓国銀行(中央銀行)が国際的な流動性の問題に関する国際コンファレンスを 2日間にわたり開催。

・ サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁がストックホルムで開催のインフレターゲットに関するフォ

ーラムに出席。

・ イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が中国で開かれる国際金融コンファレンスで規制に関す

るパネルに出席。

・ 不動産投資信託(REIT)のコロニー・アメリカン・ホームズ(CAHS)が今週中に新規株式公開(IPO)

の条件決定を実施。一口当たり 11.50 ドル~13ドルで 2000万口をニューヨーク証券取引所(NYSE)に

上場の予定。

6月 4日(火)

・ ダラス連銀のフィッシャー総裁が米国の金融政策について講演。カンザスシティー連銀のジョージ総裁が

米国経済について講演。ラスキン FRB 理事が雇用創出動向について講演。

・ 半導体・ハイテク製品製造向けに先端的技術・部品を提供するエンテグリス(ENTG)、ソフトウエア会

社インフォマティカ(INFA)、認証アプライアンス機器メーカーのインフォブロックス(BLOX)がアナ

リスト向け説明会を開催。

・ 航空大手アメリカン航空の親会社で破産法管理下にある、AMRが自社の再建計画に対する債権者の投票

結果の承認を連邦破産裁判所に申請。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 20 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

6月 5日(水)

・ FRBが地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表。

・ 香料メーカーのインターナショナル・フレーバーズ・アンド・フレグランシーズ(IFF)、ワイン大手の

コンステレーション・ブランズ(STZ)、消費者債務買取・回収企業のアンコール・キャピタル・グルー

プ(ECPG)、スポーツアパレルメーカーのアンダーアーマー(UA)がアナリスト・投資家向け説明会を

開催。

・ 韓国の市場は休場。

・ アラブ諸国の閣僚がカイロで、また米国、ロシア、国際連合(UN)の高官がジュネーブで、それぞれシ

リア問題について協議

・ 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の 2 型糖尿病

薬「アバンディア」に関する調査の評価を実施。

6月 6日(木)

・ 欧州中央銀行(ECB)が金融政策発表。政策金利は 5月の 0.25 ポイント利下げの後で据え置かれる見通

し。イングランド銀行(英中央銀行)も政策金利を据え置く見通し。

・ 再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが 5月の米企業の人員削減数を発表。

・ 保険大手リンカーン・ナショナル(LNC)、電子顕微鏡などマイクロエレクトロニクスの FEI(FEIC)、

決済ネットワーク大手ビザ(V)、コンテナ船大手シースパン(SSW)などがアナリスト・投資家向け説

明会を開催。

・ ネットDVD レンタル大手ネットフリックス(NFLX)が、医薬品・栄養製品の製造・販売を手掛けるペ

リゴ(PRGO)に代わり、ナスダック 100指数構成銘柄に組み入れられる。

・ 米小売りチェーンの 5月の既存店売上高発表。

・ 欧州連合(EU)首脳がフィンランドのヘルシンキで「欧州のロードマップ」をテーマとするエコノミッ

ク・アイデア・フォーラム開催。EU 加盟各国の政財界のリーダーが参加。

・ ロシアのサンクトペテルブルクで 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。

・ フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁がボストン大学で経済学の講義を行う。

6月 7日(金)

・ 5 月雇用統計発表。前出のバーソン氏によれば、非農業部門就業者数は前月から 17 万 5000 人~18 万人

の増加、過去分も上方修正される見通し。平均週労働時間の低下が今回も継続するかが焦点。失業率は前

月から横ばいの 7.5%となる見通し。

・ オバマ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談開始。

6月 8日(土)

・ エジプトのカイロでムバラク前大統領の再審理開始。

Bayer AG (DE:BAYN) Syngenta AG (CH:SYNN) Monsanto Co (MON)

チャートは 3年

By ROBIN GOLDWYN BLUMENTHAL

(Source: Dow Jones)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 21 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

8. Up & Down Wall Street 中国の対米投資は今後も続く 【コラム】

経済はそれほど強くなく、頼りになるのは FRB だけ

■ 中国の米国資産への投資は続く

豚は空を飛べる。本当だ。低迷していた大リーグのニューヨーク・メッツが先週、いわゆる「サブウェイシ

リーズ」で強豪のニューヨーク・ヤンキースに4連勝したような比喩的な意味においてだけではない。本当

に空を飛んでいるのは豚肉最大手のスミスフィールド・フーズ(SFD)だ。中国最大の食肉加工業者である

双匯国際控股に、債務継承を含む 71 億ドルで買収されることになった。買収額は 1 株当たり 34 ドルと、5

月 29日朝に買収が発表される前日の終値に 31%のプレミアムが上乗せされている。

双匯にとってスミスフィールドが魅力的なのは、中国では豚は飛ぶよりも、死骸が川に浮いている可能性の

方が高いからだ。買収によって、既に豚肉の世界最大消費国であり、今後も中産階級による消費拡大が予想

される中国の消費者に安全な豚肉の供給を拡大できる。

スミスフィールドの買収は中国企業による米企業の買収としては過去最大だが、これが最後ではないだろう。

人民元の対ドル相場が過去最高水準にあることから、中国は米国の資産を以前よりも安価で取得できる。中

国の富豪は、今後も米国で(少なくとも香港やロンドンよりは)割安の高級資産を買いあさるだろう。

中国の米国における散財の可能性は、同国がため込んだ巨額のドルと関係があるかもしれない。中国人民銀

行(中央銀行)は、3 兆 4000 億ドルの外貨準備の大半を米国の国債とエージェンシー債に投資している。

09年には、中国政府高官が、国際準備通貨における米ドル以外の通貨の可能性について示唆した。当時のガ

イトナー財務長官は、理論上は可能だが、現実的に考えてドルの代替通貨は存在しない、と述べた。

この発言にミネソタ州選出共和党のバックマン下院議員は強く反発した。ティーパーティー運動の支持を受

け、12年の大統領選挙に立候補した同議員は、数多くの無知な発言で知られる。その極め付きは、ドルの国

際準備通貨としての地位と米国の法貨としての地位を混同し、ドルを中国やロシアなどが支持する国際通貨

と交換しようとしている、とガイトナー前財務長官を非難したことだ。

バックマン下院議員は先週、14年の選挙に立候補しないと発表した。共和党内の激しい指名争いが予想され

るためかもしれない。民主党にとっても共和党にとっても歓迎すべきだが、同議員が引退しても、人民元や

その他の通貨に対しドルを押し下げようとする圧力は止まらない。これによってグローバル投資家が低価格

で米資産を取得することが可能になる。

■ 債券利回りが上昇

5 月に売り逃げるとしたら、国債や国債のような値動きをする株式を売るべきだっただろう。

リスク資産に対する強気な見方が強まり、バーナンキ議長をはじめとする米連邦準備制度理事会(FRB)の

高官が、月間850億ドルに上る債券購入を年内のいつかの時点で縮小するかもしれないと示唆したのを受け、

債券利回りが上昇した。10年債利回りがメーデーの前後に 1.60%の直近の底を付け、約 2.20%まで上昇し、

月末の31日には2.13%までじりじりと低下したのは、初心者にはあまり大問題には思えないかもしれない。

しかし、これによって債券市場のベンチマークであるバークレイズ米国総合インデックスに追随する i シェ

アーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)の価格は 2%下落した。言い換えれば、1年分の利子収入が 1

カ月で失われてしまった。

さらに下げたのは 5 月 1 日から 31 日までに 7.7%下落した i シェアーズ・バークレイズ米国国債 20 年超フ

ァンド(TLT)だ。そして債券に似たセクターはもっと下落した。ユーティリティーズ・セレクト・セクタ

ーSPDR(XLU)は 8.1%下落し、モーゲージREIT(不動産投資信託)が対象の iシェアーズFTSE NAREIT

モーゲージ・プラス・キャップド・インデックス(REM)は 11.8%下落した。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

- 22 - Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.

これとは対照的に、SPDR S&P 500 ETF(SPY)は 5月 1日から 31日までで 3.3%上昇し、SPDR ダウ工

業株平均ETF(DIA)も、31日には 1.3%下落したものの上昇した。

一方、ナスダック 100指数の構成銘柄に連動するパワーシェアーズQQQ(QQQ)は、投資家が生活必需品

のようなディフェンシブなセクターからハイテク株に移行する中で、同時期に 4%上昇した。花形は小型株

に連動する iシェアーズ Russell 2000 インデックス・ファンド(IWM)で、6.5%上昇した。

■ 米経済はそれほど強くない

31 日によろめくまで、コインの表が出ても裏が出ても株式市場が勝つ、というのがコンセンサスだった。

FRBが債券購入を縮小すれば、それは経済がついに堅調になり、金融緩和の松葉づえが不要になったことを

意味しているに違いない。一方、経済に引き続きカンフル剤が必要ならば、ドクター・バーナンキが注射を

用意する。どちらにしても負けることはない。

証拠は後者に傾いている。住宅ローン金利は忠実に国債利回りをなぞり、米連邦住宅貸付抵当公社(フレデ

ィマック)によると、先週の 30年物固定金利住宅ローン金利は 3.81%と 12カ月ぶりの水準に上昇した。借

り手は即座に反応し、住宅ローン申請件数は 8.8%減少した。投資顧問会社マクロストラテジーを率いるデー

ビッド・P・ゴールドマン氏は、この中には 1 年ぶりの減少幅となった借り換えの 12.3%減少も含まれると

指摘する。

住宅ローン金利の上昇に対するこうした敏感さは、昨年特に盛んだった機関投資家による大量の中古住宅購

入を反映しているかもしれない。投資リターンは、資金調達コストと上昇を続ける住宅価格次第だ。

一方、国債強気派のケスラー・インベストメント・アドバイザーズのロバート・ケスラー氏は、過去 1カ月

の国債利回りの上昇については予測が誤っていたと認めるが、長期にわたって利回りが現行の水準にとどま

るとはみていない。失業率が 7.5%と依然として高く、食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は 1.1%と、

FRBが金融緩和を縮小するマクロ経済的な要素がまだそろっていないからだ。

マクロストラテジーのゴールドマン氏は、4月の雇用者数の伸びは労働時間の減少によって相殺されるため、

雇用の改善は「大幅に誇張されている」と指摘する。雇用が増え、労働時間が減っているのは、雇用主が医

療保険給付の負担を回避しているためだという。

同時に、株式市場が重視する 1株当たり利益は、企業が 3450億ドルの自社株買いを実施し、株数が年率 8%

のペースで減少しているために横ばいだ。ゴールドマン氏は、「利益の絶対水準が低下し、企業は第 2 四半

期の業績見通しを下方修正している」と語る。

やはり頼りにできるのは FRB だけだ。FRB が失業率に注目していることを考えると、7 日に発表される雇

用統計が市場を動かす可能性は極めて大きい。ウォール街は非農業部門就業者数が約 17 万人増加し、失業

率は 7.5%にとどまると予想している。逆説的だが、株式市場は就業者数の増加が小幅にとどまることを期

待すべきかもしれない。そうすればバーナンキ議長がパンチボウルを取り上げることはないからだ。

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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Smithfield Foods Inc (SFD) iShares Barclays Aggregate Bond Fund

(AGG)

iShares Barclays 20+ Year Treasury

Bond Fund (TLT)

SPDR Utilities Select Sector ETF (XLU) iShares FTSE NAREIT Mortgage Plus

Capped Index Fund (REM)

SPDR S&P 500 ETF (SPY)

Spdr Dow Jones Indl Avrg Etf (DIA) PowerShares QQQ (QQQ) iShares Russell 2000 Index Fund

(IWM)

チャートは 3年

By RANDALL W. FORSYTH

(Source: Dow Jones)

9. Is the “Low-Bata Bubble” Deflating? 低ベータ株バブルは収縮中? 【株式市場展望】

低ボラティリティ株から景気循環株への乗り換え時期か?

■ 低ベータ株から景気循環株への乗り換えの勧め

不名誉なことだが、米国株は今年の資産クラス・コンテストの中で最も見苦しくない候補であるという理由

で恩恵を享受してきた。コモディティー価格は世界の需要やドル高に対する懸念を背景に下落し、債券は先

週大きく売り込まれ、米国と日本の国債の利回りは 13 カ月ぶりの高水準に達した。長期米国債に連動する

上場投資信託(ETF)、i シェアーズ・バークレイズ米国国債 20 年超ファンド(TLT)は 1 カ月足らずのう

ちに 7.4%下落。米国 10 年債利回りは 5 月に 1.63%から 2.16%に上昇し、ジャンク債の価格も下落、投資

適格社債の年初来リターンは先週半ばにマイナスとなった。

債券が売り込まれる背景には消費者信頼感の回復、住宅価格の上昇などがあるが、経済成長率は堅調という

には程遠く、投資家はリスクテイクに消極的で、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が大量の債券購入を

いつ縮小するかを注視している。公益や不動産投資信託などの金利敏感株の先週の下落は、金利上昇懸念が

高まっていることを示唆している。

バンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は「株式市場の

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本格的な上昇は債券利回りの重要な転換点と同時に起こる傾向にあるが、これが今まさに起こっている。債

券よりも銀行を中心とする株式を選好するのはこのためだ」と論じる。株価と債券利回りが徐々に上昇する

のが理想的だが、「債券の一大強気相場が痛みを伴うことなく終了するとは考え難い」ため、銀行と米ドルの

警戒シグナルを注視するよう同氏は助言している。

危機後、各国中央銀行が金利をゼロ近辺に維持する中で、投資家は債券利回り並みの配当利回りを確保でき

る景気感応度の低い低ベータ株に殺到してきた。だが、バングオブアメリカ・メリルリンチの株式ストラテ

ジスト、サヴィタ・サブラマニアン氏は「低ベータ株バブルが収縮しつつある」とみている。まずバブルの

証拠として、公益など低ベータ・配当利回りセクターの株価収益率(PER)が市場全体を 20%上回り、少

なくとも 27 年ぶりの大幅なプレミアムとなっているほか、リターン追求を背景にレバレッジを効かせた債

券ファンドの人気が高まり、危機後に設定された中長期債券 ETF の資産全体の約 20%を占めるまでになっ

ている。また、ボラティリティ回避も主流となり、低ボラティリティ ETF の運用資産は今年 11倍にも膨ら

んでいるという。

こうした中、同氏は大型 IT・産業コングロマリットなどバランスシートが健全で増配余力のある割安な景気

循環株を物色し、公益・通信セクターを回避するよう助言する。安全なインカム志向セクターはさらなる痛

みに見舞われ、「他のバブル同様、結末は厳しいものになるだろう」と同氏はみている。

■ 人気のテーマパーク銘柄

夏はテーマパークに遊びに行く季節だが、テーマパーク銘柄もこのところ人気上昇中だ。シックス・フラッ

グス(SIX)の株価は 20カ月間で 3倍に上昇し、2013年予想PERは 29 倍。シーワールド・エンターテイ

ンメント(SEAS)の株価は 4月 18日の新規株式公開(IPO)以降 31%上昇し、PERは 36倍に達する。

大型テーマパークの建設コストが上昇し、その数が減少する中で、強気派は 11 箇所のテーマパークの多く

で土地を保有するシーワールドについて、不動産投資信託(REIT)に転換する可能性があると期待を寄せ

る。2009 年にアンホイザー・ブッシュから同社を買い取り、現在も株式の 63%を保有する未公開株投資会

社ブラックストーン・グループ(BX)は、現在の株価 35.39 ドルを下回る価格で保有株を売却してきた(IPO

価格は 27ドル)。

シーワールドの 1-3 月期の売上高は入場料の引き上げもあって 12%増となり、来場者数は 2%増となった。

テーマパークは手軽な費用で子供を連れて行けるため、景気に関係なく集客が可能だと言われるが、シーワ

ールドの来場者数は、テーマパークの数に事欠かないオーランドで 3 分の 1、フロリダ州全体でほぼ 2 分の

1 を占める。もっとも、シーワールドはユニバーサル・オーランド・リゾートがハリー・ポッター・パーク

を開設した 2010 年には苦戦した。シーワールドのイルカは愛らしいが、ホグワーツ城の魔法には及ばない

ということか。

iShares Barclays 20+ Year Treasury

Bond Fund (TLT)

Six Flags Entmt Corp New (SIX) Seaworld Entmt Inc (SEAS)

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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Blackstone Group LP (The) (BX)

チャートは 3年

(SEAS は 2カ月)

By KOPIN TAN

(Source: Dow Jones)

10. Why Solar Stocks Need To Chill 過熱気味の太陽光発電関連株 【太陽光発電関連株】

楽観的な需要見通しだけで上昇しているファースト・ソーラーには要注意

■ 数年前とは異なる期待

ここ数年と比較すると、今年は太陽光発電関連株へのセンチメントが断然温まっているが、少し熱くなり過

ぎてきたようだ。2011年に大きく下げた後、太陽光発電関連株は 2012年に急回復したが、今年はさらに熱

い急上昇を示している。

バブルとしか言いようがない銘柄もある。時価総額 7230 万ドルのリアル・グッズ・ソーラー(RSOL)は

企業・一般世帯向けに太陽光パネルを設置する業者である。昨年は 1 株当たり 1.77 ドルの赤字で、直近の

四半期の粗利益はソーラーシステムの値下がりもあって半減した。にもかかわらず、同社の株価は今年に入

って 3倍以上になっている。先週金曜日の終値は 2.70 ドル。

ソーラーシティ(SCTY)もバブルが顕著な例だ。やはりサービス会社であり、高級電気自動車メーカー、

テスラ・モーターズ(TSLA)の創業者として知られるイーロン・マスク氏が会長を務める。同社は今年、1

株当たり 1.83 ドルの赤字になるかもしれないというのに、その株価は今年に入って 4 倍にもなっている。

先週金曜日の終値は 45.25 ドル。

投資家の過度の熱狂を象徴するリアル・グッズとソーラーシティだが、最近好調な太陽光発電関連株はこの

2 社だけではない。しかし、太陽光発電関連株が最近上昇している背景には、数年前の高騰時とはかなり異

なる期待がある。

■ ファースト・ソーラーの方針転換

先週金曜日の終値が 54.39 ドルだったファースト・ソーラー(FSLR)は米国におけるこの業界の代表格で、

その株価は年初来で 79%近く上昇、過去 12カ月間では 4倍以上になっている。競合するサンパワー(SPWR)

の先週金曜日の終値は 19.31ドル、年初来で 244%、この 1年では 4倍近くも上昇している。

とはいえ、確かにまだ上場来高値には程遠い。ファースト・ソーラーは 2008 年に 317 ドルという高値を付

け、同年にサンパワーも 164.49 ドルに達した。その背景にはソーラーパネルの設置ブームがあった。その

中心は欧州だったが、米国でも盛り上がり、しばらくして中国へと広まった。

ところが、2008年に世界的な景気後退が起きると、各国政府は助成金を削減し、業界を取り巻く環境が変わ

り始めた。ソーラーパネルが供給過剰になり、価格が落ち込み、供給業者の財務も悪化した。

2011年にファースト・ソーラーが、もはや助成金市場をあてにせず、大規模なソーラーパネルの設置が商業

的に必要で、そうしたプロジェクトに資金を出す能力がある米国のような市場に専念すると発表したとき、

同社へのセンチメントは下がるところまで下がってしまった。

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同社は昨年、ソーラーモジュールの生産量を低下した需要に応じて減らすために、従業員の 30%をレイオフ

した。すると、ファースト・ソーラーは自社が出した 2012 年の予想収益を上回り、リセット戦略にも良い

面があったとする強気筋の見解を裏付けた。

4 月 9 日、ファースト・ソーラーは 2013 年だけではなく、2014 年と 2015 年の予想収益を発表してウォー

ル街に衝撃を与え、これがさらなる上昇を後押しした。2015 年の売上高と利益の見通しはウォール街の予想

を大きく上回っていた。

センチメントの反転を決定づけたのは、ゴールドマン・サックスのアナリスト、ブライアン・リー氏が先週

のレポートで示した見解である。同氏はファースト・ソーラーの投資判断を「バイ」に、サンパワーのそれ

を「セル」から「ニュートラル」に引き上げだ。

かつては個別の部品――ソーラーパネルを構成する太陽電池やモジュールなど――の販売が売上高の 80%

を占めていたが、今ではシステム全体の設置が売上高の 80%近くを占めるようになり、バランスが変化した

とリー氏は書いている。この変化により、業界全体が小さな部品の需給変動に影響を受けにくくなると同氏

はみている。

従って、既に大きく上昇しているにもかかわらず、「太陽光発電関連株の回復は――初期段階ではないにしろ

――まだ始まって 6 カ月であり、2014 年に入っても成長と 1 株当たり利益の見通しは良好だ」とリー氏は

主張する。

■ 楽観的過ぎる見通し

そうかもしれないが、ファースト・ソーラーの株価は今年の予想 1株当たり純利益 4.15ドルの 13倍であり、

決して割安ではない。もっともサンパワーの株価は予想 1株当たり純利益 74セントの 26倍とさらに割高だ

が。

では、何がファースト・ソーラーの株価を押し上げているか。この業界はまだ新たな好機を見つけたわけで

はないということ、助成金制度が衰退したことで収益見通しも減少しているということを忘れてはならない。

変わったことと言えば、期待が極端に高いものではなくなったということがあるが、それでも多くの希望的

観測を含んでいる。

ファースト・ソーラーの場合、パイプラインにある将来のプロジェクトでどれだけの結果が出せるかによっ

て大きく変わってくる。同社は潜在的

需要を設備容量で 5.5 ギガワットと説

明している。

同社は今年、設備容量で 1.6~1.8ギガ

ワットの販売を見込んでおり、第 3四

半期末までに生産できる分はほぼ売り

切れているという。つまり、今年の業

績の大半は既に手中に収めているわけ

だ。

しかし、同社が業績目標を達成するた

めには、向こう 2 年間で 4.8 ギガワッ

ト分の販売増加が必要になる。上記の

潜在的需要の大半を「初期段階の」予

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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想と説明している同社には、それだけの契約が取れる保証などないのである。

事業が以前よりもずっと合理的になったという期待からファースト・ソーラー、サンパワー、その他の業者

の株式が上昇してきたことを踏まえると、投資家たちももっと冷静になった方が良さそうだ。

つまり、太陽光発電関連株へ急いで投資したいという衝動をぐっとこらえ、そうした企業がより控えめにな

った目標を達成し続けられるのか、高い株価収益率(PER)を正当化できるか、を観察していくべきである。

Real Goods Solar Inc (RSOL) Tesla Motors, Inc (TSLA) Solarcity Corp (SCTY)

First Solar Inc (FSLR) Sunpower Corp (SPWR)

チャートは 3年

(SCTYは 6カ月)

By TIERNAN RAY (Source: Dow Jones)

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2013年 特集記事年間予定表 Special News Reports

January

14 ETFs Quarterly Report 14 Mutual Funds Quarterly Report 21 The Barron’s Roundtable, Part 1 21 Davos World Economic Forum 28 The Barron’s Roundtable, Part 2 28 Davos World Economic Forum 28 Hedge Funds Monthly Report

February

4 The Barron’s Roundtable, Part 3 11 Fund Families Special Report 18 America’s Top 1,000 Advisors: State-by-State 25 MLP Roundtable 25 Hedge Funds Monthly Report

March

4 Barron’s PENTA: Where the Wealthy Are Investing Now 11 Review of Online Brokers 18 ETFs Roundtable 25 World’s Best CEOs 25 Hedge Funds Monthly Report

April

8 ETFs Quarterly Report 8 Mutual Funds Quarterly Report 15 America’s Top 100 Financial Advisors 22 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers 29 Hedge Funds Monthly Report

May

6 Barron’s 500: Best-Performing Companies 13 ETFs Roundtable 20 Barron’s PENTA: 100 Best-Performing Hedge Funds 27 Retirement: America’s Top 50 Annuities 27 Hedge Funds Monthly Report

June

3 America’s Top 100 Women Financial Advisors 10 The Barron’s Roundtable, Midyear Recap 17 Most-Respected Big Companies 24 Retirement 24 Hedge Funds Monthly Report

July

8 ETFs Quarterly Report 8 Mutual Funds Quarterly Report 15 America’s Top Advisory Teams 22 Barron’s ETFs Handbook 29 Hedge Funds Monthly Report

August

5 Best and Worst Run States 12 MLP Roundtable 19 America’s Top 100 Independent Financial Advisors 26 Hedge Funds Monthly Report

September

2 Equity Strategists’ Fall Outlook 16 Barron’s PENTA: Ranking Elite Wealth Management Firms 30 Hedge Funds Monthly Report

October

7 ETFs Quarterly Report 7 Mutual Funds Quarterly Report 21 Technology Outlook 28 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers 28 AOSI: Picks and Insights 28 Hedge Funds Monthly Report

November

4 Investing in Brazil 11 Retirement 18 ETFs Roundtable 25 Hedge Funds Monthly Report

December

2 Barron’s PENTA: Rating Philanthropies 9 Barron’s Favorite Stocks for 2014 16 Outlook 2014: What’s Ahead for Stocks, Bonds & Mutual Funds 30 Hedge Funds Monthly Report

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バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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THIS WEEK’S MAGAZINE BARRON'S COVER Should Pot Be Legal? By THOMAS G. DONLAN Legalizing marijuana will hurt drug lords, help cash-strapped states, and ease burdens on police and prisons. Yet D.C. dithers. 1. Beware the Hidden Costs in Tech By ANDREW BARY Stock-based compensation is often overlooked on Wall Street, leading to understated price/earnings ratios for companies like Google, Amazon.com and Facebook. 2. The Stars Are Aligning for Intel By JACK HOUGH Intel's stock price could double in five years as the chip maker gobbles up market share in tablets and smartphones, and as PCs revive. In the meantime, there's that fat dividend yield. 3. Graduation Day for Spinoffs By RESHMA KAPADIA Investing in spinoffs—and often their parent companies—can be a ticket to market-beating returns. But not all are created equal: Four ways to play the recent crop. Turning Trash to Cash By RESHMA KAPADIA Under David Steiner's leadership, Waste Management stepped up its game and modernized its image. A focus on pricing, and a tiny violin. In Vino Veritas By ANDREW BARY Spun off from Leucadia National in February, Crimson Wine Group is one of a few publicly traded winemakers. A benefit to shareholders: 20% discounts on its products. The Gold Standard By SARAH MAX Gold may have lost a little of its luster recently, but this fund has had strong returns for decades. And despite recent setbacks, the fund—run by a former geologist—is ready to shine. Trucking Toward a Recovery By DAVID ENGLANDER Quality Distribution transports chemicals and operates in the shale-gas and oil business. With truck demand rising, earnings are poised to improve. 4. Bubble, Bubble, Money and Trouble By LAUREN R. RUBLIN Marc Faber, publisher of the Gloom Boom & Doom Report, is no fan of central-bank money-printing, which widens the wealth gap. But he's bullish on Asian markets such as Vietnam, and European telecom and utility shares. If This Goes On... By THOMAS G. DONLAN A brief victory in a currency war is likely to produce a long defeat. MARKETWEEK 5. Stocks Notch a Sixth Month of Gains By SANDRA WARD U.S. stocks fell 1.14% on the week, but are up for the sixth straight month. Bullish on General Motors. Pay attention to corporate bonds. IGerman Chemical Maker Has Right Formula for Revival By JONATHAN BUCK Lanxess won't have great results this year, but a turnaround plan could boost stock more than 20% in a year. 6. China's Woes Create Bargains By ASSIF SHAMEEN Prolonged selling amid worries about the economy has given way to bargain hunting. Among the deals: China Longyuan Power and China Gas. EM Bonds Require New Tactics By BEN LEVISOHN Emerging-market bonds denominated in local currency have seen huge inflows this year, but have still posted a 3% loss. Changing economic conditions around the globe are prompting investors to approach emerging-market debt much more strategically.

Munis Can't Shake Spring Slump By MICHAEL ANEIRO The iShares S&P National AMT-Free Muni Bond lost 3% in May and traded at $108.35, a new 2013 low. The good news: A host of muni closed-end funds trade at discounts to their net-asset value. Low China Demand Sinks Cotton By ALEXANDRA WEXLER That nation's huge stockpile could push prices down toward 70 cents a pound. Big Bank By STEVEN M. SEARS Investors again are buying calls on Bank America stock. DEPARTMENT •Charting the Markets • Market Watch •Research Reports •Review 7. Preview •Follow Up •Insider Transactions •Corrections Amplification •Mailbag •13DFilings COLUMNS Up and Down Wall Street 8. Bringing Home the Bacon By RANDALL W. FORSYTH The deal for Smithfield Foods may only be the first such blockbuster from China. Bonds crater, while mortgage rates jump. What Wall Street hopes Friday will bring. 9. Is the "Low-Beta Bubble" Deflating? By KOPIN TAN It may be time to move into cyclical stocks and away from those promising low volatility. Economic Beat Housing's Hollow Comeback By GENE EPSTEIN Without Uncle Sam's aid, the market probably would be much weaker. 10. Why Solar Stocks Need to Chill; Advice From Mary Meeker By TIERNAN RAY The volatile shares are running a little too hot for comfort, and the famed Internet analyst's choice of a role model for Web companies. Income Generators By THERESA W. CAREY Amid the uncertainty about rates, investors should think about closed-end funds to produce payouts. Where to research them. Light Up Your Life By NATHANIEL WICE Philips' Hue lighting system can tell you what's going on all over your house. It's fun and may eventually be practical, too. When It Comes to Cash, Less Is More By SARAH MAX Fund companies have been rolling out ultrashort-bond funds as alternatives to money-market funds. Yields are higher, but so are the risks and expenses. Knocking the Knockoffs By BRENDAN CONWAY Imitation may be the sincerest form of flattery, but these ETFs, which ape the stock picks of famous hedge fund managers, copy not just the stock picks, but also their too-high fees. Balancing the Books The Part-Time Libertarian Edited by GENE EPSTEIN Obama's former regulatory czar believes less regulation is better, except when it isn't. Richard Burton's diaries detail how nothing succeeds like excess. Treading the path from speculation to ruination. How to be a giver. And minimalism in theory, if not in explication. Dividend Stocks Finally Stumble By ALEXANDRA SCAGGS The group has some of the week's worst performers. EMC joins ranks of dividend payers, while a death-industry merger threatens to thin them. Red-State Socialists vs. Obama By JIM MCTAGUE Guess who opposes the privatization of the power agency established under Franklin Roosevelt? Hint: It's not the Democrats.

Page 30: HIS AGAZINE Week of June 3 - 楽天証券 · Preview 今週の予定→ P.18 【経済関連スケジュール】 ミツバチをめぐる紛糾 8. Up & Down Wall Street 中国の対米投資は今後も続く→

バロンズ拾い読み 2013年 6月 3日号

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『バロンズ拾い読み』

発行

Dow Jones & Company, Inc.

監修

時事通信社

編集人

川田 重信(かわた しげのぶ)

大和證券入社後1986年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現UBS)証券を経て2000

年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学MBA。

バロンズ拾い読み 主要作成者の略歴(五十音順)

内田 薫(うちだ かおる)

大和証券グループでロンドン、マニラなどの海外勤務を含め、アナリスト活動を中心に国内外の調査業務に従事。2009

年より翻訳活動。東京工業大学機械工学科卒。日本証券アナリスト協会検定会員。

西田 万里子(にしだ まりこ)

旧東京銀行(三菱東京 UFJ 銀行)にて外国送金業務に従事した後、フリーランス通訳・翻訳に転向。現在同志社大学

講師を兼務。神戸大学教育学部教育心理学科卒。英国リーズ大学国際学修士。

西村 嘉洋(にしむら よしひろ)

プロクター&ギャンブルのファイナンス・IT 部門で長らくマネジャーを務め、欧州、米国、アジア各国で勤務経験が

ある。京都大学大学院 情報工学 情報工学科修士、ロンドン大学大学院 金融経済学修士。

『バロンズ拾い読み』 (2013年6月3日号)

発行 : Dow Jones & Company, Inc

監修 : 時事通信社

製作・配信 : エグゼトラスト

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ん。当誌はダウ・ジョーンズ社が信頼できると判断した資料およびデータ等に基づき作成しておりますが、その

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