homeless is homemore

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ホームレス調査 Investigation of Homeless Location: Taito-ku Ueno 7-1 Program: houses & urban Site area: - ㎡ Building area: - ㎡ Design: 2009 -

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Page 1: Homeless is HomeMORE

ホームレス調査

Investigation of Homeless

Location: Taito-ku Ueno 7-1

Program: houses & urban

Site area: - ㎡

Building area: - ㎡

Design: 2009 -

Page 2: Homeless is HomeMORE

Homeless ‒ Homemore

Page 3: Homeless is HomeMORE

As a matter of fact, homeless might be abundant. It is not material richer but more elective abundant than we.

実際、ホームレスの暮らしぶりは豊かなのではないだろうか。もちろん物質的な豊かさではなく、選択的な豊かさという意味で。

Homeless is HomeMORE

Page 4: Homeless is HomeMORE

“Less is more.” - 1954

Ludwig Mies van der Rohe

“Less is bore.” - 1966

Robert Venturi

“Homeless is homemore, but no bore.” - Now

Chihiro Sugihara

“Yes is More.” - 2009

Bjarke Ingels Group

東京に広がる大都市空間。その多くが、日本の経済的発展の象徴として佇

んでいる。一方、意図して創られたことで偶発的に生まれてしまう空間が

ある。社会からこぼれ落ちたモノ。社会からこぼれ落ちたヒト。意図され

ずに創られた空間。それらで出来た都市。

Expanding metropolitan space in Tokyo. It is standing as a symbol of Japan's

economy. On the other hand, there is a space born with a different intent.Objects off

the social. Persons off the social. Space was created without any intention. They

established social.

Page 5: Homeless is HomeMORE

580

318

238

180129

新 宿 区 渋 谷 区 墨 田 区 中 央 区台 東 区

公園 道路 駅舎 河川 その他

東 京 都 に お け る 路 上 生 活 者 概 数 上 位 5 つ

Page 6: Homeless is HomeMORE

Ueno station at pm 13:30 ● Distribution : Total 8 homelesses

Sta.Ueno

St.Ameyoko

Syutoko No.1

St.Chuo

St.Syowa

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scale=1:2000 0 10 30 100m50

上野駅は地下鉄や新幹線なども含めると計 11路線からなる大ターミナル駅である。地上に国道、都道、首都高、歩道橋、線路、ガードレールさらに地下に

地下鉄、立体駐車場といった交通基盤が複雑なレベルで構成されている。そのため朝や昼間の人通りが多く、日中にホームレスの姿はほとんど確認できない。

Ueno station is a terminal. Consists of total 11 routes that include a bullet and metro. Ueno station is composed of Road, prefectural,

Metropolitan, footbridge, track and guardrail on the ground level, futher parking deck subway in the basement. Their transportation

infrastructure is composed of a complex level. So Morning or daytime is often crowde I can’ t find the homeless.

Page 7: Homeless is HomeMORE

Sta.Ueno

St.Ameyoko

Syutoko No.1

St.Chuo

St.Syowa

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Ueno station at am 1:30 ● Distribution : Total 99 homelesses scale=1:2000 0 10 30 100m50

そのため朝や昼間の人通りが多く、日中にホームレスの姿はほとんど確認できない。人通りも少なく終電がなくなる 23時過ぎ、段ボールを

持ったホームレスが続々とあらわれ自分の寝床を確保する。歩道橋の下、駅のエントランス、首都高と歩道橋のレベル差、ガードレール下な

どありとあらゆる、都市の隙間に身を潜める。意図していない偶発的に生まれた空間を非常に上手く使っていた。日中と夜間の風景の差が一

番激しい場所と言えるだろう。

Page 8: Homeless is HomeMORE

Sta.Ueno

St.Ameyoko

Sta.Okachimachi

● Distribution : Total 3 homelesses

0 20 50 100mscale=1:4000

Ameyoko street at a.m. 1:30

土曜、日曜限らず、平日も多くの人で賑わうアメ横通り。アメ

横のほとんどのお店は 20時までの営業となり、21時には人気

の少ないシャッター外となる。20時~21時にかけて、ホーム

レスが集まってきた。それはお店で消費できなかった溢れもの

をあさる為や、彼らの就寝スペースの場所取りの為であった。

店自体が狭く、必然的に店の軒が長く出るこの場所は、雨風を

凌ぐ恰好の場所の様だ。昼と夜で全く顔の異なる風景が展開さ

れていた。

Page 9: Homeless is HomeMORE

Sta.Okachimachi

Sta.Ueno

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St.Ameyoko

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● Distribution : Total 33 homelesses

0 20 50 100mscale=1:4000

Ameyoko street at a.m. 1:30

St. Ameyoko is crowded with a lot of people. The most shops

at St. Ameyoko are open until 20 pm, So this place has shifted

from crowed to empty of people. Homeless gather at here

around 20 - 21 o'clock. Homeless hunts thing that shop was

not able to be consumed, and gets a sleeping spot. they take

shelter from the weather under the eaves. It have different

characteristics in day and night .

Page 10: Homeless is HomeMORE

ホームレスはなぜ都市に住まうのだろう

か。われわれが上記に示したような都市

特有の生産システムによりモノが溢れ出

てくる一方で、ミクロなレベルでの取捨

選択が為されている事だけが注目すべき

事なのだろうか。都市の隙間や意図され

ずに生成されている空間が何を意味する

のか。そして生成されてしまう根底には

どのような事があるのか。さらにはそれ

らを受動したときに我々はどんな事が可

能なのか。

意図されたものとは全く異なるものが出

来てしまうのは、何も建築だけのことで

はない。もはや建築に限ってはそのよう

な事があってはならないと認識されてい

るのが一般的である。なぜなら、全てが

効率的、合理的を第一に考える生産的な

一面を持つオフィスや、我々の安息の場

所としての文化的一面を持つ家などは、

それぞれの役割があるからである。しか

しながら都市においては、我々の手から

溢れてしまう多くの隙間が存在する事は

事実。簡単に言ってしまえば、我々の扱

う面積が増えれば増えるほど、あらゆる

資本が顔を出し、その利潤、利益を第一

に考えだすのである。さらに各ディベロッ

パーを代表するクライアントが各ゼネコ

ンや個人事務所に設計をお願いし、それ

ら膨大な一対一対応の末にこの東京が出

現したと考えれば、どこかの凸をどこか

凹で埋め合わせるなどとは簡単にいかな

いのは自明のことである。

そんな中、今回、我々は上野、浅草、秋葉原、

さらに東京駅周辺で一連の調査を行い、

地上に国道、都道、首都高、歩道橋、線路、

ガードレールさらに地下に地下鉄、立体

駐車場といった交通基盤が複雑なレベル

で構成されているシーンを多く目にした。

そして 1970 年代にロバート・ノージッ

クが提唱した最小国家論を思い出した。

リバタリアンであるノージックが提唱す

る最小国家論とは、簡単に言ってしまえ

ば、政府の国家権力を最小限にとどめ、

納税を納める国民のみを保護するという

話である。普通は国が担保するインフラ

的下部構造までも多国籍企業が介入し受

け持ち、国家権力との接点を少なくする

ことで、そこでの人々は限りなく自由な

世界を受容する、という概念である。

Page 11: Homeless is HomeMORE

日本の場合インフラ的下部構造を企業が

担保することは無いが、納税できない下

層身分は権利を失う代わりに国家に服従

する義務も解除され、ノージックが理想

とする最小国家論に近い自由を手に入れ

る事になる。そしてさらに日本特有の個

人尊重の理念が介入することで権利や義

務の境界が曖昧になり、国家とトラヴァー

スしながらも、個人としての力を持ち自

由な行動がとれるのである。

さらに城北の歴史も大きくホームレスに

関係している。都が京都から江戸に移っ

た際、東京の人口は一気に加速する。も

ともと京都に近かった富裕層の人々が南

から東京南部へ北上し、東北地方の貧民

層の人々は労働力として東京北部にに上

京してきた。そのため、今日の東京の南

側はある種の購買力に反応するかの様に

渋谷、原宿、新宿と、ファッションや流

行の先端をいく様な街が出現した。それ

に対しの北に位置する台東区は、東京の

下町として栄え、飛脚の地として全国的

に栄えた。そのなごりがホームレスの台

車や問屋のシャッター街などに色濃く反

映されている。

線路下のガードレールや駐輪場のフェン

スに自分の荷物を括り付ける事。緑道の

切れ目に自分の台車を駐車させる事。さ

らに、警察官の常駐している交番の周辺

を寝床とする事など、都心にはホームレ

ガ利用する引き出しが多く見られる。彼

らは僕ら以上に、都会を利用し、豊かな

生活を送っているかもしれない。そして

都会の隙間を埋める新たな建築が生まれ

るかもしれない。