hoscon2017 マルチリージョンの仮想化インフラができるまで

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マルチリージョンの仮想化インフラができるまで GMOインターネット株式会社 システム本部 島原 弘和

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Internet


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マルチリージョンの仮想化インフラができるまで

GMOインターネット株式会社システム本部

島原 弘和

・自己紹介

・必要なもの、工程概要

・データセンター

・インターネット回線

・サーバ/NW機器/ストレージ

・出張構築、裏話

・質疑応答

アジェンダ

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島原 弘和 Hirokazu Shimabara

自己紹介

2006年入社、ファシリティからハードウェアのレイヤーを主に担当。GMOアプリクラウドやConoHaのサーバ/ストレージの設計/調達/構築、しかし業務の大半は渉外調整やなんでも屋業。福岡県出身。

自称独り購買部。夜は呑み、休日はゴルフ。

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国内5箇所、国外5箇所のDCで運用中

2017年3月現在/GMOインターネットのみ

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必要なもの

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必要なもの

①データセンター(ラック)

②インターネット回線

③サーバ/NW機器/ストレージ

necessary

■インターネットインフラを作るために必要なもの

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インフラ導入までのプロセス

①調査 ②仕様選定 ③見積り

④契約 ⑤計画 ⑥設置導入

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①調査の国内外アプローチの違い

■国内の場合

DC事業者や通信キャリア、知り合いのツテ等から紹介市場の仕様や価格感も把握できているためわりと楽

■海外の場合

現地法人を持つ、国内通信キャリアやベンダーの紹介から。市場の仕様や価格感も把握していないため、まず調査から始まる調査内容は、インフラに必要なもの以外にも国の調査から始める(内政事情、文化、人間性、税制、規制、電気代、物価レベルなど)→その国のデファクトスタンダード(業界標準)を把握する

データセンター

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海外DCの特徴

■データセンター だいたい5~10社検討

キャリア系、DC事業者系、政府・軍事系、OEM系、地方自治体系などに別れる。Tierレベルは日本とそれほど差異はないが、空調や設備仕様は国毎のトレンドで微妙に異なる。電圧やプラグ形状も異なるため、機器のケーブルもそれ毎に用意が必要。

国が雇用やIT促進を目的にデータセンタを推進した時期に多く建設されている事があり(助成金や優遇税制がある)、沢山できた時期の電力仕様(kVA値)のラックの価格が一番コスパが良かったりする。経済特区や工業団地、保税区などには優遇税制がある事もある(関税免除、VAT免除、法人税免除等) →そしてJETROマスターに・・・

あと日本では1ラックいくらで見積られるケースが多いが、海外はほぼスペース+電気代で見積られる。

※kVA=キロ(k)ボルト(V)アンペア(A)の略

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DC選定ポイント

選定のポイント

・ラック単位の電力仕様を見極める2kVA,4kVA,6kVAどれか…空調機数えて冷却能力から推測することも…

・始める前から終わるときの事も考えておく日本ほど契約に柔軟な国はあまりない。どこも契約社会、縛りは最小限に。

・DCヒアリングシートは必ず事前にむやみに視察せず的を絞って現地での無駄な時間を削りましょう

・エク○ニクス様無敵しかしコ○トも最強。

・現地駐在員や展開経験あるお友達からヒアリングこれが一番参考になります

インターネット回線

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回線種別と海外事情

■インターネット回線 これも約5~10社検討

・ISP系(国内Tier1/それ以外)国内Tier1 →フルルート持ってるとこ、品質高コスト高それ以外 →Tier1からフルルートを買ってるキャリア

マルチトランジットでキャリア冗長取ってたりする、比較的安価、経路トラブった時はわりと有耶無耶になることが多い(Tier1もダケド

・IX系(地方/国内/グローバル)IX→ISPやIDCとの相互接続、コスト安品質未知(日本は高品質)

日本で言うとJPNAP、JPIX、BBIX等、海外だとDE-CIX(ドイツ)、AMS-IX(オランダ)、LINX(イギリス)DE-CIXやAMS-IXは6000Gbps弱だが欧米のみに強い、Equinixは2500Gbpsくらいだが全世界で強い

マルチリージョンでの回線インフラは国際へのリーチは必須。Landing PointやExchangeの場所や接続性、キャリア内で国内国際有無(OEMは結局高い)とか意識しながら探す。また海外の特徴の一つとして、先進国は有線・無線シェアバランスが良いが、発展途上国は圧倒的に無線シェアが高い傾向がある。

総務省 平成27年通信利用動向調査の結果URL: http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000099.htmlより

モバイルユーザー大事!!つまり今の時代は、スマホユーザやIOT機器のアクセスも想定した回線選定が必要ということ

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海外モバイルキャリアマーケットシェア

国名 1位 2位 3位

日本

アメリカ

中国

韓国

シンガポール

※順位は私の勝手な脳内イメージです

国毎にシェアを把握し、モバイルユーザのアクセス性も考慮して選定

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回線の選定ポイント

選定ポイント・有線/無線の普及率、キャリアのマーケットシェアを把握

東南アジアなど発展途上国は有線より無線普及率が高い、キャリア同士の関係性も重要

・エンドユーザのアクセスを意識した回線を選定現地SIM買って経路確認や品質、レイテンシのテスト、TownWiFiからの接続、他国ホスティングサービスからのテストも行い、ユーザ目線でテストしている

・競合キャリア同士の仲が無茶苦茶悪い国もある赤い国旗の国の南北問題

・データセンタとの相性バランスも重要キャリア系センターを使う場合は競合回線のリーチ問題がある。極力キャリアフリーを選ぶDCに引込みのないキャリアは別途引込みのコストが増える。あとキャリアリストを必ず事前にもらうこと

・現地駐在員や展開経験あるお友達からヒアリングやっぱりこれが1番参考になります

サーバネットワーク

機器

ストレージ

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機器の調達パターン

■機器の調達パターン

①日本で購入して輸出日本のメーカーは喜ぶが輸送コストが膨れる。現地への資産移転が必要だったりと事務処理も手間。また中古品の持ち込みは国によっては完全NGな事も、、、輸出は基本経験豊富な業者に任せる、自社で輸入者をやる場合は輸出手続きが大変。2013年くらいまではこのパターンが多かった。非該当証明、保守性、KCマーク等の認証取得、輸出規制、関税率、、、

②現地で購入為替リスクは極力自社で取る、日本からのガバナンス体制が取れるか、レベニューシェアの有無、グローバルでの保守性などを踏まえてメーカーを選定。基本は日本で採用実績のあるメーカーを使う。極力コンペはせず、構成価格全て日本側で決めてから全てコントロールできる体制を整えて現地で売買契約を行う。

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商流例

記載のメーカー様、あくまで一例で国毎に最適な商流を組んでいます

商流を最初に組んで、購入内容は日本側で決める。時差によるスピード減、言語による伝達ロス(温度感も)を生まれない。

ガバナンス

連携機器調達

導入設置売買契約 リクエスト

全体コントロールGMO現地法人

ガバナンス

現地メーカー 国内メーカー

連携

現地日系ベンダー 国内ベンダー

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出張構築風景

現地構築は、2~5名を1~3週間程度でやってます

どんな人が向いているか?・細かいところまで気がつく・事故が起きてもエレガントに軌道修正できる人・お腹が強い

スケジューリングする上でのポイントは?・計画は出張メンバーに立ててもらう・人も必ず冗長化・バッファーはやや多めに・空いた予定にやれることも用意しておく

その他、後ほどご質問ください

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裏話

・データセンタの見学は1日2件までレポート書く時にどれがどれだかわからなくなります

・現地駐在員同士のコミュニティもあったりする日本ではライバルでも現地ではしっかり握手、情報収集に有用

・構築より運用フェーズで問題は起きやすい時間通りに保守CEが来なかったり、間違えてパーツ持ってきたりは当たり前

・海外では弊社は全く認知されていない直でやってもディスカウントが取れないため、日本法人からアプローチしたり、フォーキャスト大きめに見せて重要顧客だと認識させて交渉に臨む事も…

・物が時間通り届かないは当たり前国と運によります。こりゃダメだと分かったらその日は捨てて遊びに行きましょう!

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ご清聴ありがとうございました。