物流・インフラ - jbic...第20 章 物流・インフラ 131 物流・インフラ...

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20 物流・インフラ 131 物流・インフラ この章ではインドネシアの物流インフラ(港湾、空港、道路、鉄道)及び電力、水道、ガス、 通信インフラの現状を紹介する。 主要な国際空港と港湾の位置 図表 20-1 はインドネシアの主要な国際空港と港湾の位置を表している。以下、それぞれについ ての特徴と利用状況について解説する。 図表 20-1 インドネシアの主要な国際空港と港湾 (出所)各種資料より作成 港湾 インドネシアは 1.4 万以上の島から構成される海洋国家であるため、国際輸送のみならず国内 輸送においても海運が重要な役割を果たしている。 インドネシアの港湾は PT. Pelabuhan IndonesiaPELINDOIIV と呼ばれる 4 つの国営港湾会 社によって管理・運営されている。1998 4 月に合意された IMF との経済構造改革協定に基づ き、ターミナル整備、運営の一部について民間企業との合弁会社を設立する形で民営化された。 港湾運営合弁会社の例は図表 20-2 を参照のこと。 A:スカルノ・ハッタ国際空港 ①タンジュンプリオク港 D:クアラナム国際空港 C:ジュアンダ国際空港 B:デンパサール国際空港 ハサヌディン国際空港 タンジュンウマス港 ボジョネガラ港 ④スカルノ・ハッタ港 ③ベラワン港 ②タンジュンペラク港 :空港 :港湾

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  • 第 20 章 物流・インフラ

    131

    物流・インフラ

    この章ではインドネシアの物流インフラ(港湾、空港、道路、鉄道)及び電力、水道、ガス、

    通信インフラの現状を紹介する。

    主要な国際空港と港湾の位置

    図表 20-1 はインドネシアの主要な国際空港と港湾の位置を表している。以下、それぞれについての特徴と利用状況について解説する。

    図表 20-1 インドネシアの主要な国際空港と港湾

    (出所)各種資料より作成

    港湾

    インドネシアは 1.4 万以上の島から構成される海洋国家であるため、国際輸送のみならず国内輸送においても海運が重要な役割を果たしている。

    インドネシアの港湾は PT. Pelabuhan Indonesia(PELINDO)I~IV と呼ばれる 4 つの国営港湾会社によって管理・運営されている。1998 年 4 月に合意された IMF との経済構造改革協定に基づき、ターミナル整備、運営の一部について民間企業との合弁会社を設立する形で民営化された。

    港湾運営合弁会社の例は図表 20-2 を参照のこと。

    A:スカルノ・ハッタ国際空港

    ①タンジュンプリオク港

    D:クアラナム国際空港

    C:ジュアンダ国際空港

    B:デンパサール国際空港

    ハサヌディン国際空港

    タンジュンウマス港

    ボジョネガラ港

    ④スカルノ・ハッタ港

    ③ベラワン港

    ②タンジュンペラク港

    :空港:港湾

  • インドネシアの投資環境

    132

    図表 20-2 港湾運営合弁会社の例

    (出所)各種資料より作成

    インドネシアには約 700 の公共港湾がある。そのうち約 100 港は商業港湾であり、約 80 港は国際船が寄港する。このうち最大の港湾はジャカルタ市内のタンジュンプリオク港(図表 20-1①)である。取扱貨物量のピークとなった 2012 年頃は、特にタンジュンプリオク港の周辺地域では、港湾の絶対的な容量不足を背景に、港湾混雑による物流停滞が深刻な問題となっていた。しかし、

    近年では貨物量が減少傾向にあり、2019 年の現地調査においても、港湾の容量不足が課題と指摘する声は少なくなっていた。図表 20-3 はインドネシアの主要港湾の貨物取扱量の推移を示しているが、港湾インフラの整備不足による取扱可能量の制約により、貨物取扱量は 8,000 万~1 億トンの間で推移している。

    図表 20-3 主要港湾の貨物取扱量推移

    (注)主要港湾は、ベラワン、タンジュンプリオク、タンジュンペラク、スカルノ・ハッタの 4 港 (出所)国家統計局資料より作成

    「タンジュンプリオク港」(図表 20-1①)は、ジャカルタ特別州に位置し、インドネシア全体の国際海運物流のうち約 5 割の取扱シェアを誇るインドネシア最大の国際商業港湾である。PELINDO II(別名:Indonesia Port Corporation:IPC)が管理しており、ターミナルは複数の会社によって運営されている。コンテナ貨物取扱量が限界に達していたことから、ターミナル拡張計画

    国営会社(運営港) 合弁先(国・地域) 合弁会社名 設立年

    PELINDOⅡ Hutchison Port Holdings(香港) Jakarta International Container Terminal 1999年

    (タンジュンプリオク港) Hutchison Port Holdings(香港) TPK-Koja (Koja Container Terminal) 2000年

    三井物産、PSA International(シンガポール)、日本郵船

    New Priok Container Terminal One 2014年

    PELINDOⅢP&O社(英国) Terminal Petikemas Surabaya 2000年

    (タンジュンペラク港)

    22 2429 30

    36 41 4250

    4333

    2331 29 29 32 34 34 34 34 31 34

    36 41 39 39 36 38 35 32

    3335

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    42 43

    47

    37

    37

    37

    47 5461 61

    6356

    64 6259

    62 6163

    60 5753 51 53

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    (100万トン)

    国際貨物 国内貨物

  • 第 20 章 物流・インフラ

    133

    (ニュープリオク計画)が進行しており、2016 年 8 月には年間 150 万 TEU の取扱が可能な第 1ターミナルが操業を開始した。同ターミナルは全長 850m、喫水 16m と最新鋭の大型船の寄港が可能であり、運営会社には三井物産と日本郵船が出資している。ニュープリオク分を含めたコン

    テナ貨物取扱量は、2017 年の 608 万 TEU に対して 2018 年は 674 万 TEU と、前年比 10.9%の増加となった。PELINDO II によると、2020 年には第 2、第 3 ターミナルの供用を開始する計画である。

    しかし、2017 年時点の世界の主要港湾の取扱量と比較すると、タンジュンプリオク港は 23 位に留まる。その他 ASEAN 諸国の主要港湾のコンテナ貨物取扱量をみると、シンガポール港(3,367万 TEU、世界 2 位)をはじめとして、マレーシアのポートクラン港(1,198 万 TEU、同 13 位)やタンジュンペラパス港(838 万 TEU、同 19 位)、タイのレムチャバン港(778 万 TEU、同 20 位)が、タンジュンプリオク港の取扱量を上回っている。また、ベトナムのホーチミン港(592 万 TEU、同 25 位)はほぼ同水準となっている。

    タンジュンプリオク港の様子

    尚、ジャカルタ首都圏の道路は慢性的な渋滞が発生しており、自動車産業などの日系企業が多

    く集積する首都圏東部の西ジャワ州カラワン県から首都中心部に立地するタンジュンプリオク港

    のアクセスに相応の時間を要することから、インドネシア政府はジャカルタの東部近郊に新港を

    建設している。当初は西ジャワ州カラワン県のチラマヤが想定されていたが、2015 年 4 月に沖合の石油ガス施設と船舶航行の安全性に懸念がある等の理由で白紙化され、その後同州スバン県パ

    ティンバンに決定した(図表 20-4)。

    パティンバン港の第 1 期から第 3 期工事の総費用は、約 43 兆ルピア(約 3,600 億円)が見込まれており、建設費用には日本国政府による円借款も活用される。第 1 期については、2017 年 11月に 1,189 億円の円借款契約が締結され、2018 年に工事が開始した。2020 年には自動車用ターミナルとコンテナターミナルが完成、2021 年には連絡橋が完成する計画であり、完成の 2 年後には取扱量が 80TEU に達する見込みである。これによりジャカルタ首都圏東部の工業団地群に立地する日系企業の利便性は高まるものと期待される。

  • インドネシアの投資環境

    134

    図表 20-4 パティンバン港の建設予定地

    (出所)Google

    「タンジュンペラク港」(図表 20-1②)は、東ジャワ州都のスラバヤに位置している。同港はスラバヤ大都市圏と東部、西部インドネシア、近隣アジア諸国を結ぶ物流拠点で、インドネシア第

    2 の港湾である。スラバヤコンテナターミナル会社(PT. Terminal Petikemas Surabaya)が管理する国際船埠頭は喫水 13m と十分な水深を有する。港湾の管理は PELINDO III が担い、コンテナターミナルは 24 時間営業している。

    「ベラワン港」(図表 20-1③)は、北スマトラ州メダンに位置している。マラッカ海峡の国際航路に面しており立地は良いが、水深が 10m と浅く、大型船の寄港は難しい。従来、コンテナターミナル(24 時間営業)の取扱能力が低く、貨物取扱量は年間 130 万 TEU に留まっていたが、港湾の管理会社である PELINDO I は拡張工事を 2019 年 4 月に終了させており、本格稼働後は年間50~60 万 TEU の増加が見込まれている。

    「スカルノ・ハッタ港」(図表 20-1④)は、南スラウェシ州マカッサルに位置する。同港の荷揚げ量は、近年は減少傾向にある。港湾の管理は PELINDO IV が行い、コンテナターミナルは 24時間営業している。2014 年には自動車専用ターミナルが設置され、2016 年には港湾業務管理システムが他港に先駆けて導入されるなど、インフラ整備が進んでいる。

    図表 20-5 タンジュンプリオク港の貨物積荷量・荷揚量の推移

    (出所)国家統計局資料より作成

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    (100万トン)タンジュンプリオク港

    積荷量 荷揚量

  • 第 20 章 物流・インフラ

    135

    図表 20-6 タンジュンペラク港の貨物積荷量・荷揚量の推移

    (出所)国家統計局資料より作成 図表 20-7 ベラワン港の貨物積荷量・荷揚量の推移

    (出所)国家統計局資料より作成 図表 20-8 スカルノ・ハッタ港の貨物積荷量・荷揚量の推移

    (出所)国家統計局資料より作成

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    (100万トン)タンジュンペラク港

    積荷量 荷揚量

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    (100万トン)ベラワン港

    積荷量 荷揚量

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    (100万トン)スカルノ・ハッタ港

    積荷量 荷揚量

  • インドネシアの投資環境

    136

    空港

    インドネシアには、27 の国際空港、264 の国内空港がある(2016 年末、小規模飛行場を含む)。

    利用者数はリーマン・ショック後の 2009 年に落ち込んだ後は、概ね右肩上がりに増加している(図表 20-9)。貨物輸送量についても同様であり、2018 年の輸送量は前年比 7.6%増の 11.3 億トン/km と、3 年連続で増加している(図表 20-10)。

    インドネシアの主要空港は、スカルノ・ハッタ国際空港(ジャカルタ、国内線旅客数 4,555 万人、国際線旅客数 1,469 万人)(図表 20-1A)、ングラ・ライ国際空港(デンパサール、同 1,005 万人、1,094 万人)(図表 20-1B)、ジュアンダ国際空港(スラバヤ、同 1,701 万人、199 万人)(図表 20-1C)、クアラナム国際空港(メダン、同 756 万人、199 万人)(図表 20-1D)の 4 空港である(利用者数は図表 20-11 参照)。

    図表 20-9 空港利用者数の推移

    (出所)国家統計局資料より作成 図表 20-10 輸送貨物量の推移

    (出所)世界銀行資料より作成

    4 5 6 7 8 9 10 10 8 8 9 9 9 911 11 11 13 13 15

    17 19 21 2324 24 26 29

    3217 17 18

    20 2325 27 26

    15 18 1821 24

    3645 49

    56 59

    4248

    5866

    7781 77 76

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    94

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    90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    (100万人)

    国際線 国内線

    409 408 405 424 434 440469 485

    395277

    666754

    880768

    902

    759

    9751,052

    1,132

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    (100万トンkm)

  • 第 20 章 物流・インフラ

    137

    図表 20-11 主要空港の利用者数(2017 年)

    (注)乗換旅客は含まない数値 (出所)国家統計局資料より作成

    スカルノ・ハッタ国際空港(図表 20-1A)は、国際線と近距離路線を除く国内線が発着するインドネシア最大規模の空港であり、ジャカルタの都市部から 20km 離れた場所に位置している。1985年に現在の第 1 ターミナルが開港し、1992 年には第 2 ターミナルが、2016 年に第 3 ターミナルが供用開始した。同空港には 2 本の滑走路があり、24 時間営業している。運営会社である PT Angkasa Pura II は、2024 年を完成目標として、国内最大規模となる第 4 ターミナル建設を計画している。同空港の 2017 年の利用旅客者数は 6,302 万人と、世界 17 位であった。シンガポール(6,222 万人:18 位)を上回る ASEAN 最大規模の旅客数である。

    スカルノ・ハッタ国際空港

    ングラ・ライ国際空港(図表 20-1B)は南バリの大規模リゾート地の近くに位置し、24 時間営業である。1930 年に開港し、1966 年より国際線が就航している。インドネシアでは 2 番目に利用旅客者数が多い空港であり、1990 年より段階的に拡張、整備が行われ、2013 年に新国際線ターミナルが開業した。2025 年までに年間 2,460 万人の利用を目標としている。

    ジュアンダ国際空港(図表 20-1C)は、スラバヤ市から南に 20kmほどの場所に位置し、PT Angkasa Pura I が運営している。1964 年に海軍航空基地として発足、1985 年に民間航空機の離発着が始まった。1990 年より国際線が就航し、2014 年に第 2 ターミナルが供用開始した。営業時間は 6 時~24 時。利用旅客者数ではインドネシア国内 3 位の空港である。

    クアラナム国際空港(図表 20-1D)は北スマトラ州の最大都市であるメダンから 39km の場所に立地しており、インドネシア西部のハブ空港としての機能を持つ。空港運営は PT Angkasa Pura II

    D クアラナム メダン国内線 756国際線 199

    C ジュアンダ スラバヤ国内線 1,701国際線 199

    B ングラ・ライ デンパサール国内線 1,005国際線 1,094

    空港名 都市名 旅客数(万人)

    A スカルノ・ハッタ ジャカルタ国内線 4,555国際線 1,469

  • インドネシアの投資環境

    138

    である。従来、メダンへの航空便はポロニア国際空港(現在は空軍基地)に発着していたが、旅

    客数の急増に対応するため、2013 年に開設されたクアラナム国際空港に全ての民間路線が移管された。滑走路は 1 本であり、24 時間営業している。

    道路

    概要

    インドネシアの道路総延長は、約 54 万 km(2017 年)。2007 年から 2009 年にかけて約 8 万 km伸びた後、年 1 万 km 前後のペースで延伸が進んでいる(図表 20-12)。2017 年時点の道路の内訳は、国道が 4.7 万 km、州道 5.5 万 km、県道 43.5 万 km となっている。

    近年、道路の総延長距離は伸びているものの、舗装率は 2000 年前後から横ばいとなっている。2017 年の約 54 万 km の内、アスファルト舗装総延長は約 32 万 km であり、道路舗装の余地は大きい。

    高速道路については、日本の道路公団にあたる国営の PT. Jasa Marga(PERSERO)が道路開発・運営の殆どを実施している。尚、道路の整備・運営は 1985 年から民間の参入が認められ、BOT(Build, Operate and Transfer)方式による道路建設も行われている。2014 年には NEXCO 西日本と日本高速道路インターナショナル(JEXWAY)が地場民間企業との包括的技術連携の覚書を締結し、インドネシアにおける道路事業の質の向上と発展を支援している。

    図表 20-12 道路距離と舗装率の推移

    (出所)国家統計局資料より作成

    首都ジャカルタでは交通渋滞が慢性化しており、渋滞が複数の交差点を超えて伸びることで広

    範囲の交通が麻痺する「グリッドロック(金縛り)」もしばしば生じている。渋滞緩和に向けた対

    策として、ジャカルタ特別州では 2004 年から専用バスレーンを走行する新型バス(トランスジャカルタ、写真参照)の運行を開始した。第 13 路線まで開業しており、世界最長級のサービスとな

    0%

    10%

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    (1,000㎞)

    道路総延長 舗装率(右軸)

  • 第 20 章 物流・インフラ

    139

    っている。また、2016 年 8 月にはジャカルタ市内に規制エリアを設け、指定された時間帯(2019年 10 月時点では、平日の 6:00~10:00、16:00~21:00)についてはナンバープレートの末尾の数字が奇数か偶数かに応じて、乗り入れを制限するシステムが導入された。タクシーは規制対象外と

    なる。また、2019 年 8 月には対象エリアが従来の 9 区間から 25 区間に拡大された。2019 年 3 月にジャカルタ中心部の一部区間で開業した MRT ジャカルタも、開業当初の営業区間については、駅に十分な駐輪スペースがないことや、都心部に通勤する人々が多く暮らすベッドタウンにつな

    がっていないことから道路の渋滞を緩和するほどには至っていないが、今後の延伸に伴って混雑

    緩和に寄与することが期待されている。

    ジャカルタ市内の帰宅ラッシュ 市内を走るトランスジャカルタ

    ジャカルタ周辺の高速道路の交通量は 2015 年をピークに 2 年連続で微減が続いている。PT. Jasa Marga 管理下の高速道路の交通量は 2011 年の 10.9 億台から 2015 年の 13.8 億台へと、4 年間で 2割増加したが、2017 年は 13.5 億台に留まっている(図表 20-13、20-14)。

    図表 20-13 PT. Jasa Marga 管理下の高速道路交通量の推移

    (出所)PT. Jasa Marga アニュアルレポートより作成

    1.09 1.20 1.26 1.32

    1.38 1.36 1.35

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    1.4

    1.6

    11 12 13 14 15 16 17

    (10億台)

  • インドネシアの投資環境

    140

    図表 20-14 PT. Jasa Marga 管理下の高速道路交通量

    (出所)PT. Jasa Marga アニュアルレポートより作成

    アジアハイウェイ

    アジア諸国の幹線道路網を有機的に結び付ける国際幹線道路網の「アジアハイウェイ」につい

    ては、インドネシアでは路線番号 AH2 と AH25 の 2 路線、総延長にして 4,115km が計画されている(図表 20-15)。

    ジャワ島を横断する AH2 は、バリ島のデンパサールから西に向けて、スラバヤ、スラカルタ、スマラン、チルボン、チカンペック、ジャカルタ、メラクと進む。尚、チカンペックからはジャ

    カルタ方面の他にバンドン方面にも延びており、これらの総延長距離は 1,545km に及んでいる。

    メラクからフェリーでスマトラ島のバカフニに渡り、スマトラ島を南北に縦断する AH25 では、バカフニから北に向かってパレンバン、ジャンビ、ペカンバル、ドゥマイ、メダン、バンダアチェ

    まで続く。AH25 の総延長距離は 2,570km に達する。

    双方ともに、工業中心地連絡、農業集積地連絡・主要港湾連絡等のために選定されたルートで

    ある。片側 2 車線以上かつ一定の規格を満たす区間(Class 1 以上)は約 1,000km で、全体のおよそ 4 分の 1 を占める。

    尚、ジャワ島とバリ島間(バリ海峡:最狭部 2.5km)に架橋する計画は長年議論されているが、バリ島住民の反対から実現していない。また、ジャワ島とスマトラ島間(スンダ海峡:最狭部 24km)への架橋計画も議論が進められてきたが、2014 年に就任したジョコ大統領は他のインフラ整備を優先する方針を定め、以後、同計画は棚上げされている。

    (単位:100万台)

    Jagorawi 189.5路線名 2017年

    Dalam Kota Jakarta-JIRR 216.6Prof. Dr. Ir. Sedyatmo 84.2Jakarta-Cikampek 205.5

    Cipularang 6.6Padaleunyi 62.2Jakarta-Tangerang 133.1

    Surabaya-Gempol 101.0Ulujami-Pondok Aren 47.5Jakarta Outer Ring Road 98.3

    Palikanci 14.6Belmera 27.9Semarang 52.6

    Semarang-Solo 19.8Surabaya-Mojokerto 17.1Bogor Outer Ring Road/BORR 15.8

    Gempol-Pandaan 7.2Kebon Jeruk-Ciledug (JORR W2 Utara) 30.5Nusa Dua-Ngurah Rai-Benoa 18.2

    合計 1,349.7Medan-Kualanamu 0.8Gempol-Pasuruan 0.7

  • 第 20 章 物流・インフラ

    141

    図表 20-15 インドネシアのアジアハイウェイ路線網

    鉄道

    概要

    インドネシアでは 1867 年に最初の鉄道が開業し 1941 年にはほぼ全ての路線で軌間を 1,067mm(日本と同じ狭軌)に統一した。営業主体は国有企業の PT. Kereta Api であり、同社の鉄道総延長約 5,000km のうち、約 7 割はジャワ島、残り 3 割がスマトラ島に配備されている。

    2018 年のインドネシアの年間鉄道旅客数は延べ 4.2 億人、貨物輸送量は 4,940 万トンである(図表 20-16、17)。同年は路線の新規開通もあり、旅客数が対前年比 7.3%、貨物輸送量は同 13.9%と、大幅な伸びを記録した。ジャワ島の鉄道による旅客輸送および貨物輸送は、大量輸送が可能であ

    ること、環境への負荷が小さいことから、輸送効率や環境対策の観点で注目を集めている。

    鉄道路線で複線化されている区画は、ジャワ島ジャボデタベック圏 3の大部分と(うち一部は

    複々線化)、スラバヤ近郊の一部の地域に限られる。スマトラ島の鉄道は、そのほとんどが地域物

    資の輸送を主体とした貨物鉄道である。ジャワ島のジャボデタベック圏と呼ばれる都市圏には

    KAI コミューター・ジャボデタベックと呼ばれる通勤電車網(図表 20-18)があり、PT. Kereta Api の子会社によって管理、運営されている。2018 年 6 月時点、同社管理の路線総延長は 419km、79駅を展開している。

    3 ジャボデタベック圏:ジャカルタと、西ジャワ州のブカシ、ボゴール、デポック、バンテン州のタンゲランの 4 つの都市、西ジャワ州のブカシ地区、ボゴール地区、バンテン州のタンゲラン地区の 3 つの地区から構成されている。

    (出所)国土交通省ホームページ

  • インドネシアの投資環境

    142

    図表 20-16 鉄道利用者数の推移

    (出所)国家統計局資料より作成

    図表 20-17 鉄道輸送貨物量の推移

    (出所)国家統計局資料より作成

    121.1 134.1 158.5

    208.5

    257.5 280.6

    315.9 336.8

    72.9 63.7 53.5

    64.1

    63.1

    65.2

    70.5

    77.5

    5.3 4.4 4.0

    4.9

    5.3

    6.0

    6.9

    7.8

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    450

    2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

    (100万人)

    スマトラ島

    ジャボデタベック以外(ジャワ島)

    ジャボデタベック

    スマトラ島

    ジャワ島

    4.6 6.5 8.3 11.2 10.1 10.9

    12.4 14.8

    15.9 17.1

    18.5

    22.2 22.0 24.4

    30.9

    34.6

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

    (100万トン)

    ジャワ島 スマトラ島

  • 第 20 章 物流・インフラ

    143

    図表 20-18 KRL ジャボデタベックの路線図

    (出所)PT. KAI Commuter Jabodetabek 社ウェブサイト

    ジャカルタ都市交通

    ジャカルタ MRT とは、インドネシア初の地下鉄を含む本格的な都市鉄道である。交通混雑が深刻なジャカルタ首都圏において、都市高速鉄道システムの導入により旅客輸送能力の増強を図り、

    同首都圏の交通渋滞の緩和を通じてジャワ島の投資環境改善に資することが期待されている。事

    業全体では南北線と東西線の全長約 87km の路線が計画されている。

    南北線の第 1 期事業は、南北路線のうち南ジャカルタの「Lebak Bukus(ルバックブルス駅)」から中央ジャカルタの「Bundaran HI(ホテル・インドネシア前ロータリー駅)」までの 13 駅、15.7kmの区間を対象としており、ルバックブルス駅からシシンガマンガラジャ通りの 9.8km が高架区間、スディルマン、タムリン通りの 5.9km が地下区間となっている。日本政府からは総額約 1,250 億円の円借款が供与されるとともに、土木工事、車両納入、電機・機械システム等の整備など、ハ

    ード・ソフトの両面で日本企業の技術が導入された。第 1 期事業は 2013 年 10 月に着工され、5年半後となる 2019 年 4 月に営業運転を開始した。

    ジャカルタ コタデュリ

    ジャティネガラ

    タンゲラン

    カンプン バンダン

    タンジュンプリオク

    ブカシ

    ボゴール

    マンガライ

    ラジャワリ

    タナ アバン

    ボゴール - ジャカルタ コタ

    ボゴール - ジャティネガラ

    ブカシ - ジャカルタ コタマジャ - タナ アバン

    タンゲラン - デュリ

    タンジュンプリオク -

    非停車駅

    マジャ

    ナンボ

    チカラン

    チタヤム

    デポック

    ランカスビトゥン

  • インドネシアの投資環境

    144

    上段左:MRT スナヤン駅の入口、上段右:駅にはホームドアが完備している

    下段左:2019 年 5 月時点の運行区間、下段中央:駅構内のセキュリティゲート、下段右:IC 乗車券

    第 2 期事業は、「Bundaran HI(ホテル・インドネシア前ロータリー駅)」から北ジャカルタのカンプンバンダン(全長 7.8 ㎞)の区間が対象となるが、同プロジェクトについても 2018 年 10 月に約 700 億円の円借款契約を締結済であり、2025 年の完工を目標に、日本政府が継続的に支援する予定である。尚、南北線は、北ジャカルタの東アンチョールまでの延伸が決定している。

    東西線は、西ジャカルタのカリデレスと東ジャカルタのチャクンを結ぶ、31.7km、22 駅の路線となる。MRT ジャカルタによると、今後、2020 年にかけて経路を確定させて、2021 年年初までには着工したい意向である。日本政府は東西線についても支援を前向きに検討している段階であ

    る。将来的には、バンテン州タンゲラン県バララジャからジャカルタを経由し西ジャワ州ブカシ

    県チカランを結ぶ予定であり、全長約 80km に達する一大路線となる。

    一方、ジャカルタ LRT は、ジャカルタ首都圏(ジャカルタ特別州、西ジャワ州ボゴール、デポック、ブカシ)を結ぶ鉄道で、国営建設会社であるアディ・カルヤ社が建設中である。第 1 期事業では①ジャカルタ・チャワン~西ジャワ州チブブール、②チャワン~中央ジャカルタ・ドゥク

    アタス、③チャワン~東ブカシ、の 3 区間が対象となり、2019 年に一部区間で試験走行が開始、全線開通は 2021 年 11 月を予定している。国鉄クレタ・アピ・インドネシア社(KAI)が 50 年間の運行権を獲得している。第 2 期工事の建設事業者にはジャカルタ・プロパティンドが決定しており、2020 年に着工予定である。

  • 第 20 章 物流・インフラ

    145

    電力

    電力概要

    インドネシアでは、国営のインドネシア電力公社(Perusahaan Listrik Negara:PLN)が発電と送電事業を行っている。うち、送電事業は PLN が独占しているが、発電事業に関しては民間事業者(IPP: Independent Power Producer)の参入が認められている。PLN の発表データでは、2018 年の総発電力 2,671 億 kWh のうち、IPP 等の寄与分は 784 億 kWh で、全体の約 3 割を占める。

    インドネシアの電力生産のエネルギー源別割合(図表 20-19)を見ると、国内で産出される石炭と天然ガスへの依存度が高いことが分かる。今後期待される電源は、火山国の特性を活かした地

    熱発電である。インドネシアは米国や日本に並び世界最大級の地熱資源を有している。地熱発電

    は日本企業にとっても有望な分野であり、単体としては世界最大級(330MW)のサルーラ地熱発電所プロジェクトが、伊藤忠商事、九州電力、国際石油開発帝石(関連企業)の主導で進められ、

    2018 年 5 月に商業運転が開始した。

    図表 20-19 インドネシアの発電のエネルギー源別内訳(2018 年)

    (注)構成比は小数点第 2 位を四捨五入しているため、合計は必ずしも 100.0 にならない。 (出所)Perusahaan Listrik Negara より作成

    需給状況

    インドネシアでは近年の人口の増加と経済規模の拡大に伴い、電力需要が増加している。金融

    危機の影響があった 2009 年こそ需要の伸びが若干鈍ったものの、同年から 2018 年にかけて年率6.4%のペースで需要が増加するなど、実質経済成長率を上回って推移している。通年での供給量は消費量を 1 割以上超過し続けているものの、送配電ロスも 1 割弱発生しており(2018 年は供給量に対して 9.51%のロスが発生)、乾季における水力発電の供給能力の低下や定期点検での発電所停止などが重なると一時的に需要過多となって停電が起こる可能性もある(図表 20-20)。

    こうした状況を背景に、国営 PLN との間で優先供給契約を結んでいる工業団地もある。これは電力料金をやや高めに設定する代わりに、電力需給逼迫時に優先供給が行われる契約である。現

    地ヒアリングでは、現状、契約を締結している工業団地ではジャカルタ市内で電力不足が発生し

    た際でも操業には支障が生じておらず、電力の優先供給の恩恵は大きいとのことである。

    発電エネルギー種別発電電力量(100万kWh)

    構成比(%)

    石炭 109,563 41.0天然ガス 47,360 17.7

    水力 10,729 4.0石油 6,057 2.3地熱 4,013 1.5

    太陽光・風力・バイオディーゼル 472 0.2リース 10,505 3.9

    IPP購入等 78,387 29.3総計 267,085 100.0

  • インドネシアの投資環境

    146

    図表 20-20 インドネシアの電力需給の推移

    (出所)エネルギー・鉱業省資料より作成

    近年の電力消費の分野別内訳では、工業分野での消費割合が減少しつつあり、商業と家庭分野

    での電力消費が徐々に重みを増している。2018 年の総消費に対する割合は工業が 33%、商業が19%、公共部門 3%、家庭部門 42%となっている(図表 20-21)。

    図表 20-21 インドネシアの電力消費の分野別割合(2018 年)

    (出所)エネルギー・鉱業省資料より作成

    工業団地での最近の電力事情の実態

    ジャカルタ東部の工業団地周辺では、現地の民間電力業者の存在や PLN との優先供給契約の締結により、最近は特に深刻な電力不足は報告されていない。但し、時折電圧が不安定になり、電

    圧の変動幅によっては機械が停止する可能性も残ると聞く。このため、電源の安定化装置や非常

    用電源装置を導入している企業もある。

    電力料金価格は、工業団地内であっても企業と電力会社との個別契約によって決定され、また、

    業種、契約容量、利用時間帯等によっても価格が異なる点、留意を要する。JETRO の調査に拠ると、業務用電力の料金は、ジャカルタで 1,036 ルピア/kWh、バタム島で 968 ルピア/kWh となっている(調査時点:2018 年 12 月~2019 年 1 月)。

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    (100万Wh)

    供給電力 消費電力

    電力消費部門消費電力量(100万kWh)

    構成比(%)

    家庭 97,832 41.7工業 76,947 32.8商業 44,027 18.8

    公共部門 8,030 3.4その他 7,781 3.3総計 234,618 100.0

  • 第 20 章 物流・インフラ

    147

    水道

    インドネシアでは、主に地方自治体に属する水道事業体(PDAM)が水道事業を運営している。工業用水の料金は 1 立方メートル当たりおよそ 10,000~13,000 ルピア前後であるが、料金水準は自治体によって異なる。また、現地ヒアリングでは、工業団地への給水について深刻な問題は聞

    かれなかった。

    日本では水道事業は原則として市町村が経営するのに対し、インドネシアでは運営委託の形式

    をとるため、政府による直接的な資金援助は行われない。また、地方部を中心として約 3 割のPDAM では給水人口が 1 万人以下にとどまる他、9 割以上の PDAM で無収水率が 20%を超えるなど、運営の効率化も課題となっている。尚、全国的に水源の管理は中央政府の所掌となっている。

    インドネシアの上水道は整備途上にあり、都市部でも普及率は 60%程度と推定される。2014 年時点で国全体での安全な飲料水(地下水含む)へのアクセス率は 69%に留まり、政府は 100%への到達を目標に掲げている。一方、下水道普及率はさらに低く 5%以下に留まるとされ、特に都市部での下水道整備が喫緊の課題となっている。

    ガス

    インドネシアでは、国有ガス公社(PT Perusahaan Gas Negara:PGN)が最大のガス供給業者である。インドネシアは天然ガス産出国であり、PGN はパイプラインを通じてガス供給を行っている。ジャカルタ近郊の工業団地においても PGN が主たるガス供給業者となっているが、一部工業用ガスについては民間企業からの供給が行われている場合もある。国有の石油・ガス開発会社で

    あるプルタミナ社(PT. Pernamina)も傘下にガス供給子会社(PT. Pertamina Gas)を有しているが、2018 年 4 月に石油・ガス国営企業持株会社を設立し、同年 6 月に PGN と Pertamina Gas の経営統合を発表した。それまで両者で重複していたガス事業のパイプラインを統合することで効率化を

    進め、対消費者価格の低減、生産能力や設備容量の増強、持株会社による財務パフォーマンスの

    改善等を目指す。尚、業務用ガスの料金は、1 立方メートル当たり 0.32~0.34 ドル前後である。

    通信

    インドネシアは多くの島に分かれており、国内各地を結ぶ情報通信インフラの整備は不可欠で

    ある。アジア通貨危機の際には、インドネシア政府は国内政治の安定に追われ、周辺諸国に比べ

    情報化に遅れを取った。その後、政府は、2005 年にそれまでの通信情報担当省を通信情報省(KOMINFO)に再編し、2006 年には通信政策や情報化の戦略方針を策定する国家 ICT 委員会を設立し、2011 年には省内所掌の再編を行うなど、情報通信分野の開発に注力してきた。

    かつてのインドネシアでは、国営の Telekomunikasi Indonesia(Telkom)が固定電話を、Indosatが国際電話事業を独占していたが、1989 年の法改正以降の一連の規制緩和により、通信サービスへの民間企業の参入が可能となった。近年では、固定電話の普及を待たずに携帯電話の普及が加

    速し、携帯電話を通じてのインターネットの利用者が急増している。

  • インドネシアの投資環境

    148

    電話

    ①固定電話

    固定電話には、基地局と電話器がケーブルで接続される「有線固定電話」と、基地局と電話器

    が無線で接続され、一定エリア内であれば無線で通話が可能な「固定無線アクセス電話」がある。

    有線固定電話と比較して、無線アクセス電話は、①加入回線あたりの敷設コストが半額以下であ

    ること、②敷設に要する期間が短いこと、③限定的ながら携帯が可能で利便性が高いことなどの

    利点から、2000 年代に複数の事業者が参入した。しかし、その後の携帯電話の普及に伴い、固定電話全体の加入者数は 2014 年の 2,623 万人超から 2017 年には 1,117 万人まで減少した。

    有線固定電話の事業者は、現在、Telkom と Indosat Ooredoo で、Telkom が事実上独占する状態となっている。もともとは両社とも国有企業であり、Telkom が国内通話、Indosat が国際通話を独占的に担ってきた。2000 年代に入り、規制緩和が進められるとともに Indosat が民営化され、相互参入が行われた。尚、Indosat は 2015 年に Indosat Ooredoo へ改称されている。

    ②携帯電話

    固定電話の契約数が減少する一方、2017 年時点の移動体通信(携帯電話)加入者数は 4 億 5,892万人に上った。1 人あたりの契約数は約 1.74 台となり、ほぼ全ての人々に普及した状況である。特に固定電話の普及率が低いスラウェシやパプア等の地方部では、携帯電話は主要通信手段と

    なっている。

    2014 年 12 月から 4G(第 4 世代)規格での高速通信サービスが開始され、ジャカルタ首都圏、スラバヤ、メダン、デンパサールといった主要都市部から順次サービス範囲が広がっている。

    大手携帯電話会社としては、Telkom 系の Telkomsel、XL-Axiata、Indosat Ooredoo の上位 3 社で契約件数の約 9 割を占めている(図表 20-22)。インドネシアでは、従来から SIM フリー端末でプリペイド SIM カードを利用する形態が主流となっているが、スマートフォンの普及に伴いデータ通信とセットでのパッケージプランも提供されている。

    図表 20-22 インドネシアの主要携帯電話会社とその顧客数(2018 年)

    (出所)情報通信省資料より作成

    会社名顧客数

    (1,000人)構成比(%)

    Telkomsel 150,983 59.2XL-Axiata 45,145 17.7Indosat Ooredoo 34,245 13.4Hutchison 3 17,789 7.0SmartFren 6,855 2.7Sampoerna 15 0.0総計 255,032 100.0

  • 第 20 章 物流・インフラ

    149

    郵便・宅配

    インドネシアの郵便事業者は、国営企業の PT. Pos Indonesia である。郵送対象は重量上限が 2kgの手紙(Surat)と、小包(Paket)の 2 種に分けられる。郵送サービスには普通(Biasa)、特別速達(Kilat Khusus)、エクスプレス(Express)がある。

    このうち、普通郵便については配達の未着や遅延の問題が多い。特別速達とエクスプレスサー

    ビスは、地方の村まで配達が可能で、配送状況の追跡も可能である。エクスプレスについては即

    日および翌日配達サービスがある。また、ジャカルタ市内で確実に物品を届けるには、GOJEK と呼ばれるバイク・タクシーへの依頼が便利である。

    日本向け等の国際郵送および配送サービスには、普通郵便のほかに速達郵便、国際エクスプレ

    ス・メール(EMS)、Fedex、DHL などが利用できる。到着までの日数に関しては、日本への普通郵便物を送る場合、投函する郵便局によって 5 日から 1 ヵ月まで大きく異なることもあるようである。遅延や紛失を避けたい場合は、追跡可能で配達も速い EMS や Fedex、DHL の利用が安全である。これらを利用する場合、ジャカルタやバタム等の主要都市からであれば通常は 2~4 日ほどで日本に届く。国際郵送・配送に関する制限重量と所要日数の目安は図表 20-23 の通りである。

    図表 20-23 国際郵送・配送に関する制限重量、所要日数(目安)

    (出所)PT. Pos Indonesia 資料より作成

    インターネット

    インドネシアではインターネットの普及が進んでおり、2017 年時点で、全人口の 2 分の 1 超にあたる約 1.4 億人の利用者がいるとされる。同国のインターネット利用の特徴は、スマートフォン・タブレット等のモバイル端末からのアクセスの多さであり、2017 年時点では国民の 44%がモバイル端末から、4%が PC から、39%が両方からアクセスしている(13%はアクセスなし)。

    モバイル端末の普及前は、街中に点在した Warnet と呼ばれるインターネットカフェが、インターネットの普及を後押しした。ブロードバンド加入者数は、2014 年の約 340 万人から 2017 年の約 980 万人へと、事業者のサービス競争激化に伴って急激に増加している。近年は、高速インターネットや無線 LAN が利用できるホテルやオフィス等も増えている。インターネット接続サービス関連免許は 250 社ほどが取得しているが、実際にサービスを提供しているのは 130 社程度とみられている。

    主要な工業団地では既に光ケーブルが敷設されて高速インターネット環境が整っており、複数

    のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)を自由に選択できる。国内の主要な ISP としては、Telkom、Indosat、BiZNET 等があり、様々な回線速度およびそれに応じた価格のプランが提供されている。例えば Telkom が提供する「Dual Play package 1」では、月額 38 万ルピアで 20Mbps

    制限重量 日本向け シンガポール向け

    EMS ゾーン1 3日 2日

    EMS ゾーン2 4~9日 3日

    国際速達小包(Paket Cepat) ~3kg 6日 6日

    普通小包(Paket Biasa) ~30kg 45日 30日

    ~100kg

  • インドネシアの投資環境

    150

    の高速インターネットと 300 分の無料通話を、月額 52.5 ルピアで 30Mbps の高速インターネットと 300 分の無料通話を利用することができる(2019 年 10 月時点)。

    しかし、日系企業の場合のように国際通信、特に日本との通信が主となる場合、契約するプロ

    バイダが国際回線を独自に持っているかがデータ転送速度を決定的に左右する。これに関しては、

    既に NTT が日系の ISP としてインドネシアに進出済みであり、日本向けの高速通信回線の保有を強みとしてサービスを展開中である。

    尚、インドネシアでは国内全土の高速通信網を整備する「パラパ・リング」プロジェクトを推

    進しており、西部・中部・東部の各 3 地域において、光ファイバーケーブルによる通信網が完成した。政府は今後、各地域の「パラパ・リング」を結ぶ光ファイバーケーブルを新設して、全地

    域の国民が高速通信網にアクセスできるようにする計画である。

    ひとくちメモ 6: ビザを巡る問題(2019 年 6 月時点)

    2019 年 6 月にインドネシアの地方都市に進出している日系企業を訪問した際に、ビザを巡る問題が

    発生しているので気を付けるようにとのアドバイスを受けた。具体的には、日本人がインドネシアの空

    港で到着ビザ(Visa on Arrival)を取得して入国し、客先の会議室で打ち合わせを行っていたところ、

    入国管理担当の役人が見計らったように摘発に来る事案が発生しているとのことである。

    到着ビザの取得要件を見ると「30 日以内の商用訪問(会社訪問、商談、会議出席等の就労を伴わな

    いもの)」も含まれており、たとえ工業団地の敷地内であっても、会議室で打ち合わせを行うことは(工

    場の現場に立ち入ったりしなければ)問題ないはずである。

    しかし、担当官にはそのような理屈は通らないため、日系企業側は日本からの来訪者に対し、工場内

    への立ち入りも認められている工業用商用ビザ(B211B)の取得を促すか、それが難しければ、打ち合

    わせの場所を工業団地外のレストラン等に移すなどの対応をせざるを得ないとのことであった。尚、工

    業用商用ビザの取得には労働移住省からの推薦状と入管総局からの承認が必要となる。取得する企業と

    しては労力や時間、コストがかかり、負担が大きい。

    尚、このような事案がその後も頻発しているとのニュースは見受けられない。また、同時期に訪問し

    た他の都市では発生していなかったことから、一部の担当官の恣意的な解釈による摘発と捉えることも

    できる。いつ、どこで、どのような理由によって摘発されるかわからないため、全てのリスクに備える

    ことは難しいのが現状であり、日系企業としては、ルールをしっかり守る姿勢を示すしかない。言うま

    でもなく、不適切なビザで入国してしまった場合は「なんとかなるだろう」は通用しないので、注意が

    必要である。

    第1章 概観(国土、民族、社会、歴史等)1. 正式国名2. 人口3. 国土4. 首都5. 気候6. 民族7. 言語8. 宗教9. 教育10. 通貨11. 歴史(1) 先史、古代から中世(2) イスラムの拡大とヨーロッパ人の到来(3) オランダ支配(1600年代~)(4) 日本の占領と独立(1940年代)(5) スカルノ時代(1950~65年)(6) スハルト時代(1965~98年)(7) 民主化移行の混乱期(1998~2004年)(8) ユドヨノ政権(2004~14年)(9) ジョコ政権(2014年~)

    第2章 政治・外交・軍事1. 政体2. 元首3. 首相4. 内閣5. 行政組織6. 地方行政制度7. 立法(1) 国民協議会(2) 国民議会(3) 地方代表議会

    8. 政党9. 司法10. 外交11. 国防

    第3章 経済概況1. 経済概観(1) インドネシア経済の歩み(2) 経済成長を牽引する民間消費と建設投資(3) 第2期ジョコ政権での優先課題

    2. 産業構造3. 貿易構造(1) 輸出・輸入・貿易収支の推移(2) 品目別輸出・輸入の動向(3) 輸出入の国別動向

    4. ASEANの中のインドネシア(1) ASEANの中で最大の規模を誇るインドネシア(2) ASEAN域内での貿易額の変化(3) 賃金コストで比較したインドネシアの位置付け

    第4章 直接投資受入動向1. 外国直接投資(FDI)受入動向2. 国別受入動向3. 業種別受入動向4. 日本からインドネシアへの直接投資

    第5章 日イ経済関係1. 日イの経済関係と貿易の概要2. インドネシアにおける日系企業3. 日・インドネシア経済連携協定

    第6章 外資導入政策と管轄官庁1. 管轄官庁2. 外資導入の概要3. 近年の主要な投資促進・優遇策(1) ワンストップサービス(PTSP)(2) 3時間許認可サービス(3) オンライン・シングル・サブミッション(OSS)の導入(4) 保税地域(Bonded Zone)と自由貿易地域(FTZ: Free Trade Zone)(5) 指定業種、政府指定の各地域の特定業種に対する優遇(6) 経済特区(SEZ)

    第7章 主要関連法規1. 会社法2. 投資法3. ネガティブリスト4. 税法5. 外国通貨に関する各法令6. 農業基本法7. 労働に関する法律8. 労使紛争解決法9. 汚職撲滅法10. 日・インドネシア経済連携協定

    第8章 投資形態1. 進出形態2. インドネシアの会社形態3. 会社再編・清算(1) 会社再編(2) 会社清算① 清算時の税務問題② 会社再編時の従業員への退職金支払い③ 清算時の従業員の解雇

    第9章 主要投資インセンティブ1. 輸入関税免除2. 税務優遇措置3. タックスホリデー(法人税減免措置)

    第10章 外資規制業種1. 外資参入規制(1) 外資の参入が禁止される分野① 外資・内資ともに参入が禁止される分野② 外資の参入が禁止される分野

    (2) 条件付きで外資が参入可能な分野

    2. 現地調達比率規制

    第11章 許認可・進出手続き・組織再編・M&A1. 株式会社の設立手続きと必要書類(1) 法人名称の予約(2) 設立証書作成、法務人権省への提出(3) 納税者番号(4) NIBの取得(5) 事業ライセンスの取得(6) 銀行口座開設及び資本金入金(7) 関連許認可の取得

    2. 組織再編・M&A(1) 組織再編・M&Aの概要(2) 買収(3) 事業譲渡(4) 合併

    3. その他の手続き(1) 資本財(設備・機械)、原材料の輸入関税免除申請(2) 外国人労働者雇用許可の取得

    第12章 税制1. 法人所得税2. 付加価値税3. 個人所得税4. 海外支払に対する源泉徴収課税5. 奢侈品販売税6. 物品税7. 印紙税8. 土地建物税9. その他地方税10. 日本・インドネシア租税条約11. 納税と申告期限12. 移転価格税制13. 税務上の問題点と留意点(1) 税務調査(2) 異議申立と税務裁判(3) 恣意的な税務行政(4) 移転価格税制を巡る問題

    第13章 用地取得1. 土地利用の概要2. 事業者権(HGU)3. 建設権(HGB)4. 利用権(HP)

    第14章 知的財産権1. 知的財産権保護の状況2. インドネシアで保護される知的財産権(1) 特許(2) 産業意匠(3) 商標(4) 著作権(5) 集積回路配置

    3. 日・インドネシア経済連携協定

    第15章 環境規制1. インドネシアの環境問題2. 環境保護の体制3. 環境保護の法体系4. 環境基準5. 環境影響評価6. 環境が問題となった事例

    第16章 貿易管理・為替管理1. 輸出入規制(1) 輸入規制① 輸入地域規制② 輸入品目規制③ 輸入業者登録④ インドネシア国家規格の遵守義務

    (2) 輸出規制① 輸出地域規制② 輸出品目規制③ 輸出許可④ インドネシア国家規格(SNI)遵守義務⑤ 輸出のための原産地証明の発行⑥ 輸出標準価格

    2. 関税制度3. 通関手続(1) 輸入通関手続き(2) 輸出通関手続き

    4. 為替制度5. 外国為替管理と外貨交換制度6. ルピア使用義務

    第17章 金融制度1. 金融機関(銀行)(1) 中央銀行(2) 商業銀行① 新規参入と淘汰の歴史② 最近のインドネシア銀行業界の再編③ 総資産ランキングと邦銀の位置付け④ 国営銀行⑤ 民間商業銀行⑥ 地方開発銀行⑦ 外国銀行支店⑧ 合弁銀行

    2. インドネシアの金融市場(1) 金融政策の変化と金利動向(2) 金融市場の構造

    3. 資本市場(1) 株式市場(2) 債券市場(3) イスラム金融① イスラム金融とは② イスラム金融の仕組み

    第18章 資金調達1. 日系企業の資金調達の現状2. 資金調達に係る規制(外部格付取得義務等)3. 商業銀行からの借入4. 株式・債券市場からの資金調達(1) 株式上場による資金調達(2) 社債の発行による資金調達

    第19章 労働事情1. 労働法の体系2. 労働市場と雇用情勢(1) インドネシアの労働市場(2) インドネシアの就業構造(3) インドネシアの雇用情勢

    3. 賃金(1) 賃金に関する法制度(2) 平均的な賃金水準(3) 日本企業の進出が多い主要州・県・市の最低賃金(4) 周辺諸国との賃金比較

    4. 雇用関係(1) 労働規制の概要(2) 従業員の採用(3) 従業員の解雇

    5. 労働条件(1) 雇用契約(2) 賃金表の作成と全従業員への通知義務(3) 宗教大祭手当(レバラン手当)(4) その他

    6. 社会保険7. 労働組合・労使紛争8. 労使紛争の種類9. 外国人就労規制と労働許可の取得(1) 労働法(2003年法律第13号)による規制(2) 外国人労働者雇用許可および暫定居住許可の取得

    第20章 物流・インフラ1. 主要な国際空港と港湾の位置2. 港湾3. 空港4. 道路(1) 概要(2) アジアハイウェイ

    5. 鉄道(1) 概要(2) ジャカルタ都市交通

    6. 電力(1) 電力概要(2) 需給状況(3) 工業団地での最近の電力事情の実態

    7. 水道8. ガス9. 通信(1) 電話① 固定電話② 携帯電話

    (2) 郵便・宅配(3) インターネット

    第21章 投資環境の優位性と留意点1. 進出先としての企業の見方(1) 進出先として注目を集めるインドネシア(2) インドネシアの有望理由と課題

    2. 投資先としての優位性(1) 国民所得の増加による巨大な国内市場(2) 政治・社会の安定性(3) FTA網を活用した無関税での輸出入

    3. 投資にあたっての留意点(1) 労働問題と賃金上昇(2) 法務・税務処理の難しさ(3) インフラの制約(4) 高度人材の確保難(5) 言語と宗教の問題(6) 日系社会と駐在生活

    第22章 主要産業の動向とFTAの影響1. インドネシアの主要産業2. 自動車(1) 自動車産業の歴史(2) 人気車種は「多目的車」から「低燃費小型車」に進むが、起爆剤としての効果は限定的(3) 日系完成車メーカーの存在感が大きいインドネシア自動車市場(4) 所得水準の向上より乗用車普及の加速が期待される

    3. バイク(1) 1993年の自由化以降、2011年にかけてバイク市場は急速に拡大(2) 日系4社で市場を占めるも、足下のバイク市場は弱含む(3) 地方部の購買力がカギを握る今後のバイク市場

    4. 食品(1) 食品加工業の市場規模とその推移(2) カテゴリー別にみたインドネシアの加工食品市場の変化(3) 「ハラル製品保証法」への対応が必要(4) 今後の見通し ~注目はアイスクリーム市場の伸び~

    5. 小売(1) 市場概況(2) 外資規制の緩和は道半ばだが、専門店業態にはプラス(3) 日系企業の進出状況(4) 今後の見通し

    6. 不動産(居住用住宅)(1) ジャカルタ首都圏で顕著な人口増加(2) 日系企業の最近の動き

    7. FTA、EPAの進捗状況

    第23章 最近のトピックス1. インドネシアの首都移転2. 米中貿易摩擦のインドネシアへの影響

    第24章 地域ごとの特徴1. インドネシアの地域分類2. 地域別の経済動向(1) 地域別にみたGDPの構成比(2) 地域別の産業構造の特徴(3) 地域別の実質GDP成長率の推移と特徴

    3. 地域別の労働人口と所得水準4. 賃金水準5. 外国投資が多い地域と工業団地分布6. 【参考】地域別気候

    第25章 地域編①:ジャカルタ、西ジャワ州1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第26章 地域編②:バンテン州1. 地域概要(1) 概要① インドネシアにおける経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向③ インフラ・物流④ 労働事情⑤ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第27章 地域編③:中部ジャワ州1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第28章 地域編④:東ジャワ州1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第29章 地域編⑤:バタム島1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第30章 地域編⑥:スマトラ1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第31章 地域編⑦:カリマンタン1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    第32章 地域編⑧:スラウェシ、マルク・パプア1. 地域概要(1) 概要① インドネシア国内における経済的地位② 工業団地・日系企業進出動向

    (2) 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト① インフラ・物流② 労働事情③ 生活環境

    2. 主要工業団地

    付録1 進出企業へのアドバイス付録2 よくある質問(FAQ)(1) インドネシアへの進出を考えていますが、まず、どこから情報を入手すれば良いでしょうか?(2) インドネシア国民の多くがイスラム教徒だと思いますが、労務面で気を付けるべきことにはどのようなことがあるでしょうか?(3) インドネシアでは外資規制がよく変わると聞きますが、どの位の頻度で変わるのですか?(4) インドネシアの小売業での商慣行の特徴を教えてください。(5) インドネシアの生活環境(教育、医療、娯楽)を教えてください。(6) インドネシアの治安に関する情報はどこで入手できますか?

    付録3 日本国内での相談窓口付録4 インドネシア国内での相談窓口1. 投資行政機関2. 日本政府関連機関等3. 金融機関