「平成30年度...

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「平成30年度 ひょうご経済・雇用白書」の発行 1 趣 旨 兵庫の経済・雇用の現況を明らかにするとともに、「ひょうご経済・雇用活性化プラ ン」の施策の推進状況を検証し、今後の課題や重点的に取り組む施策を、県民や企業 等と共有する。 2 内 容 第1章 兵庫の経済・雇用を巡る動き(P7~P56) 第1節 兵庫の産業・雇用の現況 兵庫の産業・雇用の特徴、足元の経済・雇用情勢 等 第2節 特 集 Ⅰ 生産性の向上 生産性の重要度の高まり、県産業の生産性の現状、イノベーションの促進、サービス業の状況 等 Ⅱ 時代潮流の変化に直面する兵庫企業(1,500 社アンケートから見えた課題) 企業の抱える課題、変化への対応(技術革新、担い手、世界化等)、取組の方向性 第2章 兵庫の産業・雇用施策の取組状況(P57~P109) 第1節 トピックス 次世代産業の創出、多様な主体による起業の進展、ひょうごで働こう!プロジェクトの推進 等 第2節 施策の取組状況 平成 29 年度の各施策分野の取組状況 第3章 平成 30 年度の施策展開(P111~P116) 平成 30 年度の産業・雇用施策の概要 「ひょうご経済・雇用活性化プラン」の進捗状況(P117~P121) 「ひょうご経済・雇用活性化プラン」等に掲げた 109 の成果指標に基づく プランの進捗状況の評価 3 発 行 (1)仕 様 A4版、約120ページ (2)発行部数 600部(主な配布先:経済雇用団体、支援機関、地域金融機関、市町 等) ※ 県ホームページにも掲載 (問い合せ先)産業労働部 政策労働局 産業政策課 政策班 ℡078-362-3315 作成年月日 平成 30 年 9月 3日 作成部局 産業労働部政策労働局

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「平成30年度 ひょうご経済・雇用白書」の発行

1 趣 旨

兵庫の経済・雇用の現況を明らかにするとともに、「ひょうご経済・雇用活性化プラ

ン」の施策の推進状況を検証し、今後の課題や重点的に取り組む施策を、県民や企業

等と共有する。

2 内 容

第1章 兵庫の経済・雇用を巡る動き(P7~P56)

第1節 兵庫の産業・雇用の現況

兵庫の産業・雇用の特徴、足元の経済・雇用情勢 等

第2節 特 集

Ⅰ 生産性の向上

生産性の重要度の高まり、県産業の生産性の現状、イノベーションの促進、サービス業の状況 等

Ⅱ 時代潮流の変化に直面する兵庫企業(1,500 社アンケートから見えた課題)

企業の抱える課題、変化への対応(技術革新、担い手、世界化等)、取組の方向性

第2章 兵庫の産業・雇用施策の取組状況(P57~P109)

第1節 トピックス

次世代産業の創出、多様な主体による起業の進展、ひょうごで働こう!プロジェクトの推進 等

第2節 施策の取組状況

平成 29 年度の各施策分野の取組状況

第3章 平成 30 年度の施策展開(P111~P116)

平成 30 年度の産業・雇用施策の概要

「ひょうご経済・雇用活性化プラン」の進捗状況(P117~P121)

「ひょうご経済・雇用活性化プラン」等に掲げた 109 の成果指標に基づく

プランの進捗状況の評価

3 発 行

(1)仕 様

A4版、約120ページ

(2)発行部数

600部(主な配布先:経済雇用団体、支援機関、地域金融機関、市町 等)

※ 県ホームページにも掲載

(問い合せ先)産業労働部 政策労働局 産業政策課 政策班 ℡078-362-3315

作成年月日 平成 30 年 9月 3日

作 成 部 局

課 室 名

産業労働部政策労働局

産 業 政 策 課

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▲ 0.1 ▲ 0.10.0

0.9

1.11.1

1.3

1.0

0.1

1.7

0.9 0.9

1.3

0.5

0.7

1.41.1

0.8

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

H28.1-3 4-6 7-9 H28.10-12 H29.1-3 4-6 7-9 H29.10-12 H30.1-3

県(実質) 県(名目)

7 7 10 9

1412 13

10

▲ 10

▲ 5

0

5

10

15

20

25

全産業 大企業 中堅企業 中小企業

-7.0

4.1 11.6

-8.2 -2.3

5.4

24.4

-8.1

11.4

-30-20-10

01020304050

H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30(計画)

製造業 非製造業 全産業

(%)

103.1 102.6

101.0

100.3 100.0

100.5 102.1

107.5 107.1

105.2

101.4 100.0

100.2

102.6

96

98

100

102

104

106

108

110

H23 24 25 26 27 28 29

名目賃金指数 実質賃金指数

0.440.530.61

0.690.79

0.911.01

1.171.32

0.26 0.290.36 0.41 0.44

0.530.60

0.710.850.52 0.53

0.650.75

0.840.98

1.111.27

1.44

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

有効求人倍率

有効求人倍率(正社員)

有効求人倍率(就業地別)

2.8

0.5 0.90.5

0.9

2.5

2.4 2.6

0.91.0

2.6

▲ 0.3

1.4 1.2 1.6

2.6

2.2

3.0

1.0

1.7

▲ 1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度

県(実質) 県(名目) 国(実質) 国(名目)

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

大企業

中堅企業

中小企業

「過剰」-「不足」%ポイント

中小企業

中堅企業

大企業

4,175

4,852 4,585 4,609

4,914 4,690

5,055

5,355

4,069

4,371

5,722

4,801 4,660

5,266 112.9

108.2109.0

117.5 117.9

114.4

118.6

108.6

117.7

90.6

108.6

106.0

111.6

108.5

80

85

90

95

100

105

110

115

120

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

H29.5 6 7 8 9 10 11 12 H30.1 2 3 4 5 6

輸出額 対前年比率

102.9

100.0

101.3

102.3

102.6

99.2

106.5

95.1

102.8 104.8

99.6

97.4

105.7 104.2

103.1 100.9 100.9

90

95

100

105

110

H29.2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 H30.1 2 3 4 5 6

鉱工業生産指数 H22=100 季節調整値

1 本県の経済・雇用情勢は、緩やかに拡大している。

2 しかし、人手不足が深刻化しており、引き続き先行きを注視していく必要がある。

3 設備投資

4 鉱工業生産 Ⅱ 現下の経済・雇用情勢 (P.13)

図表6【設備投資額の前年度比増減率(兵庫県)】

5 輸 出

<H29年度県内総生産(速報値)>

名目:20.9兆円 前年比1.0%増(国1.7%増)5年連続プラス

実質:20.1兆円 前年比0.9%増(国1.6%増)5年連続プラス

1 GDP プラスで推移している

高水準で推移している

持ち直しの動きが見られる

増加基調にある

(日本銀行神戸支店「県内企業短期経済観測調査」)

6 雇用 有効求人倍率は平成以降の最高値となっており、人手不足感が強い

7 賃 金 低水準にあるが、持ち直しの兆しが見られる

図表5【業況判断DI(兵庫県)】

(日本銀行神戸支店「県内企業短期経済観測調査」)

(県統計課「平成27年度兵庫県県民経済計算」「四半期別兵庫県内GDP速報」、内閣府「四半期別GDP」)

「良い」-「悪い」%ポイント

足元(6月)は改善。先行き(9月)は悪化 2 日銀短観

Ⅰ 主要経済指標と産業構造 (P.8)

1 主要な経済指標において、全国の4%程度のウエイトを占め、全国順位では7位前後の地位にある。

2 産業構造において、全国と比べると、製造業の比率が高い。

3 近年、製造業の比率が低下し、サービス産業構成比が製造業を上回るなど、産業のサービス化が進んでいる。

2 産業構造

図表2【総生産の産業別構成】

(資料:内閣府「国民経済計算」、県統計課「兵庫県民経済計算」)

図表1【兵庫県の主要経済指標】

※製造品出荷額等は従業者4人以上の事業所

(資料:総務省「人口推計」、県統計課「四半期別兵庫県内GDP速報」、内閣府「県民経済計算」、 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」、経済産業省「工業統計調査」)

1 主要経済指標

第1章 第1節 兵庫の産業・雇用の現況

図表7【鉱工業生産指数(兵庫県)】

(県統計課「鉱工業指数」)

(神戸税関「神戸港貿易概況」)

図表8【神戸港輸出額・前年同月比】

図表9【有効求人倍率(兵庫県)】

(厚生労働省・同兵庫労働局「一般職業紹介状況」) (暦年平均)

(県統計課「毎月勤労統計調査地方調査月報」)

図表11【賃金の推移(兵庫県)】

項 目 実 数 全国シェア 全国順位

人 口 (平成29年10月1日)

5,503(千 人) 4.3% 7位

県内総生産 (平成29年度・名目)

20,889(10億円) 3.7%

(27年度)

6位 (27年度)

県民総所得 (平成27年度)

21,867(10億円) 4.1%

(26年度) 7位

(26年度)

県民所得 (平成27年度)

15,234(10億円) 3.8% 7位

事業所数 (平成28年・民営)

214,169(ヶ 所) 4.0% 7位

従業者数 (平成28年・民営)

2,203(千 人) 3.9% 7位

製造品出荷額等 (平成28年)

15,105(10億円) 5.0% 5位

商品販売額 (平成27年)

14,379(10億円) 2.6% 8位

図表4【年度別実質経済成長率の推移(兵庫県、全国)】

図表3【四半期別GDP成長率推移(兵庫県)】 (%)

0.4 24.4 4.4 10.3 25.9 3.4 14.6 7.4(2015 年度)

1.5 33.5 7.7 11.9 19.5 3.8 9.7 8.4 4.0

農林水産業

製造業

鉱業・

建設業

卸売・小売業

第1次産業

(1.5)

第2次産業

(41.2)

第3次産業

(57.3)

サービス業

金融・

保険業

不動産業

運輸業

その他

兵庫県

(1985年度)

3.1 28.1 8.0 13.2 20.7 5.4 9.4 6.6 5.5

1.1 20.7 5.6 13.9 24.3 4.4 11.4 8.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全 国

(1985 年度)

(2015 年度)

6.2 3.0

5.1 5.0

(36.1) (60.8)

(28.8)

(26.3)

(70.8)

(72.6)

情報通信業

↑運輸・通信業

(%)

(億円) (前年同月=100)

(0.4)

(3.1)

(1.1)

(%)

(倍)

(資料:日本銀行神戸支店「県内企業短期経済観測調査」)

図表10【雇用人員判断DI(兵庫県)】

-17

-20

-40

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(資料:日本生産性本部 HP をもとに県産業政策課作成)

「全要素生産性」上昇率(TFP)

技術進歩による経済成長(イノベーション)

就業者・労働時間(労働投入)の増加による経済成長

労働増加による経済成長

設備など(資本投入)の増加による経済成長への貢献

資本増加による経済成長

経済成長

(付加価値の増加)

図表2【全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)の定義】

(資料:経済産業研究所「都道府県別産業生産性(R-JIP)データベース」を元に県産業政策課作成)

(注) 経済産業研究所による上記データは 2012 年まで公表のため、同年まで推移比較を実施

工学的な技術革新・規模の経済性・経営の革新・労働能力の伸長で引き起こされる「広義の技術進歩」を表す指標

1 生産性の重要度の高まり(P.19)

219.9

106.8

101.0

95

100

105

110

115

120

50

100

150

200

250

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

就業者数・生産年齢人口

GDP

図表1【県人口と県GDP推移(1970=100)】

GDP

就業者数

15-64歳人口

(70年=100) (70年=100)

(1)県内 15-64 歳人口及び就業者数は近年減少している一方、県内総生産は回復傾向にあり(図表1)、人口減少は県内総生産減少に直結しない。生産性の向上により、経済成長の低下は回避可能

(2)労働投入、資本整備以外に経済成長に寄与するイノベーション指標として全要素生産性(=TFP)の上昇率が重要(図表2)

(3)2000年代からは、労働投入量の減少が続き、資本整備も横ばいの中、TFPの増減が県GDPの成長に影響(図表3)

(資料:県統計課「県民経済計算」、総務省「国勢調査」)

①県内業種別 TFP は電気機械の上昇が顕著。一方、一次金属

(鉄鋼・非鉄金属)は 2000 年代後半から下降幅拡大(図表4) ②東京都・大阪府との比較では、本県は一般機械の上昇率が

高く、一次金属の下落率が著しい。サービス業、卸売・小売業の TFP はいずれの都府県も低成長(図表5)

-15.0-10.0-5.00.05.0

10.015.0

電気機械

輸送用機械

一般機械

精密機械

運輸・通信業

サービス業(民間、非

営利)化学

金属製品

食料品

卸売・小売業

一次金属

兵庫県

大阪府

東京都

図表4,5資料:

経済産業研究所「都

道府県別産業生産

性(R-JIP)データベー

ス」を元に県産業政

策課作成

① マン・アワーあたりの労働生産性では化学が上位。研究開発投資

額等が寄与していると推測(図表6) ②一次金属は大きく低下したが足下では回復傾向(同上) ③卸売・小売業、保健衛生・社会事業は低位で推移(同上)

①本県の特許登録件数は全国6位、シェア 3%。1位の東京都がシェア 51%(図表7) ②伸び率は本県も堅調だが、愛知県がひときわ高い(図表8) ③イノベーションの土壌となる研究機関や対事業所サービスにおける従事者は、県

内にも一定数集積(図表9)。また、次世代産業分野を担う企業も県内に数多く所在(図表 10)

東京, 82,002 , 51%

大阪, 19,576 , 12%愛知, 18,041 , 11%

神奈川, 10,721 ,

7%

京都, 4,918 , 3%

兵庫, 3,942 , 3%

静岡, 2,190 , 1%

広島, 1,972 , 1%

埼玉, 1,869 , 1%茨城, 1,286 , 1%

その他, 14,126 , 9%

図表7【都道府県別特許登録件数(2016年)】

(都道府県名、件数、構成比)

53,293

20,809

6,463 9,1182,952 2,961

82,002

19,576 18,04110,721

4,918 3,942

53.9%

-5.9%

179.1%

17.6%66.6%

33.1%

-50%

0%

50%

100%

150%

200%

0

30,000

60,000

90,000

東京 大阪 愛知 神奈川 京都 兵庫

(伸び率)(件数)

図表8【特許登録件数推移(全国上位6都府県)2000、2016年】2000

2016

2000→2016

3.8%

3.4%

2.6%

1.9%

1.9%

1.8%

12.8%

25.5%

36.4%

60.8%

45.2%

55.6%

22.4%

5.5%

3.9%

4.2%

4.3%

4.3%

3.5%

6.6%

5.7%

6.4%

5.9%

5.2%

5.1%

6.9%

12.9%

17.2%

13.7%

8.0%

1.3%

3.6%

4.3%

0.8%

3.3%

2.1%

51.1%

48.5%

34.3%

8.6%

25.8%

23.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

自然科学研究所

高等教育機関

法律事務所

特許事務所

デザイン業

経営コンサルタント業

兵庫県 東京都 神奈川県 愛知県 大阪府 福岡県 その他

図表9【イノベーションに寄与する機関等における従事者状況】

(図表8,9 資料:特許庁「特許行政年次報告書 2017」)

(資料:総務省、経済産業省「H26 年 経済センサス」)

(資料:県産業政策課作成)

図表5【TFP 都府県 2000-2010 増減比較】

第 1 章 第 2節 特 集 Ⅰ 生産性の向上(1)

(1)業種別 TFP(P.21)

(2)マン・アワーあたりの労働生産性(P.22)

3 イノベーションの促進(P.24)

(1) 県内のイノベーションの状況(P.24)

TFPの向上に資するイノベーション喚起のため、①先端産業への企業参入促進、②企業の

研究開発投資促進、③県内の企業・学術研究機関等のエコシステムの強化

今後の取組

104.2

102.0100

89.3

80

85

90

95

100

105

110

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

(00年=100)

県資本装備率

県TFP

県GDP

就業者数×労働時間

図表3【県TFPと県GDP等指標推移比較(2000年)=100)】

206.4

127.3113.3

87.786.1

100

12.00

50

100

150

200

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

(00=100) 図表4【県業種別TFP推移(2000=100)】

電気機械

一般機械

輸送用機械

卸売・小売業

化学

一次金属

資料:県統計課「H27 年度県民経済計算」「H26 年経済センサス」兵庫労働局「毎月勤労統計調査」)

2 県産業の生産性の現状(P.21)

16.4

3.6

13.4

4.3

8.910.2

13.4

6.97.55.7

2.5

4.23.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

2006 2009 2012 2014 2015

(千円)図表6【業種別マン・アワーあたり労働生産性推移】

化学

情報・通信機器

電気機械

情報通信業

一次金属

はん用・生産用・

業務用機械

卸売・小売業

保健衛生・社会事

図表 10【次世代産業分野の主な県内企業】

分野 所在地 製品・事業内容 分野 所在地 製品・事業内容

神戸市西区 航空機用ジェットエンジン部品 神戸市中央区 臨床検査機器、検査用試薬淡路市 航空機・宇宙機器部品 神戸市中央区 再生医療および細胞医薬研究神戸市中央区 医療用ロボット 姫路市 特殊鋼明石市 産業用ロボット 高砂市 機能性樹脂、発泡樹脂等

尼崎市 水素ステーション加西市、洲本市 車載用リチウムイオン電池

航空・宇宙

ロボット

環境・エネルギー

健康医療

新素材

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生産工程

24.3%

専門的・

技術的職

16.0%販売

15.2%

サービス

職業

10.6%

事務

9.8%

その他

24.2%

専門

的・技

術的職

24.1%

事務

24.1%

サービ

ス職業

18.4%

販売

17.8%

生産工

程 7.3%

その他

8.2%

18.5

27.2

9.2

19.2

0.4

1.0

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

0

5

10

15

20

25

30

35

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

情報通信

シェア(

%)

サービス産業

商業・情報通信・サー

ビスシェア(%)

サービス産業シェア

商業・情報通信・サービス

シェア

情報通信シェア

1.8

5.7

0.7

4.8

2.1

3.5

1.9

3.1

0

1

2

3

4

5

6

7

1986 1991 1996 2001 2006 2011 2016

(%)

製造業

非製造業

4.9 3.4

2.1 0.4 0.3 0.1

0.06

0.260.04

0.55 0.65 0.210

2

4

6

製造業

情報通信業

卸売業

小売業

生活関連

サービス業、

娯楽業

飲食サービ

ス業

(%)

能力開発費 研究開発費

0.5

1.9

1.4

3.3

0.5

0

47.1

54.5

56.9

54.4

44.9

31.6

26.6

22.5

22.5

21.0

27.5

41.5

25.8

21.0

19.1

21.3

27.0

26.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

製造業 計

非製造業 計

小売業

運輸業・郵便業

卸売業

金融業・保険業

システムがない 従来構築してきたシステムを運用している

システムの再構築に取り組んでいる 新たなシステムの構築に取り組んでいる

従来構築してきたシステムを運用

4 サービス業の状況(P.27)

①本県のGDPのうち第3次産業の割合は70%を超

える(2015 年 70.8%)

②産業連関分析によると、製造業の中間投入に

おけるサービス業のウェイトが増加傾向。製造業のサー

ビス産業化が進展(図表 12)

③非製造業の利益率は製造業に比べぶれが少な

いものの、低位安定(図表 13)

④サービス業の収益構造は多様。情報通信業は売上

高営業利益率、総資産回転率ともに高い。卸売

業・小売業は他に比べ利益率が低い(図表 14)

(資料:県統計課提供産業連関表データを元に県産業政策課作成)

(資料:日本銀行神戸支店「県内企業短期経済観測調査」)

図表 22【売上高に占める研究開発費・能力開発費比率(全国)】

(資料:経済産業省「H28 企業活動基本調査」)

図表 23【IT 予算が増える理由/用途(日米比較)】

(資料:JEITA/IDCJapan「国内企業の「IT 経営」に関する調査結果」)

(資料:経済産業省「H26 情報処理実態調査」)

図表 24【情報システム投資への取組状況(全国)】

※従業員 300 人以上の国内企業 333 社(公的部門、医療、福祉、情報除く全業種)が回答

図表 12【県内製造業の中間投入におけるサービス産業ウェイト推移】

図表 13【県内企業売上高経常利益率推移】

①サービス業は一般に生産(提供)と消費の時間

的・地理的同時性を伴う。世界的な市場競争

は容易ではなく、域内の市場環境に依存

②サービス業に属する業種は他業種よりも低賃金

のものが多いが、構造として

ア) 提供している商品の付加価値が低い

イ) サービス提供の効率が悪い

ウ) 品質以上に低廉な価格に止まる 等がある

③サービスは財(モノ)と比べて価格の変動が乏しい

構造上の課題も存在(図表 20)

④このようなサービス業の生産性向上の手法とし

ては下記が考えられる(図表 21)

第 2 節 特 集 Ⅰ 生産性の向上(2)

①中長期的な生産性向上への寄与が想定される研

究開発投資及び能力開発投資の合計比率は、サービス業が製造業に比べ低水準(図表 22)

②国内事業者のIT投資は、米国と比較して、新製品・サービス開発等に活用する「攻めのIT投資」が弱い(図表23)

③非製造業は製造業と比較して、従来構築してきたシステムの運用に止まる事業者の割合が高く、「攻めのIT投資」に消極的(図表24)

①県内 20 代女性は、専門的・技術的職業(看護師、教

員、保育士等)、事務、サービス職業(介護、飲食、理美

容等)、販売への従事比率が高い(図表 15)

②女性比率が高く、全国比で女性の集積度が高い産業は、

卸売・小売、医療・福祉等のサービス業が中心(図表 16)

③転出超過は、卸売・小売や情報通信が多い(図表 17)

④なお、女性の他都道府県への転出理由(全世代)は家

族の仕事の都合や結婚等の状況が約 4 割(図表 18)

20 代男性 20 代女性

図表 15【県内 20 代の職業別従事比率(2015 年)】

(資料:総務省「H27 国勢調査」を元に県産業政策課作成)

(1)サービス業の重要性(P.27)

(3)サービス業の留意点と生産性の向上(P.31)

(2)若者世代の就業状況(P.29) (4)生産性向上に向けた投資状況(P.33)

図表 16【県内 20~29 歳女性産業別就業状況】

⑤本県、大阪府、東京都の賃金比較では下記の

業種全てで東京都の賃金が最も高い(図表 19)

⑥卸売業・小売業、宿泊業、飲食・サービス業の本

県と東京都との賃金差が特に顕著(同上)

⑦卸売業・小売業では、大阪府との賃金差も著

しい(同上)

図表17【20代就業者の転出超過が大きい産業(兵庫県 10→15 年)】

403 446

213

108

287

390

480

316

126

277

527 506

401

147

326

0

200

400

600

製造業 情報通信業 卸売業、小売業 宿泊業、飲食

サービス業

医療、福祉

兵庫県 大阪府 東京都

図表 19【主要業種月額賃金比較 2017(兵庫県・大阪府・東京都)】

図表 20【消費者物価指数(2002 年=100)(全国)】

(資料:総務省「2015 年基準消費者物価指数」をもとに県産業政策課作成)

図表 21【生産性向上のための手法】

(資料:総務省「H27 国勢調査」)

付加価値の向上 効率の向上

(1)新規顧客層への展開、(2)商圏の拡大 (9)サービス提供プロセスの改善

(3)独自性・独創性の発揮、(4)ブランド力の強化 (10)IT利活用

(5)顧客満足度の向上、(6)価値や品質の見える化    (効率化に繋げるための利活用)

(7)機能分化・連携、(8)IT利活用(付加価値向上

に繋がる利活用)

103.8

100.0 102.0

96.0

98.0

100.0

102.0

104.0

106.0

2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

サービス

4.74.9

1.72.8

3.6

7.6

3.5

0.9

1.7 2.2 1.6

0.3

1.1

0.30.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

製造業

情報通信業

卸売業

小売業

物品賃貸業

学術研究、

専門・技術

サービス業

生活関連

サービス業、

娯楽業

総資産回転率(回)

売上高営業利益率(%)

売上高営業利益率

総資産回転率

図表 14【県内企業主要業種別収益構造比較(2015 年)】

(資料:総務省「H27 国勢調査」)

今後の取組

サービス業は県GDPの70%を占め、製造業への影響も大きく、

若者の就業者も多い。その生産性向上のために、サービス

業の①研究開発投資及び能力開発投資の促進、②「攻め

のIT投資」の促進、③賃金向上による人材確保が必要 (資料:経済産業省「中小サービス事業者の生産性向上ためのガイドライン」(H27 年 1月))

(資料:兵庫県、大阪府、東京都「毎月勤労等計調査(H29 平均)」)

(資料:経済産業省「H28 企業活動基本調査」)

(注)情報通信業:通信業,放送業,情報サービス業(ソフトウエア等),インターネット付随サービ

ス,映像・音声・文字情報制作業

20~24 男 卸売・小売 ▲ 1,004 宿泊・飲食 ▲ 681 情報通信 ▲ 434女 情報通信 ▲ 275 運輸・郵便 ▲ 159 教育・学習 ▲ 159

25~29 男 卸売・小売 ▲ 569 情報通信 ▲ 539 公務 ▲ 236女 卸売・小売 ▲ 545 情報通信 ▲ 362 金融・保険 ▲ 258

年齢等 1位 2位 3位

図表 18【過去 5 年間 他都道府県転出者の理由(兵庫県 2017 年)】

仕事につく

ため

21.9%

仕事をやめ

たため

3.3%転勤のため

33.5%その他の本

人の仕事の

都合4.5%

家族の仕事

の都合

1.7%

通学のため

16.6%

結婚のため

5.5%

子供の養

育・教育の

ため2.0%

介護・看護

のため

1.1%

その他

9.9%

仕事につく

ため

12.7%

仕事をやめ

たため

1.6%

転勤のため

8.5%

その他の本

人の仕事の

都合4.5%

家族の仕事

の都合

22.1%通学のため

9.9%

結婚のため

16.4%

子供の養

育・教育の

ため2.8%

介護・看護

のため

3.0%

その他

18.5%

<男性> <女性>

(資料:総務省「H29 就業構造基本調査」)

(人)

(千円)

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特集 Ⅱ 時代潮流の変化に直面する兵庫企業(1,500 社アンケートから見えた課題)

(1)売上拡大や収益性向上など業績に関する課題に加え、人手不足対策や従業員育成といった人材にかかる比率も高い(図表1)

県内に本社又は主要事業所を有する企業を

対象に、アンケート調査を実施

(1)調査対象:5,000社

(2)調査実施期間

平成30年3月~5月

(3)回答企業数(回答率)

1,585社(31.7%)

(4)従業員規模別一覧

従業員数 事業所数 構成比

20 人未満 1,214 76.6%

20~ 99 人 299 18.9%

100~299 人 57 3.6%

300 人以上 15 0.9%

合 計 1,585 100.0%

(1)イノベーションの状況(P.39) ①収益性の向上、高付加価値化が課題と認識している企業においても、イノベーションの実績が

ある又は取組中の企業は約3割にとどまる(図表2) ②能力ある従業員の不足がイノベーションの阻害要因と回答した企業が6割近い(図表3)

図表1【企業が抱える課題】

図表2【収益性の向上、高付加価値化を 課題とする企業の取組実績】

図表3【イノベーションの阻害要因】

(2)AI・IoT・ビッグデータの活用(P.41) ①将来的に活用したいとする企業が3割ある一方、分からないとの回答が4割を超える(図表4) ②活用に向けての課題として、自社の事業へのイメージがわかない、技術・ノウハウを持つ人材の不足とする企業が約半数(図表5)

図表4【AI・IoT・ビッグデータの活用状況】 図表5【AI・IoT・ビッグデータの活用における課題】

(1)人材確保(P.43) ①過半数の企業で人手不足、なかでも生産部門、営業・販売での不足が顕著(図表6)

②人材定着のため、約半数の企業が働きやすい職場環境づくりや能力・成果に応じた評価とともに、賃金等の労働条件の整備・改善が必要と捉えている(図表7)

図表6【人材の過不足状況と不足部門】

図表7【人材定着・育成のための取組】

(3)事業承継(P.50) ①過半数の企業で後継者が決まっている又は候補者がいる一方、2割の企業で後継者が決まっていない。さらに約1割は事業を継続するつもりはない(図表9)

図表9【事業承継の予定】

県内企業の課題解決に向け、引き続き以下の取組が求められる。 (1)AI・IoT の導入促進による生産性向上支援、 (2)産学官あげての就業支援、(3)ワーク・ライフ・バランスの推進、(4)きめ細やかな事業承継支援、(5)海外事業展開のワンストップ支援、(6)観光プロモーションの強化

(2)ワーク・ライフ・バランスの推進(P.46) ①約半数の企業が育児・介護休業等に係る代替要員の確保を

課題と捉えている(図表8)

図表8【ワーク・ライフ・バランスに取り組む際の課題】

1 企業が抱える課題(P.39)

2 技術革新への対応(P.39)

3 担い手への対応(P.43)

5 取組の方向性(P.55)

4 世界化への対応(P.51)

(1)海外展開(P.51) ①海外市場の拡大、国内市場の縮小を見込み 海外展開を図っている企業が多い(図表 10)

図表 10【海外展開を行う理由】

(2)インバウンドへの対応(P.54) ①クレジットカード等決済対応や Wi-Fi 環境整備等のハードインフラ面の充実よりも、従業員育成等のソフトインフラ面や SNS などプロモーションの充実を課題と捉えている(図表 11)

図表 11【インバウンド対応への課題】

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[トピックス]

1 次世代産業の創出

2 県立工業技術センター創立100周年

3 県内への工場立地が進展

4 多様な主体による起業の進展

5 地場産業のブランド化の推進

6 商店街の元気づくり

7 誘客拡大に向けた戦略的な観光振興施策の展開

8 ひょうごで働こう!プロジェクトの推進

9 ワーク・ライフ・バランスの進展

10 海外との経済交流等の推進

第 2 章 兵庫の産業・雇用施策の取組状況 [トピックス]

●インド・グジャラート経済ミッション

知事を代表とする代表団が、イン

ド・グジャラート州などを訪問し、グジ

ャラート州より投資誘致政策等のプレ

ゼンテーションが行われたほか、インド

企業と兵庫の企業との連携等につ

いて意見交換が行われた。

●中国・広東省友好提携35周年記念事業

平成29年度は、日中国交正常化

45周年を迎えるとともに、兵庫県

が広東省と友好提携を締結してか

ら35周年を迎えた。これを機に、

知事を代表とする友好代表団が、

中国の広東省を訪問し、交流協議

や共同声明の調印を行った。

海外との経済交流等の推進 (P.68) 10

●ワーク・ライフ・バランス(WLB)推進企業の拡大

WLB推進企業の県内全域への拡

大と取組の高度化を図るため、「宣

言→認定→表彰」という支援の枠

組を活用し、企業の取組を切れ目

なく支援している。WLBの取組で顕

著な効果を上げている企業の表彰

について、29年度は10社行い、表

彰企業数は累計で86社に上った。

●外国人家事支援人材の受け入れについて

外国人家事支援人材を受け入

れ、家事支援サービスを提供する事業

が国家戦略特区の規制改革として

認定された。平成30年3月、2社

に対して適合通知書を交付した。

ワーク・ライフ・バランスの進展(P.67) 9

●ひょうご次世代産業高度化プロジェクトがスタート

成長が見込まれる次世代産業分野への中小企業の新規

参入・事業拡大等を支援してきた「次世代産業雇用創造プ

ロジェクト」の後継事業として、「ひょうご次世代産業高

度化プロジェクト」(2018~2020年度)が始動した。

新たな取組として、AI・IoT等の導入相談窓口を開

設するなど、次世代産業の育成・創出を図る。

●全国初の県庁でのロボット展示

来庁者をはじめとする県民へ、県内企業の産業用ロボッ

ト技術及び県内企業の魅力をアピ

ールするため、最先端の産業用ロ

ボットを平成29年6月から12月ま

で県庁2号館ロビーに展示した。

本格的な産業用ロボットの県庁で

の常設展示は全国初となった。

次世代産業の創出(P.58) 1

●県立工業技術センター創立100周年

県立工業技術センターが100

周年を迎え、平成29年6月に記

念式典が開催された。これまで

長年蓄積してきたノウハウをさ

らに向上させ、ものづくり産業

の研究研修実証拠点としてのさ

らなる発展が期待される。

●航空産業非破壊検査トレーニングセンターで講習開始

航空産業における非破壊検査員養成のため、国際認証規

格(NAS410)に準拠した国内初の訓練機関となる「航空産

業非破壊検査トレーニングセンター」を、平成29年12月、

県立工業技術センター内に開設した。「磁粉探傷(MT)」検

査の講習が12月、「浸透探傷(PT)」検査の講習が平成30年

2月に開始された。

県立工業技術センター創立100周年(P.59) 2

●平成29年の工場立地件数は全国2位

平成29年の工場立地件数(電気業を除く。)は、全国で

も前年比で増加する中、本県は8件増の63件と高水準を保

ったまま増加し、全国2位となった。

県内への工場立地が進展(P.60) 3

●「起業プラザひょうご」を開設

若者等による起業・創業の機運

を高めるため、起業の場や交流機

能を備えた「起業プラザひょうご」

を、平成29年10月、三宮駅前のサンパ

ル6階に開設した。平成30年3月末

現在、利用会員数は48人に上って

おり、法人登記が可能で起業の場

となる「スモールオフィス」は、17室すべ

てが利用されている。

●多様な主体による起業の促進

起業・創業は単なる就業以上に地域に活力を生み出していくことから、県内で起業・第二創業等を目指す多くの起業家に対し、事業の立ち上げを支援した。

多様な主体による起業の進展(P.61) 4

●ひょうごゴールデンルートを活用した誘客促進

「神戸、姫路城、城崎温泉」をつな

ぐ「 ゴールデンルート」を設定し、

兵庫のインバウンド向け観光ブランド力

の向上を図った。29年度は、欧州

最大級の観光関連の見本市「ワール

ド・トラベル・マーケット・ロンドン 」に出展

●旅館の仕事の魅力発信

旅館の若手従業員を「旅館の魅

力を伝え隊」に新たに任命し、その

働き方等を取材したPR冊子「兵庫

の旅館で働こう」を7千部作成、県

と就職協定を締結している大学等

●若手社員の奨学金返済支援を行う中小企業への支援

県内中小企業の人材確保や若年者の県内就職・定着を図

るため、若手社員の奨学金返済を支援する中小企業への補

助を実施した。平成29年1月の募集開始以来、奨学金返済

支援制度を創設した企業は69社、支給対象者は259人に上

った。(平成30年5月末時点)

●兵庫の企業ガイドブックの作成・配付

地元兵庫の魅力ある企業を知っ

てもらうため、県内を7地域に分

けた企業ガイドブックを作成し、進路

の参考ともなるよう県内高校2年

生全員に配付した。各地域を代表

する企業、BtoB企業で一般にあま

り知られていないが高い技術やシェ

アを誇る企業等を掲載している。

8 ひょうごで働こう!プロジェクトの推進(P.65)

●地場産業の海外での国際展示会への出展支援

地場産業のブランドの確立・競

争力強化や海外への販路開拓等を

推進するため、産地組合等の国際

展示会への出展等を支援した。

29年度は、皮革が「パリファッションウィー

ク」、三木金物が「台湾五金展」、小野

金物が世界最大のBtoB消費財見

本市「Ambiente」(独)、手延素麺が

中東最大級の国際食品展示会

「Gulfood2018」(ドバイ)、線香が世

界最大級のイ ン テ リ ア国際見本市

「Maison et Objet」(仏)、真珠加工

が「香港国際宝飾展」に出展するな

ど、

地場産業のブランド化の推進(P.62) 5 6

Ⅰ「産業力」強化戦略 ※( )内はトピックスの番号

・次世代産業分野での成長を促進するため、航空産業非破壊検査トレーニングセンターを創設したほか(2)、工場立地件数は、税の軽減等様々な優遇措置により全国2位となった(3)。

・地場産業の海外展示会への出展等のブランド力強化支援(5)、多彩な主体による起業・創業への支援に加え、拠点施設「起業プラザひょうご」を新たに設置した(4)。

・「ひょうごゴールデンルート」を設定し、兵庫のインバウンド向け観光ブランド力の向上を図った(7)。

Ⅱ「人材力」強化戦略

・企業の人材確保や若者の県内定着を図るため、若手社員の奨学金返済を支援する中小企業への補助、魅力ある県内企業を紹介するガイドブックの作成・配付など、「ひょうごで働こう!プロジェクト」を推進した(8)。

Ⅲ「国際力」強化戦略

・成長を続けるアジア新興国の活力を取り込むため、インド・グジャラート州との経済交流等の推進や、中国・広東省との交流協議や共同声明の調印を行った(10)。 (写真:県庁での展示)

(写真:100 周年記念式典)

(写真:「コワーキング・ 交流スペース」) (写真:Gulfood2018への

出展(手延素麵))

(写真:Maison et Objet への出展(線香))

●まちづくりと一体となった商店街活性化支援

商店街の活性化をまちづくりの

観点から捉え、商業者をはじめ地

域住民等が主体となって実施する

「商店街の活性化」と「まちの再

整備」を総合的に支援している。

29年度は、伊丹サンロード地区、神

戸市兵庫区の東山・ミナイチ区域で「ま

ちなか再生協議会」が設立された。

●若手商業者の交流促進

若手商業者グループの取組成果

等を共有し、商店街組織を越えた

商業者のネットワーク形成を図る

ため、平成30年2月、「商店街・市

場活性化フォーラム」を開催した。

商店街の元気づくり(P.63)

(写真:企業ガイドブック) (写真:共同声明の交換)

(写真:フォーラムでの 若手商業者の発表)

(写真:「Vivaいたみサンロードフェスタ」 で賑わった「伊丹サンロード横丁」)

(写真:ワールド・トラベル・マーケット・ ロンドン 2017 出展のようす)

(写真: PR 冊子 「兵庫の旅館で働こう」) (写真: 通知書交付式)

(写真:「ひょうご仕事と生活 のバランス企業表彰」の表彰式)

〔図表:工場立地件数の推移(兵庫県)〕

(女性起業家支援事例: 「コウノトリ育むお米」の 米粉を使用したバウムクーヘン の製造・販売)

(写真:グジャラート州との

交流協議)

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第 3 章 平成 30 年度の施策展開

■プランの推進にあたっては、9つのプロジェクトに基づく25の施策事項ごとに109の成果指標を設定し、進

捗状況の評価・検証を実施。

■109の成果指標のうち、実績が判明していない20指標を除く、89指標の平成29年度実績を評価。

■約90%にあたる78指標が、年度目標を達成(4点:達成率100%以上)又は、概ね達成(3点:達成率90%以上)。

■総合点では、100点満点中現時点で88.8点、プランに基づく取組は概ね順調に進展。

【進捗状況】

戦略/評価点数 4点 3点 2点 1点 指標数 未判明

指標数

進捗状況

(3点以上の指標の割合)

戦略I「産業力」

強化戦略 29 9 3 4 45 12

84%

(38指標/45指標)

戦略Ⅱ「人材力」

強化戦略 16 7 1 2 26 6

88%

(23指標/26指標)

戦略Ⅲ「国際力」

強化戦略 15 2 1 0 18 2

94%

(17指標/18指標)

全体

(成果指標総数) 60 18 5 6 89 20

88%

(78指標/89指標)

【主な成果指標のH29実績】 ※( )内はH29目標

戦略I「産業力」

強化戦略

◆SPring-8 県ビームライン利用機関数:26 機関(35 機関)

◇企業立地件数:167 件(165 件)

◇県立工業技術センター共同研究等実施件数:858 件(800 件)

◇ひょうご No.1 ものづくり大賞選定件数:7件(7件)

◆オンリーワン企業認定数:7社(10 社)

◇地場産業ブランド力強化促進事業による支援件数:13 件(8件)

◇IT 関連企業立地件数(累計):22 件(20 件)

◇成長期待企業支援企業数:97 件(100 件)

◇チャレンジマーケット発表企業等:62件(65件)

◇商店街元気づくり事業等による支援件数:160 件(90 件)

◆空き店舗を活用した取組等への支援件数:67件(90 件)

◇県内宿泊者数:1,389 万人(1,450 万人)

戦略Ⅱ「人材力」

強化戦略

◇県支援による UJI ターン就職者数:533 人(500 人)

◇女性就業相談室の支援による就職者数:193 人(200 人)

◇障害者就職拡大推進員による就職者数:567 人(400 人)

◇ものづくり大学校等での在職者訓練(技能向上訓練等)実施人数 :1,165人(1,200人)

◇仕事と生活の調和推進企業宣言登録企業数:1,669 件(1,500 件)

◇中小企業育児・介護代替要員確保支援事業の助成件数:96 件(100 件)

戦略Ⅲ「国際力」

強化戦略

◇ひょうご海外ビジネスセンター相談件数:427 件(370 件)

◇外国・外資系企業の進出件数:23 件(25 件)

◆海外からの観光客数:158 万人(180 万人)

◇県内外国人相談窓口数:73 箇所(70 箇所)

◇淡路夢舞台国際会議場での国際会議等開催件数:424 件(410 件)

◇友好姉妹州省等からの文化・経済交流による来県件数:66件(65件)

【参考:成果指標の評価基準】

評価点数 評 価 基 準

4 達成率が100%以上 (目標を上回る)

3 達成率が90%以上100%未満 (概ね目標どおり)

2 達成率が80%以上90%未満 (目標を下回る)

1 達成率80%未満 (目標を大きく下回る)

― 現時点で達成度の評価が困難 (未判明)

戦略Ⅰ 「産業力」の強化 (P.112)

戦略Ⅱ 「人材力」の強化(P.114)

戦略Ⅲ 「国際力」の強化(P.115)

1 次世代産業の創出

(1) ひょうご次世代産業高度化プロジェクトの推進 ○兵庫県次世代産業雇用創造プロジェクト(H27-29)の後継事業として、航空・宇宙、ロボット、環境・次世代エネルギー、先端医療の分野に、新たにAI・IoT分野を追加し、県内中小企業の生産性向上を支援

(2) 金属新素材研究センターの開設 ○兵庫県最大の産業である金属素材の製造・加工企業が集積する「ひょうごメタルベルト(播磨~神戸)」

の発展のため、県立工業技術センターのサテライトとして、県立大学姫路工学キャンパスに研究・開発拠点を設置

2 地域を支える産業の活性化

(1) IT企業の進出支援 ○IT事業所の開設を促進するため、多自然地域事業所開設支援の対象地域を、政令市・中核市等を除く県内各地域に拡大するとともに、高度IT技術を有する起業家等による事業所開設を支援

(2) ものづくり支援センター但馬の開設 ○但馬技術大学校に、但馬地域の機械加工技術力等の向上やオンリーワン企業を目指すものづくり中小企

業の支援拠点を整備 (3) 中小企業の事業承継支援の強化

○商工会・商工会議所、金融機関、中小企業診断士等が連携する事業承継ネットワークを構築

3 起業・創業、産業立地の促進

(1) 起業・創業支援の強化 ○女性・シニア・UJI ターン者に加え、起業・第二創業を目指す若者(35 歳未満)に対しても事業立上げを支援 (2) 企業立地促進対策の強化

○産業立地を促進するため、事業確認の申請期限を14日から約1年間に延長

1 若者・女性・高齢者・障害者などの雇用創出

(1) ひょうごで働こう!プロジェクトの推進

○中小企業の魅力向上を図り、若者の県内就職及び定着を促進するため、中小企業就業者確保支援事業(兵

庫型奨学金返済支援制度)の支援期間を3年から5年に拡充

○転職を希望する第2新卒者等の県内企業への誘導を促進

2 働き方改革の推進

(1) ワーク・ライフ・バランスの推進

○テレワーク導入を一層促進するため、職場環境整備の助成を拡充

3 職業能力の向上

(1) 技能の振興と職業観の醸成の促進

○技能士の技能向上、技能継承、若年労働者の職業能力開発を促進するため、全国技能グランプリ兵庫大会を誘致

1 国際交流の推進

(1) 周年事業による国際交流の推進

○県政 150 周年記念事業として、姉妹・友好州省 20 団体を集めたサミットを9月に開催

(2) 中小企業の海外展開の推進

○アジア新興国等への海外展開に向け、県内中小企業が実施する実現可能性調査(F/S調査)に対する助成、

JICA 等と連携した企業支援セミナーを実施

2 観光による交流人口の拡大

(1)「ひょうごゴールデンルート」の推進

○世界的なオンライン旅行社との連携による同社ウェブサイトでのプロモーションを展開

○WeChat等のSNSを活用し、中国向けにひょうごゴールデンルートの魅力を発信

○商店街におけるスマートフォン決済の導入など、キャッシュレス対応を促進

(2) 県内外からの誘客の促進

○日本遺産をはじめとする地域の歴史・文化・自然遺産をつなぎ、「兵庫遺産街道」としてモデル周遊ル

ート化し、プロモーションを展開

ひょうご経済・雇用活性化プランの進捗状況(P.117)

※評価点1点、2点の指標は◆(次ページ参照)。

Page 8: 「平成30年度 ひょうご経済・雇用白書」の発行web.pref.hyogo.lg.jp/governor/documents/g_kaiken180903_01.pdf · (平成28年・民営) 2,20 3(千 人) .9%

区分 指標名 目標 実績 達成

評点 要因

今後の対応

産業力 SPring-8 県ビーム

ライン利用機関数

(機関)

35 26 74.3 1 企業の研究ニーズの複雑化・高度化により、一機関あたりに要する時間が長くなる傾向にある。

兵庫県ビームラインの高度化(H30 年度:BL08B2 高度化予定)や新たな解析技術の導入等により、測定の高効率化を図り、企業ニーズに対応した研究開発への支援を継続して実施。

オンリーワン企業

認定数(社)

10 7 70.0 1 応募件数は 10 件を上回ったものの、オンリーワン企業としての水準を維持すべく厳選した結果7社となった。

PR・運営方法の改善に努め、達成を図る。

新事業創出支援貸

付実績(件)

8 7 87.5 2 新事業創出支援貸付事業が金融機関や商工会等へ十分浸透していると言える状態ではなかったため。

融資制度説明会(金融機関・市町・商工会等が参加)での説明や関係団体の総会でのチラシ配布を通し、制度の周知徹底を図る。

空き店舗の賃貸契

約件数及び空き店

舗を活用した取組

への支援件数(件)

90 67 74.4 1 空き店舗物件の新規登録件数が減少したため。

積極的に制度の周知を図り、空き店舗の賃貸契約成立へつなげる。

商店街の活性化

(新規出店支援)

によるしごと創出

数(累計)(人)

390 336 86.2 2 空き店舗物件の成約件数が減少したため。

積極的に制度の周知を図り、空き店舗の成約件数増加へつなげる。

海外からの観光客

数(万人)

180 158 87.8 2 兵庫県の外国人旅行者数は過去最高の158 万人となったが、伸び率は全国で19.3%であるのに対し、兵庫県は 5.9%にとどまった。

外国人旅行者の誘客促進を図るため、海外から選ばれる魅力の創出と魅力発信の強化に引き続き取り組む。

新規就農者数(人) 400 279 69.8 1 他産業との人材の引き合いが強まり、雇用就農者が減少。

就農相談や農業インターンシップの実施に併せ、雇用就農促進事業の活用等による新規就農者の確保を図る。

平成 29 年度実績の達成率が低い指標

Page 9: 「平成30年度 ひょうご経済・雇用白書」の発行web.pref.hyogo.lg.jp/governor/documents/g_kaiken180903_01.pdf · (平成28年・民営) 2,20 3(千 人) .9%

区分 指標名 目標 実績 進捗

評点 要因

今後の対応

人材力 若者しごと倶楽部

を通じた就職者数

(人)

2,000 1,124 56.2 1 若者しごと倶楽部サテライト播磨の閉鎖(H29.3 末)に伴う実績減。

現存体制でのきめ細かな支援による就職者数向上に努める。

待機児童数(人) 1,137 1,988 - 1 就労希望の女性が増加していることや、マンション建設等に伴う子育て世帯の転入による特定地域での保育需要の急増、保育料無償・軽減化や保育所整備等の保育施策の実施に伴う保育需要の喚起等による。

平成 31 年度末の待機児童ゼロを目指し、市町や関係者と協議を重ねながら、更なる保育所等の定員拡大や保育人材の確保に努めていく。

住んでいる地域は

子育てがしやすい

と思う人の割合

(%)

62.3 55.9 89.7 2 「ひょうご子ども・子育て未来プラン」に基づき、特に、子育て支援では、保育所等の定員拡大、保育人材の確保に注力し、計画を上回るペースで取り組んできた。 一方で、女性の就業率の上昇による保育需要の増加等により待機児童数が増えたことが、本指標の微減(56.0→55.9)の一因になったと考える。

引き続き、プランに掲げる6つの推進方策に基づき、「誰もが安心して子育てできる兵庫の実現」に向けて、更なる環境づくりに取り組む。

国際力 海外からの観光客

数(万人)

180 158 87.8 2 【再掲】