(6)ペルーとの fta - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) mfn...

26
40 附属書1 関税削減表 附属書2 品目別原産地規則 附属書3 原産地証明書様式 附属書4 貿易の技術的な障害と防疫及び植物防疫についての連絡部署 附属書5 サービス貿易の具体的な承諾表 附属書6 自然人の臨時的な入国についての承諾 附属書7 紛争解決規程及び手続き (6)ペルーとの FTA 1)構成 中国とペルーの FTA (以下「中ペルーFTA」という。)は、2009 年4月 28 日に北京で調 印された。中国がラテンアメリカ諸国と結んだ最初の FTA である。 全体の構成は以下のとおりである。 協定本文 附属書1 内国民待遇の例外と輸出入制限 附属書2 関税削減スケジュール 附属書2-1 中国側譲許表 附属書2-2 ペルー側譲許表 附属書3 スライド関税制度 附属書4 品目別原産地規則説明書 附属書4-a 品目別原産地規則リスト 附属書5 原産地証明 附属書6-1 サービス貿易の中国側具体的実施明細 附属書6-2 サービス貿易のペルー側具体的実施明細 附属書7 商用目的の一時的入国についての約束 附属書8 公債 附属書9 収用 附属書 10 地理的表示リスト 附属書 11 自由貿易委員会の構成 附属書 12 紛争処理手続きモデル

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Page 1: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

40

附属書1 関税削減表

附属書2 品目別原産地規則

附属書3 原産地証明書様式

附属書4 貿易の技術的な障害と防疫及び植物防疫についての連絡部署

附属書5 サービス貿易の具体的な承諾表

附属書6 自然人の臨時的な入国についての承諾

附属書7 紛争解決規程及び手続き

(6)ペルーとの FTA

1)構成

中国とペルーの FTA(以下「中ペルーFTA」という。)は、2009 年4月 28 日に北京で調

印された。中国がラテンアメリカ諸国と結んだ 初の FTA である。

全体の構成は以下のとおりである。

協定本文

附属書1 内国民待遇の例外と輸出入制限

附属書2 関税削減スケジュール

附属書2-1 中国側譲許表

附属書2-2 ペルー側譲許表

附属書3 スライド関税制度

附属書4 品目別原産地規則説明書

附属書4-1a 品目別原産地規則リスト

附属書5 原産地証明

附属書6-1 サービス貿易の中国側具体的実施明細

附属書6-2 サービス貿易のペルー側具体的実施明細

附属書7 商用目的の一時的入国についての約束

附属書8 公債

附属書9 収用

附属書 10 地理的表示リスト

附属書 11 自由貿易委員会の構成

附属書 12 紛争処理手続きモデル

Page 2: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

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協定本文は以下の構成となっている。

序言

第1章 冒頭条項(目的、他の協定との関係等)

第2章 物品貿易の内国民待遇と市場アクセス

第3章 原産地規則および原産地規則と関連する手続き

第4章 税関手続きおよび貿易の簡便化

第5章 貿易改善策(第1部:グローバルセーフガード、第2部:双方セーフガー

ド、第3部:反ダンピングと相殺関税)

第6章 貿易及び植物防疫措置

第7章 貿易の技術的な障害

第8章 サービス貿易

第9章 商用目的の一時的な入国

第 10 章 投資

第 11 章 知的財産権

第 12 章 協力

第 13 章 透明性

第 14 章 協定の管理

第 15 章 紛争解決

第 16 章 例外

第 17 章 終条項

附属書2に規定された品目ごとの関税削減分類と削減スケジュールは以下の通りである。

a) A 類に規定された原産物品の関税は、本協定発効の日に無関税とする。

b) B 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から5年内の各年均等の削減過程

によって、本協定発効の5年目の1月1日に無関税とする。

c) C 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から 10 年の各年均等の削減過程に

よって、本協定発効の 10 年目の1月1日に無関税とする。

d) D 類に規定された原産品は、関税削減の例外とする。

e) E 類に規定された原産品の関税削減は以下のとおりとする。

年次 関税削減幅

1 3.00%

2 3.00%

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3 5.00%

4 7.00%

5 7.00%

6 5.00%

7 7.00%

8 7.00%

9 7.00%

10 7.00%

11 7.00%

12 7.00%

13 7.00%

14 7.00%

15 7.00%

16 7.00%

f) F 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から8年の各年均等の削減過程に

よって、本協定発効の8年目の1月1日に無関税とする。

g) G 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から 12 年の各年均等の削減過程

によって、本協定発効の 12 年目の1月1日に無関税とする。

h) H 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から 15 年の各年均等の削減過程

によって、本協定発効の 15 年目の1月1日に無関税とする。

i) I 類に規定された原産品の関税は、本協定発効から 17 年の各年均等の削減過程に

よって、17 年目の1月1日に無関税とする。

j) J1 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から4年間は MFN 関税を維

持し、5年目の1月1日から、13 年間の各年均等の削減過程によって、本協定発

効から 17 年目の1月1日に無関税とする。

k) J2 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から8年間は MFN 関税を維

持し、9年目の1月1日から、9年間の各年均等の削減過程によって、本協定発

効から 17 年目の1月1日に無関税とする。

l) J3 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から 10 年間は基本税率を維

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持し、11 年目の1月1日から、7年間の各年均等の削減過程によって、本協定発

効から 17 年目の1月1日に無関税とする。

m) K 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日より、以下の通り関税を削減

し、2015 年1月1日に無関税とする。

2009 年

1月1日

2010 年

1月1日

2011 年

1月1日

2012 年

1月1日

2013 年

1月1日

2014 年

1月1日

2015 年

1月1日

適用 税率

7.80% 6.50% 5.20% 3.90% 2.60% 1.30% 0.00%

n) L 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日より、以下の通り関税を削減

し、2015 年1月1日に無関税とする。

2009 年

1月1日

2010 年

1月1日

2011年1

月1日

2012 年

1月1日

2013 年

1月1日

2014 年

1月1日

2015 年

1月1日

適用 税率

1.20% 1.00% 0.80% 0.60% 0.40% 0..20% 0.00%

2)自由化率

中ペルーFTA における中国側自由化率等は資料編 227 ページのとおりである。

①品目分類別の自由化状況

・第1部(動物及び動物性生産品)

MFN関税0の品目の比率は 11.7%であったが、中ペルーFTAによって自由化率は 92.3%

となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。ただし、第2類の肉及び食用のくず肉の

自由化率は 75.9%と抑えられており、第4類の酪農品・鳥卵・はちみつ等の自由化率も

84.6%とやや低い。

・第2部(植物性生産品)

MFN関税0の品目の比率は 10.5%であったが、中ペルーFTAによって自由化率は 90.6%

となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。

ただし、第 10 類(穀物)の自由化率は 46.4%にとどまり、第 11 類(加工穀物等)の自

由化率も 72.2%に抑えられている。これらは他国・地域との FTA と共通する非自由化の傾

向である。第9類のコーヒー・茶類、第 12 類の採油用種子果実等の自由化率もやや低い。

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・第3部(動植物油脂類)

MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA によっ

て自由化率は 54.7%となり、ある程度自由化は進むこととなったが、穀物と同様、自由化

は抑えられている。

・第4部(調製食料品、飲料、たばこ等)

MFN 関税0の品目の割合は 0.4%と、非自由化傾向の強い分野で、中ペルーFTA によっ

て自由化率は 82.6%となり、一定の自由化は進むこととなった。しかし、同じ南米の中チ

リ FTA と比べると自由化率は低い。これは、第 17 類の糖類及び砂糖菓子について、他国・

地域との FTA 同様、自由化率 55.6%と自由化が抑えられているのに加え、第 21 類の各種

調製食料品等の自由化率が 76.2%である等、中ペルーFTA に特別に自由化率が比較的低い

品目類が存在し、第 24 類のたばこ類の自由化率も 9.1%と極めて低いからである。

なお、中ペルーFTA では 10 年目以降に関税が撤廃される品目群が設定されており、関税

撤廃スケジュールの 終年次は 17 年目であるが、 終年次に至っても第4部の関税撤廃品

目率は 88.7%にとどまる。

・第5部(鉱物性生産品)

MFN 関税0の品目の割合は 18.6%とやや高めで、元来自由化傾向が見られる分野であり、

中ペルーFTA によって自由化率は 97.5%となって、ほぼ完全に自由化されることとなった。

・第6部(化学工業生産品)

MFN 関税0の品目の割合は 0.7%と、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA

によって自由化率は 97.8%となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。ただし、第 31

類の肥料は、自由化率 89.7%と、他国・地域との FTA と同様に自由化がやや抑制されてい

る。

・第7部(プラスチック及びゴム製品等)

MFN 関税0の品目の割合は 0.4%と、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA

によって自由化率は 93.6%となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。

・第8部(皮革及び皮革製品等)

MFN 関税0の品目が全く無く、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA によ

って自由化率は 90.6%となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。ただし、第 41 類の

原皮の自由化率は 83.3%とやや低い。

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45

・第9部(木材及び木製品、わら製品等)

MFN 関税0の品目の割合が 38.1%と高く、自由化傾向の強い分野であったが、中ペルー

FTA による自由化率は 76.7%と抑制的である。これは、第 44 類の木材及び木製品の自由

化率が 74.0%にとどまり、第 46 類のわら等とその加工品の自由化率も 87.5%とやや低い

ためである。

・第 10 部(パルプ、古紙および紙製品)

MFN 関税0の品目の割合が 21.9%と高く、自由化傾向の強い分野であったが、中ペルー

FTA による自由率は 26.3%であり、自由化はほとんど進まなかった。

第 47 類のパルプ及び古紙はもともと全品目が MFN 関税0であるが、第 48 類の紙およ

び紙製品等の自由化率は 6.1%と極めて低く、第 49 類の印刷物類の自由化率も 58.3%と低

い。これらは他国・地域との FTA と共通する特徴である。

・第 11 部(紡織用繊維及びその製品)

MFN 関税0の品目が全く無く、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA によ

って自由化率は 97.0%となり、ほぼ完全に自由化された。ただし、第 51 類の羊毛・獣毛及

びそれらの織物については自由化率が 66.1%とかなり低くなっている。これは他国・地域

との FTA と共通する点であるが、中ペルーFTA は、他国・地域との FTA と比べて自由化

率が低いという特徴がある。

・第 12 部(履物、帽子等)

MFN 関税0の品目が全く無く、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA によ

って完全に自由化されることとなった。

・第 13 部(石、セメント、土石製品等)

MFN 関税0の品目の割合が 0.5%と低く、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペル

ーFTA によって完全に自由化されることとなった。

・第 14 部(真珠、貴石、貴金属製品等)

MFN 関税0の品目の比率が 38.1%と、自由化傾向の強い分野で、中ペルーFTA によっ

て完全に自由化されることとなった。

・第 15 部(卑金属およびその製品)

MFN 関税0の品目の比率が 0.6%と、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA

によって自由化率は 99.3%となり、ほぼ完全に自由化されることとなった。

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46

・第 16 部(電気機械器具等)

MFN 関税0の品目の比率が 18.7%と、自由化傾向がやや強い分野で、中ペルーFTA に

よって自由化はさらに進み、自由化率 98.6%となって、ほぼ完全に自由化されることとな

った。

・第 17 部(輸送用機械器具等)

MFN 関税0の品目の比率が 0.3%と、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA

によって自由化率は 82.8%となり、一定の自由化がされることになった。

第 87 類の自動車関連産品の自由化率が 75.2%と低いという点で、ACFTA との共通点が

認められる。

・第 18 部(精密機械器具等)

MFN 関税0の品目の比率は 9.8%である。中ペルーFTA によって自由化率は 98.7%とな

り、ほぼ完全に自由化されることとなった。

・第 19 部(武器類)

MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い分野であったが、中ペルーFTA によ

って完全に自由化されることとなった。

・第 20 部(雑品)および 21 部(美術品・骨董)

中ペルーFTA によって完全に自由化されることとなった。

②除外品目の設定状況

除外品目は総計 214 品目が設定されている。農業分野の設定状況は、以下のとおり 90 品

目となっている。第3類と第9類、第 16 類、第 20 類、第 21 類、第 24 類に除外品目があ

るのが中チリ FTA との違いである。第 10 類および第 11 類の除外品目は中チリ FTA と同

一であるが、第 15 類の除外品目は中チリ FTA の除外品目にいくつかが加えられたもので

ある。

●第3類

・凍結した魚の肝臓および魚卵

・乾燥、燻製、塩蔵、または塩水漬にした、魚の肝臓および魚卵

・冷凍、乾燥、塩蔵、または塩水漬にしたアワビ

・その他の二枚貝

●第9類

・コーヒー(炒っていないかカフェインを除いていないもの)

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47

・カフェインを除いたコーヒーで、炒っていないもの

・炒ったコーヒーで、カフェインを除いていないもの

・炒って、カフェインを取り除いたコーヒー

・コーヒーを含有するコーヒー代用品

●第 10 類

・デュラム小麦

・デュラム小麦以外の種子用小麦

・その他の小麦及び混合麦類

・種子用トウモロコシ

・種子用以外のトウモロコシ

・種子用うるち米長粒種の籾

・その他の種子用籾

・種子用以外のうるち米籾

・その他の籾

・長粒種うるち玄米

・その他の玄米

・長粒種うるち精米

・その他の精米

・長粒種うるち砕米

・その他の砕米

●第 11 類

・小麦粉またはメスリン粉

・トウモロコシ粉

・長粒種米粉

・その他の米粉

・ひき割り小麦及び小麦のミール

・ひき割りトウモロコシ及びトウモロコシのミール

・長粒種うるち米のひき割りおよびミール

・その他米のひき割り及びミール

・小麦ペレット

・その他加工トウモロコシ

●第 15 類

・粗大豆油

・精製大豆油

・粗落花生油

・精製落花生油

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48

・粗パーム油

・精製パーム油

・精製パームステアリン

・その他の精製パーム油

・粗ヒマワリ油または粗紅花油

・精製ヒマワリ油または精製紅花油

・粗綿実油

・精製綿実油

・粗菜種油(低エルカ酸のもの)

・その他の低エルカ酸菜種油

・粗菜種油

・粗からし菜油

・その他の菜種油あるいはからし菜油

・粗とうもろこし油

・精製とうもろこし油

・ホホバ油

・インドセンダン油

・桐油

・その他の植物油

・マーガリン

●第 16 類

・大西洋サケの調製品

・他に規定されていないサケの調製品(ミンチを除く)

・川ウナギの調製品(ミンチを除く)

・ティラピアの調製品(ミンチを除く)

・アメリカナマズの調製品(ミンチを除く)

・その他のアメリカナマズ属の調製品

・他に規定されていない魚の調製品(ミンチを除く)

・クラゲの調製品

・二枚貝の調製品

●第 17 類

・香料あるいは着色剤を加えていない固形の甘蔗粗糖

・香料あるいは着色料を加えていない固形のテンサイ粗糖

・香料あるいは着色料を加えた固形の甘蔗糖またはテンサイ糖

・グラニュー糖

・上白糖

Page 10: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

49

・甘蔗またはテンサイ糖で、他に規定されていない精製糖

●第 20 類

・落花生粒の調製品で密閉容器入りのもの

・炒った落花生粒の調製品で密閉容器入りのもの

・密閉容器入りのピーナッツバター

・その他の落花生調製品

●第 21 類

・コーヒーのエキス、エッセンス及び濃縮物

・コーヒーのエキス、エッセンス又は濃縮物をもととした調製品及びコーヒー

をもととした調製品

・チコリーその他のコーヒー代用物(炒ったものに限る)

●第 24 類

・キュアリングしたたばこ(骨を除いてないものに限る)

・キュアリングしていないたばこ(骨を除いてないものに限る)

・キュアリングしたたばこ(全部又は一部の骨を除いたものに限る)

・キュアリングしていないたばこ(全部又は一部の骨を除いたものに限る)

・葉巻たばこ、シェルート及びシガリロ(たばこを含有するものに限る)

・紙巻たばこ(たばこを含有するものに限る)

・たばこ代用物からなる紙巻きたばこ

・喫煙用たばこ(たばこ代用物を含有するかしないかを問わないものとし、そ

の含有量のいかんを問わない。)

・シートたばこ

・その他の製造たばこ及び製造たばこ代用品、並びにたばこのエキス及びエッ

センスのうち、喫煙用たばこ以外のもの

非農業分野の設定状況は以下のとおりである。

類 内容 品目数

27 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに

鉱物性ろう

5

28 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素

の無機又は有機の化合物

7

29 有機化学品 9

31 肥料 3

37 写真または映画用の材料 3

39 プラスチック及びその製品 6

40 ゴム及びその製品 11

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50

41 原皮(毛皮を除く)および革 10

44 木材及びその製品並びに木炭 41

46 わら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及

び枝条細工物

3

48 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品 108

49 印刷した書籍、新聞、絵画その他の印刷物並びに手書き文書、

タイプ文書、設計図及び図案

10

51 羊毛、繊獣毛、粗獣毛及び馬毛の糸並びにこれらの織物 20

52 綿及び綿織物 8

55 人造繊維の短繊維及びその織物 1

61 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限

る。)

4

74 銅及びその製品 2

76 アルミニウム及びその製品 1

81 その他の卑金属及びサーメット並びにこれらの製品 1

84 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品 6

85 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレ

ビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこ

れらの部分品及び附属品

14

87 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品 55

90 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精

密機器及び医療用機器並びにこれらの部分品及び附属品

4

合計 356

③特徴

同じく南米諸国との FTA であり、しかも発効年次が新しいにも関わらず、中ペルーFTA

は中チリ FTA に比べて、全般的に自由化率が低いことが特徴となっている。

(7)コスタリカとの FTA

1)構成

中国とコスタリカとの FTA(以下「中コスタリカ FTA」という。)は 2011 年8月に発効

した、中国が締結した も新しい FTA である。

全体の構成は以下のとおりである。

Page 12: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

51

協定本文

附属書1 内国民待遇と輸出入制限

附属書2 関税削減スケジュール

附属書2-1 中国側譲許表

附属書2-2 コスタリカ側譲許表

附属書2-3 コスタリカ側譲許表の一般注釈

附属書3 品目別原産地規則

附属書4 原産地証明書

附属書5 防疫及び植物防疫についての連絡所

附属書6 貿易の技術的な障害についての連絡所

附属書7-1 中国側サービス貿易の具体的実施約束表

附属書7-2 コスタリカ側サービス貿易の具体的実施約束表

附属書8 商用目的の一時的入国に関する委員会

附属書9 第 116 条1項の地名表記について

附属書 10 第 116 条2項の地名表記について

附属書 11 自由貿易委員会

附属書 12 自由貿易委員会による部分修正の履行承認

附属書 13 自由貿易協定調停員

また、協定本文の構成は以下のとおりである。

序言

第1章 冒頭条項

第2章 一般的定義

第3章 物品貿易の内国民待遇と市場アクセス

第4章 原産地規則及び関連手続き

第5章 税関手続き

第6章 衛生と植物防疫の措置

第7章 貿易の技術的な障害

第8章 貿易改善措置(第1部:グローバルセーフガード、第2部:双方セーフガ

ード、第3部:反ダンピングと相殺関税、第4部:紛争解決、第5部:協

同)

第9章 投資、サービス貿易と商用目的の一時的入国

第 10 章 知的財産権

第 11 章 協同、貿易関係の促進と引き上げ

第 12 章 透明性

第 13 章 協定の管理

Page 13: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

52

第 14 章 紛争解決

第 15 章 例外

第 16 章 終条項

附属書2に規定されている関税削減スケジュールは以下のとおりである。

(1)A 類に規定された原産品の関税は、本協定発効日に即日撤廃する。

(2)B 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から5年で、各年等分の

関税削減を実施し、5年目の1月1日に撤廃する。

(3)C 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から 10 年間、各年等分の

関税削減を実施し、協定発効から 10 年目の1月1日に撤廃する。

(4)D 類に規定された原産品の関税は、本協定発効の日から 15 年間、各年等分の

関税削減を実施し、協定発効から 15 年目の1月1日に撤廃する。

(5)E 類に規定された物品は関税削減上の例外品目であり、 恵国待遇を継続す

る。

(6)コスタリカ共和国の譲許表中 F 類に規定された物品は、関税削減上の例外品

目であり、 恵国待遇を継続する。コスタリカは、コスタリカ側譲許表の一

般注釈の第1条および第2条で決められる割当数量については無関税で輸入

するものとする。

(7)コスタリカの譲許表の G 類のうち、タリフライン 8516000 は、 恵国待遇を

維持する。ただし、HS10 区分において 8516600099 のホットプレートとグ

リルは本協定発効の日から関税を撤廃する。

2)自由化率

中コスタリカ FTA における中国側の自由化率等は資料編 235 ページのとおりである。

①品目分類別の自由化状況

・第1部(動物性生産品)

中コスタリカ FTA による自由化率は 91.5%となっている。ただし、第4類(酪農品、鳥

卵、天然はちみつ等)の自由化率は 48.7%とかなり低く、第2類(肉及び食用くず肉)の

自由化率も 84.8%とやや低めである。このように、第2類及び第4類の畜産物の自由化を

控えつつ、第3類(水産物)は完全に自由化することとしているのが中コスタリカ FTA の

特徴となっている。なお、第2類及び第4類の非自由化品目も 15 年目には完全に自由化さ

れることとなっている。

Page 14: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

53

・第2部(植物性生産品)

中コスタリカ FTA による自由化率は 86.5%とやや低めである。これは、第 10 類(穀物)

の自由化率が 46.4%とかなり低く、第 11 類(加工穀物等)の自由化率も 72.2%と抑え気味

であるという、他国・地域との FTA と共通する傾向があることに加え、第8類(果実ナッ

ツ類等)の自由化率が 57.8%と低いためである。この第8類の自由化率の低さは中コスタ

リカFTAの特徴である。なお、15年目には第8類は完全に自由化することとなっているが、

第 10 類および第 11 類には多くの除外品目がある。

・第3部(動植物油脂類)

中コスタリカ FTA による自由化率は 64.8%で、他国・地域との FTA と同様、他の部に

比べて自由化率が低い。

・第4部(調製食料品、飲料、たばこ等)

中コスタリカ FTA による自由化率は 91.9%で、ほぼ完全に自由化されることとなってい

る。ただし、第 17 類の糖類及び砂糖菓子の自由化率は 66.7%と低めである。このことは他

国・地域との FTA と共通する特徴である。

・第5部(鉱物性生産品)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第6部(化学工業生産品)

中コスタリカ FTA による自由化率は 99.8%で、ほぼ完全に自由化されることとなった。

ただし、第 31 類の肥料の自由化率は 89.7%とやや低めであり、自由化を抑制する傾向が見

られる。

・第7部(プラスチック・ゴム及びその製品)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第8部(皮革・毛皮、同製品等)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第9部(木材、コルク、わらおよびそれらの製品等)

中コスタリカ FTA による自由化率は 75.2%と、自由化が抑えられている。これは、第

44 類(木材および木製品等)の自由化率が 70.6%と低いためである。

Page 15: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

54

・第 10 部(パルプ、紙等)

中コスタリカ FTA による自由化率は 26.3%で、ほとんど自由化されていない。これは、

第 48 類の紙類の自由化率が 6.1%と極めて低く、第 50 類の印刷物等の自由化率も 58.3%

と低いためである。このことは他国・地域との FTA と共通する特徴である。

・第 11 部(繊維および繊維製品)

中コスタリカ FTA による自由化率は 99.0%と、ほぼ完全に自由化されることとなった。

ただし、第 51 類の羊毛・獣毛およびそれらの織物の自由化率は 84.7%と抑えられている。

このことは、他国・地域との FTA と共通する特徴で、遊牧民保護という背景があると考え

られる。

・第 12 部(履物、帽子等)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第 13 部(石、セメント、土石製品等)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第 14 部(真珠・貴石類、貴金属類)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第 15 部(卑金属およびその製品)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

・第 16 部(一般機械、電気機械器具等)

中コスタリカ FTA による自由化率は 99.3%で、ほぼ完全に自由化されることとなった。

・第 17 部(輸送用機械)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。第 87 類(自動車等)、第

89 類(船舶等)も含めて自由化されている点において、ASEAN との FTA と異なり、中チ

リ FTA と共通している。

・第 18 部(精密機械器具等)

中コスタリカ FTA による自由化率は 99.7%と、ほぼ完全に自由化されることとなった。

・第 19 部(武器等)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

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55

・第 20 部(雑品)および第 21 部(美術品・骨董)

中コスタリカ FTA によって完全に自由化されることとなった。

②除外品目の設定状況

中国は HS8 桁で 259 の除外品目を設定している。農業分野の除外品目は、以下のとおり

66 品目である。

●第9類

・カフェインを除いたコーヒーで、炒っていないもの

・炒ったコーヒーで、カフェインを除いていないもの

・コーヒーを含有するコーヒー代用品

●第 10 類

・デュラム小麦

・種子用小麦

・その他の小麦及び混合麦類

・種子用トウモロコシ

・種子用以外のトウモロコシ

・種子用うるち米長粒種の籾

・その他の種子用籾

・種子用以外のうるち長粒種米籾

・その他の籾

・長粒種うるち玄米

・その他の玄米

・長粒種うるち精米

・その他の精米

・長粒種うるち砕米

・その他の砕米

●第 11 類

・小麦粉またはメスリン粉

・トウモロコシ粉

・長粒種うるち米粉

・その他の米粉

・ひき割り小麦及び小麦のミール

・ひき割りトウモロコシ及びトウモロコシのミール

・長粒種うるち米のひき割りおよびミール

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56

・その他米のひき割り及びミール

・小麦ペレット

・その他加工トウモロコシ

●第 15 類

・粗大豆油

・精製大豆油

・粗落花生油

・精製落花生油

・粗パーム油

・精製パーム油(融点 19-24 度)

・精製パームステアリン(融点 44-56 度)

・その他の精製パーム油

・粗ヒマワリ油または粗紅花油

・精製ヒマワリ油または精製紅花油

・粗綿実油

・精製綿実油

・粗菜種油(低エルカ酸のもの)

・その他の低エルカ酸菜種油

・粗菜種油

・粗からし菜油

・その他の菜種油あるいはからし菜油

・粗とうもろこし油

・精製とうもろこし油

●第 17 類

・香料あるいは着色料を加えていない固形の甘蔗粗糖

・香料あるいは着色料を加えていない固形のテンサイ粗糖

・香料あるいは着色料を加えた固形の甘蔗糖またはテンサイ糖

・グラニュー糖

・上白糖

・甘蔗糖またはテンサイ糖で、他に規定されていない精製糖

●第 20 類

・冷凍してないオレンジジュース(ブリックス値が 20 以下のものに限る)

・冷凍してないオレンジジュース(ブリックス値が 20 を超えるもの)

●第 24 類

・キュアリングしたたばこ(骨を除いてないものに限る)

・キュアリングしていないたばこ(骨を除いてないものに限る)

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57

・キュアリングしたたばこ(全部又は一部の骨を除いたものに限る)

・キュアリングしていないたばこ(全部又は一部の骨を除いたものに限る)

・くずたばこ

・葉巻たばこ、シェルート及びシガリロ(たばこを含有するものに限る)

・紙巻たばこ(たばこを含有するものに限る)

・たばこ代用物からなる紙巻きたばこ

・喫煙用たばこ(たばこ代用物を含有するかしないかを問わないものとし、そ

の含有量のいかんを問わない。)

・シートたばこ

・その他の製造たばこ及び製造たばこ代用品、並びにたばこのエキス及びエッ

センスのうち、喫煙用たばこ以外のもの

非農業分野の除外品目の設定状況は、以下のとおりである。

類 内容 品目数

31 肥料 3

44 木材及びその製品並びに木炭 50

48 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品 108

49 印刷した書籍、新聞、絵画その他の印刷物並びに手書き文書、

タイプ文書、設計図及び図案

10

51 羊毛、繊獣毛、粗獣毛及び馬毛の糸並びにこれらの織物 9

52 綿及び綿織物 2

85 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレ

ビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこ

れらの部分品及び附属品

10

90 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精

密機器及び医療用機器並びにこれらの部分品及び附属品

1

合計 193

(8)香港との経済貿易緊密化協定

1)構成

中国本土と香港との経済貿易緊密化協定(Closer Economic Partnership Arrangement)

(以下「中香 CEPA」という。)は 2003 年9月 29 日に調印され、即日発効し、2004 年1

月1日から関税削減等が実施された。その後も毎年補充協定の調印を重ね、2010 年5月 27

日には CEPA 補充協定 VII に合意している。その関税撤廃品目数は HS8 桁で 1,732 品目

(2012 年2月現在)で、MSN 関税0の品目も含めた関税撤廃品目数は 2,519 品目となる。

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58

このうち、農業分野の関税撤廃品目は、251 品目である。

当初締結された協定(CEPAI)の構成は以下の通りである。

協定本文

附属書1 物品貿易ゼロ関税実施のための協定

附属書2 物品貿易の原産地規則

附属書3 原産地証書の発行および審査手順

附属書4 サービス貿易の開放に関する具体的承諾

附属書5 「サービス提供者」の定義および関連要件

附属書6 貿易および投資の便利化

協定本文の構成は以下のとおりである。

第1章 一般原則

第2章 物品貿易

第3章 原産地

第4章 サービス貿易

第 5 章 貿易・投資の効率化

第 6 章 その他の規定

農業分野における関税撤廃品目は以下のように、第3類の魚と、第4部の調製食料品に

多く分布している。

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59

表Ⅰ-2 中香 CEPA の農業分野における関税撤廃品目数の内訳

(9)マカオとの経済貿易緊密化協定

中国本土とマカオとの経済貿易緊密化協定(以下「中マカオ CEPA」という。)は、2004

年 10 月 29 日に調印され、即日発効した。その後 2005 年 10 月 21 日に CEPA 補足協定Ⅱ、

2006 年6月 26 日に CEPA 補足協定Ⅲ、2007 年7月 2 日に CEPA 補足協定Ⅳ、2008 年7

月 30 日に CEPA 補足協定Ⅴ、2009 年5月 11 日に CEPA 補足協定Ⅵに調印している。

総計 1732第1部 動物(生きているものに限る。)及び動物性生産品 147

第1類 動物(生きているものに限る。) 0第2類 肉及び食用のくず肉 0第3類 魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物 134第4類 酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品

11

第5類 動物性生産品(他の類に該当するものを除く。) 2第2部 植物性生産品 28

第6類 生きている樹木その他の植物及びりん茎、根その他これらに類する物品並びに切花及び装飾用の葉

2

第7類 食用の野菜、根及び塊茎 5第8類 食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮 4第9類 コーヒー、茶、マテ及び香辛料 14第10類 穀物 0第11類 穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン 0第12類 採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物

3

第13類 ラック並びにガム、樹脂その他の植物性の液汁及びエキス 0第14類 植物性の組物材料及び他の類に該当しない植物性生産品 0

第3部 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう

7

第15類 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう

7

第4部 調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ及び製造たばこ代用品

127

第16類 肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品

37

第17類 糖類及び砂糖菓子 3第18類 ココア及びその調製品 4第19類 穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品 9第20類 野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品 41第21類 各種の調製食料品 16第22類 飲料、アルコール及び食酢 9第23類 食品工業において生ずる残留物及びくず並びに調製飼料 8第24類 たばこ及び製造たばこ代用品 0

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60

当初締結された協定(CEPAⅠ)の構成は以下の通りである。

条約本文

附属書1 商品貿易におけるゼロ関税の実施について

附属書2 原産地規則

附属書3 原産地証明書サイン及び検査手続き

附属書4 サービス貿易に関する約束

附属書5 サービス提供者の定義及び関連規則

附属書6 貿易と投資の円滑化について

また条約本文は以下の構成である。

第1章 貨物貿易

第2章 サービス貿易

第3章 附属書の補充と修正

第4章 附属書

第5章 発効

(10)台湾との海峡両岸経済協力枠組協定(ECFA)

1)構成

2010 年6月 29 日、中国と台湾の間で海峡両岸経済協力枠組協定(Economic Cooperation

Framework Agreement、以下「ECFA」という。)が調印され、2010 年9月 12 日発効、

2011 年1月1日より関税引き下げが開始された。

ECFA は以下の条文および付属文書で構成されており、物品貿易とサービス貿易につい

て、アーリーハーベスト品目を設定して関税撤廃を行うことになっている。

なお、ECFA は、①経済、貿易、投資協力の強化および増進、②物品貿易とサービス貿

易のさらなる自由化の促進、③公平、透明、簡便な投資およびその保障メカニズムの段階

的確立、という3つを目的として、①物品貿易の関税と非関税障害の段階的削減または撤

廃、②サービス貿易の制限的な措置の段階的削減または撤廃、③投資の促進、④産業交流

および協力の促進、という4つの取組を行うための基本的な枠組みを定めたものである。

そして、枠組協定締結後に物品貿易協定、サービス貿易協定等、各分野の具体的な協定締

結を進めることになっている。具体的には、ECFA 第3条「製品貿易」の第1項で、「双方

は、本協定第7条規定による「製品貿易におけるアーリーハーベスト」の基礎の下、本協

定発効後、遅くとも6カ月以内に製品貿易協定についての話し合いを行うとともに、速や

かに完成させることに同意した。」とされ、第4条「サービス貿易」でも同様に、第1項で、

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61

「双方は、第8条規定による「サービス貿易におけるアーリーハーベスト」の基礎の下、

本協定発効後、遅くとも6カ月以内にサービス貿易協定についての話し合いを行い、速や

かに完成させることに同意した。」とされている。このように、ECFA は枠組協定のもとに

物品貿易協定やサービス貿易協定が締結されるということを想定しており、その意味では、

ASEAN と中国との FTA において、枠組協定のもとに物品貿易協定やサービス貿易協定が

締結されているのと同様の条文構造が想定されていると言える。しかしながら現在のとこ

ろ ECFA を基礎とした物品貿易協定やサービス貿易協定は締結されておらず、関税削減や

サービス貿易制限の削減は、アーリーハーベストの範囲にとどまっている。

ECFA の条文構成は以下のとおりである。

第1章 総則

第1条 目標

第2条 協力措置

第2章 貿易と投資

第3条 製品貿易

第4条 サービス貿易

第5条 投資

第3章 経済協力

第6条 経済協力

第4章 アーリーハーベスト(早期の実施・解決項目)

第7条 製品貿易におけるアーリーハーベスト

第8条 サービス貿易におけるアーリーハーベスト

第5章 その他

第9条 例外

第 10 条 争議の解決

第 11 条 メカニズム構築

第 12 条 文書の書式

第 13 条 付属文書および後続協議

第 14 条 修正

第 15 条 発効

第 16 条 終了

付属文書1 製品貿易におけるアーリーハーベスト製品リストおよび関税引下げ計

付属文書2 製品貿易におけるアーリーハーベスト製品に適用される臨時原産地規

付属文書3 製品貿易におけるアーリーハーベスト製品に適用される双方のセーフ

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62

ガード措置

付属文書4 サービス貿易におけるアーリーハーベスト部門および開放措置

付属文書5 サービス貿易におけるアーリーハーベスト部門および開放措置が適用

されるサービス提供者の定義

中国側の関税削減スケジュールは以下のとおりとされている。

2009 年輸入税率(%) 2011 年 2012 年 2013 年

0 < X ≦ 5 0 0 0

5 < X ≦ 15 5 0 0

X > 15 10 5 0

2)自由化率

中国側の自由化率は資料編 243 ページのとおりである。なお、締結時点での中国の HS

コード表が得られなかったため、総品目については World Tariff のデータで代用してある。

①各品目群ごとの自由化率の特徴

・第1部(動物性生産品)

アーリーハーベスト品目の比率は 1.3%と、全品目平均の 6.6%に比べて低い。

・第2部(植物性生産品)

アーリーハーベスト品目の比率は 2.8%と低い。第2部の中では、第6類(生きている樹

木、りん茎塊根、切り花及等)、第8類(果実及びナッツ類)、第9類(コーヒー、マテ)

でアーリーハーベスト品目の比率が比較的高い。また、第6類の自由化率は台湾側を上回

る。他方で、第 10 類(穀物)及び第 11 類(穀物加工品)にはアーリーハーベスト品目が

無く、MFN 関税0の品目の比率も低い。台湾側で第 10 類(穀物)の自由化率が 31.3%に

なっているのと対照的である。

・第3部(油脂類)

アーリーハーベスト品目は全く無く、MFN 関税0の品目も全く無い。

・第4部(調整食料品、飲料等)

アーリーハーベスト品目は全く無く、MFN 関税0の品目の比率も 0.3%と極めて低い。

・第5部(鉱物性生産品)

アーリーハーベスト品目の比率は 3.5%と低いが、MFN 関税0の品目比率は 29.5%と、

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63

全品目平均と比べて高い。そのため自由化率は 33.0%と、全品目平均(16.5%)と比べて

高くなっている。

・第6部(化学工業製品)

アーリーハーベスト品目の比率が 3.8%と低い。第 32 類(染料類)及び第 35 類(タンパ

ク系物質、変性でんぷん等)でアーリーハーベスト品目の比率が高く、自由化率は台湾側

を上回るが、第6部全体としては台湾側の自由化率 41.4%に対して中国側は 8.0%である。

特に肥料は台湾側の自由化率 100%に対して、中国側の自由化率は0%である。

・第7部(プラスチック、ゴム、同製品)

アーリーハーベスト品目が19.3%と、ECFAによって大幅に自由化が進むこととなった。

自由化率は 19.6%と、台湾側の 8.7%を上回る。

・第8部(皮革等)

アーリーハーベスト品目が 3.8%あるが、MFN 関税0の品目は無く、全体的には自由化

を進めていない分野である。

・第9部(木材等)

アーリーハーベスト品目は無い。

・第 10 部(パルプ、紙等)

アーリーハーベスト品目は無い。特に第 48 類(紙及び板紙ならびに製紙用パルプ製品、

紙または板紙の製品)については、MFN 関税0の品目も無く、この分野を守る姿勢は鮮明

である。

・第 11 部(紡織用繊維及びその製品)

MFN 関税0の品目の比率は極めて低いが、台湾向け自由化の重点分野となっており、ア

ーリーハーベスト品目の比率は 11.7%である。ただし、第 51 類(羊毛、獣毛及び同織物)

及び第 57 類(じゅうたん敷物)については、アーリーハーベスト品目は無く、めん羊産業

を守る意図があるものと考えられる。また第 53 類(その他の植物性紡織用繊維及びその織

物並びに紙糸及びその織物)についても、アーリーハーベスト品目が全く無く、自由化率

も0%である。「その他の植物性紡織用繊維」とは亜麻、大麻、ジュート等のことである。

第 52 類の綿及び綿織物でアーリーハーベストが設定されているのと対照的である。

・第 12 部(履物・帽子・傘等)

アーリーハーベストの割合は 4.4%と低い。また MFN 関税0の品目は無く、自由化率は

Page 25: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

64

4.4%である。

・第 13 部(土石製品)

アーリーハーベストの割合は 3.2%と低い。また MFN 関税0の品目の割合は 1.1%で、

自由化率は 4.3%となる。

・第 14 部(真珠・貴石等)

アーリーハーベストは全く設定されていないが、MFN 関税0の品目の割合は 46.5%で、

もともと自由化が進んでいた分野である。

・第 15 部(卑金属およびその製品)

アーリーハーベストの比率は 8.3%で、MFN 関税0の品目の比率は 3.5%である。自由化

率は 11.7%となる。

・第 16 部(一般機械、電気機械)

アーリーハーベスト品目の比率は 9.4%である。台湾側のアーリーハーベスト品目の比率

も 6.8%と全品目平均の 3.0%と比べて高く、お互いに開放した分野と言える。部品供給網

が国境を越えて広がっていることを反映しているものと考えられる。

・第 17 部(輸送用機械)

第 87 類(鉄道以外の車両及びその部品。主に自動車産業。)はアーリーハーベスト品目

の比率が高く、台湾側も同様である。

・第 18 部(光学機械、精密機械等)

アーリーハーベストの比率は 1.8%と低い。MFN 関税0の品目の比率は 10.9%で、自由

化率は 12.7%となる。

・第 19 部(武器)

アーリーハーベストは皆無で、MFN 関税0の品目も全く無い。自由化率は0%である。

・第 20 部(雑品)及び第 21 部(こっとう)

第 20 部のアーリーハーベストの比率は 1.7%であるが、MFN 関税が0の品目の比率は

34.4%と平均よりも高いため、自由化率は 36.1%と平均よりも高くなる。第21部も同様で、

アーリーハーベストは全く設定されていないが、MFN 関税0の品目比率が 56.3%と高いた

め、自由化率は 56.3%と高くなっている。

Page 26: (6)ペルーとの FTA - maff.go.jp...44 ・第3部(動植物油脂類) MFN 関税0の品目は全く無く、非自由化傾向の強い品目群である。中ペルーFTA

65

②全体的な特徴

中国側の、MFN 関税がかけられている品目数に対するアーリーハーベスト品目数の比率

は 7.3%で、台湾側よりも高く、品目数 536 品目(HS8 桁)も台湾側よりかなり多い。た

だし、自由化率では、中国側の自由化率(16.5%)は台湾側(33.1%)の半分程度である。

また、アーリーハーベストだけを見ると、台湾側に比べて中国側の方が農業・食料部門

をより多く自由化しているが、自由化率を見ると、第1部を除き、中国の方が農業・食料

を守る姿勢が強い。中国は都市と農村の格差の是正、農民所得の向上のため、「龍頭企業」

育成政策をとっている。農産物の加工・流通等に携わる「龍頭企業」を育成することで、

農村部の農産物需要を引き上げ、農民の所得を向上させるという戦略である。第4部の食

料調製品等の自由化率が 0.3%と低いのは、調製品を通して実質的な穀物輸入自由化につな

がることを避けるとともに、農産物加工・流通に携わる龍頭企業育成戦略ともかかわりが

あるのではないかと考えられる。

中国側のアーリーハーベスト設定の主要部門は、食料、農業及び関連産業(肥料、皮革、

羊毛、木材木製品)ではなく、機械工業にある。

4.各 FTA の比較

(1)自由化率の比較

中国の締結している FTA 等のうち8つの国・地域について、品目ベースの自由化率を比

較したのが次頁の表である。ACFTA、中チリ FTA、中 NZ・FTA、中ペルーFTA、中コス

タリカ FTA の各 FTA については、いずれも自由化率が 90%を超えているが、中香 CEPA、

中マカオ CEPA、ECFA については、自由化率は低い(それぞれ、31.5%、25.6%、16.5%。)。

農産品については、ACFTA、中チリ FTA、中 NZ・FTA、中ペルーFTA、中コスタリカ

FTA では自由化率が 85%を超えているが、中香 CEPA、中マカオ CEPA、ECFA では自由

化率は低い(それぞれ 25.8%、35.3%、9.4%)。ただし、中香 CEPA、中マカオ CEPA、

ECFA のうち、中マカオ CEPA で自由化率がやや高くなっている。各国・地域との FTA の

中では、中ペルーFTA、中コスタリカ FTA で自由化率がやや低い(それぞれ、87.5%、

86.0%。)。これは、両国との FTA の 終年限が、ペルーは 17 年、コスタリカは 15 年と長

いためで、 終年限までには関税撤廃率は 90%台に達する。

林産品については、総じて自由化率が低いことが特徴である。 も高いチリとの FTA で

も自由化率は 80.6%にとどまる。中香 CEPA、中マカオ CEPA、ECFA では、林産品は無

関税化リスト(またはアーリーハーベスト)に掲載されていない。

水産品については、ACFTA、中チリ FTA、中 NZ・FTA、中コスタリカ FTA では自由化

率 100%となっているのに対し、中ペルーFTA では自由化率 88.7%にとどまっている。他

方、中香 CEPA、中マカオ CEPA、ECFA のうち、中香 CEPA では水産品の自由化率が各