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審議結果報告書 平成24年11月29日 医薬食品局審査管理課 [販 名] セレキノン S、セノレックス S [一 名] トリメブチンマレイン酸塩 [申 者] 田辺三菱製薬株式会社 [申請年月日] 平成22年5月28日 [審 議 結 果] 平成24年10月17日開催された一般用医薬品部会において、下記の承認 条件を付した上で本品目を承認して差し支えないとされ、薬事・食品衛生審議 会薬事分科会に報告することとされた。 [承 認 条 件] 承認後、少なくとも3年間の安全性に関する製造販売後調査を実施すること。 注)当初、「セレキノン IBS」「セノレックス IBS」「アダプトコーワ IBS」の販売 名により申請されたが、一般用医薬品部会の審議において、販売名中の「IBSを見直す意見があったことを受けて、販売名が「セレキノン S」「セノレックス S」へと訂正された。また、「アダプトコーワ IBS」については、販売提携先との 契約が解消されたことにより、承認申請が取り下げられた。

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Page 1: IBS - 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構‚»レキノンIBS 、セノレックス IBS、アダプトコーワIBS トリメプチンマレイン酸塩 田辺三菱製薬株式会社

審議結果報告書

平成24年11月29日

医薬食品局審査管理課

[販 売 名] セレキノン S、セノレックス S

[一 般 名] トリメブチンマレイン酸塩

[申 請 者] 田辺三菱製薬株式会社

[申請年月日] 平成22年5月28日

[審 議 結 果]

平成24年10月17日開催された一般用医薬品部会において、下記の承認

条件を付した上で本品目を承認して差し支えないとされ、薬事・食品衛生審議

会薬事分科会に報告することとされた。

[承 認 条 件]

承認後、少なくとも3年間の安全性に関する製造販売後調査を実施すること。

注)当初、「セレキノン IBS」「セノレックス IBS」「アダプトコーワ IBS」の販売

名により申請されたが、一般用医薬品部会の審議において、販売名中の「IBS」

を見直す意見があったことを受けて、販売名が「セレキノン S」「セノレックス

S」へと訂正された。また、「アダプトコーワ IBS」については、販売提携先との

契約が解消されたことにより、承認申請が取り下げられた。

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審査報告書

平成24年 10月1日

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は、以下のとおりであ

る。

[販売名]

[一般名]

[申請者]

[申請年月日]

[剤形・含量]

[申請区分]

[特記事項]

[審査担当部]

セレキノン IBS、セノレックス IBS、アダプトコーワ IBS

トリメブチンマレイン酸塩

田辺三菱製薬株式会社

平成 22年 5月28日

1錠中にトリメブチンマレイン酸塩 100mgを含有する錠剤

一般用医薬品区分 (5) 一②

なし

一般薬等審査部

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[販売名]

[一般名]

[申請者]

〔申請年月日]

[剤形・含量]

[審査結果]

審査結果

平成 24年 10月 1日作成

セレキノン IBS、セノレックス IBS、アダプトコーワ IBS

トリメプチンマレイン酸塩

田辺三菱製薬株式会社

平成 22 年 5 月 28 日

1錠中にトリメブチンマレイン酸塩 100mgを含有する錠剤

医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目は、以下の効能・効果、用法・用量のもとで一

般用医薬品として承認して差し支えないと判断した。なお、以下の条件を付すことが適当であると判断

した。

[効能・効果] 過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部不快感を伴い、繰り返し又は交互

に現れる下痢及び便秘(以前に医師の診断・治療を受けた人に限る。)

[用法・用量] 次の量を食前又は食後に水又はお湯でかまずに服用してください。

成人 (15歳以上)、 1回 1錠、 1日3回

承認条件

承認後、少なくとも 3年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施すること。

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1.申請品目

[ 販売名 ]

[ 一般名 ]

[ 申請者 ]

[申請年月日]

[剤形・含量]

[申請時の効能・効果]

[申請時の用法・用量]

審査報告

セレキノン IBS

ストレックス IBS※

※適正使用の観点から、「セノレックス IBSJに変更。

アダプトコーワ IBS

トリメブチンマレイン酸塩

田辺三菱製薬株式会社

平成22年5月28日

平成24年 10月 1日

1錠中にトリメブチンマレイン酸塩 100mgを含有する錠剤

過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部膨満感を伴い、繰り返

し又は交互に現れる下痢及び便秘(以前に医師の診断・治療を受けた人に

限る。)

次の量を水またはお湯でかまずに服用してください。

成人 (15歳以上) 1回1錠 1日3回

15歳未満の小児服用しないでください

2.提出された資料の概略及び審査の概略

本申請において、申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構(以下、「機構 J) における審査

の概略は、以下のとおりである。なお、本剤については専門協議を実施し、当該専門委員は、本申請品

目についての専門委員からの申し出等に基づき、「医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に

関する達J(平成 20年 12月25日付、 20達第8号)の規定により、指名した。

イ.起原文は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料

本剤は、トリメブチンマレイン酸塩(以下、本薬)を有効成分とする医療用医薬品「セレキノン錠 100mgJ

と同一の製剤を新一般用効能医薬品として申請したものである。

本薬は、フランスの Jouveinal社にて開発された消化管運動機能調整薬であり、運動允進状態にある

腸管に対しては抑制的に働き、運動低下状態にある腸管に対しては克進作用を示すことが種々の非臨床

及び臨床試験で示されている。明確な作用機序は解明されていないが、消化管の交感神経に存在する μ

オピオイド受容体及び副交感神経のκオピオイド受容体の双方に作用することで上記の調律的な効果を

発現すると考えられている。フランスでは、「消化器科領域:悪心、幅吐、胃炎、胃・十二指腸潰蕩によ

る痔痛及び幅吐、消化不良、機能性結腸疾患、小児科領域:乳児、小児の幅吐、吐出、胃腸炎における

下痢の補助療法」の効能で 1970年に医療用医薬品(販売名: Debridat)として承認されている。現在

(2012年 9月時点)では、フランス、カナダ、韓国等 23カ国で販売されており、その内 13カ国で過

敏性腸症候群 (irritablebowel syndrome以下、 IBS)の効能が取得されている。

本邦では、田辺製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)が 1972年より開発を行い、 1984年に「慢

性胃炎における消化器症状(腹部痔痛、悪心、暖気、腹部膨満感 )Jの効能・効果に対し「トリメブチン

マレイン酸塩として、通常成人 1日量 300mgを3回に分けて経口投与する。年齢、症状により適宜増

減する。」の用法・用量で医療用医薬品セレキノン錠(現セレキノン錠 100mg)が承認され、 1986年に

セレキノン細粒(現セレキノン細粒 20%)が剤形追加された。その後、 1988年には「過敏性腸症候群」

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上記の臨床試験成績のうち、ト-1及びト-3からト-31は初回申請時に提出された試験について IBS

症例の情報を再解析したものであり、ト -2及びト-32からト -37はIBSの効能追加に際して新たに実施

された二重盲検比較試験、臨床薬理試験、一般臨床試験である。初回申請時の臨床試験において、慢性・

胃炎以外の種々の消化器疾患・症状に対する検討から、本薬が便通異常に対して有効性を示す可能性が

示唆されたため、 IBSを対象とした一般臨床試験、大腸運動に関する効果を検討する臨床薬理試験が実

施された。それらの結果を踏まえ、 IBSに対する効果を検証する二重盲検比較試験が実施されている。

臨床薬理試験においては、 IBS患者 13例を対象に本薬投与前後の大腸内圧曲線が測定され、それよ

り大腸運動係数が算出された。投与前の大腸運動係数が 220.1以上の 6例(大腸運動充進群)では本薬

の投与により大腸運動係数の減少(運動の抑制)が、同係数が 220以下の 7例(大腸運動非克進群)で

は大腸運動係数の増加(運動の充進)が観察されている。

ト-2の多施設共同二重盲検比較試験においては、本剤の IBSに対する有効性及び安全性を評価する目

的で総症例 397例が組み入れられ、本薬 300mgl日 (TM300)、600mgl日 (TM600)文は対照薬メペン

ゾラート臭化物 45mgl日 (MEP)の3群に割り付けられた。このうち、同一症例に誤って 2組分の投

薬がなされた 2例を除く 395例が解析対象例とされた。全般改善度については、中等度改善以上(註十

十)で TM600群 53%、TM300群 44%、MEP群49%、また、軽度改善以上(孟+)でそれぞれ 73%、

68%、71%の改善率で各群聞に有意な差はみられなかったとされている。

全般改善度(ト包)

全般改善度(例数) U-test χ2, Fisher-t est

+ + + × DP +++ ~++ ~+ ×

+ + (%) (%) (%) (%)

+ TM600 25 43 26 18 3 13 128

n.自.

す 書 7673 8 1 寸TM300 21 38 31 24 5 14 133 n.s. n.s. n.s. n.s. MEP 29 36 30 21 6 12 134 +++: ;著明改善 ++:中等度改善 + :i 陸度改善 一 不 変 x 悪化 DP:脱落 n.s.:有意義なし

また、投与終了時の便通異常あるいは消化器症状のそれぞれに対する症状別改善度及び総合改善度(便

通異常総合、消化器症状総合)が評価されている。便通異常においては、使の畳 (MEP>TM600) と

使の性状 (TM600>TM300)の項目において差がある傾向 (p<O.lO)であった。一方、消化器症状に

おいては、 j鹿鳴において TM600群が MEP群に有意に勝る結果 (U:p<0.05)であった。また、各群間

で差がある傾向 (p<O.lO)がみられた症状は、下腹部痛 (MEP>TM300)、腹部膨満・不快・緊張感・

胃のもたれ、食欲不振、腹鳴(いずれも TM600>TM300)であった。便通異常の各症状を総合的に評

価した使通異常総合では TM600群が TM300群に比して優る傾向 (Up<O.lO)であったが、消化探症

状総合では各群間に有意な差はみられなかった。以上の結果から、木薬は用量と作用との聞に相関性が

認められ、 1日300"-'600mgで臭化メペンゾラートと同等から同等以上の有用性があるものと考察され

ている。

安全性に関しては、ト2において副作用発現症例頻度が TM600群 9.5%(11/116例)、引 tI 300群 6.6%

(8/122例)、 MEP群 7.3%(9/124例)であった。二重盲検試験及び一般臨床試験の安全性解析対象総

例数 616例(脱落 26例を除外)中、副作用発現例数は 27例 (4.4%)であった。このうち、そのまま

投与を継続したもの 13例、投与を中止した例はいずれも特別な処置を要するものではなく、中止によ

り軽快もしくは消失するものであった。用量別の副作用発現症例率は、 300mgl日群 3.9%(16/406例)、

600mgl日群 5.2%(11/210例)であり、特に用畳間の差はみられなかったとされている。重篤な副作用

について、ト -2において 300mgl日群にふらふら感が 1例に認められ、投与中止により軽快した。また、

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600mg/日群に意識消失が 1例に認められ、因果関係は不明と判断された。なお、その他の臨床試験にお

いては、認められていないとされている。承認後の使用成績調査での安全性解析対象例 61,246例にお

ける副作用発現率は 0.32%(198/61,246例)であり、慢性胃炎を対象とした臨床試験も含めた承認時ま

での臨床試験における副作用発現症例率4.88%(74/ 1,515例)に比べて増加することはなかったとされ

ている。このうち重篤な副作用は 3 例、薬疹 (1 例)、そう摩・腹痛・肝機能異常 (1 例)、汎血球減少

症 (1例)であり、転帰はいずれも軽快あるいは回復であった。また、再審査期間終了から 2010年 3

月31日までの副作用の報告は 186件あり、そのうち重篤な副作用は 18件 14例であった。転帰は医師

の協力を得られず不明となった 1例を除きいず、れも軽快あるいは回復で、あった。

<審査の概略>

本剤の成人における過敏性腸症候群の効能・効果に対する有効性及び安全性は、医療用医薬品として

の再審査が終了しており、薬事法第 14条第2項第 3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断さ

れている。これを踏まえ、本剤を一般用医薬品として使用する際に留意すべき事項として以下の検討を

行った。

OIBSについて

IBSとは、腹痛と便通異常を主体とする消化器症状が持続するが、その原因としての通常臨床検査で

診断できる器質的疾患を同定し得ない機能的疾患であるという概念の症候群である。 1988年に Rome

で開催された国際消化器学会を契機として、IBSの診断基準を統一する目的でRomeI基準が提唱され、

1992年に発表された。 1999年に RomeII基準、 2006年に Romeill基準がそれぞれ改訂版として公表さ

れた。

本邦においては、 2006年に IBSの診断・治療ガイドラインとして「心身症診断・治療ガイドライン

2006J (以下、ガイドライン)が公表された。

ガイドラインによると、 IBSの診断は、腹痛・便通異常の患者について、警告症状・兆候と危険因子

の有無とその他の臨床検査を評価し、器質的疾患が除外されればRomeill基準に基づ、いて IBSを診断す

るとされている。

IBSのRo meill診断基準(ガイドライン)

・腹痛あるいは腰部不快感が

圃最近3ヶ月の中の 1ヶ月に少なくとも 3日以上占め

・下 記の 2項目以上の特徴を示す

1.排便によって改善する

2.排便頻度の変化で始まる

3.便形状(外観)の変化で始まる

*少なくとも診断の 6 ヶ月以上前に症状が出現し、最近 3 ヶ月聞は基準を満たす必要がある。

**腹部不快感とは、腹痛とはいえない不愉快な感覚を指す。病態生理研究や臨床研究では、腹痛あるいは腹部不

快感が 1週間につき少なくとも 2日以上を占める者が対象として望ましい。

一方、治療については、重症度に応じて第ーから第三段階に分けられており、第一段階では、優勢症

状に基づき、生活習慣の改善等を指導した上で、消化管に対する薬物で治療を行うこととされている。

4'""8週間の薬物療法の後、症状が奏効しない時には第二段階となり、ストレス・心理的異常の症状への

関与の有無を考慮し、関与が大きければ、病態に応じて抗うつ薬、抗不安薬を用いるとされている。そ

れでも改善しない場合は第三段階となり専門的な心理療法等を行う。以上のように、 IBS治療はいくつ

かの薬剤と心理療法等を組み合わせて行われているものの未だ検討段階であり、今後これらの治療法が

検証され、確立されると考えられる。

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IBSは、有病率がおおむね一般人口の 10""15%とされており、その発症にはストレス等の心理的要因

が関与し、死に至る疾病ではないものの qualityoflife(QOL)を低下させることから、現代の社会活動に

影響を及ぼす疾患になり得ると考える。

0有効性について

ガイドラインによると、本剤は第一段階に用いることが推奨されているものの、各段階の治療対象と

なる患者の定義や重症度の判定基準は明確にされていない。また、医療用医薬品の IBS効能追加時に提

出された多施設共同二重盲検比較試験(ト包)における被験者選択基準は、 iIBSと診断されたもの(次

の診断基準を参考にする)【診断基準】①腸管に器質病変がなく、腸管の運動機能あるいは分泌機能の異

常を示唆する所見がみられるもの。②1 ヶ月以上にわたる便通異常、腹痛等の症状から典型例又は典型

例に近いと診断されるもの(その他、病型、年齢、性等 )Jと設定されており、被験者の IBSの重症度

分布が不明確である。

機構は、一般用医薬品としての本剤の適正使用が達成されるには、 IBSにおける本剤の対象を明確に

することが重要と考えており、申請者に対し IBSの症状及びその程度等も踏まえて本剤の対象を規定し、

その対象における有効性を示すよう求めた。申請者は、卜-2の試験結果における投与開始時の IBSの重

症度(当時の医学的見識に基づき医師が判定)と便通異常(使の量、便の性状、排便回数、残便感、下

痢、便秘)及び消化器症状(下腹部痛、上腹部痛、腹部膨満感、腹部不快感、食欲不振、悪心・幅吐、

胸やけ、 i境、腹鳴)の程度の関連を解析した。その結果、ト -2の軽症例において、 50%以上有する症状

は、下痢、下腹部痛、腹部不快感であり、全ての便通異常及び消化器症状でごく軽度の割合が 50%を超

えていた。以上からト -2 の軽症例は軽度の便通異常を有し、下痢、便秘、下腹部痛、腹部不快感がごく

i限度と考えられると説明した。また、佐々木の 2006年の報告に IBSの重症度が定められていることを

示した(佐々木大輔 過敏性腸症候群の診断基準・病型分類・重症度、臨床に役立つ消化器疾患の診断

基準、病型分類、重症度の用い方, 2006, 164-9)。

IBSの重症度判定表(佐々木大輔 2006)

重症度過去 12ヶ月間 排便回数 プリストル使形状 腹痛

精神症状の有症状週数 下痢 便秘 下痢 便秘 腹部不快感

軽症 12~16 週未満 1~2 回/日 1 回/1~2 日 5-6 3-2 限度 軽症

~I:t等症 16~24 週未満 3回以上/日 1回/3日以上 6-7 2-1 中等度 中等症

重症 24週以上 3回以上/日 1回/3日以上 7 1 高度 重症

ト-2 の軽症例における排便回数、使の性状、腹痛及び腹部不快感の程度と上記の報告で佐々木が定義

した軽症の排便回数、プリストル使形状、腹痛及び腹部不快感の程度の比較から、ト -2 における軽症例

の症状及びその程度と佐々木の 2006年の報告における軽症のそれに大きな異同はなく、本剤の適応対

象となる使用者の症状とその程度を、以下のように定めると申請者は説明した。

-下痢の場合は 1""2回/日、便秘の場合は 1回/1""2日

-腹痛・腹部不快感は軽度

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また、申請者は、ト -2 における投与前重症度別の有効率と使用成績調査の軽症例における改善率(改

善以上 67.8%(6221918例))を示し、軽症の患者においても十分な有効性が認められていると説明し

た。

投与前重症度別の有効率(ト包)全般改善度 χ2, Fishedest

+ + U.test 著明改善中等度改

軽度改善薬剤 + + + × DP 計 善以上

+ ぐ%) (%) 以上(%)

τ'M 600 7 9 6 8 2 3 35 |12210 6 1 会 書τ'M 300 4 10 8 6 1 6 35 n.s. n.s. n.s. n.s.

MEP 10 8 9 7 1 4 39 τ'M 600 15 30 18 9 1 9 82 TM600>

芸 書 噂τ'M 300 14 23 21 17 4 6 85 TM300 n.s. n.s. n.s. MEP 17 28 19 12 4 7 87 +

τ'M 600 3 4 2 1 。 1 11

会 書 書TM300 3 5 2 1 。 2 13 n.s. n.s. n.s. n.s. MEP 2 。2 2 1 1 8

+++:著明改善 ++:中等度改善 +:軽度改善 一:不変 x 悪化 DP:脱落 + : p<0.10 nふ:有意差なし

不変似)

I ~ n.s.

ヰn.s.

書n.s.

機構は、 Jト・2における軽症例と佐々木の提案する軽症が IBSの主な消化器症状の点で類似していると

考えられることから、ト -2 における軽症例と想定される本剤の適応対象に大きな相違はないと判断した。

当該対象での有効性については、症例数が少ない事後の層別解析結果及び比較対象のない使用成績調査

の事後解析結果から客観的な有効性を評価することは困難であるが、上記の臨床試験(ト -2) 及び使用

成績調査の解析において、重症例の改善率が少し高いものの全症例における全般改善度と軽症例におけ

る全般改善度に同様の傾向が認められたこと及び 2011年の CochraneDatabase of Systematic

Reviewsにおいて、本薬は IBSの腹痛に対して有効性を示すと結論づけられていること (RuepertL et

al. Cochrane Datahase of,砂-s tematicRe四:ews2011, 8, Art. No.:CD003460) を踏まえ、特段の問題は

ないと判断した。なお、専門協議において、委員より IBSについて明確に validateされた重症度の基

準はないが、激しい下痢や繰り返す下痢の患者等を除外することは、他疾患の可能性の高い集団を除外

する意義として重要と考えるとの意見がなされた。機構は、ガイドライン及び委員の意見を踏まえると、

現時点では IBSと診断された患者で他疾患の可能性の高い集団を除外した上で本剤を使用することが

適当ではないかと考える。

0 安全性について

医療用医薬品の最新の添付文書では、本剤の重大な副作用について、肝機能障害、黄痘が情報提供さ

れている。肝機能障害は、成人における過敏性腸症候群の効能・効果追加承認時までの圏内臨床試験の

安全性解析対象総例数 1,515例中 1例 (0.07%)、使用成績調査の安全性解析対象例数61,246例中 6例

(0.01%) に認められたものである。黄痘は自発報告においてのみ認められたものであり、頻度不明と

されている。機構は、これらの副作用に気づかずに長期使用すると重篤化することがあるため、症状が

あらわれた場合には、直ちに服用を中止し、医師の診療を受ける必要があると考える。

また、その他の副作用としては、以下の情報が提供されている。

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その他の副作用(医療用医薬品セレキノン錠 100mg添付文書)

0.1 %未満消化器 便秘、下痢、腹鳴、口渇、口内しびれ感、悪心、幅吐循環器 心停充進精神神経系 眠気、めまい、倦怠感、頭痛過敏症 発疹、尊麻疹、そう涼感泌尿器 排尿障害、尿閉

本剤を一般用医薬品として使用した際にこれらの副作用が発現した場合には、医学薬学的に適切な対

応を実施する必要があることから、基本的に直ちに使用を中止して医師文は薬剤師に相談するよう注意

喚起する必要があると考える。

ガイドラインにおける IBS治療の第一段階の薬物治療は 4""8週間と記述されているため、本剤は長

期に投与される可能性がある。長期の安全性については、慢性胃炎、過敏性腸症候群に対する使用をま

とめた医療用医薬品の使用成績調査における投与期間別の副作用発現状況が示され、投与期間 7日未満、

7"" 14日未満、 14""21日未満、 21""31日未満、 31""61日未満、 61""181日未満の副作用発現率はそれ

ぞれ、 2.77%(92/3,316例)、 0.32%(3119,504例)、 0.27% (32/11 ,675 例)、 0.14% (16/11 ,272 例)、

0.13% (16/11 ,856 例)、 0.08% (9/10 ,057 例)であり、長期投与しても副作用発現率は上昇していない。

また、投与期間の判明している症例のうち、半年以上の長期投与例 (2,491例)では副作用が認められ

ていない。

以との本剤の安全性に関する情報から、機構は、本剤を一般用医薬品として使用することについて特

段の問題はないと判断した。

0現在の過敏性腸症候群の治療における本剤の位置付けについて

機構は、本剤を IBSの現行医療の一部としてかっ一般用医薬品として用いるには、販売に際して薬剤

師による患者状態の把握、本剤の治療対象となるか否かの確認、継続服用の場合は服用後の有効性及び

安全性の確認が必要であると考える。それにより、他の疾患(大腸癌、炎症性腸疾患等の器質的疾患等)

が疑われる場合、あるいは本剤を使用しても効果が得られない場合等は、薬剤師が当該患者に対して医

療機関への早期受診を促すべきである。一方、本剤の対象となり得る場合には、薬剤師が薬学的観点か

ら継続的な管理・指導を行うだけでなく、 IBSの発症に影響する食事や生活習慣、さらにはストレス等

に対するケアも含めた包括的な関与が望まれる。以上を踏まえると、薬剤師に対して IBS及び木剤の適

切な情報を提供していくことに加えて、本剤の対象であることを簡便に確認する手段が必要と考え、チ

ェツクシートを整備した。 IBSは、大腸癌、炎症性腸疾患等の器質的疾患が除外されていることを前

提に診断がなされることから、チェツクシートでは、 IBS以外の他疾患(大腸癌、炎症性腸疾患等の器

質的疾患等)に本剤が投与されないように、まず IBSの再発であることの確認を行う。次いで使用上の

注意の「してはいけないことJに記載されている服用すべきではない人に該当しないことの確認、さら

に同「相談することJに示された状態等に該当するかの確認を行い、本剤の対象者を選択する。これら

のチェック項目にはガイドラインで示されている器質的疾,患を示唆する警告症状や危険因子が含まれて

おり、器質的疾患が疑われる患者を本剤の対象から除外して医療機関に受診勧奨する仕組みとした。専

門協議において、チェツクシートについて議論された結果、委員より他疾患の可能性の高い集団を除外

することは可能と考えると意見された。なお、本剤の製造販売後調査において、通常求められる調査に

加え、使用状況に関する情報を収集して、適正に使用されていることを確認することが必要と考える。

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チェツクシート(資料概要)

口以前に医師から過敏性腸症候群で診断・治療を受けたことがある。 l →

↓「はい」

口過敏性腸症候群の再発かどうかわからない。(たとえば、今回の症 l →状は、以前に過敏性腸症候群の診断・治療を受けた時と違う。)

口就寝中などの夜間にも、排便のためにトイレに行きたくなったり、

腹痛がある。

口発熱がある。

口関節痛がある。

白血の混じった粘血便、下血がある。

口繰り返すひどい下痢がある。 (3回/日が 1週間以上続く)

口急性の激しい下痢がある。

口排便によってよくならない腹痛がある。

口幅吐がある。口最近6ヶ月以内に、予期せぬ 3kg以上の体重減少がある。

口大腸がん・炎症性腸疾患(クローン病、潰湯性大腸炎など)の既

往がある。

口本剤の成分に対してアレルギー症状を起こしたことがある。

口15歳未満である。

↓全て「いいえ」

診断・治療を受けたこ

とがない方は医療機関

を受診ください

ひとつでも「はい」に

該当する方は服用でき

ません。医療機関を受診ください。

口現在、何らかの病気で医師の治療を受けている。

口妊娠している。又は妊娠している可能性がある。

口授乳中である。

→ ひとつでも「はい」に

口50歳以上である。

口貧血がある。日本人又は家族がアレルギ一体質である。

口過去に、薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある。

口肝臓病、糖尿病、甲状腺機能障害、副甲状腺機能允進症の診断を

受けた。

口大腸がん・炎症性腸疾患の家族がいる。

口腹痛がひどい。(我慢できない程度)

口便秘がひどい。 (1 週間に 2 回以下)

↓全て「いいえ」

服用できます

。効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案)及びその設定根拠

効能・効果について

該当する方は、服用前

に医師又は薬剤師にご

相談ください

本剤に設定された効能・効果は、「過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部膨満感を伴い、

繰り返し又は交互に現れる下痢及び便秘(以前に医師の診断・治療を受けた人に限る。 )Jとしている。

申請者は、 IBSを一般用医薬品の治療対象にする妥当性及び以前に医師の診断・治療を受けた人に限る

とした理由について、 IBSの診断・治療は器質的異常でないことの確認等、医学的判断が必要であると

考えられ、一方、 IBSは重篤ではなく、再燃寛解を繰り返す疾患であり、症状が腹痛、便通異常である

ことから IBSと過去に診断された者にとって、再発した場合の症状は自己判断可能であると考え、一般

用医薬品としての効能・効果は過去に医師の診断を受けた方に限定することにしたとしている。

ガイドラインによると、 IBSは、腹痛と便通異常を主体とした消化器症状が持続し、その重症度分布

は軽症 70%、中等症 25%、重症 5%とされている。便通異常の型として糞便の形状から便秘型、下痢

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型、混合型、分類不能型に分類されており、 IBS患者では経過中に便秘が優勢な時期と下痢の優勢な時

期が交代する症例が多いとされている。一方、 IBSの予後については、次のような報告がある。長期間

追跡すると 2-----18%は悪化するが 30-----50%は症状不変であり、残りは改善文は消失に至る。診断後に他

の器質性疾患が出現するのは 5%未満である (El-SeragH.B. et al. A丘mentPharmacolTher2004, 19 ,

861・870)。また、 2007年に Spillerらは、 IBSは長期に重篤な疾患に進展することと関連はないようだ

と報告している (Spilleret al. Gut 2007, 56, 1770・98)。機構は、 RomellI基準で、は「腹部不快感」が IBS症状のーっとされていることから、「腹部膨満感」と

「腹部不快感」のどちらが本剤の効能・効果としてより適切か専門協議において議論した。委員より IBS

は様々な消化器症状を呈することから、 RomellI基準を踏まえて、それらを内包する「腹部不快感」が

適当との意見がなされた。

以上より機構は、 IBSの再発であれば、悪化するリスク、器質性疾患が出現するリスクは低く、一般

用医薬品の治療の対象になり得ると考える。 IBSの診断には、器質病変の存在など、他の疾患の除外が

必要であり、医師による初回診療が必要と考え、一般用医薬品として IBSの再発の治療に用いること及

び上記の「腹部膨満感Jから「腹部不快感」に変更した疾患に特徴的な症状を記載した効能・効果につ

いて特段の問題はないと判断した。

用法・用量について

木剤の用法・用量は、 1錠中に本薬 100mgを含有する錠剤について「次の最を水またはお湯でかまず

に服用してください。成人 (15成以上)、 1回1錠、 1日3回 15歳未満の小児 服用しないでくださ

い」と設定している。医療用医薬品では 1日量 600mgまでの投与が認められているが、一般用医薬品

とするに際し 1日量 300mgに限定することについて、申請者は、医療用承認時の臨床試験における 1

日量 300mgと600mgの改善率及び副作用発現率を比較し、1日量 300mgで有効性が認められること、

安全性について特に問題ないことからその妥当性を説明している。

医療用医薬品承認時の臨床試験における用量別の改善率

試験名改善率的)

1日量 300mg 1日量 600mg臭化プチルスコポフミンとの多施設一重盲検比較試験(ト・ 1) 55.2% (16/29 伊11) 一一一一一一一一臭化メペンゾフートとの多施設一重富検比較試験(ト・ 2) 44 .4% (59/133 例) 53.1% (68/128 例)

一般臨床試験*1) 60.2% (154/256 例) 68.1% (64/94 例)

*1) : 35の一般臨床試験の集計

*2) :改善率=: (著明改善+中等度改善)/解析対象症例 x100 5段階評価(著明改善、中等度改普、経度改善、不変(不明)、悪化)

医療用医薬品承認時の臨床試験における用量別の副作用発現率

試験名副作用発現率

1日量 300mg 1日量600mg臭化ブチルスコポフミンとの多施設一重盲検比較試験(ト・ 1) 11.1% (3/27 例) 一一一一一一一一

臭化メペンゾラートとの多施設一重盲検比鮫試験(卜包) 6.6% (8/122 例) 9.5% (11/116 例)

一般臨床試験的) 1. 9% (5/257 例) 0% (0/94 例)

*1) : 35の一般臨床試験の集計

機構は、一般用医薬品としてのリスクを最小限に抑える観点から有効性及び安全性を踏まえ、低用量

のみで差し支えないと判断した。なお、服用時期を明確にする観点から、「食前又は食後」を追加し、木

剤の対象外となる 15歳未満に関する記載は不要なため削除した。

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使用上の注意について

「使用上の注意」は医療用医薬品の使用上の注意に基づき設定された。なお、平成 23年 10月 14日

に薬食安発 1014第 4号・薬食審査発 1014第 5号「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意」

が発出され、本通知に従って記載が整備された。機構は、本剤の使用上の注意について、前述した検討

結果を踏まえ、適正使用の観点から以下のように整備することが必要と判断した。

使用上の注意(下線部は申請時からの変更箇所)

|してはいけないこと|

(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)

1. 次の人は服用しないでください。(1) 医師から過敏性腸症候群の診断を受けたことがない人。(2) 過敏性腸症候群の再発かどうかよくわからない人(たとえば、今回の症状は、以前に過敏性腸症候群の診断・

治療を受けた時と違う)。

(3) 就寝中などの夜間にも、排便のためにトイレに行きたくなったり、腹痛がある人。(4) 発熱がある人。(5) 関節痛がある人。(6) 粘血便(下血)がある人。(7) 繰り返すひどい下痢がある人。

(8) 急性の激しい下痢がある人。(9) 排便によってよくならない腹痛がある人。

(10) 幅吐がある人。

(11) 6ヶ月以内に、体重が 3kg以上、予期せず減少した人。(12) 大腸がん・炎症性腸疾患(クローン病、潰傷性大腸炎等)の既往がある人。

(13) 本剤又は本剤の成分により対して、アレルギー症状を起こしたことがある人。

(14) 15才未満の小児。

2. 長期連用しないでください。

|相談すること|

1.次の人は服用前に医師文は薬剤師に相談してください。

(1) 医師の治療を受けている人。(2) 妊婦又は妊娠していると思われる人。(3) 授乳中の人。

(4) 50才以上の人。(5) 貧血がある人。

~ 本人又は家族がアレルギ休質の人

(6) 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人。(7) 次の診断を受けた人。 肝臓病、糖尿病、甲状腺機能障害、副甲状腺機能允進症

{gf 尖揚がん・炎症性腸疾患(4z.ロ ~病‘潰蕩性尖腸炎等~既往があるム(8) 大腸がん・炎症性腸疾患の家族がいる人。(9) 腹痛、便秘がひどい人。

2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この添付文書を持って医師

文は薬剤師に相談してください。

{り服用後‘決@症扶がおらお為た場会

関係部位 症状

皮膚 発疹、発赤「かゆみ、じんましん

消化器 便秘、下痢、おなかが接鳴る、口のかわき、口内しびれ感、吐き気悪ゐ、幅吐

精神神経系 眠気、めまい、倦怠感、頭痛

その他 動停、排尿困難、尿閉

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まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は車ちに医師の診療を受けてください。1 症状の名称 |症状

肝機能陣容 |発熱、かゆみ、発疹全身勺だささ、黄痘(皮膚や白目が黄色くなる)、通皇星ュー全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。

「ワ¥ C):闘且 Hlウ日日閉 1・r iI. f主枠占f ト〆れ乙庁、司lrt怠.,.,~二'l.oi:..y,作 1 、+且ÄI.+ 日日岡大..r:b,l- l ""'m 視芸品十廿守主をえ,挽_7"医主席胃て 7

1キ吉宮淘l向百戸士同雪氏『 庁、き晶画壁土,遅~I斗・・r ,.. +~-'<1 、

3. 1週間服用しても症状がよくならない場合文は症状の改善がみられても 2週間を超えて服用する場合は、この添付文書を持って医師文は薬剤師に相談してください。ただし、 2週間を超えて服用する場合は最大4週間までにしてくださ

下痢や便秘、腹痛等を起こす IBSと鑑別すべき疾患(大腸癌、炎症性腸疾患等の器質的疾患、腸管感染症等)に誤って本剤が使用されないように、「してはいけないこと」の項に、上記の通り追加設定した。相談することの項においては、一般使用者の判断のみで使用することが不適当な疾患や症状(貧血がある人、糖尿病、甲状腺機能障害、副甲状腺機能冗進症、腹痛、便秘がひどい人)について、追加設定した。機構は、販売時に、これらに該当する患者に対して具体的な状態を確認することで、少なくとも本剤の投与対象となり得るかどうか、また、医師の診察・診療を受けるべき対象者かどうかを判別する最低限の情報は得られるものと考える。また、本剤の有効性は投与 2週間後の臨床試験結果(ト -2)に基づき示されているが、症状別改善度を軽度改善以上で比較すると 1週間後と 2週間後での差が見られないことから、少なくとも投与 1週間で効果が現れると考える。長期に亘り漫然と使用されることが無いよう、投与開始後 1週間及び2週間の時点で使用継続の判断を促すよう注意喚起することが必要と考える。なお、適正使用の観点から、 2週間以上服用する場合は、使用者が必ず専門家に相談するよう、包装単位は 2週間以内の容量とした。専門協議において、 2週間を超えて服用する場合の服用期間について、 4週間の継続服用で満足な改善がみられない場合は他の疾患の可能性も否定できないことから医師の診断が必要ではないかとの意見が委員よりなされた。機構は、上記の意見及び 4 週間の継続服用で満足な改善がみられない場合は治療ガイドラインの第二段階に該当すると考えられることから、 2週間以上の服用が専門家に妥当と判断された場合においても、継続服用は最大 4週間が適当であると判断し、使用上の注意に上記の記載を追加した。

3.総合評価

以上の検討を行った結果、機構は本剤を一般用医薬品として、以下の効能・効果、用法・用量におい

て承認して差し支えないと判断した。なお、以下の承認条件を付すことが適当であると判断した。

[効能・効果] 過敏性腸症候群の次の諸症状の緩和:腹痛又は腹部不快感を伴い、繰り返し又は交互

に現れる下痢及び便秘(以前に医師の診断・治療を受けた人に限る。)

[用法・用量] 次の量を食前文は食後に水又はお湯でかまずに服用してください。

成人 (15歳以上)、 1回 1錠、 1日3回

承認条件

承認後、少なくとも 3 年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施すること。

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