~玉川上水季節便り~ 玉川上水ウォッチングクラブ観察日記...
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~玉川上水季節便り~
玉川上水ウォッチングクラブ観察日記2017 年 5 月 27 日
〈センダン〉センダンは荒々しい雑木林の中で貴婦人のように幹はスラ
リと伸び、花は白と薄紫です。日本原産の樹では珍しい葉のつき方です。
残念ながら、この日花は地面に散っていましたが、花は甘く香りました。
〈オニノヤガラ〉オニノヤガラは「神出鬼没」でどこにいつ出るのかわ
からないので、すっかり忘れていました。スラリと伸びた 1m 程のア
スパラガスのような姿に出会いました。3日後に花が咲きました。
葉緑素のない腐生植物。ナラタケの菌糸と共生(ナラタケがないと
生きられません)。葉は退化して節になっています。花は黄褐色を帯び、
総状(ふさのような形)に多くついています。またいつか会える玉川
上水でありますようにと願います。(山)
「小金井玉川上水の自然を守る会」発足 今年 2 月に発足した「小金井玉川上水の自然を守る会(略称:こだ
ま 代表:江田一豊氏)」は、小金井地域の玉川上水(茜屋橋から梶野
橋まで。ただし茜屋橋から小金井橋までの左岸は小平市で、梶野橋より上
流 130m の左岸は武蔵野市)の自然を生物多様性を大切にして守って
いくために活動を始めました。小金井市域の玉川上水では、名勝・小
金井桜の復活のために、桜以外の “ 雑木 ” を皆伐していることが問題
になっています。「こだま」は、桜とその他の樹木が共存できるよう
な玉川上水の管理の仕方を求めています。
問題は、平成 21(2009)年 8 月に、玉川上水を管理する東京都水
道局が、「史跡玉川上水整備活用計画」を発表したことから始まりま
した。整備活用計画の 2 本柱として、樹木伐採などによる玉川上水の
法面保護と、名勝小金井桜の並木の保存が掲げられました。
まず平成 22(2010)年~ 24(2012)年度に新小金井橋~関野橋
発行日:2017 年7月2日 題字:石渡希和子発行人:みどりのつながり市民会議 https://midoritsunagari.wordpress.com/問合せ先:電話 042-341-3991 メール [email protected]
4号
4 1
「玉川上水保全署名」集めの 次回以降の予定(雨天中止)
7/23(日)11 時~ 12 時8/6(日)10 時~ 11 時8/27(日)11 時~ 12 時
場所:東鷹の橋周辺(小平中央公園南西入口)
※署名用紙ご希望の方は、問合せ先にご連絡ください。
オニノヤガラ
玉川上水に関する展示・講演会が続きます 未来遺産登録を受け、更に日本遺産登録に向けて
昨年 12 月に玉川上水ネットの「玉川上水・分水網の保全・活用」
が日本ユネスコ協会連盟のプロジェクト未来遺産に登録されました。
これに前後して同様のテーマの展示会・講演会が開催されています。
☆ 2016 年 10 月「水と緑の回廊・玉川上水と分水網」展示講演会
東京都庁都政ギャラリーにおいて、中央大学の他4つの大学と玉川上
水ネット他による展示会、講演会が催されました。
☆ 2017 年 5 月「玉川上水 ・ 分水網の保全再生をめざして」展示講演会
玉川上水ネット未来遺産プロジェクト推進委員会主催、水循環都市東
京シンポジウム実行委員会他共催により、玉川上水に自然水を試験通
水する、玉川上水の日本遺産登録を目指すなどが語られました。
【今後予定されているシンポ、展示会】 ☆2017年 8月 19日「多摩から江戸東京をつなぐ水循環都市の保全再生シンポジウム」(江戸東京博物館)
☆ 2017年秋「玉川上水と分水網の保全活用」(新宿中央公園内エコギャラリー新宿)
これら展示会には「みどりのつながり市民会議」の他、小平市内
の5団体を含む福生から新宿までの全 23 団体が加盟する「玉川上水
ネット」が参加しています。
私たちの大切な玉川上水・分水網を将来にわたって持続的に保全
活用することを目指しています。(松)
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間の約 640m をモデル区間として、“ 雑木 ” を伐採し、桜が植えられ
ました。平成 22 年度の試験的整備区間 150m は、既存樹木がほぼ皆
伐され、桜の幼木が植えられました。その後、玉川上水ネットなどの
要望を受け、桜への日照を遮らない位置にある樹木はなるべく残して、
桜を植えることになりました。
しかし、平成 26(2014)年度から始まった関野橋~梶野橋間
400m の整備では、再び既存樹木を皆伐して桜が植えられるようにな
り、小金井市民からも反対の声が上がり始めました。平成 28(2016)
年 8 月には、「小金井桜だけでなく、他の樹木や生き物も大切に」す
ることを求める陳情が、9 月の小金井市議会で趣旨採択されました。
樹木が皆伐されてしまったことで、近隣住民からは、自動車の排ガ
スや騒音の被害をもろに受けるようになった、土ぼこりがひどくなっ
た、暑くなった、などの声が上がっているそうです。桜だけではなく、
多様性を楽しめる玉川上水が求められています。(水)
写真:関野橋から下流の皆伐の様子(平成 28 年 2 月加藤嘉六氏撮影)