ictを活用したプロジェクト型英語授業 ―立命館大学での実践から—
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ICTを活用したプロジェクト型英語授業
—―立命館大学での実践から—―
木村 修平立命館大学生命科学部生命情報科学 准教授
[email protected] / Twitter : @syuhei
@第10回静岡大学教養英語講演会~アクティブラーニングの実践~2015年6月12日(金)
ご注意•本講演で述べるのはすべて木村個人の主観的かつ体験的な参考意見であ
り、所属組織を代表した見解ではございません
•具体的な企業名やハードウェア、ソフトウェア、サービスなどの名前が頻
繁に登場しますが、木村が特定の企業とアフィリエイト契約を結んでい
るなどのセールス目的は一切ございません
•製品やサービスのご購入、ご契約、ご利用に際しては皆さんご自身のご判
断と責任でお願い申し上げます
講師について•木村 修平 / Syuhei KIMURA
•1977年 京都市山科区 出身•立命館大学 生命科学部 生命情報学科 准教授•高等英語教育におけるICT(情報通信技術)の利活用•米国ミシガン州立大学 社会科学部 卒業•立命館大学大学院 言語教育情報研究科 修了•慶應義塾大学SFC 研究生(村井研究室)•複数回の転職を経て現職。英語とICTに救われてきた人生を送る•Twitter:@syuhei
プロジェクト発信型英語プログラムとは• Project-based English Program (PEP)
• 学生の興味・関心に基づいて学期ごとにプロジェクトを起ちあげ、種々のアカデミック・フォーマットで成果を発表
• 2008年度より、立命館大学生命科学部・薬学部で導入
• 2010年度より、同スポーツ健康科学部で導入
• 2016年度より、同総合心理学部で導入予定
• 詳しくは→ PEP-RG.JP
PEPの特徴• 事実上のBYOD体制
• BYOD: Bring Your Own Device
• 学生は自分の情報端末を授業に持ち込み、リサーチや成果発表で活用
• Wi-Fiで学内ネットワークに接続
• オンライン・リソースの利活用
• LMSや図書館データベースなど、大学が提供するリソース
• その他、ネット上の様々なリソースの活用を推奨
PEPの授業風景
グループ活動(↑)と成果発表(↓→)
花盛りのEDTECH系サービス
MILLENNIAL世代のICTスキルの実態• Millennial Generation = Digital Native = Digitally Fluent ?
• 日本の13~15歳(≒中学生)は7割がデスクトップもノートパソコンも所持していない(内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 2013年度」)
• コンピュータースキルの国際比較で日本の15歳の自己評定スコアは45カ国中45位(PISA2009)
TWITTERより
https://twitter.com/hibikiswitch/status/604048183837130753
スマホやタブレットの知的生産性• 教育現場に積極的に導入されているが使い勝手は大きく違う
• 参考:タブレット端末は教師にとって有用な教具か―プロジェクト型大学英語クラスでの実践を通じて―(京都大学高等教育研究開発推進センター内)
スマホ タブレット ノートパソコン
携帯性 ◎ ◎ △~◯
処理速度 △ △~◯ ◯~◎
マルチタスク △ △ ◎
閲覧性 △~◯ ◎ ◎
文字入力 △ △~◎ ◎
大学でのBYOD先行事例
九州大学(2013年度より)
(ITmediaより転載)
大学でのBYOD先行事例
ミシガン州立大学
(The State Newsより転載)
授業とICTを有機的に関連づける
• ネット接続の確保 → WiFi
• 情報の収集 → Web検索
• 文字入力 → タイピング
• ペーパー → ワープロソフト
• グラフの作成 → 表計算
• プレゼン → 発表ソフト
• 図表作成 → 画像編集
• データの保存 → クラウド・ストレージ
• 動画による成果発表(3回生)
• その他もろもろ
身近な大人(=教員)がICTを使わないと学生は使わない• 教員が仕事のインフラとして使う
• PEPでGoogle Appsを導入
• 会議の議事録、学年暦、発表動画の保存先をクラウド化
• 教材の一部をサイトで公開(PEP英語学習ナビ)
• 具体的な情報の提供と共有
• デバイス:新入生のためのノートパソコン購入ガイドを毎年度提供
• ソフトウェアやサービス:便利なアプリやサービスは教員がまず共有
次なる課題• 教科書の全面電子化&オープン化
• 英語の教科書にお金を払うビジネスモデルへの疑問
• リフレクションのためのデータ提供(プレゼン動画など)
• クラウドストレージを活用
• 評価の電子化と可視化
• 個人の学習履歴や能力が検索される時代に備えて
• 「プロジェクトで遊ぶ」という発想へのバージョンアップ
• 学生も教員も