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日本商工会議所社会保障専門委員会 東京商工会議所社会保障委員会 早稲田大学教授 小尾敏夫 2013年7月30日 1 超高齢社会におけるICT活用について

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日本商工会議所社会保障専門委員会東京商工会議所社会保障委員会

早稲田大学教授

小尾敏夫

2013年7月30日

1

超高齢社会におけるICT活用について

Page 2: 超高齢社会におけるICT活用について - jcci.or.jp · • 専門は電子政府、ict高齢社会、ict政策 • 国連開発計画の企画担当官、コロンビア大学主任研究員、労

• 専門は電子政府、ICT高齢社会、ICT政策• 国連開発計画の企画担当官、コロンビア大学主任研究員、労

働大臣秘書官、などを経て現在に至る。IT戦略本部評価専門調査会及び電子政府評価委員会委員、内閣府競争入札等監理委員会委員、国連MDG専門家グループ・メンバー、自民党総合政策研究所座長も歴任。

• 現在は早稲田大学電子政府・ 自治体研究所所長、APEC電子政府研究センター長、総務省電子政府推進員協議会会長、国連ITU事務総長特別代表、国際CIO学会世界会長、OECD・APEC高齢社会ICTプロジェクト委員長

• 出版は 「日米官僚摩擦」「NTT最後の選択」(共に講談社)「シルバーICT革命が超高齢社会を救う」(毎日新聞社)など多数

• 北京大学 (中国)、ジョージワシントン大学(米国)、エセックス大学(英国)、サンクトペトロブルグ国立大学(ロシア)、タマサート大学(タイ)の各客員教授・研究員を務める。

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小尾敏夫早稲田大学教授(早大博士、慶大学士、修士)

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• 総務省ICT成長戦略会議委員

• 総務省ICT超高齢社会構想会議座長代理

• 社会調査(東京都、広島市、市川市、横須賀市、佐賀県、茨城県、山梨県、他)

• 人材育成-早稲田大学「超高齢社会と情報社会の融合」講座2011年度~ 毎回300名受講生

• 学会研究活動-国際CIO学会会長

シルバーエコノミー分野の国内での研究調査活動

3出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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OECDOECDAPECAPEC

ITU

国連専門機関

ITU

国連専門機関

国連経済社会理事会

国連経済社会理事会

世界経済フォーラム(WEF)

世界経済フォーラム(WEF)

中国・韓国政府

中国・韓国政府

ASEANASEAN

国際CIO

学会

国際CIO

学会

UNESCOUNESCO

EU/欧州高齢者協会

EU/欧州高齢者協会

シルバー・エコノミー・プロジェクト共同議長(2011~)事例実証研究

APEC基金「ICT高齢社会応用プロジェクト」共同委員長(2012~)14か国参加

事務総長アカデミア連携特別代表(2011~)世界50大学参加

MDG生活弱者支援専門家会議委員(2012~)専門家グループ20名

未来政府カウンシル委員(高齢社会での政府の役割)(2010~)委員15名

-中国政府国務院参事室-韓国大統領府未来企画委員会日中韓高齢社会対策会議共同議長(2012~)※第1回会議を北京で実施

-シンガポール政府情報通信庁「日ASEAN高齢社会ICTアプリケーション」共同研究委員長(2011~)-タイ政府情報通信省「高齢社会での電子政府の役割」共同研究委員長(2012~)-インドネシア・バンドン工科大学「デジタル・スマート・シティ」共同研究委員長(2011~)

“シルバー・イノベーション”研究会長、世界14大学参加

大学防災教育プロジェクト委員長(2004~)※災害被害者の7割高齢者

定期相互交流(2009~)-イタリア・ボッコニー大学日伊「e-ヘルス」共同研究委員長(2011~)

世界最大のネットワーク

国際共同プロジェクト提携先

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ICT超高齢社会-日本の成功事例を世界モデルに日本発Global Network形成

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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OECD=APEC=早稲田大学国際会議「超高齢社会と情報社会の融合」

会議の成果-早稲田声明1. 日本の防災技術,介護ロボット活用,e-ヘルス等分野のベスト・プラク

ティス事例の世界発信をすべき2. “情報社会と高齢社会の融合”にはICTアプリケーションのユニバーサ

ル・デザイン/国際標準を推進すべき3. OECD,APEC等国際機関がこの分野で重複や不整合を避け,共同して

グローバル展開,連携調和を積極的にすべき4. 2020年に世界がどんな未来社会になるかをシミュレーション策定し,そ

の対策を構築すべき5. 多様な融合社会への産官学連携,PPPモデルの拡充への施策すべき6. 政府規制の撤廃によるバリアフリー社会の建設をスピーディに推進すべ

■日時:2012年9月12(水)13(木)14日(金)■場所:早稲田大学井深国際会議場■概要:超高齢社会と情報社会の融合に関するダイナミックなパラダイムシフトが起きつつある.すでに超高齢社会に突入した日本社会を中心モデルに21世紀最大の地球規模的課題を解決すべく世界の専門家が一堂に会し,発表,討論,提言を行う世界で最初の国際的な舞台.■後援:総務省,経済産業省,外務省,厚生労働省,経済同友会,経団連,日本商工会議所,電気通信協会,日本情報システム・ユーザー協会,情報サービス産業協会,情報通信ネットワーク産業協会,国際情報化協力センター,国際CIO学会,ユネスコ(UNITWIN),日本経済新聞社■参加者:約50か国/各国代表150名 日本国内の代表250名 計400名■国際会議WEBサイト:HTTP://E-GOV.WASEDA.AC.JP/OECD-APEC/

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日商会頭岡村正氏

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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APEC基金プロジェクト ICT Applications for the people with special Needs (Ageing and

Disability) 世界的課題である高齢社会問題の解決策となる様々なICTアプリケーションをAPEC加盟国

とともに事例研究を行った.

早稲田大学作成のAPEC報告書 ”APEC Economy Reports for APEC Economies on demographics, policies & ICT applications for people with Special Needs (Seniors andPeople with Disabilities)”は14エコノミーをカバー.

プロジェクト参加国オーストラリア、カナダ、中国、インドネシア、

日本、韓国、ペルー、フィリピン、ロシア、

シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム

など14エコノミー

2014年シンガポールでアジア会議予定

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APEC基金高齢社会プロジェクト

2013年4月APECTEL インドネシア

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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経済の

ICT社会のパラダイムシフト

IT化 クラウド、Web2.0=デジタル

サービス化 第3次産業の比重大=サービス・イノベーション

グローバル化 国際相互依存、標準化=新興国

都市化 地域活性化=スマートシティ

少子高齢化 労働力・消費市場のシフト=シルバー・エコノミー

7出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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国際競争力の低迷要因

• 外国企業が災害/高税で対日本投資を敬遠

• 定年後の熟練技術者の海外流出-韓国、中国企業が採用

• 韓国は米国、EUとEPAと締結済-日本は1周遅れのTPP他経済連携模索

• 慢性的財政赤字でインフラを含め社会資本の積極投資望めず

• 潜在的に優秀な戦力としての高齢者、女性、外国人の人材活用不十分

• 不慮の事故、病気、災害への備えで個人金融資産の6割所有の高齢者の低消費

8

日本経済の問題点と国際競争力の低下要因

日本経済の問題点• 世界有数の災害大国• 高コスト社会• 外国為替に左右• 厳しい環境 CO2規制• トップクラスの高法人税• 膨大な政府財政赤字• 世界一の少子超高齢社会• 社会インフラの老朽化• 国際人材不足-ユニバーサルデザイン、標準化に弱点

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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2013年

高齢者人口の増加世界初の超高齢社会と情報社会の融合

出所:国立社会保障・人口問題研究所のデータをもとに筆者作成

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65歳 80歳 65歳 80歳

1947年 50.06 53.96 39.8 9.5 49.1 17.3 154.1 4.54

1960年 65.32 70.19 64.8 20.1 75.2 33.8 89.9 2.00

1970年 69.31 74.66 72.1 26.1 82.6 43.0 122.1 2.13

1980年 73.35 78.76 79.4 37.8 88.5 57.0 85.4 1.75

1990年 75.92 81.90 82.6 46.9 91.3 67.8 40.1 1.54

2000年 77.72 84.60 84.7 52.5 92.6 74.5 22.9 1.36

2011年 79.44 85.90 86.9 58.7 93.1 78.3 -20.2 1.39

資料:厚生労働省「完全生命表」、「簡易生命表」、「人口動態統計」注:人口の自然増加は(出生数-死亡数)で求められる。地震による死因を除去した場合の2011年の平均余命は男性が79.7歳、女性が86.24歳である。

表 平均寿命、人口の自然増加および合計特殊出生率の動き

平均寿命(年) ある年齢まで生存する者の割合(%) 人口の自然増加(万人)

合計特殊出生率男 女

男 女

超高齢社会の現状

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11出所:国立社会保障・人口問題研究所のデータをもとに筆者作成

高齢化率(上昇)

1950年:4.9%1970年:7%2013年:23%2055年:40%

日本の人口(減少)

2000年:1億2700万人2046年:1億人2055年:9000万人

世界の人口と高齢化率

1950年:25億人1987年:50億人2011年:70億人 (高齢化率 7.6%)2050年:93億人 (高齢化率 2060年18.3%)

日本の問題

・後期高齢者の増加—老老介護、介護負担の増加・高齢者の孤立化、孤独死、核家族の増加—高齢者単独+夫婦のみ世帯:2030年 67.6%、買い物弱者、高齢者の死亡事故・社会保障費の増大国民医療費:34.8兆円(2008年度) 52.3兆円(2025年度)医療保険収支(組合管掌健保)2010年で9割赤字

・都市部の高齢化2005年~2025年 高齢者の増加数のうち約6割が東京、大阪、埼玉、愛知、千葉、北海道、兵庫、福岡

超高齢社会の現状

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• 65歳定年制度-トヨタ(ハーフタイム)、NTT、サントリーHD、ダイキン工業、大和ハウスなど

• ITを活用して場所や時間にとらわれない柔軟な働き方としてのテレワーク– 在宅勤務者(雇用型)、在宅ワーカー(自営型)、モバイル型テレワーカー、ノマドワーカー、SOHO、フリー等

• テレワーク導入状況– 企業の9.7%、資本金50億円以上企業24.7%、テレワークを利用する従業員割合5%未満が65.4%

• 問題点-限定される業務内容

• 解決策-テレワークでもできるような仕事のやり方に

ースキル・ディスカバリー(蓄積されたコンテンツから個人や組織のスキルを分析)

ークラウド利用でいつでもどこでも仕事ができる環境整備(クラウドソーシングサービスなど)

ーソーシャルラーニング(SNSを利用して協調的な学習環境を実現)

-時間・空間・身体的負担からシニアを解放する

• 経済が停滞し、高齢者の労働参加が進まない場合のシナリオ

– 2020年:5937万人

– 2030年:5453万人(845万人減少)

• 経済が成長し、高齢者の労働参加も進む場合のシナリオ

– 2020年:6289万人

– 2030年:6085万人

→高齢者の参加で労働力維持

就労・社会参加・コミュニティ

労働力率の男女比

2011年 男性 女性

65歳以上 28.4% 13.2%

65~74歳 40% 22.2%

75歳以上 13.5% 5.2%

【国際比較】

米国 22.8% 14.0%

シンガポール 25.1% 8.9%

総務省統計局

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就業者数の推移6298万人(2010年)との比較

出典 ICT超高齢社会WG資料から一部早稲田大学電子政府・自治体研究所加筆修正

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• 65歳以上の総人口に占める割合が25.1%(13年)世界1位

• 平均寿命-男性79歳、女性86歳(12年)女性は世界1位

• 高齢者世帯1,000万、世帯総数の21%、約半数は独居(10年)

• 今から40年後の日本は現在より総人口が25%超減

• 自動車免許保有者1万人当たりの死亡事故件数は70歳以上が最多

• 高齢者の自殺率は世界2位(1位は韓国 10万人あたり31.2人)

• 高齢者世帯平均総所得は306万円(09年)

• 高齢者虐待に関する相談・通報件数は2万1,692件(08年)

• 災害による高齢者の死亡率は全被害者の約7割

• 働き手の若年世代が人口の5割を切る(10年)

• 高齢者層は日本の個人金融資産1600兆円の6割を保有

• 10年以内に全投票者の5割は高齢者の時代

• 超高齢社会日本の社会保障費は2025年に150兆円

超高齢社会における日本の問題

13出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• 健康な高齢者は約8割—歩行速度は20年前に比べて早く、男女ともに11歳若返り

• 日常問題解決能力、言語能力の向上—身体機能や短期記憶能力は低下しつつ、経験や知識の習得に伴って向上

• 2030年時点で約8割の高齢者は介護不要で自立

• 高齢者のICT利用率の向上

• 社会参加への意欲の高まり⇔健康寿命の延伸

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超高齢社会の新潮流

アクティブシニアの出現

新しい課題:デジタルデバイドの発生

課題解決のキーワード:ICT出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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超高齢社会日本におけるIT利活用の動向

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あらゆるビジネスがICTと融合

シルバーICT解決策-ICTと他の産業との融合

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情報社会

日本のシルバーICTビジネス14兆円今後急成長へ

社会参加電子政府・

自治体

住居

安全・安心システム

防災

環境年金健康・医療

介護

雇用・就労

交通

教育

グローバル社会超高齢社会

ICTでネットワーク化された超高齢社会と情報社会の融合による新産業の創出

3大社会パラダイム超高齢社会の到来と多産業との融合による

新産業の育成

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• インフラの役割– 高齢者の“身体的”“肉体的”脆弱性を補完する– 高齢者の日常的障害を取り除き,“自由度”を拡大させる

• ライフラインの役割– 自然災害などによる被害・犠牲者の7割の高齢者の命綱– 安心・安全ネットワークの構築

• コミュニケーションの役割– 高齢者の“孤立性”を解消し,他者との関係性(ネットワー

ク)を構築、自助、公序、共助社会の樹立

• 高齢者の豊かさの充実– 高齢者の“精神の自立”を促す

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高齢社会におけるICTの役割

幸せに年をとる地域社会ーコンパクト・シテイ創り

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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政府の取り組み超高齢社会構想会議の対応

今後の具体的プロジェクト

ICT健康モデル(予防)の確立

医療情報連携基盤の全国展

「ライフサポートビジネス」の

創出

ICTリテラシーの向上

新たなワーク・ライフ・スタイル

の実現

ロボット×ICTの開発・実用

グローバル展開と国際連携

19出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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想定されるサービス(例)

遠隔健康相談システム 予防医療・疾病管理サービス

介護・健康関連ロボット 見守りサービス

シニア人材マッチングサービス テレワーク

生活支援関連ロボット シニアモビリティ

高齢者向けICTシステム・サービスの経済効果

• 高齢者の社会的要請に応えるICTを活用した新しいシステム・サービスを創出・育成することによる新産業創出効果(=直接経済効果)と、それに伴う高齢者を含めた消費活動等経済活動の活性化効果(=間接経済効果)を算出

• 2020年におけるICTシステム・サービスの利用普及の度合いでケースを設定

【現 在】生活産業、介護産業、医療・医薬産業で合計71.4兆円【2020年】●潜在的に利用意向のある高齢者等の利用が拡大したケース

直接経済効果は7.7兆円、間接経済効果は2.9兆円、計10.6兆円

●当該ICTシステム・サービスが想定の高齢者等ユーザーのほぼすべてが利用するケース

直接経済効果は17兆円、間接経済効果は6.2兆円、計23.3兆円

20出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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富士通 「防災情報共有システム」北海道内のバラバラに存在していた防災情報をすべて収集することで、電子自治体サービスとして情報の統合化と配信を担う情報システムを提供。

日立 「アクセシビリティ・サポーター」WEBサイトの小さい文字を大きくしたり、読み上げや振り仮名を振ってくれたりするサービスで、自治体向けに提供。

NEC 「eみまもり」高齢者、見守り、の両者がそれぞれの負担を抑えて生活行動リズムを把握することによって見守りを支援するもの。日常的に利用されている家電製品に見守るセンサーを取り付け、電力監視センサーによって日頃の状況を適宜観察し、見守る側に情報を提供するというサービス。

オムロンヘルスケア 「保健指導支援ツール—健康達人Pro」ASP方式(インターネットを通じて提供されるシステムサービス)で提供する保健指導支援ツール.血圧や体重などの健康情報を測定したり,開発した生活習慣改善プログラムにより,一人ひとりに最適な目標と行動計画,それに基づいた生活アドバイスを自動生成し,パソコン画面にてアドバイスを提供したりしている.

PPPによる高齢者ICTサービス事例

21出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• 地域プロジェクト→高齢者の自立支援事例– シニアSOHO三鷹—市民向けIT講習、地域人材の育成、PCアドバイザー、ITリテラシー教育

– いろどりビジネス—高齢者のビジネス成功モデル 1000万円収入

– アブセック—地域支援マッチングで、生きがい、やりがい、ナイスガイ

– BABAラボ—孫育て品工房で地域ケア

高齢者ビジネス

生産者

株式会社いろどり

出荷指示 商品出荷

情報提供

農協

○日本料理を飾り付ける草花を、地域の植物をよく知る高齢者が収穫し、全国の料亭に販売○料亭からのオーダーは高齢者が持っているタブレット端末に届けられるので、どこにいてもオーダーを受けることが可能

出典:株式会社いろどり作成資料、HP

超高齢化のリスクをイノベーションにつなげる「ICT」イノベーションによる効率化と新たな付加価値の創造超高齢社会を成長のチャンスに変える

地域構造のあり方を超高齢社会に見合ったものに転換効率的で高齢者が暮らしやすいコンパクトなまちづくりへの転換超高齢化で生まれる新たなニーズを地域の再生につなげる

全国的なコミュニティの創出シニアネット2.0(課題解決型ICT活用)実施 ソーシャルメディアの活用

株式会社いろどり(徳島県上勝町)葉っぱビジネス

22出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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超高齢社会対応型ICTソリューション

健康医療

生涯教育

介護

社会参加

環境

交通

雇用

年金 買い物

電子行政サービス

安心・安全・防災

住居

娯楽

超高齢社会の到来と新産業の育成

日本のシルバー市場のうち、ICT部門は14%【注目分野】•E-ヘルス:遠隔医療 ロボット介護 モバイル健康診断 24時間サポートシステム)•住居:巣篭り住民 スマート・デジタル・シティ、スマートホーム、監視カメラなど•ショッピング:TV/ネットショッピング、オンラインサービス(買い物弱者)•教育:同世代間訓練研修、教養講座•雇用:在宅勤務、熟練パート、コンサルティング•移動:e-モビリティ、ITS,スマートステーション(半径500メートルが生活圏世代)•スマホ、ロボット、防災、健康食品、在宅勤務、地域のバリアフリー施策、GPS、電子政府(ビックデータ)

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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世界のIT活用高齢社会対策

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資料:UN, World Population Prospects:The 2010 Revisionただし日本は、2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。(注)先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。

世界の高齢化率の推移

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【欧州の高齢者向けICT戦略】新成長戦略Europe2020、ICT戦略デジタルアジェンダの中でも高齢社会関連のICT施策は重要な位置づけ

【高齢者関連のICT施策 EU/AAL、e-Health、EIP AHA】●AAL(Ambient Assisted Living)

E-Motion(移動支援 AAL-JP予算) 241万3,642ユーロ

FP7予算による

高齢社会の様々な課題をICTで解決するために、持続可能なヘルスケアと自立化支援を企図

大規模研究開発・実証

施策効果として社会保障費の抑制を期待

●e-Health遠隔医療など医療の地理的制約の解消を目指す

国を超えた医療機関の連携によるEU域内での効果的な治療の実現(100超の医療機関)

●EIP(European Innovation Partnership)/AHA(Active and Health Ageing)

EUの成長戦略「Europe 2020」に基づくイノベーション・ユニオンの中で、欧州イノベーション・

パートナーシップを創設。産官学利用者による推進体制(EIP AHA) 高齢者の自立、アクティブ

な生活支援、高齢者にやさしい建物、技術革新等を目指す

欧州の高齢者向けICTプログラム

26出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• 3 Million Lives プロジェクト(イギリス)

– 2012年 産官による遠隔医療・遠隔介護推進のためのコンソーシアム 3MLが組織された

– ICTを活用した遠隔医療・介護が必要な300万人のQOL向上のために保健省と英国産業界が協力

– Payment by Outcomes 方式で、利用者が機器購入のために1000ポンド支払、遠隔医療や遠隔介護のサービスを受けた結果、前年は受診、今年は受診なしの場合、発生しなかった利用費を利用者に戻し、機器購入の負担を軽減

• Horizon 2020– 2014年から2020年までに約8兆円予算

– Age Friendly EU

– すべての研究開発が対象

– アベノミクス(総合科学技術会議は5年で25兆円)

– シルバーICT分野で日欧共同プロジェクトが重要

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欧州の先進事例

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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Healthcare

• テレ・ヘルス• テレ・ケア• 見守り• 医療ロボット• サービスイノベー

ション• 電子カルテ• モニタリングシス

テム

Life Innovation

• 電子参加• オンラインショッピング• タッチパネル• E-バンキング• 電子決済• TV番組• ソーシャル・アラーム• 簡単携帯電話「らくら

くフォン」• 簡単PC• ソーシャル・ネットワー

ク• クラウド ビックデータ

Home Electronics

•スマートホーム•セーフティ・システム•GPSユビキタス・ネットワーク•在宅健康医療•環境コントロール•介護ロボット•在宅勤務

欧州における取組事例

28出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• GIRAFF+(生活支援 介護支援) FP7 2012-2014年 3百万ユーロ

• COMMONWELL (e-ケア) 2008-2012年 268万ユーロ

• DREAMING (高齢者の自立、生きがい支援)2008-2012年 277万ユーロ

• ISISEMD(痴ほう症高齢者などの自立支援) 2009-2011年 226万ユーロ

• 記憶力継続(6都市でテストベット実施) 2009-2011年 236万ユーロ

• ホームケア・環境向上 2008-2011年 274万ユーロ

• HOME SEET HOME 2010-2014年 240万ユーロ

• 1人暮らし高齢者支援 2007-2010年 675万ユーロ

EU研究開発第7次フレームワークプログラムがこの分野の助成金を出している.

EUでは,高齢化対策をICT分野から積極的に支援展開.

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EU Fundによる高齢者向けICTプログラム

早稲田大学電子政府・自治体研究所

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急速高齢化段階

•2001年〜2020年

•年平均596万人の高齢者が増加。年平均の高齢者人口成長率が3.28%に達し、0.66%の総人口成長率を大幅に超える。人口高齢化は著しく進む。

•2020年になると、高齢者人口は2.48億まで増え、高齢化割合が17.17%に達する。その中、80歳以上の人数は高齢者総人口の12.37%を占める。

加速高齢化段階

•2021年〜2050年

•60年代70年代に中国は第二回ベビーブームを迎え、その時出生した人は2021年から高齢者になり始める。そのため、高齢者人口は年平均620万人のスピートで加速的に増えると予測される。

•一方、総人口増加率は次第にゼロ、さらにマイナスに転化。人口高齢化程度は一層激しくなる。2050年に、高齢者人口は4億人を越える。高齢者割合は30%。80歳以上の高齢者人口は総高齢者の21.28%を占める。

超高齢社会段階

•2051年〜2100年

•2051年、中国の高齢者人口は4.37億のピークを迎え、約未成年人口の二倍になる。その段階に、高齢者人口規模は3億〜4億の間に安定。高齢者人口の割合は約31%で、80歳以上の高齢者が総高齢者人口の25%~30%を占める。中国は超高齢化の安定期に入る。

中国の高齢化

人口高齢化発展傾向予測研究報告をもとに早稲田大学電子政府・自治体研究所翻訳

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韓国の高齢化

2018年に4934万人でピークを迎え、その後減少に。2030年:4864万人、2050年:4234万人

•生活空間の安全のための最低基準を設定、生活空間の改修のための融資を提供、低コストで高齢者のために公営住宅を提供スマートホーム

•高齢者に優しい公共交通機関を確保及び歩行者の安全性の向上、道路及び交通施設の基準の適用、低床バス&長老専用エリアの紹介、シニアドライバーのための “シルバーマーク"制度を導入

交通

•雇用創出事業の拡大、ボランティアでシニア社会参加と貢献を促す就労

•ボランティア活動&再雇用機会の創出、文化的なプログラムを開発レジャー

2006年以降、ICT戦略の中で健康・医療分野におけるICT政策やプロジェクト推進 独居高齢者の見守り、健康管理のu-Careシステムの開発

2008年デジタル病院輸出事業 民間主導の韓国デジタル病院輸出事業協同組合を発足 東南・中央アジア、中東中南米、北アフリカ、CISなど重点戦略市場 オーダーメード型輸出戦略、モデル開発 韓国型デジタル病院(400病床)を輸出計画 輸出目標は2013~2015年 年間平均1億ドル、2016年以降 平均5億ドル

2010年uヘルス新産業創出戦略 ヘルスケア分野のICT活用を成長産業、輸出産業に 2015年までに労働人口の3割をスマートワークによるテレワークに U-Health事業は、SKテレコム、サムスン、LG、LGテレコムのコンソーシアム、4つの自治体、100以上の総合・

個人病院が参加した大規模実証実験 U-Health事業は2014年までに3兆ウォン規模に向けた新産業創出戦略を公表

日中韓高齢社会研究会議資料から抜粋

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•国土も人口も資源も乏しい状態からスタート

•人的資源とITに着目。経済成長のための電子政府政策。

•他民族・多言語・高齢化などの社会的要因を抱えるがITで解決

ITへの着目

•1999年にIDAシンガポールが設立。電子政府政策の事務局として始動。

旗振り役の設置

•高速ブロードバンドの普及

•モバイルガバメントの着手

•各省庁がFacebookなどSNSを採用し、市民参画を促す。

高度なインフラ・最新技術の導入

•IT教育やパソコンの普及にも努める。

•障害者や児童などにも積極的にITを提供。企業と連携し資格取得の支援とその後の就職支援まで実施

デジタルデバイド対策

•政府は地域・宗教・若者コミュニティーを支援することで、電子政府政策の浸透を行う。

コミュニティー・企業との協力

•早期から委員会と各省庁にCIOを設置し、IDAが彼らの活動を技術や運用面から支援

柔軟な法改正・

CIOの確立

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シンガポールの事例

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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第2回日中韓高齢社会研究会議開 催 日 時:2013年秋 於 早稲田大学共 催:日本/早稲田大学 中国/国務院参事室 韓国/NIAプログラム:1日目-施設見学、交流会

2日目-発表討議

第1回日中韓高齢社会研究会議開催日時:2012年5月14~15日開催場所:北京共 催:日本/早稲田大学

中国/国務院参事室(団長大臣)韓国/大統領府未来企画委員会(団長副大臣)

プログラム:1日目-北京市内高齢者施設視察、交流会2日目-「現状把握」「政策綱領」「課題と対策」「共通問題」の

*中国は2050年に4億人高齢社会出現-家族・近所で95%対応策検討

*韓国は世界1の自殺率と超学齢主義の孤独感が強く、早急な社会問題解決必要

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日中韓高齢社会研究会議

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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高齢社会時代における国際競争力強化と社会保障問題

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• 人類初の情報社会と超高齢社会の融合による複合新時代での世界シニア消費市場1000兆円経済への日本の挑戦

• 世界の高齢者人口は2050年に24億人に迫る(日本人口の24倍)

• 急増する超高齢社会対応型の新社会システム構築に膨大なコスト必要

◆シニア・ルネッサンス-世界が注目するジャパン・モデルの創造

●日本の個人金融資産1500兆円の7割を高齢者が保有する以上、その潜在資金力を消費に回すことが成長戦略の要

• 世界一の超高齢社会日本がシルバー・エコノミー形成のフロントランナー

■世界で唯一のテストベッド日本のシルバー課題解決型ICTソリューション産業の国際競争力強化と国際展開

• 日本の成長戦略はシルバーICTイノベーションによる元気で健康なシルバー世代(アクティブ・シニア)のICT社会参加と一大消費ブーム喚起

• 世界市場1000兆円の巨大シルバー・マーケットの出現

■日本が果たすべき国際貢献は官民連携の成功事例の世界普及と国際ビジネス展開

• 他国に先んじ未来市場を創造実現できるスピード/グローバル戦略が成功のカギ35

グローバル・シルバー・エコノミー

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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• 地方自治体や企業を主体とする大規模社会実証の実施

→健康寿命の延伸

• 医療情報連携基盤の技術検証・運用ルールの確立と在宅医療・介護システムの確立

→質の高い医療・介護サービスの実施

• コーディネート機能の実現と施行的なサービスの創出

→安心・安全で豊かな生活の実現

• リテラシー向上の環境整備

→コミュニケーション活性化

• 高齢者と現役世代の共生モデルの試行とテレワークの推進

→現役世代と共生し、生きがいを持って働く

• 開発実用化の促進

→社会参加の促進、市場創出

• 産業創出と国際連携の推進

→新産業創出、グローバル展開で国際競争力強化

産学民公官の役割

36出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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人類史上初の高齢者急増、少子化、人口減少に直面した日本の挑戦-「情報・知識社会」「超高齢社会」「グローバル社会」の新融合社会システム樹立

新融合時代での世界シニア消費市場1000兆円-変革期は新ビジネスチャンス、シルバー産業は日本の成長戦略の要

早急なトップダウンによるジャパンモデルの構築韓国はオーダーメード型輸出戦略を計画、実施

2020年までの社会保障ロードマップを基に社会への啓蒙活動の重要性

世界一の超高齢社会日本がシルバー・エコノミー形成のフロントランナー-産学民公官が連携する自助、共助、公助社会の確立と世代間共生

シニア・ルネッサンス世界が注目するジャパン・モデルの創造

高齢者人口急増のアジアへの戦略となる新しい世界モデル構築の重要性、日EU協力で標準化対応

—シルバー市場の拡大には、適切な連携体制とグローバル戦略が需要なカギ

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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・社会保障費の増大国民医療費:34.8兆円(2008年度) 52.3兆円(2025年度)医療保険収支(組合管掌健保)2010年で9割赤字

• 一般会計の3割超を占める社会保障給付費はさらに増加• 老人医療費は11.4兆円から24.1兆円に増加する見通し• 予防、医療情報、国民ID等によって、健康で元気な高齢者で

あり続けることを目指すことが社会保障費削減に寄与• 消費増税および電子政府による経費削減施行で行財政改革

が同時進行可能• 高齢者の個人金融資産を消費に回せるニューエコノミー学必

要• 企業負担増は競争力強化に逆行

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社会保障費の増大と解決策

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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8月上旬最終報告書取りまとめ

• 参議院選-自民党圧勝で衆参ねじれ解消• 3年間選挙なし=社会保障改革は待ったなし—秋の臨時

国会に将来の改革スケジュールを定める「プログラム法案」上程

@骨子に、• 高齢者よりも現役世代に手厚い支援• 大企業の健康保険組合の負担を重くする「総報酬割」の導

入も検討• 支給開始年齢の65歳からの引き上げも検討• ゲートキーパーの導入も検討

国民会議

出典 早稲田大学電子政府・自治体研究所

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実施スケジュール

マイナンバー

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41Copyright © 2011 Nichii Gakkan Company. All rights reserved.

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2008年 2015年 2025年 2055年

75歳以上の高齢者の割合 10.4% 13.1% 18.2% 26.5%

75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加

65歳以上高齢者のうち、認知症高齢者が増加

認知症高齢者数の推計(カッコ内は65歳以上人口対比)

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2002年 2015年 2025年 2045年

日常生活自立度Ⅲ以上 日常生活自立度Ⅱ以上

79万人(3.4%)

149万人(6.3%)

250万人(7.6%)

135万人(4.1%)

176万人(5.1%)

323万人(9.3%)

208万人(5.7%)

378万人(10.4%)

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

2000

2005年 2015年 2025年

単独世帯及び夫婦のみ世帯 世帯主が65歳以上

851万人

(62.8%)

1,355万人

1,161万人

(64.4%)

1,803万人

1,901万人

1,267万人

(66.6%)

高齢世帯の推計(カッコ内は高齢世帯のうち単独世帯及び夫婦のみ世帯の割合)

単独世帯や夫婦のみの世帯の増加

埼玉県 千葉県 神奈川県 秋田県 山形県 鹿児島県

2005年時点での高齢者人口 116万人 106万人 149万人 31万人 31万人 44万人

2015年時点での高齢者人口(カッコ内は増加率)

179万人(+55%)

160万人(+50%)

218万人(+47%)

34万人(+11%)

34万人(+10%)

48万人(+10%)

首都圏をはじめとする都市部において、今後急速に高齢化が進む

保険医療福祉を取り巻く社会動向

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ご清聴ありがとうございました

早稲田大学教授国際CIO学会会長

小尾敏夫

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