年度)労働安全コンサルタント試験...

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1 サイトトップ】>【コンサルタント試験】>【問題解説】>【安全2019 11 02 一部修正:2019 11 03 一部修正:2019 11 10 第47回(2019 年度)労働安全コンサルタント試験 (産業安全一般)の正答予測 柳川行雄 内容 1 はじめに ....................................................... 3 2 解説と試験協会発表正答 ......................................... 4 (1)問 1 正答予測 5 ....................................... 4 (2)問 2 正答予測 1 ....................................... 4 (3)問 3 正答予測 1 ....................................... 5 (4)問 4 正答予測 3 ....................................... 5 (5)問 5 正答予測 3 ....................................... 6 (6)問 6 正答予測 1 ....................................... 6 (7)問 7 正答予測 3 ....................................... 7 (8)問 8 正答予測 4 ....................................... 8 (9)問 9 正答予測 2 ....................................... 9 (10)問10 正答予測 5 ...................................... 10 (11)問11 正答予測 2 ...................................... 10 (12)問12 正答予測 5 ...................................... 11 (13)問13 正答予測 2 ...................................... 12 (14)問14 正答予測 1 ...................................... 12 (15)問15 正答予測 5 ...................................... 13 (16)問16 正答予測 4 ...................................... 14

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【サイトトップ】>【コンサルタント試験】>【問題解説】>【安全】

2019 年 11 月 02 日 一部修正:2019 年 11 月 03 日 一部修正:2019 年 11 月 10 日

第47回(2019 年度)労働安全コンサルタント試験

(産業安全一般)の正答予測

柳川行雄

内容 1 はじめに ....................................................... 3 2 解説と試験協会発表正答 ......................................... 4 (1)問 1 正答予測 5 ....................................... 4 (2)問 2 正答予測 1 ....................................... 4 (3)問 3 正答予測 1 ....................................... 5 (4)問 4 正答予測 3 ....................................... 5 (5)問 5 正答予測 3 ....................................... 6 (6)問 6 正答予測 1 ....................................... 6 (7)問 7 正答予測 3 ....................................... 7 (8)問 8 正答予測 4 ....................................... 8 (9)問 9 正答予測 2 ....................................... 9 (10)問10 正答予測 5 ...................................... 10 (11)問11 正答予測 2 ...................................... 10 (12)問12 正答予測 5 ...................................... 11 (13)問13 正答予測 2 ...................................... 12 (14)問14 正答予測 1 ...................................... 12 (15)問15 正答予測 5 ...................................... 13 (16)問16 正答予測 4 ...................................... 14

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(17)問17 正答予測 2 ...................................... 15 (18)問18 正答予測 3 ...................................... 16 (19)問19 正答予測 1 ...................................... 17 (20)問20 正答予測 4 ...................................... 17 (21)問21 正答予測 3 ...................................... 18 (22)問22 正答予測 4 ...................................... 19 (23)問23 正答予測 2 ...................................... 19 (24)問24 正答予測 1 ...................................... 20 (25)問25 正答予測 5 ...................................... 21 (26)問26 正答予測 1 ...................................... 22 (27)問27 正答予測 3 ...................................... 23 (28)問28 正答予測 3 ...................................... 24 (29)問29 正答予測 2 ...................................... 25 (30)問30 正答予測 4 ...................................... 25

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1 はじめに 2019年の労働安全コンサルタント試験の正答予測である。内容が正しい

ことを保障するものではない。 内容についてのご質問や、修正の御意見は、労働安全衛生コンサルタント試験

掲示板で随時受け付けているので、間違いを発見されたという方はぜひ書き込

まれるようお願いする。

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2 解説と試験協会発表正答

(1)問 1 正答予測 5 問1 安全管理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 (1)厚生労働省の「元方事業者による建設現場安全管理指針」では、関係請

負人は、建設現場ごとに安全衛生管理の基本方針、安全衛生の目標、労働

災害防止対策の重点事項等を内容とする安全衛生管理計画を作成するこ

ととされている。 (5)安全衛生管理規程は、企業・事業場の安全管理を整然と行うために重要

なものであるが、完壁を狙って詳細、かつ、複雑にしたもの、あるいは禁

止事項を羅列しただけのようなものは好ましくない。 (1)「元方事業者による建設現場安全管理指針」では、元方事業者が、建設現

場ごとに安全衛生管理の基本方針、安全衛生の目標、労働災害防止対策の重

点事項等を内容とする安全衛生管理計画を作成することとされている。関

係請負人が作成することとはされていない。 (5)適切である。

(2)問 2 正答予測 1 問2 事業場の安全活動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)危険予知活動とは、危険が予想される不安全箇所について、管理者のリ

ーダーシップのもとで、関係作業者全員に、その対策、安全措置の考案等

の提出を求め、これを実行することである。 (1)適切ではない。危険予知訓練は、作業や職場にひそむ危険性や有害

性等の危険要因を発見し解決する能力を高める手法である。本肢は

提案制度に関する記述であると思われる。

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(3)問 3 正答予測 1 問3 溶接(融接)の不完全部に関する次の記述のうち、適切でないものはど

れか。 (1)溶込不良とは、入熱不足により、溶接金属と開先面あるいはビードとビ

ードの間が十分に融合していないことをいう。 (2)溶接金属中に生じる球状の空洞をブローホール、内部の気泡が溶接部の

表面に達して開口した気孔をピットという。 (3)アンダカットとは、溶接によって生じた止端の溝であり、応力集中によ

り疲労強度を低下させる。 (4)高温割れとは、溶接部の凝固温度範囲又はその直下の高温で発生する割

れをいい、溶接金属や母材の熱影響部に発生する。 (5)低温割れとは、溶接後、溶接部の温度が常温付近に低下してから発生す

る割れをいい、ルート割れ、ビード下割れ、止端割れがある。 (1)適切ではない。溶け込み不良とは、「設計溶込みに比べ実溶込みが不足し

ていること」である。本肢は、融合不良(溶接境界面が互いに十分に溶け合

っていないこと)の説明である。 (2)これは正しい。 (3)これも正しい。 (4)正しい。高温割れは、溶接部が冷却されるときに発生する割れで、凝固温

度又はそれに近い高温域で発生する。溶接金属及び熱影響部が高温である

ときに発生する。 (5)正しい。低温割れは、溶接部が 300 度以下になったときに発生するもの

である。常温付近に低下してから発生する割れに限られないので、やや疑問

はあるが、(1)の方が明らかな誤りなのでこちらは正しいとしておく。ビ

ード下割れ、ルート割れ、止端割れ(トウ割れ)などがあることは正しい。

(4)問 4 正答予測 3 問4 建設工事に使用される機材や工法などに関する次の記述のうち、適切

なものはどれか。 (3)平板載荷試験は、地盤に載荷板を通じて荷重を加え、この荷重の大きさ

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と載荷板の沈下の関係から、地盤の変形強さ等の支持特性を調べるため

に行う試験である。 (3)適切である。

(5)問 5 正答予測 3 問5 安全機能を遂行するシステムが下図に示す信頼性ブロック線図のよう

に要素 a、b 及び c から構成され、要素 a、b 及び c が等しい信頼度 R(0<R<1)をもつとき、システムの信頼度 Rs を示す等式として適切なも

のはどれか。 ただし、要素の故障は独立に起こるものとする。

(3)Rs=2R2-R3

(3)正しい。これは。第44回(2016 年度)労働安全コンサルタント試験(産

業安全一般)の問6を参照して頂きたい。

(6)問 6 正答予測 1 問6 玉掛け用のフイヤロープ及び繊維スリングに関する次の記述のうち、

適切でないものはどれか。 (1)ワイヤロープでは柔軟性が求められることから、ロープの心は繊維心の

みであり、鋼製心のものは使われないが、ストランドについては、繊維心

のものと鋼製心のものの2種類がある。 (2)ワイヤロープの廃棄基準の一つとして、ストランド中の断線した素線の

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割合(断線が認められた素線数/全素線数)があるが、フィラー線は断線

の評価対象から除かれる。 (3)ワイヤロープのキンクには、局部的によりが詰まったもの(プラスキン

ク)と局部的によりが戻ったもの(マイナスキンク)がある。 (4)ベルトスリングには色相の異なる糸を外部又は内部に織り込んでいる

ものがあり、その消失や露出は廃葉基準の一つとされている。 (5)ラウンドスリングは合成繊維の糸を回旋して心体とし,それを表面布で

覆ったものであるが、表面布は最大使用荷重に対応して色分けされてい

るものがある。

(1)適切でない。ワイヤロープの心には繊維心と鋼製心(金心)の2種類があ

る。 (2)適切である。ワイヤロープの廃棄基準は、素線切れに関しては、ワイヤロ

ープ1よりの長さの間でフィラー線を除く素線数の 10%以上の素線が切断

しているものとなっている。(移動式クレーン構造規格第 41 条) (3)適切である。 (4)適切である。色相の異なる糸をマーカーとして織り込んでいるものは、他

にも様々なものがある。 (5)適切である。JIS B 8811 に、ラウンドスリングの最大使用荷重による表

面布の色分け規定がある。

(7)問 7 正答予測 3 問7 テールゲートリフターを使用して、ロールボックスパレット(カゴ車)

をトラックの荷台に積み降ろしする作業に関する次の記述のうち、適切

でないものはどれか。。 (1)昇降板にロールボックスパレットを載せて昇降するときは、昇降板のキ

ャスターストッパー及びロールボックスパレットのキャスター付きスト

ッパーを、それぞれ使用する。 (2)テールゲートリフターの最大積載重量を遵守し、昇降板の中央部にロー

ルボックスパレットを配置する。 (3)昇降板の昇降時は、ロールボックスパレットの転倒を防止するため、作

業者が同乗して支える。 (4)昇降板が濡れていると滑り易いため、耐滑性のある安全靴を使用する。

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(5)昇降板が荷台の高さにあって、荷台から昇降板にロールボックスパレッ

トを移動するときには、地面の方向(荷台の方向と逆の方向)を背にして

後退りしない。 本問は、(独)労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所の作成した「ロー

ルボックスパレット使用時の労働災害防止マニュアル 安全に作業するための 8 つのルール」のルール8からの設問である。 (1)適切である。ルール8には、ロールボックスパレットのキャスター付きス

トッパーについての記述はないが、適切でないとは言えないだろう。 (2)適切である。 (3)適切ではない。ルール8には昇降板の昇降時は、「作業者は昇降板に乗っ

て操作しないでください」とされている。ロールボックスパレットの転倒を

防止するため、作業者が同乗して支えることは危険である。 (4)適切である。ルール2には「る安全靴やプロテクティブスニーカーを履い

てください」とあり、必ずしも安全靴に限定していないが、「つま先を保護

し、靴底が滑 りにくい安全靴等を着用し ましょう」ともされており、不適

切とは言えない。 (5)適切である。ルールには書かれていないが、墜落を防止するために当然の

ことである。

(8)問 8 正答予測 4 問8 転倒災害に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)転倒による休業 4 日以上の労働災害の休業期間は、約 6 割が 1 か月以

上となっている。 (2)高年齢労働者は、身体平衡機能や全身敏捷性が低下するため転倒しやす

い。 (3)転倒災害の主な原因は、滑り、つまずき及び踏み外しである。 (4)靴底のつま先部と床面のすき間が大きいと、小さな段差でもつまずきや

すくなる。 (5)靴の屈曲性が悪いと、すり足になりやすく、つまずきの原因となる

(1)適切である。転倒災害による休業期間は、約6割が1か月以上となってい

る。(「平成 29 年転倒災害による休業期間の割合」労働者死傷病報告(厚生

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労働省)より) この問題はこの選択肢で迷われた方も多いようだ。あまり、知られていな

い情報だが厚労省のパンフレット「STOP!転倒災害プロジェクト」の最終

ページに「転倒災害による休業期間は約6割が1か月以上となっています」

とされているので、正しい肢とした。 (2)適切である。高年齢労働者は、平衡性や敏捷性などの身体強度や運動機能

が低下するため、転倒しやすく、わずかなつまずきであっても被災の重篤度

が高まる傾向がある。 (3)適切である。転倒災害は、大きく本肢の3種類に分けられる。 (4)不適切である。つま先部の高さ(トゥスプリング)が低いと、ちょっとし

た段差につまずき易くなる。 (5)適切である。靴の屈曲性が悪いと、足に負担がかかるだけでなく、擦り足

になり易く、つまずきの原因となる。

(9)問 9 正答予測 2 問9 厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づき、誤操

作による危害を防止するため、機械の操作装置等に講じる措置に関する

次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)操作装置等の操作部分は、迅速かつ確実で、安全に操作できる位置に配

置されていること。 (2)作業に従事する労働者の人数に応じて起動装置を設け、いずれの箇所か

らも操作できること。 (3)操作装置等の操作部分については、操作の方向とそれによる機械の運動

部分の動作の方向とが一致していること。 (4)キーボードで行う操作のように操作部分と動作との間に一対―の対応

がない操作については、実行される動作がディスプレイ等に明確に表示

され、必要に応じ、動作が実行される前に操作を解除できること。 (5)操作が適正に行われるために必要な表示装置が操作位置から明確に視

認できる位置に設けられていること。 (1)適切である。指針14(1)サ (2)不適切である。指針14(2)イ。複数の起動装置を有する機械で、複数

の労働者が作業に従事したときにいずれかの起動装置の操作により他の労

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働者に危害が生ずるおそれのあるものについては、一つの起動装置の操作

により起動する部分を限定すること等当該危害を防止するための措置が講

じられていること。 (3)適切である。指針14(1)ウ。エルゴノミクスの観点から適切。 (4)適切である。指針14(1)キ (5)適切である。指針14(1)コ

(10)問10 正答予測 5 問 10 人の注意の働きに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)注意とは、同時に存在するいくつかの意識可能な対象のうち、一つ又は

その一部に焦点を合わせ、それを明瞭に捉えようとする働きである。 (2)普通の条件で、単一の変化しない刺激を明瞭に意識している時間は 1 秒

ないし数秒であって、長い間は続かない。 (3)注意には一点集中性があり、一つの事項に集中すると他の事項に注意が

いかなくなる。 (4)動作に習熟し、それが習慣的になればなるほど、その動作に必要な注意

力は少なくなる。 (5)注意は強い興味を持たせることによって方向付けられるため、興味が高

ければ不注意が発生することはない。 (5)適切でない。あり得ないことである。

(11)問11 正答予測 2 問 11 機械設備の安全点検等に関する次の記述のうち、適切でないものはど

れか。 (1)安全点検等では、作業開始前点検、定期自主検査等の種類に応じて実施

者を事業場担当者や外部の専門家の中からあらかじめ定めておくことが

重要である。 (2)点検事項は、法令や国の示す指針で定められている事項をもとに、過去

の点検結果に応じて独自に追加・削除し、より効率的に行えるようにす

る。

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(3)定期点検においては、その結果の記録を作成し、その記録は改善などの

措置を講じた後も、期間を定めて保存する。 (4)月次点検において 1 年間以上異常がみられなかった検査項目であって

も、年次点検においてその検査項目の検査を省略せずに実施する。 (5)元方事業者は、関係請負人が構内作業場に電気機械器具や荷役運搬機械

を持ち込む際には、安全点検を実施させた後に使用させるようにする。 (2)不適切である。法令で定められている事項を「削除」してよいはずがない

だろう。

(12)問12 正答予測 5 問 12 安全教育に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)事業場単位での労働災害が以前に比べて少なくなっていることから、教

育担当者は、同種作業を行う他社の災害事例などを収集し、効果的な教材

を作成することが必要である。 (2)安全教育を行う際には、知識及び経験が同じ水準にある者をグループ化

したり、管理監督者、入社 3 年目の作業者など、対象者を層別化して行う

と、教育効果が高くなる。 (3)OJT 教育は、仕事の場において、直接、機械設備、材料などを教材とし

て利用できるので、実践的な教育ができる。 (4)労働災害防止のための指示などを理解することができるようにするた

めに、外国人労働者に対し、必要な日本語や基本的な合図などを習得させ

るようにする。 (5)安全教育の手法としての「討議法」は、教育内容に関して受講者の知識

や経験のレベルが高い場合及び知識や経験がない場合の両方に適してい

る。 (5)不適切。討議法は、教育内容に関して受講者の知識や経験のレベルがない

場合には適しているとは言えない。

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(13)問13 正答予測 2 問 13 作業手順書に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)作業手順書は、単位作業又は要素作業ごとに使用材料、使用設備、使用

治工具、個々の作業者が行うべき動作、作業上の注意事項などを規定した

ものである。 (2)作業手順書は、その本体作業の手順を示すものであるので、準備作業や

後始末作業の手順は対象としない。 (3)作業手順書には、過去の災害事例やヒヤリハット事例の原因に対応した

安全の要点を記入しておく。 (4)作業手順書の作成に際しては、安全の確保のみを強調しても、その作業

手順による作業能率が低いと現場で使用されないことがあるので、作業

の能率にも留意する必要がある。 (5)作業手順書を守らせるために、決められた設備、材料、保護具などを使

用して作業手順書どおりに作業できているか定期的にチェックする。 (2)不適切である。作業手順書は、準備作業や後始末作業の手順も対象とす

るべきである。

(14)問14 正答予測 1 問 14 下図に示す水平に置かれた静定トラス梁において、節点 D に鉛直方向

の外力が作用するとき、AD 材、AC 材及び CD 材に生じる軸力の組合せ

として、正しいものは次のうちどれか。

AD 材 AC 材 CD 材 (1)圧縮力 P 引張力((√3)/2)P 0 (2)引張力 P 圧縮力((√3)/2)P 圧縮力 P (3)圧縮力((√3)/2)P 引張力 P 圧縮力(1/2)P (4)圧縮力((√3)/2)P 引張力 P 0 (5)圧縮力 P 引張力((√3)/2)P 圧縮力(1/2)P

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※ この問題文中の公式は必ずしも正確に再現していません。各自、持

ち帰った問題用紙を参照してください。 (1)正しい。まず、問題文でわざわざ「静定トラス」といっているので、各節

点の力のつり合いだけを考えれば解けることが分かる。次に、AD 材が圧縮

力、AC 材が引張力になることは分かるだろう。 そこで、節点 A のつり合いを考えると、上向きに(1/2)P の力が加わっ

ており、AC 材は水平だから上下の力は加わりようがないので、AD 材の圧

縮力の下向きの成分は(1/2)P になるしかない。従って AD 材には P の力

が加わることになる。 そうなると、節点 D には、AD 材と DB 材だけで外力 P につり合うので

CD 材には力が加わらないこととなる。 従って(1)が正答だと分かる。

(15)問15 正答予測 5 問 15 金属材料のひずみ測定法に関する次の記述のうち、適切でないものは

どれか。 (1)ひずみゲージによる局所ひずみの測定法として、ゲージブリッジ(ホイ

ートストンブリッジ)を構成する回路の1辺にひずみゲージを用いる1

ゲージ法がある。 (2)モアレ干渉法は、通常、測定物に格子を貼付け、斜め2方向から光束を

照射し、変形により発生する干渉縞を観察してひずみを評価する。 (3)測定する 2 点間の伸びに基づいて局所ひずみを算出する方法の一つに、

レーザを利用した精密寸法測定器を用いるものがある。 (4)応力塗料膜法は、試験体の表面に応力塗料を塗布してもろい膜を形成し

ておき、負荷を増大させたとき、膜に生じるき裂の模様から測定対象域に

分布するひずみを測定する。

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(5)X 線応力測定法は、特性 X 線の回折を利用して、結晶の格子面間隔の

変化を検出し、局所のひずみを測定するもので、一般に特性 X 線の侵入

する深さは数 mm に及び、内部のひずみが測定できる。 (1)適切である。金属ひずみゲージは、薄い絶縁体に金属をジグザグ状に貼り

付けたものである。これを被測定物に貼り付けておくと、被測定物が変形し

たとき、ゲージも同時に変形する。このときのわずかな電気抵抗の変化を、

ホイートストンブリッジ回路を用いて電圧に変換して被測定物のひずみ量

を測定するものである。この方法には、1、2及び4ゲージ法があるが、1

ゲージ法は、ホイートストンブリッジの1辺にひずみゲージを挿入して行

うものである。 (2)適切である。モアレ干渉法による応力・ひずみ測定とは、きわめて微細な

間隔の回折格子を解析領域内に貼り付け、そこから得られるレーザ光の回

折による干渉から発生する縞模様によって測定物の微小な面内変位とひず

みを測定する光学測定法である。分かりやすく言えば、すだれを二枚重ねる

と縞模様が現れることがある。すだれを変形させるとこの縞模様が変形す

る。これを利用したのがモアレ法である。 (3)適切である。レーザを利用した精密寸法測定器は、評点間隔の変化の測定

に利用できるのでひずみ計としても使用されている。 (4)適切である。本肢のとおりである。 (5)不適切である。X 線の試料への浸入深さは 10μ前後であり、試料の表面

層の応力の測定に用いられている。

(16)問16 正答予測 4 問 16 絶縁抵抗計による接地式電路における絶縁抵抗の測定に関する次の記

述のうち誤っているものはどれか。 (1)測定するときは、電路の電源側の開閉器は開にしておく。 (2)電路の分岐ブレーカーを開閉して測定することなどにより、漏電した機

器を特定することができる。 (3)測定するときは、確実に接地されたアース端子が必要である。 (4)測定には、直流電源内蔵の計器は用いられていない。 (5)測定する対象によって印加する電圧を選択する。

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(1)正しい。測定するときに電路の電源側の開閉器を開にするのは当然であろ

う。 (2)正しい。電路の分岐ブレーカーを開閉して測定することなどにより、漏電

した機器を特定することは実務でもよく行われる。 (3)正しい。確実に接地されたアース端子がなければ、絶縁抵抗を測定できる

わけがない。 (4)誤り。むしろ、直流電源内蔵の計器が用いられていることの方が多いので

はないか。 (5)正しい。測定する対象によって印加する電圧を選択する。

(17)問17 正答予測 2 問 17 プレス機械の両手操作式安全装置に求められる構造に関する次の記述

のうち、適切でないものはどれか。 (1)一行程一停止機構を有しないプレス機械に使用されるものについては、

一行程一停止機構を有するものであること。 (2)スライドを作動させるための操作部を、両手で左右の操作の時間差が 2

秒以内に操作しなければ、スライドを作動させることができない構造で

あること。 (3)一行程ごとにスライドを作動させるための操作部から両手を離さなけ

れば再起動操作をすることができない構造であること。 (4)スライドを作動させるための操作部は、両手によらない操作を防止する

ための措置が講じられていること。 (5)スライドを作動させるための操作部は、接触等によりスライドが不意に

作動することを防止することができる構造であること。 本問は「プレス機械又はシャーの安全装置構造規格」及び 27 年 9 月 30 日基

発 0930 第 11 号「プレス機械の安全装置管理指針の改正について」からの設問

である。 (1)適切である。構造規格第 15 条 (2)適切ではない。構造規格第 16 条。なお、指針第4の2(2)に、「両手で

同時(平成 23 年度以降の検定合格品の場合、時間差が 0.5 秒以下)に操作

部を押したときのみスライドが作動することを確認する」とされている。 (3)適切である。構造規格第 16 条。なお、指針第4の2(3)

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(4)適切である。構造規格第 17 条。 (5)適切である。構造規格第 18 条。

(18)問18 正答予測 3 問 18 工作機械等の制御機構のフェールセーフ化に関する次の記述のうち、

適切でないものはどれか。 (1)ボタンを押して接点を閉じる動作に続けて、ボタンを離して接点を開く

動作を行ったときに初めて起動信号又は始動信号を発生させる。 (2)起動操作によって自己保持回路が作動して自己保持を開始し、作業者が

停止操作を行ったとき又は安全装置が作動したとき等には自己保持を解

除し、機械の再起動を防止する。 (3)安全情報は低エネルギー状態に、危険及び故障を通報するための信号は

高エネルギー状態に対応させる。 (4)作業者が非常停止装置を操作するときの力、作業者が可動ガードを開く

ときの力、機械の可動部がスイッチと接触するときの力等を直接利用し

て、ノーマルクローズ型スイッチの接点を強制的に引き離し、労動災害を

発生させない形で機械を停止させる。 (5)相反するモード(正モードと負モード)のスイッチを 2 個設けて、ガー

ド開閉の正常性を監視し、正常でないときは労働災害を発生させない形

で機械を停止させる。 本問は「工作機械等の制御機構のフェールセーフ化に関するガイドライン」か

らの設問である。 (1)適切である。ガイドライン4のイ (2)適切である。ガイドライン4のロ (3)適切でない。ガイドライン3(4)。危険及び故障を通報するための信号

は、安全情報よりも優先させなければならない。 (4)適切である。ガイドライン4のニ (5)適切である。ガイドライン4のホ

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(19)問19 正答予測 1 問 19 感電災害を防止するために使用する器具、装置などに関する次の記述

のうち、誤っているものはどれか。 (1)検電器は、電路の活線・停電を確認するためのものであり、いずれの検

電器も交流、直流、電圧の違いによらず使用できる。 (2)交流アーク溶接機の出力側で発生する感電災害の防止のためには、クラ

ンプ部以外の部分が絶縁物で覆われた溶接棒ホルダーを用いることが必

要である。 (3)感電防止用の漏電しゃ断器は、これが設置された以降の電路及び電気機

器で起きる漏電に対して、漏れ電流がある値以上であれば、その電路を自

動的に瞬時に開放する安全装置である。 (4)短絡接地器具は、高圧以上の停電した電路などにおいて、誤通電、他の

電路との混触等により不意に充電される場合に備えて短絡と接地を行う

ものである。 (5)交流アーク溶接機用自動電撃防止装置は、アークを発生させていない場

合に、溶接機の二次側回路の無負荷電圧を自動的に安全な電圧に低下さ

せ、感電を防止する装置である。 (1)誤り。あり得ない話である。 (2)正しい。ホルダについては、JIS C 9300-11:2015 に定めるホルダの規格

に適合するもの又はこれと同等以上の絶縁効力及び耐熱性を有するもので

なければ、使用してはならない。 (3)正しい。ただし、アーク溶接装置のように絶縁トランスを内蔵する装置の

二次側の漏電を防止することはできない。(1)が明らかに誤っているので

こちらは正しいとしておくが、問題がやや不適切のようにも思える。 (4)正しい。 (5)正しい。なお、安全な電圧は「無負荷電圧」とはいわない。

(20)問20 正答予測 4 問 20 墜落制止用器具に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)移動時におけるフックの掛替え時の墜落を防止するため、二つのフック

を相互に使用する方法(二丁掛け)が望ましい。

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(2)6.75m を超える高さの箇所で使用する墜落制止用器具は、フルハーネス

型のものとする。 (3)鉄骨組み立て作業等において、足下にフックを掛けて作業を行う必要が

ある場合は、フルハーネス型を選定するとともに、第二種ショックアブツ

ーバを選定する。 (4)適切な墜落制止用器具の使用に当たっては、フルハーネス型、胴ベルト

型又は U 字つり用胴ベルト型から選択する必要がある。 (5)墜落制止用器具には、使用可能な最大質量が定められているので、器具

を使用する者の体重と装備品の合計の質量が使用可能な最大質量を超え

ないように器具を選定する。 本問は「墜落制止用器具の規格」及び「墜落制止用器具の安全な使用に関する

ガイドライン」からの出題である。 (1)適切である。ガイドライン第4の2(2)ウ (2)適切である。構造規格第2条第1項 (3)適切である。ガイドライン第4の2(1)ウ (4)適切ではない。構造規格に U 字つり用胴ベルトは定められていない。 (5)適切である。構造規格第2条第2項。

(21)問21 正答予測 3 問 21 粉じん爆発に関する次のイ~ニの記述について、適切なもののみを全

て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。 イ 粉じん爆発は、空気中に浮遊している粉じん粒子が燃焼すること

に起因する。 ロ 粉じん粒子は、単位質量当たりの表面積が小さいほど爆発しやす

い。 ハ 粉じん爆発が生じる最低の粉じん濃度を、爆発下限濃度という。 ニ プラスチック粉じんは、静電気では着火しない。 (1)イ (2)イ ロ ハ ニ (3)イ ハ (4)ロ ハ ニ

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(5)ロ ニ イ 適切である。 ロ 不適切である。粒子が小さく単位質量当たりの表面積が大きくなるほど、

爆発しやすく爆発のエネルギーも大きくなる。なお粉じんが爆発する大き

さは、0.1~100[μm]といわれる。。 ハ 適切である。 ニ 不適切である。

(22)問22 正答予測 4 問 22 エチルエーテルに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1)保管する場合には火気から離す。 (2)化学構造中に酸素を含むが、燃焼には酸素が必要である。 (3)水に溶けにくいので、側溝などに流れ込むと滞留しやすい。 (4)分解爆発する。 (5)可燃性の蒸気を発散しやすく、引火点が低い。

(1)正しい。当然のことである。 (2)正しい。化学式は C4H10O であるが、酸素がないと燃えない。 (3)正しい。水溶解度は 6.04×104 mg/L(25℃)(HSDB (2017))であり、水

に溶けにくいため、側溝などに流れ込むと滞留しやすい。 (4)誤り。この物質は、光や空気の影響下でヒドロペルオキシドを生成し、ヒ

ドロペルオキシドは高い爆発性を持っているが、エチルエーテルが分解爆

発するとはいえない。 (5)正しい。引火点は-45℃である。

(23)問23 正答予測 2 問 23 機械器具製造業等で発生する火災に関する次の記述のうち、誤ってい

るものはどれか。 (1)作業場の壁・骨組みなどに多量の油滴が付着していると火災の発生の原

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因となる。 (2)潤滑油は、保管しているドラムや缶を開日していると、気化した油が常

温で容易に引火する。 (3)塗装作業近傍での溶接作業は、火災の原因となりうる。 (4)油の付着した金属切削くずは発火しやすい。 (5)油圧機器に使用されている高圧の作動油は、漏れると霧状に噴出して引

火しやすくなることがある。 (1)正しい。実際に事故事例がある。 (2)誤り。潤滑油が常温で容易に引火するようなことはない。 (3)正しい。塗装作業近傍での溶接作業での爆発・火災の事例は多い。 (4)正しい。事故事例がある。 (5)正しい。油圧機器に使用されている高圧の作動油は、漏れると霧状に噴出

して引火しやすくなることがある。

(24)問24 正答予測 1 問 24 労働災害の調査及び原因の分析などに用いる技法に関する次の文中の A ~ C に入る語句の組合せとして、適切なものは(1)~ (5)のうち

どれか。 ① FTA(Fault tree analysis)は、所与の好ましくない事象を頂上事象

として、 A に頂上事象が起こる全ての筋道を洗い出すための分析技

法であり、その筋道は、論理的な樹形図で示す。 ② FMEA(Failure modes and effects analysis)は、コンポーネント、

システムなどを対象として、故障モード、故障のメカニズム、その B などを明らかにする分析技法である。 ③ HAZOP(Hazard and operability)スタディーズは、 C を用いる

分析により、予想又は所定の性能からの考えられる逸脱を系統的に特

定して、ハザードを洗い出して同定するための技法である。 A B C (1)演繹的 影響 ガイドワード (2)帰納的 影響 プロンプトリスト (3)演繹的 原因 ガイドワード

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(4)帰納的 原因 ガイドワード (3)演繹的 原因 プロンプトリスト

① FTA は演繹的手法に分類される。なお、FMEA は帰納的手法に分類され

る。 ② FMEA は、システム全体に与える影響を調べる手法である。原因を明ら

かにすることはできない。 ③ HAZOP は、「設計意図からのずれ」を洗い出すために標準ガイドワード

を用意している。 従って(1)が正答となる。

(25)問25 正答予測 5 問 25 平成 29 年の労働災害統計における休業 4 日以上の死傷者数に関する

次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1)全産業の事故の型別分類では、転倒が最も多いが、製造業では、はさま

れ巻き込まれ、建設業では、墜落・転落が最も多い。 (2)第二次産業の中で商業、保健衛生業及び接客・娯楽業の三つの業種につ

いて、休業 4 日以上の死傷者数を比較すると、商業が最も多く、次が保健

衛生業となっている。 (3)全産業の起因物別分類では、仮設物・建築物・構築物等が最も多く、次

が動力運搬機となっている。 (4)全産業の事業場規模別分類では、労働者数 100 人未満の事業場が 7 割

を超えている。 (5)全産業の年齢階層別(19 歳以下、20~29 歳、30~39 歳、40~49 歳、

50~59 歳及び 60 歳以上)分類では、60 歳以上の被災者の割合が最も高

く、全体の 1/4 程度である。しかし、年齢階層別死傷年千人率では、60 歳

以上が他の年齢階層に比べて低くなっている。 (1)正しい。全産業の事故の型別分類では、転倒が 28,310 件で最も多い。製

造業では、はさまれ巻き込まれが 7,159 件で最も多く、建設業では、墜落・

転落が 5,163 件で最も多い。 (2)正しい。休業 4 日以上の死傷者数は、商業が 18,270 件、保健衛生業が

12,106 件、接客・娯楽業が 8,621 件となっている。 (3)正しい。全産業の起因物(中)別分類では、仮設物・建築物・構築物等が

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22,105 件で最も多く、次が動力運搬機の 12,379 件となっている。 (4)正しい。全産業の事業場規模別分類では、全数が 120,460 件であるのに

対し、労働者数 100 人未満の事業場が 110,307 件と9割を超えている。 (5)誤り。全産業の年齢階層別(19 歳以下、20~29 歳、30~39 歳、40~49

歳、50~59 歳及び 60 歳以上)分類では、60 歳以上の被災者の割合が最も

高く、全体の 1/4 程度である。また、年齢階層別死傷年千人率でも 60 歳以

上が他の年齢階層に比べて高くなっている。

(26)問26 正答予測 1 問 26 我が国の労働衛生統計等に関する次のイ~二の記述について、正しい

もののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。 イ 厚生労働省の平成 29 年「定期健康診断結果調」によると、有所見

率が最も高い健康診断項目は血中脂質検査で、約 30%である。 ロ 厚生労働省の平成 29 年「特殊健康診断結果調」によると、法定の

特殊健康診断(じん肺健康診断を除く。)の有所見率は約 15%である。 ハ 厚生労働省の平成 29 年「業務上疾病調」によると、休業 4 日以上

の業務上疾病者数は約 7800 人で、このうち災害性腰痛が約 30%であ

る。 ニ 労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるが、平成 27 年以降

は約 1500 人である。 (1)イ (2)イ ロ (3)ロ ニ (4)ハ ニ (5)ハ

イ 正しい。厚生労働省の平成 29 年「定期健康診断実施結果」によると、有

所見率が最も高い健康診断項目は血中脂質検査で、32%である。 ロ 誤り。平成 29 年「特殊健康診断実施状況」によると、法定の特殊健康診

断(じん肺健康診断を除く。)の有所見率は約 5.8%である。 ハ 誤り。平成 29 年「業務上疾病発生状況」によると、休業 4 日以上の業務

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上疾病者数は 7,844 人で、このうち災害性腰痛が 5,051 人で約 64.4%であ

る。 ニ 労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるが、2015 年以降は 1,000

人を下回っている。 従って(1)が正答となる。

(27)問27 正答予測 3 問 27 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に

関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 (1)システム監査の実施者は、公平かつ客観的な監査を実施できることが必

要であり、事業場内部の者は避けたほうがよい。 (2)安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成、実効、評価及び改善に当た

って、安全衛生委員会等の活用により労働者の意見を反映することがで

きていれば、意見を反映する手段を定めなくてもよい。 (3)労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置の実施に関する

必要な事項の記録では、安全衛生計画の実施状況、システム監査の結果の

他に、労働災害や事故等の発生状況等を記録することが必要である。 (4)労働災害や事故等が発生した場合に、その原因の調査及び問題点の把握

を行う際には、背景要因ではなく、直接の原因の解明を行うことが重要で

ある。 (5)労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置は、建設業の場合

には、建設現場を一つの単位として実施することが基本である。 (1)不適切である。システム監査とは、労働安全衛生マネジメントシステムに

従って行う措置が適切に実施されて いるかどうかについて、事業者が行う

調査及び評価のことであり、事業場内部の者を避ける必要はない。 (2)不適切である。事業者は、安全衛生目標の設定並びに安全衛生計画の作成、

実施、評価及び改善に当たり、安全衛生委員会等の活 用等労働者の意見を

反映する手順を定める必要がある。 (3)適切である。指針第9条は「事業者は、安全衛生計画の実施状況、システ

ム監査の結果等労働安全衛生マネジメント システムに従って行う措置の

実施に関し必要な事項を記録するとともに、当該記録を保管するものとす

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る」としており、平成 18 年 03 月 17 日基発第 0317007 号「労働安全衛生

マネジメントシステムに関する指針の改正について」では、「第9条(記録)

関係」として「安全衛生計画の実施状況、システム監査の結果等」の「等」

には、特定された危険性又は有害性等の調査結果、教育の実施状況、労働災

害、事故等の発生状況等があること」とされている。 (4)不適切である。労働災害や事故等が発生した場合に、その原因の調査及び

問題点の把握を行う際には、背景要因を含めた解明を行うことが重要であ

る。 (5)不適切である。指針第4条は「建設業に属する事業の仕事を行う事業者に

ついては、当該仕 事の請負契約を締結している事業場及び当該事業場にお

いて締結した請負契約に係る仕事を行 う事業場を併せて一の単位として

実施することを基本とする」としている。

(28)問28 正答予測 3 問 28 厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に基づく

危険性又は有害性等の調査等(以下「リスクアセスメント等」という。)

に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)過去に労働災害が発生した作業及び危険な事象が発生した作業は、リス

クアセスメント等の対象に選定する。 (2)機械設備等のリスクアセスメント等の実施に当たっては、機械設備等の

専門的な知識を有する者を参画させるように努める。 (3)リスク低減措置の工学的対策には、警報の運用及び立入禁止措置が含ま

れる。 (4)リスクアセスメント等の実施に当たり資料等を入手する必要のある非

定常作業には、機械設備等の保守点検や補修作業に加え、予見される緊急

事態への対応が含まれる。 (5)リスクの見積りの方法には、負傷又は疾病の重篤度と可能性の度合をそ

れぞれ横軸と縦軸とした表であるマトリクスを使用する方法が含まれ

る。 (1)適切である。指針6(1) (2)適切である。指針4(1)オ (3)適切でない。警報の運用及び立入禁止措置は管理的対策である。

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(4)適切である。指針7(1) (5)適切である。指針3(2)

(29)問29 正答予測 2 問 29 次のイ~ニの情報について、厚生労働省の「機械の包括的な安全基準

に関する指針」に基づき、機械の製造等を行う者から機械を譲渡又は貸与

される者に対して提供する使用上の情報の内容に含まれるもののみを全

て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。 イ 型式又は製造番号等の機械を特定するための情報 ロ 機械の合理的に予見可能な誤使用に関する情報 ハ 製造等を行う者による保護方策で除去できなかったリスクに関す

る情報 ニ 機械を使用する事業者が実施すべき安全防護、付加保護方策、労働

者教育、個人用保護具の使用等の保護方策の内容に関する情報 (1)イ ロ (2)イ ロ ハ ニ (3)イ ハ (4)ロ ハ ニ (5)ニ

イ~ニのすべて含まれている。(2)が正答となる。

(30)問30 正答予測 4 問 30 厚生労働省の「機能安全による機舛等に係る安全確保に関する技術上

の指針」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。 (1)機械等の製造者は、当該機械等による労働者の就業に係る危険性または

有害性を特定した上で、それによるリスクを低減するために要求される

電子等制御の機能を特定する。

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(2)要求安全度水準を表す指標として、IEC 61508 の安全度水準又は IS0 13849 のパフオーマンスレベルが用いられる。

(3)安全関連システムには、検出部(センサー)等の入力部、論理処理都及

びアクチュエータ等の出力部が含まれる。 (4)要求安全度水準の決定に際して実施するリスクの解析では、安全関連シ

ステムの故障を考慮するが、予見可能な機械の誤使用は考慮しない。 (5)作動要求モードの決定に当たっては、機械式の安全弁の故障時に作動す

る燃料遮断リミッターのように、機械式の安全装置の故障によって作動

が求められる安全関連システムには、低頻度の作動要求モードを適用す

ることが妥当である。 (1)適切である。指針2-1(2) (2)適切である。指針2-2(2) (3)適切である。指針2-3(1) (4)不適切である。指針3-4(3) (5)適切である。指針3-4(5)ア

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