iii族窒化物半導体材料 -...
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直接遷移型
発光効率
(内部量子効率)
レーザ利得に必要な
注入キャリア密度 発光再結合寿命
間接遷移型 ~ms
~ns 100%に近接可
~0.001%
(epi. dep.) ~1018 cm-3
~1020 cm-3
nrrnrr
ri
/1
1
/1/1
/1
内部量子効率:バンド間遷移
nrr
間接遷移型
フォノンの寄与
i :極小
超高注入キャリア密度が必須
電流注入時のジュール損:発熱
電子・正孔プラズマ:内部損失
レーザ(laser)発振には至らない
(理論値)
GaAs, GaN
Si, Ge
直接遷移型半導体が必須
直接遷移型と間接遷移型の比較
量子構造
Conduction band EC
Valence band EV
DEC
DEV
LW
井戸幅LW : 材料により異なる
GaAsの場合、最大13nm程度
GaN系の場合、5nm以下
→量子効果が発現される
有効Bohr半径a0以下に設計される。
𝒂𝟎 =𝟒𝝅𝜺𝒓𝜺𝟎ℏ
𝟐
𝒎𝒆𝟐
εr: 比誘電率
ε0: 真空の誘電率
ℏ2 :h/2π (プランク定数÷2π)
m: 有効質量
e: 電荷量
波動関数(存在確率)
ホモ接合 100kA/cm2 @ 77K, pulse
ダブルヘテロ接合 1kA/cm2 @300K,CW
歪量子井戸 数10A/cm2, @300K, CW
p n
pクラッド nクラッド 活性層
光ガイド 光ガイド
半導体レーザ高効率化の歴史
ダブルへテロ:光閉じ込めとキャリア閉じ込め
量子井戸:キャリアの量子閉じ込め、利得向上
2000年ノーベル物理学賞
発光素子に対する量子構造
EnergyEnergy
Lin
ea
r s
ca
le
PL PL
absorptionBand-tail
Stokes-shift
VB
CB-
+E
z
++
--E
z
VB
CB
Ideal system Disordered system
absorption
(a) (b)
組成不均一
バンドギャップエネルギー(波長)
(a) III-Nitride Semiconductors (b) III-V Compound Semiconductors発光素子はほとんどの場合に量子井戸にするので、
実際の波長より短めに組成を設計する必要がある。
𝑬 =𝒉𝒄
𝝀
結晶について
Wikiwand.com
単結晶 多結晶 アモルファス
コスト > > 性能 > > 窒化物半導体で用いる結晶は、基本的には単結晶以外ありえない。 ただし、点欠陥(空格子、格子間原子)、線欠陥、面欠陥が導入されていても単結晶とみなす。 単結晶の定義は、作った結晶の全体で配向性が統一されているかどうか。
III族窒化物半導体の紹介
III族窒化物半導体とは、B, Al, Ga, InとNの化合物のこと。 主に、紫外/青色LEDやレーザに用いられている材料。 2014年度のノーベル物理学賞に 赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生が受賞されました。 受賞理由は 「高輝度・低消費電力白色光源を可能とした高効率青色LEDの発明」です。
青色発光素子材料の候補だった材料
・SiC(炭化珪素) 1970年代にpn接合までできていたが、 間接遷移型半導体で不純物準位を介した発光で効率が低い。 ⇒最近では、高耐圧電子デバイスの用途へ。 ・ZnSe(セレン化亜鉛) 本命の材料として世界中で研究されていたが、 結晶が脆く寿命が短い。←光ってもほぼ一瞬。 ・GaN(窒化ガリウム) 丈夫であり直接遷移型半導体であるため研究されていたが、 高品質結晶を作るのが難しく、多くの人は諦めていた。 高温でかつ大量のアンモニアを使用して作製する方法が主流だったので、 基板には丈夫なサファイアを用いる必要があった。
InGaN/GaN異種接合による 青色LEDの実現
前述したノーベル物理学賞を受賞した青色LEDは 結晶工学と電気電子工学における 3つほど重要なブレイクスルーが起きて成り立っている技術である。 ①サファイア基板上に良質なGaN単結晶ができたこと。 GaNの結晶成長に相応な基板がサファイアしかなかった。 ある時、いつもと違う結晶ができたのだが、 その兆しが見えたときの実験は失敗していたらしい。 ②p型GaN単結晶ができたこと。 GaNはNの空格子のために常にn型になっており、p型が非常にできにくい。 電子顕微鏡観察の後に結晶を見てみると…。 ③発光層であるInGaN単結晶ができたこと。 初めて作製を報告したのは、(実は)東北大学 松岡隆志 先生(当時NTT)。 青色LEDのInGaNのIn組成比は10%以下である。
GaN on Al2O3の難しさ
Applied Physics Letters 95, 031907 (2009) Journal of Applied Physics 76,4909 (1994)
・結晶構造が似ているためにサファイアを採用
・それぞれの構成元素の違いにより結合を繋げることが難しい。
・格子定数が違い過ぎる。
→当時は同じ結晶形、格子定数が黄金律
CrystEngComm 16 8058 (2014)
GaN on Al2O3の難しさ
・GaNの結晶成長温度は1000℃程度だが、初期層として低温成長AlNやGaNを挟むことで、その上に良質なGaN単結晶を作成することができる。
→ポイントは同種の結晶構造であること。
下地は低品質でも上と同じ材料であることで、
上には基板の影響を伝えなくて済む。
(図の様に、欠陥の情報は引き継ぐ)
当時(1980年代後半)の
エピタキシャル成長の常識を
大きく覆した(はず)。
p型GaNの難しさ ・GaNをp型にしようとすると、
原理的にはGaをII族(アクセプタ)で置換する。
・当時、アクセプタとしてZnを用いていた。
(GaAs系だとZnのほかにBeだったり
V族をCで置換してp型を実現)
⇒Zn添加は綺麗な結晶になるが、
ほとんど添加されずp型にはならなかった。
(高温で成長するので取り込み自体が不可能?)
・Mgを使う方策に切り替えて実験した結果、
Mgは取り込まれた。(Mg-Nの結合エネルギーが
大きいため、引き込み効果があった?)
しかし、p型伝導は示さなかった。
(アクセプタ準位≈150meV)←非常に大きい(深い)
・電子顕微鏡で結晶を見たり発光を調べているときに
p型になっていることを見つけた。←局所加熱されていた。
HがMg結合を作って不活性になっていた。加熱で活性化
EV
EC
150meV
InGaNの難しさ
Ga原料:(C2H5)3Ga (TEGa)
In原料:(CH3)3In (TMIn)
N原料:NH3
(CH3)2NNH2 (DMHy)
熱分解により基板上に成長
MOVPE装置の概略
・GaNの成長条件
温度: ~1100℃
V/III比: 2000~10000
(結晶方位による)
キャリアガス: H2
・InGaNの成長条件
温度: ~800℃
V/III比: 16000~
キャリアガス: N2
In-N結合がGa-N結合よりも壊れやすいため、できるだけN雰囲気での成長を行うためである。
ε0
E0
En
erg
y
InGaN
QW GaN
layer
GaN
layer
Lateral direction E
nerg
y
Density of states
G E =N0
ε0−E0exp
E
ε0−exp
E
E0
Total density of localized states
Photon energy (eV)
PL intensity (arb. units)
300K
Luminescence
spectrum
Est
Real space
組成不均一性
参考: S.Chichibu他、JVST B 16 2204 1998、C. Karcher他、PRB 82 245309 2010