どうなってるの!?日本の農業 食料・農業・農村白書 -...
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どうなってるの!?日本の農業食料・農業・農村白書
(平成30年度)
農林水産省 大臣官房広報評価課
平成30年度に多発した自然災害(1)• 平成30年は災害が多発。農林水産関係の被害額は、東日本大震災があった平成23年を除くと、過去10年で最大の5679億円に
• 平成30年7月豪雨では、全国各地でライフライン等のほか、樹園地の崩落や、ため池の決壊等の甚大な被害。北海道胆振東部地震では、農地への土砂堆積等に加え、北海道全域における停電により、生乳の廃棄等の被害
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(過去10年の農林水産関係被害額)
資料:農林水産省調べ
・農林水産省では、被災地方公共団体からの要請を待たずに支援物資を送るプッシュ型支援を実施
・被災による離農者が出ないよう、過去の災害で実施してきた支援対策を含め、きめ細かな対策を実施。例えば、北海道胆振東部地震では非常用電源の確保に必要な経費についても支援
平成30年度に多発した自然災害(2)
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(主な供給品目リスト(平成30年7月豪雨))
資料:農林水産省調べ
平成30年度に多発した自然災害(3)・農業者自身が災害への備えを行うよう、園芸施設共済や収入保険への加入等を促進
・家庭でも日頃から食料や飲料水等を備蓄して、国民一人一人が今後起こり得る災害に備えることが重要
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(災害に備えて非常用食料を用意している世帯の割合)
(農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」で紹介されている家庭での備蓄例)
資料:農林水産省作成
資料:厚生労働省「平成23年国民健康・栄養調査報告」を基に農林水産省で作成
• 我が国は、農業者の急激な減少による労働力不足が深刻化する一方、グローバルな食市場は急速に拡大
• 生産性の向上や新規就農者等への技術の継承、作物の品質向上等を実現する「スマート農業」の実装が進展
現場への実装が進むスマート農業(1)
先端技術による作業の自動化、負担の軽減 誰もが取り組みやすい農業の実現
リモコン式自走草刈機
自動運転田植機
アシストスーツ
自動走行トラクター
学習システムの概念図 5
現場への実装が進むスマート農業(2)データやセンシング技術を駆使した生産性や品質の向上
ドローンによるピンポイント農薬散布
②画像解析で害虫位置を特定
③害虫ポイントに農薬散布
①大豆畑全体を撮影
AIがトマトの成熟度を判定する自動収穫ロボット
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広がりを見せる農福連携・「農福連携」とは、農業分野と福祉分野が連携して、障害者や生活困窮者、高齢者等の農業分野への就農・就労を促進する取組
・障害者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促すとともに、農業側も働き手の確保だけでなく、生産工程を見直す機会となり、良質な農産物生産につながる効果が期待
<事例>京丸園株式会社(静岡県)~農業経営者が障害者を直接受入れ~
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(農作業による障害者への影響)
(ノウフクJAS)
資料:特定非営利活動法人日本セルプセンター「農と福祉の連携についての調査研究報告」
農福連携で生産された農畜産物・加工品に付されるJASマークのイメージ
世界の食料需給と食料安全保障• 世界の食料需給は、人口の増加、異常気象の頻発等、様々な要因によってひっ迫する可能性
• 穀物等の国際価格については、平成20(2008)年には小麦と米が、平成24(2012)年にはとうもろこしと大豆が過去最高を記録
• 我が国の食料の安定供給は、国内の農業生産の増大を基本としつつ、輸入と備蓄を適切に組み合わせて確保する必要
2000/01
18.5億t
消費量30.3%
2005/06 2010/11 2015/16 2018/19
生産量
期末在庫率
18.7億t29.5
26.126.4
資料:米国農務省「PS&D」、「World Agricultural Supply andDemand Estimates」を基に農林水産省で作成(2019年3月時点)
(世界全体の穀物生産量、消費量、期末在庫率)
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(穀物等の国際価格)
資料:米国農務省「PS&D」、「World Agricultural Supply and Demand Estimates」を基に農林水産省で作成
資料:シカゴ商品取引所、タイ国家貿易取引委員会のデータを基に農林水産省で作成
食料自給率と自給力指標(1)・「食料自給率」とは、国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標
(総合食料自給率)
生産額ベース
供給熱量ベース
9資料:農林水産省「食料需給表」
食料自給率と自給力指標(2)• カロリーベースの総合食料自給率の低下は、食生活の多様化が進み、国産で需要量を満たすことのできる米の消費量が減少する一方で、飼料や原料を海外に依存せざるを得ない畜産物や油脂類の消費量が増加したことが主な要因
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(食料消費構造の変化と食料自給率の変化)
資料:農林水産省作成
・「食料自給力指標」とは、国内の農地等を最大限活用することで、どのくらいの食料が得られるのかを表すもの
食料自給率と自給力指標(3)
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(食料自給力指標の推移)
資料:農林水産省作成
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・将来の世界の食料需給に不安定要素が存在する中、品目ごとの需要に合わせた生産の強化や担い手への農地の集積・集約化等とともに、国産農産物の消費拡大のための取組等により、食料自給率の向上等に努める必要
食料自給率と自給力指標(4)
(生産努力目標の達成状況(平成29年度))
資料:「食料・農業・農村基本計画、農林水産省「食料需給表」」を基に農林水産省で作成注:1) 令和7(2025)年度の生産努力目標を100としている(魚介類(食用)については令和9(2027)年度目標値):2)米は米粉用米、飼料用米を除く
食品ロス• 「食品ロス」とは、売れ残りや規格外品、返品、食べ残し等の、本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品のこと
• 食品ロスの削減に向けて、商慣習の見直しや製造、包装技術の開発等を実施するとともに、消費者理解を促進することが重要
(我が国の食品ロスの状況)
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(食品ロスの発生量と発生場所(平成28年))
資料:農林水産省調べ
農業総産出額・我が国の農業総産出額は、ピークであった1984年から減少傾向が続いてきたが、ここ3年は増加
・畜産の割合が最も大きく35.1%、次いで野菜が26.4%、米が18.7%・農林水産省では需要に応じた生産を推進するため、品目別の生産・供給支援や、生産基盤整備等の様々な施策を実施
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(農業総産出額)
資料:農林水産省「生産農業所得統計」
農産物・食品の輸出・農林水産物・食品の輸出額は、過去最高を更新。2019年の1兆円目標達成に向け、取組を推進
・増加率が大きい品目は、鶏卵、さつまいも、いちご・輸出金額が多い国・地域は、香港、中国、米国。中国向け輸出額が大幅に増加
(農林水産物・食品の輸出促進に向けたこれまでの取組)
年月 取組内容
2013年6月2020年に農林水産物・食品の輸出額1兆円を目標とする※2016年に目標年次を2019年に繰り上げ
8月 「農林水産物・食品国別・品目別輸出戦略」策定
12月 「和食」のユネスコ無形文化遺産登録
2015年12月 58の在外公館等に日本企業支援担当官を配置
2016年5月 「農林水産業の輸出力強化戦略」取りまとめ
2017年4月 JFOODO創設
資料:農林水産省作成
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(農林水産物・食品の輸出額)
農業の担い手・基幹的農業従事者は、前年に比べ3.8%減少の145万1千人で、平均年齢は67歳・49歳以下の新規就農者数は2万760人で、4年連続で2万人超・外国人材の受入れを目的とした新たな在留資格が創設され、農業も対象
(49歳以下の新規就農者数)
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(農業分野における特定技能制度)
資料:農林水産省作成資料:農林水産省「新規就農者調査」
農泊の推進・「農泊」とは、農山漁村において伝統的な生活体験と人々との交流を楽しむ農山漁村滞在型旅行
・インバウンド需要は堅調に拡大。外国人延べ宿泊者数に占める地方部の割合は4割超
・農泊をビジネスとして実施できる体制を持った地域を2020年までに500地域創出する目標を掲げ、古民家等を活用した滞在施設や農林漁業体験施設の整備等を支援
https://nohaku.net/農泊地域の宿泊・体験・食事メニューが掲載されています
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(外国人延べ宿泊者数の増加状況(過去5年間))
資料:観光庁「宿泊旅行統計調査」を基に農林水産省で作成
(農泊ポータルサイト)
収穫体験 古民家に宿泊
鳥獣被害とジビエ・野生鳥獣による農作物被害額は5年連続で減少しているものの、農山漁村に深刻な影響
・野生鳥獣のジビエ利用量は、前年度に比べ3割増加したが、ジビエ利用率はイノシシ・シカの合計で8.0%と低い水準
・国産ジビエ認証制度を制定する等、ジビエの利用拡大に向けた取組を推進
<コラム> 低カロリーかつ高栄養価の食材として注目されるジビエ
シカ肉は、牛肉と比べ、鉄分やビタミンを多く含み、カロリーは半分以下、脂質は5分の1
イノシシ肉は、豚肉と比べ、ビタミンを多く含み、鉄分は4倍
鹿肉のビビンパとスネ肉のスープ 18
(野生鳥獣による農作物被害額)
豚コレラ・我が国で26年ぶりとなる豚コレラが発生・豚コレラとは、ウイルスによって引き起こされる豚やイノシシの伝染病で、発熱、食欲不振等の症状を示し、強い伝播力と高い致死率が特徴
・人に感染することはなく、仮に豚コレラにかかった豚等の肉を食べても人体に影響はない
(豚コレラの発生場所(平成30年度))
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岐阜県
愛知県
長野県
福井県
富山県
石川県
大阪府
静岡県
三重県
滋賀県
(豚コレラの予防対策のポイント)
資料:農林水産省作成注:赤点は発生農場等、青点は関連農場と関連と畜場
廃棄されるプラスチック• 我が国では年間903万tのプラスチックが廃棄され、その14%に当たる128万tが焼却や埋立てにより処理
• 使用量削減に向けた容器の軽量化・薄肉化(Reduce)、リサイクルが容易な容器包装への転換(Recycle)等の取組が実施
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資料:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2017年プラスチック製品の生産・廃棄・再生資源化・処理処分の状況」を基に農林水産省で作成
(プラスチックのマテリアルフロー図)
本資料と食料・農業・農村白書の本体は、農林水産省のホームページでもご覧いただけます。
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/index.html
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