~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日...

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平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (同時配布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ) ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神三商工会議所連携事業について~ 大阪、京都、神戸の三商工会議所は、健康寿命延伸や社会保障費削減といった社会課題を、関西 の企業の強みをいかしたウエルネス関連ビジネスで解決する「関西モデル」を創出し、関連産業 の振興を図る「関西ウエルネス産業振興構想」をこのほどとりまとめた。 京阪神三商工会議所ライフサインエンス振興懇談会(構成:手代木功・大商副会頭(塩野義製薬 ㈱代表取締役社長)、服部重彦・京商副会頭(㈱島津製作所相談役)、家次恒・神商会頭(シスメ ックス㈱代表取締役会長兼社長 CEO )で議論したもの。 構想では、『運動機能』『認知機能(精神・神経・メンタル含む)』に焦点を当て、その改善により、 健康寿命の延伸をめざすことを掲げている。 医薬、医療機器などの分野に加え、ヘルスケア、スポーツ、食など、幅広いウエルネス産業分野 に目を向け、関西企業の連携により新しいビジネスモデルを立ち上げ、健康維持・増進の効果を 検証するとともに、公的コストの削減効果を試算して社会実装をめざす。全国的に健康寿命の延 伸が課題となる中、関西でモデルケースを立ち上げ、域内外に打ち出していく。 構想に基づき、三商工会議所は、下記の連携事業を展開する。 ① ウエルネスビジネス創出ワークショップ モデルケース創出事業 認知機能や運動機能の維持、向上に役立つウエルネス関連製品・サービスを、企業連携によ るパッケージにし、新たなビジネスモデル創出をめざす。ワークショップでは、効果検証や 公的コストの削減効果を試算し、行政が新たな制度として組み込むことを提案したり、自立 した民間ビジネスとして普及するよう後押しする。 ② 関西ウエルネス構想パートナーズ 関心企業等ネットワーク及びプロモーション事業 本構想の考え方に理解を示し、関西で健康維持、増進に資する取り組み、ビジネスを推進す ることに賛同する企業、自治体、組織がパートナーズとして登録するしくみ。 ウエルネスに関わるビジネスを行っている企業や、住民の健康増進に積極的な自治体等のプ レゼンス向上を図るとともに、登録企業・組織間のネットワーク拡大をめざす。 商工会議所が連携して、健康関連ビジネスのモデルケースの創出をめざす取り組みを行うのは全 国初。 認知機能向上や健康維持に関して、関西では既に産学連携による研究開発や事業化をめざすプロ ジェクトが進められているが、本構想による取り組みは、企業間連携促進や実証支援、経済的効 果の試算等を経て、社会実装をめざす主に出口部分を担うものであり、既存のプロジェクトと連 携を図った上で、相乗効果を狙っていく。 ( 添付資料 ) 資料1 関西ウエルネス産業振興構想と、京阪神三商工会議所連携事業<概要> 資料2 「関西ウエルネス産業振興構想と関連事業について」パワーポイント資料 記者配布資料 【問合せ】 大阪商工会議所 経済産業部 (槇山・東) TEL 06-6944-6484

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Page 1: ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ同時配

平成30年5月14日

大阪経済記者クラブ会員各位

(同時配布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ)

~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神三商工会議所連携事業について~

○ 大阪、京都、神戸の三商工会議所は、健康寿命延伸や社会保障費削減といった社会課題を、関西

の企業の強みをいかしたウエルネス関連ビジネスで解決する「関西モデル」を創出し、関連産業

の振興を図る「関西ウエルネス産業振興構想」をこのほどとりまとめた。

○ 京阪神三商工会議所ライフサインエンス振興懇談会(構成:手代木功・大商副会頭(塩野義製薬

㈱代表取締役社長)、服部重彦・京商副会頭(㈱島津製作所相談役)、家次恒・神商会頭(シスメ

ックス㈱代表取締役会長兼社長CEO)で議論したもの。

○ 構想では、『運動機能』『認知機能(精神・神経・メンタル含む)』に焦点を当て、その改善により、

健康寿命の延伸をめざすことを掲げている。

○ 医薬、医療機器などの分野に加え、ヘルスケア、スポーツ、食など、幅広いウエルネス産業分野

に目を向け、関西企業の連携により新しいビジネスモデルを立ち上げ、健康維持・増進の効果を

検証するとともに、公的コストの削減効果を試算して社会実装をめざす。全国的に健康寿命の延

伸が課題となる中、関西でモデルケースを立ち上げ、域内外に打ち出していく。

○ 構想に基づき、三商工会議所は、下記の連携事業を展開する。

① ウエルネスビジネス創出ワークショップ → モデルケース創出事業

認知機能や運動機能の維持、向上に役立つウエルネス関連製品・サービスを、企業連携によ

るパッケージにし、新たなビジネスモデル創出をめざす。ワークショップでは、効果検証や

公的コストの削減効果を試算し、行政が新たな制度として組み込むことを提案したり、自立

した民間ビジネスとして普及するよう後押しする。

② 関西ウエルネス構想パートナーズ → 関心企業等ネットワーク及びプロモーション事業

本構想の考え方に理解を示し、関西で健康維持、増進に資する取り組み、ビジネスを推進す

ることに賛同する企業、自治体、組織がパートナーズとして登録するしくみ。

ウエルネスに関わるビジネスを行っている企業や、住民の健康増進に積極的な自治体等のプ

レゼンス向上を図るとともに、登録企業・組織間のネットワーク拡大をめざす。

○ 商工会議所が連携して、健康関連ビジネスのモデルケースの創出をめざす取り組みを行うのは全

国初。

○ 認知機能向上や健康維持に関して、関西では既に産学連携による研究開発や事業化をめざすプロ

ジェクトが進められているが、本構想による取り組みは、企業間連携促進や実証支援、経済的効

果の試算等を経て、社会実装をめざす主に出口部分を担うものであり、既存のプロジェクトと連

携を図った上で、相乗効果を狙っていく。

以 上

(添付資料)

資料1 関西ウエルネス産業振興構想と、京阪神三商工会議所連携事業<概要> 資料2 「関西ウエルネス産業振興構想と関連事業について」パワーポイント資料

記者配布資料

【問合せ】大阪商工会議所 経済産業部 (槇山・東) TEL: 06-6944-6484

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関西ウエルネス産業振興構想と関連事業について

Ⅰ【構想とりまとめの経緯】 添付資料p1京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会が構想を取りまとめ。

京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会は、関西にライフサイエンス分野の国際的なイノベーション拠点を形成することを目的に平成27年11月に設立された。この度、関西の企業の連携を強化し、強みをいかした新産業創出を図る考えを構想として取りまとめた。構想に基づき、三商工会議所連携により具体的な事業も実施する。

京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会構成メンバー 大阪商工会議所 手代木功(てしろぎいさお)副会頭

京都商工会議所 服部重彦(はっとりしげひこ)副会頭神戸商工会議所 家次恒 (いえつぐ ひさし)会頭

Ⅱ【構想とりまとめの目的】p2関西企業連携により健康寿命延伸を実現する関西モデル創出をめざす

関西は、少子高齢化の進展が深刻だが、産業面をみると、ライフサイエンスやスポーツ関連産業分野等に強みがある上、多彩な製造業、サービス業の集積がみられ、健康・医療に関わる新たなビジネス創出の潜在力は高い。本構想は、健康寿命延伸、社会保障費削減という課題を、関西の企業の強みを生かしたウエルネス関連ビジネスにより解決する「関西モデル」を創出し、関連産業の振興を図ることを目的に取りまとめたもの。本構想により、企業、行政、関連組織、市民等が、具体的な課題と解決の方向性を共有し、「関西モデル」の創出から実装をめざす

京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会大阪商工会議所ライフサイエンス振興委員会

大阪商工会議所スポーツ産業振興委員会

記 発 表 資 料平成30年5月14日14時30分解禁

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本件担当:大阪商工会議所経済産業部 槇山・東

問合先 06-6944-6484

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Ⅲ【構想の概要】p3『運動機能』『認知機能』維持・向上で健康寿命延伸を進め、ウエルネス産業を振興

構想では、健康寿命延伸のために『運動機能』『認知機能(精神・神経・メンタル含む)』の維持、向上に焦点を当てた対策の必要性を掲げている。医薬、医療機器など医療分野に加え、ヘルスケア、スポーツ、食等、健康に関わる産業を含む関西の企業の強みを活かし、健康寿命延伸を進めるとともに、新たなビジネスを創出して、ウエルネス関連産業の振興を図る。

Ⅳ【構想実現によりめざす理想の関西像】p4関西が、健康で活動的な生活を可能としてくれるモデル地域となることを理想とする

運動機能と認知機能の健やかな成長、維持・増進を促す仕組み、ビジネスが普及、定着し、子供から高齢者まで、人々が心身ともに健康で、働き、消費し、社会活動に参加できるモデル地域になることをめざす。関西が、経済活動も活発で、健康な生活ができる地域としての魅力を発揮し、住みたくなる、働きたくなるエリアとして認知され、人、企業の吸引力が向上することを理想とする。

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Ⅴ【ウエルネス産業分野への期待】p5~6ウエルネス産業市場は拡大、多彩な企業が関与できる可能性があり、企業連携による新しいビジネスモデルも必要とされる

少子高齢化が加速する中、社会保障費削減をめざす国の方針や、企業の今後のビジネスのあり方は、いずれも診断や治療のみならず、疾病予防、健康維持・増進を重視する傾向が強くなっている。個人のニーズも、生涯現役で活動的な生活を送ることにあり、関連するウエルネス産業は、医療や介護にとどまらず、多彩な市場で、その拡大が見込まれる。医療関連企業に加え、スポーツや、食、情報通信や電機、サービス業や金融関連まで、様々な企業がウエルネス関連ビジネスに携わる機会が潜在している。

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Ⅵ【関西の健康状況】p7~8関西は健康寿命が短く、医療費、介護費が高く改善の余地が大きい

一方、関西(大阪府。京都府、兵庫県)の健康状態について、全国比較でみると、健康寿命が短く、後期高齢者の医療費や、介護費が非常に高い水準にある。一方、本構想で焦点をあてる認知機能、運動機能の低下は、要支援、要介護の要因として大きな割合を占めており、関西においても、健康寿命延伸のために対策が必要とされる分野だと言える。

Ⅶ【認知機能、運動機能の改善による社会的コスト削減効果】p9健康寿命延伸には、認知機能、運動機能に焦点をあてた対策が急務

認知機能低下(資料では認知症)に対する社会的コストについては、医療費や介護費のみならず、家族の負担を表すインフォーマルケアコストも非常に大きい。

運動機能について、ロコモティブシンドロームのステージごとの費用をみると、要支援、要介護のステージをあげないことが医療費削減にとって重要であり、認知、運動ともに、その機能の維持、向上は社会的コスト削減効果が高い。また、認知機能、運動機能を維持、向上する対策は様々考えられるが、これまでのところ、全国的にみても十分な対策が打たれておらず、関西モデルを創出することは、国内外の先行事例を生み出すことにつながり、その意義は大きい

認知症の医療費は1.8兆円、 介護費は6.4兆円、インフォーマルケアコストは6.2兆円

(平成28年度社会医療診療行為別調査より推定 全国)

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Ⅷ【関西における認知機能・運動機能向上に係る企業等の取り組み】p10~11

関西の企業連携により、多彩なウエルネスビジネス拡大の可能性た高いと見込める

関西には、医療、ヘルスケア、スポーツ、その他の製造業、サービス業の集積も高い上、認知機能や運動機能の維持、向上のための対策に係る研究開発等が既に数多く進められており、企業の連携強化等により、効果のある課題解決ビジネスを創出する潜在力は高い。

Ⅸ【関西の企業の取り組み強化、実証推進、社

会実装への支援】p12商工会議所が、行政とも連携し、ウエルネスビジネスの立ち上げ、実証、社会実装を支援することは有意義

すでに、関西では認知機能・運動機能の維持、向上をめざす企業の研究開発等への取り組みが進められつつあるが、こうした取り組みの効果を検証し、社会実装するためのビジネスモデルを検討し、民間ビジネスとして自立させる、または、行政に働きかけて新しい制度として提案するといった実例が次々に生まれることが望まれる。商工会議所が、行政とも連携し、現場ニーズの把握、企業連携促進、実証の場の設定、新制度へのスキーム策定などを支援して、モデルケースを立ち上げることができれば、こうした動きを刺激し、ウエルネス産業振興を推進することにつながる。

商工会議所の役割・現場ニーズの把握

・テーマ、スキームの提案・企業・組織等によるコンソ形成、産学連携支援・ビジネスのパッケージ化支援・実証・実装の機会を設定・地域全体での打ち出し(お墨付き、ブランド化)

・国、自治体への提案(事業提案、規制緩和、民間活用、資金)

Ⅹ【活動展開の効果:KPIについて】p13

KPIには、健康寿命の延伸や社会保障費の全国順位改善を設定、モデルケースにおいては、効果測定方法、評価手法等自体を開発し、社会保障費削減効果を試算する

マクロでは、全国下位に位置する医療費、介護費、支援対象者数、健康寿命が上位10位以内となる等をKPIとすることが想定される。認知機能・運動機能の維持、向上を推進するプロジェクトを関西モデルのケースとして生み出し、人を対象に実証事業を展開し、その効果を測定して、経済効果を試算する方法を開発し、KPIとすることが必要。

ⅩⅠ【既存の健康維持関連事業との関係】既に関西で進んでいる認知機能や運動機能に関する産学連携による取り組みとは相互に連携し、相乗効果をねらう

関西では、理化学研究所や大阪市立大学、大阪大学、及び関連組織等において認知症や健康維持に係る産学連携による研究や実証への検討等の取り組みが進められている。商工会議所の取り組みは、効果の実証や経済的試算を経て実装を目指す出口部分を主に担うものとし、既存の取り組みとは、相互に連携し相乗効果を狙う。

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ⅩⅡ【京阪神三商工会議所の具体的な活動】p14~23モデルケースの創出と関連企業間のネットワーク強化

京阪神三商工会議所は、「関西ウエルネス産業振興構想」に基づき、以下の事業を展開する。平成30年6月から、活動に着手する。

① ウエルネスビジネス創出ワークショップ → モデルケース創

出事業

企業連携を促し、ウエルネスに関連する製品・サービスをパッケージ

にしたモデルケースを立ち上げ、認知機能や運動機能を維持、改善の

効果を検証した上で、公的コストの削減効果を試算し、新たな制度と

して行政に提案すること、または、民間ビジネスとして自立すること

を後押しする取り組み。こうした取り組みで「関西モデル」を創出し、

地域内外に普及することをめざす他、モデルケースの立ち上げ方法を

多くの企業にシェアし、ウエルネスビジネスに携わる企業の増加をめ

ざす。

② 関西ウエルネス構想パートナーズ →関心企業等ネットワーク事業「関西ウエルネス産業振興構想」の考え方に理解を示し、関西で積極的に健康維持、増進に資する取り組み、ビジネスを推進することに賛同する企業、自治体、組織がパートナーズとして登録するしくみ。ウエルネスに関わるビジネスを行っている企業や、住民の健康増進に積極的な自治体等のプレゼンス向上を図る。また、パートナーズ間連携による新ビジネス創出のためのネットワーク構築等を図る。

パートナーズになる企業、自治体、組織とは1)関西ウエルネス構想の考え方に賛同している。2)自社(自治体、組織)でも、ウエルネス構想に関わるようなビジネスや

施策を展開している、今後取り組みたいと考えている。3)従業員の健康管理について検討し、健康経営をめざしている。

パートナーズに登録すると1)ワークショップで組成するモデルケースのコンソーシアムに参画、関与

する機会がある。2)ネットワーキング等により、パートナーズ登録者間の連携機会を得る。3)パートナーズ登録者合同で、展示会や情報発信ツールにより、自

らの取り組みをプロモーションできる。6

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『関西ウエルネス産業振興構想』と関連事業について

2018年 5月14日 14時30分 解禁

京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会

大阪商工会議所ライフサイエンス振興委員会

大阪商工会議所スポーツ産業振興委員会

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京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会において「関西ウエルネス産業振興構想(仮称)」について検討

京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会

■設立趣旨・目的○ライフサイエンス関連の大学・研究機関・企業が集積し、先進的な研究、事業展開において高いポテンシャルを有する関西圏に、国際的イノベーション拠点を形成することを目標にした取り組みを、民間レベルで一丸となって実施する。

○目標実現にあたっては、大阪・京都・兵庫の関西圏が指定されている関西圏国際戦略特区制度を最大限活用するとともに、事業の相互連携等を進める。 <平成27年11月~>

■構成メンバー ※写真向かって右から

(京阪神三商工会議所ライフサイエンス担当副会頭)

○大阪商工会議所 手代木功副会頭(塩野義製薬㈱代表取締役社長)○京都商工会議所 服部重彦副会頭(㈱島津製作所相談役)○神戸商工会議所 家次恒会頭(シスメックス㈱代表取締役会長兼社長CEO)

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本構想をまとめる目的 関西は、少子高齢化の進展が深刻だが、産業面をみると、ライフサイエンスやスポーツ関連産業

分野等に強みがある上、多彩な製造業、サービス業の集積がみられ、健康・医療に関わる新たなビジネス創出の潜在力は高い。本構想は、社会保障費削減、健康寿命延伸という課題を、関西の企業の強みを生かしたウエルネス関連ビジネスにより解決する「関西モデル」の創出の実現とともに、関連産業の振興を図ることを目的に取りまとめたもの。本構想により、企業、行政、関連組織、市民等が、具体的な課題と解決の方向性を共有し、「関西モデル」の創出から実装を

めざす。

社会保障費削

減・健康寿命

延伸・ウエルネ

ス産業振興

解決すべき具

体的な課題を

設定

設定した課題に

ついての計測、

評価の基準、

指標を設定

計測・評価基

準に基づく課題

解決製品・サー

ビスの開発

社会保障費を

下げるビジネス

モデルの構築、

試算

開発した製品・

サービスの効果、

社会保障費削

減の効果検証

制度化や自律

したビジネスとし

ての成立支援

目的 課題設定 関西モデルの創出 検証

実装制度化

自立ビジネス

・関西の企業の強みを活かした事業化モデル

・自治体、市民にとって、経済性がよく、利用に対するインセンティブが働くモデルを検討、関西先行で事業化し、全国展開へ

・実証、実装等のために、特区等の制度活用+規制緩和要望

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関西ウェルネス産業振興構想概要

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高齢者を介護する人の負担が減り、仕事に戻り、社会に復帰する

①持続的に健康経営ができ、心身ともに健康な人材を採用できる②社会活動できる人が増え、消費が活発になり、市場が拡大③健康維持、増進のための新しいビジネスを活用する人が増え、ビジネスチャンスが拡大

①社会インフラ整備や技術活用で、子育てがしやすく、一人暮らし世帯でも健康な生活ができる②地域としては、健康な生活が送れる魅力ある地域として他地域からの人や企業の流入が期待できる

運動機能と認知機能の健やかな成長、維持・増進を促す仕組み、ビジネスが普及、定着し、人々が心身ともに健康で、働き、消費し、社会活動に参加できるモデル地域になることをめざす。関西が、経済活動も活発で、健康な生活ができる地域としての魅力を発揮し、住みたくなる 働きたくなるエリアになり、人、企業の吸引力を高めることを理想とする。

企業

地域(府県、市町村)

健康状態を日常的に把握し、疾病予防や疾病管理をきちんと行うことができる。高齢者になっても、健康で自立できる

良質な睡眠、栄養をとり、運動機能を鍛えて、精神的にも健康で、学力、社会性を備え、次代を担う人材として成長する

高齢者も動くことができ、自ら考えて活動し、自立して日常生活を送るなど、社会活動に参加できる

支援、介護が必要な高齢者が、自分で立ち、歩けるようになり、自立した日常生活が送れる

高齢者働き手子供

健保

医療機関、健康施設

介護者

①住民の健康寿命が延長し、社会保障費を削減できる②納税者が増えて税収が増える

関西ウエルネス産業振興構想策定の意義~構想推進でめざす関西の理想像

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ウェルネス産業の捉え方ウェルネス産業の市場が大きく、今後さらに成長する産業。社会保障費削減と健康寿命延長を実現するため、国の政策やビジネスの傾向は赤字矢印 で示したような方向へ進み、多様な企業の事業機会も拡大する。

ウエルネス産業の考え方と領域

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(赤字矢印が今後重要方構成)

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ウェルネス産業に関わるビジネスの多様性

社会課題、企業ニーズ×

企業間、産学連携

・予防的医薬品・在宅、遠隔医療機器・個別化医薬、医療機器

・検査・診断機器・ヘルスケアサービス・e-ヘルスケア

・生体モニタリング・ライフログ、ライブログ解析・省力化

・トクホ、機能性表示食品・サプリメント・機能性化粧品

・ウェルネス住宅、住宅設備・健康家電(睡眠促進等)・認知症向けロボット・リハビリ用品

周辺産業を含む新たなビジネス

ウェルネス産業

ファイナンス、ビジネススキーム

対象となる市場

・・・

ウェルネス産業に係る産業群

・スポーツ用品・フィットネスクラブ・シミュレータ

・民間保険・新スキーム(SIB等)

ウェルネス産業の範囲

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●要支援・要介護認定率の全国順位(H28年年齢調整後)

・大阪府 47位・京都府 46位・兵庫県 44位

関西(大阪府、京都府、兵庫県)は健康寿命が短く、高齢者の医療費や介護費が非常に高い。 健康寿命を短くする原因については、認知機能、運動機能の悪化が大きな要因となっており、一方、

その改善による医療費削減効果は高いと試算されている。

●後期高齢者医療費の多さ全国順位(H27)

・大阪府 42位・京都府 35位・兵庫県 33位

●男性の健康寿命の全国順位(H28)

・大阪府 39位・京都府 28位・兵庫県 21位

●女性の健康寿命の全国順位(H28)

・京都府 44位・兵庫県 39位・大阪府 34位

◆健康寿命を短くする要因・認知症 19%・運動機能 24%(ロコモティブシンドローム)

●高齢者1人あたりの介護費全国順位(H26)

・大阪府 47位・京都府 41位・兵庫県 29位

◆医療費削減効果(関西)・認知症 956億円・運動系疾患 848億円(ロコモティブシンドローム)

上記に加え認知機能、運動機能の改善により、介護費も削減可能

●社会課題の解決・健康寿命の延長・医療費、介護費削減

●関西の強みの活用・関連産業、アカデミア

↓・ウェルネス産業の創出・特区等の政策活用

●波及効果・小児の認知、運動向上・国内外の先進モデル化

関西の社会課題と認知機能、運動機能向上の必要性

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32.2 30.3

28.4

25.8 23.9 23.6 24.0

22.9 25.0 24.6

10.7

14.0 15.3 15.8

18.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

H16 H19 H22 H25 H28

メタボ ロコモ 認知症

ロ コ モ

メ タ ボ

認知症

要介護・要支援になった原因の推移・メタボの比率が徐々に減少する中で、ロコモ、認知症の比率が高まっている。・ロコモは、平成28年度にはメタボ以上の比率になった。・認知症の比率は急速に高まり、介護費の高い要介護では比率がより高い。⇒メタボは特定健診等の対策により、徐々に減少しているが、高齢化でロコモや認知症は増加し対応策が不十分

メタボ:脳血管疾患、心疾患、糖尿病ロコモ:関節疾患、骨折・転倒、脊髄損傷要介護・要支援になった原因の推移(%)

関西の社会課題と認知機能、運動機能向上の必要性

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認知症については、医療より介護費が大きく、家族の負担を含むインフォーマルケア・コストの負担も大きい。①認知症の医療費は入院と外来の合計で1.8兆円と多いが、社会コスト全体の13%程度

②介護費は社会コスト全体の44%6.4兆円を占め、在宅介護費が施設介護費よりやや多い③インフォーマルケアコストは6.2兆円で、社会コストの43%を占め、家族の負担が重い

出所)平成28年度社会医療診療行為別調査より推定し作成

大項目

小項目費用

(億円)比率 備考(算出根拠等)

医療

入院医療費

9,703 7%1 人あたりの入院医療費:34 万 4,300 円/月

外来 9,412 6%1 人あたりの外来医療費:34 万 4,300 円/月

介護

施設介護費

29,160 20%1 人あたりの施設介護費:353万円/年

在宅介護費

35,281 24%1 人あたりの在宅介護費:219 万円/年

他インフォーマルケアコスト

62,000 43%1日当たり24.97 時間/週 、382 万円/年

全体 合計 145,556 100

%

認知症に対する医療費を含む社会的費用の検討(2015年、全国、億円)

運動機能に問題のあるロコモティブ・シンドロームの対象者数は4,700万人で、高齢者では健常者より多い。

健常⇒ロコモ、ロコモ⇒要支援、要介護とステージが上がらないようにすることで、医療費の削減が可能(ロコモ(Stage1)の人への対応での医療費削減額は全国で約4.500億円、関西ではその1/6の750億円程度)

同時に、医療費や介護費を削減する効果のある予防サービスなど、市場創出効果もある

11

項目 Stage0 Stage1 Stage2 Stage3

対象者対象者

健常(40 歳以上の健常な高齢者 )

ロコモティブシンドローム(40 歳以上でロコモティブシンドロームの状態にあるもの)

要支援(要支援 1 または要支援2 の状態にあるもの)

要介護(要介護 1~5 の状態にあるもの )

対象者数(人) 27,030,000 47,000,000 447,528 647,973

医療費削減効果

1人あたり医療費(円) 9,535 478,800 2,262,000

ステージが上がることによる医療費増加(円)

9,535 469,265 1,783,200

ステージ別年間移行数(Stage1は対象者全員)

47,000,000 20,931 28,491

医療費削減効果(億円) 4,481 98 508

市場創出効果

予防サービス価格(円:年額)

6,000 24,000 24,000

利用率 10% 20% 20%

市場創出効果(億円) 162 2,256 21

出所) 「平成 24 年度医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業(医療・介護周辺サービス産業創出調査事業)調査研究報告書」より作成、

認知機能悪化による様々なコスト、運動機能はステージが上がると高コストに

ロコモティブ・シンドロームの対象者数、医療費等の推定(ステージ別、全国)

9

※年額

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10

ラ イ フ ロ グ ・ ラ イ フ コ ー ス デ ー タ計測

成 長 健康増進 予 防 診 断 治 療ホームケア介護

注:リソースは公開されている情報の一部を抜粋

認知機能に関する関西のリソース(企業、アカデミア等事例)と、考えられるコンソーシアムテーマ(案)

関西モデル創出の可能性関西のリソースとコンソーシアム組成による事業テーマ例

<認知機能分野>

認知機能維持運動プログラム【大阪市大、ティップネス】

機能性表示食品、サプリメント(認知機能)【大塚製薬】

小児の認知や睡眠の臨床研究、評価

【阪大子どものこころの発達研究センター、

兵庫県立リハビリ中央病院子どもの睡眠と発達医療センター】

⑤認知症に対するロボット等利用(コミュニケーション、移動、服薬、認知機能向上等)

①小児の認知、睡眠、

発達の評価と向上

③睡眠の計測と評価

②睡眠改善製品、サービス提供

④認知等脳機能の測定・評価

睡眠時無呼吸症候群治療装置【帝人ファーマ】

認知症治療薬開発【京大、国循】

運動が認知機能へ与える影響の研究等【阪大、大阪市大、立命館大等研究】

認知症早期発見、診断【島津製作所、シスメックス】

⑥学習プログラム等による認知機能の維持・向上

コミニュケーション・ロボットで認知症診断【大阪市大-

NTTデータ関西】

睡眠評価、測定技術【オムロンヘルスケア、帝人スリープウェル、プロアシスト等】

睡眠改善製品開発【西川リビング、マンダム等】

BMI、ロボット利用による認知機能改善

【阪大等】

睡眠チェックによる高齢者見守り【パナソニック】

乳幼児用食品(規制緩和対象液状調整乳等)

睡眠医療センター【阪大病院】

認知症高齢者との遠隔対話

【テレノイド計画(京都)】

認知症防止空間研究【ダイキン工業、阪大】

認知症施策(予防、PET利用、治療薬開発)【神戸市、神戸大、WHO】

認知機能可視化【トータルブレインケア(神戸)】

認知症総合対策推進【京都府】

VR活用した認知症リハビリ医療ソフトウエア【関西医大、テクリコ】

脳トレゲームソフト【任天堂】

認知症を日常会話で検査

【京都府立医大】

認知症リスク減かるしおレシピ【国立循環器病研究センター】

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ラ イ フ ロ グ ・ ラ イ フ コ ー ス デ ー タ 計測

成 長 健康増進 予 防 診 断 治 療ホームケア介護

注:リソースは公開されている情報の一部を抜粋

運動機能に関する関西のリソース(企業、アカデミア等事例)と、考えられるコンソーシアムテーマ(案)

関西モデル創出の可能性関西のリソースとコンソーシアム組成による事業テーマ例

<運動機能分野>

11

④介護者を含む支援機器開発(ロボット、移動装置等)

③運動機能の測定、評価

⑤運動機能維持・増強食品の開発・利用、運動との相乗効果

②運動機能維持・増強、運動プログラ

ム・製品の開発

⑦運動機能の認知機能への影響

①生体センシングができるスポーツ用品の開発

⑥転倒予防、骨折予防製品の開発、事業化

骨密度測定X線TV

【島津製作所】

運動機能・筋力研究【阪大、大阪市大、立命館大、神大等】

トレーニングシューズ、フィットネスアプリ

【ミズノ、アシックス等】

運動機能データ解析、

ロコモリスク因子解析【阪大-SAS 】

運動プログラム自動生成

【コガソフトウェア】

ひざ関節悩み改善機能性表示食品、軟骨+筋肉成分を含むサプリメント【サントリーウェルネス】

骨格筋率等含む体重体組成計【オムロン】

筋力トレーニング機器【パナソニック】

転倒予防運動プログラム【大阪市立大学、

ティップネス】

転倒・骨折予防用具【カネカ等】

自治体の運動教室、地域包括ケアのプログラム【大東市、高石市等】

筋力低下用パワースーツ、介護ロボット【大和ハウス工業】

iPS細胞利用でのALS等の治療薬候補

【京大】

筋肉量、筋力低下予防食品素材【ファーマフーズ】

運動機能障害レーザー治療機器【飛鳥メディカル】

健康づくりチャレンジ企業【兵庫県健康財団】(デサント、アシックス、ミズ

ノ、グンゼスポーツ等参加)

京都市健康長寿産業事業化補助金(ロコモ対応等)

ロコモ膝痛緩和医療機器【パナソニック

等】

フレイル、サルコペニア治療法【阪大】

ロコモ予防のための遺伝子検査に基づく運動・栄養プログラム

【ノーザンライツ】

国立健康・栄養研究所(2019年

大阪移転開始)

転倒予知センサ【ノーリツプレシジョン(和歌山市)】

筋力低下測定【神戸デジタルラボ】

アシスト機能付歩行器

【RT.ワークス、幸和製作所、カワムラサイクル】

介護用品、サービス、施設【パナソニックエイジフリー

生体情報計測可能な衣料型ウェアラブルシステム【グンゼ】

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・国家戦略特区の制度を生かし、さらに民間参入、実証の場確保、健康情報利用等必要な部分について規制緩和を求めていく

・参加者の健康増進、行政の医療費削減、民間企業の参入等、各ステークホルダーのインセンティブを確保し事業化を進めるスキーム

・健康の維持や増進、費用対効果の検証等のエ ビデンスを実証する場やツールを用意。民間、公的セクターのリソースを活用、市民が参加

・スポーツ施設、健保組合、生命保険等に存在する健康情報を活用し、健康長寿実現、社会保障費削減等に役立てる

・ウェルネス産業は人的リソースが重要だが、人材育成、高齢者や女性活用、技術による人的負荷減少と生産性向上を提案

・神奈川県では行政主導で未病産業促進が実施される等取り組みが拡大。特区では民間参入や医療機関の取り組みが拡大

・行政が民間コンソ等に委託し、医療費削減等の成果報酬型で民間資金を調達するSIB方式を神戸市等が実施。

・リビングラボは欧州で増加し、企業の開 発促進と生活者のメリットを両立。国内でも松本市、神奈川県内等事例が増加。

・「匿名加工情報」でデータ利用可能性・PHR、EHR、ウェアラブルセンサ等個人の生涯、即時の健康医療情報増加

・人口減少に対し、高齢者や女性活用進展・AI、ICT、ロボット活用等による、人間の負荷減少、生産性向上も進展

規制緩和・特区利用

ウェルネス・ビジネスパッケージ

ウェルネス・リビングラボ

ウェルネス・リンクデータ

ウェルネスサポート人材・ツール

商工会議所の役割・現場ニーズの把握・テーマ、スキームの提案・企業・組織等によるコンソ形成、産学連携支援・ビジネスのパッケージ化支援・実証・実装の機会を設定・地域全体での打ち出し(お墨付き、ブランド化)・国、自治体への提案(事業提案、規制緩和、民間活用、資金)

行政の役割・公的施設、医療機関、介護施設等との仲介・実証、実装の機会を提供・自治体事業への民間活用(SIB プロポーザル加点、委託等)・お墨付き・規制緩和・新制度策定・一般市民、企業への啓蒙

概 要 関連する外部環境、事例等

事業化に向けた仕掛け及び商工会議所・行政の役割

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構想におけるKPIの設定について

分類 項目 KPIの例 関西の状況 具体的な指標 10年後

マクロ指標

社会保障費

医療費・1人あたりの医療費が、後期高齢者で下位

・全国上位をめざす ・ひとりあたり90万円未満をめざす(現状:全国平均95万円、関西100万円以上)

介護費・1人あたり介護費が、全国下位

・全国上位をめざす・ひとりあたり25万円未満(現状:全国平均27万円、大阪32万)

・市単位で収支改善(事例:高石市)国民健康保険 ・財政悪化

支援介護対象者

要支援・要介護者・対象者数が、全国比より多い

・認定率について、全国平均値より少ないレベル(17%未満)をめざす(現状:全国17% 大阪22%)

健康寿命

健康寿命 ・健康寿命が、全国下位・全国上位をめざす・男性75歳、女性80歳(現状72歳、女性74歳)

平均寿命と健康寿命の差

・全国下位、・全国上位をめざす・差を男性3年、女性6年縮小する(現状:男性9年 女性12年)

ミクロ指標↑

モデル事業の効果

認知症関連

認知機能テスト・モデルケース組成の際に、介入後の測定値向上により医療費、介護費削減の試算方法を開発

介護時間 ・介護者の介護時間減少により介護費削減の試算方法を開発

ロコモ関連

筋肉量・筋力・筋力の向上などを確認し、ロコモ患者だが自立を継続(要支援ステージにあげない→ひとりあたり46万円の医療費削減)(要支援から要介護にあげない→ひとりあたり131万円削減)

歩数(活動量)・1500歩増で年間3.5万円医療費削減など、コホートや介入によるレセプトの変化などを研究した成果を反映した試算を開発

レセプト分析:大腿部骨折

・関西は骨折者多数(10万人あたり発生率全国比1.2)

・全国平均以下に 骨折による医療費計算により削減額試算

マクロ指標は、医療費や介護費の推移について全国順位や一人あたり平均金額、健康寿命について延伸年数等を目標に設定することが考えられる。

ミクロの指標は、モデルケース立ち上げの際に、効果を測定し、国の試算や大学・行政(・企業)等の連携により構築された検証結果や試算方法を応用するなどし、社会保障費削減試算方法自体を開発することが必要。

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スポーツ(みる・する・ささえる)

メディカル(薬機法・保険対象)

次世代医療システム産業化フォーラム医療機器開発推進のため、医工・産学連携の促進と新規参入企業支援

創薬シーズ・基盤技術アライアンスネットワーク創薬分野における、アカデミアのシーズと製薬企業との連携促進事業

DIGITAL MDF

+デジタル医療分科会ICT、IoT技術等を使った診断、モニタリング関連医療機器の先進事例と市場・技術動向、規制環境等の情報提供。MDFの対象領域を拡大

スポーツハブKANSAIスポーツを核とした異分野・異業種間の企業間・産学間マッチング事業。「する」、「みる」、「ささえる」のスポーツがかかわる幅広い分野において、モノ、サービスの開発を支援

ウェルネス(健康で豊かに生きる)

+ウェルネスビジネス創出ワークショップ認知・運動機能の維持・向上、健康経営など、特定のテーマを掲げ、関連する企業・機関が参画するワークショップを実施。実証、実装に向けたプロジェクト組成を実施

ウェルネスビジネス創出ワークショップ

関西ウエルネス構想パートナーズ

関西ウエルネス産業振興構想の考え方に理解を示し、関西が健康維持、増進において理想の地域を目指すことに賛同する企業、自治体、組織がパートナーズとして登録する取り組み

関西ウェルネス構想パートナーズ

積極的な健康

病気にならない健康

スポーツ(する・みる・ささえる)

メディカル・ウエルネス分野における商工会議所事業

医療機器・医工連携

デジタル領域

創薬支援

ウエルネス関連事業(京阪神商工会議所連携)

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Page 23: ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ同時配

①ウエルネスビジネス創出ワークショップ→モデルケース創出事業

②関西ウエルネス構想パートナーズ→関心企業等ネットワーク

人々が健康で豊かに生きるためのウェルネスに関連する製品・サービスをパッケージにして、効果を検証して、新たなビジネスとして自立する、または、新たな制度として行政に組み込まれるようなモデルケースを創る取り組み。

健康寿命が延び、社会保障費が下がる効果があるビジネスの立ち上げをめざす。

関西ウエルネス産業振興構想の考え方に理解を示し、関西で積極的に健康維持、増進に資する取り組み、ビジネスを推進することに賛同する企業、自治体、組織がパートナーズとして登録するしくみ。

ウエルネスに関わるビジネスを行っている企業や、住民の健康増進に積極的な自治体等の取り組みのプレゼンス向上を図る。

パートナーズ間連携による新ビジネス創出のためのネットワーク構築等を図る。

運動機能、認知機能の分科会を設置

分科会への参加企業募集

有識者による分科会参加者への情報提供

参加企業のニーズ把握

コンソーシアム組成、複数社によるビジネスモデル検討

想定ビジネスの効果検証

行政や民間施設等への協力要請

社会的インパクト、経済効果の試算

行政への制度提案検討

パートナーズになる企業、自治体、組織とは① 関西ウエルネス構想の考え方に賛同している。② 自社(自治体、組織)でも、ウエルネス構想に関わるようなビジネス

や施策を展開している、今後取り組みたいと考えている。③ 従業員等の健康管理について検討し、健康経営をめざしている。

パートナーズになることへのインセンティブ① ウエルネスに関わる取り組みに積極的である企業、自治体、組織とし

ての認知が高まる。② モデルケースのコンソーシアムに参画、関与する機会がある。③ ネットワーキング等により、パートナーズ間の連携の機会を得る。④ パートナー合同で、展示会や情報発信ツールにより、自らの取り組み

をプロモーションできる。⑤ 実証、モニタリング、マーケティング等の機会が得られる。

ウエルネス関連事業(京阪神商工会議所連携)

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ウェルネスビジネス創出ワークショップ①~モデルケース創出事業

ウェルネスビジネス創出ワークショップ(案)

課題の共有

知見(エビデンス

ベースド研究)の

共有

計測方法・評価

指標の標準化

商品・サービスの

有用性想定

仮説①

社会保障費を下

げるビジネスモデル

仮説②

仮説①②の検証

認知機能維持・向上 ・・・運動機能維持・向上分科会

パッケージ化とビジネスモデルの構築

ユーザーインセンティブの検討

国の実証事業

地元自治体のプロポーザル加点

SIB

制度提案自立化モデル

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Page 25: ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ同時配

ウェルネスビジネス創出ワークショップ(案)

・参加希望企業の募集・効果検証にかかる指標について検討・ビジネスモデルの検討・行政への情報提供、協議

・社会的インパクトの試算・ビジネスモデルの検討・行政・金融機関との連携による制度検討

合同勉強会

有識者の知見を共有

合同検証

参加企業の製品、サービスのパッケージモデルの効果検証

合同プロモーション

パッケージモデルの効果検証結果の発表を展示会等でプロモート

ウェルネスモデル

の実装

パッケージモデルを内外の自治体に取り込むことを働きかけるとともに実装を目指した取り組みを重ねる

認知機能維持・向上 ・・・運動機能維持・向上分科会

6月 10月 2月

国の実証事業

自治体のプロポーザル加点

SIB 等

制度提案

露出部分

水面下部分

ウェルネスビジネス創出ワークショップ①~モデルケース創出事業 スケジュール案

自立したビジネス17

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参加企業が、認知機能・運動機能の維持向上の方法、検証結果、介入結果による経済効果の試算方法等の知見を有識者から得て共有

国内外の事例の研究

行政や、公的施設または、民間高齢者施設等の協力を得て、参加企業の製品・サービスの効果検証を目的とした実証試験を実施

計測項目・指標、効果の評価方法については、ワークショップ内で検討、開発し、共通化

パッケージモデルの効果をエビデンス、コスト削減の試算とともに示し、想定される事業モデルを展示会等(想定:イノベーションストリーム、デジタルMDF等)で発表

多数の自治体に実証や実装を働きかける

合同勉強会

合同検証

合同プロモーション

ウェルネスビジネス創出ワークショップ①~モデルケース創出事業 スケジュール案

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Page 27: ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ同時配

ユーザーグループ

一 般 市 民中 小 企 業フ ィ ッ ト ネ ス ジ ム人 間 ド ッ ク 会 員高齢者施設利用者

計測

セルフチェックメディカルチェック

認知機能指標計測関連製品・サービス

計測手法・評価指標の標準化

運動習慣

食習慣

対人接触

視力・聴力

睡眠習慣

スポーツ・フィットネス食品美容ソフトウェア寝具メーカーサービス事業者 etc

認知機能の維持・向上に資する行動習慣とそれらをサポートする製品・サービス

効果検証

製品・サービスの利用

認知機能維持・向上製品サービスパッケージ化

制度提案 域外市場に向けた

ビジネス展開

ビジネスモデル構築

想定アウトプット

想定アウトプット

実証フィールド

ウェルネスビジネス創出ワークショップ①~モデルケース創出事業 事業フロー案

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ウェルネスビジネス創出ワークショップ① モデルケース創出事業 <チーム構成例/認知機能>

睡 眠 の 質

・ベッド、枕などの寝具・リラックス・休息効果を高める衣類・就寝前に摂取する飲料、サプリ

食 習 慣

・機能性食品、サプリ・カロリー管理アプリ・メニュー提案

認 知 機 能 向 上

・VRを使ったトレーニングツール・視力・聴力の維持・向上・脳トレゲーム

運 動 習 慣

・フィットネス・スイミング・ツーリズム・ウォーキング・ランニングイベント・運動補助機器・器具・ウェア

対 人 接 触 習 慣・コミュニケーションロボット・遠隔コミュニケーションツール・ゲーム

認知機能維持向上に向けたアプローチ

認 知 機 能 計 測

モ ニ タ リ ン グ

・活動量計・GPS連動型歩数計・睡眠計・食事管理

・生体検査、画像検査、遺伝子検査・脳波、脳血流・言語、行動分析

行動ログ

ユーザーパッケージ利用

効果の検証

認知機能レベルの計測(履歴管理)

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Page 29: ~「関西ウエルネス産業振興構想」に基づく京阪神 …平成30年5月14日 大阪経済記者クラブ会員各位 (布先:京都経済記者クラブ、神戸経済記者クラブ同時配

自 立 モ デ ル制 度 提 案

ウェルネスビジネス創出ワークショップ①モデルケース創出事業 <チーム一例/認知機能>

リラックス・休息効果を高める衣類

食事メニュー

VRトレーニングツール

コグニサイズ

コミュニケーションロボット

認知機能維持 向上チーム

認知機能計測

モ ニ タ リ ン グ

・活動量・GPS連動型歩数、歩幅・睡眠計・食事管理

・ロボットによる認知機能検査・脳波検査、脳血流

行動ログ

ユーザー・実証フィールド

パッケージ利用

効果の検証

認知機能レベルの計測(履歴管理)

高 齢 者 施 設 利 用 者

運 動 習 慣

対人接触習慣

食 習 慣

睡 眠 の 質

脳トレーニング

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運動機能レベルの計測(履歴管理)

・快眠を促す照明・快眠寝具

・配食サービス・筋力強化サプリ・プロテインバー

・フィットネスアプリ・運動機能サポートウエア.ホームフィットネス商品

運動機能 向上チーム運 動 機 能 ・ 筋 力 測 定

モ ニ タ リ ン グ

・活動量・GPS連動型歩数、歩幅・睡眠計・食事管理

・運動フォーム解析・筋力測定

行動ログ

ユーザー実証フィールド

パッケージ利用

効果の検証

人 間 ド ッ ク 会 員

運動機能強化製品・サ ー ビ ス

睡 眠 の 質

食 習 慣

自 立 モ デ ル制 度 提 案

ウェルネスビジネス創出ワークショップ①モデルケース創出事業 <チーム一例/運動機能>

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ウエルネス関連事業(2018年度 スケジュール案)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

ワークショップ

合同勉強会

合同検証

合同報告会・

プロモーション

パートナーズ

登録社・団体募集

リリース等

構想・事業内容

リリース

三商ライフサイエ

ンス懇談会

要望建議

三商ライフサイエ

ンス懇談会

2019年2018年

5月14日23