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自由民主党 IT戦略特命委員会 IoT政策の動向 2015521()インターフュージョン・コンサルティング 代表取締役会長 奥井規晶

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自由民主党IT戦略特命委員会

IoT政策の動向

2015年5月21日

(株)インターフュージョン・コンサルティング

代表取締役会長 奥井規晶

© 2015 InterFusion Consulting, Inc. | www.interfusion.jp | Page No. 1

メッセージ:本日申し上げたい事00

1. IoTにより、現在世界は「第4次産業革命」のスタート地点におり、これから社会が大きく変わる

2. 少なくとも、米国、ドイツ、英国、中国、韓国、シンガポール、インドはIoTの重要性を認識して国策を打ち出している

3. IoTには、産業IoTと社会インフラIoTがあり、また各々同様の技術的な階層構造を持っている。最も重要な階層はプラットフォーム層で、ここで巨大企業や国の主導権獲得競争がはげしい

4. IoTの現時点における日本の優位性は、部分的な要素技術と緻密な現場オペレーションのみであり、製造業ですらガラケーの二の舞となる危険性がある

5. 日本も2015年度内には、産業競争力強化、社会インフラ、2020年東京オリパラ、マイナンバー利活用、ヘルスケア(医療、介護)等の論点で「IoT政策」を打ち出すべきでは

① 総科技等で、レイヤー構造に照らしたIoT技術開発戦略を明確に打ち出すべきでは

② サイバーセキュリティ戦略本部は各レイヤーにわたる「IoTセキュリティ」にも注力すべきでは

③ 米国、英国、中国、韓国、インドのようにIoTベンチャーの本格的な育成が必要なのでは

④ ドイツのように産業界IoT戦略を打ち出し、産業プラットフォームの確保を目指すべきでは

⑤ 日本は社会インフラIoTは産業界IoTよりも世界的なアドバンテージをとれる可能性があり、インフラ輸出に貢献できるのでは

⑥ 日本的な社会インフラIoTプラットフォーム(日本版スマートシティ基盤、共生自律分散型プラットフォーム)が必要で、これらの実証事業(ユースケース)を数多く提供すべきでは

⑦ 「IoT」推進の強力な横断型組織を設立すべきでは

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IoT(Internet of Things)とは(1)01

パソコンやスマートフォン、タブレットだけでなく、身の回りのあらゆるモノに埋め込まれたセンサー等のデバイスがインターネットに繋がり、相互で通信が可能になる技術や仕組み、状態のこと 類似の言葉としてM2M(Machine to Machine:機器同士の相互通信) シスコは、IoTがモノだけでなくプロセスや人等全てにつながりIoE(Internet of Everything)に拡張すると予測 2020年のIoT関連市場規模は8.9兆ドル、モノの数2120億個(IDC2013年)

【沿革】 2001年、コマツがCOMTRAXをスタート、以降漸次進化し続けている 2012年、GEがIndustry Internet発表、ドイツが第四次産業革命として「Industrie4.0」発表(元SAP社長) 2014年はIoT関連で様々な団体が設立され、2015年は「IoT元年」と予測されている ウェアラブルを中心に既にIoTは身近な生活を変えはじめている

IoTは産業、生活、社会インフラに影響 既にインターネット接続デバイスは世界の人口よりも多い

01 IoT(Internet of Things)とは

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IoT事例:レイヤー別の整理02

IoTには共通したレイヤー階層があるが、巨大プレーヤーですら全てを自前で揃えられるわけではなく、パートナーと連携している。

分類

社名 モノ エッジデバイス

接続機器 IaaS(システムのインフラ、データセンター等)

プラットフォーム(PaaS)

アナリティクス、垂直ソリューション(SaaS)

機器製造業

GE 多くは提携先 シスコ等 通信3社

Siemens 不明

Robert Bosch 不明

Intel 開発キット 開発キット

IT企業

IBM 自社も使える

CISCO ミドルウェア提供

MS

SAP

国際標準組織「oneM2M」

自社提供

提携先利用、開発キット提供、ミドルウェア提供等々

特徴 製造業中心 通信機器企業中心領域

ICT企業中心の領域

動向の概観 モノがインテリジェント化してエッジデバイスと一体化

IoT用通信方式・機器

クラウドと連携したプラットフォーム(PaaS)をめぐる競争

セキュリティはどのレイヤーにも共通なので省略

02 IoT事例

IaaS ; Infrastructure as a ServicePaaS : Platform as a ServiceSaaS : Software as a Service

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IoT事例:GE Industrial Internet02

コマツのKOMTRAXが開発された翌年の2002年、GE会長兼CEOのジェフリー・R・イメルト氏が「サービス2.0」を打ち出した。これは、ハードウェアなどを売って利益を上げるモノ売りを軸としたビジネスから、サービスを軸としたサービスプロバイダに生まれ変わるという思想で、GEは2012年から「インダストリアル・インターネット」を掲げている。

工場内のIoTであるブリリアントファクトリーのコンセプトや、製造業のIoTビジネスモデルとしての「Predictivityソリューション」を次々に投入しており、「Predictivityソリューション」は2014年に10億ドル以上の売上を見込んでいる。

GEのインダストリアル・インターネット

ブリリアント・ファクトリー インダトスリアル・インターネットのデータループ

02 IoT事例

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IoT事例:日立 自律分散型プラットフォーム

日立はJR東日本と、M2M・IoTなどの技術を活用し、設備の状態把握・故障予測による効果的な設備メンテナンスの実現を目指している。様々なセンサーから「M2Mトラフィックソリューション」を介してデータが収集され、メンテナンスに役立っている。同社は、駅や信号システムといった鉄道インフラのIoTを構築して、自律分散型プラットフォームを指向しており、インフラ輸出に貢献している。

02

太陽光発電型センサーノード

Source: Hitachi HP.

02 IoT事例

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IoT事例:ユニシス 災害監視とビルエネルギー管理(BEMS)

防災(災害監視)やスマートエネルギーは世界的に見ても先進的な分野で、国内では各社がIoT構造のソリューションを提供している。

0202 IoT事例

ビルエネルギー管理(BEMS)の例災害監視カメラ運用の例

出所:日本ユニシス

日本気象協会とのコラボでできた災害監視システム

オンライン気象情報サービスと連携して、災害が発生しやすい現場の映像を提供する事も可能

基本的に月額制で低コストで実現

電力の見える化、空調や照明の遠隔制御、エネルギー警報、アグリゲータからの遠隔制御、簡易省エネ診断等を提供

様々なデバイスが集計装置経由でクラウド接続され、気象情報と連携されるIoTシステムで、経産省の補助金対象

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IoT事例:IBM Intelligent Operation Center02

出所:IBMインタビュー

同社のIntelligent Operations Center (IOC)は、気象(Big Thunder)、スマートウォーター、防災といった社会インフラIoTを統合して管理できる。

リオデジャネイロのIOC例

02 IoT事例

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IoT事例:シンガポール Smart Nation Platform02

アーキテクチャー

シンガポールは国策として社会インフラのIoT化を推進中

日本のようにバラバラに進めるのではなく、全体統合でプラットフォームを構築

02 IoT事例

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IoT事例:NECセーファーシティ02

生体認証等セキュリティに強い同社は、高機能センサー、ビッグデータによる予知・予兆分析、次世代ネットワーク技術等を融合した社会インフラソリューションとしての「セーファーティシティ」を持つ。シンガポールの「Smart Nation Platform」でも採用されている。

社会ソリューション群セーファーティシティ

02 IoT事例

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IoTのレイヤー構造03

エッジデバイス

通信機器(通信)

IaaS

プラットフォーム

アナリティクス

スマート○○

産業界IoT 産業毎に進化するIoT

社会インフラIoT 社会基盤として進化するIoT

アナリティクス ビッグデータ分析ツール、AI(人工知能) GEのData lake、SAPのHANA等々

○○業

プラットフォーム IoTアプリの基盤 GEのPredix、IBMのCloud foundry等々

IaaS(Infrastructure as a Service) IoTシステムのインフラ、DC

通信機器 膨大なデータを送る通信機器 シスコのFog computing機器等

エッジデバイス モノを計るセンサー等 Boshのセンサー機器、東芝の

Chip to cloud機器等

モノ

垂直ソリューション 特定業界のIoTをまとめて提供 GEのPredictivity、三菱電機

eF@ctory等々

セキュリティ 各レイヤー、又はレイヤーを統合し

て提供されるセキュリティ

IoTには現在製造業やスマートホームを中心に進んでいる産業界IoTと、スマートグリッドやスマートモビリティのような社会インフラIoTがあり、各々がほぼ共通に階層化できる。各業界やインフラの巨大プレーヤーは各々の垂直統合に、ICT企業はレイヤー毎の水平展開に動いている。垂直展開ではプラットフォームの確保が、水平展開では世界標準化・デファクト化が勝負所となる。

ICT企業が水平展開

業界・インフラの巨大プレーヤーが

垂直展開

IDC Japan市場調査の分類との対応 Intelligent System/Device : エッジデバイス Connectivity :通信機器(通信) IoT Infrastructure : IaaS Platform : プラットフォーム Analytics : アナリティクス Service : 垂直ソリューション Security : セキュリティ オペレーションは対応なし国内市場規模2014年9.4兆円、2019年16.4兆円

垂直ソリューション

オペレーション

プラットフォームの確保が勝負所

世界標準化・デファクト化が勝負所

セキュリティ

オペレーション IoTの緻密な運用 運用者と開発者の連携

03 IoTのレイヤー構造

PaaS : Platform as a Service

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IoTのレイヤー構造(2)03

エッジデバイス

通信機器(通信)

IaaS

プラットフォーム

アナリティクス

スマート○○○○業

モノ

産業界IoTや社会インフラIoTのプレーヤーにとって最重要レイヤーは「プラットフォーム(PaaS)」。他の多くは外部購入可能だが、プラットフォームが変わると現在の業務アプリ(垂直ソリューション)が使えなくなる。

垂直ソリューション

オペレーション

モノ

エッジデバイス

通信機器(通信)

IaaS

アナリティクス

プラットフォーム

垂直ソリューション

規格に合った製品・サービスを外部から購入できる

元々自分達が扱っている【属性】• 位置(日本にはG空間がある)

• 動き• 温度• 振動等々• モノにセンサーやICチップ

、RFID等が付きモノはインテリジェント化していく

ここを押さえられれば業界で優位に立てる

セキュリティ

オペレーション

セキュリティ

プラットフォームに合わせる必要がある

垂直ソリューションに合わせる必要があるシステム運用は外部委託も可能日本の現場オペレーションは世界最先端

03 IoTのレイヤー構造

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各国のIoT政策:概要04

エッジデバイス

通信機器

IaaSプラットフォーム

アナリティクス

製造業

スマートホーム

流通業・・・

スマートグリッド

ドイツ: Industry 4.0米GE: IIC

スマートモビリティ米インテル: OIC米グーグル: Thread Group米アップル:HomeKit米クァルコム;AllSeen

スマートウォーター・・・

社会インフラIoT

技術レイヤーのアプローチ 各国・団体の標準化競争 各企業の技術開発競争

制度 グレーゾーン、データ利活用、デジタル経済対応・・・・・・

産業毎のアプローチ ドイツ 米巨大企業設立団体(政府支援)

社会インフラのアプローチ 実証事業(ユースケー

ス、シンガポール、印)

政策 ベンチャー投資・育成(中、英、韓、印) 技術開発政策(米、独等各国) 人材育成政策

社会インフラプラットフォーム

プラットフォーム シンガポール: Smart Nation Platform 台湾・フランス: IoT Lab

政策・制度のアプローチ

サイバーセキュリティ政策

IoT関連政策は産業界、社会インフラ、技術レイヤー、政策・制度の4分野。産業毎では米GE(IIC)とドイツ(Industry4.0)が製造業で独走中で、スマートホームは競り合い(Threadが一歩リードか)。技術レイヤーは国際標準化競争が激しい。社会インフラは実証事業が進む。米独が国策としての技術開発に走る一方、英中韓はベンチャー投資・育成に注力。

垂直ソリューション

オペレーション

セキュリティ

産業界IoT

04 各国のIoT政策

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日本のIoT政策:現状のまとめ05

国名 国策 産業分野

日本 経産省が2013年12月より「IoT時代に対応したデータ経営2.0」を議論、国策の必要性を指摘、必要な政策を整理

産業競争力会議で、2015.1.29.「成長力戦略進化のための今後の検討方針」にIoTの文言が入る

産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会中間取りまとめ「CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革」平成27年4月

総合科学技術イノベーション会議で、2015.4.10.「第5期科学技術基本計画の具体化に向けた考え方」に文言に「IoT」が入り世界の潮流として認識

IoT化されていないが日本の多くの社会インフラは世界的にレベルが高い 気象、位置情報(G空間)、防災、国土強靭化(インフラメ

ンテナンス)、エネルギー、交通管制/ITS マイナンバーは今後インフラの一翼を担う オープン/ビッグデータは国策で推進中 通信方式の標準化も国策で推進中

国内製造業はプレーヤーが多く、国内標準化ですら困難

米国のように強力な牽引役となる日本企業はなく、各社どれかの団体に所属して様子を見ている

「メイド・イン・ジャパン」のブランドイメージがある 製造業のファクトリーオートメーションは現在世界最先

端 現場のオペレーションは世界最先端 国内のエネルギーや防災は世界的に進んでいる

現状、民間の技術力は先端にいるが、国際的な標準化競争には出遅れ気味

携帯電話(ガラケー)と同様ガラパゴス化の危険あり

海外と比べてIoTに関する国策は周回遅れ(その中では経産省の議論が進んでいる)

産官学連携した技術強化と人材育成、ベンチャーも含むエコシステムを目指そうとしている

IoTの浸透に伴い、経済成長・国際競争力に影響する恐れがある

05 日本のIoT政策

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日本のIoT政策:政策の打ち出し05

分野 海外事例 論点

政策の打ち出し 明確なIoTの打出し ドイツindustry4.0 米国 SMART AMERICA Challenge シンガポール Smart Nation Platform (SNP)

でanticipatory govewrnment 台湾・仏 IoT lab 中国 Internet+ 韓国 インターネット新産業育成方案 インド 2020年にIoT市場150億ドル、100か

所のスマートシティ 団体の設立や支援 ドイツ Industry 4.0 米国 IIC,OIC, AllSeen, Thread等 英国 HyperCat 韓国 事物インターネット標準化協議会

既に「IoT」のトレンドは認識しており、経産省・産業競争力会議や総合雅楽技術イノベーション会議で議論している。特に経産省は課題や施策の整理をしているが、世界動向を考慮すると以下の論点で2015年内に打ち出すべきでは 産業競争力強化(ドイツ、米国、英国中国、韓国、イン

ド) 社会インフラ(シンガポール、台湾・フランス、インド) 2020年東京オリパラ マイナンバー利活用 ヘルスケア(医療、介護)

既に多くの社会インフラを推進しているが、「IoT」推進の強力な横断型組織を設立し、各々の社会インフラが自立協調できるようにする必要があるのでは

サイバーセキュリティは「IoT」の各レイヤーに必要なのでセキュリティに注力するのもよいのでは

ベンチャー育成・支援

米国 シリコンバレー 英国 TechCity 中国 7500億円ファンド 韓国 IoT支援センター インド National Center of Excellence

米シリコンバレー、英TechCityのようなベンチャー集積を強力に推し進めるべきでは

日本にもベンチャー育成や産官学連携の枠組みはあるが、国策として「IoT」に特化して、強化してもよいのでは

05 日本のIoT政策

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日本のIoT政策:技術戦略05

分野 海外事例 論点

技術レイヤーのアプローチ

【世界標準化】既存規格 6LoWPAN : IETF、省電力無線NW Zigbee : 無線センサーNW IP500 : 大規模省電力センサーNW 3GPP : LTEによる大規模無線NW規格化を目指す団体 oneM2M : 世界主要7標準化団体、M2M Thread Group : グーグル、スマートホーム TSN : 産業・自動車向けEthernet AVB日本主導既存規格 Wi-SUN / ECHONET : スマートスホーム GotAPI : 無線通信

【デファクト化】デファクト化を目指す基本技術 MQTT : IBM、既にオープンソース化 CSRmesh : 英CSR、スマホ接続・制御デファクト化を目指す団体/規格 AllSeen Alliance : クァルコム、スマートホーム Homekit : Apple. スマートホーム

【エコシステム化から標準化を目指す団体】 OIC : Intel、スマートホーム・オフィスから産業分野へ IIC : GE、製造業など産業分野 HyperCat : BT等英国企業、オープンカタログ SOG : 欧州企業中心、ガイドラインや便利情報

【現状】 日本は世界標準化を苦手としてきたが、家電や通信の技

術的な強みからECHONETやGotAPIのような世界標準を主導した。但し、同じ領域で他の標準化の動きが進行中なので、安泰というわけにはいかない

巨大企業がデファクト化を目指すのはIT業界の常だが、日本にはそのような有力企業はいないので、バナソニック、シャープ、ソニーがクァルコム主導のAllSeenの主要メンバーとして参加している

IoT潮流のひとつの特徴であるエコシステム化では、IICに日本の主要IT企業やトヨタが参加し、HyperCatに富士通が参加している

【論点】 総合科学技術イノベーション会議等で、IoT技術開発を明

確に打ち出し、IoTに関して譲れる技術と譲れない技術を明確に仕分けして尖がった技術開発をすべきでは

現在、経産省ではキーテクノロジーを以下の分野としているが、IoTのレイヤー構造の考え方を加えて、特に産業毎、社会インフラ毎のプラットフォームの確保とIoTセキュリティに注力すべきでは デバイス(センサーの小型化・省電力化・低廉化、モバイ

ルの高性能化) 情報処理(クラウドの大規模化・低廉化、分散処理技術

の高度化、人工知能の高度化) ネットワーク(通信費用の低廉化、TCP/IPの普及) セキュリティ技術

• OIC : Open Interconnect Consortium、IIC : Industrial Internet Consortium、SOG : Smart Objects Guideline

05 日本のIoT政策

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日本のIoT政策:産業界と社会インフラ05

分野 海外事例 論点

産業毎のアプローチ

ドイツは国策として製造業の革新に挑む「Industry4.0」

米国は巨大企業が牽引し政府が支援 製造業:IIC(GE), TSN(自動車) スマートホーム:Thread(グーグル), AllSeen(クァ

ルコム), OIC(インテル),Homekit(アップル) ヘルスケア:IIC, OIC エネルギー:IIC 運輸:IIC 行政:IIC

日本も製造業が生命線であり、現時点ではファクトリーオートメーションの先端を走っているが、IoTの潮流に乗り遅れるとガラケーの二の舞になる可能性があるので、ドイツのような強烈な国策を打ち出す必要があるのでは

各産業分野の課題整理は既に経産省が行っているが、米国IICやOICのように製造業以外の分野のIoT推進を国策として進めるべきでは

プラットフォームの確保が勝負所となるので、国策として抑えにかかるべきでは

社会インフラのアプローチ

米IICは製造業だけでなくエネルギーや行政といった社会インフラも対象としている

シンガポールは国策として「Smart Nation Platform」を打ち出し

台湾とフランスは二か国連携で「IoT Lab」を打ち出し インドは100箇所のスマートシティ化計画

デジタル・ニッポン2014で打ち出した各種の施策は見方を変えればIoTとなっている

日本にとって、社会インフラIoTは産業界IoTよりも世界的なアドバンテージをとれる可能性があり、インフラ輸出に貢献できるのでは。

防災・気象、交通管制/ITS等世界最先端のインフラを中心に他を含めて、IoTを前面に出したプラットフォームを構築し、実証事業(ユースケース)を数多く提供すべきでは

日本的な社会インフラIoTプラットフォーム(日本版スマートシティ基盤、共生自律分散型プラッットフォーム)が必要なのでは 防災・気象(microclimate)、交通管制/ITS 空間位置情報(G空間)、スマートエネルギー 国土土強靭化:スマートインフラメンテナンス、スマート

ウォーター、教育インフラ 社会保障(雇用、保険、年金)

05 日本のIoT政策

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日本のIoT政策:共生自律分散型社会インフラプラットフォーム05

日本は様々な社会インフラの高度化を進めているが、バラバラ感があり相互連携がどれだけ図れるかが未知数。シンガポールのような社会インフラプラットフォームを目指すべきでは?また、各レイヤーを横断するIoTセキュリティについても統一的な推進をすべきでは?

垂直ソリューションは各インフラで推進中 アナリティクスはオープン・ビッグデータで推進中 通信は通信方式標準化推進中

05 日本のIoT政策

先ずは、シンガポールの「Smart Nation Platform」のようにシステムアーキテクチャーを定義し、様々な実証事業(ユースケース)を提供して、自律協調型プラットフォームを構築すべきでは

自立協調型プラットフォーム共生自律分散型プラットフォーム

IaaS

通信機器/通信

エッジデバイス

モノ

垂直ソリューション

アナリティクス

プラットフォーム

防災・気象

IoTセキュリティ

教育インフラ

社会保障(雇用、保険、年金等)

スマートウォーター

交通インフラ/ITS

スマートエネルギー

位置情報(G空間)

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日本のIoT政策:社会インフラプラットフォーム05◎ 防災・気象インフラ

気象情報は災害関連情報として重要であり、日本は世界最高レベルにある。エネルギー、スマートウォーター、交通インフラとプラットフォーム層で連携して、リアルタイム処理が必要

防災は河川や傾斜地のセンサー情報及び気象情報と連携して防災ソリューションとして重要◎ 交通管制/ITS

高速道路等日本の交通管制は世界トップレベルにあり、ITSは世界と激しく競争している。道路、車、自転車、通行人等のIoT連携で交通安全の向上が期待できる

鉄道インフラのIoT化も進み、インフラ輸出が具現化している○ 位置情報(G空間)

G空間が完成すれば世界最先端となる。本来は、「モノ」の属性であるが、交通インフラ、防災・気象インフラ、エネルギー、スマートウォーター等とも連携して、重要な情報インフラとなる

○ スマートエネルギー 配送電のスマートグリッド、ビルのBEMS、住宅のHEMS等世界トップレベルにある。太陽光発電などは気象

情報と連携すべきで、配管管理は位置情報との連携(GIS)が重要となる。△ 国土強靭化

道路、橋、トンネル等交通インフラの老朽化対策としてセンサー網による老朽化検知、予知予兆検知が重要となり、IoT構造で集めたセンサー情報をアナリティクス層で分析し管理サイクルを回す

△ スマートウォーター 上下水道運用管理の民営化が遅れている日本ではスマートウォーターは世界的に遅れている。センサーに

よる配管管理、遠隔制御等一部技術は優れているが、トータルソリューションとしてスマートとは言えない△ 教育インフラ

教材コンテンツのデジタル化が進んでいる。バラバラに進めるのではなく、校務も含めてIoTの教育インフラプラットフォームを構築すれば、効率的

× 社会保障(雇用、保険、年金等)システムインフラ 先進国のシステムインフラとして最も遅れている。世界はシチズンオリエンテッドで社会保障全体が統合運

用されているが、日本は縦割の複数システムで運用費は世界の10倍かかっている。マイナンバーとIoTアーキテクチャーによる抜本的な改革が必要

05 日本のIoT政策

◎、○、△、×は現在の先進度

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以下、参考参考1 IoTとは

参考2 IoTのレイヤー構造

参考3 IoT事例

参考4 各国の政策

参考5 日本のIoT政策

参考6 IoT標準化の概観

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IoT(Internet of Things)とは(2)

スターバックスのコーヒーメーカー「Clover」Clovernetで各店舗のCloverや冷蔵庫が接続豆毎の最適パラメータを計算して品質管理

レジの待ち時間を削減する「Kroger」赤外線カメラで顧客分析、最適な稼動レジ台数を事前調整して待ち時間を劇的に減少

他にも

電気自動車「Tesla Moters」

3G携帯電話経由でのソフトウェアアップデート

サンフランシスコのスマートパーキング

空き状況に応じて駐車料金を変動

ゴミの量をセンシング「SmartBin」

■ ごみ容量をセンサー検出、必要時に回収

プラントへの水やりうながし「Botanicalls」

プラントに水が必要になったらスマホに伝える

コンタクトレンズ型デバイス「Smart Contact Lens」

涙に含まれるグルコースの量を監視

ネットワーク型歯ブラシ「Kolibree」

歯ブラシに加速度計、ジャイロ等搭載、スマホへ転送

スーツケースのネット接続「Airbus Bag2Go」

ロストバゲージを未然に防ぐ

センサー付きバスケットボール「InforMotion Sports Tech」

センサーでシュートのフォームを数値化

身近なIoTの例

参考1 IoT(Internet of Things)とは

参考1

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IoTのレイヤー構造(3)

GEのIndustrial Internetは「Industrial Internet Consotium」としてパートナーが集まった形となっており、GEはプラットフォーム「Predix(datalake)」を押さえて下位レイヤーはパートナーと連携する。プラットフォームはオープンソースとして公開され、一社独占よりも横展開で仲間を募り、標準化、デファクト化を目指す傾向がある。

参考2 IoTのレイヤー構造

参考2

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IoT事例:コマツ

製造業におけるIoTの萌芽、KOMTRAX

2001年にコマツが開発したKOMTRAXは建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステムで、その後の同社の業績に大きく貢献した。これが現在のIoTの萌芽であり、特に製造業におけるIoTに大きな影響を与えた。

【ビジネスモデル】

KOMTRAX自体は無償で顧客に車両情報を届ける

メンテナンスビジネスの強化で稼ぐ

【主なシステム構成】

建設機械に独自のコントローラ・通信機器を設置、GPSで位置確認

地上波通信(Dopa)や衛星通信(Orbcomm)による無線通信

地上管理局で情報収集

センターのサーバで情報管理し、Webで顧客に情報を提供

コマツのKOMTRAX

出所:コマツ テクニカルレポート No150

参考3 IoT事例

参考3

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現時点で“Smart Factory”に最も近いとされるのが同社のアンベルク工場。

IoT事例:Siemens

•自社・他社の工場向けオートメーション機器を製造。On-demand生産体制であり、既に99.7%の製品について注文を受けてから24時間以内の出荷ができるという。急な設計変更にもデータ入れ替えだけで対応できる。

•工場内の1000の製造ユニットがウェブサイト経由で指示を受けており、部品を集め、組み立てることができる。約75%が自動操縦。それぞれの仕掛かり品にRFIDが組み込まれており、自らが必要な部品をリクエストする。

•従業員はPCでモニタリングし、若干の指示をPC上で操作することと、より効率的な生産プロセスを考案することに集中している。

(出所:同社HPおよびレポート、日経ビジネス等の記事)

参考3 IoT事例

参考3

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BOSCHはIndustrie 4.0 作業グループの中核メンバーとして、自らSmart Factory実現に積極的。

IoT事例:Robert Bosch

Homburg 工場の様子

従業員は皆、Bluethooth 端末を装着。作業者の熟練度などに応じて作業指示内容や環境(画像の有無、言語も)が切り替わる

機種切り替えの段取り時間も大幅短縮(2015年じゅうに0秒に)

ライン統括者はプロセス改良に集中

サプライヤー、顧客と工場システムを今後つないでゆく(左図。2014年半ばからディーゼルエンジン基幹部品で、2015年から農機用油圧機器で試験的に始める)

サプライヤー、顧客とつながる工場

(出所:同社HPおよびレポート、日経ビジネスなどの記事)

(出所:日刊工業新聞記事)

参考3 IoT事例

参考3

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IoT事例:三菱電機

三菱電機は、ファクトリーオートメーション「e-F@ctory」ソリューションで、豊富なグローバル実績を持ち、「ドイツより10年先を行っている」と豪語。

出所:日経ビジネス記事 2015.01.5.

2003年から製造業IoTで先行し、実績豊富。

2003年から「Industry4.0」を先取りする形で「e-F@ctory」ソリューションを展開

サーボモーター工場の生産性は1.8倍になった

SAPやIBMなど各分野のパートナー企業約300社と手を組む

国内自動車メーカーはじめ、世界で約100社、5000件の導入実績

「e-F@ctory Alliance」で、機器・ソフトウェアのベンダー、システムインテグレーターを囲い込み

参考3 IoT事例

参考3

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IoT事例:製造業IoTの全体動向

製造業のIoTでは、半ば独走気味のGEに対し、製造復権を目指しながら業界団体が乱立気味の米国。製造大国の意地と存立を掛けて政財官学一体で取り組もうとするドイツ。この2大勢力が先行。

Industrie 4.0 Platform 中核企業

機械メーカー、自動車メーカー等

研究所、コンサル会社等

Industrial Internet Consortium

Open InterconnectConsortium

Allseen Alliance

Thread Group

参考3 IoT事例

参考3

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レイヤー別IoT事例(7):日立

Source: Hitachi HP.

同社のインテリジェントウォーターソリューションはIoT構造を持ち、配水コントロールシステムではリアルタイム管網解析により配水ポンプや制御弁を最適制御するための 目標値を演算できる。

参考3 IoT事例

参考3

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レイヤー別IoT事例(8):GEスマートウォーター

同社のスマートウォーターソリューション「Smallworld Water Office」は、データモデル、アプリ、そして統合化された機器の集合からプラットフォーム垂直ソリューションまでIoT構造を持っている。

参考3 IoT事例

参考3

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IoTにおけるデバイス用のプラットフォームを発表。

IoT事例補足:Intel

• 【それは何か?】 IntelのHWとSWを組み合わせ、IoT向けの接続性とセキュリティを統合したリファレンスモデル

• 【その役割は?】各種デバイスのデータを信頼度の高い方法でクラウドにつなぐための基盤を提供する

• 【デバイス用のプラットフォームがなぜ必要か?】 デバイスをIoTに対応させようとする企業は拡張性の課題に直面する。開発プロセスの手間や時間を削減し、新たなソリューションの導入を簡素化する必要がある

(出所:同社HPおよびレポート)

参考1参考1 IoT事例補足

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IoT事例補足:IBM

IoT Foundationは、複数のオープン・テクノロジーの組み合わせ、迅速かつ容易に『いつでも、どこでも、何にでも接続できる』 環境を提供することを目指す。オープン化でプラットフォームの水平展開を強力に推進中。

MQTT:モノを簡単に登録

して接続

Bluemix:モノからのデータを収集し、その時系列ビューを管理

Node-RED :IoT のイベントを視覚的に

組み立てて論理フローを作成

接続とサブスクリプションを管理

迅速に開発するためのツールを提供、

参考1参考1 IoT事例補足

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同社は得意な通信分野でIoTビジネスを創出することにフォーカスしており、新たな通信インフラのコンセプトとしてフォグコンピューティングを打ち出している。

IoT事例補足:Cisco Systems

Fog Computing

全ての物事がネットにつながることで生み出される膨大な通信データ量を処理するのを全部クラウドに任せることは非効率であるゆえ、NW端末(エッジ)での処理とクラウドコンピューティングを融合させるフォグコンピューティングという基盤技術が普及すると、シスコは主張する。

(出所:同社HPに加筆)

(出所:同社関係者の講演資料)

参考1参考1 IoT事例補足

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IoT事例補足:東芝

「ヒューマン・スマート・コミュニティ」を実現するため、エッジとクラウドの協調連携により効率的・効果的なIoTを目指す、というのが東芝グループの基本戦略。

• クラウドにおいては、社会インフラをはじめ各産業におけるノウハウを蓄積。

• 各ドメインにおける専門的な知見は、エッジでの判断(したがってエージェントなどのソフトウェアの設計)に生かされる。

• データが生成される現場で、取捨選択の判断やリアルタイムの処理が必要となる。半導体チップや各種デバイス、あるいはネットワークのユーザー側の端に位置するエッジでの情報処理が欠かせない(→エッジコンピューティングの必然性)。

• エッジにおいては、チップやセンサー、デバイスなどを提供。

• グループ内でさまざまなデバイスを開発しているので、エッジにインテリジェンスを実装しやすい立場にある。

背景感および東芝グループの自己認識

IoTを活用した事業推進を加速するため、グループ内に分散しているICTソリューション関連部門を社内カンパニーであるクラウド&ソリューション社(C&S)に統合(2015年4月1日付)

コーポレート部門の情報システム部 コーポレート部門のソフトウェア技術センター 東芝ソリューション株式会社(一部事業)

東芝インフォメーションシステムズ株式会社をC&S傘下に

• グループ内のICTに関わる人財を集結(*)• IoT共通基盤を開発• 「エネルギー」「ヘルスケア」「ストレージ」分野の製品・サービスを中心に展開

*子会社から技術者ら1千人の出向を受け入れるなど、同部門の社内カンパニーの人員を現在の4倍に増やす。海外子会社も含め4千人体制で一体開発を進める。

参考1参考1 IoT事例補足

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各国のIoT政策(1)

国名 国策 産業分野 ポイント

米国 2012年「Big Data R&D Initiative」(NSF, NIH, DOD, DARPA等、2億ドル以上)

IoT団体に対して政府は年間100万ドル以上投資

SMART AMERICA Challengeはホワイトハウス直下のプロジェクトでトライアルやExpo開催

2014年多くのIoT団体設立 製造業:Industry Internet Consortium スマートホーム:AllSeen Alliance等々

GE, IBM, インテル、Apple, Google, Qualcomm等各々の分野でデファクトを押さえる巨大プレーヤーが中心となって国際標準化へ向かう

ホワイトハウスがトライアル

ドイツ 2013年には280億円の政府予算、先端クラスターにMax2億ユーロ助成「考える工場」が2億ユーロ獲得

2013年11月「Industrie 4.0 German Standardization Roadmap案」発表IEC/ISO化の動向を整理・明確化

2025年までに米国と中国を抜いて輸出世界一を目指す

2012年から製造業のファクトリーオートメーション(FA)分野で開始

国策と共にSAP、Siemens, Bosh等巨大企業が参加

SAP,Siemens, Bosh等巨大企業が参加

IECでは既にIndustry4.0を念頭に置いたスマートマニュファクチャリングの議論開始

国策で製造業強化 SAP元社長が主導

イギリス 2014年3月にIoTに約80億円投資と発表、スタートアップ企業やHyperCatに投資

政府肝いりで第2のシリコンバレーを目指すTechCityで数千社のスタートアップコミュニティ育成

2014年6月HyperCat設立、BT,ARM,BAE等約40英国企業が参加し、M2Mのオープンカタログを目指す

通信大手Arqivaが仏ベンチャーSigfoxと提携して10都市にIoTネットワーク構築

ロンドン地下鉄IoT化

BT, ARM, BAE等巨大企業が参加

規格化重視 ベンチャー育成

EU 2010年に欧州2020,「欧州デジタルアジェンダ2020 2014年デジタル単一市場担当副委員長はエストニア、デジタル経済社会担当委員はドイツ

参考4 各国のIoT政策

参考4

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各国のIoT政策(2)

国名 国策 産業分野 ポイント

中国 「Internet+」が2015年国策の行動計画として登場

政府が7500億円のファンドで新興ベンチャーに投資

スマートメーター2億個既設 国人民政治協商会議と全国人民代表

大会では、中国IT業界のキーパーソンの代表28名が選任

テンセント、百度、小米、レノボ、ハイアール等巨大IT企業が誕生している

ベンチャー投資

シンガポール 政府IT部門Infocomm Development Authority of Singapore(IDA)がロードマップで、活用領域、進化、ゲートウェイ・ネットワーク、センサー接続を3,5年単位で整理

Smart Nation Platform(SNP)でビッグデータ解析で「予期して先手を打つ政府(anticipatory government)」を提唱

Jurong Lake Distrrictで15事業が20企業協力で進行中

この内、「uClim」では狭域気象(microclimate)を監査し定量化、見える化で都市づくり

IoT@Home Initiativeではスマートホーム(Singapore home)、スマートフォーク、スマートシャツ等々

国民生活のプラットフォーム

韓国 2011年からIoT支援センターを設立しベンチャー支援

2013年IoT世界標準を目指す「事物インターネット標準化協議会」発足、サムスン電子、LG電子、SKテレコムなど13の企業と、韓国情報通信技術協会(TTA)などの公的機関、学会の専門家らが参加

2014年設立国際標準化組織oneM2Mの総会を誘致

2015年「インターネット新産業育成方案」発表、5万人の雇用創出

通信企業の電波使用料を値下げしてIoTへの投資をうながす計画

サムソンが米国のスマートホームIoT団体(OIC: Open Interconnect Consortium、Thread Group)の主要メンバー

ベンチャー投資 標準化重視

参考4 各国のIoT政策

参考4

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各国のIoT政策(3)

国名 国策 産業分野 ポイント

台湾フランス

2014年9月台湾財団法人資策会がパリ第6大学(UPMC)、仏国立情報学自動制御研究所とMOU、UPMC主導EUサポートの「One Lab」と両国が2015年に始動する「IoT Lab」(IoT合同試験用プラットフォーム)の協業

IoT Labは仏グルノーブル・ストラスブール間リンクで1千個以上の感知ホペイントで合同運用

合同プラットフォーム 二か国連携

インド 2020年にIoT市場を150億ドル規模に拡大、政府が10億円程度投資、National center of Excellence(インキュベーションセンター)設立

上水道や給水所に流れる水の品質や大気の汚染状況をモニタリングするスマート技術、患者の身体の変化を感知し医者に警告を送る技術などを開発する予定

100箇所のスマートシティ化計画

社会基盤重視 ベンチャー投資

参考4 各国のIoT政策

参考4

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チップベンダがリードするASAとOICの2団体が特に、世界の覇権を握るべく仲間作りに積極的。

各国のIoT政策:米国

• AllSeen Alliance(ASA)はQualcomm、OICはIntelといったチップベンダがリードしており、共に標準仕様を作るだけでなく仕様を実装してオープンソースで配布することで普及を目指している。米国内の勢力争いではなく、この2団体は世界の覇権を巡って互いに牽制し合っている。

• ASAは家電という家庭内の規格にフォーカスし、OICは対象を絞らず何でもあり、という具合に方針は全く違う。

• 一方、IICは要求条件を取りまとめ、ユースケースを規定するものの、自らは技術仕様は作らず、互換性検証用のテストベッドを提供する立場に留まる。

(出所:ITpro記事)

• IICが行儀がよいのは一種の半官半民的組織であり、米国の国益追求を第一に考える性格だからと考えられる。米国連邦政府の投資(補助金)のための評価・審査にあたってはIICを通じて行う見通しである。

参考4参考5 各国のIoT政策

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一方、米国政府は研究組織や民間企業の技術開発を促進・支援する仕組みを用意している。

各国のIoT政策補足:米国

• 米国連邦政府は、cyber-physical systems関連のR&Dに年間$100million以上を投資すると宣言。

• Cyber-Physical Systems (米国政府はIoTをこのように呼ぶ)を推進するべく、ホワイトハウス直下のプロジェクト(SMART AMERICA Challenge)を組んで、システムのトライアルを実施したり、Expoやコンペを開催したりしている。米国らしく、民間主導の基本線は崩さない。

(出所:同プロジェクトHPおよび記事)

参考4参考5 各国のIoT政策

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ドイツ政府と産業界・学会は「Industrie 4.0」 というビジョンを共有し、戦略的な取り組みを行っている。

各国のIoT政策補足:ドイツ

ドイツ科学技術アカデミー等が提言する「Industrie 4.0」のビジョン

「モノとサービスのインターネット」により現実世界(Physical System)とサイバー空間(Cyber System)を密接に連携させるサイバー・フィジカル・システムによる製造業をめざす 。

設計、開発、生産に関するあらゆるデータをセンサーなどを通して蓄積し、その分析によりスマート工場を実現する。

そのための取り組みとして次の2つを課題とした。

M2MやIoTの標準化への戦略的取組み

企業の組織改革

【経緯】 2006年、ドイツ政府は、統合的な技術・イノベーション政策のための基本方針として「ハイテク戦略」を決定。2010年に「ハイテク戦略2020」を閣議決定。この具体化のため、2012年に決定された10の「未来プロジェクト」の一つとしてIndustrie 4.0 は進められている。ドイツ科学技術アカデミーによる提言の最終報告は2013年4月に実施(2014年9月には最新版「新ハイテク戦略」決定) 。

【主管】 「(新)ハイテク戦略」及び「未来プロジェクト」の主担当省は教育研究省と経済・エネルギー省。政府の支援としては、教育研究省による資金的支援が重要な役割を担う(上記10の「未来プロジェクト」に対し、2012年から2015年の間に合計で84億ユーロの助成予定)。経済省もIndustrie 4.0を産業政策の重要課題の一つに掲げている。

「Industrie 4.0」の位置づけ

参考4参考5 各国のIoT政策

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これを受けて、「Industrie 4.0 プラットフォーム」という産業界を結集する団体が立ち上げられた。この組織がドイツ産業界の力を結集する、戦略推進の原動力となっている。

各国のIoT政策補足:ドイツ

「Industrie 4.0 プラットフォーム」

目的: Industrie 4.0 の推進と業種横断的アプローチの確保

主催:連邦情報技術・通信・ニューメディア連盟(BITKOM)、ドイツ機械工業連盟(VDMA)、ドイツ電気電子工業連盟(ZVEI)

構成員:関心企業(ドイツ有力企業の大半といってよい)や、これらの業界団体等

(参照:www.platform-i40.de )

これと連携して、acatech (Germany’s National Academy of Science and Engineering)が、様々な研究の取りまとめの役割や発表の場を提供している。

参考4参考5 各国のIoT政策

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日本のIoT政策(1)

スマート○○を進める上でIoTが重要な事は総科技でも認識されている。

「(前略)システム化を進めていくにはIoT、AI、ロボット、ビッグデータ等のコア技術が各政策課題を解決する上で重要な鍵となる。(中略)これらは各政策課題を解決する要素として、それぞれの政策課題に含めて考えていく必要がある。」

出所:総科学技術イノベーション会議2015.4.16.

参考5 日本のIoT政策

参考5

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日本のIoT政策(2)

IoT社会の実現がもたらす影響、課題、施策の方向性は産構審で議論されている。

出所:産業構造審議会2015.3.4.

参考5 日本のIoT政策

参考5

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日本のIoT政策(3)

参考5 日本のIoT政策

参考5

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IoT標準化の概観(1)参考6

既存規格 6LoWPAN : IETF、省電力無線NW Zigbee : 無線センサーNW IP500 : 大規模省電力センサーNW 3GPP : LTEによる大規模無線NW

規格化を目指す団体 oneM2M : 世界主要7標準化団体、M2M Thread Group : グーグル、スマートホーム TSN : 産業・自動車向けEthernet AVB

デファクト化を目指す団体/規格 AllSeen Alliance : クァルコム、スマートホーム Homekit : Apple. スマートホーム

エコシステム化から標準化を目指す団体 Open Interconnect Consortium : インテル、スマ

ートホーム・オフィスから産業分野へ Industrial Internet Consortium : GE、製造業など

産業分野 HyperCat : BT等英国企業、オープンカタログ Smart Objects Guideline : 欧州企業中心、ガイド

ラインや便利情報

日本主導既存規格 Wi-SUN / ECHONET : スマートホーム GotAPI : 無線通信

世界標準化

エコシステム化 デファクト化

現在、IoT規格の標準化をめぐって、世界標準化、デファクト化、エコシステム化の3つの動きがある。産業分野を中心にエコシステム化が存在するのが特徴。現時点で日本は基本技術の世界標準化でそれほど後れをとっている訳ではないが、産業分野では出遅れ気味。

デファクト化を目指す基本技術 MQTT : IBM、既にオープンソ

ース化 CSRmesh : 英CSR、スマホ接

続・制御

参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:(2)

IoTはクラウド基盤による提供が想定されているため、そのレイヤー構造はクラウド階層モデルと同様となる。技術の世界標準化はOSI、TCP/IP、クラウドモデルをベースに進む。

第7層 - アプリケーション層具体的な通信サービス(例えばファイル・メールの転送、遠隔データベースアクセスなど)を提供。HTTPやFTP等の通信サービス。

第6層 - プレゼンテーション層データの表現方法(例えばEBCDICコードのテキストファイルをASCIIコードのファイルへ変換する)。

第1層 - 物理層物理的な接続。コネクタのピンの数、コネクタ形状の規定等。銅線-光ファイバ間の電気信号の変換等。

第4層 - トランスポート層ネットワークの端から端までの通信管理(エラー訂正、再送制御等)。

第3層 - ネットワーク層ネットワークにおける通信経路の選択(ルーティング)。データ中継。

第2層 - データリンク層直接的(隣接的)に接続されている通信機器間の信号の受け渡し。

第5層 - セッション層通信プログラム間の通信の開始から終了までの手順(接続が途切れた場合、接続の回復を試みる)

OSI参照モデル

アプリケーション層

トランスポート層

インターネット層

ネットワークインターフェイス層

TCP/IP階層モデル

サービス層 SaaS

サービス層 PaaS

設備層

資源抽象化・管理層

ハードウェア層

サービス層 IaaS

クラウド階層モデル

アプリ:垂直ソリューション

アナリティクス(SaaS)

プラットフォーム(PaaS)

モノ

通信機器(通信)

エッジデバイス

IaaS

IoT階層モデル

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観(3)

トランスポート層以下の標準は様々なものが揃っており、各々の団体がIoT時代に合わせてさらに進化を検討している。日本もNICTがスマートメーターをドコモがスマホ分野で頑張っている。

6LoWPAN IP500 3GPPECHONET / Wi-

SUNGotAPI

各ノードがIPv6アドレスを持つ低消費電力でオープンなワイヤレス・メッ

シュ・ネットワーク

低コスト低消費電力で大規模ネットワークを構築できるインターネット回線センサーネットワークの

無線通信規格

LTEによる大規模無線NW

NICTが国内ガス会社やメーター製造企業と連携してIEEEに提案し、標準化をリードしてきたもので、日本発の国際

標準

複数のウェアラブル機器やIoT機器を一元的に操作するスマートフォンアプリやWebアプリの開発を容易にするインター

フェース技術

上位層(アプリ:垂直統合ソ

リューション)

第7層アプリケーション層

SaaS(アナリティクス) ECHONET Lite GotAPI

第6層プレゼンテーション層

PaaS(プラットフォーム)

アプリI/F

第5層セッション層

IaaS IP500 PANA

第4層トランスポート層

UDP/ BACnetTM UDP

第3層ネットワーク層

IpPv6/6LoWPAN

ZigbeeIP(6LowPAN)

Zigbeeスタッ

IpPv6/6LoWPAN IpPv6/6LoWPAN

第2層データリンク層

ハードウェア(エッジデバイス)

IEEE802.15.4e

Zigbeeスタッ

IEEE802.15.4 IEEE802.15.4e

第1層物理層

設備層(モノ)IEEE802.1

5.4gZigbeeス

タッARIB STD-T108IEEE802.15.4g

対象となる世界標準規格

Zigbee

既存標準規格 日本が主導した既存標準規格

クラウド階層(IoTレイヤー)

資源抽象化・管理(通信機器・通信)

OSI参照モデル低速、短距離、安価、低消費電力な無線センサネットワーク用プロトコ

3GPP

アプリ

Zigbeeアプリサポート副層

(APS)まで

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観(4)

世界の標準化団体が王道のように進める「oneM2M」。「TSN」はニッチ特化。スマートホームでは、「Thread」が「Zigbee」と組んで一歩リードするもアップルのHomekitやクァルコムのAllSeen(日本企業も参加)が猛追。IBMのMQTTはオープンソース化で利用が広がる。

oneM2M TSN Thread AllSeen MQTT

世界の主要7標準化団体の共同プロジェクトで、M2Mのためのサービスレイ

ヤの標準化

産業/自動車用途向けへのEthernetAVB普

及を目指すオーディオ/ビデオデータ配信

グーグル傘下Nest Labsの推進するホーム

オートメーション向けプロトコル

スマートホームオープンソースなIoT向け機器連携のフレームワークThread, OICと競

IBMが作ったHTTPに代わる軽量なオープンソースのメッ

セージプロトコル

上位層(アプリ:垂直統合ソ

リューション)Application Entity

AllJoynアプリケーション

第7層アプリケーション層

SaaS(アナリティクス)Comon Service

EntityAllJoynコアライブラリー

MQTT

第6層プレゼンテーション層

PaaS(プラットフォーム)

AllJoynルーター

第5層セッション層

IaaSトランスポート抽象化レイヤ

第4層トランスポート層

UDP L2CAP TCP

第3層ネットワーク層

RTP/UDP/IP IP/6LoWPAN Bluetooth LE IP

第2層データリンク層

ハードウェア(エッジデバイス)

EthernetAVBの拡張

IEEE802.15.4MAC

第1層物理層

設備層(モノ)A-Net,AES50,RockNet

IEEE802.15.4PHY

各々の対象領域

クラウド階層(IoTレイヤー)

資源抽象化・管理(通信機器・通信)

アプリZigbeeアプリ層を動作させる仕

様策定中

Homekit Accessory Protocol

GenericAttribute

Profile (GATT)/ ATT

JSON / HTTP

Network ServiceEntity

標準化に動いている団体/規格 デファクトを目指している団体/規格

OSI参照モデル

Homekit

HomeKitおよびHalthKitとはiOS8から搭載されている、iOSと

機器をつなぐフレームワーク

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観(5)

GEを中心にエコシステムを形成した「IIC」が、ドイツの「Industry4.0」と共に産業界IoTをリード。インテル主導の「OIC」がその後を追う。英国では「HyperCat」でエコシステム形成。他にアナリティクス分野でのIBMのCognitive Computingや、通信機器大手CiscoのFog Computing、メモリー大手東芝のChip to Cloud等有力なコンセプトに基づいた製品が存在し、IoTの覇権を争っている。

IIC OIC HypercCat

エネルギー、医療、製造、運輸、

行政に焦点

スマートホームやオフィスなどのプロトコル仕様、オープンソース実装。Thread, AllSeen

と競合

IoT機器どうしが参照するJSON

ベースの、オープンなカタログ

有力なコンセプト

上位層(アプリ:垂直統合ソ

リューション)HypercCat

第7層アプリケーション層

SaaS(アナリティクス) JSONIBMのCognitiveComputing

第6層プレゼンテーション層

PaaS(プラットフォーム)

第5層セッション層

IaaS

第4層トランスポート層

第3層ネットワーク層

第2層データリンク層

ハードウェア(エッジデバイス)

東芝のChip toCloud

第1層物理層

設備層(モノ)

各々の対象領域

CiscoのFogComputing

その他

OSI参照モデルクラウド階層(IoTレイヤー)

資源抽象化・管理(通信機器・通信)

OIC

IIC

エコシステム化を目指している団体

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:IoT既存世界標準規格(1)

団体名/規格名 主要企業 日本企業 対象 特徴

6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)

オープンIP標準、メッシュ・ルーティング、Ethernetや802.15.4などをサポート

各ノードがIPv6アドレスを持つ低消費電力でオープンなワイヤレス・メッシュ・ネットワーク

物理層はZigBeeと同じIEEE802.15.4。TCP/IP技術全般の標準化を行っているIETFにより2004年から策定開始オープンIP標準、メッシュ・ルーティング、Ethernetや802.15.4などをサポート

Zigbee Alliance/ Zigbee

低速、短距離、安価、低消費電力な無線センサネットワーク用プロトコル

2004年に策定OSI参照モデルではネットワーク層~アプリケーション副層のプロトコルThreadと協業

IP500 Alliance/ IP500

EUを中心にASSA ABLOY、BOSCH、GEZE、Honeywell、Siemensなど377社

オムロン、豊田通商 低コスト低消費電力で大規模ネットワークを構築できるインターネット回線センサーネットワークの無線通信規格

EUの防火防犯認定規則であるVdSの認定を受けており、HEMSやビルセキュリティなど、信頼性が高い分野などへ活用

3GPP(3rd Generation Partnership Project)

米ATIS、欧ETSI、日ARIB/TTC、韓国TTA、中国CCSA

日ARIB/TTC、NEC等々 LTEによる大規模無線NW

NECが4月に製品化信号数1/10

既にあるIoT関連規格

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:IoT既存世界標準規格(2)

団体名/規格名 主要企業 日本企業 対象 特徴

Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)アライアンス

情報通信研究機構(NICT)、米Elster、Itron、Landis+Gyr、Silver Spring Networks

情報通信研究機構(NICT)

NICTが国内ガス会社やメーター製造企業と連携してIEEEに提案し、標準化をリードしてきたもので、日本発の国際標準

物理層の仕様は「IEEE 802.15.4g」

Wi-SUN Profile for ECHONET LiteWi-SUN HAN

NICTが中心となって国内企業が推進

日本で特に推進されているスマートメータ用の国際標準通信規格

東電が採用

デバイスWebAPIコンソーシアム(GotAPI)

NTTドコモとSOFTBANKが中心アイ・オー・データ、NECソリューションイノベータ、オムロン、カシオ、シャープ、エプソン、ソニー、日新システムズ、日本マイクロソフト、富士通、リコーなど、携帯電話事業者、機器メーカー、サービス提供会社等27社

国際的な標準化団体「OMA(Open Mobile Alliance)」で標準化されたインタフェース技術である「GotAPI(Generic Open Terminal API)」の普及複数のウェアラブル機器やIoT機器を一元的に操作するスマートフォンアプリやWebアプリの開発を容易にするインターフェース技術

GotAPIはNTTドコモが開発した「デバイスコネクトWebAPI」がベース

既にあるIoT関連規格で日本が主導したもの

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:IoT標準規格化を目指した動き

団体名/規格名 主要企業 日本企業 対象 特徴

Thread Group/ Thread

グーグル(+NST Labs),Sumsong, ARM, Freescaleセミコンダクター

ナシ グーグル傘下Nest Labsの推進するホームオートメーション向けプロトコル

OSI参照モデルのネットワーク層、トランスポート層の規格既にスマート電球のLIFX、洗濯機のWhirlpool、自動車のMercedes-BenzなどがこのAPIを利用してサービスを開発Zigbeeと協業

oneM2M ETSI(仏),ARIB(日本),TTC(日本), CCSA(中国), TTA(韓国), ATIS(米国), TIA(米国),

日本の標準化組織ARIB,TTC

世界の主要7標準化団体の共同プロジェクトで、M2Mのためのサービスレイヤの標準化

既に欧州「TC M2M」技術委員会があり仏ETSIがその国際化と主導権確保のため設立

TSN(Time-Sensitive Networking)

Broadcom、Cisco Systems、Intel、Xilinx、Belden、GE(General Electric)、NIなど

ナシ 産業/自動車用途向けへのEthernetAVB普及を目指す

AVnu Alliance(もともとはイーサネットの普及を推進し、オーディオ/ビデオデータ配信をサポートするための中核的な団体として設立)が産業/自動車用途向けへの普及を目指して、Ethernet AVBを拡張した規格

現在IoT関連規格化の動きがあるもの

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:国際標準組織 「oneM2M」

2012年7月、M2M分野における新しい国際標準化組織「oneM2M」が発足。IICのGE、AllSeenのクァルコム、OICのインテル、Threadのグーグル、HomeKitのアップル等を特定企業主体の垂直統合とすると「oneM2M」は業界の水平展開の構図。

M2M標準の策定を目指す標準化開発機関(SDO)

標準化開発機関 略称 活動地域

一般社団法人電波産業会Association of Radio Industries and Businesses

ARIBアジア(日本)

一般社団法人情報通信技術委員会Telecommunication Technology Committee

TTCアジア(日本)

中国通信標準化協会China Communications Standards Association

CCSAアジア(中国)

韓国通信技術協会Telecommunications Technology Association

TTAアジア(韓国)

米国電気通信標準化連合Alliance for Telecommunications Industry Solutions

ATIS北米

(USA)

米国電気通信工業会Telecommunications Industry Association

TIA北米

(USA)

欧州電気通信標準化機構European Telecommunications StandardsInstitute

ETSI欧州

(フランス)

既に欧州で「TC M2M」という技術委員会を立ち上げ、M2Mのセンサー等のデバイス領域やネットワーク領域での標準化審議を行い、欧州企業とのパートナーシップを確立していた「ETSI」がTCM2Mの国際化と主導権の確保を狙い、他の組織と共に設立

USA:新しいビジネスの展開に期待 中国:IoTを国家戦略として推進 日本:「世界最先端IT国家創造宣言」に掲げられた「世界

最高水準のIT利活用社会の実現」に向け、M2Mを活用して、新たなビジネスの創出だけでなく、社会的課題の解決を総務省等で検討

oneM2Mのアーキテクチャ

独自の垂直型モデルからオープンなプラットフォームによる水平分散型モデルへの展開

※oneM2M「Functional Architecture」(TS-0001-V1.6.1 2015-1-30)

アプリケーション(AE: Application Entity)、共通プラットフォーム(CSE: Common Service Entity)、ネットワークサービス(NSE: Network Service Entity)という3つのレイヤーとそれぞれを結ぶ参照点を定義

共通プラットフォームとして汎用的な機能を定義

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:IoTのデファクト化を目指している規格

団体名/規格名 主要企業 日本企業 対象 特徴

AllSeen Alliance/ AllJoyn

Qualcomm, Elextrolux, Haier, LG, Microsoft, TP-LINK, BOSCH, CISCO, fon, htc, lenovo, Symantec

Panasonic, SHARP, SONY

スマートフォームオープンソースなIoT向け機器連携のフレームワーク

業界団体はLinux Foundationにより、2013年12月10日に発足が発表OSI参照モデルのセッション層以上の規格で、トランスポート層には依存しない

MQTT(MQ Telemetry Transport)

IBM HTTPに代わる軽量なオープンソースのメッセージプロトコル

1999年からIBMにより推進され、現在はオープンソース

Homekit Apple, TI, Honeywell, Haier, PHILIPS等々

ナシ HomeKitおよびHalthKitとは iOS8から搭載されている、iOSと機器をつなぐフレームワーク

BluetoothとIPによるアクセスのみをサポートBluetoothとIPによるアクセスのみをサポート

CSRmesh CSR:イギリス・ケンブリッジに本拠を置く半導体設計企業

無数の機器をスマートフォンで制御

Bluetooth Smartを活用して、メッシュネットワークに接続されたほぼ無数の機器を、スマートフォンやタブレット端末などで制御することが可能

参考6参考6 IoT標準化の概観

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IoT標準化の概観:IoTのエコシステム化から標準化を目指す団体

団体名/規格名 主要企業 日本企業 対象 特徴

OIC(Open Interconnect Consortium)

Intel, Cisco, Sumson, Mediatek

ナシ スマートホームやオフィスなどのプロトコル仕様、オープンソース実装。Qualcommが主導するAllSeen Allianceと競合

自動車市場やヘルスケア市場、産業市場などに向けたバージョンも発表予定

IIC(Industrial Internet Consortium)

GE, AT&T, IBM Cisco,Intel

富士通、富士電機、日立、三菱電機、NEC、東芝、トヨタ

エネルギー、医療、製造、運輸、行政に焦点

OMGから派生。共通アーキテクチャー推進でエコシステム形成。互換性テストベッド開発5月に日本組織設立

HyperCat Flexeye社、BT、ARM、BAE、ロールスロイス、KPMG社などイギリス企業40社や教育機関が

富士通 IoT機器どうしが参照するJSONベースの、オープンなカタログの規格

2004年にはイギリス政府から約11億円の資金提供、その後2014年8月には約2.7億円の追加資金

Smart Objects Guideline

ARM, Atmel, BOSH, COOPER Power Systems, dfustnetworks , edf, ERICSSON, Freescale, greenwave gridconnect

ナシ IPベースのオープンなIoT向けガイドライン

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