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2019年7月23日国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)株式会社NTTデータ
平成30年度IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業「グローバルサプライチェーンにおける貿易手続の効率化」成果報告会
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1. 研究開発(実証実験)の概要
2. 実証実験用システム
3. 実証実験内容
4. 実証実験結果
5. 社会実装に向けた検討
6. まとめ
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1.研究開発(実証実験)の概要
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①業界横断的な標準仕様の整備業界横断的なデータの利活用を可能とするため、共通インターフェースやAPI、セキュリティ等の標準仕様を整備。
②規制・制度の見直しに向けた提言関係省庁や有識者との議論の場を運営しながら、IoT等の活用を促進する上で必要な規制・制度の見直しを検討。
③先進的ビジネスアイディアの発掘・支援IoT等の利活用を企業・業種の壁を越えて産学官で推進する「IoT
推進コンソーシアム」の運営を通じて、IoTを有効活用した先進的な事業モデルの発掘や社会実装を促進
IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業
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名称
グローバルサプライチェーンにおける貿易手続の効率化の研究開発
背景日本の貿易手続きも、企業間でメールや紙媒体でのやりとりが中心。海外諸国に比べ時間及びコストを要している。
【貿易手続等に係る官民協議会 】– (平成29年10月~30年3月まで計6回開催)
– 協議会とりまとめ①CY(コンテナヤード)への貨物搬入締切時刻(CYカットタイム)の短縮②港湾における渋滞緩和③今後の検討課題(港湾のIT化等)
実証実験の背景
「未来投資戦略2017」(平成29年6月閣議決定)
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貿易手続の流れ(例)
・NACCS等により電子化が進行したが、民間手続では一部の電子化が進んでいない。
主な貿易手続の流れ(例)
輸出者
フォワーダー
陸運業者 ターミナルオペレーター
通関業者
NACCS
税関
船会社
⑫船積書類
⑮通関許可
①売買契約
…
輸出側 輸入側
⑱船積通知
・貨物のステータスが見えない
・データが活用されない・B/L確認作業が発生
・通関申告のための入力/確認作業が発生
・通関状況のステータスが把握できない NACCSへの
入力作業が発生
貨物のデータ/手続が正しく
税関
貨物データの不備や手続が正しく行われていない、もしくは、貨物ステータスがわからないために、港湾での渋滞につながっている。
B/L:Bill of LadingD/R:Dock Receipt・データ不備のリスクが高い
・マニフェスト送信のための確認/入力作業が発生
保険
銀行 銀行
③信用状 決済情報
㉒買取書類
輸入者
書類作成や内容確認に時間がかかる
書類作成や内容確認に時間がかかる
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貿易手続データ連携システム
7
目的
関係事業者間で取り扱うデータを電子化し、正確に、セキュリティを確保し、情報を共有可能なシステムを構築し、貿易に係る業務を円滑化すること。
データ連携
銀行 通関業荷主〈輸出者〉(自社システム無)
陸運業 ターミナルオペレーター 船会社保険 フォワーダー荷主〈輸出者〉(自社システム有)
ドキュメントの電子化 ステータス管理 アクセス制御
API
アプリケーション ・・・
アプリケーション
アプリケーション
貿易手続データ連携システムブロックチェーンを活用した、閲覧/更新履歴の管理、真正性の確保
海外NACCS
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実証事業の内容及び目標
実証内容
実際の貿易手続にて、貿易手続データ連携システムを利用して情報を共有することにより、システムに必要な要件等を整理するとともに、システムを利用することによる効果を明らかにする。
当該システムの活用が、官民協議会にてとりまとめたCYカットタイム短縮の実現に資するかどうかの確認も含む。
目標
貿易手続データ連携システムの社会実装。
システム要件、仕様、情報共有ルールの検討・整理。
システムの構築とそれを用いた実証実験の実施。
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【参考】業務フローの整理(一部抜粋)業務フロー図
システム名 概要
貿易手続データ連携システム 貿易手続きにおける各種情報を、関係者間で共有し、後続手続へ流用可能とする。
凡例 貿易手続データ連携
システム作
業
貿易手続データ連携
システム処
理
貿易手続データ連携システム機能による授受
NACCS
海外PF
作業/処理NACCS・海外PF
機能による授受
システム外
作業
輸出者 NACCS/税関 海外PF貿易手続データ
連携システム銀行
フォワーダ /
通関業者保険会社 ターミナル 陸運業者 船社
参照可能
L/C通知 L/C通知 L/C登録
船腹予約
船積書類登録
引き込み(L/C登録)
船腹予約船腹予約
登録
引き込み(船腹予約等)
船腹予約更新
船腹予約
回答
引き込み
(L/C登録等)
I/V・P/L
登録
I/V・P/L
登録
引き込み(I/V・P/L等)
S/I
登録
S/I
登録
I/V・P/L登録
S/I登録
シーケンシャルな業務フロー
NACCSにもデータを提供することで、NACCS側手続きも含めてリ
ードタイム削減をはかる
NACCSにもデータを提供することで、NACCS側手続きも含めてリードタイム削減をはかる
業務フロー図システム名 概要
貿易手続データ連携システム 貿易手続きにおける各種情報を、関係者間で共有し、後続手続へ流用可能とする。
凡例 貿易手続データ連携
システム作
業
貿易手続データ連携
システム処
理
貿易手続データ連携システム機能による授受
NACCS
海外PF
作業/処理NACCS・海外PF
機能による授受
システム外
作業
輸出者 NACCS/税関 海外PF貿易手続データ
連携システム銀行
フォワーダ /
通関業者保険会社 ターミナル 陸運業者 船社
参照可能
空コンテナ手配
空コンテナ
手配
空コンテナ手配登録
バンニング等
引き込み
(空コンテナ手配等)
空コンテナ
手配完了
空コンテナ手配更新
引き込み(空コンテナ手配等)
空コンテナ
手配更新
空コンテナ
引取予定
登録
コンテナ情報
登録
コンテナ情報登録
輸出申告(審査/許可)
空コンテナ
引き取り
最新情報参照
バンニング
等
引き込み(空コンテナ手配等)
輸出申告
最新情報引き込み
引き込み(S/I等)
輸出申告
I/V等をNACCSにも提供してお
り、輸出申告(NACCS側作業)でもデータを流用可能賭となる
従来どおり、NACCS側で実施
NACCSにもデータを提供すること
で、NACCS側手続きも含めてリードタイム削減をはかる
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NEDO実証実験のポイント
① 貿易手続を構造化データで正確に関係事業者と連携できるシステム
② 多くの関係事業者が使用しやすいインターフェース②インターフェース
・システム化されていない事業者も利用可能なWebインターフェース(IE等で利用可能)の構築・自社システムやサードパーティーベンダーとの連携が容易なAPI連携機能の構築し、API仕様を公開
①データ連携
・金流を含む関係業界全体で構造化データを共有(金融、保険、輸出者、フォワーダー、通関業者、陸運業社、ターミナルオペレーター、船会社)
・ブロックチェーンを用いてデータの真正性を確保
※APIでのシステム間連携はI/Vで実証
荷主フォワーダー
クラウド型サービス
Access and Operate
貿易手続データ連携システム
荷主フォワーダー
API API簡易UI
オンプレ型パッケージ
API
荷主フォワーダー
画面
自社システムあり自社システムなし
画面ファイル
貿易手続データ 貿易手続
データ
貿易手続データ
貿易手続データ連携システム
I/V
API
輸出者
<個社システム>
2世代前I/V
1世代前I/V
最新I/V
I/V履歴参照
変更差分の確認
最新バージョンと、ブロックチェーン上の変更履歴から過去データを取得
【例】 出港予定日2018/06/01⇒ 2018/06/13
履歴の管理
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2.実証実験用システム
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実証実験用システム
構成アプリケーション/ゲートウェイ(AP/GW)、システム基盤、NACCS接続用ゲートウェイソフトウェア(SimGate®)、海外プラットフォーム用ゲートウェイ(海外PF用GW)
データの流れ– 利用者がWebブラウザ経由で登録したデータを、システム基盤へ格納。
– NACCSとのデータ連携は、SimGate ®経由で接続。
– 海外税関システムとのデータ接続は、海外PF用GWで接続。(仮サーバを用いた接続検証)
基盤AP/GW
システム共通 システム共通
海外PF用GW
海外PF用GWサーバ
既存
利用者(荷主等)
画面 業務
SimGate®NACCS
Webブラウザ
NACCSサーバ
L/C画面
I/V画面
…
L/C照合
XX check
…
SimGate®サーバ
認証アクセス制御
WorkFlow制御 認証アクセス制御NACCS送受
GET
PUT
NACCSEDI変換
海外PFEDI変換
PUTGET 回答生成
検証機器
自社システム
Blockchainアダプタ業務個別API
L/C登録/参照
BlockChain連携
I/V登録/参照
API
…
L/C登録
I/V登録
…
NACCSとのデータ連携
ブロックチェーン技術の適用
Web UIの提供
貿易手続データ連携システム
システム基盤
システム連携を容易にするAPI等の提供
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ブロックチェーン技術の導入
貿易手続におけるブロックチェーン適用の有効性について
貿易手続データ連携システムに必要な用件
①対等な立場でのシステム参加
②各関係者が同じ取引情報を保有
③多数の貿易関係者が段階的に参加
④取引ステータス・ワークフローの管理
⑤高い信頼性
ブロックチェーンの特性
①中央集権的ではないシステム運営
②各ノードが同じ情報を保有
③システム規模の拡大が可能
④リアルタイムでの情報共有
⑤情報の改ざんが困難
貿易手続業務ではブロックチェーンの利用が適している
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ブロックチェーン技術の導入
ブロックチェーン技術登録データのハッシュ値をブロックチェーン上に保存。(登録時と同一内容であることを確認可能)
改ざんされた場合、ハッシュ値を比較することで改ざんを検知可能。⇒ 真正性の確保
データの変更を行うたびに、変更データをブロックチェーン上に保存。⇒ データの変更履歴管理
今回採用したブロックチェーンHyper ledger Fabric 1.2
選択理由
・処理性能が高い
・データコミットが確実
・メンバ管理機能がある
・Javaによる開発が可能
貿易手続データ連携システム
I/V
API
輸出者
<個社システム>2世代前I/V
1世代前I/V
最新I/V
I/V履歴参照
変更差分の確認
最新バージョンと、ブロックチェーン上の変更履歴から過去データを取得
【例】出港予定日:2018/06/01 ⇒ 2018/06/13
履歴の管理
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ブロックチェーン技術の導入
データ容量の課題過去履歴を全て持つため、データ容量が肥大し続ける。
⇒ハッシュを格納するブロックチェーンと、データ実体を格納する分散DBの組合せで解決。
データ共有範囲の課題データは一律全員公開ではなく、関係する事業者のみが参照・更新する認証方式の確立が必要。
国毎にノードが立てられた際、関係する国以外のノードに情報がわたらない方式を確立。
⇒ブロックチェーンによる制御部とコンテンツ部を分けて格納・管理する。
Peer Peer Peer
API API API
x国のノード運用主体 y国のノード運用主体 z国のノード運用主体
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________
S3 S3
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________
A社(x国) B社(y国)
貿易書類の登録 貿易書類の参照
BC上のデータは制御部のみのため、貿易書類の具体的な内容は参照できない。
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________
コンテンツ部を分離して保存
外部ストレージ 外部ストレージ 外部ストレージ
制御部を格納
コンテンツ部を格納
対象国のみコピー
BC BC BC
_____________________
_____________________
_____________________
__________________
________________
_________________
_____________________×
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NACCSとのデータ連携
接続方法 NACCSの、既存のEDI接続インタフェースを使用。
NACCS接続用GWソフトウェア(SimGate®)を利用して接続。
ブロックチェーンに格納される貿易書類情報をNACCS用EDI電文に変換。NACCS接続用GWシステムを通じて、NACCSにデータを送付する。
API
AP/GWサーバ SimGate®
貿易手続データ連携システム
NACCS
台帳機能APIによるデータ提供
NACCS用のEDIファイルを生成し、SimGate®に投入するのみ
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Webユーザーインターフェース
Webブラウザ用インターフェース 自社システムを持たない事業者を対象。
インターネットとPCさえあればどこからでも接続可能。
貿易手続データ連携システム
ログイン画面
User ID
Passsword
Web画面の提供Web User Interface
ログイン画面
項目ラベルと入力項目(一例)項目ラベルと入力項目の組み合わせのシンプルな配置
ログイン後のホーム画面(一例)
入力支援機能(一例)カレンダーからの日付選択、プルダウン選択等
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API連携
特徴自社システムやサードパーティなど、貿易関係ソフトの連携が容易なAPI連携機能を構築する。API仕様を公開することで、貿易関連ソフトを使用する関係事業者に広く使用されることを目指す。
利用者は、貿易関連ソフトの高度な業務機能や使い慣れたUIから、貿易手続データ連携システムを使用可能。
外部連携API貿易手続データ連携システムの機能を、
外部システムから実行するためのI/F。
貿易手続に係るドキュメントデータの登録/更新、照会/取得をする機能を提供。
REST-API、 JSON形式
荷主フォワーダー
クラウド型サービス
Access and Operate
貿易手続データ連携システム
荷主フォワーダー
API API簡易UI
オンプレ型パッケージ
API
荷主フォワーダー
画面
自社システムあり自社システムなし
画面
ファイル
貿易手続データ 貿易手続
データ
貿易手続データ
自社システムあり
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3.実証実験内容
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実証実験内容
項目 検証項目 成果目標
業務改善 CYカットタイム方策の実現可能性の実証を念頭に、二重入力の解消やリードタイムの短縮などの検証を行う。
必要な情報を把握し、すべて取得・共有できている。
デジタル化されていない箇所を減少できている。
情報に対する責任分界が明確化されている。
適切なタイミングで必要な情報が共有できている。
関係事業者の業務時間を短縮できている。
ユーザビリティ コンピューター操作に習熟していない利用者を想定。デジタル化していない中堅中小事業者のデジタル化促進策を検討する。
社会実装に向けて、必要なユーザビリティ要件を明確化している。社会実装に向けて、備えるべきAPI仕様を明確化している。
ビジネス性の検証 実際のビジネスで利用可能か、検討を行う。
関係事業者のインセンティブを明確化している。
非機能要件 社会実装に向けた非機能要件を確認する。
社会実装に向けて、必要なセキュリティ&プライバシーを明確化している。
社会実装に向けて、必要なパフォーマンス&スケーラビリティを明確化している。
社会実装に向けて、必要な障害耐性を明確化している。
実証実験の検証項目と成果目標
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検証方法①
東京港における実験概要
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検証方法②
横浜港における実験概要※横浜港での実証はL/C部分のみであり、実際の港での対応はなし。また、過去データを使用して実証を実施。
④ヒアリング実証システムを利用した結果(効果、課題、要望等)のヒアリング
③実証2nd(2/20)実証システムへのデータ投入(実証1stと同様のデータ)、投入結果の確認(習熟による時間変動を確認)
①実証実験準備・作業のすり合わせ・現状業務の確認・実証用データ準備
②実証1st(2/15)実証システムへのデータ投入、投入結果の確認
①実証実験準備作業すり合わせ、現状業務確認、実証用データ準備など
②実証1st・実証システムへのデータ投入、確認・2/15(金)投入
③実証2nd・実証システムへのデータ投入、確認・2/20(水)投入
④ヒアリング・結果(効果、課題、要望等)のヒアリング
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検証方法③
清水港における実験概要
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検証方法④
博多港における実験概要
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API連携の実証
API連携の普及拡大策自社システムやサードパーティなど、貿易関係ソフトとの連携が容易なAPI連携機能を構築する。
API仕様を公開することで、貿易関連ソフトを使用する関係事業者に広く使用されることを目指す。
オンプレミス/クラウド型の貿易関係ソフトとのAPI連携を試作し、実現可能性と課題を検証した。
荷主フォワーダー
クラウド型サービス
Access and Operate
貿易手続データ連携システム
荷主フォワーダー
API API簡易UI
オンプレ型パッケージ
API
荷主フォワーダー
画面
自社システムあり自社システムなし
画面ファイル
貿易手続データ 貿易手続
データ
貿易手続データ
自社システムあり
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4.実証実験結果
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実証実験結果
項目 検証項目 成果
業務改善 CYカットタイム方策の実現可能性の実証を念頭に、二重入力の解消やリードタイムの短縮などの検証を行う。
必要な情報を取得・共有できることを確認。
デジタル化されていない箇所が減少していたことを確認。
情報の作成者を明確化できることを確認。
適切なタイミングで情報共有できることを確認。
関係事業者の業務時間を短縮できたことを確認。
ユーザビリティ コンピューター操作に習熟していない利用者を想定。デジタル化していない中堅中小事業者のデジタル化促進策を検討する。
ユーザビリティ専門家評価を行い、修正要件を確認。
API仕様に対する修正要件を確認。
ビジネス性の検証 実際のビジネスで利用可能か、検討を行う。
インセンティブや実利用上の課題について、関係事業者に対しヒアリングを実施。
非機能要件 社会実装に向けた非機能要件を確認する。
社会実装に向けて、必要な非機能要件を検討した。
必要なセキュリティ&プライバシーを検討。
必要なパフォーマンス&スケーラビリティを検討。
必要な障害耐性を検討した。
実証実験の検証項目と成果
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業務時間の短縮
0
20
40
60
80
100
120
140
160
As-Is
Can-Be
To-Be
業務名 As-Is To-Be
L/C通知 15 分 15 分(0%減)
船腹予約 6 分 2 分(67%減)
船腹予約回答 4 分 1 分(75%減)
船積書類作成(I/V・P/L)
11 分 5 分(55%減)
船積書類作成(S/I) 17 分 9 分(47%減)
保険証券発行依頼 2 分 0 分(100%減)
保険証券発行 10 分 10 分(0%減)
空コンテナピックアップ(手配依頼・引取予定報告)
10 分 2 分(80%減)
空コンテナピックアップ(手配完了報告)
2 分 1 分(50%減)
バンニング 5 分 3 分(40%減)
ACL 7 分 2 分(71%減)
SWB(B/L)ドラフト作成
7 分 7 分(0%減)
SWB(B/L)ドラフトチェック
5 分 1 分(80%減)
荷為替手形作成 13 分 10 分(23%減)
L/C照合(輸出者) 105 分 56 分(47%減)
L/C照合(金融機関) 98 分 52 分(47%減)
合計 317 分 176 分(44%減)
L/Cなど前段書類や過去取引の情報を転記することで効率化が見込める。
輸出者からの受領書類の情報を転記することで効率化が見込める。
実証ケースはすでにEDIが実装済みだったため、効率化を確認できず。
実証では、対象業務が少なく、効率化は確認できず。
目視確認をしているL/Cと関連書類とのマッチングの自動化が進めば、大きな効率化が見込める。
参加者ケースでは80%がEDI済み。残り20%のEDI化が進めば更なる効率化が見込める。
As-Is(青):現状の実測値Can-Be(黄):実証システムでの実測値To-Be(赤):データ活用が進んだ状態での推計値
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CYカットタイムの短縮のためには、船会社による「AMS確認・申請」のチェック時間短縮が必要。実証参加企業より、「輸出者が100%電子的に登録を行いかつ、ACL(船積確認事項登録)登録時のデータ誤りや不足を排除すれば、少量であるがチェック時間の削減が可能」との意見を受領。
CYカットタイム短縮への影響
N-3日 N-2日 N-1日 N日(=ETA)
現状(貨物・情報共に3日前)
貨物フロー
情報フロー
リードタイム※CYカット(貨物)⇔ETA
官民協議会方策③(貨物・情報共に2日前)
貨物フロー
情報フロー
リードタイム
1.ACL申請2.AMS確認・申請
(船会社の固有作業含む)
2.CY蔵置 3.本船船積
8:00 ETA
1.ACL申請 3.AMS最終調整
2.CY蔵置 3.本船船積
3.AMS最終調整
1.空コンピック/CY搬入/VAN
8:00 17:00 8:00 8:00 8:0017:00 17:00 17:00
<課題1>現状、船会社のAMS確認申請は、入港二日前(N-2)の一日で対応。方策③では、船会社のAMS確認・申請の対応時間が確保できない。
<課題2>方策③で、AMS申請後エラー判定された貨物は不積みとなる。当該貨物の顧客への対応や、Load Plan再作成、追加荷役が想定される。
2.AMS確認・申請
本船到着が8時の場合の一例
1
2
1.空コンピック/CY搬入/VAN
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貿易手続データ連携システムで個社向けチェック機能を整備し、船会社に精緻なACL(船積確認事項登録)情報を送付することができれば、CYカットタイム短縮に寄与
CYカットタイム短縮への影響
【AMS特有の要件の例】• Pallet等の荷姿名表記が不可。
最小梱包単位での表記が必要。• Shipper、Consigneeについて、正式名
称の表記が必要。• Consigneeについて、米国住所の表
記が必要。• 貨物の総称的な表記が不可。
正確な名称の表記が必要。
船腹予約回答
空コンテナ手配依頼
空コンテナ手配回答
フォワーダ、船会社、ターミナルオペレーター等
バンニング
SWB(B/L)作成
ACL
船腹予約
I/V・P/L・S/I
輸出者、フォワーダ等
SWB(B/L)確認
貿易手続データ連携システム
NACCS
船腹予約
船腹予約回答
バンニング
ACL
SWB(B/L)
I/V・P/L・S/I
船腹予約
空コンテナ手配依頼
空コンテナ手配回答
船腹予約回答
バンニング
ACL
I/V・P/L・S/I
NACCSとのデータ連携イメージ
【ACL情報事前チェック】:個社向けにカスタマイズしたAMS専用のACLチェック機能を整備することで、精緻なACL作成を支援する。
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実施事項:① オンプレ型システムとAPI連携で正常接続できることを確認。② エンドユーザと貿易手続データ連携システムとのアクセス権の連携方式を検討。③ 実証結果を踏まえ、ソフトベンダへヒアリングを実施。
APIでのシステム間連携(オンプレ型)
荷主フォワーダー
クラウド型サービス
Access and Operate
貿易手続データ連携システム
荷主フォワーダー
API API簡易UI
オンプレ型パッケージ
API
荷主フォワーダー
画面
自社システムあり自社システムなし
画面
ファイル
貿易手続データ 貿易手続
データ
貿易手続データ
自社システムあり
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②エンドユーザと連携システムとのアクセス権の連携方式を検討。連携システム側では、企業内のエンドユーザのアクセス権は管理できない。⇒連携システム側で、複数のグループIDを設定。⇒個社システム側で、エンドユーザのアクセス権と紐づけることで、アクセス管理を実現可能。
APIでのシステム間連携(オンプレ型)
通信用API
企業個社システム
オンプレ環境
貿易手続情報共有システム
A-01(特権)
A事業部
B-01
C-01
C-02
企業個社システムユーザー
貿易手続情報共有システムユーザー
A-01 A事業部
A-01 B事業部
A-01 C事業部
B-01 B事業部
C-01 C事業部
C-02 C事業部
企業個社システムと貿易
手続情報共有システムの
ユーザー紐付けを定義
I/V文書
B事業部
C事業部
I/V文書
I/V文書
I/V文書
I/V文書
I/V文書
貿易手続データ連携システム
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③実証結果を踏まえ、ソフトベンダへヒアリングを実施。ソフト会社へのヒアリングの結果、以下の機能についての改善の要望を受領した。ご指摘いただいた要望については、社会実装に向けて対応を検討していく。
APIでのシステム間連携(オンプレ型)
B社システム
A社システム
業務システム
貿易P/F
参照・登録処理WebAPI
業務データ
マッピング設定
参照画面登録
画面
変換系機能
JSON変換API
通信系機能
https通信API
基盤系API(配付)
業務システム
業務データ
マッピング設定
参照画面登録
画面
JSON変換API
https通信API
企業個社システム
オンプレ環境
I/V登録・呼出画面
貿易手続データ連携システム
API送信情報をJSON変換
ユーザー定義項目の追加
ユーザWebブラウザ
HTTPにPOST
I/V情報 {AAA : xxxxxBBB : xxxCCC : xxxxxxxxFREE : {
Z01 : ***Z02 : *****Z03 : **
}}
項目 値
AAA xxxxx
BBB xxx
Z01 ***
CCC xxxxxxxx
Z02 *****
Z03 **
: :
企業個社システムで扱うI/V情報 貿易手続データ連携システム上のI/V情報
貿易手続データ連携システム/共通項目
ユーザー定義項目
…貿易手続データ連携システムのI/V情報にない独自項目
企業個社システム オンプレ環境
I/V登録画面
貿易手続データ連携システム
API
ユーザ
Webブラウザ
添付ファイル
添付ファイル
添付ファイル
添付ファイル
I/V呼出画面
ユーザ
Webブラウザ
添付ファイル
添付ファイル
I/V情報
登録 取得
添付ファイル
添付ファイル
I/V情報
ユーザ ユーザ
API連携機能の配布 添付ファイル連携ユーザ定義ファイルの追加
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実施事項① クラウド型システムとAPI連携で正常接続できることを確認。
② クラウドサービスとの連携方式(認証方法、アクセス権の共有方法)の方針を検討。
③ (Excel形式から、JSON形式にマッピングするツールを作成。)
APIでのシステム間連携(クラウド型)
荷主フォワーダー
クラウド型サービス
Access and Operate
貿易手続データ連携システム
荷主フォワーダー
API API簡易UI
オンプレ型パッケージ
API
荷主フォワーダー
画面
自社システムあり自社システムなし
画面
ファイル
貿易手続データ 貿易手続
データ
貿易手続データ
自社システムあり
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②クラウドサービスとの連携方式を検討(認証、アクセス権の共有方法)
APIでのシステム間連携(クラウド型)
【認証方法(PF間のコネクション成立)】
・代行的認証:ユーザ企業に代わって実施・代理的認証:クラウドサービス自体が実施
↓
代理的認証の方が、認証情報の管理がしやすいことから、代理的認証方法での管理を想定。
【アクセス権共有方式】・OAuth: SNSやWebサービス間で「アクセス権限の認可」を行うためのプロトコル
・シングルサインオン(SAML):PF間でシームレスに画面遷移をさせるための仕組み。共通のユーザ管理台帳の保持、シングルサインオンを補助するための認証サービスの活用が必要。
↓
OAuth認証を用いることが多い
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③Excel形式から、UN/CEFACT型XMLや、JSON形式にマッピングするツールを開発
APIでのシステム間連携(クラウド型)
UN/CEFACT型XMLからJSONマッピング設定
ExcelからUN/CEFACT型XMLマッピング設定• 変換①:Excelに入力された情報を、Excel上でメッセージ変換(Excel→XML) する。
• 変換②:クラウドサービス上で、貿易手続データ連携システムへのAPI仕様に合わせてメッセージ変換(XML→JSON)する。そのうえで、貿易手続データ連携システムに情報登録する。
Excelシート(Excel→XML)
クラウドサービス
(XML→JSON)
貿易手続データ連携システム(JSON)
変換① 変換②
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5.社会実装に向けた検討
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社会実装に向けた検討
実用化・事業化
NEDO実証の成果を貿易コンソーシアム活動に引き継ぎ、FY2019の事業化を目指す。【NTTデータ】 【日本国政府】
FY2017貿易コンソーシアム発足
FY2019 社会実装2019年10月:試行運用開始2020年4月:サービス開始
FY2017実証事業の計画・貿易手続等に係る官民協議会→世銀発行Doing Businessの輸出入分野の時間、コストの
順位が49位/190カ国。2020年までに総合順位3位を目指す
・経済産業省新技術や既存プラットフォーム連携で効率的な貿易手続きを目指すことを計画
商社、銀行、保険会社、船会社・総合物流企業14社が参画したコンソーシアム組成
成果:各業界横断の貿易手続きにおける効率化に関する課題把握
FY2018実証事業の案件化(NEDOより公募)目的:貿易関係事業者間の貿易手続きの効率化
NEDO実証事業貿易コンソーシアムの枠組みを活かして実施
事業成果を社会実装向けに活用
取り組みを活かせるのでは?
FY2018貿易コンソーシアム継続活動2019年の商用化を目指した要件定義を実施中
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社会実装に向けた検討
実証実験を踏まえたシステム要件の整理
実証実験で明確化した課題については、APIやインタフェース要件として検討してまいります。
対象 課題
業務モデル
• 業務モデルの柔軟性の確保• 業務フローは固定化せず、柔軟に設定できるようにする。• 書類の情報項目や書類間の関係を、柔軟に設定できるようにする。• 企業IDに枝番をつけるなど、企業内の利用者を特定できるようにする。
機能追加 • 利便性の向上、付加価値の向上• ファイル連携機能(エクセルファイル等の取り込み)• 過去取引データの取り込み機能、入力負荷軽減機能• 関係ドキュメント間の照合機能• 添付ファイルの格納• 書類を登録したことを相手にメール通知する機能• AMS登録基準に合致するか、ACL登録前にチェックできる機能• 輸出許可状況を確認できる機能
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実ビジネスでの利用における課題
関係事業者から、貿易手続データ連携システム利用における課題について意見を伺った。
社会実装に向けた検討
対象 課題 社会実装に向けた対策
輸出者
輸入国側も含めた整理が必要。• 海外からのP/Oを参照しながらI/Vを作成するといった二重入
力が発生している。• 輸入国側の法規制や国際団体の規則への考慮が必要。
• 海外企業からP/Oをデジタル取得する取り組みが必要。
• 輸入国側の法規制や規則を確認可能なサービスが求められる。
関係法令遵守と、行政手続きに対する利便性向上• 日本の輸出関連法規制(外為法・他法令等)の遵守は輸出者
の責任であるが、有識者の育成が難しく属人化している。
• 輸出関連法規制の確認や対応が可能なサービスが求められる。
通関事業者
輸出者からの協力が得られにくい• 輸出者へ、通関業者から利用を強制することは困難。• 輸出者にとって、業務変更のインセンティブがない。
• 輸出者に対するインセンティブの提供が必要ではないか。(手数料割引、優先処理など)
国内船のみでは、通関業者の負荷軽減の効果は限定的となる。• 通関業者は海外の船会社も利用しているため。
• 海外船会社との連携も考慮。
緊急時の運用への影響• 急ぎのブッキング依頼の場合は船会社へ直接電話を行って
いる。電話での運用よりもスピードが落ちるのであれば業務に支障が出てしまう。
• 利便性の高いブッキングサービスを提供することで移行を促す。(ブッキング情報を積極的にオンラインで開示するなど。)
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社会実装に向けた検討
業務範囲
輸出手続きを当初スコープとしつつ、将来は輸出入業務全般を対象とする。
分類① 当初サービス 長期ゴール 備考
日本→外国
輸出@日本 対象 対象
輸入@海外 対象外 対象海外側での輸出入処理まで当連携システムで対応する。(別途、海外プラットフォーム事業者との連携も想定する。)※1
外国→日本輸出@海外 対象外 対象 ※1
輸入@日本 対象外 対象
外国→外国輸出@海外 対象外 対象 ※1
輸入@海外 対象外 対象 ※1
分類② 当初サービス長期ゴール
備考
海上貨物
LC 対象 対象
DP 対象(条件付き) 対象当初は、「L/C通知をしないルート」で運用する。※2
DA 対象(条件付き) 対象 ※2
送金 対象(条件付き) 対象 ※2
保険:包括契約(個別通知) 対象 対象
保険:包括契約(一括通知) 対象外 対象
保険:スポット契約 対象外 対象
保険:無保険 対象 対象 「保険証券発行をしないルート」で運用可能。
航空貨物… 対象外 対象
陸上輸送貨物(外国→外国)
… 対象外 対象
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社会実装に向けた検討
関連システムとの連携について現在、貿易・港湾での輸出入等に関する電子化はさまざまなところで進められている。実証結果を踏まえて、関係するシステムと連携し、シングルウィンドウとなるように検討を進めていく。
● 金融分野へのデータ利活用
● 全銀EDIシステムとの連携
金流
● NACCSとの連携
● e-CO(原産地証明)との連携
通関
● 港湾関連データ連携基盤との連携
物流
● 海外(輸入者、銀行、保険等)との連携
● 輸入業務への展開
商流
貿易手続データ連携システム
(NEDO実証事業)
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6.まとめ
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まとめ
1. システムの有効性の確認
ブロックチェーン技術を活用したシステム上で、必要なタイミングで共有可能。
閲覧・変更履歴を管理し真正性を確保可能。
既存の貿易関連システムと効率的に構造化データで連携できるAPI仕様。
システム化されていない事業者も利用可能なWebインターフェースの環境。
2. 作業負荷削減効果
入力・確認・情報共有のための作業時間について、本システムを用いることで11%削減が見込めることを確認。
また、将来的にAPI で基幹システムとの連携や書類照合の精度の向上が実現されることにより、44%削減が見込めることを確認。
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まとめ
3. CYカットタイム短縮へ貢献の可能性を見出した
貿易手続データ連携システムで、ACL(船積確認事項登録)情報を個社向けにカスタマイズし、NACCSデータ連携を活用して船会社に送付することにより、CYカットタイムの短縮に寄与できる可能性がある。(ただし、荷主、フォワーダー等からの入力情報が正確であることが必要。正確でない場合は不積みとなる。)
4. その他
社会実装に向けて、必要な追加機能要件を整理した。(入出力しやすいWeb画面、過去履歴の参照等)
実証事業の成果を盛り込むことで、早期の事業化を目指し始動する。
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