地方自治体itの現状・課題・提言2016-12-26 · 地方自治体itの現状・課題・提言...
TRANSCRIPT
市町村ITの状況と自治体クラウド(主に中小規模)
ヒト サービス(モノ) カネ
課題
要因(なぜ)
税収が落ち続けていて「カネが無い」
行政業務が複雑・煩雑・多様化「人材・能力ともに不足」
住民や国が地方自治体に求める「サービスが多種多様化+高度化」
•事務職としての採用(非専門職)•人事ローテーション•厳しい定員管理•情報担当は兼務
•新たな電子サービスの開始•度重なる法改正介護、JNET、LGWAN、後期高齢、年金特徴、住基法、子ども子育て、番号
•脱レガ後の経費削減•税収の減少•交付税、補助金等の削減•税・料等の収納率低下
相反するニーズ
単独対応 単独対応 単独対応相反するニーズ
システムの共同利用(自治体クラウド)
単独(1団体)IT運営の限界
2
更なる費用低減要請
協議会設立(集まって知恵を出し合う)
ボリュームディスカウント
ヒト の例№ 団体名 専任区分 № 団体名 専任区分
1 A町村 ○専任3人 13 M町村 △兼務
2 B町村 △兼務 14 N町村 △兼務
3 C町村 ○専任3人 15 O町村 △兼務
4 D町村 △兼務 16 P町村 △兼務
5 E町村 △兼務 17 Q町村 △兼務
6 F町村 △兼務 18 R町村 △兼務
7 G町村 △兼務 19 S町村 △兼務
8 H町村 △兼務 20 T町村 △兼務
9 I町村 △兼務 21 U町村 △兼務
10 J町村 △兼務 22 V町村 ○専任2人
11 K町村 △兼務 23 W町村 ○専任2人
12 L町村 △兼務 合 計 19/23が兼務
3
・某県では、23町村中19町村(83%)が兼務・情報交換機会は少ない
(某県自治体クラウド検討資料, 2012)
4
IT経費のうち、特に住民基本台帳法改正について下記にまとめる。某県町村の状況を記載する。
住民基本台帳法改正による対応経費は、■ 15,000千円~52,500千円■ 人口一人当たりでは、536円~4,106円■ IT年平年額の39.5%もの経費が必要。
この法改正対応費用についての、■ 妥当性(内容、金額)確認■ 事業者交渉■ 予算確保(補助金や交付税措置はあるものの)■ 議会対策
に関わる職員負担が最大の課題
町村情報システム共同化説明会2月2日の意見より
1 26,500 615 156,493 16.9%
2 32,100 832 78,525 40.9%
3 62,024
4 52,500 4,106 80,319 65.4%
5 30,000 1,743 111,700 26.9%
6 30,000 1,607 75,666 39.6%
7 107,666
8 137,087
9 21,000 985 78,918 26.6%
10 50,000 3,283 106,365 47.0%
11 48,750
12 15,000 1,653 26,495 56.6%
13 43,159
14 15,000 1,874 38,653 38.8%
15 35,000 2,534 119,191 29.4%
16 59,448
17 20,000 1,711 32,057 62.4%
18 20,000 1,373 56,431 35.4%
19 100,361
20 52,500 1,431 83,048 63.2%
21 47,724
22 27,237 536 204,268 13.3%
23 33,600 710 109,795 30.6%
24 96,057
合計 460,437 24,994
回答数 16 16
平均 28,777 1,562 39.5%
住基法改正(単位千円)
一人当たり(単位円)
IT年平均額(単位千円)
住基法改正費用の割合
No.
モノ の例(某県自治体クラウド検討資料,2012)
パッケージシステムの実態(H28ベンダ独自調査)
№ 事業者名 団体数 団体割合 累計
1 A社 313 18.0%
2 B社 261 15.0%
3 C社 251 14.4%
4 D社 189 10.8%
5 E社 128 7.4%
6 F社 127 7.3%
7 G社 118 6.7% 79.6%
8 H社 62 3,5%
9 I社 55 3.2%
10 J社 30 1.7%
11 K社 28 1.6%
12 L社 28 1.6%
13 M社 25 1.4%
14 N社 24 1.3%
15 O社 22 1.2% 93.9%
PKG外販あり
PKG外販なし自社SIに使うPKGとして開発。非販売
6
パッケージシステムの実態(中小規模向け)
【ベンダ独自部分】・正確性、利便性、操作性に寄与する・課税や資格、客体のチェック機能
Aパターンa市、b市、c町
Bパターンd市、e市、f町
Cパターンg市、h市、i村
【法律で規定された部分】
・税でいえば課税
新パターンDパターン or カスタマイズ
カスタマイズ
レアケース(法にあっても実装しない)
パッケ|ジ範囲
法律部分 条例・例規・規則
7
パッケージシステムの実態(大規模向け)
【ベンダ独自部分】・正確性、利便性、操作性に寄与する・課税や資格、客体のチェック機能
【法律で規定された部分】
・税でいえば課税
【個別構築】=カスタマイズ
・個別団体要件に合わせて構築
中小から見たレアケース
パッケ|ジ範囲
法律部分 条例・例規・規則
8
自治体ITのロックインの現状
過去レガシー
as isオープン
to be
AP× ロックイン
独自開発× ロックインパッケージ ?
DB× ロックイン
ベンダ独自仕様・非公開
× ロックインデータ仕様非公開 ?
OS× ロックイン
ベンダ独自仕様・非公開〇 解放
ハード× ロックイン
ベンダ独自仕様・非公開〇 解放
9
システム経費の課題と対応
ガバナンス 〇 ×
マインド 〇 × 〇 ×
経常経費適切な調達(競争)
で低減事業者の言い値
高止まり
臨時経費(法改正)
事業者の言い値 高止まり
10
制度、構造的な変化が必要
ガバナンスの弱い小規模団体は事業者が本来は行政側が行うべき業務を責任範囲としているため、IT施策の実施力は低くない。ただし、いつまで続くのか?
提言• ITの実態の見える化と指標化を
→ IT経費、職員体制など(適正指標)
• 自治体ITにおける官民の役割分担については、基本戦略立案から
→ 市場(民)に任せるものと制度として統一するもの(官の関与を強めるもの)を整理、戦略化
統一程度:強 システム開発し、クラウド提供やシステムの配布
:中 規約化:システム仕様、データ仕様、帳票仕様、申請仕様、ワークフロー
:小(なし) 民任せ(現状)
• デジタル、ネットワークの時代の新しい制度設計を
→IT施策は国の中で一貫性を
• 住民サービスは地方公共団体単独ではなくて、民間の力を借りる
→ オープンデータ、パーソナルデータ(※早期に方針を)、API化
• 脱ウォーターフォール
→ 観察(ワークショップ、エスノグラフィー)+プロトタイプ(アジャイル開発、スクラム)
• 自治体クラウドの推進を
→ メリット:①費用削減 ②IT担当コミュニティ(情報共有+ガバナンス強化)、
③現場担当コミュニティ(情報共有+業務改善)
11