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資料7-2 ITU-T/ITU-R活動状況 ITU ・ITUの概要 ・全権委員会議(PP-14)結果 ITU-T ITU-Tの改革案の検討( レビュー委員会) ITU-T TSAG ・各研究委員会の活動状況 ITU-R ・無線通信アドバイザリグループ ・各研究委員会の活動状況 今後の予定

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Page 1: ITU-T/ITU-R活動状況 - 総務省† 事 会 48理事国 毎年開催 事務総局 事務総局長(H.ジャオ(中国)) 事務総局長(M.ジョンソン(英国)

資料7-2

ITU-T/ITU-R活動状況 ITU ・ITUの概要

・全権委員会議(PP-14)結果

ITU-T ・ITU-Tの改革案の検討( レビュー委員会) ・ITU-T TSAG ・各研究委員会の活動状況

ITU-R ・無線通信アドバイザリグループ ・各研究委員会の活動状況

今後の予定

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理 事 会 48理事国 毎年開催

事務総局

事務総局長(H.ジャオ(中国))

事務総局長(M.ジョンソン(英国)

国際電気通信連合(ITU)の概要

電気通信標準化局(TSB)

電気通信標準化局長 (C.リー(韓国))

無線通信局(BR)

無線通信局長 (F.ランシー(フランス))

電気通信開発局(BDT)

電気通信開発局長 (B.サヌ(ブルキナファソ))

電気通信標準化研究委員会

(SG)

電気通信開発研究委員会

(SG)

無線通信規則委員会 (RRB)

12人の非常勤委員

3~4年毎に開催

(ほぼ同時期に連続して同じ場所で開催)

世界無線通信会議 (WRC)

無線通信総会 (RA)

世界電気通信標準化総会 (WTSA)

4年毎に開催 4年毎に開催

世界電気通信開発会議 (WTDC)

無線通信部門(ITU-R) 電気通信標準化部門(ITU-T) 電気通信開発部門(ITU-D)

無線通信研究委員会

(SG)

電気通信に関する国際連合の専門機関(ITU : International Telecommunication Union) 主要任務は、①国際的な周波数の分配、②電気通信の標準化、③途上国に対する電気通信の開発支援

本部:スイス・ジュネーブ 193の国・地域が加盟

日本は1959年以来、理事国(48カ国)に選出

旧郵政省出身の内海善雄氏が1999年から2006年まで事務総局長を務めた

全権委員会議 最高意思決定機関 193加盟国/4年毎に開催

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全権委員会議(PP-14)結果

・ITUの最高意思決定機関として、4年に1度開催。

・2014年10月20日から11月7日まで韓国(釜山)で開催。171か国から約2,500人が参加

・2016年から4年間のITUの活動方針(戦略計画)、予算の枠組(財政計画)、ITU憲章及び 条約の改正等について審議。

今後の取り組み予定

○無線通信規則委員会(RRB)委員選挙が行われ、アジア・太平洋地域 (定数3に6名が立候補)で伊藤泰彦氏(KDDI顧問)が136票で トップ当選。 ○理事国選挙で、我が国は1959年以来11回連続で理事国に選出。

我が国関連の選挙結果

今後の取り組み予定

本年1月からの新体制(※印は新任) 事務総局長 ザオ氏(中国)※

事務総局次長 ジョンソン氏(イギリス) ※ 無線通信局長 ランシー氏(フランス) 電気通信標準化局長 リー氏(韓国) ※ 電気通信開発局長 サヌー氏(ブルキナファソ)

ITU選挙職の選挙結果

全体会合で政策演説を行う西銘副大臣

今後の取り組み予定

○インターネット関連 ロシア・アラブ諸国を中心に、インターネット資源管理にITUが関与すべきとの提案などがあったが、最終的に提案は取り下げられ、ITUの果たすべき責務の中で、引き続き、技術開発・人材育成などの分野で重要な役割を果たしていくことが合意された。また、ITU理事会のインターネット作業部会に、全ての関係者の意見を聴く仕組みを導入することが合意された。

○サイバーセキュリティ関連 サウジアラビア等より、ITUは、国際的な不法監視対策のために取り組みを強化すべきとの提案などがあったが、最終的に提案は取り下げられ、 決議130の基本的な考え方を踏襲し、ITUの果たすべき責務の中で、引き続き、技術開発・人材育成などの分野で重要な役割を果たしていくことが合意された。

○適合性及び相互運用性 2012年の理事会において、1)適合性評価の検討、2)相互運用性イベントの実施、3)人材育成、4)途上国における試験機関の構築、の4本柱からなる行動計画に合意しているが、この行動計画に沿って実施していくことが決議された。 アラブを中心とした途上国がITUマーク導入を提案していたが、適合性評価の検討が成熟してから検討するとされた。

主要決議の審議結果

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ITU-T活動状況

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ITU-Tの改革案の検討(レビュー委員会)

レビュー委員会の審議状況

レビュー委員会は、ICTの継続的発展の促進や市場ニーズへの対応のため、ITU-Tの構造や標準化の

検討手法、他の標準化団体との連携・協力機能等を再検証し、2016年のWTSA※へ提案する改革案を議論。 2012年11月のWTSAにおいて、我が国からの提案で設置が決議された。2013年6月以降、現在までに4

回実施され、活動期間は、2016年のWTSAまでの予定。議長は、TTC 前田専務理事。

レビュー委員会

※世界電気通信標準化総会(World Telecommunication Standardization Assembly):ITU-Tにおける標準化活動の方向性を決める最高意思決定会議で、4年に1回開催。

1)ITU-Tの標準化戦略機能の強化

• ITU-Tによる市場動向・技術動向を捉えた戦略的分析の実施、それに基づくITU-Tの標準化戦略の策定機能の強化が必要であるとして、我が国から新組織(Technical Standard Strategy Team)の設置を提案。

• TSAGが有する戦略策定機能の活性化を図るために、TSAGの下にグループを設置することをTSAGに提案することとなった。

2)FG(フォーカスグループ)成果文書の勧告化作業への迅速な移行実現

• FGの成果物の勧告化の迅速化を図るため、FG成果物の作成方法に関するガイドライン案を策定し合意。TSAGに提案することとなった。

3)ITU-Tの組織構成の見直し

• 各SGの標準化活動状況等を分析した上で、ITU-Tの価値向上、検討の効率化、財政改善に貢献する組織構

成案の検討を加速することを確認。

第4回レビュー委員会は、2015年1月19~21日にチュニジアで開催。次回レビュー委員会は2015年6月にジュネーブで開催予定。 5

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ITU-T TSAG

直近のTSAGの概要

【日 時】 2014年6月17日(火)~20日(金) 【場 所】 ジュネーブ(スイス)

【参加者】 40ヶ国から122名が参加。

【新フォーカスグループ(FG)の設置】

・ ビル&メリンダ・ゲイツ財団提案の「デジタル金融サービスFG」の設置に合意。途上国などのより多くの人が銀行口座を簡便に持てるようにするモバイル決済サービスのための、セキュアな通信プロトコルなどを検討。12月4日~5日に初回会合をジュネーブで開催。

・ マレーシア提案の「航空クラウドFG」の設置に合意。フライトデータのリアルタイムモニタリングを検討。(ICAOとIATAが検討するリアルタイムフライトトラッキングや、ITU-Rが検討する周波数利用や衛星利用とは区別。) 12月1日~3日に初回会合をクアラルンプールで開催。

【パテントポリシー関連議論】

・ 知的財産権アドホックグループ会合における、RAND※宣言をしている企業による差止請求の適否、RANDの明確化等に係るパテントポリシーガイドラインの検討状況について報告。権利譲渡に伴うRAND等の特許に関する宣言の引継ぎについて、ガイドラインの修正を行うことに合意したが、その他は知的財産権アドホックグループ会合にて継続審議を行う事を決定。

ITU-Tにおける標準化活動の優先事項、計画、運営、財政及び戦略を検討する会合。 情報通信技術の急速な進展や市場ニーズの変化にタイムリーに対応し、他の国際標準化機関・ 団体との連携・協力及びITU-Tにおける将来の国際標準化の検討体制等を議論する委員会。

TSAG(Telecommunication Standarization Advisory Group)は、ITU-Tにおける標準化活動の優先事項、計画、運営、財政及び戦略を検討する会合。(レビュー委員会は、TSAGに定期的に報告するとともに、TSAGを通じて2016年のWTSA(WTSA-16)に報告をすることとなっている。)

TSAG

※ Reasonable and Discriminatory Licensing 6

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ITU-T 各研究委員会の活動状況

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ITU-T SG等における日本からの役職者等一覧(2015年1月現在)

SG 日本からのSG議長/副議長 日本からのWP議長/副議長 日本からのラポータ(R)/アソシエイトラポータ(AR)

RevCom 議 長 前田 洋一(TTC) -- --

SG 2 サービス提供の運用側面及び電気通信番号管理

-- -- --

SG 3 料金・会計原則

議 長 津川清一(KDDI) WP2議長 津川清一(KDDI) (RG-AO副議長 松田康典(KDDI)) Q.2 R 本堂 恵利子(KDDI)

SG 5 環境と気候変動

-- WP2 議 長 服部光男(NTT) (RG-AO副議長 端谷隆文(富士通))

Q.8 R 小林隆一(NTT) Q.10 R 富永哲欣(NTT) Q.10 AR 奧川雄一郎(NTT)

Q.18 AR 端谷隆文(富士通) Q.19 AR 近藤芳展(NTT)

SG 9 映像・音声伝送及び統合型広帯域ケーブル網

副議長 宮地悟史(KDDI) WP1 議 長 宮地悟史(KDDI)

Q.1 R 酒澤茂之(KDDI) Q.3 AR 重信真也(JLabs) Q.4 R 武智秀(NHK) Q.5 R 松本檀(JLabs)

Q.6 R 宮地悟史(KDDI) Q.10 R 高橋知彦(KDDI) Q.11 R 酒澤茂之(KDDI) Q.13 R 宮地悟史(KDDI)

SG 11 信号要件・プロトコル及び試験仕様

副議長 釼吉薫(NEC) WP2 共同議長 釼吉薫(NEC) Q.2 AR 姫野秀雄(NEC) Q.4 R Matthew Lopez(NEC)

Q.14 R 姫野秀雄(NEC)

SG 12 性能、サービス品質及びユーザ体感品質

副議長 高橋玲(NTT) WP3 副議長 高橋玲(NTT) Q.13 R 高橋玲(NTT)

SG 13 移動及びNGNを含む将来網

副議長 後藤良則(NTT) WP1 共同議長 後藤良則(NTT) Q.14 R 江川尚志(NEC) Q.15 R Ved P. Kafle(NICT)

SG 15 光伝送網及びアクセス網基盤

副議長 荒木則幸(NTT) Q.1 AR 横谷哲也(三菱電機) Q.2 AR 可児淳一(NTT) Q.3 R※ 大原拓也(NTT)

Q.5 R 中島和秀(NTT) Q.8 R 白木和之(NTT) Q.17 R 戸毛邦弘(NTT)

SG 16 マルチメディア符号化、システム及びアプリケーション

議 長 内藤悠史(三菱電機) WP2 副議長 川森雅仁(慶應大) Q.13 AR 松原雅美(三菱電機) Q.14 R 谷川和法(NEC)

Q.26 R※ 川森雅仁(慶應大) Q.28 R 川森雅仁(慶應大)

SG 17 セキュリティ

副議長 中尾康二(KDDI) WP1 議 長 中尾康二(KDDI) Q.3 R 永沼美保(ラック) Q.4 R 門林雄基(NICT)

Q.6 AR 三宅優(KDDI) Q.10 AR 武智洋(NEC)

TSAG -- -- --

合計 議 長 3 議長 6 ラポータ(R) 24 副議長 6 副議長 2 アソシエートラポータ(AR) 10

8 ※アクティング ラポータ(ラポータ数に含む)

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第2研究委員会(SG2) 「サービス提供の運用側面及び電気通信管理」

SG2では、ネットワークのIP化や電気通信サービスの多様化・グローバル化の進展における課題として、電気通信番号の利活用及びネットワーク管理の在り方等に関する標準化を進めている。

日本から、番号ポータビリティ・データベース実現方式、発信者識別番号の表示のルール、災害救済通信についての寄書などを提出しており、今後の検討においても積極的に貢献していく。

9

今後の取組予定 発信者識別番号の表示のルールについて議論を加速し、国際発番号

転送の勧告E.157の改訂を目指す。

SG2に移管された災害対応FGの成果(災害救済に関する要件等)について勧告化を目指す。

M2Mサービスで用いられるE.212識別子の割当や使用方法についての検討を行っていく。

網のIP化による将来番号の検討、IPアドレスの課題、クラウド管理等に関して、議論の進展に応じて対応する。

ビジネスとのつながり ネットワークのIP化やサービスの多様化・グローバル化に対応し、新たなビジネス拡大のためには、有限希少な電気通信番号の利活用の在り方について標準化を進めていくことが必要。

電気通信番号体系に関する勧告E.164の補足文書2について、番号ポータビリティの利用実態を基にIP化(NGN含む)に対応した改訂が合意された。

番号の不正利用について、我が国からの事例紹介寄書により、対策の重要性の認識がさらに高まり、具体的な議論が加速された。

災害対応FGのリードSGとして、「災害伝言板」及び「災害音声デリバリーサービス」を統合し、勧告化承認に向けて審議が加速した。

直近1年の活動概要

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第5研究委員会(SG5)「環境と気候変動」 WP1/WP2

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SG5 WP1/WP2では雷・過電圧や電磁妨害波に対する通信設備の保護、サービス品質の向上を目的として標準化を実施。 WP1では、雷・過電圧に対する防護素子や過電圧耐力、接地方式の検討および送電線・電鉄からの電磁誘導対策を検討。 WP2では、電磁波に対する人体防護、宅内NWや通信装置のEMC、電磁波セキュリティ(攻撃・情報漏洩)について検討。

主な研究課題 過電圧耐力の試験方法の見直し 過電圧、渦電流防護素子の規定 電力・電鉄からの誘導、接地電位上昇対策に関する検討 無線基地局からの電波の人体ばく露に関する情報・規定 ホームネットワークのEMC評価・対策法

ビジネスとのつながり 通信システムのEMC課題や人体安全、電磁波セキュリティ等に関する合理的な勧告制定に寄与することにより、安定で信頼性の高い通信ネットワークインフラを構築するための技術を提供し、国内の情報通信サービスの普及と機器販売を促進するとともに、海外への製品輸出も有利とし、関連産業の発展につなげる。

直近1年の活動概要

今後の取組予定

雷・過電圧分野(WP1)においては、過電圧対策へのガス入り放電管の適用方法、サイリスタの適用方法、過電圧保護ガイド、ケーブルの雷サージシールド効果に関する勧告をコンセントし勧告化手続きを開始した。また、通信ビル内の高圧直流給電の接地方法をK.27へ追加することを提案し次会合での合意を目指す。EMC・電磁波分野(WP2)では、電磁界の人体ばく露に関する一般人向けの情報提供資料を、K.91 へのSupplementとして発行することが合意された。また、無線基地局開設時の電磁界測定法が新規に制定された。ホームネットワークに関して広帯域ケーブル伝送と無線システムとの干渉についての検討が進み次回会合でのコンセントを目指している。また、CISPR、ETSIとのEMCの規定の差異について議論があり、特に通信センタ装置のイミュニティについては、ITU-T勧告を参照するようにCISPRにリエゾンを送ることとなった。

雷・過電圧分野(WP1)においては、HVDC(高電圧直流給電)に関する規定、過電圧対策デバイスについての絶縁協調による保護方法を重要課題と位置づけ、議論を行っていく。また、EMC・電磁波分野(WP2)では、人体ばく露について国内法規との整合性の確保、装置近傍での無線機器利用を想定したイミュニティ試験法や、近年顕在化している150kHz以下の伝導妨害波に対するEMC規定について、日本が積極的に議論を主導していく。

【活動概要】

通信ケーブルの 過電圧保護

HGW

過電圧対策方法

ホームネットワークの有線と無線の干渉

電磁界の人体ばく露 に対する評価法

:WP2関連

:WP1関連

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第5研究委員会(SG5)「環境と気候変動」 WP3

○SG5 WP3では、ICTの利活用による環境負荷低減およびICT機器等の省エネ、省資源化の観点から標準化を進めている。 ○重要課題として、ICTによる環境影響評価手法としての勧告案の検討(課題18)、データセンター等の省エネに係るベストプラク ティス等の作成(課題17)、高電圧直流給電(HVDC)の仕様、構成、性能等に関する検討(課題19)を行っている。

今後の取組予定 ・L.1410に関するベストプラクティス等の提案を行い、日本が積極的に議論をリードしていくとともに、都市、国レベルの環境影響評価手法について、各国の動向を踏まえながら議論の進展に寄与していく。

・FG-SSCにおいて、日本からの提案を引き続きdeliverableに反映させるべく、積極的に提案等を行う。

ビジネスとのつながり

・「通信装置のエネルギー効率指標と測定法(L.1310)」(2012年11月ITU-T勧告化)に、光パケット複合機(パケット&TDM機能)の省エネ評価指標と測定法を追記する旨の提案を行い、L.1310の改訂時に追記されることで合意された。

・「ICT製品・ネットワーク・サービスの環境影響評価手法(L.1410)」(2012年3月ITU-T勧告化)の事例集をSupplement(補完文書)とする提案を行い、2013年12月に「ITU-T L.1410 – Case studies」が合意された。

・SG5の下に設置されたFG-SSC(スマート・サステナブルシティ・フォーカスグループ)において、SSCの定義やKPI等について日本から提案を行った。日本の各提案については、deliverable(勧告作成にあたっての参考資料)へ反映されている。

直近1年の活動概要

・データセンターの省エネに係るベストプラクティスの他、ネットワーク、機器、アーキテクチャのベストプラクティスの提示

・各社個別の方法で算出していたICT機器及びサービスの利活用による環境影響算出方法の統一基準の提供

・データセンター等における給電システム及び機器の仕様の提示

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①~⑧の各項目について A~Dをそれぞれ算出

【8つの活動項目】

【ICTのライフサイクルステージ】

(課題18)L.1410の概要

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第9研究委員会(SG9)「映像・音声及び統合型広帯域ケーブル網」

・超高精細度テレビや放送・通信連携(IBB※)のような先進的なサービスを可能とするケーブルテレビシステムを研究。 ・その研究範囲には、当該システムを活用した電話やインターネット等の双方向型の通信サービスも含む。 ・SG12, SG16及びITU-R SG6と密接に連携をとりながら、勧告化作業を実施。 ・次世代ケーブルテレビに関するフォーカスグループ(Smart Cable TV)が2013年12月にテクニカルレポートを発行。

主な研究課題

ビジネスとのつながり

直近1年の活動概要

今後の取組予定

高度なケーブルテレビサービスの提供、顧客情報活用サービス基盤の確立、映像伝送の運用効率化、HFC(Hybrid Fiber Coax)インフラの高度利用等。

次世代ケーブルテレビの全体イメージ

・次世代ケーブルテレビ伝送方式 ケーブルテレビ網における超高精細度テレビに用いられる次世代の伝送方式等を検討。

・双方向ケーブルテレビサービス ケーブルテレビ網に共通して利用可能なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)等を検討。

・ケーブルテレビ網を活用した高速通信サービス 次世代ケーブルモデム等を検討。

・2014年1月、我が国から提案していたケーブル網上の階層伝送方式の要求条件(J.604)が勧告化された。 ・2014年1月、我が国の意見が反映された、より高い伝送効率のケーブル伝送路符号化方式(J.382)が勧告化された。 ・2014年9月、我が国から提案した超高精細度テレビの配信方式の一つである複数搬送波伝送方式がワークアイテムとして承認。

複数搬送波伝送方式に関する勧告策定等について活動する予定。 12

※IBB: Integrated Broadcast-Broadband systems

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ビジネスとのつながり M2M/IoT、NGN、クラウドのプロトコル検討や相互接続性確保等についてITU-Tの場で検討を行うことにより、欧米の状況を把握することができるだけでなく、発展途上国との接点を持つことにより、グローバルな市場に向けた製品開発が可能となる。

今後の取組予定 WTSA-12対応 決議76”適合性&相互接続性試験”に対するアクションプランのフォローを実施する。その活動の一環として、ITU/APTと連携した

相互接続試験イベントを開催し途上国メンバとの連携活動を実施する。 試験関連勧告として、NGN IP-FAX試験仕様の完成、NGN付加サービス着信転送(CDIV)仕様の完成を目指す。 M2M/IoT、Cloud、SDN等の新たな電気通信環境におけるプロトコルの検討およびインタオペラビリティ実現のための試験仕様の検討を行う。

HATS(高度通信相互接続推進会議)との連携で作成したNGN相互接続試験勧告(Q.3948(VoIP)、Q.3949(マルチメディア))を用いて、昨年2013年に引き続き第2回APT/ITU C&I eventを2014年8月に開催した。またNGN-IP-FAX試験仕様の検討が進捗した。

NGN付加サービス仕様として発信者ID表示・規制(OIP/OIR)仕様(Q.3614)が合意された。着信転送(CDIV)の検討が進捗した。 FG-M2M成果文書をベースとしたM2MサービスレイヤAPI&Protocol概要の検討を提案し、新規ワークアイテムとして合意された。 クラウドコンピューティングにおける相互接続検討として、クラウド相互接続活動文書(Q.Suppl.65)が合意された。 SDNにおけるサプリメント文書(Q.Supplement-SDN)の検討が進捗した。

直近1年の活動概要

ICT適合性&相互接続性試験仕様の作成プロセス NGN IP-FAX試験仕様

Next Generation Networks (NGN)

VoIP Gateway

Dual-mode Facsimile

IAF (Internet Aware Facsimile)

Selection & Prioritization of Application

VoIP, IP Video Phone,

Service & applicationon NGN

Protocol

Service

Build test bed Test Environment-Temporary or

permanent installation- w/wo remote connection▪ ▪ ▪

-Execute tests-Examine results-Feedback totest specifications

-SDP-Selection options▪ ▪ ▪- Session Control: SIP

- Application: ?

IPTV, FMC ▪ ▪ ▪ ▪

-Define specifications -Define profile▪ ▪ ▪ Examine tests

Step 1 Step 2 Step 3

QoS-Select parameter-Define profile▪ ▪ ▪

Step 4

TestSpecification

-Protocol test Spec.

-Service test Spec.

-QoS test Spec.

▪ ▪ ▪

▪▪

第11研究委員会(SG11) 「信号要求、プロトコル及び試験仕様」

SG11では、信号とプロトコル要求条件及び適合性/相互接続性試験を研究課題としており、主な対象領域としてM2M(Machine-to-Machine)/IoT(Internet of Things)、クラウド、SDN(Software Defined Network)などのプロトコル及びプロトコル・アーキテクチャの検討を行っているほか、NGNやクラウドの適合性/相互接続性試験などの検討も行っている。

13

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モバイルネットワーク

ネットワーク

ユーザ満足度の高いアプリケーションの作成指針やサーバ・ネットワークの監視方法を確立することにより、ユーザ満足度を向上させることができるだけでなく、これらの基準を満たすサービス・ネットワークの開発等が可能となる。

OTT映像配信サービスの映像品質評価モデルを品質測定器や端末に導入することで、品質管理システムにおける一元的管理が可能となり、ユーザ満足度を維持・向上すると同時に、大幅なオペレーションコストの削減が期待できる。

今後の取組予定 OTT映像配信サービスの映像品質評価モデルの技術コンペを行い、優秀なモデルに基づいて新勧告(P.NATS)を制定する。 WebブラウジングのQoEを推定するオピニオンモデルに関する勧告(G.OMWeb)の標準化に向けて取り組む予定となっている。

直近1年の活動概要 OTT映像配信サービスの映像品質評価モデルに関する勧告(P.NATS)の構築を目指し、品質評価モデルの技術コンペに向けた国際的な評価試験

計画の策定を行った。 Web、テレプレゼンス等のサービスを対象とした品質評価技術の検討が進展し、主観評価法に関する新勧告(P.1311, P.1501)、QoE構成要素規定に

関する新勧告(G.1031, G.1091)を制定した。

OTT映像配信のインサービス品質管理

品質管理システム

測定器 測定エージェント

Head End

(2) ネットワーク伝送品質管理 (3) エンドユーザ品質管理

(1) 配信前コンテンツ符号化品質管理

ヘッドエンドにおける監視の自動化 による大幅な人件費削減 クレーム発生前にトラブル対処する ことによる顧客満足度向上

QoE推定技術 お客様がご覧になっている映像の品質を監視しなければクレームに対応不可能

品質管理パラメータ収集

OTT映像配信サーバ

ビジネスとのつながり

(1) 総合通話品質評価モデル:日本国内のIP電話の品質指標として採用されているR値を導出する技術である勧告G.107の適用領域を,VoLTE等の広帯域音声の評価に拡張する検討(課題8)

(2) 受聴品質評価モデル:IP電話の受聴品質の評価技術とし て 広 く 用 い ら れ て い る 勧 告 P.862(PESQ) やP.863(POLQA)のアプリケーションガイドと後継技術の検討(課題9)

(3)映像品質評価モデル:昨今のTCPベースの映像配信サービスの品質を,キャプチャしたパケットデータから推定する技術の検討(課題14)

主な研究課題

第12研究委員会(SG12) 「性能、サービス品質(QoS)及びユーザ体感品質(QoE)」

SG12では、PSTNによる電話サービスからモバイル/パケット網を介したマルチメディアサービスまでを対象とした端末・ネットワークを含むQoS(Quality of Service)及びQoE(Quality of Experience)、並びに性能を研究課題としており、Webサービスや映像配信サービスの要求品質及び評価方法などを検討している。

14

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第13研究委員会(SG13)「移動及びNGNを含む将来網」 ~Future Networks~

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今後の取組予定 SDNに関しては引き続き新世代ネットワーク推進フォーラムと連携し、要求条件、アーキテクチャの検討を進める。HEMSに関してはアーキテクチャの勧告化に向けて承認プロセスを進める。また、多様化する標準化テーマに対応して組織面での見直しを進め、日本の標準化発信力の維持向上に努める。

ビジネスとのつながり SDNについて日本の独自提案を含めることでDPN(Deep Programmable Network)の実環境応用に向けた課題の発掘を進める。 HEMSについては我が国が推進しているECHONET Liteに基づくアーキテクチャを提案することで同規格の国際的認知度を高め、国際市場での日本の関連商品の競争力向上をはかる。

SDNに関しては新世代ネットワーク推進フォーラムと連携し積極的に寄書提案を行い、日本提案の勧告化につなげた。 HEMSに関してはアーキテクチャ勧告(Y.HEMS-arch)を提案し、日本が主導して作業を進め、勧告化を合意(H26年11月)。

直近1年の活動概要

主な研究課題

・SDN:SDN概要(Y.3300)を策定。国際的にコンセンサスとなっている3層構造を基本に日本提案による独自機能(メディア処理)を追加。 ・HEMS, IoT: IoTの共通要求条件(Y.2060)を策定。エネルギー管理への応用を目指してHEMSアーキテクチャ(Y.HEMS-arch)を策定中。

将来網(Future Networks) に関する様々なテーマに対して、全体システムのアーキテクチャ策定の観点で検討を進めている。現在はSDN(Software-Defined Networking)、HEMS(Home Energy Management System)を含むIoT(Internet of Things)の検討が中心 。

コントローラ

アプリケーション SDNのコンセプト(Y.3300)

従来から検討されていたデータ転送に加え、日本からの提案によるメディア処理を追加

国際的にコンセンサスとなっているアプリケーション、コントローラ、 リソースの3層構造

HEMSアーキテクチャ(Y.HEMS-arch)

アプリケーション

HGW

デバイス (家電)

ECHONET規格等に基づくインターネット通信

管理PF

各種通信規格のデバイスをWebインタフェースで制御可能に

リソース

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第13研究委員会(SG13)「移動及びNGNを含む将来網」 ~クラウドコンピューティング~

16

SG13 WP2(一部内容はISO/IEC共同検討)

今後の取組予定

ITU-Tでは、時限特設チーム(FGクラウド)の事前検討を踏まえ、SG13にて、 ITシステムと通信網の連携の観点から技術検討を継続。 Inter-cloudの上位概念を含めたフレームワークY.3501の勧告化(H25年5月)、Inter-cloud詳細仕様(Y.3511)の勧告化を達成(H26年3月)。 日本では、GICTFにおいてクラウド間連携技術(Inter-cloud)が検討され、その結果を基に、 当該技術の上位概念(利用例、要件等)がInter-cloud勧告Y.3501に盛り込まれ、さらにInter-cloud詳細仕様勧告Y.3511の提案を行った。

GICTF参画企業が中心となり、各社がクラウド事業を展開していく中で、Inter-cloud勧告Y.3501、Y.3511を製品・サービスに活用していくことで、本技術の普及を推進していく。

ビジネスとのつながり Inter-cloudの標準化により、異なるシステムや事業者間の通信可能性や相互接続性を向上し、大規模災害等にも対応できる安心安全なクラウド基盤を実現することにより、 クラウド市場の活性化を図る。

Inter-cloudの上位概念を含めたフレームワークY.3501の勧告化、並びに、Inter-cloud詳細仕様(Y.3511)の勧告化を達成(H26年3月)

直近1年の活動概要

新会期

FGクラウド

クラウド基本勧告群 (事例、概念、ハイ

レベル要件等)

~H23年度 H24年度

GICTF※ (ホワイトペーパにより技術整理) GICTFからの利用例等の提案 連携方式や交換情報等の詳細仕様

※GICTF(Global Inter-Cloud Technology Forum グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム) 信頼性の高いクラウドシステムの実現を目指し、複数のクラウドシステム間の連携インタフェースやプロトコルの標準化を検討する民間任意団体。H26年9月に活動終了。

H25年度

クラウド詳細勧告群 (inter-cloud、ISO/IEC 共同検討の参照アーキテクチャ等の文書) 主な研究課題

・IaaS, NaaS, Inter-cloudなど各ユースケースをカバーするアーキテクチャを検討。

H26年度

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第15研究委員会(SG15)「光伝送・アクセス網基盤」~アクセス/ホーム/スマートグリッドの転送面(SG15WP1関連)~

今後の取組予定

SG15WP1は、アクセス/ホーム/スマートグリッド・ネットワークの転送面を検討している。特に、PON(Passive Optical Network)等の光アクセスシステム、ブロードバンド向けメタリックアクセスシステム、スマートグッド向け通信、ブロードバンド向けホーム網トランシーバに関する標準化を進めている。

・(光アクセスシステム)NG-PON2及びG.multi勧告化推進(2015年勧告化見込み)。 ・(トランシーバ技術)①G.hn及びHPNAに対する、異なるホーム網技術の統合という観点でのIEEE 1905対応に向けた標準化、②6LoWPANに関連するスマートホームプロファイルの標準化、③G.fastの物理仕様を規定するG.9701の標準化。

ビジネスとのつながり

・(光アクセスシステム) NG-PON2要求条件(G.989.1) の勧告化、同物理層仕様(G.989.2)のコンセントを行うとともに、同論理層仕様(G.989.3) の検討を推進。多波長PONの汎用的アーキテクチャ及びプロトコル(G.multi)の検討を推進。また、日本で使われているEPONシステム仕様に基づいてG.9801を勧告化した。

・(トランシーバ技術)①高速トランシーバ技術G.hnの機能拡張整備(G.996xシリーズ)、②狭帯域有線/無線トランシーバ標準に対する機能拡張整備(G.nbplc、G.wnb)、③G.fast(端末への超高速アクセス技術)に関する検討(G.9700、G.9701)。

直近1年の活動概要

・(光アクセスシステム)NG-PON2システムは、従来のマスユーザだけでなく、ビジネスユーザやモバイルバックホールへの適用などマルチサービス対応を考慮した将来光アクセスシステムであり、我が国の技術の国際展開につながる。

・(トランシーバ技術)狭帯域有線トランシーバ標準G.9903は、JSCAによるスマートメータ向け推奨技術として本格展開を予定。

主な研究課題

・光アクセスシステム: ①G-PON、XG-PONの後継として、波長多重(WDM)を活用したNG-PON2の勧告化

・トランシーバ技術: ①ホーム網における高品質な高速ブロードバンド環境を提供可能な標準勧告化、②スマートグリッド向け狭帯域有線/無線トランシーバの標準化、③メタリックアクセス網トランシーバ技術の標準化

通信キャリア ビル

OLT …

光アクセスシステム(課題2)

ONU

広帯域ホーム網向けトランシーバ(課題18)

スマートグリッド向け通信(課題15) メタリック線によるアクセスシステム(課題4)

アクセス及びホーム網標準化の調整(課題1)

17

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第15研究委員会(SG15) 「光伝送・アクセス網基盤」 ~光伝送網(高速化・FTTxの促進) (SG15WP2関連)~

今後の取組予定

SG15WP2は光伝送網の物理層(陸上・海底光システム、光部品、ファイバ、ケーブル、屋外設備、敷設、保守)を検討している。特に波長多重化、超高速化(40 Gb/s、100Gb/s、QAM等の新規変調方式)に対応した陸上系システム特性および光インターフェース、FTTxの促進に向けた光ファイバケーブルの特性・試験・保守に関する勧告の制改訂に注力している。

・新勧告G.Metroに関する光インタフェース要求仕様検討、改訂勧告G.698.2に関する100G光インタフェース仕様検討を推進 ・試験光反射フィルタを用いたPON線路保守方法(L.53改訂)勧告草案の審議 ・光ファイバ勧告G.652およびG.657のカテゴリ体系の見直し、光ファイバケーブル網保守・運用勧告制定の推進 ・移動式ICTユニット(MDRU)の要求条件等の勧告化を目指す

・中継光線路監視システムに関する新規勧告(L.93)を制定(課題17) ・間欠的に接着したテープの概念を新たにITU-Tのケーブル関連勧告(L.10, L.26, L.43)に追加する提案を合意(課題16) ・下記の文書の新規勧告化に向けた議論及びSG15における承認の取得

Metro用DWDMに関するG.metro(課題6)、現場付コネクタに関するL.fmc(課題7)、光ファイバケーブルの信頼性に関する補助文書(課題5) ・災害対応FGに提案し成果文書となった移動式ICTユニット(MDRU)の要求条件等を、SG15に移管し、通信網の保守・運用を扱う課題の中で審議開始(課題17)

直近1年の活動概要

ビジネスとのつながり 高速・大容量化とFTTxの促進に寄与する、システムインターフェイス、線路物品仕様、及び試験・保守技術の標準化により国内技術の海外展開を推進すると同時に、新規技術の提案により新たな市場を創出する。

長距離コア(DWDM)

メトロコア (DWDM)

メトロアクセス (CWDM, DWDM)

10G→40G,100G化

10G化

低曲げ損失ファイバケーブル

FTTH

PON用光スプリッタ

課題6:陸上システム

課題5:ファイバ 課題8:海底システム

海底システム

課題7:光部品

課題16:ケーブル

課題17:保守・運用

システム試験方法

主な研究課題 ・陸上光システム: 超高速化(100Gb/s、QAM等

の新規変調方式)に対応したシステム特性の勧告化

・光ファイバ: 大容量NW向け、並びにアクセスNW向け光ファイバの特性と試験法の勧告化

・屋外設備: FTTxの促進に向けた光ファイバ

ケーブルの特性・試験・保守に関する勧告化

18

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第15研究委員会(SG15) 「光伝送・アクセス網基盤」 ~トランスポートNW (SG15WP3関連)~

19

今後の取組予定

SG15/WP3は光伝送網構成(論理層)を扱っており、網アーキテクチャ、装置機能と管理、OAM※1、インターフェース、信号経路切替方式、周波数・時刻同期等について検討している。特に、OTN※2 多重収容方式(100G超級高速信号伝送)、パケット伝送方式(Ethernet , MPLS-TP等)、SDNについては関連他標準化団体(IETF、IEEE、MEF、ONF等)と連携を取りながら進めている。

・MPLS-TP関連課題勧告化(リングプロテクションG.8132、管理情報G.8152等)と既存勧告改版(線形プロテクションG.8131等) ・Beyond 100G (400G) OTN勧告化推進とシェアードメッシュプロテクション等の新たな技術の勧告化 ・クラウドサービスを勘案したSDN技術を適用した新たな伝送網アーキテクチャと管理方式の検討 ・パケット網における時刻位相同期関連勧告G.827xの拡充検討

・MPLS-TP関連勧告化(線形プロテクションG.8131/Y.1382、装置機能ブロック勧告G.8121.1およびG.8121.2等) ・Beyond 100G (400G) OTNの議論および既存OTN 機能拡張関連勧告化 ・パケット網でのクロック信号周波数同期関連勧告(G.826x)、時刻位相同期関連勧告(G.827x) 、Precision time protocol telecom profile関連勧告(G.8275)勧告化

・SDN型伝送網アーキテクチャと管理方式の議論開始

直近1年の活動概要

ビジネスとのつながり 世界的な大容量・低コストかつ高信頼・柔軟なネットワーク実現への需要を背景に、SDN型伝送網アーキテクチャ、400Gや1T級の超高速信号伝送、MPLS-TP等の高機能パケット伝送、パケット網での同期技術の発展と標準化が期待されており、国際的動向把握とともに国内技術の国際標準化と海外展開を推進する。

網管理システム(Q14)

Ethernet

ATM

PDH

SDH

OTN インターフェース (Q11)

アーキテクチャ(Q12)

装置及び切替(Q9)

OAM(Q10) 信号同期(Q13)

OTNコーディネーション(Q3)

※1 OAM(Operation, Administration and Maintenance):保守運用機能

※2 OTN(Optical Transport Network):信号多重分離、経路選択、管理機能を提供

※3 SDN(Software-Defined Networking) :網物理資源を仮想化し、ソフトウエアによる柔軟な運用を可能にする

主な研究課題

・光メッシュ網切替 ・パケット伝送方式 ・400G・T級OTN ・高精度周波数・位相同期、時刻配信 ・SDN型伝送網構成と管理

今後の取組予定

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第16研究委員会(SG16)「マルチメディアサービス・アプリケーション」

今後の取組予定

・TV電話の標準化を発端とし、画像・音声・データが混在した通信であるマルチメディアサービスの標準化を担当。 ・画像符号化についてはISO/IEC JTC1/SC29/WG11とJCT(Joint Collaborative Team)を設置して合同で勧告化作業を実施。

・画像符号化については、多視点映像等への対応を推進。 ・IPTVプラットフォームのe-healthへの応用や、IPTVのアクセシビリティの標準化を推進。

ビジネスとのつながり

・2014年6月30日~7月11日に札幌会合を開催。 ・画像符号化方式H.265V2(レンジ拡張・スケーラブル機能・3D拡張の一部等)に合意。

・災害時のデジタルサイネージ利用に関し、時間・場所ごとの表示情報や災害情報の入手元や時刻の表記等に関する要件を規定したH.785.0に合意。

直近1年の活動概要

・画像符号化:スーパーハイビジョン画像符号化の基幹技術であるH.265等により、4K・8Kの国内外での実用化を推進。 ・IPTV:我が国提案の技術のLIME(Lightweight Interactive Multimedia Environment)等により、途上国等、導入が遅れている地域での立場を確保。 ・e-health:標準規格化を推進し、医療資源が乏しい途上国での展開と、我が国の製品展開を推進。

主な研究課題

・IPTV:アプリケーションと端末の観点から相互運用等の標準化 を推進。 ・デジタルサイネージ:平時及び災害時の情報提供機能に関する 標準化を推進。 ・e-health:途上国での展開を容易にするため、通信プロトコル等 の標準化を検討。 ・ITS:自動車の安全のためのICT利用を研究対象としている。 ・音声翻訳:ネットワーク型音声翻訳の標準化を推進。 ・アクセシビリティ:ICTアクセシビリティの標準化を推進。

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災害時のデジタルサイネージ利用イメージ

仮設住宅首都圏 被災地

災害対策向けデジタルサイネージプラットフォーム

交通機関・鉄道・バス・道路

新聞社通信社

指定避難場所

避難所各地のニュース、地域情報

運行情報渋滞情報

ニュース災害情報

インターネットサイト(ポータル、投稿)

安否情報災害情報投稿情報

駅前大型複合商業施設

放送局

※情報通信審議会 平成23年諮問第18号「情報通信分野における標準化政策の在り方」答申(平成24年7月)より

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ICT資産管理領域

今後の取組予定

・SG17は、情報通信分野におけるセキュリティ関連の標準化を担当。

・5個のWPで構成され、基盤的セキュリティ(WP1)、ネットワーク・情報セキュリティ(WP2)、ID管理及びクラウドコンピューティングセキュリティ(WP3)、アプリケーションセキュリティ(WP4)、形式言語(WP5)についてそれぞれ検討を行っている。

・ISO/IEC JTC1/SC27と共同文書の作成作業を行う等、他の標準化団体と連携し活動している。

・CYBEX等について引き続き議論を進めるとともに、X.509やX.1051の改訂に向けた検討も実施される見込み。また、クラウドコンピューティング、ITS、SDN等の新課題に加え, IoT, BigData等におけるセキュリティ技術について、他のSGや標準化団体と連携しつつ、勧告案の策定を進める予定。

直近1年間の活動概要

サイバーセキュリティ情報の組織間での効率的な共有、クラウド環境におけるセキュリティ向上、通信事業者向けISMSガイドの活用等。

第17研究委員会(SG17)「セキュリティ」

サイバーセキュリティ情報交換フレームワーク(CYBEX)のイメージ

参照

ビジネスとのつながり

・サイバーセキュリティでは、平成24年度に引き続きCYBEXに関する検討が進められ、平成25年度はX.1546(マルウェア情報の記述フォーマット)、X.1582(情報共有のための通信プロトコル)等、4件の勧告を承認した。日本も、X.1582のエディタを務めるなど、NICTを中心に貢献。

・クラウドコンピューティングセキュリティでは、課題8で最初の勧告としてX.1601(クラウドコンピューティングにおけるセキュリティフレームワーク)を承認した。その他、クラウドコンピューティングのセキュリティに関する勧告案策定に向けた検討を行った。

ICTインフラ プロバイダ

インシデント対策・処理領域

システム 管理者

プロバイダ リソースDB

ユーザ リソースDB

知識蓄積領域

対策チーム 調整者

インシデント DB

警戒情報 DB

対策情報DB →評価情報 →検知・保護情報

商品・サービス情報DB →バージョン情報 →設定情報

サイバーリスク情報DB →脆弱性情報 →脅威情報

研究者

商品・サービス 開発者

情報

情報

情報

情報DB管理者

参照

参照 X.1541

X.1528

X.1521

X.1520, X.1524

・セキュリティマネジメント(Q3/WP1):電気通信事業者が情報セキュリティマネジメントを確保するためのガイドライン群を規格化をISO/SC27と連携して実施。

・サイバーセキュリティ(Q4/WP2) : 通信事業者間でのサイバーセキュリティ情報交換フレームワークであるCYBEX等、ネットワークに対する攻撃への対応等を検討。

・クラウドセキュリティ(Q8/WP3) : クラウド利用者/サービス提供者に対しセキュリティ確保に向けたガイドを検討。SG13と連携しつつ検討。

・アプリケーションセキュリティ(Q6/WP4) :モバイル、ホームNW、スマートフォン、ITS、SDNなどのサービス/アプリケーションを対象としたセキュリティ機能要件、ガイドラインなどの規格化を検討。

主な研究課題

※CYBEX: Cybersecurity information exchange (情報の獲得及び活用は検討範囲外)

X.1546

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ITU-R活動状況

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ITU-R SG等における日本からの役職者等一覧(2015年1月現在)

SG議長/副議長 WP等議長/副議長 ラポータ

SG1 周波数管理

― ― WP1A: 久保田 文人(TELEC)

SG3 電波伝搬

― ― WP3K: 表 英毅(ソフトバンクモバイル) 北 直樹(NTT) 山田 渉(NTT)

SG4 衛星業務

副議長: 河合 宣行 (KDDI) ― ―

SG5 移動業務、固定業務、無線測位業務、アマチュア業務及びアマチュア衛星

業務

議 長: 橋本 明 (NTTドコモ) ― WP5A: 吉野 仁(ソフトバンクモバイル)

WP5D: 石田 良英(ARIB)

SG6 放送業務

副議長: 西田 幸博 (NHK)

WP6B議長: 西田 幸博 (NHK)

WP6B副議長: 平川 秀治 (東芝)

WP6B: 武智 秀(NHK) WP6C: 菅原 正幸(NHK)

SG7 科学業務

― ― ―

RAG ― ― ― SG (Study Group:研究委員会) RAG (Radiocommunication Advisory Group:無線通信アドバイザリグループ) WP (Working Party:作業部会)

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WRC-15議題の担当・割り振りについて

WRC-15議題一覧 担当作業 グループ

移動・アマチュア業務関連 Mobile and Amateur Issues

(議題1.1)IMT用追加周波数の特定に向けた議題 JTG4-5-6-7

(議題1.2)694-790MHz帯における移動業務への周波数分配に向けた議題(第一地域) JTG4-5-6-7

(議題1.3)ブロードバンド公共保安及び災害救援(PPDR)の導入に関する議題 WP5A

(議題1.4)5300kHz帯におけるアマチュア業務の二次分配に向けた議題 WP5A

科学業務関連 Science Issues

(議題1.11)7-8GHz帯における地球探査衛星業務への一次分配に向けた議題 WP7B

(議題1.12)8700-9300MHz帯及び/または9900-10500MHz帯における地球探査衛星業務(能動)への周波数分配(600MHz幅)に向けた議題 WP7C

(議題1.13)有人宇宙船間通信の利用拡大に関する議題 WP7B

(議題1.14)世界協定時(うるう秒挿入)の見直しに関する議題 WP7A

航空・海上・無線標定業務関連 Aeronautical, Maritime and Radiolocation Issues

(議題1.5)無人航空機システムのための固定衛星業務への周波数分配に向けた議題 WP5B

(議題1.15)UHF帯における船上通信の利用見直しに関する議題 WP5B

(議題1.16)新たな自動船舶識別装置(AIS)の導入に向けた議題 WP5B

(議題1.17)航空機内データ通信(WAIC)の導入に向けた議題 WP5B

(議題1.18)自動車アプリケーションのための77.5-78.0GHzにおける無線標定業務の一次分配に向けた議題

WP5A/5B

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その他 (新議題)民間航空機へのGlobal Flight Trackingの導入に関わる議題 ‐

WRC-15議題一覧 担当作業 グループ

衛星業務関連 Satellite Services

(議題1.6)①10-17GHz帯における固定衛星業務の一次分配(250MHz幅)に向けた議題(第一地域)(議題1.6..2) ②13-17GHz帯における固定衛星業務の一次分配(300MHz幅)に向けた議題(第二、三地域)(議題1.6.2) WP4A

(議題1.7)固定衛星業務による5091-5150MHz帯の利用見直しに関する議題 WP4A

(議題1.8)5925-6425 MHz及び14-14.5 GHzにおける船上地球局(ESV)の関連規定の見直しに関する議題 WP4A

(議題1.9)①7150-7250MHz帯及び8400-8500MHz帯における固定衛星業務への周波数分配に向けた議題 ②7375-7750MHz帯及び8025-8400MHz帯における海上移動衛星業務への周波数分配に向けた議題

WP4A/4C

(議題1.10)22-26GHz帯における移動衛星業務への周波数分配に向けた議題 WP4C

衛星手続・規則関連 Satellite Regulatory Issues

(議題7)衛星調整手続の見直し SC/WP4A

(議題9.1)①移動衛星業務(406-406.1MHz)の保護に関する検討(議題9.1.1) WP4C

②衛星の調整軌道弧縮小に関する検討(議題9.1.2) SC/WP4A

③途上国における国際公共通信業務のための衛星軌道位置及び周波数に関する検討(議題9.1.3) SC/WP4A

⑤第一地域における固定衛星業務地球局(3.4-4.2GHz)支援に関する検討(議題9.1.5) SC/WP4A

⑧ナノサテライト及びピコサテライトの規則面に関する検討(議題9.1.8) WP7B

(議題9.2, 9.3)RR適用上の矛盾及び困難、決議80(WRC-07、改)の規定に応じた措置に関する検討 ‐

一般的事項関連 General Issues

(議題2)無線通信規則に参照による引用をされたITU-R勧告の参照の現行化 CPM15-2

(議題4)決議・勧告の見直し CPM15-2

(議題9.1) ④無線通信規則の更新及び再構成に関する検討(議題9.1.4) SC/WP1B

⑥固定業務、固定局及び移動局の定義に関する検討(議題9.1.6) WP1B

⑦緊急事態及び自然災害軽減のための周波数管理ガイドラインに関する検討(議題9.1.7) WP1B

(議題10)将来の世界無線通信会議の議題 ‐

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第1研究委員会(SG1)「スペクトラム管理」

今後の取組予定

SG1では、「周波数管理」に関する課題を研究しており、主に周波数共用のための技術及び技術基準について検討を行っている。

次回会合(2015年6月)において、WPTの周波数特定のための勧告やテラヘルツ特有の技術・運用特性等のレポートの策定を目指す。

・WPTについて、日本、韓国等の寄書を元に、電気自動車(EV)・モバイル機器・家電用のWPT技術レポートを完成させた。 ・テラヘルツについて、我が国から数十ギガビット級の無線通信やセンシング技術など、電波資源拡大のための研究開発の成果を提案した結果、これが作業文書に反映され、レポート草案に格上げされた。 ・移動業務と固定業務の定義について、我が国の意見(現行定義の維持を支持)がWRC-15準備会合(CPM)テキストに反映された。

ビジネスとのつながり

ビジネスとのつながり

WPTは、スマートフォンやデジタルカメラ、自

動車のバッテリー、電気自動車等、広い分野での利用が期待される。

主な研究課題

○ワイヤレス給電(WPT) WPTに必要な周波数帯域/帯幅や、WPTの実用化に向け定めるべき規則について検討

○275GHzを超える周波数(テラヘルツ) 未利用のテラヘルツを通信用途に分配する研究を促進に向けテラヘルツ特有の技術・運用特性等について検討

○周波数管理に関する定義・原則の見直し 新たな無線システムに対応した移動業務と固定業務の定義や一般的な周波数割当の原則について検討

直近1年の活動概要

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テラヘルツの利用

遮蔽物を透過するイメージング

超高速無線伝送 非破壊・非接触検査

いつでもどこでも充電!

搭載電池の 小型化!

安全・信頼性 向上!

家電への応用!

給電困難な機器へ給電!

駅や公園 飲食店等

機器破損、感電、コネクタの 腐食防止等

給電 装置

動きながら充電!

走行中給電 介護や工場等のロボット

配管内 体内

電磁誘導など

受電機器

無線で電力を供給する ワイヤレス給電技術の進化により 社会生活のイノベーションを実現

現状

進化

進化

進化

進化

進化

進化

給電 装置

ワイヤレス給電の利用

進化

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第3研究委員会(SG3)「電波伝搬」

SG3では、「電波伝搬」を研究対象としており、無線通信設備の導入における混信検討等に用いられる電波伝搬推定法の勧告等の作成、改訂等に関する審議を行っている。

今後の取組予定 ・次回会合(2015年4月)において、我が国が積極的に寄与している勧告P.1411改訂案の審議を予定。

・ 2013年6月17日~28日にジュネーブで開催されたSG3及びWP3J、3K、3L、3M会合において、我が国が主導して寄与してきた建物侵入損失推定法に関する新勧告P.2040が成立。さらに、勧告P.1411へ住宅街における低層伝搬モデルを新規追加する改訂提案の寄与文書を含む合計9件の日本寄与文書を提案。

・2014年9月2日~10日にジュネーブで開催されたWP3J、3K、3L、3M会合において、前回会合で我が国が提案した勧告P.1411の新モデルの追加提案が次回SG3会合で反映されるよう、新規測定データによる推定精度の検証を行い推定法の有効性を示した寄与文書を含む合計8件の日本寄与文書を提案。

直近1年の活動概要

主な研究課題

「屋外短距離伝搬特性推定法」の勧告P.1411に対する改訂 ○ 約1km以下の屋外短距離伝搬環境を適用対象とする電波伝搬推定法勧告であり、マイクロセル~フェムトセル環境の拡大により近年重要性が増加。

<改訂の意義> ○ 無線システムの利用形態が年々進化しているため、それに合わせた伝搬特性推定法の内容の見直しや補強が必須。

○ 将来の無線システム動向を先取りした、当該勧告自体のさらなる改善への基盤を強化。

基地局 (BS)

移動局(MS)

① 屋根越え伝搬モデル (見通し外マイクロセル)

BS

MS

② 見通し内伝搬モデル (ストリートマイクロセル)

MS

MS

③ 低層伝搬モデル (端末間通信)

勧告P.1411に収録されている主な短距離伝搬モデル(①~③)

勧告P.1411に対する住宅街における低層伝搬モデルの追加提案の概要

Tx

Rx

Lr

Lb

Lv

低層伝搬で支配的となる3つの伝搬経路をモデル化 (Lr:道路沿い伝搬, Lb:建物間伝搬, Lv:屋根越え伝搬) 伝搬損失を高い精度で推定可能

60

80

100

120

140

0 200 400 600 800 1000 1200

測定データ 提案した推定法

伝搬損失

(dB

)

距離 (m)

27

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SG4では、固定衛星業務、放送衛星業務、移動衛星業務及び無線測位衛星業務に関する検討を行っている。

今後の取組予定 • ITU-R勧告M.1831の改訂について、SG4へ上程するための活動を行う。

• 準天頂衛星システムのバックアップ衛星を追加するため、ITU-R勧告M.1787-1の改訂提案を行った結果、日本の提案が反映され、勧告改定がSG4で承認された。

• RNSSシステム間干渉評価のための調整方法を記載したITU-R勧告M.1831について、干渉レベルの算出に関する提案を行った。

直近1年の活動概要

28

第4研究委員会(SG4)「衛星業務」

主な研究課題

○無線航行衛星業務(RNSS)システムと他業務との共用検討に用いるパラメータの検討

我が国はRNSSシステムとして準天頂衛星システムの開発・実証に取り組んでおり、準天頂衛星を導入するため、そのパラメータを積極的に提案している。

ビジネスとのつながり

衛星通信は衛星放送、衛星携帯電話や準天頂衛星システムを用いた無線測位等様々な用途に利用される。

1164-1215 MHz帯 1215-1300 MHz帯 1559-1610 MHz帯

受信地球局特性 M.1905 M.1902 M.1903 送信宇宙局特性 M.1787-1 衛星搭載受信機特性 M.1904 パルス干渉の一次評価方法 M.2030

表1 RNSS関連勧告の体系(L帯)

5000-5010 MHz帯 5010-5030 MHz帯

アップリンク特性(送信地球局及び受信宇宙局特性) M.1906 -

ダウンリンク特性(送信宇宙局及び受信地球局特性) - M.2031

表2 RNSS関連勧告の体系(5GHz帯)

RNSS関連勧告 RNSS勧告の全体構成を示す勧告:M.1901-1

45° 静止軌道

円軌道衛星

45°

45°

準天頂衛星

【準天頂衛星システムの概要】 静止軌道及び静止軌道に対して、40~50度傾けた準天頂軌道上に、衛星を配置することにより、常に1つの衛星が日本の天頂付近に滞在する衛星測位システム。

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第5研究委員会(SG5)「地上業務」

・SG5の概要 SG5は、「地上業務」全般に関する課題を対象としており、陸上移動業務(IMTシステム等)、アマチュア及びアマチュア衛星業務、海上移動業務(GMDSSを含む)、航空移動業務、無線測位業務、固定業務及びこれらの業務と他業務との共用に関する技術的検討を行っている。

5G※の検討スケジュール ※ITU-Rでは、”IMT-2020”との仮称のもと議論

今後の取組予定 ・WP5Dにおける5Gに関する議論等に引き続き対応。

ビジネスとのつながり

<WRC議題1.1に関する検討> 将来IMTに必要となる周波数幅の推定結果(最大1960MHz)をJTG4-5-6-7へ伝えるリエゾン文書の作成に関する寄与文書を提出するなど、我が国の意向を反映した(WP5D)。

<5Gに関する検討> 2020年の勧告策定を目指し、5G(仮称:IMT-2020)の検討スケジュールについて議論が活発化。我が国からも寄与文書を提出し、議論に貢献(WP5D)。

直近1年の活動概要

・ひっ迫する移動通信システムのグローバルな周波数追加特定を行うことで、我が国でも新たな周波数帯の割当てが進み、国内事業者のサービス向上が期待できる。また、移動通信システムの周波数帯をグローバルに共通化することで、国内端末メーカーの国際展開が容易になるなど、我が国の国際競争力の強化につながる。

主な研究課題

・IMT:WRC-15議題1.1(IMTを含むモバイルブロードバンドへの周波数の追加特定)及び第5世代移動通信システム(5G)に関する検討が行われている。

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解像度 画面サイズ 実用化状況

2K

4K

8K

第6研究委員会(SG6)「放送業務」

SG6では、「放送業務」(衛星放送を除く)に関する課題を研究しており、現在、主に4K/8K放送(※1)や放送通信連携(※2)システムの検討を行っている。

①4K/8K放送: 2014年2月、5.1chを超える新たな音響方式として、日本提案(22.2ch)を含むマルチch音響技術(Rec.BS.2051)を勧告化。 ②放送通信連携: 2013年7月にIBBの一般要求条件(Rec. BT.2037)、2014年2月にIBBの技術的要件(Rec. BT.2053)をそれぞれ勧告化。

直近1年の活動概要

今後の取組予定 ①4K/8K放送: WP6Aでは、2014年1月に熊本県人吉市で実施した8K地上伝送実験の結果を反映した「地上デジタル放送におけるUHDTVの伝送実験」のレ

ポート作成を進めており、2015年2月の完成を目指す。 WP6Bにおいて4K/8K放送のデジタルインターフェースの新勧告案の策定作業を行っており、日本が進める8K用技術(ARIB標準規格)を反映し、

2015年4月の勧告化を目指す。 ②放送通信連携: WP6Bでは「IBBシステムを選択するためのガイドライン」に関する新勧告案の策定作業を行っており、2014年6月に策定された最新の

Hybridcastの内容を反映し、2015年4月の勧告化を目指す。また、IBBに関するITU-T SG9とのセクター間ラポータグループ(IRG)(2014年9月設立)を活用したITU-T側との連携を図る。

ビジネスとのつながり ①4K/8K放送: 欧米や韓国では、映画・モバイル・PC向け映像サービスとして現行ハイビジョンを超える高画質化が進展。

我が国では本年6月から4K試験放送を衛星放送等で開始。8Kについては2016年の試験放送を目指している。 テレビ製造事業の活性化と4K/8Kコンテンツの国際展開の推進等グローバル市場における競争力の強化が期待される。

②放送通信連携: テレビとインターネットの連携により、放送番組と連動したアプリやSNSの利用、タブレット端末等を活用した新たな楽しみ方が可能。2013年9月からNHKはHybridcastサービスを開始し、順次サービスの拡充を図っている。民間放送事業者も実証実験を実施し今後、本格的なサービス実施の予定。これにより、スマートテレビの普及や新たな関連ビジネスの創出が期待される。

※1:4K/8K放送 HDTVを超える超高精細映 像放送。 UHDTV(Ultra High Definition Television)

※2: 放送通信連携 放送と通信が連携したサー ビスの研究。IBB (Integrated Broadcast and Broadband)

約200万 画素

約800万

画素

約3,300万

画素

32インチ等

50インチ等 映画 (デジタル 制作・配信)

パブリックビューイング等

テレビ (HDTV:地デジ等)

85インチ等

4K/8Kの特徴

放送: 情報を同報・広域に伝達

通信: インターネットを通じた情報伝達や端末間連携

ハイブリッド放送の概要

ハイブリッド放送: 放送と通信を連携し、多様なサービスを実現

【4K/8K放送と放送通信連携】

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今後の取組予定

SG7では、標準時及び標準周波数、宇宙無線システム、リモートセンシング及び電波天文業務に関する検討を行っている。

• 我が国の主張が各国から受け入れられるように働きかけ、うるう秒の挿入を中止し、一つの連続時系とするMethod(議題を満足する方法)の支持が広がるよう対処する。

• 議題1.14に関する検討において我が国から入力した寄与文書(うるう秒挿入時の問題)に基づき、うるう秒の挿入による課題を提起し、我が国の見解をCPMテキスト案に反映させた。

直近1年の活動概要

31

第7研究委員会(SG7)「科学業務」

主な研究課題

○協定世界時(UTC)の将来問題などに関する検討

2012年の無線通信総会(RA)においてうるう秒の挿入による調整を廃止する勧告TF.460-6の改訂案に対し、審議の結果、改訂勧告案をSG7に差し戻して検討を継続することとなった。その後、本件は世界無線通信会議(WRC-15)の議題1.14として設定され、WRC-15へ向けて検討されることとなった。

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無線通信アドバイザリグループ(RAG)「WRC、SGなどのITU-R活動の運営方針」

今後の取組予定

RAGでは、世界無線通信会議(WRC)の準備や、無線通信総会(RA)、研究委員会(SG)及び無線通信局の作業等の優先度の見直しを行うとともに進捗状況を評価し、無線通信局長に対して助言すること等を所掌している。

我が国も引き続き審議に積極的に寄与する。 なお、ITU-R勧告等のデータベース構築は、検索機能を強化した改良版を作成し、その後データベースの対象をITU-Rの研究課題、レポート、ハンドブック及び決議に広げていく予定。

・昨年5月に開催された2014年ITU理事会において作成された2016-2019年の戦略計画及び財政計画の案を審議した。 ・第1回WRC-19準備会合の開催時期をWRC-15翌週の月・火(現状維持)とするか、WRC最終週の金・土とするかについて議論した結果、前者の現状維持とすることで一致。 ・ITU-R勧告等のデータベース構築について、昨年3月、我が国から支援すべく拠出金を拠出するとともに、昨年6月のRAG会合では、データベースを構築する上で考慮すべき機能を提案。

主な課題

○戦略計画案及び運用計画案 次期戦略計画及び財政計画の承認に向けて、無線通信部門(ITU-R)の計画案を審議

○SG、WRCの作業方法 ITU-R SGやWRCにおける作業の効率化を図るため、研究課題の承認手続きの見直し(承認期間の短縮化)等の方策を検討

○ITU-Rの情報システムの高度化 無線通信規則(RR)条文を参照するITU-R勧告等の検索を容易とするデータベースの構築について検討

直近1年の活動概要

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今後の予定

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今後のスケジュール(予定)

2015年 2016年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ITU部会

ITU-T

ITU-R

APT

・RA対処方針(検討) ・RAG、TSAG対処方針(報告) ・WTSA-16に向けたITU-Tの改革について(検討)

RA-15対処方針 (一部答申)

・RA-15結果(報告) ・WTSA-16対処方針(検討)

WTSA-16対処方針(一部答申)

第8回 第9回 第10回 第11回

RevCom 1/19-21

RevCom、TSAG 6/1-5

RevCom 1月

RevCom、TSAG 7月

WTSA-16 10月~12月

CPM15-2 3/23-4/2

RAG 5/5-8

RA-15 10/26-30

RAG 5月~6月

APG-15 2/9-15

WTSA-16準備会合 3/7

APG-15 7月

WTSA-16準備会合 3月

WTSA-16準備会合 8月

RevCom : Review Committee(レビュー委員会) CPM:Conference Preparatory Meeting(WRC(世界無線通信会議) の準備会合)

WTSA-16準備会合 8月

WRC-15 11/2-27

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