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2016 FIA WORLD ENDURANCE CHAMPIONSHIP 競 技 規 則 (2016 4 8 日付発行版仮訳)

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2016 FIA WORLD ENDURANCE

CHAMPIONSHIP

競 技 規 則

(2016 年 4 月 8 日付発行版仮訳)

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS 目次

i

目 次

競技規則

項目 (条項 No.) ······················· (Page)

一般規定/序文 (1.1) ·································· 1

規定 (1.2) ·································· 1

一般的合意事項 (1.3) ································· 1

一般条件 (1.4) ································· 1

選手権競技会 (1.5) ································· 2

各競技会の付則1 (1.6) ································· 2

組織/オーガナイザー (2.1) ································· 3

競技会の組織 (2.2) ································· 3

保険 (2.3) ································· 3

FIA 競技役員(オフィシャル) (2.4) ································· 3

および派遣委員

耐久コミッティ (2.5) ································· 5

競技参加申請とエントリー条件 (3.1) ································· 5

エントリー手続き (3.2) ································· 5

エントリーフィーおよび金融条件 (3.3) ································· 7

選考委員会および選手権出場許可 (3.4) ································· 9

「追加」車両: (3.5) ································· 9

製造者によりエントリーされた追加車両 (3.6) ································· 9

ル・マン 24 時間に関連する特別事項 (3.7) ································ 10

一般規定 (4.1) ································ 10

パスおよび許可証 (4.2) ································ 10

人員の制限 (4.3) ································ 10

情報と合図 (4.4) ································ 11

ピットの準備 (4.5) ································ 12

パドックおよびピット (4.6) ································ 13

一般規律 (4.7) ································ 13

サインセッション、ドライバーパレード、 (4.8) ································ 14

合同インタビューゾーン

記者会見 (4.9) ································ 15

表彰式、トロフィーおよびカップ (4.10) ······························· 15

罰則の定義 (4.11) ······························· 16

ライセンス (5.1) ································ 16

書類検査 (5.2) ································ 16

無線連絡 (5.3) ································ 17

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS 目次

ii

車両検査は以下に関与する (6.1) ································ 17

車検員は以下を実施できる (6.2) ································ 17

(車検最大人数) (6.3) ································ 18

(牽引フック) (6.4) ································ 18

(再検査) (6.5) ································ 18

(再車両検査) (6.6) ································ 18

車両検査 (6.7) ································ 18

車検員は以下を検査する (6.8) ································ 18

ウェイング (6.9) ································ 18

参加資格のある車両 (7.1) ································ 19

リザーブカー (7.2) ································ 20

燃料 (7.3) ································ 20

均衡化システム (7.4) ································ 20

規則およびブルテンにて (7.5) ································ 22

定められる装置および機材

エンジンの使用 (7.6) ································ 24

タイヤ (7.7) ································ 25

ライト (7.8) ································ 27

制限を受ける風洞試験 (7.9) ································ 27

技術規則遵守違反に対する (7.10) ······························· 31

ペナルティ

義務付けられる表記 (8.1) ································ 31

および広告/車両

ドライバーおよびメカニック (8.2) ································ 33

合同テスト (9.1) ································ 33

プライベートテスト (9.2) ································ 34

競技会/規律 (10.1) ······························· 37

競技会のフォーマット (10.2) ······························· 39

ブリーフィング (10.3) ······························· 40

公式プラクティス (10.4) ······························· 40

ウォームアップ (10.5) ······························· 42

スターティンググリッド (10.6) ······························· 42

スタート手順 (10.7) ······························· 43

ピットストップ - 車両への介入 (10.8) ······························· 46

ドライバーの参加条件および (10.9) ······························· 52

クルーの構成

ドライバー交代および運転時間(10.10) ····························· 53

プラクティスの停止あるいは (10.11) ······························ 54

レースの中断

レースの非競技化:セーフティカー (10.12) ······························ 57

フィニッシュ (10.13) ······························ 63

パークフェルメ (10.14) ······························ 63

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS 目次

iii

順位認定の条件 (10.15) ······························ 63

順位認定 (11.1) ······························· 64

タイトル、カップおよびトロフィー (11.2) ······························· 64

ポイント基準 (11.3) ······························· 66

デッドヒート(同着) (11.4) ······························· 67

罰則(ペナルティ) (12.1) ······························· 68

(罰則消化) (12.2) ······························· 69

(罰則タイム加算) (12.3) ······························· 69

付則1 競技規則に従い要求される情報 ·························· 71

付則2 2016年FIA世界耐久選手権エントリーフォーム ·············· 74

付則3 車両広告の位置 ········································ 75

付則4 第7条9項 ········································ 77

ピット安全備品申告書 ········································ 79

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 1 / 80 8 April 2016

2016年FIA世界耐久選手権

【競技規則】

1. 一般規定

1.1 序文

FIA世界耐久選手権(以下、選手権)は、「ル・マン」プロトタイプ車両(以下、LMP1および

LMP2)および「ル・マン」グランドツーリング耐久車両(以下、LMGTE ProおよびLMG

TE Am)のみを対象とする選手権で、FIAおよびACOとの協力の成果である。選手権は主に世

界耐久製造者チャンピオンのタイトル、世界耐久ドライバーチャンピオンのタイトル、GT製造者に対

する世界耐久カップおよびGTドライバーに対する世界耐久カップから成る。本選手権のカレンダーに

登録された競技会により構成され、それらについては本規則第2条2項に明記されるオーガナイザー協

定(Organization Agreement)に、ASNおよびオーガナイザー(第2条1項参照)が署名している(付

則1-パートD参照)。

本選手権は、FIA国際モータースポーツ競技規則ならびにそれらの付則(以下、国際競技規則。た

だし付則J項第251条車両の分類および定義を除く)、本規則に反することのないサーキット一般規

則の条項、選手権特有の本競技規則、適用される技術規則ならびにそれらの付則(「ル・マン」プロト

タイプおよびLMGTE)、および競技会に適用される特別規則により統轄される。

すべての参加団体(FIA、ASN、オーガナイザー、競技参加者およびサーキット)は、選手権を

統轄する規則を適用すると共にそれを遵守することを約束する。

選手権の規則の適用に関する、ある一定の局面は、「ル・マン協定」(以下、協定)に制定されてい

る耐久コミッティ(以下、コミッティ)に委託され、その構成、使命および運営規定は上記コミッティ

の内部規定に明記されている。

耐久コミッティの決定は 終であり、控訴できない。

1.2 規定

1.2.1 本競技規則の正本はフランス語版とし、その解釈に関して論議が生じた場合にはフランス語版が

用いられる。本競技規則は協定の条項に従ってのみ訂正を受け、世界モータースポーツ評議会は

本件について唯一資格を有する団体であると理解される。

1.2.2 本競技規則は毎年1月1日に発効し、以前の選手権に関する競技規則すべてに取って代わる。

1.3 一般的合意事項

選手権に出場するすべてのドライバー、競技参加者、および競技役員は、自身とその従業員、お

よび代理人が、国際競技規則、サーキット一般規則、適用される技術規則、本競技規則、および

各競技会の付則1におけるすべての規定内容、ならびにそれらの補足、または改正されたものす

べてを遵守する義務を負う。

1.4 一般条件

1.4.1 ISC第9条16項に定められる通り、競技参加者のエントリーに関するすべての関係者および

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 2 / 80 8 April 2016

参加者に国際競技規則、サーキット一般規則、適用される技術規則、本競技規則、および各競技

会の付則1のすべての要件を確実に遵守させることは、各競技参加者の責任である。

1.4.2 各競技参加者は、選手権にエントリーする時点で、書面にてその代理人を指名しなければならな

い(ISC第2条6項4参照)。競技会期間を通じ、その期間中いかなる時でも、参加車両に求

められる事項が遵守されていることを保証することは、その車両の担当者の責任であり、かつ競

技参加者との共同責任でもある。

1.4.3 競技参加者は競技会を通じ、自己の車両が参加の適格性の諸条件を満たし、技術規定を遵守し、

安全であることを保証しなければならない。

1.4.4 車両検査に車両を提示することは、当該車両がすべての規則に適合していることを暗に申告した

ものと見なされる。

1.4.5 参加車両に関わるすべての関係者、または指定エリアに立ち入る者は、いかなる立場に関わらず、

適切なパス(クレデンシャル)を常に正しく身につけていなければならない。

1.5 選手権競技会

1.5.1 各競技会は制限付国際競技会の格式を有する。

1.5.2 協定に従い、競技会は、その他FIA世界選手権の対象となる競技会と同日に開催することがで

きる。

1.5.3 選手権の競技会数は、ル・マン24時間を含めて、 小6戦とする。

競技会は,6時間未満とすることはできない。

「競技会」とは、世界耐久選手権の年間カレンダーに登録されたすべてのレースを言い、それに

は予選があるかないかに関わらず、書類検査および技術的車両検査、すべてのプラクティスセッ

ション、ウォームアップ走行がある場合はそれが、そして決勝レース自体が含まれる。

1.5.4 競技会の 終リスト(シリーズカレンダー)は、毎年1月1日までにFIAから発表される。

1.5.5 競技会開催日の3ヵ月前を過ぎてから書面をもってFIAに中止が通告された競技会は、FIA

によってそれが不可抗力による中止であったと判断されない限り、翌年の選手権に含まれること

は考慮されない。

1.5.6 競技会は、参加車両が20台に満たない場合には中止することができる。

1.6 各競技会の付則1

1.6.1 ヨーロッパで行われる競技会の付則1は、6時間を越えるか否かに関わらず、競技会開始の遅く

とも3週間前までに競技参加者に入手可能となる。 1.6.2 ル・マン24時間:

その特殊性を考慮し、ル・マン24時間は、特有な競技規則を含み、オーガナイザーによって供

給される特別規則書によって統轄される。

これらの特有な規則は、遅くとも2015年12月末に競技参加者が入手可能となる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 3 / 80 8 April 2016

2. 組織 2.1 オーガナイザー 競技会を組織するための申請は、当該サーキットにて競技会を主催する占有的かつ必要な権限を

得た当該者(オーガナイザー)が、その競技会が行われる国のASNに対してなされなければな

らず、その申請を受けたASNがFIAへ申請する。

2.2 競技会の組織

各オーガナイザーは、ASNを通じ、本規則の付則1に定められているインフォメーションを、

少なくともフランス語と英語にて、競技会オーガナイザー、開催国のASN、およびFIAの間

で締結されるオーガニゼーションアグリーメントと共に、FIAに競技会の遅くとも1ヶ月前ま

でに、また国際競技規則付則H項に従った医務役務調査票を少なくとも2ヶ月前に提出するもの

とする。各競技会は、これらの書類を厳密に遵守して組織されなければならない。 本規則により要求されるすべての書類が前述の期限までにFIAに正しく送付され、それらが選

手権に適用される書規則に合致していることを条件に、それぞれの競技会のFIAより査証が発

給される。

2.3 保険

2.3.1 競技会のオーガナイザーは、すべての競技参加者とその関係者とドライバーに、第三者保険を付

保しなければならない。

2.3.2 競技会の30日前までに、オーガナイザーはASNを通じ、保険契約によって保証されている内

容の詳細を少なくとも英語でFIAに送付しなければならない(付則1パートE参照)。その保

険契約は、開催国の国内法に準じていなければならない。英語に加えて開催国の国語にて作成さ

れた保険証券が競技参加者に入手可能であること。

2.3.3 オーガナイザーにより加入される第三者保険は、競技参加者や競技会に参加するその他の一切の

個人または法人がすでに加入している個別の保険に加えて付保されるもので、それらの既得権を

侵害しないこと。

2.3.4 競技会に参加するドライバーは互いに第三者とはならない。

2.4 FIA競技役員(オフィシャル)および派遣委員(デリゲート)

2.4.1 常任競技役員

ル・マン・アグリーメントの条件に従い、FIAは選手権対象競技会にて公的な資格で務める選

手権の常任競技役員を任命する。すなわち:

- 国籍のそれぞれ異なる、競技審査委員会の委員長および第二国際審査委員 - レースディレクター - 常任テクニカルデリゲート - 車両検査委員長 - 選手権の医務デリゲート - 公式計時委員

2.4.2 非常任競技役員およびデリゲート

2.4.2.1 以下の競技役員はASNにより任命され、競技会を組織する申請と同時にFIAへその氏名

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 4 / 80 8 April 2016

が通知される: - 当該ASN、つまり、選手権競技会が開催される領土を管轄するASNのライセンス所

有者の中から選出された審査委員。

- 競技長 2.4.2.2 デリゲート

FIAはさらに各競技会に以下を任命することもできる:

- FIA会長代理

- 競技審査委員会のアドバイザー

(その資格および役割については本規則第332条4項3に規定される)

- 非常任メディカルデリゲート

- セーフティデリゲート

- オブザーバー

2.4.3 競技審査委員会のアドバイザーは、経験豊富な元耐久ドライバーであることが必要である。その

役割は審査委員会が決定を下すにあたり、モータースポーツ一般に関するすべての質問、および

特に以下についてアドバイスを行うことで補佐することである: - コース上でのドライバーおよび競技参加者の行為

- 委員会がドライバーの分類について決定を求められる場合に、その分類について。

アドバイザーは競技審査委員会の会議に出席をすることができるが、投票の権利は有さない。

2.4.4 FIAデリゲートの役割は、競技会競技役員を補佐することであり、また選手権を統轄するすべ

ての規則が遵守されているかを権限の範囲内で確認し、必要ならば自らの判断による意見を述べ、

競技会に関する必要なすべての報告書を作成することである。

2.4.5 車両検査委員長は車両検査に責務を負い、国内車両検査委員に対し全権を有する。競技審査委員

会の留意のためにFIAテクニカルデリゲートの発行する報告書はすべて、競技会の車両検査委

員長の連署がされなければならない。

2.4.6 競技長とレースディレクターの関係

競技長はレースディレクターと常時協議しながらその役務を行う。国際競技規則により競技審査

委員に付与された権限により、レースディレクターは以下の事項について優先権限を有し、競技

長はレースディレクターの明確な同意を得てのみ以下に関する命令を下せるものとする。

a) プラクティスおよび決勝レースのコントロール、タイムテーブルの厳守、また必要ならば国際競

技規則または競技規則に従ってタイムテーブルの変更を競技審査委員会に対し提案すること。 b) 国際競技規則または競技規則に従って車両を停止させること。 c) プラクティスの中断すること。 d) スタート手順 e) セーフティカーの使用 f) フルコースイエローの使用 g) スローゾーンの使用 h) レースの中断と再開 i) レースの 終的な中止

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 5 / 80 8 April 2016

2.4.7 レースディレクター、競技長、テクニカルデリゲート、および車両検査委員長は、国際競技規則

の定める通り、遅くとも競技会の開始からサーキットに立ち会い、FIA審査委員は車検終了の

前から立ち会わなければならない。

2.4.8 レースディレクターは、車両がコース上の走行を許されている間は、競技長、テクニカルデリゲ

ート、および審査委員長と常に無線で連絡が取れる状態になければならない。これに加え、この

間、競技長はレースコントロールに就き、全マーシャルと無線連絡をとれる状態になければなら

ない。

2.5 耐久コミッティ

2つの競技会の間、規則のある1点について解釈を求めることを望む一切の競技参加者、製造者

あるいはドライバーは、その件を耐久コミッティに提起することができる。耐久コミッティによ

ってなされた解釈は、レースディレクターおよび競技審査委員会によって代表されるスポーツ権

能に対し対抗できるものではない。 そのようにするためには、競技参加者、製造者あるいはドライバーは、耐久コミッティに、解釈

を求める点についての十分な動機と、その点を明確に詳記した要望書を送付しなければならない。

3. エントリー 3.1 競技参加申請とエントリー条件

3.1.1 シーズンエントリー: a) エントリー手続きは、プロモーターと協力し、FIAの指導と責務の下におかれる。

b) 選手権へのシーズンエントリーは、当該選手権のカレンダーに登録されたすべての競技会に関わ

るものであり、1カテゴリーにつき 大2台に制限される。

c) 選手権に正式に登録された競技参加者は、選手権対象競技会への全戦参加が義務付けられる。

競技会の書類検査に、以下の理由を除いて、時間通りに現れない競技参加者は:

- 不可抗力(悪天候、社会的不安など)

- 以前の選手権の競技会での事故による、車両の損傷の結果によるもので、その事が選手権の

テクニカルデリゲートに通知されており、それが所与の時間で修理できない場合、

競技審査委員会による罰則が課せられる:この罰則は選手権失格にまで至る場合がある。

3.2 エントリー手続き

3.2.1 一般的なケース:エントリーフォーム、書類、締め切り

・ 本規則の付則2にあるエントリーフォームは、選手権の正式エントリー開始日である毎年 12月18日よりFIAのウェブサイト(www.fia.com)にて入手可能である。

・ 協定に従い、申請書類は、毎年遅くとも1月25日の消印で、以下の住所に、完成され署名された

原文が郵送によりプロモーターに返却されなければならない。

World Endurance Championship For the attention of Mr Cédric VILATTE

Circuit des 24 Heures du Mans

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 6 / 80 8 April 2016

72019 LE MANS CEDEX 2 FRANCE

各申請書類には、以下が添えられていなければならない。 1/ カテゴリー毎に競技参加者あたりのエントリーフィーに対応する第3条3項3に規定される、F

IAの口座への金額の支払い証明書。 2/ 当該年の競技参加者ライセンスのコピー。

注: 提出されるライセンスの文字表現が、公式な書類に使用される唯一の文字表現となる。文字

数は 大で25までに制限され、スペースも1文字とされる。 この制限以内に、FIAとプロモーターの明確な合意のもとで、公式書類上の競技参加者名にス

ポンサー名称が追加される場合がある(その要請は選手権あるいは当該競技会へのエントリー正

規締め切り日の前に正式になされなければならない)。その日以降は、追加の変更は受け付けられ

ない。 3/ 選考委員会の選択を促進できるような詳細な説明。 4/ 各ドライバー(1台につき 大3名)の氏名および戦歴。 5/ 各ドライバーのパスポートのコピー。 6/ チームがすべてのドライバーにFIA承認の頭部拘束装置、および使用されるトランスポンダー

(トランスポンダーにつなげるプラグ)に適合するヘルメットを使用する義務について伝達した

ことの確認。いかなる状況においても、ヘルメットは製造者から納品された後で改造されてはな

らない。 7/ エントリーした車両台数にて全競技会に参加する申請者の書面による保証。

a) FIAおよび/あるいはプロモーターは、選考委員会の決定を促進するために、競技参

加者から追加の情報を要求する権限を留保する。

b) 協定に従い、選手権の競技参加者の一覧が選考委員会によって認証される(本規則第3

条4項参照)

3.2.2 LMP2カテゴリーへエントリーする特別条件: a) LMP2カテゴリーは、製造者および/あるいはエンジン供給業者から独立しているプライベー

トチーム専用のカテゴリーである(技術規則に規定されている定義参照)。 必要であれば、競技参加者の会計報告を監査するため、耐久コミッティは適任の独立した公共事

業機関に調査依頼する権利を留保する。 b) 車両を公認した製造者によって製作された部品は、かならず販売されていなければならず、これ

と同じ車両モデルを使用している選手権に参加するすべてのチームに供給することができなけれ

ばならない。耐久コミッティは当該部品の技術的説明を要求することができる。本規則に違反し

た場合は、FIAにより制裁が課せられる結果を招く場合がある。

3.2.3 「追加」競技参加者のエントリー

選考委員会によって「追加」とみなされる競技参加者は、競技規則(第3条2項1)に則ったエ

ントリー手順に従ってエントリーしなければならない。 しかしながら、第3条2項1の施行において、これらの競技参加者は、当該競技会開始の遅くと

も8週間前までに、完全な書類一式を送付しなければならない(注:競技会は書類検査の開始を

もって始まりとする)。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 7 / 80 8 April 2016

競技参加者は、供給物資および技術費用の前払い金を支払った証明資料も提供しなければならな

い。

3.2.4 FIA世界耐久選手権LMP1製造者部門へのエントリーに関する特別条件

第3条3項1a)およびb)の規定を遵守する一方で、FIA世界耐久選手権製造者部門への参

加を希望する競技参加者には以下が義務付けられる: - 特定のエントリーフォームへの記載 - FIA国際競技参加者ライセンスの提出

3.3 エントリーフィーおよび金融条件

すべての金額は「税抜き」で表示されている。VAT(付加価値税)は自身の課税状況による適

用規定に従って付加される。

3.3.1 選手権参加料 a) ル・マン24時間を除き、選手権のすべての競技会に参加する料金は次の通り: - 車両1台につき15,000ユーロが、選手権対象競技会数で乗じられる。 競技参加者が参加しなかった場合、この料金は例外的状況がある場合のみ、競技審査委員会の裁

量にて返金される。 b) 選手権参加料に加算される、製造者世界チャンピオンのタイトルおよびGT製造者ワールドカッ

プへの参加料は次の通り: - LMP1:製造者毎に360,000ユーロ

- LMGTE:製造者毎に130,000ユーロ

3.3.2 選手権のいくつかの競技会に参加する場合の料金(「追加」競技参加者によるレース単位のエントリ

ー)

ル・マン24時間を除く、「追加」競技参加者の選手権参加料は次の通り: - 競技会毎に車両1台につき25,000ユーロ

- 供給物資およびその他の技術費用の前払い金として6,000ユーロ

3.3.3 参加料の支払い(ル・マン24時間に参加する場合については除く)

a) カテゴリー毎に競技参加者あたり 低1台のエントリーに対する参加料は、エントリー書類提出

のときに、以下の住所のFIAへ銀行送金にて支払われなければならない:

FIA 8, Place de la Concorde

75008 Paris (France)

銀行口座詳細は次の通り: Crédit du Nord 50, rue d'Anjou F-75008 PARIS 口座名:FIA コードIBAN: FR 76 3007 6020 2025 3680 0020 034 スイフトコード: NORDFRPP

b) 競技参加者がFIAに明確な要求をする場合、エントリー締め切り前に、当該競技参加者が同一

カテゴリーに少なくとも2台をエントリーする場合には、各車両のエントリーフィーの半額を遅

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くとも2015年4月1日に、また各エントリーフィーの半額を2016年1月25日と設定さ

れているエントリー締め切り日前に支払うことを要請することができる。 この場合、差額はFIAの銀行口座に支払われなければならず、支払いができない場合は、その

後開催される選手権競技会から当該競技参加者を失格とする。FIAが受領する一切の参加料金

は受領されたままとなり、いかなる理由があろうとも、返金されない。 選考委員会によって、1台あるいはそれ以上の車両が選ばれなかった場合、参加料に一致する全

額が返金されるが、1,000ユーロは取り扱い手数料として差し引かれる。

3.3.4 ル・マン24時間の参加料の支払い

ル・マン24時間の特別規則書の規定に従い、参加料は、競技会の特別な規定条項に従い、競技

会の正式オーガナイザーであるl'AUTOMOBILE CLUB DE L'OUESTに直接支払われなければなら

ない。

3.3.5 技術費用および燃料の前払い金

選考委員会によって選ばれたすべての競技参加者は、燃料およびその他の技術的費用の前払い金

として、銀行送金のよってのみ、以下の金額をプロモーターに支払わなければならない(ル・マ

ン24時間に関連する同様の性質の前払い金を除く)。

毎年遅くとも4月1日までに25,000ユーロ

毎年遅くとも8月22日までに25,000ユーロ

送金先の銀行口座は: Le Mans Endurance Management HSBC BBC Val de Loire 11 place Jean Jaurès F-37000 TOURS 銀行コード : 30056 カウンターコード : 00956 口座番号 : 09560002102 key RIB 88 コード IBAN: FR 76 3005 6009 5609 5600 0210 288 スイフトコード : CCFRFRPP

ル・マン24時間に関する燃料およびその他の技術的費用の前払い金については、ル・マン24

時間の特別規則を参照のこと。

燃料の前払い金として使用されなかった金額は、シーズンの 終競技会の後で返金される。

3.3.6 エントリーに関する一般条件

a) エントリーの譲渡 第三者へのエントリーの譲渡は正式に禁じられている。

b) 出場取り消し 選手権出場を取り消す、あるいは競技会の出場を取り消す場合は、すべてFIAへ書面にて、

受け取りの証明が発行される書留書簡により、プロモーターへのコピーを添えて通知されな

ければならない。

この形式に従わない一切の競技参加者には、罰金10,000ユーロが課せられる。

一切の出場取り消しは、変更することはできず、エントリー料金、技術費用あるいは燃料費

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用前払い金は返金されない。

c) 各競技参加者の車両あるいは複数車両がエントリーするカテゴリーとグループは、シーズン

中変更することはできない("グループ"とはLMP1カテゴリーの中でエンジンおよびER

Sの異なる技術およびERSのオプションを意味する)。非ハイブリッドLMP1車両の公認

は、本規定に定められる通りプライベートチームにのみが利用できる。 ハイブリッドLMP1車両については、耐久コミッティにより例外的免除が認められない限

り、モデルの変更はシーズン中一切認められず(モデルとはシャシーとパワーユニットを意

味する)、公認書式が証明としての役割をする。 非ハイブリッドLMP1車両については、シーズンの間1度だけ変更は認められる。 LMP2、LMGTE Pro、およびLMGTE Amカテゴリーについては、モデルの

変更はすべて、耐久コミッティの許可を得ることが条件とされる。 上記の規定によって認められる場合、一切の車両のモデルの変更は、各選手権競技会の開始

の遅くとも1ヶ月前までに、耐久コミッティに書面にて要望を提出しなければならない。 耐久コミッティは、その要望書の許容性および正当性を評価し、コミッティの要望書の受領

から72時間以内に 終決定する。

3.4 選考委員会および選手権出場許可 a) 協定に従い、競技参加者の選考は、耐久委員会と合わせて6名の委員で構成される選考委員会に

よって実施される。当該委員会の構成は、FIAウェブサイトで閲覧できる。 選考委員会は、申請に関する決定のため当該年の遅くとも2月4日までに召集される。 選考委員会の決定は、控訴の対象とはならない。

b) 協定に従い、ル・マン24時間に特別な選考委員会が形成され、その競技会に参加許可される競技

参加者の選考が行われる(ル・マン24時間の特別規則書参照)。

c) 競技参加者は、参加料の全額支払いがFIAに受領されるまで(上述の条件にて)、またル・マン

24時間についてはACOに受領されるまで(ル・マン24時間の大会特別規則書参照)、選手権

あるいはその競技会に 終的に参加承認されたとは見なされない。 3.5 「追加(Additional)」車両:

例外として、また、選手権を象徴することが可能でありうるという関心の高さ次第で、選考委員

会は、1つあるいはそれ以上の競技会について、1台以上の追加車両を、それに適用される技術

規定および公認規定への合致を条件として認める場合がある。

追加車両は競技会の順位認定には表示されるが、本選手権の異なる順位認定には表示されない。

ただし、以下を例外とする:

- 第3条7項1(「製造者がエントリーする追加車両」)

- すべての場合において、世界選手権に登録した製造者によってエントリーされる追加車両の

ドライバーは、当該競技参加者による各競技会への参加車両台数、車両グループまた車両カ

テゴリーに関わらず、世界選手権ドライバー部門のポイント獲得する権利がある。

「追加」車両をエントリーする競技参加者はすべて、下記第3条2項1に規定されるエントリー

手続きに従い、登録しなければならない。ただし、締め切りに関しては除く。

3.6 「製造者によりエントリーされた追加車両」: 世界選手権製造者部門に登録された競技参加者によりエントリーされた追加車両は、そのエント

リーを通じ、競技参加者がエントリーした車両台数が、第31項1b)および第3条7項1に規

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定された数を超えない場合に、その選手権についてのみポイントを獲得することができる。

3.7 ル・マン24時間に関連する特別事項

3.7.1 24時間競技会のみ、FIA世界耐久選手権に登録した製造者は、第3番目の車両をエントリーする

ことができるが、成績の良い2台の車両のポイントのみが製造者選手権タイトルについて数えられる。 それにも関わらず、その3番目の車両のドライバーも、世界選手権ドライバー部門のポイントを獲得

することができる。

3.7.2 ル・マン24時間へのエントリーに関する特別条件 ル・マン24時間へのエントリーは、選手権に参加することが認められたすべての競技参加者に

義務付けられており、当該競技会の特別規則に定められた別の手順に従うことが必要である(オ

ーガナイザーACOの公式ウェブサイト参照)。

4. 一般規定-一般的規律、安全/競技参加者 4.1 競技長および医師団長は、競技会期間中いつでもドライバーあるいは競技役員に身体検査を求め

ることができる。

4.2 パスおよび許可証:

ISC第3条21項に規定される通り、ISC第20条に定められる一切の競技関係者は、いか

なる立場に関わらず、指定エリアに立ち入る(ISC第20条参照)適切なパス(クレデンシャ

ル)を明瞭に見えるように身につけていなければならない。

プロモーターのみが、パスを発行する権限を有する。

ル・マン24時間については、ACOが特別なパスを発行する。

パスは発行されたその者のみが、発行の目的にのみ使用することができる。

4.3 人員の制限

世界耐久選手権の製造者部門に参加する競技参加者についてのみ:

2016年ル・マン24時間の後、WEC6時間レースでは、大会前車検開始からレース終了ま

で、チームのピットガレージおよび技術トラック/オフィスに立ち入ることのできる、競技参加

者が2台エントリーに対して擁することのできる人員数は 大65人、3台エントリーの場合は

90人である(競技会の特別規則で追加人員が必要とされる場合は除く。これについては耐久コ

ミッティの決定により確認されなければならない)。

- 許可される運営スタッフは、明瞭に識別されること(識別の方法は遅くとも選手権第1戦の

1ヶ月前までに耐久コミッティの決定により定義される)。

- あらゆるレース競技会の前に、車検の間、各チームマネージャーは、正規に完成させた標準

の報告書式を使用し、運営スタッフのリストを査察員に提出する。

- 各チームのリストはFIAの利用可能とされる。

- 不可抗力による交代(疾病、事故あるいは家族の事情を含むがそれに限られない)がレース

週末の間で認められるが、その交代が審査委員会に報告され、明らかに正当化されることが

条件とされる。

- 運営スタッフとは、以下の業務(それだけに限られない)を遂行する者とされる:

a) テクニカルディレクターおよびチームマネージャーを含めたレースエンジニアリングス

タッフ(レース、パフォーマンス、システム、エンジン、ハイブリッドシステム、戦略、

空力、電子技術者など)。 b) 複合素材専門家を含めた、レースメカニック。

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c) IT、無線、テレメトリー、パーツマネジメント/搬出入要員など d) 運用設計/技術支援(疑義を避けるため、チームの技術オフィスの1箇所でコンピュータ

ーのある着座場所を得る一切の人員は運営サポート者と見なされる)。 e) 天気予報および監視活動 f) タイヤの管理(タイヤ製造者)

- 運営スタッフ制限の適用除外および説明のリストが以下に示される。車両に関わる運営活動

に関与する者、および適用除外者リストに掲載のない者は、レーススタッフ報告書に記載さ

れること。疑義を避けるため、次に挙げる役割のみに関与する者については上記の要件は免

除される。

a) ホスピタリティー、チームモーターホームおよびケータリング要員 b) スポンサー、マーケティング、メディアおよび広報担当 c) 保安要員および競技会会場へまたそこからトラックを運転する者(このような者であって

も、その後タイヤ取り扱いなどのその他の運営関連業務に就く場合は、数に数えられる)。 d) 指名されたドライバーおよびその医療スタッフ e) 車両運用に直接関係のないトップマネジメント(社長、チーム代表、会長あるいはマネー

ジングディレクター) f) 車両運用に直接関係のない設計/技術スタッフ(コンピュターを備えた着座場所のないも

の) g) 世界耐久選手権にエントリーする複数チームに対する供給業者によって雇用される者(タ

イヤ、ブレーキの技術者やヘルメット技術者など)で、複数エントラント(1カテゴリー

に1台または複数台をエントリーするライセンス保持者)に対して作業する者は、スタッ

フ制限に含まれない。1つのエントラント専用に仕事を行う外部の会社の雇用人員は、ス

タッフ制限数に含まれなければならない。

レース競技役員は、サーキット領域内の一切のチームエリアに立ち入りが自由に許される。

規則に違反のある場合のペナルティ:審査委員会の裁量により、3分間のストップ・アンド・ゴ

ー・ペナルティ。

4.4 情報と合図

4.4.1 情報: 4.4.1.1 国際競技規則に定められた信号により、ドライバーに伝達される公式情報:競技参加者は

オーガナイザーが使用する旗や灯火信号と類似するものを使用してはならない。 4.4.1.2 ピットと車両とをつなぐ無線およびテレメトリーは、以下を条件に認められる:

a) オーガナイザーにより、例外的な仕様が指示されない限り、ヨーロッパ内で行われる

レースでは、アンテナが、パドック内ガレージ後方に駐車しているトラックの屋根に

設置されること。

b) 使用する器具類が、現地の電気通信行政機関の規定に合致していること(周波数、送

信電力など)。

c) 一旦電気通信行政機関より許可が得られた後、アンテナが定位置に設置されているこ

と:アンテナ設置前に、オーガナイザーに許可証のコピー提出が求められる。

4.4.1.3 一切の違反は: a) 競技参加者の費用負担で、設置を取り外すことになる。 b) 一切の無線通信が一時的に禁止される。

4.4.1.4 カメラ、ビデオシステムおよび計時装置:これらをプロモーターの設置物に、あるいはコ

ース脇に取り付けることは禁止される。

4.4.2 合図: a) 「シグナリングエリア」はピットエリアに配置されている。 b) 設置の 大寸法は以下の通り:

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- 高さ:コース面上2.20m

- 幅:シグナリングエリアの壁に沿って2.50m

- 奥行き:ピット側のピットウォールから1.00m

c) 設置物、および取り付け部は壁(走路側)と同一面になければならない。 d) 設置物上の記名は唯一、車両の銘柄および/あるいは、競技参加者ライセンスに記載されたチ

ーム名称のみが許される e) ドライバーへの合図に使用されるボードは、スライド式、あるいは回転式であってよいが、色

は赤、黄、緑であってはならない。ボードは、合図を出されるドライバーが走路上を走り過ぎ

る間に、シグナリングエリア車両が近づいたときにのみ取り出され提示されなければならない。 f) 日よけ、パラソルおよび傘は禁止される。 g) 車両のチームに属する 大3名が、プラクティス中、およびレースのスタート後に「シグナリ

ングエリア」の中に入ることが認められる。 h) ピットの識別:プロモーターより別の指示がない限り、シーズンの開始時点でプロモーターが

識別ボードを支給し、各競技参加者のガレージ入口上部、ピットレーン側に、各レースで取り

付ける。 i) ヨーロッパのレースではチームの国旗が、ガレージ後方に駐車しているトラック前部の旗立て

に掲揚されていなければならない。

4.5 ピットの準備

4.5.1 一切の競技参加者は、選手権プロモーターの勧告に従い、自己のピットを装飾することが義務付

けられる。ドリル穴あけ、溶接を要する一切の変更あるいはピットガレージの改造は、オーガナ

イザーから事前に書面による合意を取り付けることが必要である。 4.5.2 設置物および床の装飾は一切禁止される。

不燃性の素材を使用し、事前にオーガナイザーより書面による許可を得ている場合は、カーペッ

トをひくこと、あるいはその他の装飾が許可される。

4.5.3 折りたたみ式ブラケット、エアー、燃料あるいは灯火用の柔軟性のある支持具は、 a) 「作業エリア」の外側の境界から出てはならない(第10条8項1.5参照) b) 地面から上方2m未満にあってはならない。

4.5.4 エアボトルは、その保護用の蓋が一旦取り外されたならば、しっかりと固定されるか繋ぎ止められな

ければならない。バルブおよびレギュレーター周辺の保護は、恒久的に所定の位置になければならな

い。エアボトルの設置に関する適合性および有効年月日は、いつでも検査できる。

4.5.5 ピットエリアの灯火: a) 走路上のドライバーの障害となることがないよう、灯火の光線は、レース走行方向で走路下向

き、あるいはピット方向を指していなければならない。 b) 独立燃料タンクおよび燃料配管から3m未満にある電気を使用した設置物は、スパーク防止型

でなければならない。 c) 低温のスパーク防止型ランプのみが認められる。ハロゲンランプは禁止される。 d) 競技参加者は、設置物および機材が上記の規則を遵守していることを証明するために必要な書

類を車両検査委員に提供しなければならない。 e) タイヤを温める装置:

ガレージの裏手で、燃料式装置を使用することが認められる。ただし、火炎がそのまま露出す

ることは認められず、装置が作動している間は、消火器を常に近くに携えていなければならな

い。

ガレージ後方に近接して配置された外側のエリア以外では、タイヤを温めるあるいは温度を保

持する装置は一切認められない。

これは、タイヤを覆うことが禁止されることを意味する。タイヤはガレージ外側の直後にある

場合を除き、常に、競技役員が見えるように保たれ、外気の中にある状態でなければならない。

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f) ピットエリア(ピットレーンおよびピットウォール、ガレージ)の外に競技参加者によって取

り付けされる計測機器は、サーキット周辺のサービスロードを含めサーキット上では禁止され

る。

4.6 パドックおよびピット: - プロモーターのみが、ピットおよびパドック内の場所を割り当てる権限を有する。

- 競技参加者は、遅くとも競技会前の水曜日(競技会が土曜日の場合は火曜日)の朝から、サ

ーキットに立ち入り、ピット設営ができる。

- プロモーターは競技参加者がサーキットに入る順番を決めることができる。

競技参加者はそれに応じ遵守しなければならない。

トランスポーター(ヘッド+トレーラー)は、全長が19mを超えてはならず、超える場合

はサーキットへの入場が拒否される。

- 設置物の取り外し、および機材の撤去は、当該競技会の付則1に別の定めがない限り、競技

会 終日翌日の昼12時までに完了させなければならない。それを超える1日ごとに5,00

0ユーロが保証預託金から引かれる。

- すべての設置物は安全基準を満たすものでなければならず、管制室による報告書の検査対象

となる。

- ピット数が参加車両台数を下回る場合、ピットは分割される。

- ピットを共用しなければならない車両の選択順は次の通り:1/LMGTE Am、

2/LMGTE Pro、3/LMP2、4/LMP1

プロモーターは、安全上の理由によりこの規則を適用免除する権限を留保する。

2016年選手権の各競技会で世界耐久選手権製造者部門に参加するLMP1競技参加者の

ピット選択優先順は、

2015年FIA世界耐久選手権の製造者の認定順位に従って決定される。

1位となった製造者のみ優先され、そのガレージを選択することができる。

- 競技参加者は、いかなる理由であろうとも、レースあるいはフリー走行または予選のいずれ

かをスタートできない場合は、使用していたピットを、競技会から撤退する事由が発生した

その日の終了までに立ち退かなければならない。

4.6.1 ピット中および裏、パドック全域、コース上、また観客用のすべてのエリアに動物を持ち込むこ

とは禁止される。オーガナイザーが管理規制および保安のために使用する動物のみが認められる。

4.6.2 16歳未満の者はピットレーンに立ち入ることはできない。ただし、「ピットウォーク」の時間

は除く。 4.7 一般規律 4.7.1 義務付けられる装備

4.7.1.1 ドライバーに義務付けられる装備 プラクティス走行、ウォームアップ、およびレース中、ドライバーは、FIAがサーキッ

トでの国際競技会用に定めた安全基準に合致した衣類およびヘルメット、さらにFIA公

認の頭部拘束装置を、国際競技規則付則L項に定められた条件にて、常に装着していなけ

ればならない。 FIA基準8860-ヘルメットテスト進化仕様(テクニカルリストNo.33)の公認

を得たヘルメットの着用が義務付けられる。 4.7.1.2 ピットレーンに居る要員に義務付けられる安全装備

すべてのプラクティス走行およびレースの間、ピットレーン(ピットシャッター前の塗装

ラインにより区切られる)に居る競技参加者の要員の、 低限の安全用着衣: a) 給油要員、ベントおよびカットオフバルブの付き添い要員は、以下のFIA公認用具

を着用しなければならない:

・FIA公認耐火性オーバーオール

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WEC Sporting Regulations 14 / 80 8 April 2016

・FIA公認耐火性グローブ

・FIA公認耐火性バラクラバ

・FIA公認耐火性長袖のアンダーウェア(シャツ、ズボンおよびソックス)

・FIA公認耐火性シューズ

・FIA公認の閉鎖バイザーの付いた未塗装(白色)フルフェースヘルメット(バイ

ザーは車両がピットレーンに入る前に開けることができる)

b) その他の作業者

・FIA公認耐火性オーバーオール

・FIA公認耐火性グローブ

・FIA公認耐火性の顔全体を保護するバラクラバ

・耐火性ゴーグル

・FIA公認耐火性長袖のアンダーウェア(シャツ、ズボンおよびソックス)

・FIA公認耐火性シューズ

・事前に車検員により承認を受けたヘルメット

給油作業を除き:例外的な状況においては、絶対的に必要である場合、メカニックはFI

A公認耐火性グローブを取り外すことができる。

罰則:競技審査委員会の裁量による

4.7.2 スポーツに反する行為

レースディレクターおよび/あるいは競技長は、スポーツとフェアプレーの精神に反すると思わ

れる競技参加者あるいはドライバーの反スポーツ行為について、当該者が本規則の文字通りの適

用を要求する場合にも、競技審査委員会に訴えることができる。 4.7.3 チームのカメラ

写された映像は、チームが私的に使用することのみができる。映像はインターネットやその他い

かなる手法によっても決して放映することはできない。それらを第三者に譲り渡すこともできな

い。 映像は、競技審査委員会の許可を得た上で、ピットレーンでの違反行為に関わる審理の弁護にお

ける証拠としてチームが使用することができる。ただし、その映像を使用するチームが、当該カ

メラの要請を行ったチームであることを条件とする。 カメラは、そのカメラの要請を行ったチームの映像を撮るためにのみ使用できる。 第三者の活動を撮っていることが分かったカメラは没収され、当該チームのカメラについてのす

べての権利は無効とされる場合がある。 いかなる状況においても、カメラの記録映像を、その他のチームあるいは第三者に対するいかな

る抗議、告発あるいは法的措置の根拠を構成するために使用することはできない。 チームは、レースディレクターあるいは選手権TV権利保持者により要請のあった映像については、

その所有権を放棄しなければならない。 4.8 サインセッション、ドライバーパレード、合同インタビューゾーン

4.8.1 すべてのドライバーが、サインセッションの全時間に渡って参加しなければならない。この義務

をドライバーに遵守させることは、チームマネージャーの責務である。違反の場合は、欠席のド

ライバー1名につき、 大500ユーロの罰金が競技審査委員会の裁量により課せられる。

4.8.2 ドライバーパレード プロモーターの要請により、競技会の出走資格のある車両のドライバーは、(ヘルメット以外の)

レース用衣類を着用し、パレードに参加することが義務付けられる。

欠席あるいは遅刻は、ドライバー1名につき1,000ユーロの罰金が課せられる。

4.8.3 合同インタビューゾーン ドライバーとメディアとのミーティングを容易にするため、合同ゾーンが各競技会のプレスルー

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WEC Sporting Regulations 15 / 80 8 April 2016

ムに設営される。

予選終了後、すべての予選セッション参加ドライバーは、カテゴリーに関係なく、各競技会の付

則1に記載された時間にこのプレスルームに入ることが義務付けられる。予選後の記者会見に参

加したドライバーは(第854.9項参照)出席を免除される。

競技審査委員会の裁量により、欠席のドライバーには罰金が科される。

4.8.4 ピットウォーク規則

a) ピットウォーク(競技会のタイムテーブルに記載されている時間)の間、すべての車両はピッ

トレーン側に向けた状態で、指定された自己のガレージ内に留まり、ガレージのフロントシャ

ッターは開放しておかなければならない。ガレージの内部が見えるように、障害物(車体部品、

カバー、タイヤの積み重ねなど)が一切ない状態に保たなければならない。 b) 車検会場にてコントロールを必要とする一切の競技参加者は、これらのコントロールがピット

ウォークの時間全体の間、指定されたガレージ内に車両が停止している状態で実施されること

を確実にしなければならない。 c) レース競技役員に要求されない限り、車両はピットウォークの間ピットレーン上にあることは

認められない。ピットウォークの間、車両がピットレーンへと押されることを避けるため、競

技役員はあらゆる努力をする。 d) ピットウォークの安全と撤収を迅速に行うため、競技参加者はプロモーターにより、ピットウ

ォーク終了時点でピットレーン撤収を早めるため、ガレージ前のフロントシャッターを一時的

に閉めるよう求められる場合がある。一旦ガレージ前の部分に何もない状態になったら、シャ

ッターは再び開けられなければならない。 e) 当該ガレージ前の撤収が完了したなら、車両をピットレーンに移動させることができる。いか

なる場合にも、競技参加者はプロモーターの指示に従わなければならない。 f) ピットウォークの時間帯の間、チームはいかなる状況であっても燃料の取り扱いをしてはなら

ない。

4.9 記者会見

予選後: LMP1およびLMP2専用の予選セッションの終了直後、各カテゴリーでポールポジションに

つけたドライバーは記者会見に出席しなければならない。

場所:プレスルーム

これらの義務をドライバーに遵守させることは、チームマネージャーの責務である。

罰則:遅刻あるいは欠席のドライバー1名につき1000ユーロ

フィニッシュ後:

表彰式の直後、競技役員の指示に従い、競技会の総合順位で1位、2位、3位でレースをフィニ

ッシュした車両および各グループ(第1条)で優勝した車両のドライバーおよびチームマネージ

ャーは、以下に参加しなければならない:

a) インタビュー b) 優勝者記者会見。 場所:プレスルーム

これらの義務をドライバーに遵守させることは、チームマネージャーの責務である。

罰則:競技審査委員会の裁量による。

4.10 表彰式、トロフィーおよびカップ

表彰式セレモニーへの出席は、LMP1プライベートエントラントを含み総合順位および各カテ

ゴリーで上位3位に入ったクルーに義務付けられる。競技参加者とドライバーは、表彰式セレモ

ニーに関連して与えられる指示に従うことを約束する。違反の場合は、競技審査委員会の裁量に

よる罰則を受けることになる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 16 / 80 8 April 2016

1/ 表彰式:

場所:表彰台の上、フィニッシュの直後

出席義務のある者:

a) 競技会の総合順位で1位、2位、3位に認定された全ドライバー b) 各グループの上位3位の全ドライバー 罰則:競技審査委員会の裁量による。

4.11 罰則の定義 4.11.1 競技参加者への指示および連絡

競技参加者への競技役員の指示、決定、通知あるいは連絡は、書面にてなされる。 a) 競技参加者は受領を証明しなければならない:競技参加者あるいはその指定した代表者の署名が

義務付けられる。 b) 競技参加者が署名を拒否する場合:競技審査委員会の裁量により、当該競技参加者およびその車

両(含複数)の失格の可能性。 c) 競技役員の通知および決定、(プラクティスおよびレースの)結果は、公式通知掲示板に掲示さ

れる。

4.11.2 罰則および抗議

a) 競技審査委員会は、国際競技規則の下で課せられる一切のその他罰則に追加して、あるいは

その代わりに、本規則に定められた罰則を課すことができる。 b) 請求権:

・抗議の権利 抗議は国際競技規則に従い、1,000ユーロ(あるいは当日のレート換算で等価のドル)の

現金を支払うことにより請求されなければならない。

・控訴の内金: 国際控訴審判所への控訴料は6,000ユーロである(FIAの裁判および懲罰規定参照)。

耐久コミッティによる決定は、一切控訴の対象とはならない。

c) 再審の権利:これは国際競技規則に定める通りとする。

5. 書類検査

5.1 ライセンス 選手権に参加するすべてのドライバー、競技参加者、および競技役員は、現在有効なライセンス

を所持していなければならない。ドライバーについては、付則L項第1章-第2条に従うライセ

ンス(FIA国際ドライバーズライセンスのグレードB以上)を所持し、適用のある場合には、

管轄のASNが発効する有効な許可証を所持していなければならない(ISC第3条9項4)。

5.2 書類検査

提出が義務付けられる書類: 各競技参加者および各ドライバーは、以下の、現在有効な義務付けられる書類を提出しなければ

ならない:

- 競技参加者ライセンス

- ドライバーライセンス: 低FIAグレードB

FIAカレンダーに登録された国際競技会に参加する恒久的許可を認めていないライセンスを所

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 17 / 80 8 April 2016

有するドライバーおよび競技参加者については:当該競技会の開催国にてレースすることを認め

たASN発行の許可証。

書類検査の間、競技参加者は、本規則第1条4項2に明記されている正規代理人(含複数)およ

びその補佐(含複数)を書面にて確認しなければならない。また続けて、競技参加者は以下を承

知して、車両1台につき 大3名から成る公式クルーを指名しなければならない:

a) 1名のドライバーを、1台を超える車両に割り当てることはできない b) 代わりのドライバーは受け入れられない c) クルーの変更(上述の第10条9項2a)参照)

5.3 無線連絡

各エントリー車両について、競技参加者は車両のエンジニアと車両内のドライバーの間の連絡に

使用される無線周波数を、プロモーターに指名された要員に提供しなければならない。 各競技参加者はプロモーターに指名されたTV製作会社に、チームとドライバー間の無線会話内容

の選択された記録を利用することを許可する。そのような資料は、当該協議会のテレビ放映に制

限なく使用されることができる。 安全上の理由から、ACOとFIAの競技役員は、その会話内容を随時聴くことが認められる。 違反の場合:競技審査委員会の裁量による罰則

6. 車両検査 6.1 車両検査は以下に関与する:

6.1.1 車両の技術的適合性

6.1.2 ヘルメットの公認とFIA公認の頭部拘束装置を含むドライバーの着衣(国際競技規則付則L項に規

定された条件)、および車両の安全装備の確認。 ヘルメットおよび頭部拘束装置の改造は、その製造者の予定するものでない限り禁止される。

同一性確認を容易にし、クルーの統一性のため、同じ車両のドライバーは同一のオーバーオール

を着用すること。

6.1.3 コクピット内温度の確認(クローズドカー): ドライバー周辺の温度が技術規定の定める値を超えている場合、あるいはセンサーが接続されて

いない場合は、当該車両は問題が解決されるまで停止させられる。

スティント終了時点で、疲労の重要な兆候を示すドライバーは競技会の医師団長の診断を受ける

ことができる。それが過熱ストレスによる場合は、ドライバーはレースに再び参加することは認

められない。

6.1.4 車両の公認書式、給油システムのテクニカルパスポートおよび装備品申告書式: 装備品申告書式は、交換の可能性に応じて、競技会の間継続的に更新されなければならない。

6.2 車両検査委員は、以下を実施できる: 6.2.1 競技会期間中いつでも、車両あるいは競技参加者の適合性を確認すること。 6.2.2 適合性あるいは適格性の状態を照合するために、競技参加者によって車両装備を取り外すことを

要請すること。 6.2.3 競技参加者に以下を要請すること:

a) 上記の権限を執行したことにより生じた費用の支払い

b) 車両検査委員が必要とみなす見本あるいは部品の提供

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 18 / 80 8 April 2016

6.3 車検の間、1台の車両につきチーム員は 大6名が認められる。 6.4 車両には牽引フックおよびジャッキシステムの取り付けがなければならない(技術規則でそれが

免除されているモデルは除く)。 レース中の罰則:

a) レース中に牽引フックが破損した場合、コースマーシャルは、十分に頑丈であると判断するシ

ャシーあるいは車体のどの部分でも使用して車両を安全な場所へ引いて移動する。当該車両は

競技審査委員会によって失格とされる場合がある。

b) 競技参加者は、それによって車両が損傷しても抗議を申し立てる権利はない。

6.5 車両検査委員によって合格とされた一切の車両でも、安全性に影響を及ぼすような方法で分解あるい

は改造が行われた場合や、適格性に疑義が生じる可能性がある場合、または同様な結果を生じる事故

に巻き込まれた場合は、車両を再度、車検承認のため提示しなければならない。 6.6 各予選走行後、およびレースフィニッシュ後、車両は無作為に選択され検査を受ける。 6.7 車両検査

検査は競技長の命令により車両検査委員が実施する。車両検査委員は、パークフェルメの運営を

担当し、競技参加者およびドライバーに指示を与える権限を有する。

6.8 車両検査委員は以下を検査する: 6.8.1 トランスポンダー、データロガー、テレメトリー、リーダーライトシステム。 6.8.2 燃料システムおよび燃料補給員の着衣の検査が、木曜日または金曜日にレースが行われる曜日に

応じてどちらかで実施される(大会プログラムに明記される)。独立型燃料タンクは、燃料を空に

して上部カバーを取り除き、絶縁カバーのない状態で提示されなければならない。 6.8.3 エンジンの封印

各エンジンには、車両のゼッケン番号が表示される。各エンジンは競技会で競技参加者に使用さ

れる前に封印されなければならない。1つあるいはそれ以上の封印の破損は、事前に車両検査委

員に許可されなければならず、競技会失格に至るまでの罰則が課せられる場合がある。一切の封

印の破損は、エンジンを変更したものとみなされる。

6.9 ウェイング

6.9.1 車両は、プラクティスセッション終了後、レースのフィニッシュ時に重量計測を受ける(技術規

則参照)。 6.9.2 重量測定を受けることが競技参加者に一旦通知されたならば、いかなる固体、液体、気体あるい

は物質など、車両に加えたり、または車両から取り除いてはならない。 6.9.3 オフィシャルの他は誰も、測定エリアに立ち入ることはできない。かかるオフィシャルの許可が

ない限り、いかなる種の介入もそこでは許されない。 6.9.4 プラクティスおよびレース終了時 車両はパークフェルメに置かれ、検査に選択された車両は、ドライバーが搭乗せず、燃料の搭載がない

状態で重量計測される。 計測結果が適正でない場合:

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 19 / 80 8 April 2016

a) プラクティス終了時:タイムの取り消し b) レース終了時:失格

6.9.5 LMP1競技参加者のみについて: 競技参加者は、予選開始の4時間から2時間前までの時間枠に、エントリーする各ドライバーの

低体重を申告しなければならない。この所与の時間枠内にクルーの体重申告を行わないチーム

は、参加資格を失う。申告体重はキログラム表示の整数でなければならない。申告体重は競技会

の間のいかなる時点での 低体重を示すものでなければならない(よってその数値は競技会の間

減る可能性を含めたものでなければならない)。ドライバーの平均体重は も近い整数に切り下げ

られる。

乗車するドライバーの平均体重が80kg以上の場合:義務付けられる車両の 低重量に変更は

されない。

乗車するドライバーの平均体重が80kg未満の場合:次の公式に従いドライバーのバラストが

追加される:

80kg-ドライバーの平均体重=ドライバーのバラスト

従って、車両の 低重量は基本の義務付けられる 低重量+ドライバーのバラスト。

ドライバーのバラストは:

・不活性の均質な金属塊でなければならない

・LMP1技術規則第4条2項に合致していなければならない

・車両の重量を増す以外の機能を有することはできない

・20kgを超えることはできない

ドライバーの体重は、ドライバーの以下のフル装備を含める:

・装備されるコンプリートヘルメット

・頭部拘束装置

・レーシングスーツ

・アンダーウェア

・レーシングシューズ

・グローブ

・各ドライバー専用の追加の取り外し可能な座席

競技役員は競技会の間いつでも各ドライバーの体重を検査することができる。競技役員が体重検

査のためドライバーに近づく時、ドライバーは:

・競技役員の指示に従わなければならない

・飲食禁止

・上記に記された完全な装備を身に付け、重量を増すようなその他の追加装備は一切ない状態で

あることを確実にしなければならない。

ドライバーの体重が予選開始の4時間から2時間前までの時間枠に申告した重量を下回った場合

のペナルティ:

プラクティスの間では:当該車両の違反が報告された時刻までの達成タイムの取り消し(すべて

のプラクティス走行が総合される)

レースの間は:車両の失格

7. 技術規則

7.1 参加資格のある車両

競技会は2016年技術規則に従い、適用される技術規則に定義され、FIAおよび/あるいは

ACOにより公認された「ル・マンプロトタイプ」車両(以下、LMP1およびLMP2)および

「ル・マングランドツーリング耐久」車両(以下、LMGTE ProおよびLMGTE Am)

のみを対象とする。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 20 / 80 8 April 2016

2012年1月1日から、新しい車両、あるいは既に公認された車両の進化型はそれぞれ、 FIAとACOの共同責任の下で公認を受けなければならない。

7.1.1

a) 2014年1月1日かそれ以降の日付けよりFIA/ACOによって発行された公認書式を有す

る公認されたLMP1カテゴリー車両は、2016年LMP1規定に一旦合致した時点で、完全

な権利をもって参加が認められる。 b) ACOによりLMP2およびLMGTEカテゴリーにて公認され、2011年12月31日以前

に発行されたACO公認書式、あるいは2012年1月1日以降のFIA/ACOの発行する公

認書式を有する車両は、2016年規則に合致すると同時に完全な権利をもって参加が認められ

る。

7.1.2 音量レベル制限の遵守は、当該車両カテゴリーに適用される技術規則に定められている通りとする。 クローズド車両のコクピット内 大温度レベルの遵守は、当該車両カテゴリーに適用される技術規則

に定められている通りとする。

7.1.3 革新的と見なされる技術を利用した車両も参加を認められるが、耐久コミッティの同意が必要であり、

選手権のポイントを得ることはできない。 7.1.4 公認書式の有効性(または非有効性)に関するFIAの決定は、ACOによる決定と同じく、技術的な

終決定であり、いかなる司法権に対してもいかなる団体が控訴することもできない。

7.2 リザーブカー 以下に定義されるリザーブカーは認められない。 リザーブカーとは、当該競技会に参加するものとして用意された車両ではないが、競技参加者が

登録した主となるレース車両に置き換えることを意図された車両である。

「車両」とは、それが設計され製作される目的に適合するという予測の下に、それ自体の中に識

別された対象を形成する目的にて、様々な種類の構成部品(機械的、電気的、電子的などの)の

組み立ての結果により成る自動車(国際競技規則第13条の見解において)を意味する。

7.3 燃料

7.3.1 競技会期間中、競技参加者は各カテゴリーについて指定された、オーガナイザーが供給する燃料のみ

を使用することができる。燃料の仕様は、オーガナイザーに要求次第提供される。

7.3.2 搭載に関する事項:適用される技術規則を参照。

7.3.3 オーガナイザーは、ヨーロッパ外の競技会を除き、燃料用のドラム缶を競技参加者用に用意しないた

め、各チームは、オーガナイザーの指定供給業者より燃料を受け取るために必要なドラム缶を用意し

なければならない。 7.3.4 各ガレージにて車両1台に認められる貯蔵燃料の 大量は400リットルである。この燃料はパドッ

ク側のドアの近くに保管されなければならない。供給ドラム缶からポンプ輸送で独立型タンクに送ら

れ、付則A(LMP1)および付則2(LMP2およびLMGTE)、技術規則第8条に示される臨時

タンクで充填がなされなければならない。ピットにおいて、この臨時タンクによるものを除き、ガソリ

ンの操作は一切認められない。唯一可能な例外は、事前に書面による申請を行いテクニカルデリゲー

トによる許可を得た上で、正確に較正された容器で車両のタンク容量を管理することである。

7.4 均衡化システム(性能と技術)

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 21 / 80 8 April 2016

7.4.1 異なる推進技術をもつLMP1車両の均衡化システム

ハイブリッドと非ハイブリッドの車両間の差異を制限するため、耐久コミッティは以下の条件に

従い、非ハイブリッドの車両性能を適合させることができる:

a) 各技術の 速車両のラップタイム平均計算が参照基準とされる。平均ラップタイムはレース

距離の20%に相当するラップ数について計算される(ベストラップの平均)。

も遅い技術の車両モデルは、規定の適用により利益を得るためには、少なくとも2レースに参

加していなければならず、正式に順位認定されていなければならない。

初の性能調整は、耐久コミッティがいつでも適用できる。

コミッティは審議中の案件を解決に導くため、製造者および/あるいは競技参加者に必要な情報

を求める権利を有する。そのようにして得られた情報は、極秘事項として扱われる。

故意に誤った情報を提供した競技参加者、あるいは真実の性能レベルを隠匿することで調整に影

響を及ぼそうと画策した一切の競技参加者は、FIAにより罰則が科せられる。

b) 耐久コミッティは、車両性能の世界的レベル調整を行う目的で、すべてのLMP1車両のエ

ネルギー配分を+あるいは-10MJ(ル・マン24時間サーキットの1周回についての参考値)

の調整することができる。

c) LMP1車両の技術の均衡化

各技術の「クラスベスト」(コミッティの決定13-D0031-LMP1-2014EoTに定義される)から集めら

れたデータを基に算出されたEoTの原則が、コミッティの決定15-D0039-LMP1に明記され、2

016年技術規則付則Bに定められる値に基づき、2016年ル・マン競技会を含めそれまで適

用される。

2016年ル・マン24時間競技会の間で集められたデータが調査され、2017年ル・マン競

技会を含めそれまで適用されるEoTの基準が定義される。

これらの要素の適用および/あるいは解釈に関して生じる一切の質問を 終的に解決することは

耐久コミッティに委ねられる。

7.4.2 LMP2車両の性能の均衡化

FIAおよびACOは、製造者がLMP2車両の性能を向上させる開発のすべてに投資すること

を奨励することは望まない。

これらの車両の主な目的は、信頼性、安全性そして低メンテナンス費用でなければならない。

そのため、ある特定の車両モデルの性能が突出している場合、性能調整に適用される条件の下で、

耐久コミッティは当該車両の性能を下げる方策を直ちにとることができる。

耐久コミッティは、遅い車両モデルの性能を上げるよりもむしろ、 速の車両モデルの性能を下

げることを是認する。

耐久コミッティは、異なるLMP2車両およびエンジンの性能の均衡化調整を進めることができ

る。修正されるべきパラメータは以下の通り:

- エンジンパワーを-5%まで

- 重量を+30kgまで

- 燃料タンク容量を-10リットルまで

性能調整は、耐久コミッティのみの責任である。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 22 / 80 8 April 2016

7.4.3 GTE車両の性能の均衡化

その使命に従い、コミッティは適用される技術規則に規定される通り、GTE車両の性能を均衡

することが認められている。

7.5 規則およびブルテンにて定められる装置および機材

7.5.1 データ記録装置: すべての車両にはACOおよびFIAによって公認されたデータ記録装置が装備されなければな

らない。車両が車検に提示される前に、記録装置は搭載され、機能が正常であることがテストさ

れていなければならない。各車両について、データ記録装置の供給業者は、公認書式の図面に従

って搭載された当該システムが、車両で正常に機能することがテストされたことを証明する書類

を提供しなければならない。 各競技参加者は以下を確実にしなければならない: - 競技会を通して、システムが正確に機能すること。そのために、競技参加者はオーガナイザ

ーと同じ情報を同時に共有する。 - オーガナイザーにデータを送信することを専用とするコンピューターが、競技会を通してプ

ロモーターに提供されたネットワークに恒久的に接続していること。ネットワークへの接続

は競技参加者の責任である。 - 以下の期間、データを回復し、それらを、インターネットを経由してピットからオーガナイ

ザーへ直ちに送信すること。 - プラクティス走行中、各走行セッションスタート 初のピットストップ中、それから走行セ

ッション中は少なくとも1時間に1回、および各セッションの終了時。 - レース中、各燃料補給ストップ時、 後の1時間は除く。

上記の各ダウンロード義務時について、データは車両がピットレーンに入った後、 低10分間

はオーガナイザーに送信されなければならない。

- 車両にはファストレーンあるいはトラックを走行中常に、公式計時委員により供給されたル・

マンタイプの多重周波数トランスポンダー(ドライバーを確認できるもの)が完全に機能す

る状態で搭載されていなければならない。各競技参加者は、自身の費用負担で、このトラン

スポンダーを入手し、それを搭載し、機能確保する責任がある。このトランスポンダーは、

関連の規定に厳密に従って搭載されなければならない。 - 計時スクリーンに表示されているドライバーの氏名が、常に車両の中にいるドライバー氏名

と一致していることを保証するのは、チームマネージャーの責務である。モニターに表示さ

れた氏名が、車両内にいるドライバー氏名と異なっている場合は、チームマネージャーは直

ちに、レースコントロールにそれを知らせなければならない。 - 回復されたデータに関して確認された一切の異常を直ちに訂正すること。 違反の場合の罰則:

プラクティス走行にて:1,000ユーロの罰金

レースにて:ストップ・アンド・ゴー

7.5.2 事故データ記録装置(ADR) a) このユニットは競技会に参加する各競技参加者によって使用されなければならない。この装置

ユニットは、関連の指示に厳密に準拠して搭載されなければならず、競技会期間中、常に機能

していなければならない。 b) すべての競技参加者は、このシステムを選手権プロモーターから入手し、またそれを正確に搭

載し機能するようにすることについて自ら責務を負う。 c) この装置ユニットおよびその装備品の重量は、車両の 低重量に含められる。

7.5.3 車載カメラ: 車載カメラの使用は、選手権プロモーターと競技参加者との間で締結される標準契約を通じ規定

されている。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 23 / 80 8 April 2016

7.5.4 位置システム:

車両の位置を走路上に定め、その進行を衛星との連絡によって追尾する目的の、競技参加者に特

定される装置の使用、またインターネットを介してその情報を放送する可能性も含めて、オーガ

ナイザーの承認が必要となる。すべての要請は、操作詳細仕様を添えてなされなければならない。

7.5.5 選手権に適用される規定に定められているその他の義務付けられるシステムおよび装備品(テクニカ

ルリスト46-競技および技術規定): - これらのシステムおよび装備品は選手権にエントリーするすべての競技参加者によって当該選手

権のカレンダーに掲載されるすべての競技会で使用されなければならない。 - これらのシステムおよび装備品は、関連の指示に厳密に準拠して搭載されなければならず、競技会

期間中、常に機能していなければならない。 - これらのシステムあるいは装備品を選手権プロモーターから入手し、搭載し正確に機能するように

することは、各競技参加者の責務である。 規則およびブルテンで定められた装置あるいは機材が機能しない場合:

制裁:

プラクティス走行にて:1,000ユーロの罰金

レースにて:

第1回目の機能不全確認:正常に戻るまで、ストップ・アンド・ゴー

第2回目の機能不全確認:正常に戻るまで、ストップ・アンド・ゴー+2分間

第3回目の機能不全確認:競技審査委員会の裁量に任される(失格の場合あり)。

7.5.6 LMP1燃料流量計についての特別なケース a) FIAに公認された燃料流量計の取り付けは、その他すべての燃料流量計を除いて、義務付

けられる。これらの流量計に記録された計測値のみが、あるいは 終的にFIAによる評価に不

具合が認められた場合は、その他いかなるFIAの裁量による補助的方法も、真正であるとみな

される。従って、この装置の信頼性あるいはFIAによる補助的な評価について、競技参加者お

よび/あるいは国際モータースポーツ競技規則第9条16項1に言及される者により出された苦

情は、それが提出され得る当局あるいは裁判所に関わらず受け付けられない。

b) この装置の常に円滑な操作、およびその監視は競技参加者の責務である。

流量計および消費量計測に関する公平かつ厳密な技術規定実施を確実に行うため、以下の管理が

レースにて義務付けられる:

- チームは、車検日より前に、あるいは遅くともその日中に、競技会に使用を予定するセンサー

のリストをテクニカルデリゲートに宣言しなければならない。このリストにはセンサー製造者

照会先および部品番号と共にFIAステッカー照会が含まれていなければならない。

- センサーは、競技会の間いつでも、そのFIAステッカーが貼り付けられ、有効な較正がなさ

れていなければならない。

- テクニカルデリゲートは、センサーが使用される前にそれを検査することを要請することがで

きる。チームはそのような要請を受けた場合には、それに従わなければならない。

- テクニカルデリゲートはセンサーの使用を禁止することができる。この決定はデリゲートの絶

対的裁量にて行われ、控訴することはできない。

- 予選走行開始から競技会の終了まで、テクニカルデリゲートの事前の了承なしにセンサーを交

換するとはできない。取り外された一切のセンサーはテクニカルデリゲートが保管する。

- テクニカルデリゲートは、競技会中いつでも、センサーを承認された較正会社に検査のため持

ち出す権限を留保する。

欠陥のある流量計は一切、異常が現れた後の 初の車両停止の間に、テクニカルデリゲートの承

認を得たうえで、交換されなければならない。

流量計の交換は、燃料補給中に行うことができ、その作業に特に任命された作業員によって実施

できる。流量計交換は、燃料補給手順の一部である。交換作業の時間期限が遵守されない場合、

あるいは車両の性能が、流量計が正常に稼動していない間に向上した場合、競技審査委員会の裁

量による罰則が科される。

上述の条件についての例外は、車両に機械的操作を実行するためにガレージの中に車両を押して

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 24 / 80 8 April 2016

移動した場合にのみ、その場合に限って流量計をガレージ内で交換することができる。確立され

た原則に対するこの免除規定については個別に解釈される。

7.5.7 FIAのマーシャルディスプレー

FIAのマーシャル活動用スクリーンが、車両運転中常にドライバーが見えるようにしておくこ

とは競技参加者の責務である。これは以下を意味する:

・ スクリーンは恒久的にドライバーの視界になければならない;

・ ドライバーはスクリーン上に表示された合図あるいはメッセージを容易に認識できなければ

ならない。

・ 競技審査委員会は、技術的欠陥が証明される場合以外、ドライバーには常にそのスクリーンが

見えているものとして取り扱う。

7.6 エンジンの使用

7.6.1 GTE ProおよびGTE Amの競技参加者:競技会にエントリーする各車両は(ル・マン

24時間を除く-特別規則書参照)、予選および決勝レースに必ず同一のエンジンを使用しなけれ

ばならない。

予選で使用したエンジンと異なるエンジンをレースで使用した場合の罰則:3分間のストップ・

アンド・ゴーが、レースの前半にレースディレクターの命令によりレース中に実施される。

7.6.2 LMP1ハイブリッド競技参加者についてのみ:

LMP1ハイブリッド車両をエントリーする競技参加者:パワートレインは1つの型式がシーズ

ンについて公認できる。

完全なシーズン(すべてのレース競技会)にて、エントリー車両1台につきエンジンの使用数は

5基に制限される。

FIA世界耐久選手権製造者部門に、新たに参加するLMP1ハイブリッド競技参加者について:

エントリー車両1台につきエンジンの使用数は7基に制限される。

公式FIA WEC合同テスト(プロローグ、ル・マンテスト、ルーキーテスト)はこの制限を受

けない。

追加のエンジンを使用した場合のペナルティは:

- 6時間競技会では3分間のストップ・アンド・ゴー、ル・マン24時間では5分間のストップ・

アンド・ゴーが、レースディレクターの命令によりレースの前半で実施される。 - 5基のオリジナルエンジンのうち1つは、シーズンの残余競技会終了時点までもはや使用はで

きない。

FIA世界耐久選手権のノンパーマネントLMP1競技参加者(レースバイレース参加)につい

て:

参加している競技会のフリー走行、予選およびレースで使用できるエンジンは 大2基まで。

3基目のエンジン(ジョーカーエンジン)が認められる。この3基目のエンジンが使用された場

合、 初の2基のエンジンの使用はもはや認められない。

FIA WEC合同テスト(プロローグ、ル・マンテスト、ルーキーテスト)の間、エンジンの使

用は自由である(但し、FIA世界耐久選手権の技術および競技規則が遵守されることを条件と

する)。

追加のエンジンを使用した場合のペナルティは:

- 6時間競技会では3分間のストップ・アンド・ゴー、ル・マン24時間では5分間のストップ・

アンド・ゴーが、レースディレクターの命令によりレースの前半で実施される。

7.6.3 LMP2競技参加者についてのみ:

フルシーズンの競技参加者については、エンジンは以下に制限される:

・ 各競技会で、またWEC合同プラクティス走行(ル・マン24時間のテストディを含む)で、

エントリーした競技参加者の当該車両に使用できるエンジンは、3基まで。ただし、プロロー

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 25 / 80 8 April 2016

グはこの制限に含まれない。

・ その他の競技参加者には、2基まで。

追加のエンジンを使用した場合のペナルティは:

- 6時間競技会では3分間のストップ・アンド・ゴー、ル・マン24時間では5分間のストップ・

アンド・ゴーが、レースディレクターの命令によりレースの前半で実施される。 - オリジナルエンジンのうち1つは、シーズンの終了時点までもはや使用はできない。

LMP2レース・バイ・レース競技参加者については、競技会ごとにエンジン1基の使用に制限

される。

追加のエンジンを使用した場合のペナルティは:

- 6時間競技会では3分間のストップ・アンド・ゴー、ル・マン24時間では5分間のストップ・

アンド・ゴーが、レースディレクターの命令によりレースの前半で実施される。

エントリーされた車両のエンジンに貼られた、1枚あるいはそれ以上の公式のコントロールシー

ルが、貼り付け当時の状態でない場合には、エンジンは交換されたものと判断される。

車両の計時トランスポンダーが一旦ピットレーンを離れたことを示したならば、エンジンは使用

されたと判断される。

エンジンの使用および交換は、以下の条件でのみ可能である:

- 競技参加者が車両検査委員に事前にそれを通知していること - 封印が取り外されていないこと この条件についての違反は、競技審査委員会の裁量により、当該車両の失格を招く場合がある。

エンジン変更をせざるを得ない事故あるいは不可抗力であることが、競技審査委員会により承認

される場合は(その証明の責任は競技参加者にある)罰則が適用される必要はない。

7.7 タイヤ:

2本のフロントタイヤと2本のリアタイヤで構成される4本のタイヤがタイヤ1セットである。

各タイヤはRFID検知システムおよびバーコードにより識別されなければならない。すべての

照会事項はFIA/ACOテクニカルデリゲートに競技会開始の遅くとも48時間前に伝えられ

なければならない。指定されるタイヤのこのリストは、競技会の開始時点で競技審査委員会に通

知される。

すべてのタイヤは、常に(車両に取り付けられている時を含め)FIAにより導入されるRFI

D検知システムによる直接計測によって識別できなければならない。これには自動および手動の

検知が含まれる。

RFID検知システムの機能不全の場合にのみ、手動計測がバーコード識別によって取り扱われ

る。

レースおよびプラクティスにて、タイヤ交換の後、競技参加者は車両から外したばかりのコンプ

リートホイールを、競技役員が自由に利用できるよう、ピットに残さなければならない。ホイー

ルは、競技役員の合意を得てのみ、引き取ることができる。

7.7.1 ドライ状態の走路に使用されるタイヤ(スリック)については以下の通りに規定される:

a)LMP1、LMGTE Proカテゴリーについて:

各競技会で使用できるタイヤの数は制限される(表7.7.4参照)。

b)LMP2カテゴリーおよびLMGTE Amについて:

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 26 / 80 8 April 2016

異なるタイヤ製造者が、フルシーズンについて、LMP2にエントリーされた車両のすべてのモ

デルに対し、またLMGTE Amにエントリーした車両モデルごとに、 大で3種のタイヤ仕様

をFIAに宣言することができる。これらの3種のタイヤ仕様は、 初の競技会の少なくとも1

5日前までに宣言されなければならず、ある1つの製造者のタイヤを装着している全競技参加者

が明らかにその性能ハンデを負う場合に、当該製造者の要請に答えて耐久コミッティの決定がな

されない限り、シーズンの期間中凍結される。この場合、許可された新しい仕様は、当初宣言さ

れた仕様に取って代わる。シーズン中、タイヤ製造者は1度のみ適用免除要請を耐久コミッティ

に提出することができ、その要請は、 初の競技会前に3種の宣言された仕様のうち 大2仕様

に係わる。そのような要請が提出された場合、耐久コミッティは、当該カテゴリーに参加してい

るその他のタイヤ製造者に対し、この要請についての判断が下される前に、直ちに伝える義務が

ある。耐久コミッティは、適用免除要請をその他タイヤ製造者に伝えた日より遅くとも8日後に

は、その決定を出す。

遅くとも車検の開始48時間前までに、タイヤ製造者は、レースごとにエントリーされた車両(L

MP2車両についてはすべてのモデル、LMGTE Am車両はモデルごと)について、そのシー

ズンに指定した3つの仕様の中から2つのタイヤ仕様を指定しなければならない。これらの2つ

の仕様のみを、1競技会にて1競技参加者が使用することができる。

各競技会で使用できるタイヤの数は制限を受ける(表7.7.4参照)。

各競技会にて、各タイヤ製造者は、当該競技会に許可されているすべての仕様からいくつかのタ

イヤを車両検査委員が利用できるようにしなければならない。タイヤの数は、テクニカルデリゲ

ートのノートによって決定される。これらのタイヤは封印され、その後の競技会で競技参加者が

使用するテクニカルデリゲートの許可を求め、再度提出される。

各タイヤ製造者は少なくとも以下に供給できる立場になければならない(「立場にある」とは、審

査委員会の裁量にて、供給を求める競技参加者に対し供給を拒否してはならないということを意

味する。):

- カテゴリーに2つの別個のタイヤ製造者がある場合、当該カテゴリーにエントリーする競技

参加者数の50%

- カテゴリーに3つの別個のタイヤ製造者がある場合、当該カテゴリーにエントリーする競技

参加者数の30%

- カテゴリーに4つの別個のタイヤ製造者がある場合、当該カテゴリーにエントリーする競技

参加者数の20%。

タイヤは耐久コミッティの裁量で、市販価格にて供給されなければならない。

c)LMP2カテゴリーのみについて: 各タイヤ製造者は、競技会の間にそのカテゴリーで使用された別の製造者のタイヤを渡される場

合がある(タイヤの数は、テクニカルデリゲートの裁量による)。

7.7.2 ウェットコースでのタイヤ(ウェット天候用タイヤおよびインターミディエイトタイヤ)の使用

については、以下の通りに規定される: 本規定により明確に許可されていない限り、ウェットコースでのタイヤは、走路がウエットであ

ると競技長/レースディレクターが宣言した後でのみプラクティス走行(フリー走行、予選)お

よびレースで使用できる。 罰則:競技審査委員会の裁量による a)LMP1、LMGTE Proカテゴリーについて:

ウエット天候用タイヤの数に制限はない。 b)LMP2カテゴリーおよびLMGTE Amについて:

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 27 / 80 8 April 2016

ウェット天候用タイヤの数に制限はない。 異なるタイヤ製造者が、フルシーズンについて、 初の競技会の少なくとも15日前までに、ウ

ェット天候用タイヤを 大1仕様、インターミディエイトタイヤを1仕様、LMP2車両につい

てはエントリーされた車両のすべてのモデル、LMGTE Am車両はモデルごとにFIAに宣言

することができる。 ある1つの製造者のタイヤを装着している全競技参加者が明らかにその性能ハンデを負う場合に、

当該製造者の要請に答えて耐久コミッティの決定がなされない限り、それら仕様はシーズンの期

間中凍結される。この場合、許可された新しい仕様は、当初宣言された仕様に取って代わる。シ

ーズン中、タイヤ製造者は1度のみ適用免除要請を耐久コミッティに提出することができ、それ

はウェット天候用タイヤ 大1仕様、インターミディエイトタイヤ1仕様に関わるものとするこ

とができる。 そのような要請が提出された場合、耐久コミッティは、当該カテゴリーに参加しているその他の

タイヤ製造者に対し、この要請についての判断が下される前に、直ちに伝える義務がある。耐久

コミッティは、適用免除要請をその他タイヤ製造者に伝えた日より遅くとも8日後には、その決

定を出す。

各タイヤ製造者は、競技会の間にそのカテゴリーで使用された別の製造者のタイヤを渡される場

合がある(タイヤの数は、テクニカルデリゲートの裁量による)。 FIAに宣言されていないウェット天候用あるいはインターミディエイトタイヤの使用は、競技

会のすべての部分において禁止される。 ウェット天候用あるいはインターミディエイトタイヤの各プロファイルのモデルは、 初の競技

会の少なくとも15日前までにFIAに預けられなければならない。 タイヤの再カットは厳禁。

7.7.3 タイヤ規定違反の罰則:違反1回につき3分間のストップ・アンド・ゴー・ペナルティー。 7.7.4 競技会ごとのタイヤ制限概略表(ル・マン24時間レースには適用されない)

スリックタイヤの制限(LMP1)

タイヤ数 シングルタイヤ

6時間の競技会 フリー走行 予選+決勝 競技会の間いつでも LMP1 16 24* 2

*バーレーンおよび上海6時間競技会では、32本のタイヤ。 一切の新しいサーキット(2015年カレンダーにない)のタイヤ制限、あるいはレース継続時

間は、競技会の3ヶ月前に、耐久コミッティによって確認される。

スリックタイヤの制限(LMP2、GTE ProおよびGTE Am)

タイヤセット数 シングルタイヤ 6時間の競技会 フリー走行 予選+決勝 競技会の間いつでも

LMP2 3 4 2 GTE Pro 4 6 2 GTE Am 4 6 2

すべてのカテゴリーについて: 決勝前に、ピットを出てスターティンググリッドに向かうために使用されるタイヤの仕様はドラ

イまたはウェットいずれかであってよく、レースのタイヤ配分数に算入されない。 決勝のタイヤ配分数に数えられるタイヤは、レースのスタートからカウントされる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 28 / 80 8 April 2016

7.8 ライト a) 車両がコースあるいはピットレーンを走行中、2つのメイン・ヘッドライト(公認書式に記載され

る通りの)およびリアライトが、昼夜ともに、絶えず点灯していなければならない。 ピットレーンを走行中、ヘッドライトをフラッシュさせることは禁止される。 走路上でヘッドライトを連続してフラッシュさせるのは、一切の補助なく、ドライバーが個々に

要求することが必要である。 一連は2秒を超えてはならず、フラッシュはその中で 大4回までしか実行できない。

b) リアのレインライトは、レースディレクターが逆の指示を出さない限り、コースがウェットであ

ると宣言されている間は常に点灯していなければならない。 c) 車両のライトおよびライト信号システムが機能不全である場合は、それが走路上であっても、ピ

ットレーン内であっても、レースディレクターは直ちに競技参加者に通知し、当該競技参加者は

次のピットストップで状況を修正しなければならない。ただし、レースディレクターがその裁量

にて安全上の理由で、修理を実施するために直ちに車両を止める命令を下す決定をする場合は除

く。

7.9 制限を受ける風洞試験 FIA世界耐久選手権製造者部門にエントリーするLMP1製造者についてのみ。

7.9.1 定義 風洞試験とは、コンストラクター、あるいはコンストラクターに関連する一切の団体、またはコ

ンストラクターの代理人や下請け人、またはそれに関連する団体の一切が、走行に付随する空気

流により直接的にあるいは間接的に発生する一切の力、変位、圧力分布あるいは空気流方向を計

測、観察または推察するために、LMP1車両あるいは従属構成部品の模型を試験環境において

行う試験を言う。この定義に唯一許容可能な例外は以下の通り:

a) エンジン空気取り入れダクトに始まりエンジンを通り排気テールパイプの出口を終了とする

範囲内の、エンジンの冷却あるいは運転に関連する構成部品の開発を目的とする風洞試験で、

試験の間に空力の計測を直接的にも間接的にも行わないもの。この条文の解釈として、ダクト

内の圧力および流量計測は、空力の計測とはみなされない。

エンジンの冷却あるいは運転に関連する構成部品の開発のために考案された試験装置が、車

体の開発の利益となるような二次的な効果を生む可能性を有する場合がある。そのような装

置の具体例およびそれらに適用される追加制約事項は以下に示される:

- サスペンションおよびステアリングシステム(LMP1技術規則第12条および第13条)、

ブレーキシステム(LMP1技術規則第14条)、およびホールとタイヤ(LMP1技術規則

第15条)の開発のために、自由なテストが許可されている(これは従って制約を受ける風

洞試験の定義に範囲に入らない)。ただし、それらのテストが車体として類別される部品ある

いはシステムの性能または耐久性に関して同時にテストするものでない(あるいは決して偶

発的なデータや情報を提供しない)ことを条件とする。 - LMP1車両あるいは従属構成部品の定常状態およびダイナミックエンジンダイナモメータ

ー作業を実施することができる(これは従って制約を受ける風洞試験の定義に範囲に入らな

い)。ただし以下を条件とする: ・ テストで使用される車体には、フロントスプリッターおよびリアウイング組み立て品は一

切提示されない。 ・ 空力あるいは流動場の特性を直接的にも間接的にも測定するよう設計された装置は、使用

させる施設に一切搭載されない。 ・ 車両あるいは従属構成部品に、記録され得た偶発的な空気流から、直接的にも間接的にも

生じることになった外部の気流の変位、圧力分布または空気流方向を計測することができ

る、一切のセンサーが搭載されない。記録ファイルは、要請があれば、独立したベンチマ

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 29 / 80 8 April 2016

ーク査察の間に、利用可能でなければならない。 ・ 排気システムから出たガス流が、一切の車体構成部品に当たる前にテストエリアからダク

トで排出されること(排気ガスそのものは除く)。

- 風洞施設構造の調整、あるいは風洞施設構造の開発(ローリングロード、モデル動作システ

ム、空力バランス、風洞モデルスパイン、センサーなどのサブシステムすべてを含む)およ

び手法のためのみの風洞試験は、以下の制約のいずれかに従うことを条件に実施できる(こ

れは従って、制約を受ける風洞試験の定義には入らない): ・ モデルは風洞ですでに試験されたものでなければならない(「判っている、空力計測され

た」仕様)。 ・ 空気力学者および/あるいはパフォーマンスエンジニアにとって有用である可能性のあ

る有益なデータ収集(「アエロDマッピング」)の一切を避けるため。 ✔ スプリッターの前端の全幅に渡って垂直に 低60mm同等なフルスケールのガーニ

ーが取り付けられれる。ガーニーの下側はスプリッターの前端上にくるようにする。

✔ リアウイングのプロフィールは取り外されなければならない。

疑義を避けるために、車体の部品を開発するための一切の風洞試験は、空力計測のない風洞試験

であっても、制限を受ける風洞試験の定義に入る。

b) 一切の競技会にてLMP1車両によって実施される一切の空力試験 c) WEC競技規則によって認められている、走路テストの間およびそのテストにてLMP1車両

によって実施される一切の空力試験。

7.9.2 風洞施設 制約を受ける風洞試験は、コンストラクターが査察員に指定した風洞施設のみを使用して実施さ

れる。各コンストラクターは12ヶ月の1期間に使用する 大2つの風洞を指定することができ

る。 初の指定は1月1日あるいはその前に行わなければならず、次の指定は少なくとも12ヶ

月おかなければできない。

フルスケールの安全テストは、使用される風洞の数について例外として受け入れられる(時間は

数えられる)。耐久コミッティの合意がなければならない。 査察員はその絶対裁量にて、コンストラクターが指定した風洞が損傷により長期間に渡って使用

できなかった場合、その他の指定を考慮する。 7.9.3 風洞試験条件

制約を受ける風洞試験で使用される流体は、大気圧に保たれた空気でなければならない。 制約を受ける風洞試験中、1年の間に2台の模型のみが使用でる。24時間の間に1回のみの模

型変更が認められる。疑義を避けるため、本条文内で言う模型とは、基準の背、モーターおよび

センサーによって定義される。風洞の中に残される所与の模型の空力仕様の細部変更は認められ

る。 7.9.4 風洞モデルまたは車両条件

制約を受ける風洞試験の間、一旦対気速度が5m/秒を超えて上がったならば、試験車両の懸架

サスペンション、および制動装置エアダクトまたは従属構成部品は、対気速度が1m/秒を下回

るまで固定されたままでなければならない。 疑義を避けるため、制約を受ける風洞試験中、フルサイズの車両が走路を走行中に遭遇する条件

を反映したモデルの挙動状況変化(乗車高、横揺れ、操舵、偏揺れ、および排気流)は認められ

る。 標準の風洞稼動行の間、フロントあるいはリアウイングの極座標曲線が所与の走行で効果的に性

能を発揮するため、リアウイングに加えてフロントウイングフラップを自動的に調整することが

できる。その他の車体部分は一切可動であってはならない。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 30 / 80 8 April 2016

7.9.5 空力試験期間

毎年の空力試験期間はこれらの制約の評価に使用される1年間(1月1日から12月31日)で

ある。 7.9.6 風洞占有制限

各コンストラクターは、そのコンストラクターの関連当事者、あるいは代理人またはコンストラ

クターの下請け、もしくはその関連当事者を含め、制約を受ける風洞試験実施について、201

6年では1年間での風洞占有 大時間を1200時間に、2017年には800時間に制限しな

ければならない。各風洞試験期間の終了時に、コンストラクターがこれらの制限に従って操作し

ていたことも証明されなければならない。 7.9.6.1 制約を受ける風洞試験中、1回の施設稼働は所与のカレンダー日に 初に対気速度が5m

/秒を上回った時に開始されたと見なされ、同一のカレンダー日に 後に対気速度が5m

/秒を下回ったとコンストラクターが申告した時刻、あるいは稼動が継続されている場合

にはそのカレンダー日終了時に終了したものとみなされる。1回の占有シフトのみが、コ

ンストラクター、そのコンストラクターの関連当事者を含め、あるいは代理人またはコン

ストラクターの下請け、もしくはその関連当事者により、任意のカレンダー日1日に実施

することができる。査察員記録のための施設稼動の 低継続時間は7時間である。疑義を

避けるため、実際の施設稼働時間が15時間であれば15時間として記録され、実際の稼働時

間が3時間であれば7時間として記録される。 7.9.6.2 疑義を避けるため、制約を受ける風洞試験のみが、所与のカレンダー日に施設占有の開始

から終了までの間に実施することができる。 7.9.6.3 制約を受ける風洞試験の間で得られたデータは、計算された風洞試験占有が帰するコンス

トラクターにのみ利用可能とできる。 7.9.6.4 FIAにより指示された一切の試験は、風洞占有制限に関して数えられない。

7.9.7 報告およびベンチマーク

7.9.7.1 各コンストラクターは前の月々の空力試験期間の制約を受ける風洞試験について、各カレ

ンダー月終了後14日以内に、その詳細を査察員に報告すること。データは、査察員の指

定するフォーマットにて提供されなければならない。 7.9.7.2 制約を受ける風洞試験の詳細は次の通りに提出されること:

MS-Excelあるいはそれと互換性のあるファイルフォーマットによる、次のものを含む概

要: ・各占有シフト開始の日時 ・各占有シフト終了の日時 ・空力試験期間に渡る風洞占有の総時間数 各風洞稼動シフトの詳細な風洞対気速度記録は、申告の裏付けとして提供されること。記

録は提出から2年間、当該コンストラクターが保持しなければならない。記録はMS-Excelあるいはそれと互換性のあるファイルフォーマットによる、次のものを含む: ・対気速度が5m/秒を上回った各時刻の日時 ・対気速度が5m/秒を下回った各時刻の日時 ・対気速度が5m/秒を上回った各期間の間の 大動力気圧、対気速度および環境大気圧 すべての日付は年月日で表示され、すべての時刻は少なくとも も近い秒まで明記される

こと。デジタルカラー像ファイルで、モデル全体が入る妨げるもののない十分な風洞試験

作業区域が5分ごとに記録されなければならない。その記録はその他の収集されたデータ

の参照とされ、各稼動のついて秒単位の独自のタイムスタンプが入った写しが保存される。 7.9.7.3 コンストラクターが採用したハードウエアを点検するため、また本付則に規定される制約

事項の共通した適用を確実にする方法として、査察員は風洞の活動について、独立したベ

ンチマーク査察を随時実施する。このような査察により推奨事項が生じた場合には本付則

にその記載が組み込まれる。 7.9.8 査察および監査

本規則第7.3項に従い、コンストラクターの風洞施設の監査査察が、空力試験制約事項の一貫した

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 31 / 80 8 April 2016

適用を確実にするため実施される。コンストラクターは査察予定の約2週間前にその実施を通知

される。査察実施過程を促進するため、テクニカルディレクター、あるいは代表者、または空力

部門長が、提案された場所・日時に査察員と会うことが求められる。

これらの提案されたベンチマーク査察訪問に加え、査察代表は申告されているコンストラクター

の風洞を実際の占有を検査するためいつでも訪れることができる。このため、コンストラクター

は年間の風洞施設占有計画を、遅くとも1月1日までにその風洞指定と共に査察員に提供しなけ

ればならない。カレンダー年の間でこの計画に変更が生じた場合、できる限り早く査察員に通知

しなければならない。 7.10 技術規則遵守違反に対するペナルティ - 付則4 8. 義務付けられる表記および広告

競技参加者は車検の前に車両にオーガナイザーの広告を貼り付けなければならない(競技規則に

ある図解に従いサイズと位置を参照)。 また、競技参加者は、競技会オーガナイザー専用に取り置かれたいくつかの場所をその自由な利

用に残しておくこと(本規則付則4参照)。

8.1 車両 8.1.1 車両の提示は以下の状態でなければならない:

8.1.1.1 競技参加者ライセンスの国籍の旗(14×10cm)をフロントボンネットに貼付してい

ること。この国旗のステッカーはオーガナイザーから支給されない。 8.1.1.2 プロモーターにより要求されるゼッケン番号とカテゴリーステッカーは、車検前に、すべ

てが所定位置になければならない(書面による承認がある場合は除く)。

8.1.2 レース番号のベース レース番号ベースは、競技参加者が作成し取り付けなければならない。

高さ25cm×幅35cmの3枚のゼッケンベース。必ず次の色を使用しなければならない:

LMP1:Pantone赤485

LMP2:Pantone青653

LMGTE Pro:Pantone緑355

LMGTE Am:Pantoneオレンジ021C

8.1.2.1 ゼッケンベースと番号は、車検前に定位置になければならない。 8.1.2.2 側面のレース番号の2枚のゼッケンベースは、できる限り平坦な垂直面に貼付され、いか

なる状況にあっても読み取りできる状態が保たれなければならない。それらは前後のホイ

ールの間に配置されなければならない。 8.1.2.3 車両のフロントに配置されるレース番号のゼッケンベースは、いかなる状況にあっても読

み取りできる状態が保たれなければならず、レースコントロールから確認が容易で、TV

カメラが容易に映し出せる場所に配置されなければならない。

8.1.3 レース番号 8.1.3.1 レース番号はシーズン全体について、プロモーターが割り当てる。レース番号は各競技参

加者が作成し、上述のゼッケンベースに貼付し、以下の規定を遵守しなければならない: - 高さ:21cm

- 太さ:4cm

- 色:白

- フォント:Helvetica Neue Bold Condensed

8.1.3.2 夜間のレース、あるいは一部分が夜間のレースでは、車両は白色の蛍光体の電圧発光(あ

るいはそれと同等なもの)を装備しなければならず、夜間に照明されるように、色つきの

ゼッケンベースは番号にそって切り抜かれる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 32 / 80 8 April 2016

車両が番号によって確認できない場合は、(昼間あるいは夜間)、レースコントロールによ

り停止させられる。

8.1.4 カテゴリーステッカー 8.1.4.1 これらはプロモーターによって配分され支給される。

赤:LMP1

青:LMP2

緑:LMGTE Pro

オレンジ:LMGTE Am

8.1.4.2 プロトタイプについては、3枚のカテゴリーステッカーが車検前に定位置に貼付されてい

なければならない。それらは車両の両側、フロントボンネットに、レース番号のゼッケン

ベース近くに貼付されなければならない。 GTE車両については、4枚のカテゴリーステッカーが車検前に定位置に貼付されていな

ければならない。それらは車両の両側、フロントボンネットおよび車両後部に、レース番

号のゼッケンベース近くに貼付されなければならない(車両後部のステッカーは除く)。

8.1.5 選手権ロゴのステッカー 選手権ロゴのステッカーはプロモーターによって支給され、車検前に定位置に貼付されていなけ

ればならない。

プロトタイプおよびGTE車両は選手権ロゴのステッカーを貼付する場所として、高さ10cm

×幅35cmの3箇所の空いた場所がなければならない。この場所はレース番号のゼッケンベー

スの真上に配置されなければならない。

8.1.6 選手権スポンサーあるいは競技会スポンサーのステッカー 選手権プロモーターによる要請があれば、選手権スポンサーあるいは競技会スポンサーのステッ

カーが選手権プロモーターにより供給され、競技参加者は車検の前に、車両両側の選手権ロゴの

2枚のステッカーに代えて、それらを貼り付けなければならない。プロトタイプおよびGTE車

両は、選手権スポンサーあるいは競技会スポンサーのステッカー貼り付けスペースとして、10

cm(高さ)×35cm(幅)の3箇所の空きスペースを有していなければならない。

この場所は、レース番号のゼッケンベースの真上に配置されなければならない。

8.1.7 ル・マン24時間のロゴステッカー(ル・マン24時間についてのみ) これらはプロモーターが支給し、車検前に定位置に貼付されていなければならない。

プロトタイプおよびGTE車両は、ル・マン24時間のロゴステッカーを貼付する場所として、

高さ10cm×幅35cmの3箇所の空いた場所がなければならない。

この場所はできる限り、レース番号のゼッケンベースの真上に配置されなければならない(ある

いは、それが不可能である場合は、それに近く)。その場合、選手権のロゴステッカーはレース番

号のゼッケンベースの下側に配置されなければならない(あるいは、それが不可能である場合は、

それに近く)。

8.1.8 ハイブリッド車両のステッカー これらはプロモーターが支給し、車検前に定位置に貼付されていなければならない。

ハイブリッドプロトタイプは、高さ16cm×幅16cmの3箇所の空いた場所がなければなら

ない。

8.1.9 レース番号のゼッケンベースとその他すべてのステッカー(カテゴリー、選手権ロゴ、ウェブサイトあ

るいはスポンサー)の配置は以下に示される通りであり、ここに補足として付けられているステッカ

ー貼付案を参照のこと。

8.1.10 適合性証明ステッカー 8.1.10.1 車両検査にて一旦車両が車両検査委員に認められ、給油システム、エンジン封印、競技

参加者によるデータ送信のためのネットワーク接続の規則への合致が確認され、規則

およびテクニカルリストNo.46によって定められたすべての装置および機材が正しく

機能することが検査され、車検が終了した後、これらのステッカーが貼付される。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 33 / 80 8 April 2016

8.1.10.2 この適合性証明ステッカーの貼付がない車両は、競技会に参加できない。ステッカーは

決して剥がしてはならず(罰則:失格)、常に見える状態でなければならない。

8.1.11 「ロードセーフティー活動」ステッカー 競技参加者は、そのドライバーの車両およびヘルメットに、下記の寸法で任意に選択した場所へ、「ロ

ードセーフティー活動」ステッカーの貼り付けが求められる。 - 車両:18×8cm - ヘルメット:7×3cm ステッカーは、白または黒のモノクロのものが、プロモーターより入手可能である。

8.2 ドライバーおよびメカニック

FIA世界耐久選手権のワッペンは、FIA安全規定を守った上で、ドライバーとメカニックの

オーバーオールに縫い付け/刺繍しなければならない。 本条項の違反の一切は、競技審査委員会による制裁の対象となり、 大で車両の失格を招く。 ドライバーとメカニックのスーツ上ワッペンの取り付け位置は下記の図解の位置を守らなければ

ならない。 すべての仕様は、プロモーターに要請しだい入手可能である。 刺繍ワッペンの寸法は:13.5cm(長さ)×5.6cm(高さ)。

ドライバーのワッペン位置:ワッペン2枚。 メカニックのワッペン位置:ワッペン1枚。

9. プライベートテストおよび公式合同テスト

9.1 合同テスト プロローグ(公式シーズン前合同テスト)は、FIAによる事前の承認を得た上で、プロモータ

ーが組織すること。日程と場所は競技参加者とFIAに、遅くとも前年の8月末までに通知され

なければならない。この規則は、テスト実施日程に影響を及ぼす可能性のあるFIAフォーミュ

ラ1世界選手権のカレンダーの変更および不可抗力の場合の変更を受けることがある。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 34 / 80 8 April 2016

FIA世界耐久選手権に、1台あるいはそれ以上の台数で、1カテゴリーあるいはそれ以上のカ

テゴリーに、フルシーズンエントリーする競技参加者は、ル・キャステレ(ポールリカールサー

キット)にて行われるFIA WEC公式合同テスト(2016年3月25日/26日)に、2

016年FIA WECシーズンに当該競技参加者がエントリーする各カテゴリーに 低1台の

車両で参加することが義務付けられる。 「ルーキーテスト」(バーレーン国際サーキットにて11月20日日曜日)はプロモーターが主

催する、シーズン終了時のテストデーである。FIA世界耐久選手権製造者部門にエントリーす

る各競技参加者に、これが義務付けられる(少なくとも1台の車両の参加)。 プロモーターによって指名されたドライバーの参加も、FIA世界耐久選手権製造者部門にエン

トリーする各製造者の車両にて要求される。プロモーターによって指名された各ドライバーは「ル

ーキーテスト」で 低30周回しなければならない(不可抗力の場合を除く)。 その他の競技参加者については、このテストデーの参加は任意である。

9.2 プライベートテスト 9.2.1 「プライベートテスト」とは、プロモーターが運営する公式合同シーズン前テスト以外のテスト

で、選手権に正式にエントリーしている競技参加者の1つあるいは複数が、2016年選手権に

参加する、あるいは参加の可能性があると思われる車両1台あるいは複数台をもって参加するテ

ストを言う。

プライベートテストについての規定は、2016年1月1日から12月31日まで適用される。

その他の選手権あるいはシリーズの対象となる競技会への参加は、プライベートテストとはみな

されない。

9.2.2 テストデーの定義と一般条件

a) 「オープン・プライベートテスト」とは、少なくともひとつの競技参加者が主導して組織す

るが、選手権に参加するその他すべての競技参加者も参加が可能なテストをいう。

-「オープン・プライベートテスト」に関する規則: 一切の「オープン・プライベートテスト」の日程は、規定に定められている告知締め切り日

を遵守し(第9条2項4および第9条2項6)、競技参加者が査察員に宣言しなければならな

い。これを行わない場合、当該テストセッションは「クローズド・プライベートテスト」と

みなされる。 選手権プロモーターは、選手権にエントリーするすべての競技参加者に、これらのプライベ

ートテストの開催場所と日程を通知し、サーキットを予約した競技参加者の連絡先詳細を連

絡する。

-これらのテストに参加を希望する競技参加者は、主導の競技参加者に直接連絡をとる。

これらのプライベートテストでは、いかなる競技参加者もその他の競技参加者の参加を拒否

する権限はない。ただし、参加者数が、当該サーキットでプライベートテストに受け入れ可

能な 大参加台数を上回る場合はその限りではない。 宣言された一切の「オープン・プライベートテスト」は、1日を超えて継続する日程の場合、

連続した日に実施されなければならない。一切のテストは、宣言された「オープン・プライ

ベートテスト」の前後3日間に実施することは認められない。 耐久コミッティはこれについて特有の逸脱を認める権限を留保する(この規則の精神に従う)。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 35 / 80 8 April 2016

b) 「クローズド・プライベートテスト」とは、ひとつの競技参加者が組織するテストで、その

他の競技参加者は当該競技参加者の独占的裁量において招待される場合にのみ参加できるテ

ストをいう。 -「クローズド・プライベートテスト」に関する規定: -「クローズド・プライベートテスト」日程はすべて、規定に定められている告知締め切り

日を遵守し(第9条2項4および第9条2項6)、査察員に宣言されなければならない。

c) 「ロールアウト」プライベートテスト ロールアウトテストは、以下の条件の下で、オープンあるいはクローズドのプライベートテ

ストとして数えられない: ・ 走路使用合計時間が1日に1台について1時間を超えてはならない ・ 同日にテスト走行する車両台数が、選手権に当該競技参加者がエントリーする車両台数を

超えてはならない。 ・ LMP1競技参加者について:ロールアウト・プライベートテストは、輸送用タイヤを使

用して行われなければならない。輸送用タイヤは輸送目的にのみ製造されたタイヤで、そ

れらの仕様はレース競技会ではいかなる時も使用されてはならない。 ・ 「ロールアウト」プライベートテストは、予定日前の 終日に宣言されなければならない。

d) タイヤ製造者テストデー

製造者は、30日間の事前告知期間を遵守し、オープン・プライベートテストの開催を宣言

することができ、そのテストはそれらのテストを宣言したタイヤ製造者に相当するタイヤ銘

柄を使用する競技参加者のみが参加することができる。そのテストに参加を希望する競技参

加者は次に、以下の条件を受けることでこのオープン・プライベートテストを宣言しなけれ

ばならない: ・ タイヤ製造者テストデーに参加する各LMP1競技参加者は、テスト開始前24時間の事

前告知期間を遵守しなければならない。90日間の事前告知期間を遵守し、申告された日

は、1台/日のオープン・プライベートテストとして数えられる。 ・タイヤ製造者テストデーに参加する各LMP2あるいはGTE車両は、テスト開始前24

時間の事前告知期間を遵守しなければならない。30日間の事前告知期間を遵守し、申告

された日は、1台/日のオープン・プライベートテストとして数えられる。

e) 撮影用テストデー 撮影目的で行われるテストは、以下の条件の下でオープンあるいはクローズドのプライベー

トテストとして数えられない: ・ 大速度はいつ何時も:200kph ・ LMP1競技参加者については:撮影用テストデーは輸送用タイヤを使用して行われなけれ

ばならない ・ 撮影用テストデーは予定日の7日前に宣言されなければならない。

f) ジャーナリストあるいはVIPデー

ジャーナリストあるいはVIPデーは、以下の条件の下でオープンあるいはクローズドのプライ

ベートテストとして数えられない: ・ そのような走行日には、選手権にエントリーされた(シングルレースあるいはフルシーズ

ン) 大1名のドライバーが運転することを認められる ・ 1日に1ドライバーが走行できるのは 大10周回 ・ LMP1競技参加者については:ジャーナリストあるいはVIPデーは輸送用タイヤを使用して

行われなければならない ・ ジャーナリストあるいはVIPデーは予定日の7日前に宣言されなければならない。

g) サーキット以外で実施されるテスト(例:空港の直線滑走路利用のテスト)つまり、閉鎖環

状でないトラックでのテストは、以下の条件でオープンあるいはクローズドのプライベート

テストとして数えられない: ・ 合計走行時間が1日に1時間を超えてはならない

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 36 / 80 8 April 2016

・ 同日にテストする車両台数は、当該選手権にその競技参加者がエントリーする車両台数を

超えてはならない。 ・ LMP1競技参加者について:サーキット以外で開催されるテストは輸送用タイヤを使用

して行われなければならない。輸送用タイヤは、輸送のみを目的として製造された輸送専

用タイヤである。これらのタイヤの仕様はレース競技会ではいかなる時も使用してはなら

ない。 ・ サーキット以外で開催されるテストは、予定日の遅くとも前日に宣言されなければならな

い。

h) 車両/日の制限 テストの量についての一切の制限は、車両/日として数えられる。考慮される量は、各テスト

デーでテストされる車両台数である。例えば、2台の車両が同一日にテストされれば、2車

両/日と数えられる。

i) 事前に宣言されたテストデーが、競技参加者の制御範囲を超えた理由のために使用されなか

った(技術的トラブル・事故などにより)テストデーは、当該テストセッションに予定され

た日の後、遅くとも48時間以内に当該競技参加者が耐久コミッティに証明を提出すること

を条件に、後日当該競技参加者が使用することができる。後日使用することについての合意

は耐久コミッティの裁量による。 j) 事前告知期間を遵守して事前に宣言されたオープン・プライベートテストは、不可抗力の場

合のみ、またその他参加を希望する競技参加者がない場合にのみ、延期あるいは中止するこ

とができる。次に、延期あるいは中止の要請は、関連の証拠を添えて耐久コミッティ提出で

きる。

9.2.3 「オープン」であるか「クローズド」であるかに係わらず、すべてのプライベートテストに適用される

その他の条件: a) これらのテストの実施宣言を行う書式は、競技規則第3条に従い、選手権に正規に登録した

すべての競技参加者に対し、要求があり次第、費用規定査察員より入手可能である

[email protected]。 b) 宣言は、当該セッションに参加した競技参加者の同一性に加え、当該セッションに実際参加

した車両の数およびモデルならびにシャシー番号を特定しなければならない。 c) 耐久コミッティは、本条項の規則が遵守されていることを立証するために、直接あるいは明

確に指定された代理人を通じて、検査を実施することができる。 これらの検査の妨害は、それが故意であってもなくても、プライベートテストに関する規定

違反となり、下記に規定される制裁の対象となる。

d) プライベートテストは、オープンであってもクローズドであっても、選手権競技会の 30日前以降は、競技会と同じサーキットで実施することはできない。

9.2.4 LMP1 競技参加者に許可される日数 ・ 大10のクローズド・プライベートテスト車両/日が認められる。それらは競技参加者に

よって、競技参加者が主導する走行セッションの 終日の後5日以内に宣言されなければな

らない。

・ 新たに世界耐久選手権製造者部門にエントリーする製造者については、 大20のクローズ

ド・プライベートテスト車両/日が認められる。それらは競技参加者によって、競技参加者

が主導する走行セッションの 終日の後5日以内に宣言されなければならない。

・ 大10のオープン・プライベートテスト車両/日が、30日の事前告知期間を遵守するこ

とで認められる。

・ 大23のオープン・プライベートテスト車両/日が、90日の事前告知期間を遵守するこ

とで認められる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 37 / 80 8 April 2016

走行時間が数えられ、次の通り申告されなければならない:

・ 午前8時から午後8時:日中の緑色灯火(走路がテスト利用可能)9時間点灯が1日とみな

される。

・ 午後8時から午前8時:夜間の緑色灯火(走路がテスト利用可能)12時間点灯が1日とみ

なされる。

夜間走行テストが宣言された場合、日中テストの9時間制限はその前日と翌日には適用され

ない。

次の公式合同テストに参加する各車両は、90日の事前告知期間を遵守することで、1回のオー

プン・プライベートテスト車両/日と数えられる:

1. プロローグ(ポールリカール-2日間):2016年3月25日/26日 2. ル・マンテスト(24時間サーキット-1日間):2016年6月5日 3. ル・マンブガッティテスト(ブガッティ・サーキット-1日間):6月7日(ロールアウト・

プライベートテストの条件が遵守される場合を除く) 4. シーズン終了ルーキーテスト(バーレーン国際サーキット-1日間)11月20日

もうひとつの競技参加者によってすでに宣言されたテストに合流する各車両は、テスト開始前に

24時間の事前告知期間を遵守しなければならない。それは、90日の事前告知期間を遵守する

ことで、1回のオープン・プライベートテスト車両/日と数えられる

9.2.5 LMP1競技参加者のプライベートテストに割り当てられるタイヤ

現行の製造者について、オープンおよびクローズドのプライベートテストのためだけに合計13

76本のタイヤが、1つのLMP1競技参加者に割り当てられる。

新規の製造者については、オープンおよびクローズドのプライベートテストのためだけに合計1

696本のタイヤが、1つのLMP1競技参加者に割り当てられる。この割り当てには輸送タイヤを

除くすべてのタイヤが含まれる。

9.2.6 LMP2、GTE Pro およびGTE Am競技参加者のみについて オープン・プライベートテスト日は制限されない。ただし、それらは30日の事前告知期間を遵

守し、競技参加者により宣言されなければならない。もうひとつの競技参加者によってすでに宣

言されたテストに合流する各車両は、テスト開始前に24時間の事前告知期間を遵守しなければ

ならない。

大10のクローズド・プライベートテスト車両/日が、1つのカテゴリー1つの競技参加者に

ついて認められる。それらは競技参加者によって、競技参加者が主導する走行セッションの 終

日の後5日以内に宣言されなければならない。

10. 競技会

10.1 規律 10.1.1 ドライバーは、車両をマーシャルの指示によって危険な場所から移動させるのに絶対必要な場

合以外は、定められた方向と反対に走行することを厳禁とする(失格)。 10.1.2 ドライバーはレースの走路を必ず守らなければならず、常にISC付則L項第Ⅴ章(第2条c)

の詳細要件)を遵守しなければならない。 以下の反則の場合罰則が課せられる:

a) プラクティス走行中:

競技審査委員会の裁量による:ドライバーの失格に至る場合がある。

b) レース中:

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 38 / 80 8 April 2016

競技審査委員会の裁量による:ドライバーの失格に至る場合がある。

10.1.3 プラクティスおよびレース中に停止した車両はすべて、プラクティスセッションあるいはレー

スに危険を及ぼすことなくその走行を妨げないよう、マーシャルによってコースから取り除か

れる。

a) ドライバーが自身の車両を危険な場所から移動させることができない場合、マーシャルがそれ

を補佐する。 b) レース中、そのようなマーシャルの補佐がエンジンの再スタートの利益につながってはならな

い。罰則:競技審査委員会の裁量による:競技参加者の失格に至る場合がある。 c) レース中、マーシャルにそのように指示をされない限り、ドライバーが車両より10m以上離れ

た場合、当該車両はレースをリタイアしたものとみなされる場合がある(競技審査委員会の裁量

による)。 d) レース中、マーシャル以外の者が、車両および/あるいはドライバーの10m以内に近づくこと

はできない。 e) 競技会のどの時点であっても、ドライバーが車両を走路に置いて立ち去る時は常に、ニュートラ

ルにするか、駆動系を外し、ハイブリッドシステムを安全な状態にし、ステアリングホイールは

そのまま正常位置にしておかなければならない。この規定はパークフェルメにも適用される。

罰則:競技審査委員会の裁量による:競技参加者の失格に至る場合がある。

10.1.4 いかなる状況であっても、ピットレーンを含み、ドライバーが自身の車両を押すことはできない。 罰則:競技参加者の失格。

10.1.5 コース上での、一切のエネルギーあるいは液体類の補給は禁止される。 罰則:競技参加者の失格。

10.1.6 国際競技規則あるいは本規則にて、特に許されていない限り、ドライバー以外の者が停止してい

る車両に接触することはできない。ただし、ピットレーン内の指定されたエリア、ガレージある

いはスターティンググリッドにある場合は除く。 罰則:競技参加者の失格。

10.1.7 グリッドが空になると直ちに、フィニッシュ後に車両がパークフェルメに入るまでは、職務遂行

中のマーシャル、レース中あるいはマーシャルの指示の下にあるドライバー以外、誰も走路に立

ち入ることはできない。

10.1.8 レース中、車両が停止した場合、エンジンはドライバーのみがスターターあるいはその他何らか

の車載の装備を使用して再スタートさせなければならない。 外部のスタート装置の使用は、ピットストップ中、および第10条8.1.23の規定範囲内にお

いてのみ認められる。

10.1.9 ピットエリアの開始と終了の地点は、各サーキットにて明確に決められる。 ピットエリアで、チームに属する車両をピットまで押すのは 大4名が認められる。

グリーンライトを待つピットエリア終点まで移動する車両は、自力でそこまで行かなければな

らない。

罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.1.10 危険であるとみなされる車両(著しい損傷あるいは安全構成部品の機能低下)はすべて、修理

のため停止しなければならない。 当該車両は、車両検査委員の同意なにし、レースに復帰することはできない。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 39 / 80 8 April 2016

牽引フックが破損した場合、またはフック部が重機を使用してクレーンで車両を吊り上げるこ

とが不可能になった場合、コースマーシャルは十分に頑丈であるとみなすシャシーあるいは車

体のどの部分でも車両牽引に利用する。同様のことが車両にギアが掛かった状態である場合に

も適用される。車両に損傷が生じる場合も、抗議は受け付けられず、競技審査委員会により罰

則が課せられる場合がある(第6条4a)参照)

10.1.11 国際競技規則あるいは本規則の、一般規定および安全に関する規則の違反はすべて: 罰則:競技審査委員会の裁量により、当該車両および/あるいはドライバーの失格となる場合

がある。

いかなる場合にも:

a) プラクティス走行中の旗信号不遵守および/あるいはスポーツに反する行為の場合、そのセッ

ションの開始から違反を犯した時刻までのタイムの取り消し。 b) レース中で、以下の場合:

- ジャンプスタート

- フォーメーションラップ中のスタート練習

- スタート前のフォーメーションラップ中、義務付けられた車間距離の不遵守

- ローリングスタート前のフォーメーションラップあるいはセーフティカー出動中の

追い越し

- 旗信号の不遵守

- スポーツに反する行為

罰則は競技審査委員会の裁量に任される。

騒音レベルあるいはコクピット内の温度が超過した場合:

- 第1回目の超過確認:当該車両はレースコントロールにより停止され、チームは車両がレ

ースに復帰することを許される前にその異常を修理しなければならない。

- それに続く次の超過確認:競技審査委員会裁量による当該競技参加者の失格までの罰則。

10.1.12 競技審査委員会により課せられタイムペナルティを受けることが不可能であると証明された

場合は、これらのペナルティは、罰則の対象となった違反のあった前の 終ラップを走破する

のに当該競技参加者がかかった時間を基本に、ラップペナルティに転換される。この場合、そ

の転換は、課せられたタイムペナルティと同じく抗議の対象とはならない。

10.2 競技会のフォーマット

各競技会の付則1の規定に従い(第2条2参照)、競技会フォーマットは以下の通りとする: a)プラクティスセッション: - 2回あるいは3回、1時間、1時間半あるいは2時間のフリープラクティスセッションが、合計時

間4時間の制限の下で実施される(競技会の付則1参照)。 - 1回の予選セッションが、スターティンググリッドを決めるため、以下の通りに運営される: - LMP1、LMP2カテゴリー車両単独の 短20分間1回のハーフセッション。 - LMGTE ProとLMGTE Amカテゴリー車両単独の 短20分間1回のハーフセッシ

ョン。 - これらの2つのハーフセッションは少なくとも5分のインターバルとする。

b)ウォームアップ:

各競技会の付則1に定められていない限り、また安全上の理由からレースディレクターの提案で

競技審査委員会が実施を決定しない限り、ウォームアップは競技会のプログラムに予定されない。

c)決勝レース:

決勝レースは 小6時間でなければならない。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 40 / 80 8 April 2016

10.3 ブリーフィング

10.3.1 レースディレクター開催するドライバーズ・ブリーフィングは、できれば初回のフリー走行の前

に行うことが望ましい。当該競技会に参加するすべてのドライバー、それらのチームマネージャ

ーあるいはチームの公式代表者は、ブリーフィング全体を通して出席しなければならない。 罰則:競技審査委員会に裁量にて、 大で競技会失格。 レースディレクターが、また別途ブリーフィングを開催することが必要であると判断した場合、

競技審査委員会の合意を得てレースディレクターが決めた場所と時間でそれが実施される。ド

ライバー、チームマネージャーあるいはチームの公式代表者はそれに応じて情報を通達される。

10.3.2 レースディレクター開催するチームマネージャーのブリーフィングは、初回のドライバーズ・ブ

リーフィング直後に開催される。すべてのチームマネージャーはブリーフィング全体を通して

出席しなければならない。 罰則:競技審査委員会に裁量にて、 大で競技会失格。

10.4 公式プラクティス

10.4.1 参加資格のあるドライバーおよび車両: 書類検査および車検に合格したドライバーおよび車両のみが、公式プラクティスに参加するこ

とが認められる。

10.4.2 第10条9項2(最後の節)で定められるドライバーは: 10.4.2.1 公式プラクティスに参加しなければならず、しない場合は失格となる 10.4.2.2 低予選通過タイムを達成しなければならない 10.4.2.3 レースが一部分夜間に行われる場合、夜間のプラクティス走行を 低5周回達成し、スター

ト/フィニッシュラインを少なくとも1回通過していなければならない 10.4.2.4 プラクティス中、ピットとトラックに関する規則およびすべての安全方策は、レースのもの

と同様となる。 10.4.2.5 ドライバーは、指定された車両のみを運転しなければならないが、不可抗力の場合に競技審

査委員会によって事前にその目的のための適用免除が認められている場合は除く。 クルーのうち1名(あるいは複数名)のドライバーが、予選タイム達成にこの適用免除

が認められた場合、その(それらの)車両は、グリッドの 後尾に置かれる。

10.4.2.6 プラクティスの中断: a) 競技長は、安全確保のため、プラクティスを中断できる。 b) 競技長は、競技審査委員会との合意の上で、中断した後のプラクティスセッション

を延長する義務を負わない。 c) プラクティスセッションが中断された場合、それによってドライバーおよび車両

の予選結果に起こりうる影響について、抗議は認められない。 d) 赤旗が提示された周回を除き、車両がラインを通過する度に、1ラップを完了した

とみなされる。

10.4.2.7 最低予選通過タイム LMP1、LPM2およびLMGTE Proカテゴリー: 1つの公式プラクティスセッション中、各ドライバーは少なくとも以下と同等なタイ

ムを達成しなければならない:

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 41 / 80 8 April 2016

a) 異なる銘柄の3台の車両が達成した上位3台の平均タイムの120% b) 所属するカテゴリーの 速車両の達成したベストタイムの110% LMGTE Amカテゴリー: a) 1つの公式プラクティスセッション中、ドライバーは少なくとも所属するカテゴリ

ーの 速車両の達成したベストタイムの110%と同等なタイムを達成しなければ

ならない。

すべてのカテゴリー: a) 上記の 低タイムを満たす車両台数が、スタートを認められる出走台数を上回る場

合は、: - シーズンエントリーをしている車両に絶対的優先権がある - 残りの台数は、以下の順で各カテゴリーに均等数配分される:

LMP1、LMP2、LMGTE Pro、LMGTE Am。

b) レースディレクターの提案により、競技審査委員会は安全上の理由で、公式テスト

に参加し 低予選通過タイムを達成することのできなかったドライバーを競技会参

加禁止とすることができる。

競技審査委員会の決定は、それに対する控訴があっても、即刻適用される。

c) ドライバーはウォームアップ中に決勝レース参加資格を付与されることはない。

10.4.2.8 特殊なケース A/ スタートを認められる 大出走台数に至るまで、レースディレクターの提案により、

競技審査委員会は、不可抗力を理由として、予選セッションに参加できなかった車

両を、以下を条件として、受け入れることができる: a) 低予選通過タイムを達成する実力があったと思われる。 b) ドライバーらおよび車両が、安全についてすべての保証を提示している。 c) スターティンググリッドの 後尾に置かれる。 d) クルーのうちの 速ドライバーが、レースのスタートをする。

B/ レースディレクターの提案にて、競技審査委員会は、計時されたプラクティスに参

加したが、 低予選通過タイムを達成することができなかったドライバーも、参加

を認めることができる。この場合、指名されたクルーの中の1名のドライバーが

低予選通過タイムを達成している場合、そのドライバーがレースをスタートしなけ

ればならない。

10.4.2.9 予選 予選セッション中、車両はそのガレージ内に入ることは禁止される。車両はピットレー

ンに留まっていなければならない(違反の場合は、ガレージに入る前に当該車両が達成

したタイムの取り消し)。

- 予選セッションに参加しない車両(例:プロトタイプのセッション中のGTE車両。

GTEセッション中のプロトタイプ車両)は、車検を受けなければならない車両を

除き、必ず自己のガレージ内に留まっていなければならない。 - 予選セッションの終了時、車検を受けなければならない車両を除き、自己のガレー

ジ内へ行かなければならない。予選セッション終了時に車検に行かなければならな

い車両は、競技役員の合意を得て、ホイールを交換することができる。 - パークフェルメ規定の適用解除は、レースコントロールの指示により競技参加者に

確認される。 プロトタイプの競技参加者は、レースディレクターの許可が一旦出された場合にのみ、

車両をガレージから出し、ピットレーンに停止することが認められる。

10.4.2.10 プラクティスセッションの終了時点で、チェッカーフラッグの提示を受けた後で再びフィ

ニッシュラインを通過することはできず、違反の場合、競技審査委員会の裁量による罰則

の対象となる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 42 / 80 8 April 2016

10.5 ウォームアップ

10.5.1 競技会の付則1にウォームアップ走行が予定される場合、下記の条件にて実施される。 10.5.2 ウォームアップ走行の参加が認められる車両およびドライバーのリストは予選終了後に掲示

される。

10.5.3 タイムテーブル ウォームアップはレーススタートの少なくとも2時間前には終了しなければならない。

10.6 スターティンググリッド

10.6.1 スターティングドライバー: a) LMP2およびLMGTE Am以外の競技参加者:

競技参加者は、書類検査の際に、スタートを行うドライバーの氏名を適切な書式を記載する

ことにより宣言しなければならない。 予選終了後遅くとも30分以内に、競技審査委員会へ書面にてドライバーの変更通知がな

されない限り、書類検査にて宣言されたドライバーがスタートを行わなければならない。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

b) LMP2およびLMGTE Am競技参加者:スターティングドライバーは、ウォームアッ

プを除き、すべてのプラクティスセッションでそのクルーのベストタイムを達成したドラ

イバーが必ず務めなければならない。

10.6.2 出走の取り消し: いかなる理由であろうとも、車両(含複数)を出走させることができない競技参加者(または車

両のスタートの準備を整えられないことを確信するに足る十分な理由のある競技参加者)は、で

きるだけ早く遅くともレーススタートの90分前には、それをレースディレクターあるいはテ

クニカルデリゲートに通知しなければならない。

エントリー料金は返還されない。

10.6.3 スターティンググリッド: 予選終了1時間後に、暫定スターティンググリッドが確定される。

ウォームアップが実施される場合、暫定スターティンググリッドが予選終了後1時間後に作ら

れ、 終スターティンググリッドは、ウォームアップ終了1時間後に確定される。

各クルーのうち2名のドライバーが、予選の間に少なくとも1回の計時を受けた周回を達成し

なければならない。ベストラップ2周回の平均(各ドライバーのベスト周回)が、グリッドを確

定するための基準タイムとなる。

この義務付けられた2周回(2名の異なるドライバーがそれぞれ1回の計時を受けた周回走破

する)を達成できなかった競技参加者は次のようにスターティンググリッドに追加されること

ができる:スターティンググリッドは、まず義務の2周回を達成した競技参加者で確立される。

つぎにベスト周回タイムを達成したが1周回を超えて周回を走破できなかった競技参加者が続

き、周回タイムを1つも達成できなかった競技参加者が続く。

LMP2カテゴリーについて:

2回の計時周回のうちグリッドを確立するために使用された1周回は、シルバーあるいはブロ

ンズのドライバーによって走破されていなければならない。

LM GTE Amカテゴリーについて:

2回の計時周回のうちグリッドを確立するために使用された1周回は、ブロンズのドライバー

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 43 / 80 8 April 2016

によって走破されていなければならない。

10.6.3.1 FIA公認に従い、各サーキットに設定される*「ポールポジション」は、上記の規則を

適用して決定される、予選でベストタイムを達成した車両に与えられる。 10.6.3.2 2名以上のドライバーが同一平均タイムであった場合、それを 初に達成したドライ

バーが優先される。 10.6.3.3 グリッドに現れない車両が1台以上あり、競技審査委員会が新しいスターティンググ

リッドを確定することができると判断した場合、その空いたポジションは詰められる。 10.6.3.4 理由の如何に関わらず、スターティンググリッド上の決められた位置からスタートで

きない車両は、その旨を競技審査委員会に書面にて通知しなければならず、通知がない

場合は、競技審査委員会の裁量にて失格となる。 10.6.3.5 走行セッションに参加しなかった一切の車両は、審査委員会の許可があれば、現行の規

則で定められる通り、第一周回終了時点にピットレーンからレースをスタートする。 このような車両は、すべての競技参加者がレース周回を1周終了した後で、レースコントロール

の監督の下で、ピットレーンよりスタートする。

10.6.4 予選中の例外的状況: 予選中に例外的な状況が発生した場合、競技審査委員会は、競技長の要請により、安全上の理由

で、スターティンググリッドを確定した予選の結果を無視する場合がある。

競技審査委員会の安全上の理由で下した決定は、いかなる形態の請求権をも排除し、適用できる

ものとする。

10.7 スタート手順

10.7.1 国歌斉唱中にエンジンをかけることは厳禁である。違反の場合1回につき1,000ユーロの罰

金が課される。 10.7.2 車両がホイールを装着した状態でグリッド上にある時、ステアリングホイール操作ができる者

が誰もいない場合には車両のエンジンをスタートさせることは厳禁とする。 10.7.3 グリッドへの進入:

グリッドは、フォーメーションラップ開始予定時刻の15分前に閉鎖される*。

10.7.3.1 グリッドの指定位置にいない車両は、それ以降入ることはできず、上記第10条6項3.4に定められた条件にてピットからスタートしなければならない。

10.7.3.2 5分前の合図が提示された後は、グリッド上に空きスペースがある場合もそのままと

する。 *詳細は各競技会の付則1に明記される。

10.7.4 灯火信号によるローリングスタートとする。 車両は、スターティンググリッドからレースをスタートしなければならない。

この原則に対する例外(ピットレーンあるいはピットからのスタート)は、競技審査委員会によ

って明確に許可されたものでなければならない。スターティンググリッドからスタートしない

車両は、車両隊列の 後の車両が第1周回を終了するまで、レースに参加できない。

この手順は、グリッド上での進行手順中に、機械的トラブルがあった競技参加者にも適用される。

いかなる場合にも、ピットからスタートする車両は、競技役員の指示に従う。

上記の場合、ドライバーおよび車両は、自力でピットを離れピットレーン出口まで進まなければ

ならない。

罰則:ストップ・アンド・ゴー1分間

10.7.5 スタート時には、パスを明確に視認できる競技役員および消火マーシャルを除き、「シグナリン

グエリア」に誰も立ち入ることは認められない。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 44 / 80 8 April 2016

10.7.6 レコナイザンスラップ(含複数)(下見走行): 10.7.6.1 フォーメーションラップ開始の遅くとも30分前に、車両は1周あるいはそれ以上の

レコナイザンスラップをするためにピットを離れる。フォーメーションラップの開始

前のピットレーン開放および閉鎖の時刻は、各競技会の付則1に明記される。 10.7.6.2 ピットレーン出口が閉鎖され、それでもまだピットに残っている車両はすべて、ピッ

トレーン出口からレースをスタートする(第10条-7.7 ピットスタート)。 10.7.6.3 レコナイザンスラップ終了後、車両はスターティンググリッドの指定位置につかなけ

ればならず、ドライバーはマーシャルの指示下に留まる。 10.7.6.4 レコナイザンスラップを複数周回行う車両は、各周回とその次の周回の間で、 大速

度60km/hにて、ピットレーンを使用しなければならない。グリッドを使用する

ことは禁止される。 罰則:競技審査委員会の裁量による。 10.7.6.5 ピットレーンでの危険な運転あるいは速度違反: 罰則:競技審査委員会の裁量による。 10.7.6.6 レコナイザンスラップを完了せず、自力でグリッドあるいはピットレーンに到達しな

い車両はすべて、レースをグリッドからスタートすることが認められない。 10.7.6.7 ギアボックスを温めるあるいはギアボックスの熱を保持する目的で、車両は空中(ジ

ャッキ上)にある限り、以下の条件でギアボックスを稼動させることができる: a) ホイールが車両に取り付けられていない b) 1名のメカニックが動いている各ホイールハブの近くに待機している c) エンジンの稼動が一切規定に抵触しない

10.7.7 スタート(カウントダウン): 10.7.7.1 スタートの接近は、5分前、3分前、1分前、および30秒前に、それを示すボード

の提示が、警告音を伴いアナウンスされる。 10.7.7.2 これらのボードの意味は:

- 5分前ボード*:カウントダウンの開始:ドライバーは車両に搭乗し、車両への作

業はこのボード提示以降は一切認められない。 しかしながら、チーム員がその場に留まることができる。 - 3分前*ボード:ドライバー、チーム員、競技役員を除き、全員がグリッドから退

去する。 - 1分前*ボード:クローズドカーのドアは閉鎖されなければならず、チーム員はグ

リッドを退去しなければならない。エンジンは外部の補助なく、ドライバーによ

って始動される。 - 30秒前*ボード:フォーメーションラップ開始までに残り30秒のみである。 - グリーンフラッグの提示*:ペースカーの後方からフォーメーションラップを開

始する。車両はグリッド位置を保って走行しなければならない。詳細は各競技会

で条件指定される。

10.7.8 レイトスタート: ピットレーン出口に、スタート時刻の1時間以上遅く現れた車両:

罰則:競技審査委員会により失格となる。

10.7.9 援助スタート: 10.7.9.1 フォーメーションラップをスタートできないドライバーは、それをマーシャルに知ら

せなければならない。グリッドを離れる際には、走路脇に立つ者すべてを通過するま

で、すべてのドライバーは大幅に減速して進まなければならない。 10.7.9.2 グリッドを離れることのできるすべての車両がグリッドを離れたらすぐに、マーシャ

ルはグリッドに残る車両(含複数)すべてを押してピットレーンに行くよう指示され

る。グリッドから押し出された車両のドライバーはすべて、車両のスタートを試みる

ことはできず、マーシャルの指示に従わなければならない。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 45 / 80 8 April 2016

10.7.9.3 車両が一旦ピットレーンに入ったならば、車両の作業を行うことができる。その後ド

ライバーがレースに復帰できる場合は、第10条7.7の条項に従って復帰する。

10.7.10 フォーメーションラップ(含複数)中、車両は先導車両に先導され、医務車両と介入車両が後

ろにつく。

10.7.11 位置を離れる際に遅れた一切のドライバーは、その他の車両がスタートラインを通過した後で

停止した場合は、その他の走行中の車両を追い越すことはできず、レースはグリッド 後尾よ

りスタートしなければならない。 スタート位置を離れる際に遅れた一切のドライバーは、一旦 後尾車両がそのスタート位置を

離れポールポジションを通過してから、フォーメーションラップに合流できる。その時点で遅

れたドライバーはその正確なスタート位置を取り戻すため、前方のドライバーを追い越すこと

ができる。但しそれがドライバーの 初のフォーメーションラップの終了時点でラインを通過

する前に起ることを条件とする。 ドライバーが 初のフォーメーションラップ中で自身の位置を取り戻すことができない場合、

グリッド 後尾からスタートしなければならない。後方にいる車両を追い越させることにより、

グリッドの 後尾まで後退しなければならない。 1名以上のドライバーが影響を受けた場合、それらのドライバーは、自身がフォーメーション

ラップを出走した順番にグリッドの 後尾に整列しなければならない。スタートラインがポー

ルポジションの前にない場合、この条項の目的にのみ、ポールポジションの1メートル前方に

白線があるものとみなされる。 フォーメーションラップの第2周目のスタート前で、 初のセーフティカーラインに到達する

前に介入車両の前方にいることができないドライバーは、ピットレーンに侵入し、第10条7

項4に規定されたとおりにピットレーン終点よりスタートしなければならない。

10.7.12 状況の求めに応じ、競技長は先導車両にフォーメーションラップを1周またはそれ以上追加す

ることを要請できる。その場合、レース距離の目的でのみ、レースのスタートは 初2回目の

フォーメーションラップの終了次点でなされたものとみなされる。

10.7.13 再スタート手順:予測不可能な理由により、1周回(あるいはそれ以上)の追加のフォーメー

ションラップが走行できない場合、次の手順がとられる: 10.7.10.1 レースディレクターがレースを中断し、全車両は先導車両の後ろに停止する。 10.7.10.2 先導車両の後ろで全車が一旦停止したならば、全車ともエンジンを切る。 10.7.10.3 レースを中断することになった問題が解決し、安全に実行することができる確認が

得られたならば、レースディレクターは、第8110条11項の原則に従いレース

を再開する指示を出す。

10.7.14 ( 終の)フォーメーションラップの終了次点で、先頭車両はスタートライン手前で退去する。

ポールポジションの車両はスタートライトが緑色になるまでその速度を維持しなければなら

ない。すべての車両は、スタートラインを通過するまでその位置を守ること。

10.7.15 手順変更のケース

予測不可能な理由のため、あるいは水量が安全にスタートできない状況の場合、レースディレ

クターは「スタート遅延」のボードを提示し、スタートを遅らせる。

レースディレクターが、状況が安全でスタートが可能であると判断すると直ちに、計時モニタ

ーに新しいフォーメーションラップスタート時刻の情報が表示される。

この情報は常に、フォーメーションラップの遅くとも10分前までに表示される。

フォーメーションラップ開始5分前からは、第10条‐7.7が適用される。

10.7.16 セーフティカー後方からのレーススタート

10.17.16.1 特殊な状況の場合、レースがセーフティカー後方からスタートする場合がある。こ

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 46 / 80 8 April 2016

の場合、1分前シグナルの前の何れかの時点で、オレンジ色のライトが点灯される。

これはレースがセーフティカーの後方からスタートすることをドライバーに知ら

せる合図となる。緑色のライトが点灯されると、セーフティカーはグリッドを離れ、

すべての車両はグリッド順を保って、車両5台分以下の距離で続く。フォーメーシ

ョンラップは行われず、レースは緑色のライトが点灯した時点でスタートする。

追い越しは、 初の周回でのみ、グリッドの位置を離れるのが遅れ、その車両を追い

越さないと、後続の車両が隊列の残りを不当に遅らせることになってしまう場合にの

み認められる。この場合、ドライバーは当初のスタート順を取り戻すためにのみ追い

越すことができる。

セーフティカー後方の 後尾車両がピットレーン終端部を通過するとすぐに、ピ

ット出口のライトは第1周回終了後に緑になる。ピットレーンにいる車両はコー

スに合流でき、セーフティカー後方の車両隊列に加わる。

グリッドを離れる際に遅れたドライバーは、残りの車両がラインを通過し終えた

後も停止している場合はその他の走行中の車両を追い越すことはできず、セーフ

ティカー後方の車両隊列の 後尾につかなければならない。2名以上のドライバ

ーが遅れた場合、それらはグリッドを離れた順に、隊列の 後尾に着かなければな

らない。

競技審査委員会の判断で、第1周回中に不要な追い越しをしたとみなされるドラ

イバーにはすべて罰則が課される。

10.7.16.2 国際競技規則第91条に従い、セーフティカーはローリングスタートの公式車両

として使用することができる。この場合、スタートを規定する大会特別規則が、ス

タートが切られてからセーフティカーがその機能を再開させるまで、適用される。

10.8 ピットストップ - 車両への介入 オーガナイザーはすべてのピットストップの間、ピットレーンとガレージ両方にオフィシャル

が立ち会うことを保証しなければならない。

10.8.1 ピットレーンの安全と要件 10.8.1.1 ピットのシャッター前のラインのところから、ピットストップの間は消火器を持った

アシスタントが車両の脇に常にいなければならない。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.1.2 ピットレーンは、レース車両が使用するという理由のみならず、隣接の走路を走行す

る車両による事故の可能性からも、非常に危険性の高い場所である。 10.8.1.3 プラクティスおよびレース中、ピットレーンへの立ち入りは、そこで行わなければな

らない特別な任務がある者のみに限られる。 10.8.1.4 各競技参加者は、チームの一員でなくとも、自己のピット内にいる人間に対して責任

を負う。 10.8.1.5 サーキットの条件が許す場合は、ピットレーンを以下の3つのエリアに区分すること

ができる: ・ 「ファストレーン」:シグナリングエリアの壁に も近いレーン。車両は自力で

のみファストレーンに入ることができる。 ・ 「加速および減速レーン」:中央レーン。 ・ 「作業エリア」ガレージ寄りのレーン。車両への作業はそこで行うことができる。

片側が壁であるか、ピットのシャッター前の塗装ラインで区切られ、もう片側は

中央レーンとの境界線で形成される。 10.8.1.6 ピットウォールのシグナリング・プラットフォームには、競技役員、あるいはレーシ

ングチームの必須のスタッフ以外、誰も立ち入りが認められない。1車両につき 大

3名が認められる。レーススタート時は、セーフティーカーの先導でスタートすると

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 47 / 80 8 April 2016

き以外、このエリアへは一切の者の立ち入りが正式に禁じられている。耐火性のオー

バーオールを着用しているチーム員のみが、チームの車両に割り当てられたピットウ

ォールエリアに立ち入りが認められる。 10.8.1.7 車両が停止しエンジンのスイッチが切られたならば、それに作業を行う直前にのみ、

チーム員がピットレーンに入ることが認められる。作業が終了したら、エンジンが再

スタートされ車両が出される前に直ちに撤退し、作業エリアを空けなければならない。 チーム員は車両が戻ってくる前に、あるいは車両が出て行った直後、清掃のために作

業エリアに入ることができる。 オペレーターによる例外については第10条8項4に列記されている。 車両に作業がされている間を除き、要員は常にピットガレージ内に留まっていなけれ

ばならない。 10.8.1.8 16歳未満の子どもは、「ピットウォーク」の時間帯を除き、ピットレーンに入ること

は認められない。 10.8.1.9 車両がピットにない時には、工具および機材はすべて、ガレージの内側にのみ保管し

なければならない。 10.8.1.10 作業エリアに車両が停止する際は、作業エリアの境界を定める線あるいは壁(2.5m

ライン)から、少なくとも50cm離して停車しなければならない。 第10条8項1.1から第10条8項1.10までの違反はすべて:競技審査委員会

による罰則が課せられる。

10.8.1.11 速度制限:ピットレーンは60km/hに制限される。 ピットレーンの 高速度を超えた場合の罰則:

プラクティスおよびウォームアップ中:制限を超過した1km/h毎に200100

ユーロの罰金と、プラクティスセッション中違反を犯した時点までの当該ドライバー

のタイム抹消。 レース: - 第1回目の違反:ドライブスルー・ペナルティ

70kphを超えている場合:70kph超える1km毎に、あるいは1km未満の端

数は切り上げられたkm毎に、ストップ・アンド・ゴーエリアで5秒間停止。

- 第2回目の違反:ドライブスルー・ペナルティ

70kphを超えている場合:70kph超える1km毎に、あるいは1km未満の端

数は切り上げられたkm毎に、ストップ・アンド・ゴーエリアで10秒間停止。

- 第3回目の違反:競技審査委員会の裁量による罰則(失格の可能性あり)。

10.8.1.12 ピットストップの際に車両がガレージの外に停車した場合にのみ、ドライバーは以下

を行うことができる: - 安全ハーネスを外す

- 灯火を消す

- エンジンを切る(車両が電気モードでピットレーンを走行中でない限り)

- ドアを開ける

罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.13 車両がガレージに入らなければならない場合、走路と平行にガレージ外側の「作業エ

リア」に 初に停車しなければならず、それからエンジンを切り、 大4名のメカニ

ックにより押して入れられる。 罰則:競技審査委員会の裁量による

車両がファストレーンに復帰しようとする時、 大4名のメカニックによりガレージ

の外へ押して出され、走路と平行に「作業エリア」に置かれなければならない。エン

ジンはドライバー1人のみでスタートさせなければならない。

罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.14 ピットを離れる前に、ドライバーは以下を実行しなければならない: - 安全ハーネスを締める

- 灯火をつける

罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.15 ピットを離れる際にホイールをスピンさせることは厳禁とする。 罰則:ストップ・アンド・ゴー

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 48 / 80 8 April 2016

10.8.1.16 ピットのオーバーラン ドライバーが自己のピットをオーバーランしてしまった場合、当該車両は、チームの

メカニック( 大4名)のみがピットへ戻すことができる。後退ギアの使用は厳禁と

される。

罰則:失格。

同様のことが、ピットを離れようとした車両が、ピットエリア終了地点までの範囲内

で、故障した場合にも適用される。この場合、一切の介入が行われる前に、 大4名

のメカニックがピットへ押し戻さなければならない。

罰則:失格。

10.8.1.17 車両が作業エリアを離れるのは、それが安全に行える時のみであることを確実にする

ことはカーコントローラーの責任である。 ファストレーンにいる車両が、作業エリアを離れる車両よりも優先される。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.18 独立した装置は、そのメカニックが居ない状態で操作することはできない:これはレ

ースの間にのみ適用。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.19 火花を生じる可能性のある工具の使用はガレージの外側および内側では禁止される。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.1.20 エアボトルの充填あるいは別の容器に移し替えることは厳禁とする。 違反の場合の罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.1.21 ピットストップに関与のある一切のオペレーターは、自身の作業を終了次第作業エリ

アを離れなければならない。

罰則:競技審査委員会の裁量による 10.8.1.22 ピットストップ中はすべて、いかなる理由であろうとも、エンジンは切っていなけれ

ばならない。 罰則:ストップ・アンド・ゴー、ドライバーによりエンジンを切り、再スタートさせ

る。

10.8.1.23 チューニングあるいは調整のため、エンジンは外部のエネルギー源を使用してスター

トさせることができる。 - すべての場合において、すべての介入作業が終了し、車両がレースに復帰しよう

とする時、エンジンは搭乗したドライバーが1人で、外部の補助なしに、車両が

すべてのホイールを装着した状態で、スタートさせなければならない。

罰則:ストップ・アンド・ゴー、ドライバーによりエンジンを切り、再スタートさせ

る。

10.8.1.24 外部の補助(「押す」など)は、車両がレースに復帰するために作業エリアを離れる

時には禁止される。 罰則:ストップ・アンド・ゴー、ドライバーによりエンジンを切り、再スタートさせ

る。

10.8.1.25 介入の終了: - すべての工具、機材および資材は、一旦介入が終了したなら、「作業エリア」から

取り出されなければならない。

- 作業エリアが一旦完全に何もない状態になったならば、エンジンを再スタートす

ることができ、車両は作業エリアから出される。

10.8.2 燃料補給中の安全と義務 10.8.2.1 給油の間、ピットシャッター前のラインから:

・ ドライバーは車両内に留まっていることができるが、エンジンは停止されなけれ

ばならない。 ・ 消火器を持ったアシスタントが常に車両の脇にいること。 ・ 大2名の要員が給油専門に任命される。 ・ カットオフバルブの付き添い要員が所定位置についていること。 ・ 補給および排出用カップリングの接続の前に、車両は電気的にアースされている

こと。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 49 / 80 8 April 2016

・ LMP1の流量計を変更することは燃料補給の一部である。 ・ エネルギー再生装置(ハイブリッド-ERS)が搭載された車両が、安全な位置に

なければならない:赤色灯火が消され緑色灯火がつけられる。 ・ 電子式データ記録装置の外部の接続は、給油の前か間かあるいは後に許可される。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.2.2 燃料補給リグ基部の終端は、ガレージ建屋の壁から も遠いところで作業エリアの範

囲を定める線の後方に位置していなければならない。燃料補給リグはピットを出る

(走路側)ドア前方に配置されなければならない。 オーガナイザーは、安全上の理由で、この規則を不適用とする権限を留保する。

10.8.2.3 レースの間(プラクティス走行中には適用されない)燃料補給は、ピットストップの

開始時に、「作業エリア」でのみ認められるが、車両が修理のためにガレージに入っ

た場合は、ピットストップの終了の時に「作業エリア」でのみ補給を実施することが

できる。 車両はガレージの前に走路と平行に停止させなければならない。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.2.4 安全上の理由で、給油中は: a) 車両は、緊急の場合に押す必要に備えて、ホイールを装着した状態でなければなら

ない。 b) 車両が作業エリアにまだ居る間は、独立燃料タンクに補給することは禁止される。 c) 給油作業中、独立燃料タンクには一切の燃料を入れることはできない。

罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.2.5 プラクティスおよびレース中、給油は車両の番号を表示したピットの独立燃料タンク

を使用し、オーガナイザーの供給による燃料を使用して行われなければならない。車

両のピットストップ中に給油作業を容易にする目的で燃料補給リグを移動させるこ

とは禁止される。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.2.6 独立燃料タンクは、大気温度で大気圧に保たれていなければならない。 車両に補給およびガス抜きするシステムが別に備わっている場合、ガス抜きする担当

者は、指示を与える要員と同時に、塗装線あるいは壁を越えることができるが、車両

の停止中にその他の業務を行うことはできない。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.2.7 独立燃料タンク: ピットのすべての燃料貯蔵は、3気圧に耐えうるものでなければならない。レース中、

ピットでの燃料補給はすべて、技術規則に合致した、ピットに1つの独立燃料タンク

を使用して行わなければならない。

10.8.2.8 独立燃料タンクへの介入: プラクティス走行およびレースの間給油用タワーに上ることは、技術上の問題が生じ

た場合以外、禁止される。 独立燃料タンクの補給は、本規則第10条8項2に従って実施しなければならない。

排出ホースに収容されるガソリンは、付則A(LMP1)および付則2(LMP2お

よびLMGTE)および技術規則第8条に示される臨時タンクに注がれなければなら

ない:

・ カプラー(連結器)と共に装備されている場合は、直接。

・ 臨時タンクに燃料を移送するための充填用カプラーとセルフシーリング・コネク

ターと共に取り付けられた 大容量6リットルの金属製の空のレセプタクル(貯

蔵容器)によってのいずれかの方法による。

違反は、競技審査委員会の裁量により、車両の失格となる場合がある。 10.8.2.9 ラップトップあるいはその他電子装置はすべて、給油中およびホイール交換中に、作

業エリアにあることが禁止される。 罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.2.10 流量計担当のメカニック LMP1についてのみ: 燃料流量計担当のメカニックは、流量計に欠陥が事前に検知されていた場合、立ち入

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 50 / 80 8 April 2016

ることができる。この担当員は、給油ベント担当と共に、車両が到着する寸前に作業

エリアに配置できる。このメカニックは、欠陥が生じた結果として要請された時点で

のみ、そのエリアに入ることができる。 給油手順は、車両の流量計の交換が完了した時点で終わったものと見なされる。これ

は、その他すべての給油作業が終了した場合に、流量計の交換が完了した時点で、流

量計交換担当メカニックが作業エリアを立ち去り、作業エリア範囲を定める線を越す

前に、その他の車両への作業が開始できるということを意味する(燃料ベント担当員

の作業が給油と排出とが分けられていることに類似)。

燃料流量計に介入が要求されない場合、このメカニックは車両が停止した時にウイン

ドスクリーンを清掃するためにのみ作業エリアに入ることが許される。

罰則:競技審査委員会の裁量による。

10.8.3 ホイール/タイヤ交換中の安全および義務: 10.8.3.1 これらは、以下でのみ許される:

a) スターティンググリッドで、5分前ボードが提示されるまで。 b) 車両のピット前の作業エリア内。 c) 上述の条件の例外として、車両に機械的作業を実施する目的で、ガレージの中に押

されて移動した場合に限り、ガレージ内にてタイヤ交換ができる。 確立された原則に対するこの特例は、制限的に解釈される。

d) 第10条11項2に従いレースが中断されている間走路上で。 10.8.3.2 ホイール交換のため、メカニックは:

- 1つのみのホイールガンを持ってこなければならない。

- 外部の支援を受けることなく新しいホイールを取り、交換終了したホイールを、

2.5mラインとガレージの間、もしくはガレージの内部に置かなければならな

い。

- ガレージの外側にいる場合には外されたホイールを持っていなければならない。

しかしながら、ホイール交換を容易にする目的で、車両の近くのピットシャッタ

ーと2.5mラインの間の地面に平たく置くことが可能である。

- ホイールを投げたり、落としてはならない。

- エアジャッキを外し、機材を2.5mライン後方に戻さなければならない。

- 給油作業中にはホイールおよびホイールガンを作業エリアに持ち込むことは厳

禁とされる。

ホイール交換のメカニックが戻り、それらの機材が作業エリアから取り除かれるまで、

車両はピットを離れることはできない。ピットのシャッター前の塗装ラインとピット

シャッター前の2.5m塗装ラインとの間のエリアを、これらの作業に必要なタイヤ

および工具に使用することができる。そのエリアにいる人による補助は認められない。

メカニックのコントロール下にない一切のホイールがある場合、あるいは本条項のの

違反:

低罰則:競技審査委員会の裁量によるドライブスルー

10.8.3.3 以下のための一切の装置を有することは禁止される: a) ホイールの取り外し時間を短縮できる。

「作業エリア」では、1台の車両につき、所与の時間に1つのホイールガンあるい

は1つのトルクレンチのみが許される。 大2つの異なるホイールガンがホイール交換の間にタイヤを交換するために使

用できる。 b)「作業エリア」、ガレージ内およびスターティンググリッド上で、タイヤを温めるこ

と、および/あるいはタイヤ温度を保つこと。 これは、コンプリートホイールを覆うことが禁止されることを意味する。コンプリ

ートホイールはこれらのエリアにある間は常に、競技役員が見えるように保たれ

なければならない。 違反の場合の罰則:競技審査委員会の裁量による

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 51 / 80 8 April 2016

10.8.4 ピットストップ中に認められる作業および要員 各要員は次の役割の1つを担当しなければならず、現行規定にて認められていない限り2名の

要員の役割を果たすことはできない: ・1名の給油要員

◦ 車両に給油ホースを接続する ◦ その他一切の役割は認められない ◦ ガレージ前に車両が停止した後にのみ作業エリアに立ち入りが許される

・1名の給油ベント担当(要求される場合-給油ホースと逆側に接続されたベントホースのつ

いた車両): ◦ 車両にベントホースを接続する

◦ その他一切の役割は認められない

◦ 車両が到着しガレージ前に停止する直前から、車両がそのエリアを出るまで、およびベ

ント装備を準備するために必要な時間に作業エリアに入ることが認められる。

・1名のカーコントローラー

◦ ピットストップの監督、危険防止、車両を安全に停止および解放すること。この要員は

担当車両のゼッケンのついたボードを提示すべきで、車両の前後方向軸に沿って位置す

ることはできない。 ◦ ピットストップの間、この要員は監督以外に役割をもってはならない。 ◦ ピットストップの全時間に義務付けられ、その他の作業は認められない。 ◦ 車両が到着しガレージ前に停止する前から、車両がそのエリアを出るまで、作業エリア

に入ることが認められる。 ・1名の消火担当要員

◦ ピットストップの全時間に義務付けられる

◦ 車両をアースすることが認められる ◦ 車両が到着しガレージ前に停止した後でのみ、作業エリアに入ることが認められる。

・1名のカットオフバルブ担当要員

◦ 給油ホースとベントホースが車両につながれている時、給油作業中義務付けられる

◦ その他の役割を兼務できる(本条項に従う)

・1名のコックピットオペレーター

◦ ドライバー補助を含め、コクピット内の一切の作業(工具使用は認められない)

◦ その他一切の役割は認められない

◦ 車両が到着しガレージ前に停止した後でのみ、作業エリアに入ることが認められる。

・1名の燃料流量計交換/修理および清掃担当(LMP1車両のみ) ◦ 燃料流量計交換/修理、あるいは以下の清掃作業を実施するために認められる:

・ウインドスクリーン ・ミラー ・ライト ・ゼッケン ・カメラ ・空気取り入れ口およびラジエターの障害物除去

◦ その他一切の役割は認められない ◦ 燃料流量計交換が必要な場合には、車両が到着しガレージ前に停止する前から、車両が

そのエリアを出るまで、作業エリアに入ることが認められる。その場合燃料流量計交換

はその他一切の作業の前に行われなければならない。 ◦ 燃料流量計交換が必要でない場合には。車両が到着しガレージ前に停止した後でのみ、

前述の清掃作業のためにのみ、作業エリアに入ることが認められる。

・オーガナイザー支給の着用が義務付けられた緑色の腕章をつけた4名のメカニック

◦ 車両がガレージ前に停止した後でのみ、作業エリアに入ることが認められる。

◦ 給油中、以下が認められる:

・ウインドスクリーン、ミラー、ライト、ゼッケン、カメラの清掃、空気取り入れ口およびラ

ジエターの障害物除去 ◦ 車両をアースすること

◦ ドライバー補助を含め、コクピット内の一切の作業(工具使用は認められない)

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 52 / 80 8 April 2016

◦ 給油ホースとベントホースが車両につながれていない時、および/あるいは適切な場合、

燃料流量計の修理および/あるいは交換が一旦完了したなら、以下の作業が認められる:

・車両への一切の介入(タイヤ交換については、第10条8項3が厳密に遵守されなければな

らない)

・本規則第10条8項の規則に従い車両を押すこと。

・オーガナイザー支給の着用が義務付けられた青色の腕章をつけた、タイヤとブレーキ磨耗の

管理担当の2名の技術者:

◦ 車両がガレージ前に停止した後でのみ、作業エリアに入ることが認められる。

◦ ピットストップの間いつでも以下が認められる:

・目視管理、車両への接触はできない

・タイヤ空気圧管理(この作業の間にのみ車両への接触が許される)

◦ その他一切の役割は認められない 違反の場合の罰則: 低罰則は競技審査委員会の裁量によるドライブスルー。

10.8.5 ガレージ内の車両:

a) 車両がガレージ内にある場合は、人員の数、および/あるいは識別票について一切制約は

適用されない。 b) この場合、車両がレースに復帰する準備ができている場合、車両はガレージの外へ押し出

されなければならず、「作業エリア」に走路と平行に置かれなければならない。エンジンは

その後、ドライバーのみがスタートさせなければならない。 違反の場合の罰則:競技審査委員会の裁量による

10.8.6 レース中、以下を変更することは禁止され、違反の場合、車両は失格となる: - エンジンあるいはその構成部品。つまり、シリンダーヘッド(含複数)、シリンダーヘッド

ガスケット(含複数)、オイルパンおよびエンジンブロック、シールによって互いに固定さ

れている構成部品。 - メインギアボックスおよびディファレンシャルハウジング - シャシーあるいはモノコック構造体

10.8.7 修理 レース中、ガレージの外側あるいは内側に配置された修理用場所、およびスターティンググリ

ッド上を除き、修理は車載の工具および部品を使用しドライバーのみが実施しなければならな

い。 罰則:失格

10.8.8 ガレージへのアクセス: プラクティスおよびレース中は:

a) ピットのシャッター(走路側)は、完全に開いた状態でなければならない。 b) ガレージ内部は、(車体部品、カバー、積み重ねたタイヤ、台車など)いかなるものによる

妨げもまったく無く見通せる状態が保たれなければならない。 c) 競技役員は、ガレージ内部に自由にアクセスできなければならない。 罰則:競技審査委員会の裁量による

10.9 ドライバーの参加条件およびクルーの構成

10.9.1 ドライバーの分類 a) 参加を予定する 初の競技会のスタート(つまり、書類検査の開始)の遅くとも15日前

までに、競技会への参加を望むドライバーは、以下のウェブリンクより入手可能なフォー

ムを使用し、FIAドライバーカテゴライゼーションコミッティにレース戦歴を送付しなけ

ればならない: http://www.fia.com/fia-driver-categorisation 分類付けに関するすべての決定はFIAドライバーカテゴライゼーションコミッティの

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 53 / 80 8 April 2016

権限の下で行われる。FIAドライバーカテゴライゼーションコミッティは当該競技審査

委員会に、競技会が開始された後でレース戦歴を通知してきたドライバーの分類を行うよ

う命令する。分類がされないドライバーは、規定で参加が許される競技会にのみ参加する

ことができる。 FIAドライバー分類規定に定められた定義に従って分類されたドライバーのリストは、

当該競技会の開始の遅くとも48時間前(つまり車検開始前)にFIAウェブサイトに公

表される。

各シーズンの終了時に、FIAドライバーカテゴライゼーションコミッティはレースでの

ドライバーの運転能力に応じてすべての分類付けを見直す。次のシーズンに適用される分

類付け一覧は、前年の12月1日前に公示されなければならない。

b) ドライバーの分類に関する規定: FIAドライバー分類規定参照 (http://www.fia.com/sport/competitors-area/fia-driver-categorisation).

10.9.2 クルーの構成

a) 終的なクルー構成( 大3名のドライバー)が、各競技会の開始(書類検査の開始)の

遅くとも15日前までにプロモーターに送付されなければならず、指名されなかった、あ

るいは不可抗力の場合を除き出席しなかったドライバーについては1名につき1,000

ユーロの罰金をFIAに支払う。書類検査終了後は、クルーの変更は禁止されるが、不可

抗力によるものと競技審査委員会が認める場合は除く。

競技会に参加を認められた競技参加者とドライバーの 終リストが競技審査委員会によ

って公示される。

b) LMP2カテゴリーのみ:クルーの構成を管理する規則は、ドライバーの分類から生じる:

2名あるいは3名構成のクルーには、少なくとも1名のシルバーあるいはブロンズ分類の

ドライバーが含まれていなければならない。

c) LMGTE Amカテゴリーのみ、クルーの構成を管理する規則は、ドライバーの分類か

ら生じる:2名あるいは3名構成のクルーは、少なくとも1名のブロンズ、および1名の

ブロンズかシルバー分類のドライバーを含まなければならない。

d) LMP1のみ、ブロンズ分類のドライバーは認められない。

e) LMGTE Proカテゴリーのクルー構成は自由である。

10.10 ドライバー交代および運転時間

10.10.1 交代: 任命されたクルーの中でのドライバーの交代は、以下について認められる:

a) 車両がピットにある時 b) ピットマーシャルの監督下にある場合。マーシャルは交代について知らされなければなら

ない。 c) チーム員1名あるいは車両を離れたドライバーの補佐を受けることが可能(第10条8項

4)

10.10.2 6時間の競技会の 小および 大運転時間: 運転時間はピットストップを考慮せずに計測される: 初のスティント:緑のスタートライト-ピットレーン位置口まで

次のスティント:ピットレーン出口から-ピットレーン位置口まで 終スティント:ピットレーン出口から-フィニッシュライン

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 54 / 80 8 April 2016

a) LMP1カテゴリーについて:

小運転時間:40分 1名のドライバーは、合計で4時間30分以上運転することはできない。

- 競技会審査委員会に不可抗力と認められる場合を除き、ドライバーにまったく運転時間

がなかった場合:車両の失格。

- 運転時間について不遵守があった場合:罰則は、競技審査委員会の裁量により、当該ド

ライバーあるいは車両の失格の場合あり。

1名のドライバーが、合計で4時間30分以上運転した車両はすべて:罰則:競技審査委員

会の裁量により、失格の場合あり。 b) LMGTE Proカテゴリーについて:

ポイントを獲得するためには、ドライバーはレース中、 小40分間は必ず運転していなけ

ればならない。

1名のドライバーは、合計で4時間30分以上運転することはできない。

1名のドライバーが、合計で4時間30分以上運転した車両はすべて:罰則:競技審査委員

会の裁量により、失格の場合あり。

c) LMP2カテゴリーについて: ドライバーはレース中、 小1時間15分は必ず運転していなければならない。 1名のドライバーは、合計で3時間30分以上運転することはできない。

d) LMGTE Amカテゴリーについて: ドライバーはレース中、 小1時間45分間は必ず運転していなければならない。

1名のドライバーは、合計で3時間30分以上運転することはできない。

罰則(LMP2;LMGTE Am):

競技審査委員会が不可抗力と認める場合を除き、ドライバーの運転時間が全くない場合:当

該車両の失格。

運転時間の規則不遵守:罰則:競技審査委員会の裁量により、失格の場合あり。

6時間を超える競技会では、運転時間は付則1に明記される。

状況の求めに応じ、競技審査委員会はこの規則の適用を制限する方策を講じることができ

る。

10.11 プラクティスの停止あるいはレースの中断

10.11.1 責任: プラクティスあるいはレース中断の指示は、レースディレクターの役目である。

10.11.2 手順: 10.11.2.1 必要であれば、レースコントロールがプラクティスあるいはレースを中断する。 競技長は: a) スタートラインとすべてのマーシャルポストで同時に赤旗を提示する指示を出す。 b) また、設置があればサーキット周囲に配された赤色灯をつけるよう指示を出す。 c) 走行セッション中に赤旗が提示された時は常に、すべてのドライバーは車両速度を 大8

0kphにまで落とさなければならない(フリー走行、予選あるいはウォームアップセッシ

ョン)。 d) ドライバーは、一旦赤旗が提示されたならば、非常に注意を払ってピット(あるいはレース

ディレクターの指示するその他の場所)へ進まなければならないことを知させられている

こと。 10.11.2.2 レースの中断:事故によってサーキットが閉鎖されたり、天候またはその他の理由

で競技の継続が危険となったため、決勝レースを中断する必要が生じた場合、競技

長は赤旗をすべてのマーシャルポストで、また中断ライトをスタートライン上に

おいて提示することを命ずる。中断のシグナルが出されたら、追い越しは禁止され、

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 55 / 80 8 April 2016

ピット出入り口は閉鎖され、そして全ドライバーはピット入口前の赤旗ラインま

でゆっくりと車両を進ませ、そこで1列に整列する(位置はドライバーズ・ブリー

フィングにてレースディレクターより確認される)。

セーフティカーは赤旗ラインの後方に並んだ車両の先頭に置かれる。

レースが中断されている間は:

- レースも計時も停止することはない。

赤旗中の運転時間はカウントされず、審査委員会はレースの再スタートの前

に 新の運転時間を確認する。

状況の求めに応じ、競技審査委員会は停止および/あるいは設定レースタイ

ムを改変する決定を行う場合がある。これにより競技会の付則1に規定され

る競技会の時間を超えることはできない。

- グリッド上には、競技役員のみが立ち入りを認められる。

- ドライバーは車両から離れ(しかし遠くへ立ち去ってはならない)、ヘルメッ

トとグローブを取り外すことができる。

- ドライバー交代は禁止される。

- ドライバーは常にマーシャルの指示に従わなければならない。

- パークフェルメ規定がすべての車両に適用され、ピットでは修理作業は一切

認められない。 a) グリッド上およびピットレーン内では車両へのすべての作業は禁止されるが

レースコントロールからの許可があり、車両検査委員の監督下で、以下のため

のみの場合は除く: ・ エネルギー再生装置(ハイブリッド-ERS)の冷却のため車両に取り付

けられる追加の外部の固定装置の取り付け ・ 外部バッテリーとの接続 ・ 温度管理のためのエンジンスタート ・ 雨天の場合に車両に覆いをかける。 これらの作業は1車両にチーム員1名のみが実施でき、当該員は適切な腕章

を身に付けていること。

b) レースディレクターが、安全上の理由で、スリックからウェット天候用タイヤ

へタイヤ交換をすることを許可する決定を行う場合がある。 この場合、タイヤ交換は、レース再開の10分前提示後で、全車がすでにホイ

ールを装着していなければならい、レース再開の5分前提示以前に実施され

なければならない。

c) 赤旗合図の後、グリッドにつくために支援を必要とする一切の車両は、次にピ

ットレーンに進入し、そのガレージの外の作業エリアにパークフェルメ条件

の下で留まらなければならず、第10条11項2.3c)「赤旗合図後にピット

レーンに進入する車両」に従わなければならない。

10.11.2.3 レース再開:レース再開の遅延はできる限り短く保たれ、再開時刻がわかるとすぐ

に、チームはピットの計時モニターによって知らせを受ける。いかなる場合にも、

10分前の警告音による合図が再開の前に出される。

スタート再開前に、10分前、5分前、3分前、1分前、および30秒前のボード

が提示される。

a) グリッド上の車両について: 10分前ボード提示から、車両につき 大4名のチーム要員が、適切な腕章を

身に付け、以下の作業を行うためだけにグリッドに入ることが認められる:

- ドライバーの補助

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 56 / 80 8 April 2016

- 外部のバッテリーで車両のスタートを手伝う

- タイヤとブレーキの検査

- レースディレクターに許可された場合はタイヤ交換(5分前ボード提示前)

- ハイブリッド車両の冷却装置の取り外し(5分前ボード提示前)

- ウインドスクリーンの曇りとり

5分前ボード提示時点で、車両はホイールを装着していなければならない。

レース再開の4分前には、総合順位1位の走路にいる車両と赤旗ラインの間の、

グリッド上にある全車は追い越しをすることなく1周回をするよう合図され、

セーフティカーの後方の車両隊列の後尾に合流する。

1分前ボード提示により、エンジンが始動されなければならず、チーム員、タ

イヤおよびブレーキ技術者はグリッドを退去しなければならない。30秒前ボ

ードが提示された後にドライバーが援助を必要とする場合、黄旗を掲げたマー

シャルによりその合図が出される。

b) 赤旗合図提示前にピットレーンに進入した車両について: レース再開の4分前に、車両への作業は第10条8項および10条10項1の

通りに再開することができる。

3分前ボードが提示されると、ピット出口は、赤旗合図の前にピットレーンに

進入した車両のために1分間開放される。ピット出口よりレースを再開しよう

とする一切の車両は、その他の車両を不当に遅らせることがない限り、出口に

自力で到達した順番で出て行くことができる。それらの車両は、追い越しをす

ることなく1周するよう合図され、走路上の車両列後尾に合流する。レース再

開2分前までにピット出口を出ない一切の車両は、レースが再開され1周回が

終了し、走路上の 後尾の車両が第二セーフティカーラインを通過し終えた後

に、再びピット出口が開けられるまでそこに留まらなければならない。

レース再開2分前に、ピット出口は閉められる。

c) 赤旗合図後にピットレーンに進入した車両について: 一旦ピットレーンに進入すると、車両は当該ガレージ外の作業エリアにパーク

フェルメ条件下で留まらなければならない。

レース再開の4分前に、ピットレーンでの車両への作業は第10条8項および

10条10項1の通りに再開することができる。

レースの再開時点でのみ、赤旗合図後にピットレーンに進入したこれらの車両

はピット出口に移動できる。ピット出口は、レースが再開した後1周回終了し、

走路上の 後尾の車両が第二セーフティカーラインを通過し終えた時点で開放

される。

d) レース再開時点で、走路上にいる全車両について:

緑色のライトが点灯すると、セーフティカーがグリッドを離れ、全車は赤旗ラ

インの後方に停止した順でそれに続く。

セーフティカーが1周回終了し、走路上の 後尾の車両が第二セーフティカー

ラインを通過し終えた時点でピット出口が開放される。

セーフティカーの第2周回目の間、ピット出口から出た全車両が走路に合流し

た時、セーフティカーと該当クラスの先頭車両の間にいる車両は、それらの車

両順を崩さず、追い越しをすることなくもう1周する。この手順が完了するま

で、セーフティカーは走路上に留まる。

補修作業(ガードレール、タイヤバリアなど)をまだ続行する必要がない限り、

セーフティカーはピットに入る。競技長は、作業が完了するまで、あるいは天

候状況のため、セーフティカーを入れないでおく決定を行うことができる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 57 / 80 8 April 2016

これらの周回中、国際競技規則付則H項第II章第2条9が適用される。

レースが再開できない場合、レース中断の合図が出された周回の1つ前の周回

が終了した時点の順位が結果として採用される。

10.12 レースの非競技化:セーフティカー

10.12.1 フルコースイエロー "FCY"

a) レースディレクターは、安全上の理由で必要であると判断した場合は、フルコースイエロ

ー期間を宣言することができる。 一旦FCYの状態になると、車両は80kphに減速し、1列縦隊に整列し、前後の車両間

隔を維持する。FCYの間は、追い越しは厳禁とされる。 モニター上にメッセージが表示されると直ちに、全車は減速しなければならない。 すべてのマーシャルポストでは、黄旗の振動表示がなされ、FCYと記載されたボードも提

示される。 FCYが使用されている間に、不要に遅く、一定しない動きで、あるいはその他のドライバ

ーに危険を及ぼす恐れがあるような方法で運転されている一切の車両は競技会審査委員

会に報告される。これは、そのような車両が走路にある時、ピット入り口にある時あるい

はピットレーン出口ロードにある場合にも適用される。

b) ピットレーンの出入り口は開放されたままとし、車両はピットへ自由に進入できる。 ピットレーンに進入しようとする車両は、一旦第1セーフティカーラインを通過したなら

ば、走路上の車両を追い越すことができる。 ピットレーンを出ようとする車両は、第2セーフティカーラインに到達するまでは、その

他の車両を追い越すことができる。 ピットレーンの出入り口でも、速度は 大80kphに制限される。

c) 一旦問題が解決したならば、レースディレクターは、モニター上のメッセージ提示により、

走路を緑信号に戻す。 この時点で、すべてのマーシャルポストは、黄旗とFCYボードを緑旗の振動表示に変える。 レースおよび追い越しは、制約を受けることなく、車両同士の位置関係やラインに対する

車両の位置に関わりなく、通常に再開される。

d) FCY期間終了後も、問題が解決しておらず、安全面が危険にさらされている場合には、セ

ーフティカーの介入がなされる。 e) FCY手順が実行されている時、ドライバーがドライブスルーおよび/あるいはストップ・

アンド・ゴーのペナルティを消化する目的で、すでにピット入口にいない限り、FCY手順

中にペナルティを消化することはできない。FCY手順中ドライバーがラインを通過した回

数は、走路上でラインを通過できる 大回数に追加される。 10.12.2 セーフティカー

選手権の競技会については、当地の特別な事情により各競技会の特別規則が別に定める場合を

除き、セーフティカーは1台とし、ル・マン24時間では3台とする。

a) 競技長の決定により、セーフティカーは以下を実施するために出動できる: - 競技参加者あるいは競技役員が危険な状況ではあるが、レースを中断する必要までは

ない状況で、レースを中立化するため; - 例外的状況でレースをスタートさせる(例:悪天候); - ローリングスタートの速度を定める; - 中断していたレースを再開する。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 58 / 80 8 April 2016

b) セーフティカー手順が使用されるサーキットにて、2本の連続した幅20cmの「セーフ

ティカーライン」が、滑り防止処理された塗料で、走路を渡って、またピット入口と出口

路で、走路中心線に直角に端から端まで、以下の場所で印付けされること: - 第1セーフティカーライン:セーフティカーあるいは走路に残っているもう1台の競

技車両を追い越してピットに車両が入るのを認めるに合理的であると判断される箇所。

この箇所は、競技車両が、セーフティカー介入の終了時点でピットに入る時にセーフテ

ィカーを追い越すことができるポイントでもある。 - 第2セーフティカーライン:ピットを離れる車両が、走路を走っている他の競技車両と

同様な速度で走行し出すのに適切な地点。従って、走路を走行している車両は、このラ

インに到達する前にピットを離れるもう一台の車両を追い越してよいが、そのライン

通過後は、追い越しはできない。 - セーフティカーが2台以上出動している場合は、中間セーフティカーライン:セーフテ

ィカーが介入の終了時点でその中間位置に戻る時に競技車両がセーフティカーを追い

越せる箇所。

c) セーフティカーは、高性能サーキットでの運転に指定されるあるいは適合する車両で、そ

の競技会で競技するタイプの車両がレースへの相応しさを損なうことなく運転できる速

度を維持できるに十分な馬力があること。 一定の競技会では、車両をトラックレーシングなどの、特定のカテゴリーに適合するよう

選択することができる。

座席は少なくとも2座席を有し、ドアは2枚あるいは4枚とする。後方視界は良好でなけ

ればならない。付則J項の仕様のロールケージ搭載が、FIA承認の座席ハーネス同様に

推奨される。

セーフティカーは、その後部と側部に、競技車両のゼッケンと類似の適切な寸法の文字で

"SAFETY CAR"と表示されなければならない。屋根には明瞭に見える黄色あるいはオレンジ

色のライトが少なくとも1つなければならず、後部には緑のライトを有し、それぞれが異

なる電気回路で電力供給されていなければならない。外側に取り付けられているライトは、

その車両で出せる 大速度に耐えうるように固定されていなければならない。

セーフティカーを運転するのは、経験豊かなサーキットドライバーとする。セーフティカ

ーにはすべての競技車両を認識できるオブザーバーが同乗し、レースコントロールと常時

無線連絡が取れる状態であること。乗員はFIA承認のヘルメット、FIA耐火衣類を着

用することが推奨される。これらは、FIA世界選手権の大会では義務付けられる。

d) 一度に1台のセーフティカーのみが出動するが、長さが7kmを超えるサーキットではサ

ーキット上の中間地点に配備されたその他のセーフティカーが、FIAによって許可され

る場合がある。2台以上のセーフティカーが許可される場合は、以下の要件が適用される: - 各セーフティカーのスタートおよび撤退位置は、すべてのドライバーに通知されなけ

ればならない。 - 緑のライトが、撤退場所を過ぎた地点に配置されることにより、レースの中立化終了

地点が決定されドライバーにそれを合図することができなければならない。

e) レースのスタート時刻の30分より前に、セーフティカーはグリッドの前の位置につき、

5分前シグナルが出されるまでそこにとどまる。選手権あるいは競技の適正な規則が15

分間のフリー走行を認めている場合には、セーフティカーはその15分間のプラクティス

セッションが終了すると直ちにグリッド前の位置につく。 f) 5分前シグナルが提示されると(下記第10条7項13.1の場合を除き)、セーフティカ

ーはその位置につく。

g) 2台以上のセーフティカーが使用されている場合には、1台が第10条12項2e)および

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 59 / 80 8 April 2016

f)項の通りに進み、その他は、レーススタート時刻の15分前に以上前に、中間地点に着

く。

レースの中立化

h) セーフティカーの出動命令が出されたら、すべてのマーシャルのポストで黄旗の振動表示

と"SC"ボードが提示され、ライン上ではオレンジ色のライトが点灯され、それが介入の間、

継続される。 i) セーフティカーは、オレンジ色のライトを点けてピットレーンからスタートし、レースの

首位車両の位置に関係なく走路に合流する。 j) すべての競技車両は、互いに車両5台分以下の間隔を保ち、セーフティカーの後方へ整列

しなければならない。そして、次の例外を除き、セーフティカーがピットに戻った後、車

両がライン(あるいは次のレース中立化終了地点)に到達するまで追い越しは禁止される。

追い越しは次の状況では許可される: - セーフティカーにより追い越しを指示される場合、 - 第10条7項13.1の場合、 - ピットに進入した車両は、第10条12項2b)に決められている通り、第1セーフテ

ィカーラインを通過した後、もう1台の車両あるいはセーフティカーを追い越すことが

できる。 - ピットを出た一切の車両は、第10条12項2b)に決められている通り、第2セーフ

ティカーラインを通過する前に、走路上で、もう一台の車両に追い越されることができ

る。 - セーフティカーがピットあるいは中間地点に戻る時、一旦セーフティカーラインを通過

したならば、走路上で車両に追い越されることができる。 - セーフティカーがピットレーンを使用している間に(第10条12項2参照)指定され

たガレージエリアに停止している一切の車両は、以下の場合に追い越されることができ

る: - 車両が明らかな故障で速度を落としている場合。

k) セーフティカーが出動している間に、不必要に遅く、不安定で、あるいはその他のドライ

バーに危険を及ぼす可能性のあると判断される方法で運転されている一切の車両は、競技

審査委員会に報告される。これは、そのような車両が、走路上にある場合に、またピット

入り口あるいはピットレーンにいる場合に適用される。 l) 競技長に指示を受けた場合には、セーフティカー内のオブザーバーは、セーフティカーと

レースの首位車両との間にいる車両に対して、追い越しをするよう合図するため、緑のラ

イトを使用する。これらの車両は、セーフティカー後方の車両隊列に達するまでは追い越

しすることなく減速して走行を続ける。 適切であると判断される場合には、レースディレクターは、クラスの首位車両がその他当

該クラスの車両の後方にある場合に、セーフティカー後方に走行する順で「パス・アラウ

ンド」を認める。 車両が「パス・アラウンド」の資格があるかどうかを決めるのは競技参加者の責務である。 その資格なく「パス・アラウンド」を行った場合の罰則:停止し、レース2周回に等しい

時間待機。 その手順の間を通じ、「パス・アラウンド」を行ったすべての車両は、セーフティカー後

方に当初並んだ順番で互いに1列縦隊を保つ。 「パス・アラウンド」を行う車両は、指示が出された場合にのみ、正規の順で安全に、セ

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 60 / 80 8 April 2016

ーフティカーを追い越し、安全性に影響を及ぼすことなく隊列にできる限り早く追いつき、

セーフティカー後方に走行する車両の後方の位置に着かなければならない。 セーフティカーは、レース首位車両のゼッケンを示す、電気的に制御されるリアパネルを

有することもできる。それが点灯すると、レース首位車両を除くそれまでの車両のゼッケ

ンが表示され、セーフティカーを追い抜いていく。

m) セーフティカーは少なくとも、レース首位車両がその後方につき(第10条12項2n)1)の場合を除く)それ以外の全車両が首位車両の後ろに並ぶまで、使用される(あるいは2

台以上のセーフティカーが利用される場合には、そのセーフティカーの区域にある全車

両)。 セーフティカーの後方に一旦ついたならば、レース首位車両(あるいはその区域の首位車

両)は、車両5台分以下の距離を保ちながら(第10条12項の場合を除く)、その他す

べての車両はできる限り整然とフォーメーションを保たなければならない。

n)1) セーフティカーの 初の3周回の間、ピット入口は閉鎖される。これらの 初の3周回の

間にピットに入る一切の車両は、5秒間の給油および/または損傷したタイヤ(含複数)の

交換のみが、3周回目の後に、あるいはピット入口が開放されると直ぐに、その車両が再

び通常のピットストップを行うという条件のもとで、認められる。 チームマネージャーは、レースディレクターに、自己のチームの車両がピットレーンに入

ろうとしていることを伝えなければならない。 初の3周回の間に、首位の車両がピットに入る場合、その結果として2位の車両がセー

フティカーの後方につき、3周の間にピットに入ることを決定する車両がある毎にその後

ろの車両が順をつめる。 「セーフティカー」のメッセージが一旦モニター上に表示されたならば、すべての車両は

減速し、「ピット入口閉鎖」の合図が提示される。 セーフティカーが走路上のコントロールラインを 初に通過した時点で、 初のセーフテ

ィカー周回が完了したとみなされる。これは、走路上のコントロールラインを通過するセ

ーフティカー後方のすべての車両にも適用される。 セーフティカーが走路上のコントロールラインを2回目に通過した時点で、第2回目のセ

ーフティカー周回が完了したとみなされる。これは、走路上のコントロールラインを通過

するセーフティカー後方のすべての車両にも適用される。 セーフティカーが走路上のコントロールラインを3回目に通過した時点で、第3回目のセ

ーフティカー周回が完了したとみなされる。これは、走路上のコントロールラインを通過

するセーフティカー後方のすべての車両にも適用される。 セーフティカーが、 初の3周回の間にすべての車両にピットレーンを通過させなければ

ならない場合、周回数の計算は、セーフティカーとすべてのその他車両が、ピットレーン

出口を通過した時からなされる。 車両は、セーフティカー後方で3周回を完了した後、修理あるいは給油のためにのみ、制

約を受けることなくピットに入ることができる。

初の3周回の間に、セーフティカーが走路から撤退した場合、第10条12項2n)の目

的のために、セーフティカーはピットレーンに進入し、すべての黄旗が緑旗に変えられ、

緑旗が提示されてグリーンライトが点灯している時に、すべての車両は走路上のコントロ

ールラインを通過する。その後にのみ、車両はペナルティを受けることなくピットレーン

に進入することができる。この期間の間、 終の車両がコントロールラインを通過するま

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 61 / 80 8 April 2016

で、「ピット入口閉鎖」の合図が提示され続ける。

2) セーフティカーが出動している間の、セーフティカーの 初の3周回の後、競技車両はピ

ットレーンに進入することができるが、走路に復帰できるのは、ピットレーンの終端のグ

リーンライトが点灯したときのみである。 そのライトは、セーフティカーおよびそれに続く車両隊列がピット出口を通過しようとし

ている、あるいは通過しつつある時を除いて、常に点灯している。 走路に復帰する車両は、セーフティカー後方の車両隊列の 後尾に到達するまで、適切な

速度で進まなければならない。 特定の状況下では、競技長はセーフティカーにピットレーンの使用を求める場合がある。

この場合、オレンジ色のライトが点灯したままであることを条件に、すべての車両は追い

越しをすることなくピットレーンに続いて進入しなければならない。 このような状況でピットレーンに入った車両は一切、セーフティカーの 初の3周回の間

を除き、指定されたガレージエリアに止まることができる。 セーフティカーがピットレーンを使用している場合、作業エリアにいる一切の車両は、一

旦ピット出口のライトが赤になったならばその位置を動くことはできない。 この場合、セーフティカーの後に続く車両の 後の車両がそのガレージ前を通過しきって

からのみ、作業エリアを出ることができる。

o) 競技長がセーフティカーを呼び戻すとき、そのオレンジ色のライトは消される。これは、

その周回の終了時にピットレーンに入ることを知らせる合図となる。この時点で、セーフ

ティカー後方に続く車両の先頭は、走行ペースを決めることができ、必要であれば、その

後方に空けていた5台分の距離以上になっても構わない。 セーフティカーがピットに戻る前に事故を起こす可能性を避けるために、セーフティカー

のライトが消灯された地点から、ドライバーは一貫性を欠く加速またはブレーキングのな

い、また、他のドライバーを危険にさらす、あるいは再スタートの妨げとなるようなその

他一切の行為のない一定ペースで進まなければならない。

セーフティカーがピット入口に近づくと、マーシャルポストで提示されていた黄旗とSC

ボードが撤去され、代わりに緑旗の振動表示がされ、ライン上および中間レース非競技化

終了地点(含複数)では緑ライトが点灯される。

これらは 後尾車両がラインを通過するまで提示される。

2台以上のセーフティカーが出動している場合、それらは正確に同時退去しなければなら

ない。

p) セーフティカーが出動している間に完了する各周回は、レース周回として計算される。 q) 終周回の開始時点でまだセーフティカーが出動している場合、あるいは 終周回に出動

した場合、その周回の終了時にピットレーンに入り、競技車両は追い越しをすることなく

通常通りにチェッカーフラッグを受ける。

10.12.3 スロー(減速)ゾーン

第1防護線の前での一定の介入において、レースディレクター/競技長がFIA国際モータース

ポーツ競技規則付則H項第2条4項5.1b)に定めるSLOW(「スローダウン」の意味)の

手順を実施することを決定する場合がある。 1. 「スローゾーン」

サーキットは複数のスローゾーンに分割される。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 62 / 80 8 April 2016

スローゾーン手前の1つあるいは複数のマーシャルポスト(サーキットの仕様形状による)

は、1本の振動黄旗を提示する。

スローの手順が実施されているセクター(含複数)には、そのSLOWの文字が記されたボー

ドと2本の振動黄旗で示された境界線の範囲内に、マーシャルのポストが設置される。

スローゾーン終了地点のマーシャルのポストには、振動の緑旗が提示される。

スローゾーンの前の振動黄旗表示から、振動緑旗表示地点を通過するまでは追い越しは禁

止される。

2. スローゾーンの設置

チームは、ピットウォールの無線および計時モニターのメッセージにより通知される。 計時マップディスプレー画面上で、マップに次のスローの手前ゾーンが示されることで、

チームがドライバーにスローゾンに近づいていることを知らせることができる。 車載ディスプレーは、ドライバーに対し、スローの手前に入ったので次のゾーンはスロー

ゾーンとなるとの警告を与える。 手前ゾーンでマーシャルはNEXT SLOWのボードを掲げる。

3. ドライバーの行動

ドライバーはスローゾーンに接近し 初の黄旗振動表示を通りすぎると、スローゾーンに

入るので80kphまで徐々にスローダウンすることになる。

高速度80kphがSLOW規定の適用下にあるゾーン全体で遵守されることになってい

る。

スローゾーン手前の 初の黄旗表示地点から車両がスローゾーンの終点の振動緑旗表示

地点を通過するまでは追い越しは禁止される。

影響のあったゾーンがピット入り口走路に隣接する場合、60kphあるいは60kph

後のピット出口走路前で、車両は 高速度80kph制限をピット入り口および出口走路

両方で遵守することが義務付けられる。

ピットレーンに進入する車両は、80kphの速度制限内でセーフティーカーライン1を

一旦通過したなら、走路上の車両を追い越すことができる。

ピットレーンを出る車両は、80kphの速度制限内でセーフティーカーライン2を通過

するまで、走路上の他の車両を追い越すことができる。

4. 合図 サーキットはその仕様形状に従い、いくつかのスローゾーンに分割される。走路側の水平

なマーキングがスローゾーンの開始と終了をドライバーが識別するために実施される。 スローゾーン手前のマーシャルのポスト(含複数)は1本の振動黄旗を提示する。 手順により影響を受けるスローゾーン内のマーシャルのポストは、SLOWの指示を示した

ボードを備える。 SLOWのボードは2本の振動黄旗と共に提示される。 影響を受けるエリアの終点は1本の振動緑旗によって示される。 性能が高い車両は、前方に遅い車両がいる場合にがあることを注意して進むこと。

5. その他

スローゾーンはFCYあるいはSC手順の後で実施される場合がある。スローゾーンの後で

FCYあるいはSC手順が実施される場合がある。スローゾーンは複数、連続してあるいは連

続しないで、同時に使用される場合がある。

6. ピットに隣接するスローゾーンでのピットレーンペナルティ

レースディレクターが付則H項の第2条5項1b)に定めるスローゾーンを使用して走路

のゾーンを中立化させることを決定する場合、スローゾーン手順が実行されている時、ド

ライバーがドライブスルーおよび/あるいはストップ・アンド・ゴーのペナルティを消化

する目的ですでにピット入口にいない限り、ピット入口路、ピットレーン、あるいはピッ

ト出口路に隣接した走路上でスローゾーン手順中にペナルティを消化することはできな

い。スローゾーン手順中ドライバーが上述のゾーン内でラインを通過した回数は、走路上

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 63 / 80 8 April 2016

でラインを通過できる 大回数に追加される。

10.13 フィニッシュ

10.13.1 チェッカーフラッグ:レースの予定走行時間が終了した、あるいはレースの総距離が走破され

た時、レーストラック上のフィニッシュラインを通過する総合1位の車両に対してチェッカー

フラッグが振られる。 チェッカーフラッグが提示されると、ピット出口は閉鎖される。 レース終了の合図が出された後、すべての車両は、停止することなく、また一切の補助を受け

ることなく(必要があってマーシャルの支援を受ける場合は除く)サーキットからパークフェ

ルメに直接進まなければならない。チーム員は、車両検査委員を手助けするため、パークフェ

ルメ付近にいなければならない。 罰則:パークフェルメにできる限り直ちに進まなかったすべての車両は、失格が課される可能

性がある。 レース終了時に、チェッカーフラッグを受けた車両はフィニッシュラインを再び通過すること

はできず、違反の場合は競技審査委員会に裁量にて罰則が課される。

10.13.2 早期または遅滞のフィニッシュ: 10.13.2.1 何らかの理由で、レースの予定時間が経過し終わる前にチェッカーフラッグが提示

された場合(第11条3項2の下でレースが中断されている場合を除き)、チェッ

カーフラッグが提示される前に先頭車両がフィニッシュラインを 後に通過した時

にレースは終了したものとみなされる。 10.13.2.2 何らかの理由でチェッカーフラッグが遅れて提示された場合には、レースは予定さ

れた時間が経過した時点で終了したものとみなされる。 10.14 パークフェルメ 10.14.1 フィニッシュ後、車両は競技役員の監督の下で、パークフェルメに進む。パークフェルメに直

ちに直行しない車両は、競技審査委員会により当該順位認定より失格とされる場合がある。 適正な冷却が実施されなければならないため、各チーム1名のメカニックが、内部冷却装置を

稼動させるための追加の電力供給を連結する、あるいは切るために、または、損傷防止のため

に車両の周りに外部の冷却装置を配置するために、パークフェルメに立ち入ることができる。

ハイブリッド車両の安全手順に特有の一切の作業を進めることも認められる。いかなる場合に

も、それ以上の作業あるいは設置は、いかなるものも禁止される。 10.14.2 各チームより1名がパークフェルメの入口に待機しなければならず、車検を受けることとなっ

た場合に実施される一切の処置について通知を受ける。 10.15 順位認定の条件

10.15.1 第1位となる車両は、チェッカーフラッグ提示までに も長い距離を走破した車両とする(ス

ターティンググリッドの位置は考慮されない)。 10.15.2 順位認定されるには、車両は以下を行っていなければならない:

a) 競技審査委員会により不可抗力とみなされる場合を除き、チェッカーフラッグが提示され

ている時にレーストラック上のフィニッシュラインを通過している。チェッカーフラッグ

が提示されている間、レーストラックの上に停止することは禁止される。 b) 総合順位で第1位と認定された車両が走破した距離の少なくとも70%を走破している。

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WEC Sporting Regulations 64 / 80 8 April 2016

c) 公式周回数は、 も近い整数に切り下げられる。

10.15.3 車両は、レース中に走破完了した周回数にしたがって順位認定される。同一周回数の場合は競

技参加者がフィニッシュラインを通過した順序で順位を決定する。

10.15.4 公式結果/順位認定: 公式結果および認定順位のみが公表され、オーガナイザーにより公式通知掲示板に掲示される。

11. 順位認定、タイトルおよびポイント 11.1 順位認定

それぞれのカップおよびトロフィータイトルについて、個別の順位認定が作成される。 以下の順位認定が各競技会の後で作成される。

1. 競技会の総合順位 2. 世界耐久ドライバー選手権の順位 3. 世界耐久製造者選手権の順位 4. 世界耐久GTドライバーカップの順位 5. 世界耐久GT製造者カップの順位 6. LMP1プライベートチームのFIA耐久トロフィーの順位 7. LMP1プライベートチームドライバーのFIA耐久トロフィーの順位(フルシーズンに

少なくとも3台の車両がエントリーしていることが条件とされる) 8. LMP2ドライバーのFIA耐久トロフィーの順位 9. LMP2チームのFIA耐久トロフィーの順位 10.LMGTE ProチームのFIA耐久トロフィーの順位 11. GTE AmドライバーのFIA耐久トロフィーの順位 12. LMGTE AmチームのFIA耐久トロフィーの順位

11.2 タイトル、カップおよびトロフィー

選手権が終了した時点で、以下の世界選手権タイトル、カップおよびトロフィーが勝者に授与

される:

11.2.1 選手権は主に以下の2つの世界チャンピオンタイトルで構成される:

- FIA世界耐久ドライバーチャンピオンタイトル - FIA世界耐久製造者チャンピオンタイトル

「製造者」とは、シャシー製造者およびエンジン製造者、つまり、シャシーとエンジンに関連

する知的所有権を所有し、それを使用する権利のある個人あるいは法人により構成される連合

体を意味し、その名前は2011年12月31日までにACOにより、またその後日、ACO

と共同でFIAにから発行される公認書式に記載される。

2つの異なる製造者がある場合、シャシー製造者の名称が常にエンジン製造者の名称の前に位

置しなければならない。

11.2.2 タイトルは以下の通り授与される: a) FIA世界耐久ドライバーチャンピオンタイトルは、LMP1およびLMP2ドライバー

のみに(LMPカテゴリーの混合認定順位にて)与えられるものであり、各競技会で総合順

位にて 高得点を得たドライバー(含複数)に授与される。

2名あるいは3名のドライバーが選手権シーズンを通じて常任クルーとして組んでいる場

合には、全員が同ポイントを獲得し、適用される場合には全員がドライバータイトルを授与

され得る。

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WEC Sporting Regulations 65 / 80 8 April 2016

しかしながら、異なるクルーの2名以上のドライバーは、下記第11条4項の規定に従い分

離される。

b) FIA世界耐久製造者チャンピオンタイトルは、以下の条件で授与される:

- LMP1製造者選手権に特別にエントリーし(第3条2項4参照)、実際に開催された競

技会の総合順位において、製造者世界選手権へ製造者によってエントリーされた2台(第

3条7項1が適用される場合は3台)の車両(車両の公認書式に記載された銘柄/モデ

ル)が得たすべての結果が考慮され、 高得点を獲得した製造者。

- タイトルは、ル・マンを含めた選手権対象の全競技会で得られた結果を考慮して与えら

れる。

タイトルは、製造者が少なくとも2社エントリーした場合にのみ授与される。

11.2.3 加えて、以下のカップおよびトロフィーが授与される:

11.2.3.1 カップ:

-FIA世界耐久GTドライバーカップ

FIA世界耐久GTドライバーカップは、GTドライバー(ProとAmの混合)にのみ与え

られるもので、各競技会で、総合順位(LMGTEカテゴリーの混合認定順位)にて 高得点

を得たドライバー(含複数)に授与される。

選手権シーズンを通して2名あるいは3名が常任クルーとして組んで参加している場合には、

その全員に同点が与えられ、適用のある場合には、全員にドライバーズタイトルが授与される。

しかしながら、異なるクルーで構成される2名あるいは3名のドライバーは、下記第24条お

よび11条4項の規定に従い分かれる。

-LMGTE(ProとAmの混合)にエントリーした製造者のみに与えられる、FIA世界

耐久GT製造者カップ。

FIA世界耐久GT製造者カップは以下の条件で授与される:

-特にこの世界耐久GT製造者カップにエントリーした製造者で、同一製造者がフルシーズン

エントリーした上位2台の車両(車両の公認書式に記載された銘柄/モデル)が達成した各

競技会のすべての結果が考慮され、LMGTE ProとLMGTE Amが合わせられた

順位認定で 高得点を得た製造者に与えられる。

タイトルは、ル・マンを含めた選手権対象のすべての競技会にて得られた結果を考慮して授与

される。

カップのポイントは下記第11条3項1a)およびb)に規定される得点基準に従って与えら

れる。

11.2.3.2 チームトロフィー:

-シーズンに少なくとも3台の車両がエントリーされた場合にのみ、FIA耐久トロフィーが

LMP1プライベートチーム1位のドライバー(含複数)に与えられる。

-FIA耐久トロフィーが、LMP2チームの1位に与えられる。

-FIA耐久トロフィーが、LMGTE AMチームの1位に与えられる。

-FIA耐久トロフィーが、LMGTE PROチームの1位に与えられる。

-FIA耐久トロフィーが、LMP1プライベートチームの1位に与えられる(非ハイブリッ

ドのみを使用しているか、あるいは本競技規則に規定される通り)。このチームは、選手権に

正規にエントリーしたが、FIA世界耐久製造者チャンピオンのタイトルは争わず、直接的

にも間接的にも、技術面あるいは資金面から見ても、上記第11条2項1)の意味で、選手

権にエントリーしているか否かにかかわらず、製造者に依存していないチームであること。

この条件の適用において耐久コミッティは、下記第3条2項2a)の 終段落に記載の権限

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 66 / 80 8 April 2016

と同一の権限を付与される。

a) LMP1プライベートチームカテゴリーは、独立したプライベートチームだけのカテゴリ

ーである。

製造者より独立しているチームとは、製造者から、唯一エンジン供給、それらのエンジンに

関するサービス、または商業上支援を除き、一切のサポートを製造者から受けていないチー

ムをいう。シャシーあるいはシャシーシステムに関する製造者による一切の支援は禁止さ

れる。トラクションコントロールはシャシーシステムとみなされる。

b) これらの基準の適用および/あるいは解釈に関して生じる一切の質問を 終的に解決する

ことは耐久コミッティに委ねられる。

これらのトロフィーは、各競技会終了時点でエントリーされた各々の車両により、そのカテゴ

リーで達成されたすべての結果が考慮され、 大得点を獲得したチームに授与される。エント

リーされた各々の車両(ゼッケンを参照)はチームの順位認定に個々に表示される。

高位のLMP1プライベートチームに与えられるFIA耐久トロフィーについては、特別に

LMP1製造者世界選手権にエントリーされたLMP1車両によって達成された各競技会の

総合順位認定の位置は、「表示されない」。

11.2.3.3 "ドライバー"トロフィー:

-FIA耐久トロフィーが、 高位のLMP2ドライバー(含複数)に授与される。

-FIA耐久トロフィーが、 高位のGTEAmドライバー(含複数)に授与される。

これらのトロフィーは、そのドライバーが参加した各競技会の終了時点で、エントリーされた

車両のドライバー(含複数)によって、そのカテゴリーで達成されたすべての結果が考慮され、

大得点を獲得したドライバー(含複数)に授与される。

選手権シーズンを通して2名あるいは3名が常任クルーとして組んで同一車両で参加してい

る場合には、その全員に同点が与えられ、適用のある場合には、全員にドライバーズタイトル

が授与される。

11.3 ポイント基準 11.3.1

a) ル・マン24時間を除く、すべての競技会のポイント基準 世界チャンピオンドライバー部門、および世界チャンピオン製造者部門のタイトルのポイ

ントは、以下の基準で各レースにて授与される:

1位 25点

2位 18点

3位 15点

4位 12点

5位 10点

6位 8点

7位 6点

8位 4点

9位 2点

10位 1点

それ以下 0.5点*

*競技会の総合順位で11位以下の認定を受けたすべての車両には、 ハーフポイント(0.5点)が与えられる。

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WEC Sporting Regulations 67 / 80 8 April 2016

b) ル・マン24時間のみ、ポイントは以下の基準で与えられる:

1位 50点

2位 36点

3位 30点

4位 24点

5位 20点

6位 16点

7位 12点

8位 8点

9位 4点

10位 2点

それ以下 1点*

*この競技会の総合順位で11位以下の認定を受けたすべての車両には、 1点が与えられる。

c) 上記のすべての順位について、各競技会で「ポールポジション」を得たチーム、さらに各カ

テゴリーで当該車両のクルーを構成したすべてのドライバーに(追加車両および補足車両

を除き、予選にて各カテゴリーで車両が達成したベストタイム)追加ポイントが与えられる。

d) 選手権の公式エントリーリストに掲載された競技参加者のみが、選手権タイトルのポイン

トを獲得する権利がある。

e) 本規則第3条5項および3条6項に規定される「追加車両」および「補足車両」は、選手権

タイトルのポイントを獲得することは認められず、各選手権競技会の順位認定の中ではそ

の位置を保持するが、種々の順位認定については「表示されない」。

f) 一般的に、選手権競技会に参加しているが、正規に登録されていない車両は、参加したそれ

ぞれの競技会終了時点でその認定された順位を保持するが、選手権の種々のタイトルのポ

イントを獲得せず、様々な順位認定について「表示されない」。

11.3.2 レースがレースディレクターによって中断され、再開できない場合は、先頭車両が2周回を満

たしていない場合はポイントが与えられない。 先頭車両が2周回以上走行したがレースの当初予定時間の75%を走破していない場合には

ハーフポイントが与えられる。セーフティカー手順以外の周回で、首位車両が 低でも2周回

を走破していなければならない。 先頭車両がレースの当初予定時間の75%以上を走破した場合はフルポイントが与えられる。

11.3.3 FIAが要求する場合、FIA世界選手権ドライバー部門およびFIA世界耐久GTドライバ

ーカップで1位となったドライバー、世界製造者チャンピオンの代表者、およびGT耐久ワー

ルドカップの勝者、またFIAに特に指名されたトロフィーの勝者があればその者は、FIA

の年間表彰式に出席しなければならない。すべての競技参加者は、ドライバーが上述の表彰式

に出席することを確実とするため 善の努力を尽くすこと。出席対象ドライバーおよび/ある

いは競技参加者が欠席すると、「不可抗力」の場合を除き1万ユーロの罰金が課せられる。

オーガナイザーが要請する場合、すべてのドライバー順位認定で1位となったドライバー、世

界製造者チャンピオンの代表、GT世界耐久カップ勝者、さらに第11条2項3.2に明記され

る異なるトロフィーの順位認定の上位3位の代表は、WEC表彰式に出席しなければならない。

すべての競技参加者は、ドライバーが上述の表彰式に出席することを確実とするため 善の努

力を尽くすこと。出席対象ドライバーおよび/あるいは競技参加者が欠席すると、「不可抗力」

の場合を除き1万ユーロの罰金が課せられる。

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 68 / 80 8 April 2016

11.4 デッドヒート(同着)

11.4.1 同着の競技参加者に認定順位に応じて与えられる賞典は、合算され、均等に与えられる。

11.4.2 複数のドライバー、コンストラクターおよび/あるいはチームが同一ポイントでシリーズを終

了した場合、選手権の上位は下記の方法により決定される。

a) 1位の回数が一番多いもの。 b) 1位の回数が同じ場合は、2位の回数が一番多いもの。 c) 2位の回数も同数の場合は、3位の回数が一番多いもの、などのように勝者が決まるまで続

ける。 d) 以上の方法によっても結果が出ない場合には、同点を分ける基準は、参加した選手権の各競

技会の決勝レースにて各車両が達成したベストタイムに従って勝者を決定する。 e) 以上の方法によっても結果が出ない場合には、同点を分ける基準は、参加した選手権の各競

技会の予選にて各車両が達成したベストタイムに従って勝者を決定する。 f) この手続きによって結果を出すことができない場合、たとえば、 初に同順位となったドラ

イバーまたはチームが、選手権の順位認定の2列を占める。次に、次点のドライバーまたチ

ームは当該順位認定において3位の認定とされる。 FIAはそれにも関わらず、状況がそれを求め、スポーツの利益のため、適切と思われる基

準に従って、それでもなお勝者を指定することができる。 g) この手続きによっても結果を出すことができない場合、シーズン内で も早く 上位の成

績を得たドライバーが選手権1位となる。

12. 罰則(ペナルティ)

a) 事件に関与したドライバーに罰則を課すか否かを決定するのは、レースディレクターの報

告あるいは要請を受けて競技審査委員会の裁量で行う。 b) 事件が競技審査委員会によって調査されると、関連した車両を知らせるメッセージが、すべ

てのチームの公式メッセージシステムに表示される。 c) このようなメッセージがレース終了後5分以内に表示されることを条件に、関与したドラ

イバーは競技審査委員会の同意なしにサーキットを離れることはできない。

12.1 競技審査委員会は、国際競技規則の下で課せられる一切のその他罰則に追加して、あるいはそ

の代わりに、本規則に定められた罰則を課すことができる。

a) ドライブスルー* ドライバーはピットレーンに入り、停止することなく走路に合流しなければならない。

b) ストップ・アンド・ゴー*

ドライバーはピットレーンに入り、割り当てられた作業エリアに停止し、走路に合流するた

めピットレーンを出なければならない。エンジンは競技審査委員会の決定が別に定めない

限り、かけたままでよい。この間車両には決して誰も触ってはならず、ドライバーは車両内

に留まっていなければならない。

c) ピットレーン・ペナルティ*

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2016 WEC SPORTING REGULATIONS

WEC Sporting Regulations 69 / 80 8 April 2016

ドライバーはピットレーンに入り、決められた時間割り当てられた作業エリアに停止し、走

路に合流するためピットレーンを出なければならない。エンジンは競技審査委員会の決定

が別に定めない限り、かけたままでよい。この間車両には決して誰も触ってはならず、ドラ

イバーは車両内に留まっていなければならない。

*第12条1a)、12条1b)あるいは12条1c)が一旦計時モニターに通知されたならば、当該

車両は走路上ラインを4回を超えて通過することはできない。 d) 追加されるピットレーンタイム

次に車両がピットレーンに入った時、決められた時間がそのピットストップに追加される。

この時間はピットストップの開始に追加され、車両が割り当てられた作業エリアに停止し

た瞬間から数えられる。この間車両には決して誰も触ってはならず、ドライバーは車両内に

留まっていなければならない。

e) タイムペナルティ f) 訓戒 上記の6つの罰則のいずれかが課された場合、国際競技規則第12条2項4の通り、控訴の対

象とはならない。

g) 当該ドライバーあるいは車両の次のレースでグリッドの位置を下げる h) リザルトより除外 i) ドライバーの次の競技会出場停止 j) 第12条1b)および12条1c)に言及される罰則を受ける場合には、以下が遵守されなけ

ればならない: 1) 車両がそのピットに停止する前に、1名の要員のみが、指示を与えるために、地面に塗

装された連続的ラインを越える、あるいは「作業エリア」の境となっている壁を越える

ことが許される。 この要員は、当該車両番号を示すボードを端につけた長い取っ手を持ち、車両の前後方

向軸に沿って位置することができない。 2) 誰も何らかを確認しに車両に近づくことあるいはそれに干渉することは認めらない。

これに違反の場合:ダブルペナルティ 12.2 ピットレーン・ペナルティ;以下の場合、上記第12条1a)から12条1d)の罰則を消化する

ことはできない: 1. 罰則が計時モニターにまだ表示されていない 2. SCが走路上にいる 3. 走路がFCYの状態にある 4. ピット入り口、および/あるいはピットレーン、および/あるいはピット出口に隣接するエ

リアがスローゾーン手順中である。 中立化が宣言された時に車両がすでにピット入り口路にいる場合を除き、上記b)、c)およびd)の場合に、中立化状態で走行された周回数は、ドライバーが計時モニターで通知を受けた後、

車両が走路上のラインを通過できる回数に追加される。 12.3 第12条1a)、12条1b)、12条1c)あるいは12条1d)の罰則が、 後の5周の間に計時ス

クリーンに通知され、当該車両がその罰則を消化できない場合、以下が適用される: 上記の罰則を消化することが不可能であることが判明した場合、当該ドライバーの 終タイム

に時間が追加される。 競技審査委員会の判断で、この追加される時間が当該車両が達成した周回数を下げることにな

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WEC Sporting Regulations 70 / 80 8 April 2016

ると場合、競技審査委員会は、当該競技参加者が違反を犯す前の 後の周回に達成したタイム

の計算を基に周回(含複数)を追加する場合がある。 上記第12条3項は、いかなる場合も控訴の対象とはならない。

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WEC Sporting Regulations 71 / 80 8 April 2016

付則1

競技規則に従い要求される情報

パートA(第2条2項参照)

1. ASNの名称および住所

2. オーガナイザーの名称および住所

3. 競技会の開催日および開催場所

4. 書類検査および車両検査開始日時

5. レースのスタート時刻

6. 照会先の住所、電話番号、ファックスおよびEメール

7. サーキットの詳細;以下を含んでいなければならない;

・所在地および交通の案内

・1周回の距離

・レース時間

・周回方向(時計回りか逆時計回り)

・コントロールラインに対するピットレーン出口の位置

8.サーキット内施設の正確な位置

・競技審査委員会室

・レースディレクター室

・FIA事務局

・書類検査場所

・車両検査場所、フラットエリアおよび重量計測場所

・パークフェルメ

・ドライバーおよび競技参加者のブリーフィングルーム

ドライバーブリーフィング:日時

チームマネージャーブリーフィング:日時

・公式通知掲示板

・優勝者記者会見室

・プレスセンター

・メディア登録センター

9.付帯トロフィーおよび特別賞典のリスト(選手権の競技規則に明記されるものに加えて)

10.ASNに指名された以下の競技会役員の氏名

・競技審査委員

・競技長

・競技会事務局長

・国内車両検査委員長

・国内医師団長

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WEC Sporting Regulations 72 / 80 8 April 2016

11.その他当該競技会に特有な事項

第4条6項参照

第10条2項参照

3回の計時プラクティス走行は以下のように行われる:

- 60分走行が1回

- 90分走行が2回

スターティンググリッドを決定するための予選1回が、2016年[日付]に以下のように実施さ

れる:

- 20分のハーフセッション1回をLMP1&LMP2カテゴリーの車両のみの予選として[午

後時・分]~[午後時・分]。

- 20分のハーフセッション1回をLMGTE Pro&LMGTE Amカテゴリーの車両のみ

の予選として[午後時・分]~[午後時・分]。

ウォームアップは行われない。

第4条8項2参照

ドライバーパレード

ドライバーパレードは行われない。

第4条8項3参照

[サーキット名称]国際サーキットの仕様上、この競技会の合同インタビューゾーンはメディアセ

ンターにて実施される(開催場所は確認される)。予選に参加したすべてのドライバーは(参加カ

テゴリーでポールポジションを獲得したドライバーを除き)は、[日付] の[午後時・分]~[午後

時・分]に合同ゾーンに入ることが義務付けられる。

第10条6項3.1参照

「ポールポジション」はFIAにより公認されたサーキットに応じ、 前列の(右/左:確認され

る)とする。

第10条7項3.1参照

1回以上のレコナイザンスラップのため、ピットレーンは[時・分]に開き、[時・分]に閉鎖される。

フォーメーションラップは[時・分]にスタートする。

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WEC Sporting Regulations 73 / 80 8 April 2016

パートB(FIA記入)第2条4項1参照

1. FIA競技審査委員

2. レースディレクター

3. テクニカルデリゲート

4. プレスデリゲート

5. メディカルデリゲート

6. チーフタイムキーパー

および指名があれば、

オブザーバー(含複数)、アシスタント(含複数)、および競技審査委員会のドライバーアドバイザ

パートC 詳細な競技会タイムテーブル

正しく記載完了された付則1とともにFIAに送付される。

パートD オーガニゼーションアグリーメントおよび医務役務調査票

第27条2項参照(FIA事務局より入手可能)

オーガニゼーションアグリーメント:競技会の遅くとも1ヶ月前までにFIAに送付される。

医務役務調査票:国際競技規則付則H項に従い、競技会の遅くとも2ヶ月前にFIA(メディカル部門)

に送付されること。

パートE 保険(第2条3項2参照)

正しく記載完了された付則1とともにFIAに送付される。

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付則2

2016年FIA世界耐久選手権エントリーフォーム

以下のリンクより入手可能 http://registrations.fia.com/registrationwec

FIA連絡先

FIA Geneva – WEC Department

Chemin de Blandonnet 2 – CH 1215 Genève 15 Fax : + 41 22 544 44 74

Manager: Mr Frédéric Bertrand ([email protected]) Coordinator: Mr Sina Amirdivani ([email protected])

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付則3

車両広告の位置

LMP1とLMP2の側面表示 (サイズ、色、フォント等は規定を参照のこと。 この図はステッカー貼付位置についての指示としてのみ有効)

シャークフィンエリア前方:ハイブリッド識別ステッカー1枚

FIAロードセーフティー活動ステッカー1枚 サイドポッドエリア 車両カテゴリーステッカー1枚 レースゼッケン および公式WECステッカー組み合わせ

位置は許可されているエリア内で自由 車検にて認められなければならない

第8条に従い、選手権あるいは競技会スポンサーのある場合

LMP1とLMP2の側面表示 (サイズ、色、フォント等は規定を参照のこと。 この図はステッカー貼付位置についての指示としてのみ有効)

シャークフィンエリア前方:ハイブリッド識別ステッカー1枚

FIAロードセーフティー活動ステッカー1枚 位置は許可されているエリア内で自由 車検にて認められなければならない

サイドポッドエリア 車両カテゴリーステッカー1枚 レースゼッケン および公式スポンサーステッカー組み合わせ

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LMP1とLMP2のフロント表示 (サイズ、色、フォント等は規定を参照のこと。 この図はステッカー貼付位置についての指示としてのみ有効)

ここには認められない 水平面には不可

スプリッター上に認められる国旗を除く

フロントエリア レースゼッケン1枚 許可エリア内での位置は自由 公式WECステッカー1枚 車検にて承認されなければならない 車両カテゴリーステッカー1枚 水平面に公式ステッカーは貼付不可(前方から見えなければならない) 国旗1枚 ハイブリッド識別ステッカー1枚

位置は許可されているエリア

内で自由 車検にて認められなければ

ならない

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WEC Sporting Regulations 77 / 80 8 April 2016

GTE ProとGTE Amの表示 (サイズ、色、フォント等は規定を参照のこと。 この図はステッカー貼付位置についての指示としてのみ有効)

サイドエリア レースゼッケン1枚 公式WECステッカー1枚 車両カテゴリーステッカー1枚

フロントエリア レースゼッケン1枚 公式WECステッカー1枚 車両カテゴリーステッカー1枚 国旗1枚

フロントエリア レースゼッケン1枚 公式WECステッカー1枚 車両カテゴリーステッカー1枚 国旗1枚

GTE車両について: レースゼッケンと公式WECステッカーは、フロントとサイドエリアに、この(写真)モデルと同様に貼付しなければならない。 車両カテゴリーステッカー1枚は、車両後部の後方から見える垂直なエリアに表示しなければならない。

FIAロードセーフティー活動ステッカー1枚

位置は許可されているエリア内で自由 車検にて認められなければならない

第65A条に従い、選手権あるいは競技会スポンサーのある場合

GTE ProとGTE Amの表示 (サイズ、色、フォント等は規定を参照のこと。 この図はステッカー貼付位置についての指示としてのみ有効)

サイドエリア レースゼッケン1枚 WECスポンサーステッカー1枚 車両カテゴリーステッカー1枚

位置は許可されているエリア内で自由 車検にて認められなければならない

FIAロードセーフティー活動ステッカー1枚

GTE車両について: レースゼッケンと公式WECステッカーは、フロントとサイドエリアに、この(写真)モデルと同様に貼付しなければならない。 車両カテゴリーステッカー1枚は、車両後部の後方から見える垂直なエリアに表示しなければならない。

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付則4-第7条9項

2016年LMP1技術規則違反の罰則

フリー走行 予選 レース 回数 6時間レースでの罰則 24時間レースでの罰則 適用時間

ERS>Limit ERS制限超過 罰則なし 周回タイム取り消し

2回目 ドライブスルー ストップアンドゴー10秒 チームに罰則が通知されて から4周回以内 3回目 ストップアンドゴー20秒 ストップアンドゴー40秒

4回目以降 ストップアンドゴー30秒 ストップアンドゴー60秒

ERS>300kW ERS300kW超過 罰則なし 周回タイム取り消し

2回目 ストップアンドゴー10秒 チームに罰則が通知されて から4周回以内 3回目 ストップアンドゴー40秒

4回目以降 ストップアンドゴー60秒

Qté fuel/tour > limit 燃料量/周回 制限超過 付則B

罰則なし 1周回タイム取り消し

続く2周の平均 2回目 ドライブスルー ストップアンドゴー10秒

チームに罰則が通知されて から4周回以内

続く2周の平均 3回目 ストップアンドゴー20秒 ストップアンドゴー40秒

続く2周の平均 4回目 ストップアンドゴー30秒 ストップアンドゴー60秒

Qté fuel/tour > limit 燃料量/周回 制限超過 ×1.02 付則B

罰則なし 1周回タイム取り消し

2回目 ストップアンドゴー5秒 ストップアンドゴー10秒

チームに罰則が通知されて から4周回以内 3回目 ストップアンドゴー30秒 ストップアンドゴー60秒

4回目以降 ストップアンドゴー60秒 ストップアンドゴー120秒

Débit inst > limit 流量制限超過 付則B

罰則なし 1周回タイム取り消し 2回目 ストップアンドゴー5秒 ストップアンドゴー10秒

チームに罰則が通知されて から4周回以内 3回目 ストップアンドゴー30秒 ストップアンドゴー60秒

4回目以降 ストップアンドゴー60秒 ストップアンドゴー120秒

P Boost > limit ブースト圧制限超過 付則B

罰則なし 1周回タイム取り消し

2回目 戒告 戒告 チームに罰則が通知されて から4周回以内 3回目 ドライブスルー ストップアンドゴー5秒

4回目以降 ストップアンドゴー5秒 ストップアンドゴー10秒

コクピット温度 罰則なし 罰則なし 1回目

ストップして修理 ストップして修理 チームに罰則が通知されて から4周回以内 2回目

3回目

注1: レースの 終2周回の間の違反である場合=燃料量/周回制限超過は適用されず、燃料量/周回制

限超過×1.02が適用される。 注2: レースの残り時間が適用の遅延時間未満である場合=順位認定タイムに競技審査委員会の裁量

にて時間に直して追加される。 国際モータースポーツ競技規則第12条2.4の規定に従い、付則4に定められた罰則に控訴はできない。

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WEC Sporting Regulations 79 / 80 8 April 2016

ピット安全備品申告書

これらの装備品のひとつについて、一切の改造あるいは交換のある場合は、当該競技参加者によりテクニカルデリゲート

に申告されること。

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変更箇所/誓約書