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Welcome To JAL 32 Welcome To JAL

現在活躍しているJAL機のライン ナップをご紹介現在、JALグループが使用する飛行機の数は約280機。長距離便、短距離便と機種の特徴にあわせ、国際線、国内線で活躍しています。

最新のエレクトロニクス技術とシステムの自動化により、わずか2名の乗員で運航できる747型機の最新機。国際線専用には、翼の空気抵抗を減らすためにウイングレットと呼ばれる小さな翼が付いています。

航空会社と航空機メーカーが共同開発した、最新鋭ハイテク双発機。快適性とともに低燃費・低騒音を実現しました。特にB777-300はB777-200のストレッチ型として開発され、機体の全長はB747-400より3.2mも長く、477席とジャンボなみのキャパシティ。主脚にそれぞれ6本のタイヤが付いているのが特徴です。

747型の2階部分を7mあまり後方に延長した飛行機で、この2階部分だけで最大63名のお客様が乗せられます。太平洋便やヨーロッパ直行便などの長距離便として活躍。

JAL機ラインナップ

B747-400ボーイング747-400

B747-100/200/300ボーイング747-100/200/300

B767-200/300/300ERボーイング767-200/300/300ER

1991年にA300に続く主力機として就航した機材であり、航空機関士なしで操縦士・副操縦士の2名による運航が可能です。翼先端のウイングチップが特徴です。

MD-90は低騒音・低燃費が自慢の低公害エンジンV2500を搭載しています。オーディオとビデオが装備され、オーバーヘッドストウェッジには収納可能な小型のモニタービデオが搭載されています。

B777-200/200ER/300/300ERボーイング777-200/200ER/300/300ER

A300-600Rエアバス300-600R

MD-81/87/90マクドネル・ダグラスMD-81/87/90

従来の737型機に新しいエンジンを積み、最新の電子システムを採用するなど改良を加えた新世代航空機です。座席数は150前後。国内線で活躍しています。

B737-400ボーイング737-400

各種システムの自動化やデジタル技術の採用で、2名の乗員で運航できる飛行機です。767-300は、767-200の胴体を6.4m延長したもので、国内線・近距離国際線用として使用されています。

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Welcome To JAL 54 Welcome To JAL

JAL機を大解剖!じっくり観察してみよう!

ジェットエンジンとは?風船をふくらませて手を放すと、勢いよく

飛びます。これは、風船のなかの圧縮された空気が外へ飛び出そうとするとき、反作用の力が働くためです。ジェットエンジンも基本的

ターボファン・ジェット・エンジン「より多くの空気を吸い込み、より多く吐き出せば遠くまで飛べるのではないか」と考え出されたのが「ターボファン・エンジン」です。このエンジンには、直径2.5mもある大きなファンが取りつけられています。ファンも圧縮機と同じようにタービンによって回転し、空気を吸い込みます。従来のジェット・エンジンと違うのは、吸い込んだ空気の全部を燃焼室に送り込むのではなく、一部をそのまま通過(バイパス)させ、後方へ排出する点です。そのため、ターボファン・ジェット・エンジンは、別名バイパス・エンジンとも呼ばれます。

ターボファン・ジェット・エンジンの性能そのまま排出させる空気の量と、燃焼室に

送られてくる空気の量の比率は「バイパス比」と呼ばれます。B747-400型機ではこの比率が6:1となっており、大半の推力はファンで得られます。ターボファン・ジェット・エンジンは、普通のジェット・エンジンよりもジェット噴流の力は弱くなりますが、ファンからそのまま排出される空気で推力を得て飛ぶことになるので、燃料の効率は良くなります。その結果、同じ量の燃料でも航続距離を20%近く伸ばすことができるようになりました。

また、ファンから排出される空気がジェット

飛行機にとってエンジンは「心臓」とも言える重要な装備品。B747-400のエンジンのその大きさは、およそ全長7m、直径3m、重さは6トンと、重さだけでも普通乗用車の約6台分にもあたります。さてジェット・エンジンの仕組みは?

●B747-400 コックピット

JAL機大解剖

■飛行機のエンジンはどうなってるの?

には、これと同じ原理で作られており、この反作用を推力と呼んでいます。風船の場合は、中の空気を出してしまうとしぼんで落ちてしまいますが、飛行機の場合は、まわりの空気を中に送り込みながら、その空気を圧縮させて噴出させます。

ジェットエンジンの内部は、圧縮機、燃焼室、タービン、補機の4つの部分から成り立っています。圧縮機とタービンは軸でつながっていて、圧縮機とタービンには、この軸を中心に「ブレード」と呼ばれるたくさんの羽が放射状に取りつけられています。燃料を燃やしタービンが回転すると、連結している圧縮機

噴流を包み込むため、エンジンの音も静かになっています。

のブレードも回転し、空気を圧縮して噴出させます。

ターボファン・ジェット・エンジン

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Welcome To JAL 7

翼を休めている間に点検・整備。空港に到着した飛行機は、次の出発までに点検と整備が行われます。地上に停留した短い時間内に作業を完了するために、正確に迅速に作業を行っていきます。

飛行を終わって到着した飛行機の外観点検を整備士にて行い、次の飛行の安全確保をおこないます。

整備・点検

機体点検

到着

整備士など地上スタッフが万全の体制を整えてスポットで待機しているところに、空の旅を終えた飛行機が入ってきます。同時に整備作業がスタート。パイロットや客室乗務員から飛行機の調子を聞き、フライトの安全性やお客さまへのサービス、飛行計画に支障がないかなどを確認しながら、整備をおこなっていきます。

出発

翼についているエンジンを点検します。内部点検や外視検査をおこないます。また、飛行中のエンジンデータにわずかでも変化があれば、重点的にチェックします。

エンジン点検

ブレーキの減り具合、タイヤの磨耗と空気圧も入念にチェックします。摩耗していればその場で直ちに交換します。

タイヤ・ブレーキチェック

パイロットが安全に運航できるように、コックピット内の計器や各装置を点検・整備します。コンピューター、電気などの各専門整備員が担当します。

コックピット点検

お客さまに快適に乗っていただけるよう、客室の清掃を行います。

客室の清掃

次のフライトに向けて、規定の燃料を給油します。燃料は搭載前に品質チェックをしたものを使い、各タンク内にバランス良く入れていきます。

燃料給油

私たちが、チームワークを活かして作業を完了させた飛行機がいよいよ離陸します。充実感と誇りを感じながら、お客さまへ「いってらっしゃい」。また、次に到着する飛行機への準備がはじまります。

ARRIVAL

DEPARTURE

ARRIVAL

DEPARTURE

整備がすべて完了した後に、整備スタッフのリーダーと運航乗務員との間で、実施した作業内容の確認をはじめ各細部にわたってミーティングをおこないます。

ミーティング

6 Welcome To JAL

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Welcome To JAL 98 Welcome To JAL

安全を確保するJALの機体整備。自動車に3カ月点検や6カ月点検、車検などがあるように、飛行機も安全な飛行のために定期的な点検・整備が行われます。一定の時間をフライトした機体は、徹底的に整備され、新しく生まれ変わります。

整備・点検

▲ハンガー内で機体整備広大なハンガー内で飛行機全体を足場でつつみ、昼夜を徹した整備作業を計画にしたがって進行していきます。

メンテナンスセンターでは、飛行機をまるごとハンガー(格納庫)に入れて徹底した点検・整備をおこないます。日本の航空法などに基づく資格を持ち、アメリカ連邦航空局(FAA)の認定工場になっています。確かな整備体制については、世界の各航空会社より信頼を受けて、日本航空所有の自社機だけでなく、外国航空会社の飛行機の整備も受託しています。

■メンテナンスセンター(成田・羽田)■

▲エンジンの交換飛行機の心臓部であるエンジンを点検し、分解整備が必要なエンジンは取り外してエンジンメンテナンスセンターへ送ります。機体には整備済みの完璧なエンジンを取り付けます。

▲メンテナンスコントロールセンター飛行機の状態や整備作業の状況を把握して、計画に基づいて整備作業が進行するよう適切に指示するセンターです。

●ボーイング747-400の定期点検整備方法

▲客室の分解整備お客さまが快適な空の旅を楽しめるように、客室内の座席、ギャレー(調理室)、トイレなどを取り外し、点検・分解します。機体の床下、ドア、窓なども細かく点検・整備します。

▲コックピット内の構造検査コックピット内の計器などの装備品を取り外して、コンポーネントメンテナンスセンターで厳密に点検整備します。交換・取り付け後、操作チェックをおこないます。

自動車に3カ月点検や6カ月点検、車検などがあるように、飛行機も安全な飛行のために定期的な点検・整備が行われます。一定の時間をフライトした機体は、徹底的に整備され、新しく生まれ変わります。

安全を確保するJALの機体整備。

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Welcome To JAL 1110 Welcome To JAL

●エンジンメンテナンスセンター(成田)

エンジンメンテナンスセンターでは、機体から取り外され

たエンジンを工程にしたがって分解・整備します。センター

内はモノレール方式の空中搬送システムによって、作業が

進められていきます。工程の最後に、整備が完了したエン

ジンの試運転をおこなって性能を検査し、完璧な状態にし

て送りだします。

ハイテクノロジー化された飛行機のエンジンは、高度1万

メートルの気圧と気温で作動するため、部品の状態を詳細に

チェックする必要があり、加工、組み立てなどの各工程で

高い精度が求められます。こうして、すべてハイレベルの

状態で整備作業をおこなうことによって、世界で第一級の

整備品質を確立しています。 エンジンの性能を検査する試運転

エンジンの各部品を分解・組立

●コンポーネントメンテナンスセンター(羽田)

羽田にあるコンポーネントメンテナンスセンターでは、飛行

機の機体に付いている脚やブレーキ、動翼、フラップ、座席、

ギャレー(調理室)、操縦系統の部品などを飛行機から取り

外して、入念な検査をして分解・整備しています。

約400トンもの重さを支えるためのタフなメカニズムを

持つジャンボ機(ボーイング747)には、5本の脚に18輪の

タイヤがついています。脚は、それぞれ約1トン~2.5トン

もの重量があります。頑丈で強い特殊な鋼鉄を使用して

様々な装備を備えた構造になっているため、各部品それぞ

れを分解して細かく検査・修理していく必要があります。

スラストレバーの修理

カーボンディスクブレーキの修理

ランディングギアのオーバーホール中

●コンポーネントメンテナンスセンター(成田)

成田にあるコンポーネントメンテナンスセンターは、7,000

から8,000種類におよぶ装備品を整備するハイテク工場

です。

飛行機の飛行位置を知る航法装置や通信装置、コックピット

内のたくさんの計器、およびそれらをコントロールするコン

ピューター、翼や脚(ギア)などを動かす油圧装置、客室内に

空調を働かせる気圧装置など点検・整備する装備品は、どれ

も精密な作業を要します。

したがって、センター内はチリやほこりを防ぎ、湿度をコント

ロールし、静電気を防止するなどの作業環境を整え、各専門

整備士が世界に誇る高品質の装備品を送りだしています。

整備・点検

装備品・エンジンなどは部品ごとに整備します。機体整備で修理が必要な箇所は、部品ごとにそれぞれの整備工場に回され、念入りに整備します。最新鋭の設備を使ってトップレベルの整備士が実施し、世界第一級の整備品質を誇っています。

JALのフライトを管理する最前線基地。東京の天王洲にあるJAL本社ビルには、24時間JALの国内線・国際線のすべてのフライトを管理・監視する「オペレーションコントロールセンター(OCC)」があります。飛行機を安全にスケジュール通りに運航するという重要な仕事。その一部をご紹介します。

1日800便以上を運航するJALの国内線・国際線。その運航には運航乗務員、客室乗務員、整備など、多くのスタッフが関わります。オペレーションコントロールセンターでは、飛行中はもちろん、運航のすべてにわたりリアルタイムにモニターしています。そして、台風、大雪などの悪天候や機材のトラブルなど前もって予測出来ない事態が発生した時は、ただちに対応してスケジュールの維持・調整を行います。東京は夜でもニューヨークはまだお昼。オペレーションコントロールセンターでは、いつもどこかの空を飛んでいるJALの飛行機を24時間監視し、安全運航を支えています。

OCC Staff

常時1名の機長も常駐。さまざまな部門との調整を図るため、それぞれの専門家が集まっています。

JALのスケジュール統制には、最新のコンピューターシステムが威力を発揮しています。運航に関わるありとあらゆる情報を集約し、迅速かつ正確に対応しています。

航空機内の電子回路基盤の半田付け

気象レーダーの整備

飛行機の先端にあるレーダーを守っているレドームの修理

オペレーションコントロール

全国を飛行中の航空機とは常に無線で交信が可能。最新の気象情報を地上からアドバイスしています。

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Welcome To JAL 1312 Welcome To JAL

運航乗務員の訓練安全運航の要である機長をはじめとする運航乗務員は、最先端の設備で訓練しています。航空法規、気象、航法などの基礎知識や英会話をはじめとする学科中心の基礎過程からスタートし、操作訓練、シミュレーター(模擬飛行装置)での操縦訓練へと進みます。また、長い経験を経て機長に昇格した後も、定期的に厳しいチェックが行なわれます。

客室乗務員の訓練飛行機を利用する様々なお客さまに安全で快適な空の旅を楽しんでいただくために、客室乗務員は入社後に訓練所で各種の訓練を受けます。①保安要員としての対応②食事サービスや機内販売、お子様に対するサービスなどの機内サービス更に保安要員としての対応については定期的に再訓練を受け、知識の確認を行っています。

JALクルー

訓練

ギャレーチェック

安全かつ快適なフライトは、JAL クルーにおまかせ。飛行機には、安全な運航をするための要である機長をはじめとする運航乗務員、機内サービスを担当する客室乗務員が乗務しています。飛行機の出発前からはじまるJALクルーの仕事。その一部をご紹介します。

ディスパッチルームでの打合せ

出発前のブリーフィング

運航乗務員の目で、機体・エンジンの外観点検

コックピットの計器チェック

業務

SHELL FLAT SEATJAL NEW SKYSLEEPER SOLO

●スカイスリーパーソロ(国際線ファーストクラス)自然界が持つ美しさをモチーフに、全身をつつみ込むフォルム。長時間のフライトにも最上のくつろぎを提供するためには、人間の身体にフィットする曲線でつくられたデザインが必要と考えました。

●シェルフラットシート(国際線ビジネスクラス)座席の幅は、このクラス世界最大級。シート面はフラットとなり、ゆったり広々としたスペースが生まれました。プライベートな空間を大切にするために採用したSHELL(シェル=貝)デザインが、心地よい眠りをお約束します。

●クラスJ(国内線クラスJ)新リクライニング方式の採用により、自然な動き、調和の取れた姿勢を保ってリラックス位置へ。腰部、背部へ無理なく体重の分布を図り腰椎の負担を軽減しました。今までとは違った「座り心地」と「やすらぎ」を体感できます。

お飲物サービス

客室での新聞サービス

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Welcome To JAL 1514 Welcome To JAL

飛行機に関する皆様のさまざまな 疑問にお答えしますQ&A

Q1. 飛行機はなぜ飛ぶの?日本航空が一番多く保有しているボー

イング747型機が離陸するときの重量は、行く先によって多少異なりますが、お客さま、燃料、貨物、すべてがほぼいっぱいの状態で約350トンにもなります。車にすると350台分の重量が時速約250キロで滑走路を走り抜け、あの巨体が大空に舞い上がっていきます。さて、この飛行機が大空に舞い上がる

秘密には2つのものが関係しています。一つは翼にぶら下がっている“ジェット

エンジン”です。中のファンブレードが回転することによって空気を吸い込み、猛烈な勢いで後方に吐き出すと、飛行機はその反動で前進して行きます。ジェットエンジンの能力は、この吐き出される空気の重さで表現します。

ボーイング747型機の場合、4台のエンジンで20万ポンド(100トン)の空気が後方へと吐き出されます(そんなとき離陸中の飛行機の後ろにいようものなら、大型トラックでも吹き飛ばされてしまいます)。だから、わずかな時間で時速250キロ近いスピードに達することができるのです。そして、もう一つ必要なものは“翼”です。

飛行機が時速250キロ近いスピードを出すことにより、翼の上にも少なくとも時速250キロの空気(風)が流れることになります。翼の上面と下面の形状の違いから、上面の空気が若干速く流れます。これによって、翼に沿って流れる空気の圧力に差が生じます。この圧力の差の事を揚力と呼びこの力によって飛行機は浮くことができるのです。ボーイング747型機の翼の面積は約500㎡、テニスコートにすれば約2面分。離陸時の重量は350トンですから、翼

の面積1c㎡あたり70gの差圧が生じれば飛行機が飛べるという事になります。こんな事を考えていると、ますます空の旅の魅力が増してきませんか。翼の断面を見ると、上にふくらんでいて、下が平らになっています。空気は翼のまわ

りで分かれたあと上側を流れた空気はわずかな下向きの角度をもって翼から流れ去ります。空気は翼の上面を通過する前後で全体として変化します。したがって空気に作用している力があり、そして翼に反作用として力が働いていることになります。つまり揚力が発生しているのです。皆さんも身近なところで揚力を感じる

実験を行って見て下さい。

Q3. 行きと帰りの飛行時間が違うのはなぜ?飛行時間の差は、上り便と下り便で若

干飛行経路が異なっていることも原因のひとつですが、その大部分は上空に吹く「風」の影響によるものなのです。天気予報などで、気象衛星から撮影し

た雲の連続写真を良く見てみるとわかるように、日本の上空には、西から東へ、偏西風(ジェット気流)と呼ばれる強い風が吹いています。この風の速さは、国際線の航空機が飛行する高度10,000メートルの上空では、最大時速が360キロにもなります。

時速約900キロで飛行するボーイング747型機のスピードと比較してみても、この偏西風が、いかに強いかということがわかると思います。たとえば、東京―ニューヨーク便では、上り便は向かい風の速度だけ遅く、下り便は追い風の速度だけ速くなります。偏西風は、季節によってそのスピードが異なるため、飛行時間もそれに伴って変わってきます。

Q4. 飛行機のブレーキはどうなっているの?飛行機のブレーキには3種類あり、それ

らを併用することによって、時速300㎞にも達する着地スピードを減速します。まず、ひとつは、自動車と同じように飛

行機のタイヤに装着されているディスク・ブレーキです。数枚のディスク(円盤)をタイヤと同じく回転しているディスクに

強い油圧と力でおしつけることによってスピードを落とす仕組みです。ブレーキは前脚以外の脚に取り付けられているすべてのタイヤに付いています。2つめは、飛行機が前に進むためにエンジンから後方に噴出していた空気の約80%を前や横に噴出する方向を変える

もので、逆推進装置(ストラスト・リバーサー)と呼ばれます。これにより、飛行機は推進力がなくなり、エンジンを中心に放射状に空気の傘ができる事で主翼上面に流れる空気も減る事になります。そして3つ目は主翼の上面に取りつけ

られた板状の「スポイラ」を立てる事によって、主翼上面の空気の流れをせきとめ、減速する方法です。主に着陸時は減速するというよりもスポイラを立てる事によって機体を地面にしっかりと押さえつけ、タイヤに付いているブレーキの効きを良くするために使用されています。また、このスポイラは飛行中の減速や方向を変えるときにも使用されています。

Q5. 飛行機雲は、なぜできるの?一般的に雲が出来るには、空気中にあ

る程度の水蒸気が必要です。飛行機雲は、いつも出来るとは限りま

せんが、雲が出来る寸前の水蒸気が足りない大気状態の時、およそ高度1万メートル上空を飛行中の航空機のエンジンから水分を含んだ温かい排気ガスが、マイナス55℃という大変寒い所に吐き出されると、排気ガスが周辺の空気を飽和状

態にすることによって、飛行機雲ができるのです。寒い冬の日に、“はあぁ~”を

息をはいたり、冷蔵庫の製氷室を開けると白い煙のようなものが出てくるのと同じ理由です。ですから飛行機雲をよく見る

と、エンジンの数だけ細い線ができています。

Q2. 機内で携帯電話のスイッチを切るのはなぜ?パソコンや携帯電話などの電子機器は

私たちの生活をとても便利にしてくれますが、実は飛行機とはとても相性が悪いことをご存知でしたか?

その原因の1つに、飛行機のアンテナがあります。飛行機には、パイロットが地上と連絡をとるための無線のアンテナや飛行機自身が自分の位置を知るためのアンテナなどが、各所に取り付けられていて、全体が常に大きなアンテナになっています。もう一つ、飛行機に機体やエンジンの状態をモニターするためのたくさんの電気配線があることも関係しています。ここで、理科の授業を思い出してくだ

さい。電気が流れるところには必ず磁気が発生していて、この範囲のことを磁界といいます。磁界は電気の流れ(電流)の変化に応じて増減しますが、この逆で、磁界の変化するところに電流が発生することも知られています。さて、飛行機が離陸するときや、着陸

態勢に入って着陸するまでというのは、飛行機の機体にとっても、大変緊張を強いられる時間です。そんなときに、みなさんの携帯電話へ電波が飛び込んできたり、パソコンなどの電子機器のスイッチがONになると、電話の電波やパソコンから発生した磁気が、飛行機の電気系統の磁界に変化を与え、それが電気信号となって、搭載されているコンピューターに誤信号を送り出してしまう恐れがあります。このような現象を私たちはEMI(エミ/Electro Magnetic Interferenceの略で電磁干渉現象の意味)と呼んでいます。これによってコックピットに故障を知らせるメッセージが出され、離着陸を中断したり、やり直したりする事態に発展することもあるのです。

逆推進装置巡航時 リバーサー

使用時

排気の流れ

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16 Welcome To JAL

CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の一環として、地球にやさしいJALを目指しエコロジーへの取り組みを進めています

飛行機のエンジンからは、地球温暖化をもたらすCO2が多量に排出されます。JALグループでは、新しい技術の採用により燃料消費効率のよい飛行機の導入など、燃料節減策を積極的に進めることにより、CO2の排出抑制に務めています。この結果、有効トン キロ(ATK)当たりのCO2排出量は下表に示すように着実に減少しています。因みに、国内の運輸部門に占める航空業界のCO2排出量の割

合は、約4%です。

1. 地球温暖化防止に務めています客室部門では、成田と関西空

港到着時に国際線客室内で“アルミ缶”の分別回収を行い、リサイクルに回すことにより資源有効活用に努めています。この活動は客室乗務員の前向きな取り組みとして93年からスタートし「アルミカンドリーム」の愛称で続けられています。さらに、成田到着便の機内では、使用済み“新聞紙”についても回収後リサイクルに回しています。

2. 客室内でもリサイクルを進めています

航空貨物の防水・防塵用として使用されたポリエチレン製フィルムは、成田空港において100%回収し、リサイクルに回され、固形燃料・車輪止め・棒杭などに再生されるほか、新たに開発されたリサイクル・システムにより再度ポリエチレンフィルムに再生され、有効活用されています。

3. 貨物用ビニールシートもリサイクルしています

新聞紙の分別

新国際時代をリードするJALCARGO

海外から日本へ。日本から海外へ。世界のさまざまな都市を結ぶネットワークで、国際物流をサポートするJALの国際貨物輸送。輸入・輸出といった貿易手段だけではなく、その国の文化や生活習慣を運び届ける国際交流の場としても大切な役割を果たしています。1機あたり90トン以上の搭載能力を持つ世界最大級の貨物専用機B747Fジャンボフレイター12機をはじめとして、B747,B777,B767などの旅客機をあわせて約280機が、国際・国内、年間100万トン以上のJALCARGOならではの高品位大量輸送を実現しています。

スムーズで安全性に優れた貨物輸送をハードで支えるのが、コンテナやパレットといった輸送機器です。貨物室では、コンテナやパレットが床面に敷かれたローラーベットにより移動可能です。

※有効トン キロ(生産量)={1座席当たりの単位重量×座席数+貨物積載可能重量}×飛行距離

ベルトローダー

Welcome To JAL 17

JUMBO FREIGHTER地上では、メインデッキローダーや走るベルトローダーなど、ジャンボフレイター1機につき、約10種類のワーキングカーが搭降載作業を支えています。

メインデッキローダー トーイングトラクター

客室内での分別回収光景

地球温暖化メカニズム解明の一助とするため、国土交通省の支援の下、気象庁気象研究所および日航財団と共同で、1993年よりオーストラリア定期便で2回/月のペースで大気観測(CO2、CH4、COなどの濃度測定)を実施しています。この観測結果は、内外から高い評価を受け、運輸大臣表彰をはじめ各種表彰に輝いています。(詳細は日航財団のホームページをご覧下さい)http://www.jal-foundation.or.jp/なお、この観測プロジェクトは、2006年よ

り国との共同でさらに発展させた大気観測を開始する予定です。一方、国内においては1979年より仙台―福

岡線で東北大学が実施している中高層大気サンプル採取に協力しています。

4. 大気観測プロジェクト-航空会社ならではの取り組みを行っています【緯度別のCO2濃度の経時変化(北半球)】

【大気採取経路図】

JALが独自に開発したULD(UNIT LOAD DEVICES:航空機用搭載用具)は、貨物の大きさに合わせたキャパシティと多目的な搭載能力が特徴です。

トーイングトラクター

高速搬送車

メインデッキローダー

メインデッキローダー

貨物輸送

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Welcome To JAL 1918 Welcome To JAL

国内外の主要都市をつなぐJALの 就航路線

JALグループラインナップJAL GROUP FLEET LINE UP

JALルートマップ

日本/台湾路線を中心とするアジア路線を運航

ホノルル・グアム線などの大平洋リゾート路線を中心に運航

沖縄をベースとして、国内各地と沖縄の島 を々結ぶ路線を運航

大阪をベースとして国内ローカルネットワークを中心に運航

リージョナルジェット機にて、名古屋・伊丹を拠点に運航

沖縄の美(ちゅ)ら島を中心に、南西諸島路線を運航

鹿児島・福岡・大阪を中心に西日本ローカルネットワークや鹿児島/奄美諸島などを運航

新千歳・丘珠・函館・釧路などを結ぶ道内7路線を運航

2004年5月現在

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2004.9.広報部