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Page 1: kendal walk jul06 - Visit The English Lake District of Kendalとい うお店がある。日本で も知る人ぞ知る1891年 開業の紅茶・コーヒー の老舗。店中にはアン

湖水地方の歴史発見散歩道

緑の丘に囲まれたケント川のほとりにある湖水地方の市場町、ケンダル。中世には羊毛産業の中心地として

栄え、「オールド・グレイ・タウン」として親しまれてきたこの町には、灰色の石造りの家が連なり、昔ながら

の趣のある町並みが残る。思わず誘い込まれてしまいそうな細い石畳の路地、丘の上にたたずむケンダル城

の廃墟―。マーケット広場では活気のある日常生活が繰り広げらる。

ケンダルをぐるりと巡るこのルートでは、湖水地

方の歴史・文化に触れながら自然とカントリーサ

イドのライフスタイルを堪能できる。観光客には

あまり知られない隠れスポット、「アボットホー

ル美術館」や「湖水地方の歴史博物館」、サーペン

タインの森、そしてかわいいお店やティールーム

を訪れる。

自然と美術があふれる街ケンダル

www.kosuichihou.com ウォーキングガイド(6)

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ケンダル駅

2時間弱(美術館訪問や休憩の時間を含まない。)

低(全ルート舗装路または整備されたフットパス。急な上り坂が途中2、3箇所ある。)

履き慣れた靴/スニーカー、傘/雨具、重ね着できる防寒着、帽子(日よけ・雨よけにもなる)など

ケンダルは湖水地方の南の玄関といわれ、オクセンホルム駅から観光の中心地ウィンダミアに向かう途中にある。ウィンダミアから電車で15分ほど。ケンダル駅を出て坂を下るとStation Roadに出る。この道をCounty Ho-telに向かって渡りその横を通るWildman Streetに入る。

出発・終了地点:

所要時間:

難易度:

適切な服装:

橋の手前で横断歩道を左に渡り、公園の中の川沿いの歩道を歩く。

200mほど下流の歩道橋で対岸に渡り左方向に歩く。右側の道路をはさんでそびえるのは地元で採石された石灰岩のカトリック教会The Church of Holy Trinity and St George。ケンダルの著名な石工・建築家ジョージ・ウェブスターによって1837年に完成された。

川沿いに200mほど進み道路を渡って左手の歩道に入る。川を挟んで左手にケンダル城址を見ながら下流に進む。ケンダル城は12世紀末に建てられ、数世紀にわたってこの地方の豪族の拠点となってきた。イギリス国教会を設立したヘンリー8世の6人目で最後の后キャサリン・パーの一族もここに住んだ。16世紀ごろ廃墟と化した。

コレクションには、湖水地方出身で18世紀英国の代表的肖像画家ジョージ・ロムニーの傑作数点やジョン・ラスキンの水彩画を含める湖水地方の風景画がある。ベン・ニコルソンの油彩画やピカソの版画など近現代英国を代表する芸術家たちの作品も含まれ、思いがけない傑作に出会える。遠方から集客する見ごたえのある企画展も要チェック。www.abbothall.org.uk

美術館のカフェは地元の人に人気。ギャラリースペースにもなっており、気に入った作品があれば購入できる。散策を続ける前に館長夫人の手作りケーキで一休み。ランチメニューも充実。

200年以上にわたって人々の暮らしで使われてきた骨董品や珍しいものが展示され、この地の風習や伝統的産業を物語る。湖水地方を舞台に「ツバメ号とアマゾン号」という子供の冒険小説を書いたアーサー・ランサムの書斎が再現されている部屋もある。湖水地方についての面白い事実やちょっと疑問に思っていたことがこの博物館で解明するかも。

美術館の隣の教会も時間があれば見学する価値あり。最も古い中央部は800年前ケンダル城とほぼ同じ時期に建てられた。何世紀にも渡って増築され国内で最も幅の広い教区教会となっている。

10mほど進むと右側にCastle Dairyという家がある。これはケンダル最古の現存家屋で14世紀前半に建てられた。ケンダル城主の未亡人たちが住んだといわれる。現在はレストランとなっている。

川の西岸にはアボットホール公園が広がる。公園の中に立つ優雅な古典様式の建物は地元の名士ジョージ・ウィルソン大佐の邸宅として1759年に建てられた。以後、土地の有力者たちによって所有されてきたが、1962年より「アボットホール美術館」として公開。 www.lakelandmuseum.org.uk

アボット・ホール美術館の向かいに建つのは、かつての厩舎を改装した湖水地方の生活・歴史の博物館 The Museum of Lakeland Life。

元気のある人は城址まで登ってみよう。400mほど下流の歩道橋を渡りParr Streetに入っていくと頂上までフットパスが続いている。ここからの360度のパノラマは見ごたえがある。

この川はケント川と呼ばれ、源流は湖水地方の山間。釣りをしている人を見かけるが、鮭や鱒を捕っている。清流にしか住まないザリガニの一種「クレイフィッシュ」の生息地で、EU自然環境保護地区となっている。

アボットホール美術館と博物館の両館ご入館の場合は割引料金。

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この建物は19世紀半ばビール醸造所として建てられた。今は映画館、ギャラリー、アートスタジオ、レストラン、バーなどが一緒になった総合施設になっており、地元の人々の憩いの場となっている。バーにある古い醸造樽を改造した座席がユニーク。

中庭を横切って階段を上り切り非常口を出る。

塀の外を左に数十歩行くと右手に細い階段があり、これを登るとCastle Howeと呼ばれる広場に出る。目の前の塔はもともと11世紀ごろノルマン人のイングランド征服の時期に築かれた砦があった場所。後ろを振り返ると、街を挟んで真向かいにもうひとつの城塞ケンダル城がある。

階段を上り切って左折、すぐ次の分岐点で中央の小道に入る。神秘的な森をどんどん奥に進んでいくと10分ほどで開けた草原に出る。目の前には丘陵地に抱かれたケンダルの情景が広がる。眺めに見とれていると、犬を散歩中の地元の人が「ハロー」と声をかけてくるかも。

そのままフットパスを北に進むとBeast Bankという通りに出る。かつて市場に出される羊や牛が行列を作り移動していた道でこの名称にその名残がある。(「Beast」には「家畜」という意味もある。)反対側の歩道に渡り左に30mほど坂を上がる。

道路に出ると、左斜めの下り坂Serpentine Roadに入る。20mほど下ると右手に細い階段が街に向かって続いている。階段は枝分かれして家の間を縫うように通っている。どの行き方を選んでも最終的にLow Fellsideという細い通りに出る。右方向に10mほど行くとスーパーマーケット「BOOTHS」が左手に見える。

駐車場を横切り地下の「ARTI-SAN」というお店に立ち寄ってみよう。ここは地元の特産物の専門店。中のカフェではこの地域で生産される原材料や食品を使ったこだわりのメニューが楽しめる。

新鮮な空気でリフレッシュしたら、もと来た道を引き返し階段を下って森を後にする。

行き止まりを右に曲がり坂を上っていく。左手に見えてくる草原ではその昔ロビンフッド伝説にも登場するケンダル・グリーン(地元特産の緑の布)を乾かしていた。その背後に広がるのがサーペンタインの森。

草原の隅にある階段を上って森の中へ。

大通りに出ると、17世紀の家屋を改装したFarrers of Kendalというお店がある。日本でも知る人ぞ知る1891年開業の紅茶・コーヒーの老舗。店中にはアンティークの紅茶の容器やコーヒーの豆を引く1853年製の器具などが見られる。

スーパーを後にして街の中心に向かう。

大通りを南に下っていくと時計台を冠したひと際そびえる建物がある。このTown Hallはヴィクトリア女王時代に建てられたもの。ここの一階がツーリスト・インフォメーション・センターとなっている。ケンダル独特のちょっとしたお土産も見つけられる。毎時定刻になると時計台の鐘が毎回違ったメロディーを奏でてくれる。

ケンダルには骨董品のお店や、モダンなデザインを集めた雑貨屋、グリーティング・カードの専門店、異国情緒のあふれるギフト・ショップなどが立ち並び、観光地ではあまりないような物が見つかる。大通りから細い路地に入っていくと思いがけないところにパブやティー・ルームを発見する。大通りの散策を楽しんだら、マーケット広場に向かう。

マーケット広場を奥に進み右手の石畳の坂道を下っていくと左手にThe Famous Chocolate Shopというチョコレートの専門店がある。1657年に建てられた石造りの家はかつて街のパン屋さんだったそう。当時の衣装をした店員さんが迎えてくれる。二階のカフェでホット・チョコレートなども楽しめる。

チョコレート屋さんの角を左に曲がりStramongateという通りを下っていく。押しボタン式横断歩道を渡り、右手に見えるケンダル城址に名残を惜しみながらケント川の橋を渡る。初めに通った道に戻ってくるので、そのまま直進しケンダル駅に向かう。

博物館を出て大通りHigh Gateに出る。この道を右方向に進むと200mほどのところで左手にアートセンターBrewery Arts Centreがある。