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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー 久留米大学

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2017(平成29)年度

点検・評価報告書サマリー

久留米大学

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目 次

大学全体 ................................................................ 1~2

学部・研究科

文学部 ................................................................... 3

人間健康学部 ............................................................. 4

法学部 ................................................................... 5

経済学部 ................................................................. 6

商学部 ................................................................... 7

医学部医学科 ............................................................. 8

医学部看護学科 ........................................................... 9

比較文化研究科 .......................................................... 10

心理学研究科 ............................................................ 11

ビジネス研究科 .......................................................... 12

医学研究科 .............................................................. 13

関連部門

学生部 .................................................................. 14

就職部 .................................................................. 15

附属図書館 .............................................................. 16

御井図書館 .............................................................. 17

医学図書館 .............................................................. 18

教育・学習支援センター .................................................. 19

IR室 .................................................................. 20

入試実行委員会 .......................................................... 21

外国語教育研究所 ........................................................ 22

国際交流センター ........................................................ 23

地域連携センター ........................................................ 24

財務部経理課 ............................................................ 25

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(大学全体)

状 況

本学は、学長のリーダーシップのもと、自己点検・評価の内部質保証を構築し有効に機能

させるため、各学部・研究科に設置した「個別自己点検・評価委員会」でそれぞれの点検・

評価の結果をとりまとめ、「大学専門自己点検・評価委員会」で学部・研究科間の調整を

行い、附属病院や附置研究所も含めた全学的な検討を行う「全学自己点検・評価委員会」で

審議し、大学の改善・改革の方策を検討・提起している。

2013(平成 25)年度に大学基準協会の大学評価(認証評価)を受審し、2014(平成 26)年

3 月に、大学基準適合認定を受けて以降、同協会が行う大学評価の 10 の基準に対して、

当該年度の状況とその根拠資料を記載し状況の評価を 4 段階で行う「点検・評価シート」と、

PDCA サイクルを可視化するため、2013 年度の同協会による第 2 期認証評価で指摘された

努力課題を含め、前年度の発展方策(目標と計画)に対する計画実施および目標達成の状況

とその根拠資料、その点検・評価を受けての発展方策を記載した「改善・活動シート」の 2種類

の報告シートを作成し、点検・評価活動を行っている。さらに、2013 年度以降、外部評価委員

会において、学外者の意見を聴取し、改善活動の評価を行っている。

入試に関しては、学長を入試本部長とし、そのもとに設置した大学入試委員会、入試実行

委員会、学部毎に設置した入試検討委員会を設置している。さらに、今後の入試制度改革の

動きに適切に対応していける体制作りとして、2016(平成 28)年 10 月に、高大接続システムの

改革(文部科学省)への対応事項を含む重要課題に取り組むため、学長、御井キャンパス

担当副学長、文系各学部長、入試実行委員長等を委員とする文系入試改革委員会を大学

入試委員会の下部組織として設置し、久留米大学の入学者選抜に係る組織体制を整えた。

経営管理に関しては、法人主導により、短期的視点と中・長期的視点の両方の視点を

持って対応できるよう、予算編成および執行管理に関する抜本的な業務改革、将来構想の

策定および目標管理、ならびに事務組織体制の整備を行っている。

以下に大学全体としての 2017(平成 29)年度の点検・評価活動を、2014 年度の大学基準

協会による認証評価で指摘された努力課題への改善活動、および 2016 年度点検・評価報告

書サマリー(大学全体)に記載した発展方策を中心に要約する。各学部・研究科・部署等に

おける具体的な点検・評価活動については各サマリーを、点検・評価状況および大学基準

協会による認証評価と外部評価で指摘された事項の改善・活動の進捗状況については別添

資料を参照していただきたい。

点検・評価

(1)2012(平成 24)年以降、久留米大学基本構想策定会議では、久留米大学の基本理念を

実現するために教育、研究、医療、社会貢献という 4 つの分野でのビジョンが掲げられ、その

実現に向けた取り組みがなされた。その成果は 2016 年に「最終報告書」という形でまとめ

られ、全項目の 8 割で成果が出ている。それを受けて、2017 年に将来構想策定会議が答申

書をまとめ、今後の 5 年間の基本構想を策定した。今後はこの構想の実現のために、全学的

な取り組みを行っていく。

(2)第3期認証評価においては、組織体制の有効機能が重視され、内部質保証に責任を

負う組織(全学内部質保証推進組織)の整備が求められていることから、大学専門自己

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点検・評価委員会において意見集約したものを、内容に応じて、該当する組織へ意見・要請

等を行う方法で進めていくことを 2017年 4月に決定した。

(3)「学位授与方針」を含む 3つのポリシーについては、学長の下に開催される学部長会議

において、適切な策定について周知を行い、中央教育審議会のガイドラインを基に、3 つの

ポリシーの一貫性も考慮し、各学部において見直すことを確認した。2016 年 3 月に、大学

全体として「教育改善に向けた自己点検・評価」に関する FD・SD 研修会を開催し、3 つの

ポリシーの設定とそれらの整合性を確認した。その結果、指摘された学部・大学院の学位授与

方針を改正し、学生便覧、学修ガイドブック、シラバス、大学ホームページ等に掲載している。

(4)研究指導計画および学位論文審査基準については、各大学院の課程博士の授与

規程の改正を行い、学生便覧、大学院カリキュラム等に掲載している。

(5)学部の入学者全体および在籍者の定員管理はできているが、大学院および編入学生

に対する学生比率については、依然として低い状態にある。

(6)学生の生活・修学および進路に関する総合的な支援を行うため、学生支援室を

2016 年 4 月に設立した。学生支援室について理解を深め、今後の学生支援を一層すすめる

一助にするため、2017 年度第 3 回 FD・SD 研修会で、学生支援室が諸機関と連携を通じて

支援を行った事例の中から 2件を例にとり、学生支援室の具体的な活動の説明があった。

(7)キャンパス整備計画に応じた特定資産の確保が行われている。しかし、法人の 2016 年

度における事業活動収支差額はマイナスとなっており、目標としている事業活動収支差額

比率に及ばない低い状況が続いている。

(8)第 3 期大学評価の新たな評価基準に従い、これまでの2種類の報告シートを「点検・

評価シート」1つにまとめ、これまでの改善活動で、理念・目的の実現に資する事項や高等

教育において先駆性または独自性のある事項で有意な成果が見られるもの(長所・特色)、

および基礎要件や大学としてふさわしい水準を確保するうえでの問題点の記載を行って

もらった。さらに、2018(平成 30)年 5月 1日現在での状況を基礎要件シートにまとめた。

発展方策

(1)第 3 期は、「3 つのポリシーの有効的機能」、「学習成果の可視化」、「合理的配慮」、

「PDCA が機能しているか」が大きな柱となることから、それらの理解を深めるため FD・SD 研修

会等を開催する。また、報告書も大学全体としての活動を記述し、各部署の点検作業を「基礎

要件確認シート」に記入したもの、これまでの改善活動の長所・特色、および問題点を基準毎

に記載したものを作成し、厳選した根拠資料(PDF)とともに提出することになるので、講習会

等を開催し、周知を図っていく。

(2)第 3 期の基本方向において重要な論点となっている学習成果を測定する指標に

ついて、学部・研究科での個別な具体的指標の検討に加え、ナンバリング、ルーブリック評価

等、大学全体で取り組む。

(3)中央教育審議会大学分科会大学教育部会が 2016 年 3 月 31 日に示した 「卒業

認定・学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」および「入学者受入れの方針」の

ガイドラインを遵守した 3つのポリシーの策定と運用を行うとともに、大学全体で、これら 3つの

ポリシーの検証と相互関連性の改善に向けた取り組みを行う。

(4)2016 年 4 月 1 日に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行された

ことを受け、学生支援室を中心に、大学全体として合理的配慮の実施体制を整える。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(文学部)

状 況

大学基準協会による第2期認証評価(2013年度)において、(1)学位授与方針が、人材養成

の目的との区別が明確でなく、入学時に習得しておくべき知識・能力などについての表現が

抽象的である(基準4、5)、(2)科目間の関係性や順次性など、学習の道筋について一目で

理解できるものを整備する必要があり、学習成果の評価指標も十分とは言えない(基準4)、

(3)卒業率に関して十分な水準にあるとは言えない(基準4)、(4)社会福祉学科の過去5年

間の入学定員に対する入学者数が高く、また、編入学定員に対する編入学生数比率が低い

状況となっている(基準5)、(5)教員組織の編成方針について明確なものがなく、求める教員

像の基本的な考え方はまとめられているものの、教員配置等を扱うものとなっていない(基準

6)、 (6)教員データベースの充実を図り、教員の研究活動改善への意欲をさらに高める必要

がある(基準6)、との指摘を受けた。文学部戦略会議(現在は運営委員会)では、これらの

指摘事項を中心に改善活動を行うことを決定した。

点検・評価

第2期認証評価、およびその後に行われた外部評価委員会からの指摘に対する改善活動と

して、(1)2014年9月の戦略会議において、大学基準協会の定義に基づいた3つのポリシーを

2016年までに作成することを決定し、文学部 FD 会議で検討を重ねて、2016年12月の拡大

教授会で承認した。2017年度から文学部公式ホームページ、大学案内等に記載し、また、

各学年のゼミなどの授業を通じて学生に周知させている。(2)カリキュラムツリーを学修ガイド

ブックに記載し、学修シラバスブックに事前・事後学習、評価方法を記載した。ただし、学習

成果については、一部学科で試行されているが、不十分である。(3)文学部の過去4年間の

卒業率は、90%であり、依然として低い状況である。(4)2014年度の文学部入試検討委員会

より、歩留まり等、過去の入試データを分析、活用し、上限値1.20を段階的に実践するように

努めてきた。その結果、2017年度までの過去5年間の平均値は1.17となり、適正な水準を

保っている。編入学生については、文学部拡大教授会で2016年度から編入学者の定員化

廃止を承認したが、新学部構想による学部改組等に伴い、2015年10月の入試検討委員会に

おいて、定員化見直しを撤回したため、依然として編入学生比率は低い水準のままである。

なお、2018年度に編入学者の定員化を廃止する予定である。(5)新文学部構想委員会、

運営委員会を中心に検討を重ね、2017年9月の文学部拡大教授会で、文学部教員組織編成

の方針を承認し、この方針に基づいて人事を進めることとした。(6)教員データベースへの

2017年度までの登録者数は43名の教員中37名となり、2013年(48名の教員中35名)より大幅

な改善がみられた。また、(7)第2期認証評価で評価された文学部産学連携の酒活、スイーツ

プロジェクトに続き、筑後工芸プロジェクト(はじめてのくるめかすり、八女手漉き和紙)を開始した。

発展方策

そこで2018年度は、これまで構築してきた内部質保証システムを有効的に機能させ、2020

年度に行われる大学基準協会による第三期認証評価に向け、(1)3つのポリシーの整合性の

検証システムを構築する。(2)IR室および学生支援室と連携し、目標値を設定して休学者・

退学者を減少させる。さらに、(3)学習成果を明示し、評価方法や指標を開発する。(4)大学

が提供すべき障がいのある学生に対する合理的配慮の実施体制を整える。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(人間健康学部)

状 況

人間健康学部では、「乳幼児から高齢者までの健康づくりに貢献できる人材を養成する」と

いう目的に沿って以下のような取り組みを進めてきた。1)学部、学科毎の目的および 3 つの

ポリシーを再検討するとともに、学生受け入れの方針に基づいた各種入試における学生募集

方法および入学者選抜制度を検討する。2)学部理念に従った教育を実現するために、学位

授与方針に基づいた教育課程の編成・実施方針の改善に取り組む。3)学生の修学、学生相

互の親睦を図るなど、学生生活を様々な面から支援する体制を整備する。4)教育研究活動に

関する環境や条件を適切に整備する。5)学部開設理念の中心的課題のひとつでもある社会

連携・社会貢献を視野に入れて、大学での教育を社会に還元する環境整備に取り組む。

点検・評価

1)学部・学科の目的および 3 ポリシーについて見直しを行い、それらを複数の媒体を通して

広く社会に公表した。学生の受け入れに関しては、入学試験の状況および結果について学部

入試委員会および学部全体の会議において報告し、情報共有しながら入試の方法、結果に

ついて点検・評価を行っている。

2)教育課程の編成・実施方針の改善に関しては、カリキュラムツリーや履修モデルを作成し、

履修指導を行っている。また、教育課程の検証、教育効果を高める授業方法の改善のための

検討チームを編成して取り組んだ。教育課程および内容、方法の適切性の評価として授業

評価アンケートを実施し、高評価の教員を表彰する制度を設定し、前・後期に各 2 名を表彰

した。

3)学生生活の支援に関しては、学部学生の自治組織として「学生活動振興会」を立ち

上げ、様々な活動を通して学生相互の親睦を図ることができた。また、成績不振の学生指導

のための面談基準、面談方法、面談担当者を決定し、報告書の書式を整えて年度末に対象

者の 面談を実施し、問題の所在を学生とともに確認できた。

4)教育研究活動の整備として、学部内に学部 FD 委員会を設置し、委員会を定例で開催

してきた。その結果、学部共通オムニバス授業に関する学部内 FD 研修会の実施、学部非常

勤講師への授業に関する意見聴取アンケートの実施、学部独自のチェックシートを用いた

シラバスチェックの実施などを通して教育研究活動の環境整備を進めることができた。

5)社会貢献活動として、総合子ども学科は、市の「子ども未来部」と連携し、こども子育て

サポートセンターの活動に積極的に関わり、スポーツ医科学科は地域の各種スポーツチーム

と連携強化を図っている。また、両学科とも近隣小学校の授業に学生・教員が参加・援助する

ことで社会貢献活動に取り組んできた。

発展方策

学修成果を評価するための指標として学部・学科で統一したものがないので、今後、2 年次

から 3 年次への進級時に学修成果を把握・測定する方法について検討する。成績不振者の

面談方法に関しても、さらに検討を進めるとともに、情報共有のための学生ポートレートを活用

する。両学科ともに特性を活かした社会連携活動を行っているが、両学科が効果的に協働

する体制が十分ではないので、子育て・教育と健康・スポーツ活動の支援を軸に両学科の

特性を効果的に組み合わせた社会貢献活動が望まれる。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(法学部)

状 況

平成29年度は2年進級時に学科を決定する新カリキュラムが3年目を迎えた。1年生の10月と

2年進級前に説明会を行い、コース制度やプレ法職課程を含めた新カリキュラムへの理解を

深めるよう努めた。本年度は初めて学科希望において選考を行い、国際政治学科希望の

学生を法律学科に割り振った。また一昨年度から開設した教室外のアクティブラーニングとし

ての海外体験実習・国内体験実習や地域産業界・海外大学と連携した学生学部行事

(絣フェスタ)にも継続して取り組んだ。今年度より学生に対する担任制を導入し、原則として

演習担当教員が担任となった。担任は学生情報を集約した学生ポートレートの利用が可能と

なった。また学生支援室の担当者と、学部の学生・教務担当者の情報交換の機会が設け

られ、より一層の学生支援の強化が図られた。学修面では今年度も昨年度同様、平成24年度

のカリキュラム変更の効果による卒業率の改善傾向が見られる。また学部に FD 委員会を設置

し、全教員参加の下で、教員の資質向上を図る取り組みを行っている。学生受け入れでは、

平成29年度入試で 定員超過率を超えた入学者を受け入れることになった。

点検・評価

自己点検評価で改善課題としてあげるべきことは、教員組織面では法科大学院との統合を

見据えた協力体制の強化、教育課程の面では、教育学習支援センターの共通教育科目を

はじめ学部を超えた教育課程と学部専門教育との接合の検討、学生支援の面では、学生

情報を利用した学修指導の経験を生かした学務システム運用の検討、学生受け入れの面で

は、定員削減の方針に対応した編入学試験制度に対する見直しと、国が目指している新入試

制度・高大接続への準備である。

教員組織面では、法科大学院教員が兼担教員として法学部の委員になり、学部の運営に

積極的に関わることになった。教育課程では、教育学修支援センターの共通教育科目体系の

学部専門教育との接合は、学部入試一本化に対応した教育科目編成の改定による影響が

完結する来年度を目途に準備を進めることとし、学部を越えた教育課程として開設された法律

学全学副専攻課程が他学部学生の参加を得て実施された。平成29年度更新の学務システム

に織り込まれた学生ポートレートは、担任制の導入によって、これまでの試験的段階を

超えて、学修指導に実際に利用されるようになった。学生受け入れでは、編入学定員削減の

実施時期は、新学部開設後の状況を評価してからとすることとし、また新入試制度・高大接続

への対応は、国の方針確定を待って平成29年度から取り掛かることとした。

発展方策

平成30年度の発展方策としては、教員組織面では、法科大学院の閉校に伴う法科大学院

教員と学部教員の一体化による教員組織の一層の強化、教育面では、完成年度となる

新カリキュラムの円滑な運営、共通教育と学部専門教育の接合の検討、学生ポートレートを

より積極的に活用した担任による学修指導の強化、学生受け入れの面では、新入試制度・

高大接続への準備を含めた入試制度の検討と厳格な定員管理により適切な数の入学者を

確保することである。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(経済学部)

状 況

経済学部では、「地域で活躍できる実践的人材の育成」という目的に沿って、修了者に

求める具体的な能力をディプロマ・ポリシーに掲げ、その修得を目指した詳細なカリキュラム・

ポリシーを設定するとともに、次のような取組を進めてきた。1)教育課程・学習成果について

は、「単位の実質化」に向けた要請(2016 年度外部評価報告書)と「成果の可視化」に向けた

要請(2017 年度外部評価報告書)に引き続き応える。2)学生支援では、成績不振者の個別指

導と留年率改善に、就職支援についても就職率の向上に向けて、引き続き努める。また、3)

学生受入については、2013 年に実施された大学基準協会の第三者評価において指摘を

受けた「編入定員の未充足」に対しての充足率の改善、及び 2017 年度入試の入学定員充足

率が経常補助金取り扱い基準(1.24 未満)を上回ったことから定員管理についても引き続き

改善に努める。

点検・評価

1)教育の学習成果に関連して、授業アンケートの設問『到達目標の達成状況』は前期

3.18(前年度3.13)、後期3.23(前年度3.20)、また「振り返りシート」の結果によれば、「問題を

発券・分析する能力」・「コミュニケーション能力」については学年が上がるに従って自己評価

はより高くなり複数年に亘る学修効果が現れている。 2)学生指導では、GPA を活用して成績

不振者に対し演習担当者と学生委員・学生課職員による個別面談指導制度が整備され、

また、2016年度に設置された学生支援室でも学生指導に当たり、カウンセラーからの助言も

演習での学生指導に活かされている。3)学生受入では、編入学生定員の未充足が課題で

あったが、編入学生数の確保のため本学別科を指定校化し2018年度入試で実績が出て

いる。また人間健康学部創設に伴い、2019年度入試よりスポーツ推薦をAO入試に切り替える

ことになった。

発展方策

主な方策として、1)の教育成果については、複数年次に亘る「学修振り返りシート」・「授業

アンケート」(2016年度後期分からの公表が承認済み)・「シラバス」情報等の分析を進めて、

ラーニング・アウトカムの点検・学修指導体制を昨年度に引き続き整え、更に個別の授業科目

の点検と奨励できる授業方法のナレッジ共有化等を含む FD 活動の拡充に繋げていく。2)の

学生指導では、引き続き成績不振学生に対する個別面談指導に当たる。その際、2017年度

から取り組まれている学生ポートレートの学修ポートフォリオ機能についても引き続き検討

する。3)の学生受入については、編入定員の確保に向けた新規開拓を引き続き検討し、また

入学定員充足率が経常補助金取り扱い基準(2018年度は1.20未満)を満たすように、定員

管理についても引き続き注視していく。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(商学部)

状 況

商学部の理念は、「新しい社会をひらくビジネス・リーダーの育成」であり、これに基づき

「ビジネス社会の担い手となる人間性豊かな実践的人材の教育を通して、広く社会全体の

発展・向上に貢献する」ことを教育目的としている。商学部の理念・目的の設定は適切になさ

れており、大学・入試案内や商学部ホームページ、さらに学部関連行事を通して、構成員

(教職員および学生)に対して周知されており、媒体を介して社会に公表されている。

商学部の理念に共感し、専門領域における高度な研究能力と実務能力を有する人物を、

大学(商学部)として求める教育像としている。商学部の教育課程が、経営学の分野、商学の

分野、会計学の分野で構成されているのに応じて、教員組織も明確に経営学系、商学系、

会計学系に分けられており、それぞれ役割の分担を行っている。

商学部の在籍教員は大学設置基準の必要数を満たしている。新任教員の採用の際には、

平成29年度に導入された教員組織編成方針に従って、特定の年齢層に偏らないように配慮

した。また、3つの学系の構成に基づき、バランスを考慮しながら採用人事を行った。

学生の受け入れ方針は、商学部の理念を実現するために「多様で意欲ある人材の受け

入れ」を目指して、「多様な素質・素養を持った人材を評価し、受け入れること」であり、この

方針を明示している。

シラバス(授業計画)の明確な記載、授業改善アンケートの実施、学修ふりかえシート(簡易

版学修ポートフォリオ)の導入と運用(一部修正)、定期的なFD委員会の開催等、教育成果の

検証とその結果の改善に努めている。

平成28年度においては、平成27年度と同様に、①AO入試およびスカラシップ入試を採用

し、また②学部・修士5年一貫修了制度を活用して大学院ビジネス研究科との連携強化を

図っている。

点検・評価

商学部における点検・評価は、学部長、学生・教務・就職・図書の各委員長、研究科長、

研究所長、入試検討副委員長、FD副委員長から構成される自己点検・評価委員会を定期的

に開催して、現状の把握、問題点の分析、改選案の提案、次年度以降の対応状況、構成員

の情報の共有化等の課題を取り上げて議論を行っている。

また、毎年、定期的に委員会を開催して、自己点検・評価報告書を作成する作業を繰り返す

ことによって、点検・評価の着実な改善に結びついている。

発展方策

平成29年度における進行中の活動として、前年度において議論できなかった案件等に

ついて、機関決定を行う予定である。

学生の受け入れ方策として、新たに導入したAO入試制度の発展的活用について、推薦

入試との相関関係を分析し、有効な活用を行う予定である。また、推薦入試の指定校枠を

見直し、学生募集の長期的な安定化に務める。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(医学部医学科)

状 況

大学認証評価(平成 25 年)、外部評価等で指摘を受けた懸案の事項について、本年度の取り

組み状況を以下に示す。

教員組織の編成方針、求める教員像については本年度、明文化して医学科HPに公開した。

学位授与の妥当性の検証について、医学科卒業生の医師国家試験(平成 30年 3 月)不合格者が

18名に及んだ結果は、学位授与の妥当性の検証が強く求められる。

収容定員に対する在籍学生数比率に関して、前年度の活動計画では、成績不振者対策を徹底

し、留年(とくに卒業延期)になる学生を減らすことが挙げられていたが、2017 年度の在籍学生数

比率は 1.06 であり、昨年度の 1.03 と比べてやや悪化した。学習環境や授業内容の改善、成績

不振者に対する合同学習会や合宿講義など、留年や卒業延期になる学生を減らして在籍学生

比率を下げる方策は、今後も継続する。

点検・評価

例年どおり理念·目的について、年度初めに教授会等で確認·周知を行った。内部質保証に

関して、前年度に引き続き検証システムは自己点検評価委員会、外部評価委員会等を設置し整備

しているが、検証結果をフィードバックさせる仕組みが十分に機能していない。

教育に関して、特に効果的な教育措置として、学習成果を卒業時コンピテンスとしてカリキュラム

ブックに記載し、すべての教育活動がこの目標に向かうようにした。カリキュラムブックと一体に

なった教育サーバーを増設し教育情報(予習項目等)の充実を図った。また、学生によるレポート

提出、フィードバックがネット上で行える環境整備、さらに問題プーリングシステムを構築し国家

試験対策などに利用可能となった。教育課程の内容、方法の適切性についての点検·評価に関し

て、平成 29 年 8 月に「カリキュラムワークショップ」を開催した。医学科教職員学生等90名が参加

して、アウトカム基盤型教育をもとにらせん型カリキュラム等について熱心に討議した。学生の受け

入れについて、アドミッションポリシーを募集要項や本学ホームページで公開している。また、入試

検討委員会で入学者選抜方法の適切性の検証は行っているが、成果を得るにはまだ時間を

要する。教員·教員組織について、医学部規則等で必要な教員像を示し、募集·採用·昇格は適切に

実施している。学生支援に関して、学内コンサルタント制度、学年担任制は十分に機能している。

学業不振者、留年者に対して、保健相談室と連携を図り、多角的な視点から支援を行い、生活・

学業等の改善を目指している。

社会連携·社会貢献について、毎年度医学部関係部門が久留米大学公開講座に参画する。

また、各講座等が医学・医療情報を啓発するため学外で積極的に講演会等を開催している。

発展方策

教育について、取り組むべき喫緊の課題は、医学教育分野評価の受審(平成 31 年)である。

ついては、医学科全教員の JACME 分野別評価の共通認識を得るため、平成 30 年 8 月に医学

教育ワークショップを開催する予定である。既に、医学科教育評価委員会が平成 28 年度より活動

を始めており、今後はさらに医学科全科一丸となって同受審に取り組む体制を強化・構築する。

内部質保証については、医学科自己点検・評価委員会で大学基準協会が定めるところの項目に

ついて、公正・公平に評価して医学科教授会へ報告しているが、その後の PDCA サイクルを円滑

に回すまでには至っていない。今後、改善アクションをスムーズに実行するための体制構築の検討

が必要である。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(医学部看護学科)

状 況

平成 29年度において、多くの事項では平成 28年度と同様に、これまでの方策を維持・継続

することに努めた。改善活動に関しては、主に次のことを計画し実施を試みた。(1)教員の

編成方針を明確にする。(2)学位授与方針の検証体制に関して評価の継続性を担保する

ためのカリキュラム検証体制を構築する。(3)教養教育の位置づけの明確化について検討

する。具体的には、カリキュラムにおける教養科目「感性と創造」の教育内容と教育目標・学位

授与方針との整合性を検証する。(4)単位の実質化について、履修単位数の上限について

学生及び教員に周知を徹底する。(5)研究専念時間の確保について、FD 委員会ワーク

ショップ等での検討を継続する。(6)在外研究制度について教授会等で検討を継続する。

点検・評価

(1)について、文部科学省から発表された看護学教育モデル・コア・カリキュラムを踏まえ、

カリキュラム検討プロジェクトメンバーにより新カリキュラムに向けて本格的に討議を始めた。

カリキュラム検討プロジェクトメンバーからの検討内容の説明会及び全教員で検討会を開き、

現行の問題点及び今後の方向性について討議した。これを基盤として教員の編成方針を

明確にする方向で今後進めて行く。(2)について、昨年度に引き続き、カリキュラム検証

システムを用いた実施と評価を教務委員会の年度目標とし、看護学科各委員会による

カリキュラム検証を実施し、教務委員会では全体を総括した。昨年同様に、カリキュラムマップ

をカリキュラムブックに掲載し、学位授与方針と全科目の教育内容との周知を図り、安定的な

運営ができるように務めた。(3)について、カリキュラム検討プロジェクトメンバーにより、慎重な

検討を開始し、平成31年度の新カリキュラムに向け全教員で検討を続けた。(4)について、

昨年度に引き続き、久留米大学医学部規則及びカリキュラムブックに掲載した。これらを利用

しガイダンスを行い、学生及び教員に周知を徹底することができた。さらに、授業時間を厳正

に確保した。(5)について、全教員が参加する FD ワークショップを開催し、「研究時間を確保

するために業務を見直す」というテーマで検討した。そこで重要な問題点が抽出された。これ

を改善に向けて実施するために教務委員会等へ提言した。現実化に向け、今後も引き続き

検討を要する。そのような状況でも、平成29年度は科研費の獲得が増え18件にのぼる交付

があった。(6)については、今年度も検討できなかった。しかし、教員各自が専門の学術学会

やワークショップには参加し、研鑽を積んだ。FD 委員会の教員研修は、今年度新人教員から

1名が1日の全国規模の研修に参加した。

発展方策

平成 29年度の自己評価を踏まえ、平成 30年度は、昨年度同様に全般的に正しく方向付け

られたこれまでの方策を円滑に維持・継続することに努める。

一方、平成29年度4月に大学基準協会より第3期認証評価についてのガイドラインが公開

された。その中で、第3期認証評価では内部質保証システムが構築され有効に機能させて

いるかどうかを重視することが示されている。したがって、この方針に沿い、まず、「理念、

目的」を確認し、内部質保証システムの状況を確認し、「学位授与方針」、「教育課程の編成・

実施方針」、「学生の受け入れ方針」などの方針が適切に設定されているか、そして、それらの

方針に基づき適切に教育が展開されているかどうかを確認していく。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(比較文科研究科)

状 況

比較文化研究科では、定年退職や移動等に伴い、いくつかの学系、特に後期博士課程に

おいて、指導教員の不足への対処や対応が必要となっている。しかし比較文化研究科には固有

のポストがなく、日本文化系と環境学系では、比較文化研究所の教授ポストを借用して担当教員を

採用してきたが、その確保は困難化しつつある。他の学系においては、合併・再編成化も行われ

た。定員に対して在籍学生比率は低位で、それを改善すべく、市長等による推薦入試や長期履修

制度、学位授与基準の明確化、後期博士課程の早期修了化の導入など、社会人の受入等を意識

した強化等を図っている。

点検・評価

このような対応により各学系に一定数の教員は確保できているが、今後さらに定年退職等により

学系の再編、根源的には研究科に所属する固有のポストや予算の確保等が欠かせない。市長

推薦入試は最近実績がなく、長期履修制度も実績が伴わず、社会人入試の充実、また市長推薦

枠の拡大も今までの市役所職員だけではなく、中・高校の教員等、市長・県知事・所属長推薦枠で

の採用、また新たに後期課程での早期修了化の導入の試み等でその拡充に努めている。

(1) 入学者が十分確保されていないコースや学系では、教育課程の編成や実施方針の検討、

(2)社会人向けのカリキュラムの開発、(3)教育課程の編成・実施の周知をさらに図るための組織的

な取り組みの検討や実施も一層必要となっている。

改善・検討が望まれる点としては、(1)学位授与方針と教育課程の編成・実施方針との連関性の

さらなる構築化、(2)教育課程の編成・実施方針の明示化、(3)教育課程と学位授与体制の検討、

(4)教育課程や教育内容の適切化のための議論化、(5)教育内容や方法の検証とその責任主体

の明確化、(6)大学の HP 等広報における学位授与方針と教育課程の実施方針の周知・公表化、

(7)論文、学会発表等成果や実績化への取り組みの強化が必要である。

発展方策

根源的な課題である固有のポストや予算の確保に加え、前期課程と後期課程の受入や教育

課程の編成・実施や学位授与方針の明確化、さらに特に後期課程の学位授与では求められる

成果や水準を明示化したので今後はそれを実践・実現していく。また日本文学・アジア・イスラム

コースを設置しイスラム圏からの教員を雇用したので、さらにコースの充実を図り、大学院の新しい

方向として学生のさらなる増加につなげたい。これにはイスラム圏の教員と院生のための宗教儀式

の場や食事問題をはじめとする課題を解消・緩和化することも重要で、今後さらなる検討や対応が

必要である。また本研究科で学ぶ社会人のための特別な入試制度やカリキュラムをさらに整備・

充実化すべく議論を展開する。学位授与や修了にあたって修得を求められる知識・能力など学習

成果の一層の明示化に努めるとともに、研究発表会等研究科構成員全員が参加する組織的・

実質的な活動を行う、研究科としての取り組みも実践的に実現化する。さらに学位を出せるような

取り組みとして、学位論文基準については、後期博士課程で学問分野ごとの特性を損なわない形

でその基準を明確化できたので、後期課程の早期修了の導入・実現化が展開し出したこととあわ

せて、これまで低位であった学位授与や研究成果を、その実践や実現、さらにはその向上化という

形で、あげ高めたい。

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2017(平成29)年度 点検・評価報告書サマリー(心理学研究科)

状 況

2016(平成28)年度の実績、すなわち自己点検・評価シートと改善活動シートの報告に従い、

今年度に本研究科で取り組むべき主な活動目標を以下のとおりとした。(1)教員組織の編成

方針の明文化、(2)公認心理師資格に対応するカリキュラムの作成、(3)学生支援に関する

方針の作成、(4)教員の研究専念時間の確保、(5)課程修了時の評価指数についての検討で

ある。その他、安定した入学者数の確保は継続課題である。また、国家資格である公認心理

師の受験資格で求められる講義科目や実習に関する詳細が公表され、それらへの対応が

喫緊の課題である。本研究科では、これらの課題の克服に向けて、昨年と同様、ワーキング

グループを活動主体として、研究科全体での検討は大学院拡大委員会および大学院 FD

会議で行うことにした。

点検・評価

(1)の課題については、本研究科の全専任教員が文学部心理学科に所属するため、学部の

人事に連動するものである。今年度は、研究科自体での取り組みはなかったが、母体である

学部における教員組織の編成方針の明文化が進んだため、課題は達成されたとみなされよう。

また、関連事項として学科と研究科が要望する助教の新採用に関しては、積極的に活動した。

(2)の課題については、カリキュラム・ワーキンググループでの検討を重ね、次年度に向けた

学則変更を含めて新カリキュラムを作成した。(3)の課題については、これまでと同様、日常的

な支援は随時行っているものの、支援に関する方針の明確化は検討しなかった。ただし、

昨年度と同様、学生支援の一環として臨床心理士の合格率アップを目指した研修会を開催

した。(4)の課題については、(2)の課題と同様、研究科単独では対応が難しい課題であり、

検討していない。(5)の課程修了時の評価指標については、課題であった博士論文の評価

基準を作成し、併せて論文作成スケジュールも明文化して大学院学生便覧に掲載したので、

課題は達成できた。また、昨年度と同様、前期博士課程2年次の修了時点で学生に業績一覧

の提出を義務づけた。その他、安定した入学者数の確保については、前期博士課程の臨床

心理学専攻においては、これまでと同様、安定した入学者を確保できた。しかし、同課程の

人間行動心理学専攻および後期博士課程においては入学者の確保ができなかった。このこと

については、研究科全体の将来構想を練る上で、必須の検討課題となる。克服しなければ

ならない様々な課題を抱える中で、研究科として最も労力を費やしたのは、公認心理師制度

への対応であった。新カリキュラムの作成、3つのポリシーの見直し、実習先の確保が主な

課題であった。1年間を通した研究科全体での活動の結果、次年度における新制度の実質的

スタートに向けての準備を整えることができた。

発展方策

残された当面の主な取り組み課題は、学生支援に関する方針の作成、および教員の研究

専念時間の確保である。2018 年度においては、前者の課題は生活支援、学習支援、進路

支援のそれぞれに対応するワーキンググループを立ち上げて取り組む。後者の課題について

は、研究科単独での課題解決には難しいものではあるが、助教を採用するなどの人的パワー

の増強を図ることで対応していく。また、これらの課題を確実に遂行するため、EXCEL 改善

シートを活用した内部質保証システムを適切に機能させる。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(ビジネス研究科)

状 況

ビジネス研究科の教育理念は、「新しい社会をひらくビジネス専門職業人・研究者の育成」で

あり、これに基づき「ビジネスに関する高次専門分野の研究・実践教育を通して、専門職業人

及び研究者を育成し、地域社会の発展に資する」ことを教育目的としている。ビジネス研究科

の教育理念・教育目標の設定は適切になされており大学院・入試案内やビジネス研究科

ホームページを通して、構成員(教職員および学生)に対して周知しており、媒体を介して社会

に公表されている。

ビジネス研究科の教育理念に基づいて、専門領域における研究能力、実務能力、経験や

知識などが極めて優秀であり、さらに専門分野の教育においてもビジネス研究科の教育理念

に沿って大学院生を指導できる教員を教育像としている。研究科の教員は、専門分野や組織

的な構成に基づいて、マネジメント・コース及びアカウンティング・コースの2つのコースに

分かれており、それぞれ役割の分担を行っている。

ビジネス研究科の教員は、研究指導教員(14名)及び授業担当教員(7名)で構成されており、

この在籍教員は、大学設置基準の必要数を満たしている。また、ビジネス研究科は、商学部の

教員のうち、ビジネス研究科の教員資格審査を経た教員から構成されている。平成29年度に

商学部で実施した新任教員の採用人事の際には、ビジネス研究科の教員の年齢層やコース

の構成等についても注意を払った。

定期的にビジネス研究科FD委員会を開催して、教育成果等の諸課題の検証とその結果の

改善に努めている。

また、ビジネス研究科の収容定員に対する在籍学生数比率は 0.42 となっている。しかし

ながら、平成29年度においては、前年度に導入した学部・修士5年一貫修了制度を利用した

商学部の学生が本研究科を入学試験に合格するなど、今後、定員充足率の改善が期待される。

点検・評価

ビジネス研究科における点検・評価は、研究科長、学部長、学生・教務・就職・図書の各

委員長、研究所長、入試検討副委員長、FD副委員長から構成される自己点検・評価委員会

を定期的に開催して、現状の把握、問題点の分析、改選案の提案、次年度以降の対応状況、

構成員の情報の共有化等の課題を取り上げて議論を行っている。

また、毎年、定期的に委員会を開催して、自己点検・評価報告書を作成する作業を繰り返す

ことによって、点検・評価の着実な改善に結びついている。

発展方策

平成30年度における進行中の活動として、定員確保に向けた方策の議論を積極的に

行うことが求められる。

毎年実施している修了生に対する満足度調査の精査、シラバスの記載内容の適正化など、

ビジネス研究科の教育の質的向上について、全教員が積極的に取り組むことでその成果が

期待される。

新しく導入した学部・修士5年一貫修了制度について、商学部学生に対して、周知徹底を

図る方策の議論を行う。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(医学研究科)

状 況

医学研究科では 2014 年に策定された「医学・医療の分野で先駆的な学術研究を推進する

とともに、幅広い視野、高度の専門性と豊かな教養および人間性を備え、国際的に活躍し、

地域医療に貢献しうる優れた人材を育成する」という理念・目的を毎年度初めの大学院医学小

委員会および研究科委員会において再評価・確認しつつ、現状に即した内容に改変すべく

努力している。また、学位授与方針の明示、学生への研究指導計画の明示、単位取得退学

制度の取り扱いの変更等、努力目標にあげられた項目については一層の充実を目指し、大学

院医学小委員会および研究科委員会において討議・検討している。さらに、2016 年からは、

それまで 2 年ごとに開催されていた久留米大学医学教育ワークショップにおいて一テーマとし

て扱われていた大学院部会を独立させ、大学院独自の問題点に注目し、中長期計画を

見据えて第 1回医学研究科教育ワークショップを開催し、特に3つの課題について討論・検討

した。

点検・評価

2017年度には、2016年度に明確にされた大学院医学研究科の理念・目的の明確化や学位

授与方針、研究指導体制や計画について、ディプロマ、カリキュラム、アドミッションの 3 つの

ポリシーについて点検評価・改善を行いつつ、具体的な改善や新規取り組みに着手できた。

医学研究科の全教授および在学生を対象としたアンケート調査を受けて、理念・目的を要約

したキャッチフレーズ「『地域・世界・未来』を担う人材育成と先駆的学術研究の発信拠点」が

策定され、名刺サイズの広報ツールを学内掲示板、医学研究科ホームページ、医学研究科

Facebook、教務課窓口、学外広報ラックに設置し、積極的に周知を図り、また、新たに医学

研究科 Facebook や大学院ニュースレター、ホームページ等を通じて在学生・修了生・教職員

のインタビュー記事を掲載し、教育研究活動を分かりやすく伝える取り組みを行った。また、

2016 年夏の第 1 回医学研究科教育ワークショップにおいて中長期計画を見据えて策定され

た目標設定およびアクションプランを基盤として、テーマ1:学生同士のつながりを深めるため

の方策、テーマ2:医学研究科の志願者増に向けての計画、テーマ3:専攻コース・分野の

新設について小委員会内にワーキンググループを設置して、密な FD および SD を通して、

さらなる発展のために鋭意努力している。テーマ1では規定年限内修了を目的とした研究

進捗状況把握のための 2、3 年次の大学院研究発表会の義務化、および院生会設立、2 では

学生募集要項のウェブ公開および海外からの留学生募集に向け英語版要項作成、テーマ3

では修士課程の新規専攻コースの設置について検討し、発展的に議論が行われている。

発展方策

大学院医学小委員会内ワーキンググループによる議論を経て、大学院研究発表会の実現

は、大学院生の研究進捗状況把握と交流に極めて有効であり、修業年限内の課程修了

および学位取得に結びつくことが期待される。また、医学部以外の学部出身者に対する医学

研究者育成を視野に入れた新しい専攻「総合生命科学・バイオ統計学専攻」の設置について

検討しており、医学・医療分野における研究拠点形成が期待される。さらに、医学研究科独自

の中央化予算を確保するための議論を重ねており、大学院生の教育研究活動の充実に

ついて具体的施策を検討されている。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(学生部)

状 況

平成 29 年度学生支援の状況は、医学部と御井キャンパスの文系4学部に加えて人間健康

学部増設されために若干、学生数が増加している。全学的にみると、平成28年度とあまり

変わりはない状態である。開設2年目を迎えた学生支援室も順調な運営状態で、特に障碍者

への合理的配慮を踏まえて、平成28年度4月の状況と同様に新入生が教育面の不安から

相談することが多く、更に生活、友人関係などの不安や障碍者関係も多数支援室を訪れて

いる。教育面の対応に関しては学部横断的に連携をとり進めている。また、両キャンパスで

共通する休学者や退学者が増加している点では、キャンパスごとに問題点が異なり、御井で

は経済的な問題を抱えて休学あるいは退学を考えている学生も多く、支援室と学生課(奨学

金関係部署)とが連携を取り合って支援することに平成29年度も前年度に続いて取り組んで

いる。しかし、経済的困難者の多くは成績不振者の学生が多く難しい問題を抱えているようで

ある。医学部の休学者や退学者の多くは精神的な問題を抱えているものや進級が困難な

成績不振者であるため、これまでと同様に学生委員会および支援室相談員と連携して対応

している。さらに、御井キャンパスでは4年に1度の学生生活のアンケートを実施し、年度末に

はその集計が出来上がっている。

点検・評価

休学者や退学者が増加している現状を鑑みて、いかに減らすかということが全学生部共通の

問題である。文系5学部においては、学生支援室と各学部教務委員会、教務課および学生課

が連携して休、退学者の減少を計っているが、未だ解消には至っていない。御井では経済的

な問題を抱えて休学あるいは退学を考えている学生も多く、支援室と学生課(奨学金関係

部署)とが連携を取り合って支援することに平成29年度も前年度に続いて取り組んでいるが、

経済的困難者の多くは成績不振者の学生が多く難しい問題を抱えていて解決策には至って

いない。

発展方策

学生部としては両キャンパスの違いを踏まえて学生支援を行うことが大切である。全学的に

は低学年での出席状況、欠席時間数の多い人の抽出方法、モチベーション低下者の個別の

生活調査、休学者のフォロー等を各学部で細かく調査分析する。年に数回行われる学生部

協議会でもこれらを検討し、休学者や退学者の減少に努める。両キャンパスにまたがる保健

管理センター(所属の医師、臨床心理士(カウンセラー)、保健師、事務職員等)とは連携を

密にする。

御井キャンパスにおいては、学生支援の立場から、学生支援室を中心に新たに学生支援

機構を設立し、学習支援の立場の教育・学習支援センター(KCTL)や各学部教務委員会との

密接な関係を保ち、平成 30 年度には学生生活のアンケートをもとに学修支援および学生

生活支援を含めた学生支援を進めて行くように、合同学生委員会を中心に検討している。

また、旭町キャンパスにおいては、前年度と同様に学生委員会、保健管理センター、保護者

会および医学部事務職員との更なる連携を図る。医学科では保護者会を年1回から2回に

計画している。また、医学部看護学科においても休学者や退学者の減少に向けて、教員間の

連携を深め、当該学生および保護者との面談の機会を積極的に計画する。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(就職部)

状 況

就職部としての理念・目的の明文化に向けての議論については、平成 27年度以降、議論が

開始され、平成 29 年度中には明文化を確定させることを目標とし、その内容については就職

委員会においては承認されたが、その後の就職部協議会において若干の疑義が示されること

となったため継続審議となった。基本的な部分についてはまとまっているため、平成 30年度中

の確定を目指している。就職支援の方針については、年度当初に達成目標と基本方針を

定め教職員に周知・理解を図ることが根付いており、就職支援行事についても、予定に沿って

実行され、各就職委員がこれらの業務について適切に携わることが実現している状況である。

卒業時満足度調査が実施され、高い満足度が確認されている。OB・OG、保護者との良好な

関係が維持され、双方向の情報提供、支援体制が確立されている現状にある。

平成 28 年度においては、前年度に発展方策とされた計画が予定に沿って実行され、当初

目標の達成度は高い。なお、将来を見据えた中・長期の計画である久留米大学将来構想

策定会議答申の実現に向けて、「卒後調査」については、過去の学内調査に比べて回答率が

著しく低かったこともあり、実効性を上げるための方法を検討中である。「キャリア志向データ

ベース化」については、その時期・内容等を具体的に定めることについては委員長連絡

会議で合意がなされ、実施に向けて今後も議題とすることとされている。「公務員や優良企業

の就職者拡大」については、特に本学がターゲットとすべき優良企業とはどのような企業なの

かを明確に定める必要があるため、本学にとっての「優良企業」の定義を明らかにすることを

進めている。

点検・評価

就職部としての理念目的の明文化に向けて議論を行うという計画については、審議が継続

されている。進路支援に関しては、年度当初に達成目標と基本方針を定め、教職員間で共有

された。就職支援行事を適切に計画し実行するという目標は達成された。各就職委員の行う

べき業務については、適切な指針が示され、各委員の理解の下、実際に業務に従事している。

求人先の拡大については、教職員の努力によって求人先が現実に増加し、達成されている。

OB・OG 連携の推進については、計画に沿って、目標が達成されている。学生への個別指導

の強化という目標については、計画に沿って実行され、達成されている。就職支援システム

活用の推進という目標については、計画に沿って実行され、達成された。保護者への情報

伝達については、計画通りに保護者説明会が開催され、達成されている。説明会には、数百

名の保護者が参加したことから、有効な情報伝達が行われたと評価できる。就職支援の強化

に繋がる学外との連携の推進については、計画通りに企業との交流会が開催され、達成され

たといえる。

発展方策

就職部としての理念目的の明文化については平成 30 年度中の確定を目指している。また、

将来を見据えた中・長期の計画である久留米大学将来構想策定会議答申に規定された項目

のうち、就職部に関わる「卒後調査」、「キャリア志向データベース化」、「公務員や優良企業の

就職者拡大」といった事項について平成 30年度での実現に向けて計画を進める。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(附属図書館)

状 況

改善すべき事項については、次の 1 点であった。(1)電子ジャーナル、データベース高騰

化の対応を検討することについて、御井図書館では、Science Directの契約について検討し、

平成 30 年からトランザクション方式へ変更することに決定した。医学図書館では、学術情報

経費の平成27年度決算額をシーリングとして、受益者負担の原則に基づき、シーリングを

超過した額を医学科においては教室研究費等で、看護学科においては個人研究費で拠出

いただいた。

効果が上がっている事項については、次の1点であった。(2)現行機関リポジトリシステム

dspace から国立情報学研究所の JAIROCloud へ乗り換えた。久留米大学機関リポジトリでの

学位論文、紀要を公表することについて、導入が予定されている教員業績管理システムの

ワーキンググループが立ち上がらなかったため、附属図書館運営委員会兼図書館あり方検討

委員会で、登録コンテンツの拡大の前提となる機関リポジトリ内規の規程化について、審議で

きなかった。

点検・評価

(1)電子ジャーナル、データベース高騰化の対応について、御井図書館は値上がり分を

学部等の予算から支出し、Science Direct の契約について検討した結果、平成 30 年から

トランザクション方式へ変更することに決定した。医学図書館は前年度のルールに従い、医学

科においては各講座の教室研究費等、看護学科においては個人研究費から拠出いただいた。

なお、受益者負担の原則を平成 30 年度まで延長することが決定した。さらに平成 31 年契約

から、出版者毎の条件に従いパッケージ契約の解体も視野に契約することが決定した。

新しい試みとして、電子シラバスシステム(Moodle)のアンケート機能を活用して、個人への

電子ジャーナルアンケートを実施した。今後電子ジャーナル購読にあたり、個人の要望を把握

することが可能となった。 (2)国立情報学研究所の JAIRO Cloud への乗換えによって、

オープンサイエンスの基盤が整った。現行御井図書館では紀要 160 件、博士論文 10 件を

登録した。医学図書館では博士論文 99 件を登録した。しかし、医学図書館では、著作権の

許諾が得られない、論文データの著者最終版が得られないなどのため、博士論文の半分

程度しか登録できていない。

各方面に様々な働きかけを行ったものの、導入が予定されている教員業績管理システムの

ワーキンググループが立ち上がらなかったため、関係各課の協働の上公開するという意識の

醸成が図れなかった。そのため、附属図書館運営委員会へ機関リポジトリ内規の規程化に

ついて議題として上程できなかった。

発展方策

(1)電子ジャーナル、データベースの高騰化対策については、平成 30 年度中に附属図書

館として方向性を決定し、具体的に電子ジャーナルの購読方法の見直しを検討する。(2)導

入が予定されている教員業績管理システムのワーキンググループが立ち上がり次第、関係

各課の協働の上、機関リポジトリで公開するという意識の醸成を図る予定である。また、公開

範囲の拡大に向けて、附属図書館運営委員会兼図書館あり方検討員会で、機関リポジトリ内

規の規程化について検討する。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(御井図書館)

状 況

(1)書庫の狭隘化については、収容可能冊数 943,000 冊に対し、蔵書数 707,026 冊の

ため、約 75%を占めている。500号館の地下2階の集密書架の解体作業は 80%終了した。

重複図書は 562 冊を除籍し、寄贈された紀要について全文公開されているものについて

は除籍をすることとした。また複本を3冊から2冊へ運用を変更した。(2)遡及データ

について NACSIS-CAT/ILL に所蔵報告を順次行っている。NACSIS の ID が空値の書誌

について、NACSIS の書誌に上書き・所蔵報告を行った件数が約 27.1%終了した。(3)

電子ジャーナルを推進する一方で、電子ジャーナルの高騰化対策として Science Direct

のパッケージ契約からトランザクション方式契約へ変更した。(4)久留米・筑後体験

演習については、今年度も御井図書館の司書 2 人が前期2コマと後期2コマの講義を

担当した。文献調査ガイダンスを前期と後期に実施し、39 回行った。司書 1 名が、昨年

度開設した人間健康学部の新入生の約半分に情報リテラシー教育授業として6コマを

担当した。また、レファレンスカウンターを担当している専任スタッフの 1 名は国立

国会図書館主催のレファレンス・サービス研修を受講し、利用者へ更なるサービスを

提供している。

点検・評価

(1)書庫の狭隘化対策として複本を3冊から2冊へ運用を変更したため、順次除籍をして

いく。また、重複図書についても除籍をしていく必要がある。(2)現物と書誌データを確認する

ことで、正確な書誌へ統合・上書きができている。しかし、完了するまでに数年を要すると

思われる。NACSIS-CAT/ILL に所蔵報告をすることで、国立情報学研究所の CiNii Books で

本学の所蔵が順次表示され、相互貸借の複写受付が 781 件、貸借受付は 491 件あり、前年

度より若干増加している。(3)Science Direct の契約を変更したことで、電子ジャーナルの経費

を大幅に抑えることができた。 (4)学生 1 人当たりの貸出冊数は 4.58 冊で、昨年度より若干

増加した。昨年と同様久留米・筑後体験演習やガイダンスの効果が出ていると思われる。また、

国立国会図書館主催のレファレンス・サービス研修を受講したレファレンスカウンター担当に

ついては、利用者からのレファレンスが徐々に増えている。

発展方策

(1)一箇所に集めた重複図書は毎年少しずつ除籍していく。寄贈された紀要についても、

冊子の半数以上が公開されているものを除籍するか検討する。(2)CiNii から本学の所蔵検索

がスムーズに行えるように、今後も現物と書誌データを確認しながら NACSIS-CAT/ILL へ

所蔵報告をしていくが、図書館システムでの一括報告も検討する。

(3)今後も電子ジャーナルの利用状況を確認し、利用に見合う経費となるよう契約方法等を

検討する。(4) 久留米・筑後体験演習については、平成 30 年度も前期 2 コマと後期2コマの

講義を担当する。また、来年度も全学部の新入生オリエンテーションで図書館の利用案内を

行うため、文献調査ガイダンスとともに内容を検討し効果的な時期に実施する。レファレンス

カウンターについては、レファレンス記録票を作成しレファレンス事例を増やしていく。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(医学図書館)

状 況

検討課題以外で、改善すべき事項は、以下のとおりである。(1)医学図書館3F のグループ

学修室等を整備した。(2)学外利用者や学内利用者(特に学生)向けに広報を強化した。

(3)学生モニターとの意見交換会を 5 月に開催した。(4)データに基づく医学図書館運営を

実施した。

点検・評価

(1)予算の範囲内で、学生貸出用タブレット端末 11台を導入し、貸出サービスを開始した。

学生および教職員へグループ学修室の広報に努め、医学図書館3F の利用頻度が増加した。

ただし、雑収入を根拠に老朽化した閲覧机の更新計画を立案したものの大学財政事情の

悪化に伴い断念せざるを得なかった。そこで、各種財団等の助成金活用による整備に活路を

見出し、当初予算の新規事業計画で、助成金が助成された場合という条件つきながら承認

されたが、採択に至らなかった。(2)筑後8ブロック医師会、福岡県看護協会、医学部同窓会

等へ広報活動を展開し、学外利用者が増加するなど、一定の効果が見られた。学内者(特に

学生)に関しては、開館時間延長や学年 LINE を活用した広報活動等を実施したものの、カリ

キュラム変更による試験期間の変更や B 棟の勉強会室の設置などが影響し、前年度から

のべ 8 千人減少した。医学図書館キャラクターのアンバサダー就任や第 3 回キャラクター

グランプリで協賛社賞をダブル受賞する等の話題づくりで、広報の幅が広がった。(3)学生の

意見を取り入れ、前期の試験期間以外の土日の開館時間3H 延長の試行が決定し、駐輪場

設置の予算計上も決定した。(4)前年度医学教育研究センターと共同で、在館時間と学修

成果としての席次の相関分析を実施したものの、相関が見られなかったので、平成 29 年度の

分析実施は見送りとなった。経年的変化を見るために引き続き在館時間はデータを蓄積して

いくこととなった。学生のモチベーション刺激策として、医学部学生の平成 28年度学年別貸出

ランキングベスト 10をホームページ上で公開した。EZProxyによる認証後に電子ジャーナルに

アクセスするという一連の流れを大学のルールとすることが出来なかったため、現行のルール

の下での分析に留まった。

発展方策

平成 30 年度は(1)更なる利活用推進策として(A)ワイヤレススクリーンシュアシステム

(Coalesce)を活用した電子黒板と持ち込み ICT 機器によるグループ学修の推進(B)広報の

強化を実施する予定である。 (2)医学図書館利用者の増加策として(A)外部医療従事者の

利用申込時および更新時に利用案内を渡し、同僚等への口コミによる拡散依頼(B)医師会

個人会員への利用案内の配付(C)より良い学修環境の創出を目指して、学生モニター制度を

活用し、学生の声を運営に反映(D) 医学図書館キャラクターを活用した広報活動を実施する

予定である。(3)学生モニターとの意見交換会については、引き続き継続することで、学生の

声を医学図書館運営に活かし、学生の運営に対する主体的な協力体制を構築する予定で

ある。(4)データを活用した医学図書館運営については、(A)経年変化を見るために学生の

在館時間の蓄積(B)平成 29 年度医学部貸出学年別ランキングトップ 10 をホームページで

公開(C)リモートアクセスシステム RemoteXs の導入により、電子ジャーナル・データベース

利用実績を分析し、適切な利用につながる施策を実施する予定である。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(教育・学習支援センター)

状 況

平成 29 年度の主な取り組み項目として、引き続き、(1)共通教育の充実、(2)学修支援の

強化、(3)教育改善の支援、を挙げ、それぞれ次のような目標を定めた。

(1)共通教育: ①学生に分かり易いカリキュラムを整備し、また教養教育方針・人材育成

方針の共有化を図る、②学修成果を把握し、到達目標・問題点・改善方策を共有化する、

③単位制度の趣旨を踏まえて、学修成果に効果的に繋がる実質化を図る。

(2)学修支援の強化:①学習支援人材育成教育プログラムの試行、②基礎学力の学び直し

のための指導・相談の拡充、③学内外スタッフによるアシスタント制度のフィージビリティの

再検討。

(3)教育改善の支援:①知見の共有化として科目編成や教育改善の支援に役立てる、

②授業アンケートを教育改善に効果的に活用する、③全学 IR 室と連携して共通教育の IR を

進める。

さらに、新たな取り組み項目として、時代の変化に即応した共通教育の中長期課題に

ついて、学部・教務協議会と連携しつつ検討を進めることを定めた。

点検・評価

(1)「共通教育の充実」では、シラバス作成の際に共通教育の基本方針を確認するようにし、

平成 29 年度版の「共通教育学修ガイド」を配付、教育方針の周知を図った。シラバスは

第三者によるチェックで記載の適切化を図った。学修成果の把握では IR 活動と連動させて

取り組みを開始しているが、改善方策は今後の課題である。

(2)「学修支援の強化」では、学習支援人材育成教育プログラムを実施し、また基礎学力の

指導相談では、学修支援コーナーを継続開設しており、基礎学力の補習と SPI 対策等の指導

を進めた。アシスタント制度は学習支援人材育成教育プログラムの成果をまって対応する。

(3)「教育改善の支援」については、授業アンケート・成績評価等の情報分析をもとに授業

評価アンケート結果による授業改善点検制度を実施した。FD・SD 活動として、研修会

(「久留米大学将来構想」「学生ポートレート」7月5日開催、「Stop the キャンパス・ハラスメント

~最新事例と防止のノウハウ~」11 月 8 日開催、「久留米大学における連携を生かした学生

支援~事例検討を通して~」12月 6日開催)を実施した。

(4)中長期的課題として「地域社会と連携した PBL 授業等、自立型教育」の推進では、地域

の事業所・企業と連携したアクティブラーニング授業(久留米・筑後体験演習、キャリア

フィールドワーク等)を実施し、さらに運営改善に努めた。

発展方策

平成 30 年度の主な取り組み項目として、これまでの活動を踏まえつつ久留米大学将来

構想策定会議が設定した中長期課題に対応するため、(1)特色ある共通教育の推進として、

①学生に分かり易いカリキュラム:カリキュラムツリー及びナンバリング等の整備、②共通教育

科目編成の検討:地域社会と連携した自立型教育の推進、(2)教育の活性化として、①シラバ

スチェック、②学習支援人材育成教育、③基礎学力育成のための学習指導の実施、(3)教育

改善の支援として、①FD・SD 活動の強化、②授業アンケートの効果的な活用、(4)教育成果

の評価として共通教育の成果把握と改善方策を教務データの分析を通じた検討を定めている。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(IR室)

状 況

IR 室は学内外の諸情報(教育・研究・社会貢献・社会情勢に関する情報等)を収集、分析する

ことにより、本学の意思決定及び戦略立案の策定を支援することを目的として 2015 年 10 月に

開設された。

すでに久留米大学基本構想(2012 年)において、学生情報の統合的利用が課題の一つと

なり、入試・学修・進路等の学生情報を戦略的観点から評価できる仕組みの構築が進められる

こととなり、既存の学務情報システムで欠落していた経年的視点からデータを再構成し集約

提供する方法の検討が行われた結果、2017 年度に全面更新された学務情報システムでは

学生カルテ・学習ポートフォリオのシステムに加えて、IR 用のデータ出力の仕組みも織り

込まれた。久留米大学将来構想策定会議の中長期課題(2017年4月)では、教学 IRを通じて

教育の質と成果を検証することが定められた。

点検・評価

学務システムの学生カルテ・学習ポートフォリオ(本学名称は学生ポートレート)と学生情報

管理の運用方法を定める規定を整備した。

新学務システムのデータ出力の稼働が秋にずれ込んだため、データの再加工作業及び

入試関係の定期出力プログラムの移植にとどまった。

文系教務改革ワーキンググループで将来構想中長期課題として IR の目標と内容について

検討作業を行った。

発展方策

2018 年度では、(1)入試・教務・就職のデータを学部等の FD に役立てること、(2)教務

改革ワーキンググループのための分析データを提供すること、さらに(3)中長期の活動計画案

を策定することを IR業務の発展方策として考える。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(入試実行委員会)

状 況

2017 年度の状況を総覧すると、前年度に行った入学者選抜に係る組織体制の見直しおよび

整備について、それを着実に実行している。

すなわち、学長を入試本部長とする大学入試委員会では、入学者選抜試験に係る基本方針を

審議・決定し、そこでの基本方針に従い、大学入試実行委員会において、入学者選抜試験に

関する広報活動の企画および実施や募集要項、入学試験の日程等を審議・決定した。また、

それぞれの学部に入試検討委員会(学部長が委員長、決定を実施するのが副委員長)を置き、

入学者選抜試験実施の方針等を審議・決定している。これに加えて、入試制度改革の動きに適切

に対応可能な体制づくりとして、大学入試委員会の下部組織として、文系入試改革委員会を設置

し、学長、御井キャンパス担当副学長、御井学舎学事担当理事、文系各学部長、入試実行委員長

等を委員としている。さらに、入試制度改革に機動的に対応可能なワーキング・グループとして、

入試改革WGを設置して、2017 年 8 月、9 月、10 月、11 月、12 月と計 5 回、集中開催した。議題

は、高等学校との連携強化、高大接続改革、入試データの分析、入学前教育、アドミッション

オフィスの設置などである。また、文系学部合同入試対策会議の実施を提案し、入学定員管理の

徹底を行った。

2 月に実施される一般入学試験においては、入試業務の効率化と志願者増の観点から、統一

入試日を1日増やして 2 日とした。また、学部入試日を従来の4日から3日としている。従来の学部

ごとに実施日を決める方法から、統一試験の実施回数を増やすとともに複数学部が同一日程で

行う方法(併願等)に改善している。これにより、志願者増につながっている。

点検・評価

学生の受け入れ方針(アドミッションポリシー)の明示については、本学の教育理念・ビジョン

(大学の将来像)を達成するために望ましい学生を受け入れるという基本方針のもと、各学部学科、

各大学院研究科において、個別に検討して公表している。公正かつ適切な学生募集および入学

者選抜については、当該学部学科・大学院研究科において改善を試み、実施されている。

適切な定員設定と在籍学生数の収容定員管理については、過年度データ(過去5年分)を参考

にしながら、大学全体として概ね適正に管理している。また、毎年、定期的に点検・評価に関する

委員会等を開催し、学生に受け入れに係る自己点検・ 評価報告書を作成する作業を繰り返すこと

によって、点検・評価の着実な改善に結びつけている。

発展方策

2018 年度における進行中の活動として、前年度において審議・決定し、実施できなかった案件

等については、該当する委員会等において審議・決定する予定である。 志願者増および入学

定員の安定的な確保のための施策は、教職員一丸となって、最優先事項として取り組んでおり、

各学部学科において入学定員割れの状況は見られていない。

年度初めにおける入試総括、オープンキャンパスの企画と運営、本学の教職員が参加する単独

入試説明会、入試問題の作問・点検作業、次年度に使用する大学案内の業者との意見交換会、

高大接続の実施検討、高等学校への出前授業、 AO 入試(総合型選抜)、推薦入試、2 月の前期

入試(従来の一般入試)、および後期入試(従来の 3 月入試)等の入試業務については、今後、

計画的・組織的に取り組み成功へと導いていく。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(外国語教育研究所)

状 況

外国語教育研究所は各学部・KCTL1と協力しながら全学的な外国語教育を統括するため

に設けられた機関である。平成 18 年度以降、「多文化共生社会(世界)の発展に貢献できる

人材の育成」を理念とし、その達成のために、①外国語運用能力、②異文化能力、③人間力

(協同と自立)の育成という3つの教育目標を掲げながら教育に当たっている。平成 29 年度の

改善・活動事項は、(1)研究所の理念、目標に加えて、教育課程の編成・実施方針を公表し、

教育内容がそれに合致するものとなっているかを検証する仕組みを構築すること、(2)本学の

学士が多文化共生社会を生きるうえで必要とされる複数外国語学修を引き続き促進し、

副専攻課程の履修状況と成果検証方法を確立すること、(3)学習成果の可視化について引き

続き検討すること、(4)留学生教育を含めた国際交流センターとの連携を強化すること、であった。

点検・評価

(1)については、教育課程の編成・実施方針を平成 28 年度に定義したが、平成 29 年度

には公表するに至らなかった。編成・実施方針と科目内容の合致を検証する仕組みを構築し、

検証作業を開始することはできた。(2)については、KCTL において、複数外国語学修者の

統計を示し、その意義を確認した。また、複数外国語学修を促進し、かつ多文化共生社会の

実現に貢献する人材養成をめざして、平成 29年 4月に「ツーリズム英語」、「フランス学・多文化

共生」、「中国学・多文化共生」、「韓国学・多文化共生」の各副専攻コースを新設できた。 さらに、

複言語履修を促進するための新入生向け PR 資料を作成して配付できた。(3)については、

異文化力、協同力の向上を測定するための項目を平成 28 年度からアンケート調査に追加

して、その結果を検討している。(4)留学生教育を含めた国際交流センターとの連携強化に

ついては、「留学生支援コーナー」(仮称)の設立を視野に議論を進めた。なお、(5)社会連携・

社会貢献に関する方針の明示化と、点検評価が十分に出来ていないことが、新たな課題

として浮かび上がった。

発展方策

平成 30年度は、以下のような発展方策をとることとした。(1)に関しては、公表できていない

教育課程の編成・実施方針を web などに公表する。教育内容と編成・実施方針の合致に

ついては構築された方法に沿って引き続き検証を進める。(2)に関しては、引き続き KCTL に

おいて、複数外国語学修者の統計を示し、その意義を確認する。また、副専攻コースに

ついては、どの程度の学生が副専攻コースを選択し、どのような教育上の成果を収めているか

を把握する。新入生向け PR 資料は、内容の適切性を点検し必要な場合は修正する。(3)に

関しては、アンケート調査結果に基づいて PDCAサイクルをまわすと同時に、学習成果の可視

化について引き続き検討していく。(4)に関しては、「留学生支援コーナー」(仮称)の設立に

向けて、提案を具体化する。(5)社会連携・社会貢献に関する方針を明示化し、社会連携・

社会貢献活動の適切性について点検評価を実施する。

以上の方策によって、外部評価による検討課題、「本学の学士には、どのような素養が共通

で身についているか」、「就業力向上に重要な総合的教養教育」(以上平成 25 年度)、および

「国際交流センターとの連携強化」(平成 28年度)に応えていく所存である。

1 KCTL については、その設立(平成 16 年度)以降。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(国際交流センター)

状 況

平成 29年度の国際交流センターにおける改善活動としては次の 3点にまとめられる。

(1) 海外の大学との学術協定の開拓と交流の推進(基準1)(基準9)

(2) 縦割りであった本学における留学生支援の情報共有と今後の支援の総括(基準7)。

(3) 定期的な自己点検・評価が可能な組織・体制づくりの強化(基準2)。

点検・評価

上記に関する点検、評価としては次のようにまとめられる。

(1) 平成 29 年度は、中国の浙江工業大学之江学院、アメリカのブラウン大学との学術交流

協定、また初めてのインドネシアとの協定となるスブラス・マレット大学との学術交流協定

が締結され、久留米大学国際交流の多様性や発展につながった。

(2) これまで縦割りであった留学生支援について、留学生に関わる各学部の担当者、留学生

別科教員、センター事務室職員を交えて、それぞれの留学生支援の状況や問題、情報

の共有及び今後の支援の在り方をまとめ、より充実した留学生支援に取り組むことと

なった。

緊急課題として留学生支援スペースの常設化、及び男子留学生の男子学生寮割り

当て増加が要望された。

(3) 学術国際交流委員会及び留学生委員会では、定例の委員会での会議によって、また、

1年間の総括によって、計画、実行、点検、改善(PDCA)を適切に実施した。

発展方策

平成 30年度に進行中の活動及び今後の計画は次のとおりである。

(1) 浙江工業大学之江学院の日本語専攻の学生の本学への学部編入及び医学部を中心と

したブラウン大学との交換留学制度が始まる予定である。

(2) 中国、ベトナム以外からの多様な留学生の受け入れを目指す。バングラデシュからの

留学生別科への問い合わせがあり、担当者との話し合いが進み、今後日本語別科への

受け入れが具体的に検討される。また、これまで日本への留学希望者が比較的多いと

思われる台湾についても、協定校を中心に大学院志望の既卒者、卒業見込み者の日本

語別科への受け入れを進めていく。

(3) 本学の広報及び留学生確保のために、ベトナムに加え、インドネシア、タイで開催される

留学説明会に参加する。

(4) 留学生の支援状況や問題点の共有及び支援を充実させるために、留学生委員会を

中心に留学生にかかわる各部署の教員、センター事務室職員による点検・評価を行う。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(地域連携センター)

状 況

平成 26 年 7 月 1 日、久留米大学における教育・研究と地域社会をつなぎ、地域のシンク

タンクの拠点として、地域社会との連携、生涯学習機能等、久留米大学の地域貢献活動を

総合的かつ組織的に遂行することを目的として、久留米大学地域連携センターが設置されて

以来、次の 7項目についての充実を図ってきた。

1.公開講座の充実を図ること。

2.周辺市町村との連携を図ること。

3.周辺企業との連携を図ること。

4.地域連携センター独自の公開講座を計画すること。

5.地域連携センターの講義を学生の参加型の講義として地域に貢献すること。

6.くるめりあ六ツ門で開催される久留米市内 5大学連携事業に積極的に参加すること。

7.地域連携センターと各教員の地域貢献についての報告書をそれぞれ作成すること。

点検・評価

社会連携・貢献については、責任主体単位あるいは担当者個人のレベルでの検証が

各教員の報告書の形で行われている。しかし、全体を統括して適切性の検証に当たる組織の

整備が遅れている。

公開講座については、長年の実績を背景として、より地域の人たちの需要にこたえる内容

として充実させるように各公開講座担当者が十分に努力している。特に、臨床宗教師に関する

講座は評価が高く、福岡大学からの共催を提案されている。

久留米大学の各学部・研究施設に所属する研究者の地域への貢献のための基礎的資料

を整理するために、各研究者の地域連携に関する業績表を定期的に編集している。

地域連携センターの講義として地域学演習と地域連携実践の 2 種類の演習を準備して、

学生の地域貢献の場としている。また、中学生向けプロジェクトも実施し、社会貢献に資する

教育活動を拡充することができた。

周辺市町村との連携として筑後市、広川町、うきは市との地域連携を拡大して、それぞれの

市町村の小学校に地域連携実践演習の学生を派遣して授業への参加・補助をさせて高い

評価を得ている。また、大川市との連携協定を締結し、周辺市町村との地域連携を拡大した。

さらに、今年度は、筑後信用金庫との連携協定を締結し、地域連携の新たな局面へと展開

することができた。

発展方策

今後も学長のリーダーシップのもと、実質的で継続的な点検・評価活動を実践できる体制の

構築を目指す。

今後の発展方策としては、公開講座のさらなる充実を図り、連携協定を締結した周辺市町

村及び筑後信用金庫との連携を一層充実させることである。また、平成 30 年度は、西日本

新聞との連携協定締結に向けて進行中である。さらに、経済学部伊佐ゼミが佐賀県基山町に

対し、まちづくりに関する提言を行う予定であるが、同町との連携協定締結も進めたい。町長と

しては、医学科及びスポーツ医科学科への地方創生資金の提供の意向も示しており、外部

資金の獲得にも資すると思われるからである。

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2017(平成 29)年度 点検・評価報告書サマリー(経理課)

状 況

財務における改善すべき事項は、(1)予算執行に伴う効果の分析や検証の確立。(2)財務

関係比率「人件費比率」「教育研究費比率」「純資産構成比率(自己資金構成比率)」「総負債

比率」「要積立率」の改善、事業活動収支差額比率の目標5%達成。(3)キャンパス整備計画

と基本金組入計画に基づいた引当特定資産の確保。(4)文部科学省科学研究費など外部

資金の獲得である。

(1)については、以前から、目的別予算や、新規事業及び事業計画の予算の記号を付与して

いるため、目的予算毎及び事業毎の予算執行状況が的確な把握が可能。また、予算決算

差異が2百万円以上の項目については、事由を文書で提出させ、理事会、評議員会などで

報告及び学内周知を行っている。 2017年度は、2015年度から始めている四半期毎の収支

状況を把握することにより、諸課題へのタイムリーな検討、判断を行うことができ、黒字決算と

なった。

(2)について、事業活動収支差額は、事業活動収入に占める割合は 1.0%ではあるが、黒字

決算となった。また、負債率も減少し、純資産構成比率は上昇した。他にも、人件費比率も

目標の50%未満となり、教育研究経費比率は2017年度も前年度と同水準を継続している

(経常収入比では増)。しかし、計画に基づく2号基本金引当特定資産の取崩しや組入れ、

予算編成後の決定に基づく短期有価証券から施設拡充引当特定資産の振替により、特定

資産構成比率は上昇したが、運用資産が減少し、積立率、内部留保資産比率が悪化した。

(3)については、中・長期計画と創立90周年記念事業の実施により、2号基本金引当特定

資産の取崩しを行ったが、組入れも行い、施設拡充引当資産の増加もあり、引当特定資産は

増加した。

(4)の文部科学研究費の採択件数は、2017年度は2016年度と同じであるが、金額が減少

した。しかし、その他の受託研究費、研究助成金等の外部資金は増加している。

点検・評価

2017年度は、前年度に引き続き四半期収支状況把握を行い、収支改善への様々な取り

組みを講じ、事業活動収支差額は、事業活動収入に占める割合 1.0%ではあるが、黒字決算

となった。また、負債率は減少し、純資産構成比率が上昇した。

他にも、事業計画を基に2号基本金引当資産の取崩しがあるものの、将来のために、2号

基本金引当資産の組入れや短期有価証券から引当資産への振替により、特定資産は増加

した。しかし、2号基本金引当資産の取崩し等により運用資産が減少し、内部留保比率、積立

比率が悪化していることから、今後は、財政基盤の確立及び 100 周年に向け、教育活動収支

差額プラスを目標とし、特定資産を含めた運用財産の増加を目指す。

外部資金について、継続的な取組みにより、文部科学省及び厚生労働省の科学研究費

補助金は、金額は減少しているが、採択件数は前年度と同レベルを維持している。また、受託

研究費や研究助成寄付金は増加している。

発展方策

外部資金の獲得については、文部科学省科学研究費補助金をはじめ本学シーズ、教育

研究環境にあった助成金の確保に努めるため、研究者への情報発信及び文書による補助金

の申請要請や採択に向けて研修会を継続して取り組む。

また、学校法人の財務状況及び予算編成について、教職員への説明を、教育活動収支、

キャンパス別(部門別)に着目して、他大学との比較をしながら、職制を通じて適時わかりやすく

行うほか、四半期毎の収支動向把握及び収支見直しの精度を上げ、全教職員連携して収支

改善に早期適時の対策を講じていく。

以上が、基本理念、将来構想に謳った目標達成に向けた財務アプローチである。