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雑誌会 2020.10.24 M1 大澤勇児

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雑誌会

2020.10.24

M1 大澤勇児

論文紹介

論文名Continuum damage mechanics modeling of composite laminates

including transverse cracks

訳横方向亀裂を含む複合積層板の連続体損傷力学モデリング

著者Tomonaga Okabe , Sota Onodera , Yuta Kumagai and

Yoshiko Nagumo

出版Inter National Journal of Damage Mechanics

選定理由連続体損傷力学の考えを用いて、積層板の機械特性について書かれていたから

2/12

研究背景・目的

積層板の破壊過程には横方向の亀裂、層間剝離、繊維の破損などのいくつかの種類がある。

その中でも、横方向の亀裂が最も早く生じる。また、横方向の亀裂は他の破壊も引き起こすの

でその機械的挙動を明確にすることは重要である。

背景

これまでに

積層板の破壊過程を利用して、研究が行われてきたが、連続体損傷力学モデルだと層の機械的

特性とレイアップ構成のみから損傷を含む積層板の特性が計算できる

積層板の横方向亀裂を含む複合ラミネートの剛性低下を予測するための連続体損傷力学モデル

を亀裂密度の関数として定式化する

目的

3/12

• 層の内部の損傷を関数として定式化が可能

• 古典積層理論を組み込むことで積層板の横方向亀裂が計算できる

• 積層板の破壊過程のなかで最も早く生じる

• 横方向亀裂はその他の破壊を引き起こすので、積層板の機械的特性を明確

化できる

研究背景・目的

連続体損傷力学のメリット

横方向亀裂を求める理由

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損傷変数𝑑2とは

この方向

論文で導出されたモデル

Gudmundson–Zangモデル

亀裂密度関数

損傷変数𝑑2とは炭素繊維に垂直な方向の関数であり、亀裂密度関数ρ

を用いて表される。論文で導出されたモデルとGudmundson–Zangモ

デルの2種類のモデルから導出される

表面亀裂有り:

表面亀裂無し:

表面亀裂有り:

表面亀裂無し:

𝐸1,𝐸2 :1,2軸方向のヤング率𝜈12, 𝜈21:1-2平面のポアソン比𝐺12 :1-2平面のせん断弾性率𝑑2 :繊維に垂直方向の損傷変数𝑡𝑘 :1層の厚さ𝑎𝑗 , 𝑐𝑗 :任意の定数

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計算方法

𝐶 = 𝐶0𝑀 有効コンプライアンス(逆数)

損傷した材料の構成方程式

𝐶0 =

1

𝐸1−𝜈12𝐸1

0

−𝜈12𝐸1

1

𝐸20

0 01

𝐺12

𝑀 =

1 0 0

01

1 − 𝑑20

0 01

21 +

1

𝑑2

層の面内応力とひずみを𝜎 = 𝜎1, 𝜎2 , 𝜎12𝑇、𝜀 = 𝜀1, 𝜀2, 2𝜀12

𝑇 と定義すると(𝜀 = 𝐶𝜎)

損傷を受けていない状態の有効コンプライアンス

損傷効果テンソル

6/12

計算方法

積層板モデル: 𝐶𝑘 =1

𝑡𝐿

𝑘=1

𝑁

𝑡𝑘 𝑅𝑘𝐶𝑇𝑘−1 −1

−1

𝑅𝑘 =

cos2 𝛼𝑘 sin2 𝛼𝑘 −sin 𝛼𝑘 cos 𝛼𝑘sin2 𝛼𝑘 cos2 𝛼𝑘 sin 𝛼𝑘 cos 𝛼𝑘

2sin 𝛼𝑘 cos𝛼𝑘 −2 sin 𝛼𝑘 cos𝛼𝑘 cos2 𝛼𝑘−sin2 𝛼𝑘

𝑇𝑘 =

cos2 𝛼𝑘 sin2 𝛼𝑘 −2 sin 𝛼𝑘 cos𝛼𝑘sin2 𝛼𝑘 cos2 𝛼𝑘 2sin 𝛼𝑘 cos𝛼𝑘

sin 𝛼𝑘 cos 𝛼𝑘 sin 𝛼𝑘 cos 𝛼𝑘 cos2 𝛼𝑘−sin2 𝛼𝑘

座標変換行列:

𝛼𝑘度回転

工学的弾性係数: 𝐶𝐿 =

1

𝐸𝐿1−𝜈12𝐸𝐿1

0

−𝜈12𝐸𝐿1

1

𝐸𝐿20

0 01

2𝐺𝐿12 7/12

計算結果(表面亀裂有り、 0°/90° 𝑆GFRP,-材料1)

0°/90° 𝑆のヤング率 0°/90° 𝑆ポアソン比

グラフの実線が、論文で導出されたモデル、点線がGudmundson–Zangモデル

グラフにプロットされている●や■のマークは他の実験で求められた実験結果

8/12

計算結果(表面亀裂無し、 0°/90° 𝑆CFRPと 0°/90°3 𝑆 GFRP-材料1 )

0°/90° 𝑆の正規化されたヤング率 0°/90°3 𝑆の正規化されたヤング率

9/12

計算結果(表面亀裂無し、[±55] GFRP-材料1)

ヤング率ポアソン比

せん断弾性率 10/12

計算結果(表面亀裂無し、 0/90/−45/+45𝑆GFRP-材料2)

0/90/−45/+45 𝑆の正規化されたヤング率 0/90/−45/+45 𝑆の正規化されたヤング率

11/12

まとめ

・クロスプライ、アングルプライ、準等方性平面の計算結果から、実験結果とほとんどあっている。

・そのことから、横方向亀裂を含む積層板の連続体損傷力学モデルを亀裂密度の関数として定式化

することができている

・論文で導出されたモデルとGudmundson–Zangモデルを比較すると、積層構成によって正確性はま

ちまちであった

・亀裂密度が小さい時ほどフィッテイングは正確だった。

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