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~ 目 次 ~

・・・1

・・・3

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・・・15

・・・18

・・・21

1 我が国周辺の水産資源

2 漁業・養殖業

3 水産資源の管理

4 漁場環境

5 水産物の流通・加工・貿易

6 水産物の消費

7 活力ある漁村づくり

*本資料は、主に平成29年度水産白書を基に作成したものです。

Page 3: maff.go.jp...~ 目 次 ~ ・・・1 ・・・3 ・・・10 ・・・13 ・・・15 ・・・18 ・・・21 1 我が国周辺の水産資源 2 漁業・養殖業 日本食に魚介類は欠かせない食材となっており、魚介類を使ったいろいろな料理がありま

平成元年 (1989)

8年 (1996)

15年 (2003)

22年 (2010)

29年 (2017)

1位 イカ イカ イカ サケ サケ

2位 エビ マグロ マグロ イカ マグロ

3位 マグロ エビ サケ マグロ ブリ

4位 サンマ サケ サンマ ブリ エビ

5位 アジ アジ エビ エビ イカ

日本人と水産物

1

1 我が国周辺の水産資源

魚介類を使った主な料理

フライ 寿司 焼き魚 煮魚 天ぷら 缶詰

日本は国土の四方を海に囲まれた島国であり、日本人は昔から魚料理に親しんできました。 日本食に魚介類は欠かせない食材となっており、魚介類を使ったいろいろな料理があります。

水産資源に恵まれた日本

国土面積 領海+

排他的経済水域(EEZ)面積

約38万km2 447万k㎡

資料:海上保安庁HP 注:延長大陸棚とは排他的経済水域及び大陸棚に

関する法律第2条第2号が規定する海域

日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は国土面積の約12倍であり、世界でも有数の海洋国家となっています。

日本の領海と排他的経済水域(EEZ)

日本人がよく食べる生鮮魚介類の変化

資料:総務省「家計調査」(平成29(2017)年)に基づき水産庁で作成

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資料:FAO「Fishstat(Capture Production)」(日本以外の国)及び農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(日本)

世界の海域ごとの漁業生産量 日本の排他的経済水域(EEZ)が含まれる太平洋北西

部海域は、世界全体の漁獲量の約25%を生産し、世界で最も生産量の多い水域となっています。

資料:農林水産省「水産物流通統計年報」及び「漁業・養殖業生産統計」に基づき水産庁で作成

亜寒帯

亜熱帯

寒流

暖流

稚内(スケトウダラ、ホッケ)

小樽(スケトウダラ、ホッケ)

羅臼(サケ類)

根室(サンマ、タラ類)

(ホタテ)

(ハタハタ)

氷見(ブリ) 境(ベニズワイガニ、サバ類、

マアジ)

下関(フグ) (サワラ)

唐津(アジ類)

松浦(サバ類、アジ)

(クルマエビ)

枕崎(カツオ類)

(アサリ) (カキ)

勝浦(マグロ類)

(マダイ)

焼津(カツオ類、マグロ類)

銚子(カタクチイワシ、マイワシ、サバ類)

波崎(カタクチイワシ)

石巻(カツオ類、スルメイカ、サバ類) 女川(サンマ) 気仙沼(カツオ類、カジキ類)

宮古(サンマ)

八戸(スルメイカ、アカイカ)

相馬原釜(ヒラメ、カレイ類)

(ワカメ)

釧路(タラ類、サンマ)

(サバ類)

(アユ)

(フナ)

黒潮(日本海流)

対馬海流

親潮(千島海流)

リマン海流

様々な水産物に恵まれた日本周辺の水域

日本周辺水域は、栄養塩や魚を運んでくる寒流の親潮や暖流の黒潮などの海流がぶつかり合っていることから、冷水性の魚と暖水性の魚の両方が回遊・生息する多様な水産資源に恵まれた海となっています。

2

北東部

南東部

北西部

中西部

南西部

中西部

南西部

北西部

中東部

北東部

中東部

南東部

東部

西部

平成28(2016)年 世界の

漁業生産量 9,201万トン

北西部

24.7%

中西部

13.9%

南西部

0.5%

北東部

3.4%

中東部

1.8%

南東部

7.3%

北西部

2.0%

中西部

1.7%

南西部

1.7%

北東部

9.3%

中東部

5.2% 南東部

1.8%

地中海・黒海

1.3%

西部

5.4%

東部

7.0%

その他

0.3% 内水面

12.6%

太平洋 51.6%

インド洋 12.4%

大西洋 23.1%

那覇(マグロ類)

(ズワイガニ)

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0

500

1,000

1,500

昭和40

(1965)

45

(1970)

50

(1975)

55

(1980)

60

(1985)平成2

(1990)

7

(1995)

12

(2000)

17

(2005)

22

(2010)28年

(2016)

遠洋漁業

沖合漁業

沿岸漁業

海面養殖業

内水面 漁業・養殖業

生産量(万トン)

昭和59(1984)年

生産量ピーク:1,282万トン

平成28(2016)年

436万トン

マイワシの漁獲量

昭和53(1978)年

沿岸漁業+沖合漁業の

漁獲量(マイワシを除く)

ピーク:587万トン

平成28(2016)年

255万トン

0

5

10

15

20

0.0

0.5

1.0

昭和35

(1960)

40

(1965)

45

(1970)

55

(1975)

55

(1980)

60

(1985)

平成2

(1990)

7

(1995)

12

(2000)

17

(2005)

22

(2010)

その他

フィリピン

ノルウェー

ベトナム

日本

ロシア

ペルー

インド

米国

EU(28か国)

インドネシア

中国

億トン %

世界の漁獲量に占める日本の漁獲量の割合(右目盛)

28 (2016)

2 漁業・養殖業

日本はかつて、世界の漁獲量のうちの約17%を占め、世界一の漁獲量を誇っていました。しかしながら、1980代に入った頃から急激に減少し続け、近年は4%程度まで下がっています。

資料:FAO「Fishstat(Capture Production)」(日本以外の国)及び農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(日本)

日本の漁業・養殖業生産量の推移

世界の漁獲量に占める日本の割合の推移

漁業の状況

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」

日本の漁業・養殖業生産量は、昭和59(1984)年にピーク(1,282万トン)に達した後、①各国の排他的経済水域(EEZ)の設定による海外漁場からの撤退②マイワシの漁獲量の減少③漁場環境の悪化等により、昭和63(1988)年頃から平成7(1995)年頃にかけて急速に減少し、その後は緩やかな減少傾向が続いています。マイワシの漁獲量の減少は海洋環境の変動の影響を受けて資源量が減少したことが主な要因と考えられています。

3

日本の漁業・養殖業生産量

(千トン)

平成28年 (2016)

合 計 4,359

海 面 4,296

漁 業 3,264

遠洋漁業 334

沖合漁業 1,936

沿岸漁業 994

養 殖 業 1,033

内 水 面 63

漁 業 28 養 殖 業 35

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日本の主な漁法と漁獲物、漁場

沿岸漁業(99万トン)

主な漁場のイメージ 沿岸漁業

沖合漁業

遠洋漁業

沿岸地域で、日帰りで行われることが特徴です。 ・船びき網(イワシ、イカナゴ) ・定置網(アジ、サバ、サケ、ブリ、イワシ) ・ひき縄釣(マグロ類、カツオ) ・採貝・採藻(アワビ、サザエ、アサリ、コンブ、ワカメ)

*養殖 ブリ、マダイ、ギンザケ、クロマグロ ホタテガイ、カキ、ノリ、コンブ、ワカメ

*内水面 ウナギ、コイ、アユ、ニジマス

定置網漁業

船びき網漁業

いか釣漁業

カキ養殖

日本の漁業

4

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沖合漁業(194万トン)

遠洋漁業(33万トン)

日本近海で、2、3日かかることが多いです。 ・沖合底びき網(スケトウダラ、ホッケ、カレイ、イカ類、ズワイガニ、タイ) ・大中型まき網(サバ、イワシ、アジ、スルメイカ、カツオ、マグロ類) ・さんま棒受網(サンマ) ・さけ・ます流し網(サケ、ベニザケ、カラフトマス、ギンザケ) ・近海いか釣(スルメイカ、ヤリイカ、アカイカ) ・近海かつお一本釣り(カツオ) ・近海まぐろはえ縄(メバチ、キハダ、ビンナガ) ・日本海べにずわいがに(ベニズワイガニ) ・ずわいがに(ズワイガニ) ・かじき等流し網(カジキ、カツオ、マグロ類)

世界中の海で、長い日数をかけて行われることが特徴です。 ・遠洋底びき網(クサカリツボダイ、キンメダイ、カラスガレイ、アカウオ) ・以西底びき網(キダイ、イボダイ、マダイ、カレイ、タチウオ) ・遠洋かつお・まぐろまき網(カツオ、マグロ) ・遠洋まぐろはえ縄(クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガ) ・遠洋かつお一本釣り(カツオ、ビンナガ) ・遠洋いか釣(アカイカ、スルメイカ) ・太平洋底刺し網(カラスガレイ、キンメダイ、クサカリツボダイ)

はえ縄漁業

まき網漁業

注:漁業の分類は「漁業・養殖業生産統計」に基づく。 生産量は平成28年度の数値。

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」に基づき水産庁で作成。

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0

100

200

300

400

500

0

20

40

60

80

昭和26 (1951)

35 (1960)

45 (1970)

55 (1980)

平成2 (1990)

12 (2000)

22 (2010)

28年 (2016)

万トン 万トン 寒冷期 温暖期 温暖期

都道府県別の漁獲量

海面漁獲量の多い都道府県

平成28(2016)年の日本の海面漁獲量の都道府県別内訳を見ると、北海道が日本の約4分の1を占め、次いで長崎県、茨城県となっており、日本各地で漁業が営まれています。

海面漁業漁獲量(割合)

全 国 3,263,618 ( 100.0% )

1 北海道 749,912 ( 23.0% )

2 長崎県 286,490 ( 8.8% )

3 茨城県 244,372 ( 7.5% )

4 静岡県 183,378 ( 5.6% )

5 三重県 170,426 ( 5.2% )

6 宮城県 163,191 ( 5.0% )

7 千葉県 115,158 ( 3.5% )

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(平成28(2016)年)

魚種交替がみられる魚種の漁獲量の推移

水産資源は、自然環境により大きく増減することが明らかにされています。気温や海水温等が数十年間隔で顕著に変化することをレジームシフトと呼びますが、特に、イワシ類等の多獲性浮魚類は、この環境変動に伴って、漁獲量が大きく変動しており、資源水準も同様に大きく変動していると考えられます。我が国周辺水域では、温暖期にはカタクチイワシやスルメイカ等の漁獲量が増え、逆に寒冷期にはマイワシやスケトウダラ等の漁獲量が増える傾向にあります。

2050年、2100年頃のスルメイカの分布変化の予測図

資料:地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響評価と緩和及び適応技術の開発(プロジェクト研究成果シリーズ483)

資料:(研)水産研究・教育機構

6

変動する水産資源

単位:トン

マイワシ (右目盛)

スルメイカ

カタクチイワシ

気候変動は、地球温暖化による海水温の上昇等により、水産資源や漁業・養殖魚に影響を与えます。海水温の上昇が主要因と考えられる近年の減少として、漁業においてはブリやサワラ等の分布域の北上、磯焼けの拡大、南方系魚類であるナルトビエイの分布拡大等が、養殖業においては、ホタテガイの大量斃死やノリの生産量の減少等が報告されています。

気候変動に対しては、温室効果ガスの排出抑制等による「緩和」と、避けられない影響に対する「適応」の両面から対策を進めることが重要です。

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2,742 2,066

1,895

2,612 2,349

6,716

5,868 5,954

7,148

6,321

3,974 3,802 4,060 4,536

3,973

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

平成19

(2007)

22

(2010)

25

(2013)

27

(2015)28年

(2016)

漁労所得(左目盛) 漁労収入(左目盛) 漁労支出(左目盛)

千円

漁業経営の状況

7

資料:農林水産省「漁業経営調査報告」(平成28(2016)年)

沿岸漁船漁家の経営状況の推移

平成28(2016)年の沿岸漁船漁業を営む個人経営体の平均漁労所得は、235万円となりました。 また、漁業に不可欠な燃油の価格は、世界情勢により大きく変動しますが、漁船漁業における漁労支出の

約2割を占めており、漁業経営に与える影響は大きいものとなっています。

燃油価格の推移

ブリ類 マ ダ イ ホタテガイ カ キ ノ リ

日本の養殖業

我が国の養殖業生産量は、近年100万トン前後で推移しています。

また、ノリ類、ホタテガイ、カキ類、ブリ類及びマダイの5種類で、全体の約9割を占めています。

主要5魚介類の養殖生産量の推移

人が魚介類を育てて収穫する方法を養殖といいます。日本では、様々な魚や貝、海藻の養殖をしています。

日本で養殖をしている主な魚介類

小割り式養殖 小割り式養殖 垂下式養殖 垂下式養殖 浮流し式養殖

資料:水産庁調べ 注:A重油価格は、水産庁調べによる毎月1日現在の全国漁業協

同組合連合会京浜地区供給価格。

0

20

40

60

80

100

120

140

昭和35 (1960)

45(1970)

55(1980)

平成2 (1990)

12(2000)

22(2010)

28年 (2016)

その他

マダイ

ブリ類

カキ類

ホタテガイ

ノリ類

万トン

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」 注:平成23(2011)年は、東日本大震災の影響により、岩手県、宮城県及び福島県の3県を除く。

0

20

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140

平成19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)

29

(2017)30年

(2018)

平成20(2008)年8月 124.6円/L

円/L

A重油価格

原油価格

平成30(2018)年9月 54.4円/L

平成30(2018)年10月 92.6円/L

平成20(2008)年7月 88.7円/L

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資料:農林水産省「漁業経営調査報告」(平成28(2016)年)に基づき水

産庁で作成

注:「漁業経営調査報告」の個人経営体及び会社経営体の養殖業の結

果からブリ類養殖業及びマダイ養殖業分を再集計し作成した。

配合飼料及び輸入魚粉価格の推移

養殖用配合飼料の主原料である魚粉の輸入価格は大きく変動しますが、海面養殖業における給餌養殖では餌代が支出の6~7割を占めており、養殖用配合飼料の価格動向は給餌養殖業の経営を大きく左右します。

資料:財務省「貿易統計」(魚粉)、(一社)日本養魚飼料協会調べ(配合飼料、

平成25(2013)年6月以前)及び水産庁調べ(配合飼料、平成25

(2013)年7月以降)

8

海面養殖業における給餌養殖の漁労支出の構造

<給餌養殖(個人経営体)> <給餌養殖(会社経営体)>

世界の養殖業生産量は大幅に増加してきており、平成25(2013)年にはついに漁船漁業生産量を上回りました。しかしながら、国際連合食糧農業機関(FAO)によると、今後、①水質の良い水、②養殖適地、③十分な量・質の養殖用種苗と飼料が入手できるかどうか等が制限要因となり、世界の養殖生産量の増加のスピードはこれまでよりも落ちると予測されています。

養殖業の状況

世界の漁業・養殖業生産量に占める養殖業生産量の割合の推移

資料:FAO「Fishstat(Capture Production、Aquaculture Production)」(日本以外の国)及び農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(日本)

養殖業経営の状況

0

10

20

30

40

50

60

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

昭和35

(1960)

45

(1970)

55

(1980)

平成2

(1990)

12

(2000)

22

(2010)

世界の漁船漁業生産量(左目盛)

世界の養殖業生産量(左目盛)

養殖業の割合(右目盛)

万トン %

28年 (2016)

2.5%

漁船・

漁具・

修繕費 1.4%

餌代 63.9%

種苗代 15.5%

減価 償却費

2.7% その他 14.0%

4.9% 1.9%

餌代 68.8%

種苗代 10.8%

0.4% その他 13.2%

給料手当・役員報酬

減価償却費

漁船・漁具・ 修繕費

雇用労賃

0

5

10

15

20

25

平成18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)

29

(2017)30年

(2018)

万円/トン 平成30(2018)年9月 176,660円/トン

平成30(2018)年9月 166,657円/トン

配合飼料

魚粉

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資料:都道府県が実施している新規就業者に関する調査から水産庁で推計

注:平成22(2010)年は、東日本大震災により、岩手県、宮城県及び福島県の調査が実施できなかったため、平

成21(2009)年の新規就業者数を基に、3県分除いた全国のすう勢から推測した値を用いた。

我が国の漁業就業者数は減少傾向にあり、平成29(2017)年には15万3,490人となりました。漁業就業者の総数が減少する中で、平成21(2009)年以降全国の新規漁業就業者数はおおむね横ばいとなっています。新規漁業就業者数は39歳以下が7割を占めていることもあり、就業者全体に占める39歳以下の漁業就業者数の割合は、近年、横ばい傾向にあります。

漁業就業者の状況

漁業就業者数の推移

新規漁業就業者数の推移

0.7 0.7 0.5 0.6 0.6 0.6 0.6

2.8 2.9 2.5 2.5 2.4 2.2 2.2

6.6 5.4 4.1 4.0 3.7 3.6 3.4

5.8 5.7

4.5 4.1 3.9 3.6 3.4

6.3

5.3

4.1 3.9 3.9 3.8 3.7

1.7

2.2

2.3 2.1 2.2 2.2 2.2

14.6 15.8

16.9 17.8 18.0 17.7 17.8

-10.0

-5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

0

5

10

15

20

25

30

平成15

(2003)

20

(2008)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)29年

(2017)

75歳以上

65~74

55~64

40~54

25~39

15~24歳

39歳以下

の割合

23.8 22.2

18.1 17.3 16.7

万人 %

39歳以下の割合 (右目盛)

就業者数(左目盛)

0

16.0 15.3

資料:農林水産省「漁業センサス」(平成15(2003)年、平成20(2008)年及び平成25(2013)年)及び「漁業就業動向調査」(平成26(2014)

~29(2017)年)

注:1) 「漁業就業者」とは、満15歳以上で過去1年間に漁業の海上作業に30日以上従事した者。

2) 平成20(2008)年以降は、雇い主である漁業経営体の側から調査を行ったため、これまでは含まれなかった非沿海市町村に居住してい

る者を含んでおり、平成15(2003)年とは連続しない。

2,002

1,776 1,920

1,790 1,875 1,915 1,927

0

500

1,000

1,500

2,000

平成21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)28年

(2016)

人 (1,867)

9

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3 水産資源の管理 水産資源を持続的に利用するために

水産資源は、適切に利用すれば持続的に利用することができます。そのためには、過剰な漁獲や漁場環境の悪化を防止して資源を保護したり、種苗放流や漁場環境の整備を行い積極的に資源を増やすなどの取組が重要です。

資源管理の概念図

卵を産む親を残す

子どもの魚を保護する 親になる魚を残すようにする

魚の育つ環境をつくる

資料:(研)水産研究・教育機構の資料に基づき水産庁で作成

3つの資源管理手法の相関図

資源管理の手法

資源管理の手法を大きく分けると、①漁獲圧力を入口で制限する投入量規制(インプットコントロール)、②若齢魚の保護等特定の管理効果を発揮する技術的規制(テクニカルコントロール)、③漁獲圧力を出口で規制する産出量規制(アウトプットコントロール)の3つに分類できます。各々利点と課題の両面があることから、漁業の形態や漁業者の数、漁業資源の状況等の諸要素を勘案し、これらの管理手法を適切に選択し、組み合わせながら資源管理を行っていく必要があります。今後、主要資源については産出量規制を基本に投入量規制及び技術的規制を組み合わせていくこととしています。

生き残り

生き残り

生き残り

生き残り

投入量規制 (インプット・コン

トロール)

産出量規制 (アウトプット・コントロール)

技術的規制 (テクニカル・コントロール)

例:漁船隻数の制限

例:漁具の仕様の 制限

例:漁獲可能量(TAC)の 上限設定

例:禁漁区・ 禁漁期間の設定

例:漁獲努力可能量(TAE)の 総量管理

例:若齢魚の漁獲制限

10

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我が国の漁業管理制度

我が国では漁業の特徴に応じて、様々な手法を組み合わせた資源管理を行っています。法令等で制度化された公的な資源管理としては、関係する都道府県による漁業権免許、国・都道府県による漁業許可、各種の技術的規制、漁獲可能量(TAC)制度等があります。

漁業権漁業

知事が漁協又は個人・法人に対し、特定の沿岸漁業・養殖業を排他的に営む権利を免許

知事許可漁業

都道府県の沖合で操業する漁業について知事が許可

大臣許可漁業

複数県の沖合や外国へ出漁する漁業について国(農林水産大臣)が許可

我が国の漁業管理制度の概念図

操業(6月)イメージ

操業(12月)イメージ

定置漁業権 (3~11月)

特定区画漁業権 (ぶり)(通年)

共同漁業権 (採貝・採藻) (3~6月) 共同漁業権 (たこつぼ) (周年)

共同漁業権(刺し網) (周年)

共同漁業権 (たこつぼ) (周年)

特定区画漁業権 (のり) (10~3月) 特定区画漁業権

(ぶり)(通年) 共同漁業権(刺し網) (周年)

漁業権漁業に関する水面の立体的・重複的な利用のイメージ

11

資料:一般社団法人全国漁業修業者確保育成センター(http://www.ryoushi.jp/)の資料を基に水産庁で作成

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漁業取締り

近年では、漁業者による違反操業は減少していますが、漁業者以外による密漁の検挙件数が増加傾向にあります。特に、反社会的勢力が組織的に行う悪質かつ巧妙な磯根資源の密漁が問題になっています。

資料:水産庁調べ

外国漁船の監視・漁業取締り

我が国の海面における密漁の検挙件数の推移

水産庁漁業取締船「照洋丸」が放水銃を使用して北朝鮮漁船を我が国水域から退去させている(平成29年9月28日撮影)

水産庁による外国漁船の拿捕・立入検査等の件数の推移

資料:水産庁調べ

従来からの中国・韓国・ロシアの2国間協定等に基づく外国漁船への対応に加え、近年、特に日本海の大和堆周辺以北水域における北朝鮮漁船等による違法操業が増加傾向にあることから、同水域に漁業取締船を重点的に配備し、取締活動を行っています。

漁業者以外によるもの

漁業者によるもの

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

昭和57 (1982)

61 (1986)

平成2 (1990)

6 (1994)

10 (1998)

14 (2002)

18 (2006)

22 (2010)

26 (2014)

28年 (2016)

1 4 4

2 3

2 6

5 3

1 4

11 5

9

7 6

5 1

28

22 21 20

21

14

24 115

130

118

80

111

86

24

-20

0

20

40

60

80

100

120

140

0

5

10

15

20

25

30

平成23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)29年

(2017)

立入検査件数

拿捕及び漁具押収件数

韓国漁船

中国漁船

台湾漁船 12 11

14

19

12

6

拿捕件数

立入検査件数(※) (右目盛)

漁具押収件数 (左目盛)

5

資料:水産庁調べ

12

(※)韓国との漁業交渉がまとまっておらず、平成28年7月から韓国漁船が我が国水域で操業できていないことが影響し、件数が減少。

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4 漁場環境 藻場・干潟の保全

放流対象となっている主な広域種

資料:水産庁調べ(平成19年)及び環境省「自然環境保全基礎調査」(その他の年)

藻場・干潟の働き

私たちの生活排水には、沿岸域の汚染源となる有機物やチッソ、リンが含まれています。藻場、干潟は、こうした汚染源を吸収、分解することで、水質や底質を浄化し、沿岸域の環境を守っています。藻場や干潟がなくなると、植物プランクトンが増加し、海水は汚れ、ヘドロが堆積します。

水産生物の産卵・生育の場であり、水質を浄化する役割も有する藻場・干潟の面積が沿岸域の開発等によって大きく減少しました。漁業関係者に加え、研究機関や地域住民等が連携して、藻場・干潟の再生に向けて取り組む必要があります。

資源を増やすための取組

有機物を微生物が分解し、無機

物にする

プランクトンなどの有機物を食べる

生活排水 有機物 チッソ リン

窒素やリンの吸収

窒素やリンの吸収

光合成 二酸化炭素の吸収

酸素の吸収

沖合へ 鳥類の餌場

親水の場

微細藻類による高い生産力

豊富な底生生物相

底泥の安定

豊富な底生生物相

水生生物の産卵場

幼稚仔の保育場

葉上葉間の多様な生物相

二酸化 炭素 CO2

酸素 O2

(万ha)

0

5

10

15

20

25

昭和53 平成10 19年

藻場の面積

0

2

4

6

8

10

昭和20 平成10 19年

(万ha) 干潟の面積

8.3

4.9 4.8 (推計)

20.8

14.6 12.5 (推計)

藻類によるチッソ・リンの吸収 干潟の生物などによる有機物の摂食・分解

多くの水産動物は、ふ化直後の稚仔魚の段階でその多くが捕食されるため、産卵量は多いものの、成魚になる割合は極めて低いものとなっています。このため、栽培漁業と呼ばれる、一定の大きさになるまで人間の保護下で生育させ、ある程度成長してから放流することにより漁業資源を積極的に増大させる取組が約70種を対象に各地で行われています。

満潮時

干潮時

13

太平洋北海域 (北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県) ヒラメ・マツカワ

太平洋南海域 (千葉県・神奈川県・静岡県・愛知県・三重県・和歌山県・徳島県・高知県・大分県・宮崎県) ヒラメ・トラフグ

瀬戸内海海域 (和歌山県・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・福岡県・大分県) トラフグ・サワラ

日本海北部海域 (北海道・青森県・秋田県・山形県・新潟県・富山県) ヒラメ

日本海中西部海域 (石川県・福井県・京都府・兵庫県・鳥取県・島根県・山口県) ヒラメ

九州海域 (山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県) トラフグ

資料:水産庁、 (研)水産研究・教育機構 注:シロザケのふ化放流事業は、日本海

側では石川以北、太平洋側では茨城以北で実施されている。

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海洋におけるプラスチックごみの問題

近年、海に流出するプラスチックごみの増加の問題が世界的に注目を集めています。海に流出したプラスチックごみは、海鳥や海洋生物が誤食することによる生物被害、海岸の自然景観の劣化など、様々な形で環境や生態系に影響を与えるとともに、漁獲物へごみの混入など漁業にも損害を与えます。

野生生物による漁業被害と対策

海洋におけるプラスチックごみの影響

国が行う野生生物による漁業被害対策の例

資料:水産庁調べ

近年、トドやヨーロッパザラボヤ等による漁業被害が顕在化しています。国では、都道府県の区域を越えて広く分布・回遊し、広域的な対策の効果が見通せるものについて、出現状況の調査と情報提供、被害軽減のための技術開発、駆除活動等へ支援を行っています。 内水面では、オオクチバスやカワウ等による資源の食害が問題となっており、国では防除対策を推進しています。

砕ける 微細化

紫外線・波浪等

プラスチックごみ

マイクロプラスチック

堆積

有害物質

吸着

摂食

トドによる漁獲物 の食害

<トド>

<ヨーロッパザラボヤ>

養殖ホタテガイに大量に付着

海面

<オオクチバス>

<カワウ>

個体数と分布域が拡大し、食害が問題化

外来魚による食害

内水面

大型クラゲの出現動向を迅速に把握するための日中韓共同による大型クラゲのモニタリング調査等

有害生物の駆除・処理、改良漁具の導入促進といった被害軽減対策等

音響発生装置を用いたトド追い払い手法の実証、海洋環境に応じたヨーロッパザラボヤの付着モニタリング体制を構築するための研究等

有害生物の出現状況・生態の把握及び漁業関係者等への情報提供等

①大型クラゲ国際共同 調査

④有害生物による 被害軽減対策

③有害生物による 被害軽減技術の開発

②有害生物調査及び 情報提供

駆除の実効性向上に資する有害生物の利活用のための技術開発

⑤利活用促進

14

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5 水産物の流通・加工・貿易 水産物の流通

消費地市場経由量と経由率の推移

水産物の流通では、常に冷凍・冷蔵により鮮度を保持する必要があること、また多様な漁獲物の一つ一つについてきめ細かく評価・仕分けが行われることなどから流通コストがかかります。

15

水産物の一般的な流通経路

産地卸売市場 産地に密着し、漁業者が水揚げした漁獲物の集荷、選別、販売等を行う。

消費地卸売市場 各種産地卸売市場等から出荷された多様な水産物を集荷し、用途別に仕分け、小売店等に販売する。

商品としての水産物には、天候や魚の分布等の自然条件に左右されて生産量やサイズ構成が不安定、品質やサイズによって用途が異なる、生鮮の状態では腐りやすく保存性が低いなどの特性があります。 こうしたことから、一般的に、水揚げされた水産物は、まず水揚港に隣接する産地卸売市場で集荷され、魚種、サイズ、品質等により仕分された後、産地出荷業者や加工業者等に販売されます。全国各地の水産物は、そのまま又は加工等を経て消費地卸売市場に出荷され、仲卸業者、小売業者等の手を経て消費者の手元に届けられることとなります。

水産物の価格構造(平成26(2014)年度)

生産者受取価格

28.9産地卸売経費

1.4

産地出荷業者経費

24.7

卸売経費

2.6

仲卸経費

9.0

小売経費

33.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100%

資料:農林水産省「食品流通段階別価格形成調査」

近年、水産物の国内流通量が減少しています。また、平成26(2014)年の水産物の消費地卸売市場経由率は52%と20年前と比較して約2割低下しています。

また、水産物卸売市場の数は産地卸売市場、消費地卸売市場とも減少しています。一方、小売・外食業者等と産地出荷業者との消費地卸売市場を介さない産地直送、漁業者から加工・小売・外食業者等への直接取引、インターネットを通じた消費者への生産者直販等、市場外流通が増えつつあります。

資料:農林水産省「卸売市場データ集」

水産物卸売市場数の推移

70.2 71.6

63.4 58.4 58.0 56.0 55.7

53.4 54.1 51.9

0

20

40

60

80

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

平成5

(1993)

10

(1998)

15

(2003)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)26年

(2014)

水産物の流通量(左目盛) 消費地市場経由量(左目盛) 万トン

消費地市場経由率(右目盛)

49 48 46 44 43 39 36 35 35

287 280 277 273 269 262 258 257

333 332 331 329 323 318 317 317

0

50

100

150

200

250

300

350

平成20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)28年度

(2016)

市場数 地方卸売市場(産地)

地方卸売市場(消費地)

中央卸売市場

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水産加工業の動向

HACCPへの対応

水産加工業は、腐敗しやすい水産物の保存性の向上、家庭での調理の手間の軽減、生鮮品とは違った風味を持つ製品の提供といった機能を通し、水産物の付加価値の向上に寄与しています。我が国の国内市場に出回った食用魚介類の6割が加工品として供給されています。

資料:農林水産省「水産物流通統計年報」(平成21(2009)年以前)、「漁業センサス」(平成25(2013)年)及び「水産加工統計調査」(その他の年) 注:水産食用加工品とは、水産動植物を主原料(原料割合50%以上)として製造されたものをいう。焼・味付のり、缶詰・びん詰、寒天、油脂は除く。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

平成18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)28年

(2016)

その他 くん製品 素干し品 煮干し品 節製品 塩干品 塩蔵品 冷凍食品 練り製品

千トン

2,000 1,931 1,940 1,850 1,817

1,723 1,728 1,716 1,705 1,682 1,630

1,679 1,657 1,655 1,616 1,540

1,251 1,257

1,383 1,485

1,416 1,402

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

平成18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)28年

(2016)

千トン

水産食用加工品

生鮮冷凍水産物

水産加工品生産量の推移

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、原材料の受入れから最終製品に至るまでの工程ごとに、微生物による汚染や金属の混入等の食品の製造工程で発生するおそれのある危害をあらかじめ分析(HA)し、危害の防止につながる特に重要な工程を重要管理点(CCP)として継続的に監視・記録する工程管理システムのことです。HACCPは国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会がガイドラインを策定しており、食品安全の管理方法として世界的に利用されています。

米国やEU等に水産物を輸出する際には、水産加工施設等に米国やEUで求められているHACCPシステムの実施と施設基準への適合が必要なため、国では、衛生管理に関する講習会等の開催や水産加工・流通施設の改修等を支援しています。

水産加工品業等における対EU・米国輸出認定施設数の推移

192 217 228

244 260 268

253 254 252 262

284

317

363

85 87 87 86 82 80 79 76 73 72 70 71 74

17 19 21 21 21 23 27 28 29 35 42

51 56

0

50

100

150

200

250

300

350

400

平成17

(2005)

18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)29年度

(2017)

施設数

対米((一社)大日本水産会及び厚生労働省による認定施設数の合計)

対米(うち厚生労働省による認定施設数) 対EU(水産庁及び厚生労働省に よる認定施設数の合計)

資料:水産庁調べ

16

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17

水産物の輸入

我が国の水産物輸入量・輸入金額の推移と国・地域別金額内訳

資料:財務省「貿易統計」に基づき水産庁で作成

我が国の主な輸入水産物の国・地域別内訳(平成29(2017)年)

水産物輸入量(製品重量ベース)は、平成13(1991)年に382万トンでピークとなった後、おおむね減少傾向で推移しています。また、輸入金額は、リーマンショックの影響を受けた平成21(2009)年以降増加しており、平成29(2017)年には前年比4%増の1兆7,751億円となりました。輸入水産物及び輸入相手国・地域はいずれも多岐にわたっています。

<輸入相手国・地域>

農林水産物総輸入金額に占める割合18.9%

資料:財務省「貿易統計」 注:エビについては、このほか、エビ調製品

(750億円)が輸入されている。

水産物の輸出

我が国の水産物輸出量・輸出金額の推移と国・地域別金額内訳

資料:財務省「貿易統計」に基づき水産庁で作成

我が国の主な輸出水産物の国・地域別内訳(平成29(2017)年)

水産物輸出額は、リーマンショックや東電福島第一原発の事故による諸外国の輸入規制の影響等により落ち込んだ後、平成25(2013)年以降は増加傾向で推移しています。平成29(2017)年には4%増の2,749億円となりました。主な輸出相手国・地域は香港、中国、米国で、これら3か国・地域で輸出金額の約6割を占めています。

<輸出相手国・地域>

農林水産物総輸出金額に占める割合34.1%

資料:財務省「貿易統計」 注1:ホタテガイについては、このほか、ホタ

テガイ調製品(94億円)が輸出されている。

注2:サバ類については、このほか、サバ類調製品(19億円)が輸出されている。

中国 17.9%

米国 9.3%

チリ 8.9%

ロシア 7.0%

6.7%

タイ 6.2% 5.9%

インド ネシア 5.1%

韓国 5.1%

その他 27.9%

平成29年 (2017)

1兆7,751億円

ノルウェー ベトナム

チリ 57.4

% 21.7%

11.2

%

米国 5.2%

その

他 4.5%

サケ・マス類

2,235億円 ノルウェー

ロシア ベトナム 21.9%

インド 17.4%

インド ネシア 14.4%

アルゼ

ンチン 9.2%

タイ 6.5%

カナダ 5.4%

ロシア 4.6%

その他 20.5%

エビ注

2,205億円

台湾 25.4%

中国 15.4%

韓国 9.9% マルタ

7.2%

豪州 5.3%

3.9%

その他 32.9% マグロ・

カジキ類 2,033億円

インドネシア

香港 30.9%

中国 13.6% 米国

12.6% 6.3%

タイ 6.1%

台湾 6.0%

韓国 5.9%

その他 18.5%

平成29年 (2017)

2,749億円

ベトナム

中国 51.4%

米国 12.6%

香港 8.5%

韓国 7.7%

台湾 7.2%

その他 12.6%

ホタテガイ注1

463億円

香港 80.4%

米国 7.1%

その他 12.5%

真珠 363億円

ナイジェリア 25.0%

エジプト 20.0%

ガーナ 13.1%

タイ 12.5%

ベトナム 7.5%

フィリピン 5.0%

インド ネシア 2.6%

その他 14.3%

サバ類注2 219億円

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0

20

40

60

80

100

120

140

平成21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28年

(2016)

g/人日

6 水産物の消費 水産物の消費

年齢階層別の魚介類・肉類の1人1日当たり摂取量

かつては人口100万人以上の国の中で第1位であった我が国の1人当たり食用魚介類消費量は、増加傾向を示す世界とは対照的に減少傾向を示しています。 食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、平成13(2001)年の40.2kgをピークに減少しており、平成23年度に肉類と逆転し、平成28(2016)年度には、前年より1.1kg少ない24.6kgとなりました。

主要国・地域の1人1年当たり食用魚介類 消費量の推移(粗食料ベース)

資料:FAO「Food Balance sheets」(日本以外の国)、農林水産省「食料需給表」(日本)及び国際連合「World Population Prospects」

注:1) 粗食料ベースの数値 2) 粗食料とは、廃棄される部分も含んだ食用魚介類の数量。

資料:農林水産省「食糧需給表」

資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」に基づき水産庁で作成

また、年齢階層別の魚介類摂取量をみると、若い層ほど摂取量が少なく、特に40代以下の世代の摂取量は50代以上の世代と比べて顕著に少なくなっています。ただし、近年では、50~60代の摂取量も減少傾向にあります。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

昭和36

(1961)

46

(1971)

56

(1981)平成3

(1991)

13

(2001)

23

(2011)

韓国 ノルウェー 日本

中国 インドネシア EU(28か国)

米国 ブラジル インド

kg/人年

25年 (2013)

0.0

30.0

60.0

90.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

平成元 (1989)

7(1995)

13 (2001)

19 (2007)

25(2013)

28年度 (2016)

kg/人年 g/人日

魚介類(左目盛)

肉類(左目盛)

たんぱく質(右目盛)

平成28(2016)年度 (概算値) 31.6kg/人

平成28(2016)年度 (概算値) 24.6kg/人

平成13(2001)年度 ピーク:40.2kg/人

平成元(1989)年度 25.8kg/人

平成28(2016)年度 (概算値) 77.8g/人

食用魚介類及び肉類の1人1年当たり消費量とたんぱく質の1人1日当たり消費量の推移

0

20

40

60

80

100

平成21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28年

(2016)

g/人日 魚介類摂取量 肉類摂取量

40代と50代の間に顕著な差

大幅な減少

18

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水産物に対する消費者の意識

19

水産物消費量は減少し続けていますが、消費者の間にはもっと魚を食べたいという意識も根強くあります。一方で、調理することについての考え方では、「できるだけ簡単にしたい」という傾向が強くなっています。

水産物の摂取が健康に良い効果を与えることが、様々な研究から明らかになっています。

主菜となる食材の今後の 摂取量に関する消費者の意向

消費者の「調理すること」に関する考え方

12.6

13.4

15.6

36.3

40.7

13.8

11.4

9.1

4.4

4.0

73.7

75.2

75.4

59.4

55.4

0 20 40 60 80 100

牛肉

豚肉

鶏肉

大豆・

大豆製品

魚介類

増やしたい 変わらない

減らしたい

資料:(株)日本政策金融公庫「平成28年度上半期消費者動向調査」(平成28(2016)年7月1日~7月12日実施、インターネットによるアンケート調査、全国の20~70歳代の男女2,000人(男女各1,000人)) 注:四捨五入の関係上、合計が一致しない場合がある。

20.2

6.2

14.3

27.7

31.6

1.2

0.9

10.3

9.3

7.3

31.7

39.3

0.5

0.4

16.1

7.4

11.4

29.4

34.8

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

その他

豪勢なものを

作りたい

栄養バランスが

とれたものにしたい

お金がかからない

ようにしたい

なるべく手作り

したい

おいしいものを

作りたい

できるだけ簡単に

したい

全体

男性

女性

資料:(株)日本政策金融公庫「平成28年度上半期消費者動向調査」(平成28(2016)年7月1日~7月12日実施、インターネットによるアンケート調査、全国の20~70歳代の男女2,000人(男女各1,000人)) 注:四捨五入の関係上、合計が一致しない場合がある。

水産物の健康効果

水産物の摂取による健康効果に関する研究例

たんぱく質に関するもの

不飽和脂肪酸に関するもの

○血栓の形成抑制効果((独)水産総合研究センター) 魚食には、魚油の血液凝固抑制作用に加え、魚肉タンパク質の血栓溶解作用がある。

(平成16(2004)年10月、欧州の栄養学雑誌「Annals of Nutrition and Metabolism」に掲載)

○心筋梗塞の予防(厚生労働省研究班) 日本人で魚を週に8回食べる人は1回しか食べない人に比べ、心筋梗塞の発症リスクが6割低い。

(平成18(2006)年1月、米国の医学雑誌「Circulation」に掲載) ○男性の糖尿病予防効果((独)国立がん研究センター) 小・中型魚や脂の多い魚の摂取により、日本人男性の糖尿病発症リスクが低下。

(平成23(2011)年8月、米国の栄養学雑誌「American Journal of Clinical Nutrition」に掲載)

○脳卒中や心臓病の予防(厚生労働省研究班) 食事から摂取した魚介類由来の脂肪酸が多いほど、その後の循環器疾患死亡リスクが低い。

(平成26(2014)年2月、欧州の動脈硬化学会誌「Atherosclerosis」に掲載)

○体脂肪の蓄積や血糖の上昇を抑制(愛媛大学) スケトウダラのたんぱく質の摂取により筋肉量が増加し、体脂肪の蓄積や血糖の上昇を抑制。

(平成22(2010)年12月、日本の医学雑誌「Biomedical Research」に掲載)

資料:各種資料に基づき水産庁で作成

○膵臓がんの予防((研)国立がん研究センター) 魚由来のn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いグループは、少ないグループに比べ、膵臓がんの発生リスク

が3割低い。

(平成27(2015)年11月、米国の栄養学雑誌「American Journal of Clinical Nutrition」に掲載)

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いる石垣市が導入した石垣市地域おこし隊は、生徒と共同で水産物の広告作成や地元の水産物を使った「沖縄天ぷら」の販売に協力するさしみ屋(天ぷら屋)マップ作り等を行い、若者に向けた消費促進を若者自身に担ってもらう取組を推進しています。

魚食普及に向けた取組

20

1.生徒たちが取り組む魚食普及活動 (沖縄県)

八重山商工高等学校の ワークショップ風景

(写真提供:石垣市)

近年、日本人の水産物消費量の減少が問題となっていますが、売る側にも特有の課題があります。平成29年に全国の小売り団体3協会が発表した「スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、水産・鮮魚売場部門が、正社

2.水産・鮮魚部門の人手不足解決のために

員が最も不足しています。 株式会社フーディソンは、平成29(2017)年から、魚の加工技術に特化した人材紹介・派遣サービスを行う「さかな人材バンク」の取組を始めました。 このような人材を確保する取組により、水産・鮮魚部門の人手不足解決に向かうことが期待されます。

(写真提供: (株)フーディソン)

沖縄県は、四方を海に囲まれているにもかかわらず、日本で1人当たりの魚介類の消費量が最も少ない都道府県となっています。特に魚介類の消費量が少ないと懸念して

日本人の水産物消費量が減少している中で、様々な関係者が消費者に水産物を食べてもらうための取組を行っています。

「魚の国のしあわせ」プロジェクトの全体像 (広く、生産者、水産関係団体、加工・流通業者、消費者の代表がメンバー)

「魚の国のしあわせ」

実証事業

水産イベントなど、水産物の消費拡大に資するあらゆる取組を定期的に公表

ファストフィッシュ

気軽・手軽・今後の需要拡大が見込める等の選定基準により「わたしたちのファストフィッシュ委員会」が選定

学校教育を通じた

魚食普及の支援

学校と地域・社会や産業界等とが連携・協同した教育活動のため、文部科学省等と連携

長官任命

「お魚かたりべ」

各分野での多様な魚食文化の普及・伝承を後押しするため、水産庁長官が任命

2018年2月28日時点

で、 114事業の取組が登録

2018年9月3日時点で19回選定

のべ669社 3,240商品を選定

2018年7月6日時点で、

137名任命

2012年8月~ 2012年8月~ 2012年10月~ 2012年11月~

また、「魚の国のしあわせ」プロジェクトは、消費者に魚食の魅力を訴え水産物消費を拡大していくため、漁業者、水産関係団体、流通業者、各種メーカー、学校・教育機関、行政等の水産に関わるあらゆる関係者による官民協働の取組として、平成24(2012)年8月に開始されました。このプロジェクトの下、魚食普及のために様々な取組を行っています。

年に1度の魚の祭典「Fish-1グランプリ」が、平成30(2018)年11月25日、国産水産物流通促進センター(構成員JF全漁連)の主催により東京都内で開催され、全国各地の漁師自慢の旬の魚を使った「プライドフィッシュ料理コンテスト」と、国産魚を使った手軽・気軽に食べられる「国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト」の2つのコンテストやステージイベント等が行われました。来場者による投票の結果、プライドフィッシュ料理コンテストでは、1尾ずつ丁寧に釣り上げられた金目鯛を特製のタレで甘辛く煮たあと、香ばしく炙った「銚子つりきんめ煮炙り丼」が、国産魚ファストフィッシュ商品コンテストでは、レンジで温めてすぐに食べられる「呼子剣先いか三色しゅうまい」が、それぞれグランプリに輝きました。 こうしたイベントを通して、多くの人々に水産物の魅力が伝わり、消費拡大につながることが期待されます。

3.第6回Fish-1グランプリ

プライドフィッシュ料理コンテストの受賞者 (写真提供(すべて):全国漁業協同組合連合会)

JF佐賀げんかい 呼子剣先いか三色しゅうまい

JF銚子(JF千葉漁連) 銚子つりきんめ煮炙り丼

海の宝!水産女子の元気プロジェクト

多様な企業・団体と連携し、水産業で活躍する女性の姿を様々な切り口から情報発信

2018年11月~

2018年11月16日

発足!

「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」 「土曜学習応援団」

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漁村の高齢化率は全国平均よりも約10ポイント上回っています。また、全国的な傾向と同様に高齢化率は上昇傾向にあり、高齢化の進行に伴って人口は一貫して減少してきています。

漁村の活性化のためには、それぞれの地域が有する地域資源を見つけ出して最大限に活用していくことが重要です。地域資源の活用に当たっては、それぞれの地域の特性を把握した上で、具体的な取組内容を選定することが必要です。内容に応じ、関連産業と連携を図っていくことも重要です。

7 活力ある漁村づくり 漁村に住む人々

漁村の人口と高齢化率の推移

漁村の特性と取組例

資料:(一財)漁港漁場漁村総合研究所の資料に基づき水産庁で作成

21

資料:水産庁調べ(漁港背後集落の人口及び高齢化率)、総務省「国勢調査」(日本の高齢化率、平成17(2005)年、22(2010)年、27(2015)年)、総務省「人口推計」(日本の高齢化率、その他の年)

注:1) 高齢化率とは、総人口に占める65歳以上の人口の割合。

2) 平成23(2011)~28(2016)年の漁港背後集落の人口及び高齢化率は、岩手県、宮城県及び福島県の3県を除く。

【取組】 直接訪問してもらって、地元で水産物を食べてもらう

(具体例) 直販店舗、定期市、飲食・レストラン、惣菜提供、イベント等

【取組】 短期滞在型・長期滞在型を含めた総合的な都市漁村交流

(具体例) 海レク、観光体験・交流、社会科見学・修学旅行、UIJターン移住、2地域居住、漁村留学等

【取組】 水産物を地域外に販売していく

(具体例) 新たな流通(実需者との直接取引)、加工、ブランド化、通信販売、移動販売、都市部での直売・飲食店等

地域の条件

地域資源

水産物が主

水産物以外が主(文化、自然環境等)

集客しやすい

集客しにくい 【取組】

長期滞在型の都市漁村交流

(具体例) 修学旅行、UIJターン移住、2地域居住、漁村留学等

漁村の活性化

1.高知県清水部会

「土佐の清水さば」の活締め出荷 (写真提供:高知県)

2.大阪府泉州地区

大阪府泉州地区の「浜の活力再生広域プラン」では、漁獲物の集約や鮮度保持のための高速船導入等を推進しています。

高知県清水部会の「浜の活力再生プラン」では、「土佐の清水さば」のブランド化等を推進しています。

「浜の活力再生プラン」は、漁業所得を5年間で10%以上アップすることを目標とし、実現するための方策を地域自ら考え実施するものです。

248 245 240 237 234

212 209 206 203 199 195 192

29.4 30.4 31.2 31.7 32.2 32.5 33.2 34.0 35.1 36.3 37.2 38.1

20.8 21.5 22.1 22.7 23.0 23.3 24.1 25.1 26.0 26.7 27.3 27.9

0

30

60

90

120

150

180

210

240

270

0

10

20

30

40

50

平成18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)

28

(2016)

29年

(2017)

万人

漁港背後集落の人口(左目盛) 漁港背後集落の高齢化率(右目盛)

日本の高齢化率(右目盛)

高齢化率

集約のイメージ図

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22

風浪等によるヨシ帯の消失を防ぐため、ヨシ帯前面に木柵等の保護柵を設置する取組[茨城県]

自然環境を保全する機能

干潟環境の悪化を防ぐため、貝類の突発的な大量斃死により発生した死骸を 除 去 す る 取 組[福島県]

オニヒトデ等のサンゴを食害する生物を除去し、サンゴ礁を保全する取組 [沖縄県]

アマモの栄養株の移植や播種により、アマモ場の維持・回復を図る取組 [岡山県]

百余隻に及ぶ大漁旗で飾った奉迎船が織りなす、勇壮な入船・出船の海上神事[山口県祝島神舞]

カキによって浄化された海水(濃く見える)

プランクトンによって濁っている海水(白っ

ぽく見える)

カキ養殖筏

カキ養殖

オオカナダモなどの外来植物の駆除活動 [愛知県]

地域社会を形成し、維持する機能

水産業・漁村の多面的機能 水産業・漁村は、水産物を漁獲し、漁獲物を加工・流通ルートに乗せて私たちの食卓に届ける食料供給機能に加

え、多面的機能と呼ばれる様々な機能があります。例えば、漁村があることによって、都市住民と地域住民の交流の場が生まれ、海水浴や潮干狩りといったレクリエーションを楽しませてくれます。その他にも、漁業を行うために海を綺麗にするといった自然環境を保全する機能があったり、密入国や密輸の発見、通報及び抑止に寄与する国境監視機能等も、近年注目されています。

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交流等の場を提供する機能

国民の生命・財産を保全する機能

たらい舟を用いた磯ねぎ漁[新潟県佐渡島]

キビナゴを使った伝統的鍋料理 [長崎県五島地方]

体験乗船 [北海道]

干 潟 観 察 会[三重県]

潮干狩り客で に ぎ わ う海岸 [愛知県]

転落者・漂流者の救助訓練の様子 [青森県]

流出油を回収する漁業者 [神奈川県]

川で魚とりを楽しむ人々

[宮崎県]

資料:日本学術会議答申を踏まえて農林水産省で作成(水産業・漁村関係のみ抜粋)

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水産庁 〒100-8907 東京都千代田区霞が関1-2-1 TEL 03-3502-8111 (内線6578) 水産庁ホームページURL http://www.jfa.maff.go.jp/ (本資料に関するお問い合わせ先:水産庁漁政部企画課動向分析班)