mhrc newsletter...mhrc newsletter mhrc研究チームの研究成果紹介...

12
1 死の谷とダーウィンの海 (独)産業技術総合研究所 メタンハイドレート研究センター Methane Hydrate Research Center (MHRC), AIST 2011年10月1日発行 No.9 MHRC Newsletter 産総研は、その発足当初から「本格研 究」の理念の下、研究開発を進めている。 それは、知識・技術の発見・発明から製品 化の間に横たわる「悪夢(死の谷)」を乗り 越え、研究成果を迅速に市場へと展開さ せるための研究方法である。発足から10余、「本格研究」の理念は定着し、未来予 測にもとづくシナリオ策定とその実現に向 けて引き出される具体的な研究課題を克 服するための各種連携を通じ、死の谷を渡 るための研究が進んでいる。ところが、死の 谷を渡ってもビジネスとして成功するため には、次に待つ「ダーウィンの海」を渡りきら なければならないそうである。「ダーウィン の海」とは、最新の技術で新製品が開発さ れたとしても、競合企業や既存製品等の市 場競争に勝つことが難しく、自然淘汰が行 われる現象のことであるとされている。つま り、死の谷を渡りきった開発技術がいかに 革新的であっても、その後の継続的なビジ ネスとして成功させるためには、既存の市 場や産業基盤に打ち勝ち、外的阻害要因 を克服することが求められる。ベンチャー 企業では、死の谷とダーウィンの海を両方 渡ることが多いが、投資額が桁外れに多い 資源開発分野では、「ダーウィンの海」を渡 る主体は現時点で開発を担っている国立 の研究機関ではなく、まさしくそれで収益を 得ようとする産業界であろう。「お前たちは 厳しい海を渡らずに都合の好いことを言う な」と言われるかも知れないが、海を渡り きったものだけが恩恵を受けることを考え れば多分そうであろう。それでは、メタンハ イドレート資源開発の商業化を目指した研 究開発を実施している我々は何をなすべき であろうか。死の谷を渡りきった姿として求 められるものは、その後に待つダーウィン の海を渡るための堅牢・頑強で沈みにくい 船体と操作性の良い舵、船体を自由に操 れる乗組員を揃えることではないだろうか。 加えて、渡る際に出来るだけ海が悪天候に ならないようにすることも必要である。具体 的には、大量・安定な生産手法の開発、実 践的な生産性・生産挙動評価シミュレータ の構築、精度の高い貯留層特性の評価基 盤、長期的な安定生産を実現し社会需要 性を確保するための地層の力学特性評価 基盤などの技術整備はもとより、開発を担う 技術者・研究者などを育成する活動、社会 がメタンハイドレート資源開発を正しく理解 するための日頃の啓蒙活動が必要と思わ れる。産業界から、「おまえ達の作った船で はダーウィンの海は渡れない」、「途中で難 破した。どうしてくれる」などと言われないよ うに、我々は覚悟して取り組む必要がある。 目次: 死の谷とダーウィンの 1 MHRC研究チームの 研究成果紹介 2 研究者クローズアップ 6 MH基礎講座 7 最近の論文紹介 MHRC 8 人材育成活動 9 3回メタンハイドレート 総合シンポジウム CSMH-3)のご案内 10 メタンハイドレート研究 関連イベントカレンダー 11 受賞 HITORIGOTO 編集後記 お問い合わせ 12 メタンハイドレート研究 アライアンス活動 4-5 話題の研究室巡り 3 研究センター長 成田 英夫

Upload: others

Post on 20-Jul-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

1

死の谷とダーウィンの海

(独)産業技術総合研究所 メタンハイドレート研究センター Methane Hydrate Research Center (MHRC), AIST

2011年10月1日発行

No.9

MHRC Newsletter

産総研は、その発足当初から「本格研

究」の理念の下、研究開発を進めている。

それは、知識・技術の発見・発明から製品

化の間に横たわる「悪夢(死の谷)」を乗り

越え、研究成果を迅速に市場へと展開さ

せるための研究方法である。発足から10年

余、「本格研究」の理念は定着し、未来予

測にもとづくシナリオ策定とその実現に向

けて引き出される具体的な研究課題を克

服するための各種連携を通じ、死の谷を渡

るための研究が進んでいる。ところが、死の

谷を渡ってもビジネスとして成功するため

には、次に待つ「ダーウィンの海」を渡りきら

なければならないそうである。「ダーウィン

の海」とは、最新の技術で新製品が開発さ

れたとしても、競合企業や既存製品等の市

場競争に勝つことが難しく、自然淘汰が行

われる現象のことであるとされている。つま

り、死の谷を渡りきった開発技術がいかに

革新的であっても、その後の継続的なビジ

ネスとして成功させるためには、既存の市

場や産業基盤に打ち勝ち、外的阻害要因

を克服することが求められる。ベンチャー

企業では、死の谷とダーウィンの海を両方

渡ることが多いが、投資額が桁外れに多い

資源開発分野では、「ダーウィンの海」を渡

る主体は現時点で開発を担っている国立

の研究機関ではなく、まさしくそれで収益を

得ようとする産業界であろう。「お前たちは

厳しい海を渡らずに都合の好いことを言う

な」と言われるかも知れないが、海を渡り

きったものだけが恩恵を受けることを考え

れば多分そうであろう。それでは、メタンハ

イドレート資源開発の商業化を目指した研

究開発を実施している我々は何をなすべき

であろうか。死の谷を渡りきった姿として求

められるものは、その後に待つダーウィン

の海を渡るための堅牢・頑強で沈みにくい

船体と操作性の良い舵、船体を自由に操

れる乗組員を揃えることではないだろうか。

加えて、渡る際に出来るだけ海が悪天候に

ならないようにすることも必要である。具体

的には、大量・安定な生産手法の開発、実

践的な生産性・生産挙動評価シミュレータ

の構築、精度の高い貯留層特性の評価基

盤、長期的な安定生産を実現し社会需要

性を確保するための地層の力学特性評価

基盤などの技術整備はもとより、開発を担う

技術者・研究者などを育成する活動、社会

がメタンハイドレート資源開発を正しく理解

するための日頃の啓蒙活動が必要と思わ

れる。産業界から、「おまえ達の作った船で

はダーウィンの海は渡れない」、「途中で難

破した。どうしてくれる」などと言われないよ

うに、我々は覚悟して取り組む必要がある。

目次:

死の谷とダーウィンの

海 1

MHRC研究チームの

研究成果紹介

2

研究者クローズアップ 6

MH基礎講座

7

最近の論文紹介

@MHRC

8

人材育成活動 9

第3回メタンハイドレート

総 合 シ ン ポ ジ ウ ム

(CSMH-3)のご案内

10

メタンハイドレート研究

関連イベントカレンダー

11

受賞 HITORIGOTO 編集後記

お問い合わせ

12

メタンハイドレート研究

アライアンス活動

4-5

話題の研究室巡り 3

研究センター長

成田 英夫

Page 2: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

2

MHRC Newsletter

MHRC研究チームの研究成果紹介

■生産技術開発チーム

メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

解挙動の包接ガス種依存性についていくつかの知見を得ま

した。生成圧力が高いガス種の場合、分解時の氷生成が表

面から徐々に進行するのに対して、生成圧力が低いガス種

では瞬時に分解するが、一部のハイドレートが氷のマトリック

スに分散して残ることが分かりました1,2)。また、エタンハイド

レート分解時のラマン分光から、氷点下以下のハイドレート

分解時に一時的に過冷却水に分解することを確認しました

3)。現在これら氷生成とガス生産性の関係について定量的

な検討を行っています4)。

一方、ガスハイドレート機能活用技術開発分野では、高

速生成技術開発の基礎検討として、簡易的な相図作成手

法を開発するとともに5)、 H型ハイドレートの生成挙動の過

剰圧依存性から生成速度因子についていくつかの知見が

得られました6)。また自己保存性の原理解明については、メ

タン-エタン混合ガスハイドレートについて自己保存性が生

じることを初めて実験的に明らかにするとともに7)、新たな分

解抑制技術開発などの研究成果8)が得られています。

1) Ohno et al, J. Phys. Chem. Lett., 2, (2011), 201. 2) Ohno et. al, ChemPhysChem., 12, (2011), 1661.

3) Ohno et. al.,J. Phys. Chem. A, 115, (2011), 8889.

4) Konno et al, under reviewing in Energy & Fuels. 5) Jin et al, J. Chem. Eng. Data, 56, (2011), 58.

6) Jin et al, Cryst. Growth Des., 11, (2011), 3149. 7) Uchida et al, ChemPhysChem., 12, (2011), 1652.

8) Kida et al accepted for publication in Phys. Chem. Chem. Phys.

顕微鏡観察法によって得られた

Krハイドレートの相図

0.1MPa、245Kで分解しているAr(a-e)ならびにKr(f-h)ハイドレートのX線

CTイメージ。(a)30分、(b)120分、(c)180分、(d)270分、(e)450分、(f)30分、

(g)480分、(h)1260分。*リファレンスの氷。スケールバー、300ミクロン。

a

h

dc

gfe

b*

*

Reprinted with permission from Journal of Chemical and Engi-neering Data. 56. (2011): 58-61. Copyright 2011, American Chemi-cal Society.

Reprinted with permission from Journal of Physical Chemistry Letters. 2. (2011): 201-205. Copyright 2011, American Chemical Society.

Page 3: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

No.9

3

話題の研究室巡り

東京メトロ副都心線の西早稲田駅の3番出口を出るとそ

こはすでに早稲田大学西早稲田キャンパスの敷地でした。

学食で腹ごしらえの後、そばの学生に目指す51号館の場

所を尋ねると親切な答えが返ってきました。

早稲田大学の資源開発研究は古くから歴史があり、金属

鉱山、炭鉱などに関する研究を経て約40年前に石油工学

研究室が設立されました。当時の石油工学関係の研究室

は、東京大学、秋田大学と早稲田大学にしかなかったとの

ことです。現在、理工学術院には、先進、創造、基幹の3つ

の理工学部があり、環境資源工学科は創造理工学部に属

しているとのこと。石油関係の研究室としては、栗原研究室

のほか、岩盤・生産工学の森田信夫研究室、物理探査の

斎藤章研究室といずれも高名な研究室で、早稲田大学の

層の厚さを感じさせます。

栗原教授は、以前に勤務されていた日本オイルエンジニ

アリング(株)で生産シミュレータ(MH21-HYDRES)の開

発に取り組まれ、まさにメタンハイドレート資源開発の中心

人物のお一人と言っても過言ではありません。メタンハイド

レート開発実施検討会の座長を務められていた在原教授

の後任として今年の4月に赴任されました。米国では、

シェールガスなどの新たな資源の開発が進められている

が、理屈が追いついていないとのこと。「これまでIndustry

の分野で仕事を行っ

て来たが、違う立場か

ら資源を見つめたい」

と、大学へ異動した動

機をお話しいただきま

した。

研究室では、油層

工学(Reservoir en-

gineering)の研究に取り組まれておられます。油層工学

は、貯留層解析、貯留層モデリング、生産挙動予測、埋蔵

量評価などの基礎となるものです。石油開発においてはブ

レーン的な役割を果たすため、地質・物理探査、掘削、生

産等の他分野にも精通している必要があり、栗原教授によ

れば、単純な技術力だけでなく、包括的な知識・判断力や

人間力が備わった学生を輩出したいとのことでした。

研究室には、修士1名、4年生7名が在籍しており、新たな

天然ガス資源として期待されているシェールガスやメタンハ

イドレートの生産挙動予測シミュレータの開発や貯留層モ

デルの構築技術、石油増進回収技術などに取り組んでい

ました。実験室は、浸透率や孔隙率を評価する装置などが

あり、石油工学を修得する上で不可欠な基礎から取り組む

様子がうかがえました。今後、新たなアイディアによる石油

増進法の開発のための装置を整備していくとのこと。今後

の新たな発見や原理の追求が期待されます。

今年7月にエジンバラで開催された、7th International

Conference on Gas Hydrate(ICGH)」には、栗原教授

のほか、4年生2名が参加されたとのことです。学生時代の

このような経験は、真の意味で国際的で

あり、基礎的な現象について議論がで

き、自ら考えられる人材となるために非

常に役立つものと思われます。

■早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科 栗原正典研究室

■沿革

早稲田大学の資源関連の学科は、古くは鉱山学科と呼ばれ、

金属鉱山、炭鉱などの開発関連の研究を実施。栗原教授の指導

教官でもあった山崎豊彦教授は、今から約40年前に石炭の研究

から石油工学の研究へと方向を転換し、石油工学研究室が誕生。

その後に赴任された在原典男教授の退官に伴い、栗原教授が迎

えられた。

■問い合わせ先ホームページ

早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 環境資源工学科

http://www.env.waseda.ac.jp/

栗原正典教授のメールアドレス

Page 4: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

MHRC Newsletter

4

メタンハイドレート研究アライアンス活動

内閣府認可NPO法人「テクノ未来

塾」(http://www.techno-miraijuku.com) か

ら、東京フォーラム開催のため講演の

依頼がありました。この「テクノ未来塾」

は、科学技術に関心を持つ人のため

に、研究・開発に伴う基本的な思考方

法と独創性を磨き、高い倫理で開発

力を発揮するための啓蒙と情報共有

の場を提供することを目的に、13年前

に発足。現在、メーカーおよび国公立

研究機関、大学、シンクタンクなどの

若手・中堅の技術職・研究職を中心に

全国で約300名の会員が在籍されて

いるとのこと。

講演は7月30日に行われましたが、

当日は25名の参加者があり、成田研

究センター長から、自分がこの研究に

携わることになった経緯や一次エネル

ギー需給の動向、開発対象となるメタ

ンハイドレート資源の態様やその生産

手法、海洋産出試験計画などのほ

か、ガスハイドレートの性質を利用した

新たな産業技術創出への取り組みに

ついて紹介されました。

講演終了後は、グループ毎に分か

れてメタンハイドレートやエネルギー資

源、今後のエネルギーのあり方などに

ついて討論し、成田研究センター長を

含む全員で更に検討を重ねる形式で

進められました。

参加した塾生からは、「メタンハイド

レート資源開発のメリット、デメリットを

一般に広く知らせた上での実用化に

期待する」、「今の原油価格では成り

立たないとしても、日本にも開発可能

な天然ガス源があることを示せば、エ

ネルギー外交の助けになると思う」、

「いつでも取り出せるように準備できれ

ば、エネルギー備蓄になるのではない

か」、「経済的に成り立つ方法で取り出

すのが如何に難しいかわかった」、

「研究開発は試験を通して課題を抽

出し、課題解決策を考え他の資源に

対抗できるコストで仕上げてほしい」、

「プラットフォーム上で発電して電力と

して供給しては如何か?」などを始め

多くのご意見や疑問・感想を頂きまし

た。 また、事務局長の長谷川芳子氏

は、「ここの塾生は、仕事以外でも個

人的に多様な視点で専門を超えた勉

強をしたいという思いを抱いている熱

心な方々ばかりなんです」と話されて

いましたが、あらためて皆様の勉強熱

心さに感銘いたしました。

今後も、皆様のさらなるご活躍と今

回の勉強会で蓄えた「知」を、

次なるステップへの足

がかりとして頂ければと

願っております。

■依頼講演

7月8日、第6回メタンハイドレートアライアンス講演会を臨

海副都心センターにて開催しました。今回は、「メタンハイド

レート層からのガス生産手法に関する研究開発」をテーマ

として、早稲田大学理工学術院栗原正典教授から「メタン

ハイドレート層からのガスの生産性評価」、東京大学大学院

工学研究科増田昌敬准教授から「CO2圧入によるメタンハ

イドレート層からのガス生産について」 、鹿島建設技術研

究所露木健一郎研究員から「超音波を利用したメタンハイ

ドレートの分解促進に関する研究」、みかづき学園理事長

杉本昭壽氏から「ガスハイドレート層からのガス回収システ

ムについて」と題する4件のご講演を頂きました。

今回は58名の参

加者を数えました

が、資 源 開 発 関

係機関のみなら

ず、特許事務所、

銀行、証券会社、

参議院議員など

からもご参加いただき、震災以降のメタンハイドレート資源

開発に対する社会的関心の高まりを感じました。

栗原教授の講演の様子

■第 6 回メタンハイドレート研究アライアンス講演会

Page 5: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

5

新宿コズミックセンターで、東京都中学校理科教育研究会

の実験教室を7月29日に行いました。

この研究会は、「来年度からの新学習指導要領で新たに含

まれる項目から、神秘や有用性を実感できるような観察・実

験、授業のネタになる最新の科学情報等々、子供達に還元

できる内容を紹介したい」という目的から、都内に勤務する

若手教員を対象に、勉強会を開催しているとのこと。

当日の実験教室では約40名の教員が出席し、いろいろな

講義が行われ、メタンハイドレートの時間では、成田研究セ

ンター長が「メタンハイドレートとはどういうもので、どこにどの

ように賦存し、どういう条件下でできるのか」等の他、資源開

発に関しての講義を行いました。また、天満副研究センター

長による燃焼実験やメタンハイドレート構造模型を用いた説

明を行い、より具体的な質問や疑問について答えました。メ

タンハイドレート資源やガスハイドレートの性質についての

説明を、教育の現場で役立てて頂ければと思います。

■実験教室 -並木中学校-

英国、エジンバラにて2011年7月17日~21日に開催され

たICGH-7(7th International Conference on Gas Hy-

drates) に参加しました。

ICGHは3年ごとに開催される世界のガスハイドレート関連

の研究者が一堂に会する学会で、今大会は100件の口頭

発表と500件以上のポスター発表が行われました。内容は

基礎から資源開発、気候変動まで多岐にわたり、特にフ

ローアシュアランスに関する独立したセッションが設けられて

いる点が目を引きました。ま

たエジンバラは世界遺産の

名にふさわしく、有名なエジ

ンバラ城と伝統的な町並み

が 美 し く、毎 日 降 る 雨 と 相

まって非常に印象的でした。

次回のICGHは2014年に北

京で開催される予定です。

(物理特性解析チーム川村太郎)

■ 7th ICGH 参加報告

2011年6月19日から24日にかけて米国ハワイ州マウイ島

にて開催されたISOPE-2011 に出席しました。

ISOPEは海洋工学に関する国際会議で、今回の会合で

は51カ国以上から735件の研究発表が集まり、ハイドレート

関連では3つのセッションで13件の発表が行われました。

この会議へ出席した当研究センターの研究員からは、ハイ

ドレートの生成・分解機構に関する研究やMH胚胎層の力

学特性に関する研究など、6件の研究発表が行われまし

た。 また、その他にはメタンハイドレートのCO2置換に関す

る研究など、関連した発表もあり、活発な議論が交わされて

いました。 (物理特性解析チーム 平林 紳一郎)

■ ISOPE-2011 参加報告

発表中の著者

開催会場

6月14日(火)に、つくば市並木中学校にて実験教室を行

いました。並木中学校では第二学年生徒の総合的な学習

の時間「スペシャリストに学ぶ会」が実施されています。今回

はつくば市内の幾つかの研究機関から複数の研究者が来

校して2コマ分の授業時間を使って実験教室を行いました。

当日は、参加者約30名を5班に分けて、各班に小皿に入

れた氷とメタンハイドレートを配って、五感を使って気づいた

ことをグループで話し合ってもらいました。その後にメタンハ

イドレートの結晶構造や日本周辺の分布域等について説明

を行いました。さらに生徒さんが「科学を学ぶと同時に、研

究者としての職業も知りたい。」ということで色々な質問が出

て研究者が回答していました。

今回の機会が生徒さんのさらなる興味・関心を高める良

いきっかけになるといいですね。

■実験教室 -東京都中学校理科教育研究会-

Receptionの様子

No.9

Page 6: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

6

MHRC Newsletter

研究者クローズアップ メタンハイドレート研究センターでは、メタンハイドレート

開発促進事業・第2フェーズにおいて、生産手法高度化技

術の一つとして、メタンハイドレート層内で熱を発生させるこ

とによって温度を回復し、効率的に回収率を向上させる手

法の開発を行っています。炭酸ガス圧入法は、その一つの

方法で、生産後の浸透率が高いメタンハイドレート層に炭

酸ガスを圧入し、炭酸ガスハイドレートの生成熱を利用して

温度を回復させるものです。今回は、液化炭酸ガスと水の

エマルジョンを利用してメタンハイドレート層内に炭酸ガス

を圧入する手法の開発を担われている財団法人電力中央

研究所・地球工学研究所上席研究員の池川洋二郎さんに

お話を伺いました。

■現在のお仕事の概要を教えてください。

液化炭酸ガス/水エマルジョンを製造する方法、その液化

炭酸ガスの密度とエマルジョンの安定性の関係を評価する

と共に、砂を詰めた全長1.5mの圧力容器内にエマルジョン

を圧入したときの炭酸ガスハイドレートの生成による温度上

昇などを解析しています。この方法のメリットは、炭酸ガスハ

イドレートは温度が約10℃になると生成しなくなるため、急

激に孔隙の閉塞が起こらず遠くまでエマルジョンを圧入す

ることが可能と思われます。

■現在の研究に取り組んだきっかけは?

大学では、岩盤工学を専攻していました。博士論文は、

岩盤の幾何学特性に関するものでした。電力中央研究所

入所後は、まず圧縮空気貯蔵ガスタービンの研究開発を

手がけました。その後、炭酸ガスの貯留に関する研究開発

において、液化炭酸ガス/水エマルジョンの製造技術の開

発を行い、この液化炭酸ガス/水エマルジョンをメタンハイド

レート資源の開発に応用出来ないかと考えたのがきっかけ

です。

■研究の目指している目標は?

生産後のメタンハイドレート層を効率的に加熱する実践

的な技術として完成し、減圧法で分解しきれなかったメタン

ハイドレートの回収率向上を果たしたいと思っています。さ

らに、結果的に炭酸ガスの貯留にも役立てたく思っていま

す。原理的には、炭酸ガスハイドレートの生成による加熱は

可能ですが、実際のフィールドにおいて、閉塞なしに遠くの

地層まで炭酸ガスが行き渡るかについて、メタンハイドレー

ト層の原位置条件下での実験的検証を急いでいるところで

す。

■研究を行う上でのご苦労は?

扱っている炭酸ガスは、メタンと違い膨潤によってゴムス

リーブの材質を劣化させるため、バイトンなどのフッ素ゴム

を使用しなければなりません。しかし、フッ素ゴムは加工が

極めて難しくどうしても実験に制約が出てきたり長い時間が

かかってしまうことが現在の悩みです。

■マイブーム

歴史小説を読んで、その舞台を自転車で巡っています。

これまで、東北の平泉や奈良などに行きましたが、地形と歴

史の関連が分かったり、小説だけでは読めないところもあ

り、大きな楽しみです。最近では、京都を巡りました。電車

で目的地に行ってレンタサイクルを借りたり、輪行と言って、

自転車を袋に入れて持ち運んだりしています。

■最後に読者へのメッセージをお願いします。

炭酸ガスを将来のメタンハイドレート開発の商業化に役

立てたいと思っています。そのためには、多くの研究者や

技術者の連携が不可欠であり、ご協力をお願いします。

■取材を終えて

物静かで、遠慮がちではあるが情熱を大いに感じさせる

研究者でした。開発されているご研究がフィールドへ適用

できる技術として完成すれば、メタンハイドレート資源の生

産性向上に大いに役立つものと思います。さらに、将来的

には炭酸ガスの貯留などへの波及効果も想定され、今後の

ご活躍が楽しみです。自転車の運転はお気を付けて。

池川 洋二郎(いけがわ ようじろう)

1963年 愛媛県松山市生まれ

1988年 京都大学大学院工学研究科土木工学専

攻修士課程終了

1992年 Department of Mineral Resources Engineering,

Imperial college, University of London にて学位取得

1992年 財団法人 電力中央研究所に入所 (上席研究員)

■連絡先

財団法人 電力中央研究所 地球工学研究所

http://criepi.denken.or.jp

Page 7: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

MH基礎講座

■ガスハイドレートのラマン分光分析

ラマン分光分析はインドの科学者C.V. Ramanが海の表

面で散乱される反射光からヒントを得たことから発展した分

析方法で、物質に入射した光と反射光のエネルギー差か

ら、物質を構成する分子のエネルギー状態を分析するもの

である。あるエネルギーを持った入射光が測定対象物質か

ら反射する際に一部の光は分子とエネルギーをやり取りし、

入射光と異なったエネルギーの反射光が散乱される。この

反射をラマン散乱、入射光とラマン散乱光のエネルギー差

をラマンシフトと呼び、通常ラマンシフトは波長の逆数(波

数、単位:cm-1)で表現される。

メタン分子をゲストとしたクラスレートハイドレートの場合、

大ケージと小ケージに取り込まれたメタン分子はそれぞれ異

なったエネルギー状態にある。メタンハイドレートに対してラ

マン分析を行うと、図1青線のように異なった波数領域に2つ

の振動スペクトルが観察され、低波数側、高波数側のスペク

トルはそれぞれ大ケージ、小ケージ中のメタン分子に起因

する。これらのスペクトルの積分強度は各ケージ中のメタン

分子数に対応しているため、大・小ケージの比率が3:1であ

るI型結晶構造の場合、スペクトルの積分強度比も約3:1とな

る。ただし、ほとんどの場合、各ケージはゲスト分子によって

100%占有されるわけではなく、何割かはゲストを含有しない

空ケージとなっているため、実際の積分強度は3:1とは若干

異なる。したがって、各分子のスペクトル積分強度と総計熱

力学的モデルを用いることで、クラスレートハイドレートの

ケージ占有率、水和数などが推算可能である。また、メタン

とプロパンの混合ガスから成るクラスレートハイドレートは、

大・小ケージの比率が1:2であるII型結晶構造を形成する

が、そのラマン分析結果は図1赤線に示したように大・小

ケージ中のメタンに起因する振動スペクトル積分強度の比

率がI型の場合と逆転する。これらのことから、クラスレートハ

イドレートの結晶構造、ゲスト分子のモル分率などが推察、

推算できる。また、ラマン分析は非破壊で分析可能なため、

クラスレートハイドレート生成・分解の途中で連続的にラマン

分析することで、メタンガスがケージ中に取り込まれ

たり、二酸化炭素とメタンガスが交換したり、高

圧力領域でケージからメタンガスが排除され

たりする過程をその場観察することが可能である。

また、ラマン分光法と同じような波長範囲を用いる分光分

析法に赤外分光法がある。詳しい説明は専門書に譲るが、

お互いに検出できる分子振動が異なるため、例えばクラス

レートハイドレートの場合、ゲスト分子振動はラマン分光法、

ホストケージの水分子振動は赤外分光法(全反射型)を用

いるのが有効である。

以上のように、ラマン分光分析はメタンハイドレートの資源

開発やクラスレートハイドレートに関する研究において有用

な基礎データを提供する強力なツールである。

(物理特性解析チーム 川村 太郎)

図1 メタンハイドレート(青線)、及びメタン‐プロパン混合

ハイドレート(赤線)の振動ラマンスペクトル

2850 2870 2890 2910 2930 2950 2970

Raman Shift (cm-1)

Inte

nsit

y

I型小ケージ中のメタン

II型小ケージ中のメタン

I型大ケージ中のメタン

II型大ケージ中のメタン

7

No.9

Page 8: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

最近の論文紹介@MHRC

Dissociation Behavior of C2H6 Hydrate at Temperatures below the Ice Point: Melting to Liquid Water Followed by Ice Nucleation

Hiroshi Ohno, Ikumi Oyabu, Yoshinori Iizuka, Takeo Hondoh, Hideo Narita, and Jiro Nagao

The Journal of Physical Chemistry A, 2011, 115 (32), pp 8889–8894 (DOI: 10.1021/jp204157w)

The dissociation of C2H6 hydrate particles by slow depressurization at temperatures slightly below the ice melting point was studied using optical microscopy and Raman spectroscopy. Visual observations and Raman measurements revealed that ethane hydrates can be present as a metastable state at pressures lower than the dissociation pressures of the three components: ice, hydrate, and free gas. However, they decompose into liquid water and gas phases once the system pressure drops to the equilibrium boundary for supercooled water, hydrate, and free gas. Structural analyses of obtained Raman spectra indicate that structures of the metastable hydrates and liquid water from the hydrate decay are fundamentally identical to those of the stable hydrates and supercooled water without experience of the hydration. These results imply a considerably high energy barrier for the direct hydrate-to-ice transition. Water solidification, probably induced by dynamic nucleation, was also observed during melting.

270Kで減圧分解中のC2H6ハイドレートラマンスペクトル。

(a)0.60 MPa、(b)0.33 MPa、(c)0.32 MPa、(d)0.31 MPa。

赤線は過冷却水のリファレンススペクトル。-270Kの氷-ハイド

レート-ガス三相平衡圧は0.41 MPa.

氷点下で試料雰囲気を減圧してハイドレートを不安定化

させた際に、ハイドレートから氷への相転移がすぐには始ま

らず、一時的に液状の相に分解する現象が報告されてい

た。しかしながら、過去の研究は主として目視観察に頼った

もので、観察された相の構造に関する情報は得られていな

かった。

氷点下におけるガスハイドレート分解過程の詳細を調べ

るために、270 Kでエタンハイドレートを減圧解離させて、そ

の様子を光学顕微鏡と顕微ラマン分光法で観察した。圧力

が氷-ハイドレート-ガス三相平衡圧(0.41 MPa)に達しても

ハイドレートは分解することなく、高圧安定相と同じI型構造

を保持することが確認された。ところがさらに減圧を続ける

と、過冷却水-ハイドレート-ガス三相平衡圧の理論値(0.31

MPa)近辺でハイドレートが過冷却水に融解することが明ら

かになった。ハイドレートから氷へ直接遷移するために乗り

越えなくてはならないエネルギー障壁が極めて高いため

に、このような現象が起こると考えられる。

3000 3500Raman frequency (cm 1)

Inte

nsi

ty(a

.u.)

a

b

c

d

C2H

6 in GH

a

c d

b

GH

Liq. water

C2H6ハイドレートを270Kで減圧した際の様子。

(a)0.60 MPa、(b)0.33 MPa、(c)0.32 MPa、

(d)0.30 MPa。スケールバーの長さは500 mm。

The above mentioned article and figures are:

Reprinted with permission from The Journal of Physical Chemistry A. 115. (2011): 8889-8894.

Copyright 2011, American Chemical Society.

8

MHRC Newsletter

Page 9: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

人材育成活動(H23 上半期)

■研修生受け入れ

実施期間 学校名 研修制度・目的 内容

1. H23/2/1~

H23/4/30 岐阜大学大学院工学

研究科 卒業論文研修 ガスハイドレートに関する力学試験技術等の習得

2. H22/9/6~

H24/3/31 東海大学海洋学部海

洋資源学科 修士論文研修

メタンハイドレートで被覆された気泡の管内挙動

解析手法

3. H23/7/1~

H24/3/31 東邦大学 理学部 卒業論文研修

メタンハイドレート模擬試料の力学的特性に関す

る研究

4. H23/7/1~

H24/3/31 東邦大学 理学部 卒業論文研修

メタンハイドレート模擬試料の力学的特性に関す

る研究

5. H23/7/1~

H24/3/31 東邦大学 理学部 卒業論文研修 ハイドレートの基礎特性に関する研究

6. H23/7/1~

H24/3/31 東邦大学 理学部 卒業論文研修 坑井の安全性に関する研究

7. H23/8/1~

H23/9/30 国立大学法人 茨城

大学 インターンシップ

坑井仕上げセメントの力学特性に関する実験手

法の習得

8. H23/8/22~

H23/9/2 日本大学生産工学部

応用分子化学科 インターンシップ ガスハイドレートの物性測定

10. H23/9/5~

H23/9/22

北海道大学キャリアセ

ンター北海道大学理

学部

インターンシップ ガスハイドレートの生成分解挙動・構造解析方法

の習得に関する技術研修

11. H23/8/1~

H23/8/31 日本大学生産工学部

応用分子化学科 インターンシップ

ガスハイドレートの生成分解挙動・構造解析方法

の習得

12. H23/8/1~

H23/8/31 日本大学生産工学部

応用分子化学科 インターンシップ

ガスハイドレートの生成分解挙動・構造解析方法

の習得

13. H23/9/5~

H23/9/16 北海道大学キャリアセ

ンター インターンシップ

ガスハイドレートの生成分解挙動・構造解析方法

の習得に関する技術研修

14. H22/6/1~

H24/3/31 日本大学生産工学部 卒業論文研修 ガスハイドレートの物性測定技術の習得

15. H20/10/1~

H24/7/28 日本大学生産工学部 修士論文研修 ガスハイドレートの物性測定技術の習得

9. H23/8/22~

H23/9/2 日本大学生産工学部

応用分子化学科 インターンシップ ガスハイドレートの物性測定

■実験教室

実施日時 対象 開催場所 参加人数(人)

1. H23/7/19 神奈川県立柏陽高等学校 産総研つくば中央 50名

2. H23/7/25 つくば市立竹園小学校 つくば市立竹園小学校 30名

3. H23/7/29 東京都中学校理科教育研究会 新宿コズミックセンター 40名

4. H23/8/25 神奈川県立生田高等学校 産総研つくば中央 40名

9

No.9

Page 10: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

産総研では、「グリーン・イノベーション」の実現に向け、「資源確保と高度利用」の研究開発を実施していま

す。本シンポジウムでは、メタンハイドレートを始めとするガスハイドレートに関する研究の進展と研究・技術分野

を跨いだ体系的な議論の促進を目的に、基礎科学分野から産業技術分野に至る研究者、技術者が集まり、最

新の研究開発や技術開発の成果や動向について発表・討論を行います。これらの取り組みを通して、係る研究

動向の把握、研究者間の情報交換の促進および技術移転や若手研究者の育成などを行い、ひいては共同研

究への展開や工業化への加速化を目的としています。皆様のご参加をお待ちしています。

主催:産業技術総合研究所 メタンハイドレート研究センター

協賛:石油技術協会、公益社団法人地盤工学会関東支部、一般社団法人資源・素材学会、

一般社団法人日本エネルギー学会、財団法人エネルギー総合工学研究所、

メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム

日時: 平成23年11月30日(水)~12月1日(木)10:00~17:00予定

会場: 産業技術総合研究所 臨海副都心センター別館バイオ・IT融合研究棟11階

http://unit.aist.go.jp/waterfront/jp/

参加費:無料

講演会・交流会参加申込締切:11月15日(火)

講演分野

基礎物性(生成・分解特性、結晶構造、相平衡、計算化学など)

ハイドレート機能活用技術(ガス貯蔵・輸送、ヒートポンプ、ガス分離など)

生産・開発(生産シミュレーション、フィールド試験・室内実験、LCAなど)

物理探査・検層(探査・検層に係るコア試験、地化学的探査も含む)

地質・地化学(メタンハイドレートの産状、起源、集積過程など)

地盤工学(地層変形、海底地盤調査、大水深開発など)

環境(油ガス田の環境保全対策、環境モニタリング、法規制、気候変動など)

その他関連する研究分野

交流会: 11月30日(水) 17:30~19:30

(臨海副都心センター別館バイオ・IT融合研究棟11階 ラウンジ)

会 費:一般¥3000円 学生¥1000円

■ 参加申込・発表申込等詳細はホームページ;http://unit.aist.go.jp/mhrc/

お問い合わせ先

〒062-8517 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2-1 産総研メタンハイドレート研究センター

研究アライアンス事務局 総合シンポジウム担当

平成23年度 産総研環境・エネルギーシンポジウムシリーズ

第3回メタンハイドレート総合シンポジウム(CSMH-3) 参加のご案内

10

MHRC Newsletter

Page 11: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

11

No.9

■メタンハイドレート研究関連イベントカレンダー

開催日時 イベント 場所 主催・事務局 URL

2011/10/13-14 産総研オープンラボ 茨城・産総研つくばセ

ンター 産総研オープンラボ事務局 http://www.aist-openlab.jp/

2011/10/24-26 5th International Symposium on Submarine Mass Movements and Their Consequences

京都、京都大学 IGCP http://landslide.jp/

2011/11/15-17 2011 International Petroleum Technology Conference (IPTC)

タイ・バンコク AAPG、EAGE、SEG、

SPE http://www.iptcnet.org/2011/

2011/11/29 メタンハイドレートフォーラム2011 東京・産総研臨海副都

心ンター別館

メタンハイドレート資源開

発研究コンソーシアム

(MH21研究コンソーシア

ム)

http://www.mh21japan.gr.jp/result_report/forum2011/

2011/11/30-12/1

平成23年度 産総研環境・エネルギー

シンポジウムシリーズ 第3回メタンハイドレート総合シンポジウ

ム(CSMH-3)

東京・産総研臨海副都

心ンター別館

産総研、メタンハイドレート

研究センター http://unit.aist.go.jp/mhrc/

2011/12/5-7 第6回再生可能エネルギー世界展示

会 幕張メッセ 再生可能エネルギー協議

会 http://www.renewableenergy.jp/

2011/12/5-9 AGU 2011 Fall Meeting アメリカ・サンフランシスコ American Geophysical Union(AGU)

http://www.agu.org/meetings/

2011/12/17-26 日本堆積学会2011年大会 長崎 日本堆積学会

2012/2/20-24 2012 Ocean Sciences Meeting アメリカ・ユタ American Geophysical Union(AGU)

http://www.sgmeet.com/osm2012/

2012/3/25-29 Spring 2012 National Meeting & Exposition

アメリカ・カリフォルニア American Chemical Society(ACS)

http://portal.acs.org/

2012/3/25-28 日本化学会第92春季年会〈2012〉

慶應義塾大学

日吉キャンパス、

矢上キャンパス

日本化学会 http://www.csj.jp/nenkai/92

haru/

お し ら せ

● 本研究センターの北海道サイト、つくば西サイトでは、ポスドク、テクニカルスタッフを募集して

います。詳しくは、ホームページ(http://unit.aist.go.jp/mhrc/)の人材募集をご覧下さい。

● 本研究センターでは、メタンハイドレート研究に関する出前講義を実施しています。ご希望の

方は、メタンハイドレート研究アライアンス事務局 まで、ご連絡

下さい。

Page 12: MHRC Newsletter...MHRC Newsletter MHRC研究チームの研究成果紹介 生産技術開発チーム メタンハイドレート資源開発分野では、ガスハイドレート分

Phone: 011-857-8945

FAX: 011-857-8944

E-mail:

URL: http://unit.aist.go.jp/mhrc/

〒062-8517

北海道札幌市豊平区月寒東2条

17丁目2-1

〒305-8569

茨城県つくば市小野川16-1

独立行政法人 産業技術総合研究所

メタンハイドレート研究センター

2011年10月1日発行

MHRC Newsletter

No. 9

■お問い合わせ

12

■平成 22 年度岩の力学連合会フロンティア賞受賞

生産モデル開発チーム宮崎晋行研究員らの実施した研

究が、平成22年度岩の力学連合会フロンティア賞を受賞い

たしました。これは、毎年、岩の力学連合会において「岩の

力学に関連する新しい分野、学際分野で岩の力学の新境

地を開いた業績(論文、装置、システム、ソフトウェア等)、も

しくは新しい分野に対して果敢に挑戦した萌芽的業績と認

められるもの」に表彰されます。受賞対象は、メタンハイド

レート資源開発分野において重要なメタンハイドレート含有

堆積物の力学特性を、岩石力学の実験・解析技術によって

明らかにした一連の研究でありま

す。授与式と受賞者講演は、岩の

力学連合会第33回定時社員総会

(6月14日、地盤工学会)にて行わ

れました。

対象業績 : 「メタンハイドレート資源開発分野における

岩石力学の展開」

受 賞 者 :宮崎晋行、山口勉、坂本靖英、青木一男

(左から)田中前理事長と受賞された宮崎研究員、山口教授

■編集後記

節電のため、どこもへ行っても「暑い!」という声が聞こえてい

た夏も終了。そして、秋到来を告げるかのような大型台風。

しかし、どんな状況下でもスケジュールだけはどういうわけか詰

まってくる。

そして、あの締切、この締切。実験教室・見学対応、メディアの

取材だ会議だと追われながらニュースレター発行の準備。

取材に行きたくてもなかなか予定がつかず、北海道での会議

へお越し頂いたついでに急遽お願いしたり、先方様の予定をこ

ちらにあわせて頂いたりと、いろいろご協力頂きました。 本当に

ありがとうございます。

そんなこんなで、 発行が 1 ヶ月遅れとなってしまいましたが、

我々の研究の成果や活動の様子を掲載しておりますので、みな

さまのご意見をお寄せ頂ければと存じます。

受 賞 HITORIGOTO

暑い夏も過ぎ、体もやっと本調子になってきたのか、今ま

でに増して食べ物がおいしくなり、あれよあれよという間に、

「エッ!ウッ!」 久しぶりに着たワンピースのファス

ナーが、あ・が・ら・な・い。。。。。

よ~し、明日から朝1時間早く起きて歩こう。酒は控える。

おやつも控える。お肉はできるだけ赤身部分とし、野菜中心

の食事にしよう。ごはんはお茶碗半分にしよう。 そして、腹

筋運動になるような体操もしよう!

と、意気盛んに開始したのだが、「アッ、寝坊した!雨だ!

風が強すぎ!」と中止。ワインの栓を開けたら「いつまでも持

たないよなぁ」と、飲んでしまう。「ワインにはやっぱりチーズ

が付きものでしょう」と、食べてしまう。レタスを一玉買ってはき

たが、「そんなに食べられないよ」と葉を1枚。ご飯半分じゃ足

りないよ~と、とうきびをがぶり。 腹筋運動するも、「ハァ~、

ヒィ~、フゥ~」バタッ。「ぐるじぃ~~」。

いろいろと言い訳ばかりをしながらも、ほんのちょっと気を

使いながら1ヶ月。 うん? なんか、おなか周りが少しばかり

細くなった?感じがするなぁ。で、しばらく物陰にお隠れあそ

ばされていた体重計を取り出して乗ってみたら、“な、なに

よ!”このメーター針が動かないじゃん。いくら何でも針が振

り切れるほどの重さじゃないわよ!と、何度繰り返してもダメ。

あ~ぁ、このメーターまで先を見越しているようだなぁ・・・。

(古娘)

■発行者

独立行政法人 産業技術総合研究所 メタンハイドレート研究センター

■企画・編集

メタンハイドレート研究アライアンス事務局