molecular biology of the celltkl.pc.uec.ac.jp/images/class/bio14.pdffigure 8-18a molecular biology...
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本日の内容:バイオテクノロジー
① 基礎技術DNAの取り扱い:配列解析、PCR法、DNAアレイ蛋白質の取り扱い:ウェスタン法、プロテオーム解析
② 遺伝子組み換えと有用蛋白質の生産③ 個体を扱う技術と再生医療(iPS細胞技術)
Figure 8-18a Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.1.1
ゲル(網目構造)
緩衝液
DNAサンプル(負電荷を持っている)
電気泳動
←DNAバンド分子量の大きなDNAほど網目にひっかかるので
上にのこる。
Figure 8-50a Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
汎用遺伝子シーケンサーの原理(ジデオキシ法)(DNA配列をどうやって決定するか?)
蛍光色素
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DNAを構成するパーツ(A,T,G,Cの4種類)
DNAパーツもどきw/z蛍光色素(A,T,G,Cの4種類)
教科書 14.1.2
Figure 8-50b Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
電気泳動で長さを見る:14番目はA(蛍光)と相補対をつくる「T」と決定。
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フツーのDNAのパーツ 蛍光性のDNAもどき分子
このDNAの配列を知りたい!
知りたい配列と相補的なDNAを合成
DNAもどきが、フツーのAの代わりに重合
教科書 14.1.2
Figure 8-50c Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.1.1と14.1.2
分子量大
分子量小
Aもどき Tもどき Cもどき Gもどき
別々の4つの試験管を使って、1) 知りたいDNA2) 4種類のDNA原料3) もどきのどれかを加えてDNAを合成(伸長)
4種類のDNAの原料(A,T,G,C)
Figure 8-51 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.1.1と14.1.2
分子量小 分子量大
PCR鋳型DNAがあれば
PCR技術で目的DNAを増やせる
出典: よく分かる分子生物学の基本としくみ、p.189.7
←超高熱菌(古細菌)がオリジンの酵素
教科書 14.1.3と図14.1
• PCR技術:DNAはコピーできるし、増やせる。
• 4レーン目:被害者の衣類に付いていた血液由来DNA
• 6レーン目:犯行現場の歩道から採取された血液由来DNA(もちろん一致)
• 7レーン目:被害者自身のDNA(鑑定ミスを避ける)
• 2、3レーン目:容疑者
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3 4
5 6
7遺伝子から何が分かるか?
遺伝子鑑定
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Figure 20-35a Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.1.4c
原癌遺伝子
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正常組織癌組織
組織から、別々にDNAを取り出し、蛍光物質を結合させ蛍光DNAをつくる。
別々の組織から取り出して標識した蛍光DNAをひとつに混ぜる
癌で過剰に存在するDNAがあれば、そのDNAのところだけ赤い蛍光が強まる。
Figure 8-20 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.1.5と図14.2
蛋白質全体を検出したもの (A)を膜に転写して、抗体を用いて特定の蛋白質だけを検出したもの
ウェスタン法
プロテオーム解析の典型的手法
• 細胞の全蛋白質を(二次元)電気泳動などで分離し、得られたパターンを画像解析することによって変化を見つける。
• 見つかった蛋白質に対しては、さらに酵素で消化した後で質量分析を行うことによって、どの遺伝子の産物に相当するものか同定する(ペプチドマスフィンガープリンティング)。
• その情報をもとに世界中の研究者らによってインターネット上に登録・公開されている情報にアクセスして考察を行うことで、その蛋白質の生理機能や病気との関連を解明する手掛りを得る。
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教科書 14.1.5b
Figure 8-31 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.2.1と図14.3様々な制限酵素の例:
Figure 8-32 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.2.1と図14.3
Figure 8-48 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
教科書 14.2.1, 14.2.2
と図14.3
微生物用に用いるプラスミドベクターDNA
クローニング
組換えDNAを元にした蛋白質生産の概要
↑ 例:ヒトインスリン蛋白質
大腸菌や酵母細胞
ヒトインスリン蛋白質をコードするDNA(インスリンを作るプログラム)
Figure 8-39 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
(DNA結合酵素)
プラスミドベクターDNA
細菌の運び屋DNA(ベクター)への、目的DNAのクローニング
例:ヒトインスリン蛋白質をコードするDNA
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教科書 14.2.1, 14.2.2
と図14.3
Figure 8-40 Molecular Biology of the Cell (© Garland Science 2008)
細菌を用いた、プラスミドDNAの大量増幅
DNAは、微生物を使って簡単に大量複製できる。
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教科書 14.2.1, 14.2.2
と図14.3
ネズミ由来のジヒドロ葉酸還元酵素を、大腸菌で作製した例:
ゲル電気泳動を使って分子量によって分画
NEXT-A反応を使って、酵素だけを蛍光検出 出典: 瀧, ChemBioChem, 10, 2460 (2009年).
ジヒドロ葉酸還元酵素
ジヒドロ葉酸還元酵素
分子量大
分子量小17
電気泳動
動物のクローニング
ドリー:
たった一つの体の細胞でも、1匹の生き物を作り
上げるために必要な全ての遺伝子を持っている。 18
教科書 14.3.1
動物クローニングの歴史
• 1938年:動物クローニングの予言(Spemann).
• 1960年代:カエルのクローニング成功(Gurdon).
• 1996年:羊(ドリー)誕生(Wilmut).
• 1998年:牛(8頭!;日本で).
• 2000年:猿.
• 2004年:人間の胚のクローニング成功… (孫悟空の世界も現実味を…これは素晴らしいことか、憂慮すべきことか?)
• 2012年:ネズミiPS細胞から、受精卵作製成功&ネズミ誕生
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教科書 14.3.1
機能しなくなってしまった場合→臓器移植(従来法)
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再生医療教科書 14.3.3
出典:なにがスゴイか?万能細胞技術評論社 中西貴之著
病原性大腸菌を襲う免疫系:
患者との適合性の低い他人の臓器を移植すると、臓器細胞もこの大腸菌同様に免疫系によって破壊される(拒絶反応)。
臓器移植の問題:
マクロファージ(白血球の一つ;貪食細胞)
食べられる直前の大腸菌
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• 自分の細胞なので、拒絶反応が起こらない。
• ヒトの体:全身に200種類の細胞(1個の受精卵が分化)
• 現在、癌化のリスクを乗り越えて臨床研究に向けた取り組み
(より安全で効率の良い手法を開発)
朝日新聞 2012.07.2122
ヤマナカ4因子の役割
(をKlf4が止めている)癌遺伝子
癌化とiPS化は、紙一重の関係にある。
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出典:なにがスゴイか?万能細胞技術評論社 中西貴之著
マウス卵子の作製
多能性→全能性
• 多能性細胞(iPS細胞)から、精子(2011年)
および卵子を作ることができ、全能性細胞(受精卵)にして出産。
• 幸いヒトではまだ不可能。(生命倫理の問題)
出典: 2012.10.05 朝日新聞, Science (2012年).24