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2016年第211/24/15 著作権© 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN ® の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ® ) NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン) 腎 癌 2016年 第2NCCN.org NCCN Guidelines for Patients ® www.nccn.org/patientsにてご利用になれます。

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Page 1: NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌 - tri-kobe. · PDF fileNCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌 2016年第2版 11 /24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network,

NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

(NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

腎 癌

2016年 第2版

NCCN.org

NCCN Guidelines for Patients®はwww.nccn.org/patientsにてご利用になれます。

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NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

* Robert J. Motzer, MD/Chair † Þ Memorial Sloan-Kettering Cancer Center

* Eric Jonasch, MD/Vice-chair † The University of Texas MD Anderson Cancer Center

Neeraj Agarwal, MD ‡ Huntsman Cancer Institute at the University of Utah

Clair Beard, MD § Dana-Farber/Brigham and Women’s Cancer Center

Sam Bhayani, MD ω Siteman Cancer Center at Barnes- Jewish Hospital and Washington University School of Medicine

Sam S. Chang, MD ω Vanderbilt-Ingram Cancer Center

Toni K. Choueiri, MD † Þ Dana-Farber/Brigham and Women’s Cancer Center

Brian A. Costello, MD, MS † Mayo Clinic Cancer Center

Ithaar H. Derweesh, MD ω UC San Diego Moores Cancer Center

Timothy Gilligan, MD † Case Comprehensive Cancer Center/ University Hospitals Seidman Cancer Center and Cleveland Clinic Taussig Cancer Institute

Steven L. Hancock, MD § Þ Stanford Cancer Institute

Peter A. Johnstone, MD § Moffitt Cancer Center

Timothy M. Kuzel, MD ‡ Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University

Chad LaGrange, MD ω Fred & Pamela Buffett Cancer Center

Elaine T. Lam, MD † University of Colorado Cancer Center

Clayton Lau, MD ω City of Hope Comprehensive Cancer Center

Ellis G. Levine, MD † Roswell Park Cancer Institute

Daniel W. Lin, MD ω Fred Hutchinson Cancer Research Center/ Seattle Cancer Care Alliance

M. Dror Michaelson, MD, PhD † Massachusetts General Hospital Cancer Center

Thomas Olencki, DO † The Ohio State University Comprehensive Cancer Center - James Cancer Hospital

and Solove Research Institute

Elizabeth R. Plimack, MD, MS † Fox Chase Cancer Center

Edward N. Rampersaud, MD ω Duke Cancer Institute

Bruce G. Redman, DO † University of Michigan Comprehensive Cancer Center

Charles J. Ryan, MD † ω UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center

Joel Sheinfeld, MD ω Memorial Sloan-Kettering Cancer Center

Brian Shuch, MD ω Yale Cancer Center/Smilow Cancer Hospital

Kanishka Sircar, MD ≠ The University of Texas MD Anderson Cancer Center

Brad Somer, MD † St. Jude Children’s Research Hospital/ University of Tennessee Cancer Institute

NCCN Mary Dwyer, MS

Rashmi Kumar, PhD

NCCNガイドライン委員会に関する情報開示

委員会メンバー

† 腫瘍内科学 ω 泌尿器科学

‡ 血液学/血液腫瘍学 ≠ 病理学

§ 放射線療法/放射線腫瘍学 * 考察セクション執筆委員会

メンバー Þ 内科学

Þ 内科学

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NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

NCCN腎癌委員会メンバー

ガイドライン更新の要約

初回精査(KID-1)

I~III期症例に対する初回治療およびフォローアップ(KID-1)

IV期症例に対する初回治療(KID-2)

再発例および外科的に切除不能のIV期症例 淡明細胞型優位の腎細胞癌に対する一次治療および二次治療(KID-3)

非淡明細胞型の腎細胞癌に対する全身療法(KID-4)

手術療法の原則(KID-A)

フォローアップ(KID-B)

テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子(KID-C)

病期分類(ST-1)

NCCNガイドライン®は、エビデンスと現在受け入れられている治療方針に対する見解についての著者らの合意を記述したものである。NCCNガイドラインを適用または参照する臨床医には、患者のケアまたは治療法の決定において、個々の臨床状況に応じた独自の医学的判断を行うことが期待される。National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、その内容、使用、または適用に関して、意見陳述ないし保証を行うものではなく、いかなる場合においても、その適用または使用について一切責任を負わない。NCCNガイドラインの著作権はNational Comprehensive Cancer Network®

にある。無断転載を禁止する。NCCNの明示の書面による許諾なく、NCCNガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。©2015

目次

臨床試験:NCCNは、すべてのがん患者

にとって最良の管理法は臨床試験にあ

ると考えている。臨床試験への参加が特

に推奨される。

NCCN加盟施設における臨床試験のオ

ンライン検索はこちらから:

nccn.org/clinical_trials/physician.html

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリー:特に指定のない限り、

すべての推奨はカテゴリー2Aである。

NCCNのエビデンスとコンセンサスに

よるカテゴリーを参照

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2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

NCCN腎癌ガイドライン 2016年第 1版から 2016年第 2版への更新内容は以下の通りである:

KID-3

• 淡明細胞型優位、二次治療

チロシンキナーゼ阻害薬の使用後

「カボザンチニブ(カテゴリー1)」が選択肢として追加された。

「ニボルマブ(カテゴリー1)」が選択肢として追加された。

• 脚注「j」が変更された:「一次治療で使用される現在利用可能なチロシンキナーゼ阻害薬としては、アキシチニブ、パゾパニブ、ソラフ

ェニブ、スニチニブがある」。

• 脚注「k」が追加された:「第 III相試験の結果に基づくと、適格な患者はエベロリムスではなく、この薬剤の投与を受けることが望ましい。

考察を参照のこと。」

MS-1

アルゴリズムの変更を反映させるべく考察部分が更新された。

NCCN腎癌ガイドライン 2015年第 3版から 2016年第 1版への更新内容は以下の通りである:

KID-3およびKID-4

• 脚注

脚注「i」が「肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型RCCに対する化学療法(カテゴリー3)については、ゲムシタビン+ドキ

ソルビシンまたはゲムシタビン+カペシタビンで一定の奏効が得られている」から「肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型RCC

については、ゲムシタビン+ドキソルビシン(カテゴリー2B)およびゲムシタビン+スニチニブ(カテゴリー2B)ゲムシタビン+カペシタビンの有益性が示されている」に変更された。

脚注「k」が変更され、シスプラチン+ゲムシタビンが追加された:集合管癌と髄質癌では細胞傷害性薬剤(カルボプラチン+ゲムシタ

ビン、カルボプラチン+パクリタキセル、またはシスプラチン+ゲムシタビン)による部分奏効が認められている。

UPDATES

更新

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NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

病期 初回治療b フォローアップ

c

(カテゴリー2B)

初回精査

腎部分切除術

(望ましい)

または

根治的腎摘除術

(部分切除術が不可能な場合または腫瘍が中心部に位置する場合)

または

限定された患者では

積極的サーベイランスまたは

手術適応のない患者ではアブレーション治療

フォローアップ

(KID-Bを参照)

再発

一次治療(KID-3)

を参照

疑わしい

腫瘤

腎部分切除術

または

根治的腎摘除術

I期

(pT1b)

II 期、

III期

根治的腎摘除術

IV期 KID-2を参照

a 小径病変に対しては、悪性腫瘍の診断または確定診断を下してサーベイランス、凍結療法およびラジオ波焼灼術(アブレーション治療)による管理戦略の指針とするべく、生検を考慮してもよい。 b 手術療法の原則(KID-A)を参照。

c 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは患者毎の要件に応じて個別化すべきである。

KID-1

• 病歴と診察

• 全血算、生化学検査

(comprehensive

metabolic panel)

• 検尿

• 腎不全の程度に応じて

造影または単純撮影

による腹部/骨盤部 CT

または腹部 MRI

• 胸部の画像検査

• 臨床的に必要がある場

合、骨スキャン

• 臨床的に必要がある場

合、脳 MRI

• 尿路上皮癌が疑われる

場合(例、腎中心部の

腫瘤)は、尿細胞診、

尿管鏡検査を考慮

• 臨床的に必要がある場

合は針生検を考慮 a

I期

(pT1a)

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

病期 初回治療 b

原発巣が外科的に切除可能

で、孤立性転移巣を認める

場合

再発 一次治療

(KID-3)を参照

腎摘除術+転移巣切除術c

原発巣が外科的に切除可能で d、2ヵ所以上の転移巣を認める場合

限定された患者では

全身療法の施行前に

cytoreductive nephrectomy

IV期

外科的に切除不能の場合

d

一次治療

(KID-3)を参照

b 手術療法の原則(KID-A)を参照。

c 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは患者毎の要件に応じて個別化すべきである。

d 症状と転移巣の進展度に応じて個別化した治療を行う。

KID-2

一次治療

(KID-3)を参照

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

一次治療 e

臨床試験 または 分子標的療法: • チロシンキナーゼ阻害薬

jの使用後

アキシチニブ(カテゴリー1) カボザンチニブ(カテゴリー1)

k

ニボルマブ(カテゴリー1)k

エベロリムス(カテゴリー1) ソラフェニブ スニチニブ パゾパニブ テムシロリムス(カテゴリー2B) ベバシズマブ(カテゴリー2B)

• サイトカイン療法の終了後 アキシチニブ(カテゴリー1) ソラフェニブ(カテゴリー1) スニチニブ(カテゴリー1) パゾパニブ(カテゴリー1) テムシロリムス ベバシズマブ

または サイトカイン療法: • 限定された患者に対して高用量 IL-2 g

(カテゴリー2B)

および 最善の支持療法 h: NCCN Guidelines for Palliative Careを参照

臨床試験 または スニチニブ(カテゴリー1) または

テムシロリムス(予後不良患者 fでは

カテゴリー1、その他のリスク群の限定

された患者ではカテゴリー2B)

または ベバシズマブ+IFN(カテゴリー1) または パゾパニブ(カテゴリー1) または 限定された患者には高用量 IL-2 g または アキシチニブ または 限定された患者にはソラフェニブ および 最善の支持療法

h:

NCCN Guidelines for Palliative Careを参照

淡明細胞型

優位

再発例または

外科的に切除

不能のIV期症例

全身療法(KID-4)を参照 非淡明細胞型

e カテゴリー1の推奨治療については、FDAの承認順に記載している。 f 予後不良の患者は、予後不良の予測因子を 3つ以上認める患者と定義される。

テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子(KID-C)を参照。 g 一般全身状態が非常に良好で臓器機能が正常な患者。 h 最善の支持療法には、骨転移巣に対する緩和的放射線療法、転移巣切除術、ビスホスホネート系薬剤または RANKリガンド阻害薬を含めることができる。 i 肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型 RCCについては、ゲムシタビン+ドキソルビシン(カテゴリー2B)およびゲムシタビン+スニチニブ(カテゴリー2B)の有益性が示されている。 j 一次治療で使用される現在利用可能なチロシンキナーゼ阻害薬としては、アキシチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブがある。 k 第 III相試験の結果に基づくと、適格な患者はエベロリムスではなく、この薬剤の投与を受けることが望ましい。考察を参照のこと。

KID-3

二次治療i

フォローアップ(KID-Bを参照)

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考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

全身療法i,l

臨床試験(望ましい) または

テムシロリムス(予後不良患者 fではカテゴリー1、

その他のリスク群ではカテゴリー2A)

または ソラフェニブ または スニチニブ または パゾパニブ または

アキシチニブ

または

エベロリムス

または

ベバシズマブ

または

エルロチニブ

および 最善の支持療法 h:

NCCN Guidelines for Palliative Care を参照

再発例または

外科的に切除

不能のIV期症例

非淡明細胞型

f 予後不良の患者は、予後不良の予測因子を3つ以上認める患者と定義される。テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子(KID-C)を参照。

h 最善の支持療法には、骨転移巣に対する緩和的放射線療法、転移巣切除術、ビスホスホネート系薬剤またはRANKリガンド阻害薬を含めることができる。

i 肉腫様型優位の淡明細胞型および非淡明細胞型RCCについては、ゲムシタビン+ドキソルビシン(カテゴリー2B)およびゲムシタビン+スニチニブ(カテゴリー2B)の有益性が示されている。 l 集合管癌と髄質癌では細胞傷害性薬剤(カルボプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+パクリタキセル、またはシスプラチン+ゲムシタビン)による部分奏効が認められている。

KID-4

フォローアップ(KID-Bを参照)

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考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

手術療法の原則

KID-A

• 例えば次のような場合など、限定された患者では腎温存手術(腎部分切除術)が適応となる:

片側性の小径腫瘍(T1a症例ならびに選択された T1bおよび T2a症例)

単腎状態、腎不全、両側腎腫瘤および家族性腎細胞癌

• 根治的腎摘除術および腎部分切除術では、開腹下、腹腔鏡下またはロボット支援下の術式を用いることができる。

• 所属リンパ節郭清術は任意であるが、術前の画像検査でリンパ節腫脹が認められた患者や手術時に触知/目視可能なリンパ節腫

脹が認められた患者では推奨される。

• 副腎への浸潤がない場合、副腎摘除は省略してもよい。

• 広範な下大静脈腫瘍血栓に対する手術には心血管外科チームの援助が必要となる場合もある。

• 経過観察またはアブレーション治療(凍結療法、ラジオ波焼灼術など):

手術適応がない臨床病期 T1の患者ではこれらを考慮してもよい。

小径病変に対しては、悪性腫瘍の診断または確定診断を下してサーベイランス、凍結療法およびラジオ波焼灼術による管理

戦略の指針とするべく、生検を考慮してもよい。

ランダム化第 III相試験による外科的切除(開腹下または腹腔鏡下での根治的腎摘除術または腎部分切除術)との比較は行わ

れていない。

アブレーション治療を受けた患者の局所再発率は従来の手術と比べて高いa,b。

• 一般に、次のような患者では全身療法の施行前に cytoreductive nephrectomyが適応となる:

一般全身状態が非常に良好(ECOG PS < 2)

脳転移なし

a Campbell SC, Novick AC, Belldegrun A, et al. Practice Guidelines Committee of the American Urological Association. Guideline for management of the clinical T1 renal mass. J Urol 2009;182:1271-1279.

b Kunkle DA, Uzzo RG. Cryoablation or radiofrequency ablation of the small renal mass: A meta-analysis. Cancer 2008;113:2671-2680.

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NCCN Guidelines Version 2.2016 腎癌

ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

フォローアップa,b

(カテゴリー2B) I期(pT1a)

積極的サーベイランス中のフォローアップ

• 病歴聴取と身体診察を 2年間は 6ヵ月毎、その後は診断から最長 5年後まで 1年毎

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を最初の 2年間は 6ヵ月毎、その後は診断から最長 5年後

まで 1年毎

• 腹部画像検査:

サーベイランスの開始から 6ヵ月以内に腹部 CTまたは MRIを施行し、それ以降は CT、MRI または USを少なくとも年 1 回

• 胸部画像検査:

生検で RCC陽性の場合、肺転移について評価するための胸部 X線または CTを年 1回

• 臨床的な適応に従って、骨盤画像検査

• 臨床的な適応に従って、頭部 CTまたは MRIもしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

アブレーション治療後のフォローアップ

• 2 年間は 6ヵ月毎、その後は診断から最長 5年後まで 1年毎に病歴聴取と身体診察

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を最初の 2年間は 6ヵ月毎、その後は診断から最長 5年後

まで 1年毎

• 腹部画像検査:

他に禁忌がない限り、アブレーション治療の 3~6 ヵ月後時点で腹部の造影または単純 CTまたは MRI、その後 5年間は CT、

MRI または USを 1年毎

• 胸部画像検査:

生検で証明された低リスク RCCの患者、生検で診断に至らなかった患者、および過去に生検を受けていない患者には、胸部 X線または CT

を 5年間にわたり 1年毎

• 再生検:

造影剤で増強する陰影が新たに出現した場合、造影剤による増強の有無は問わずアブレーションを行った腫瘍が増大した場合、治療した領域またはその周辺に新たに小結節の形成が認められた場合、治療した病変で経時的な退縮が得られない場合、およびサテライトまたはポート部位に病変が認められた場合

• 臨床的な適応に従って、骨盤画像検査

• 臨床的な適応に従って、頭部 CTまたは MRIもしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416.

b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超えて継続してもよい。

最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。

次ページに続く

KID-B 1 of 4

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考察

2016年第2版 11/24/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形態においても禁じられている。

注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-B 2 of 4

I期(pT1a および pT1b)

腎部分切除術または根治的腎摘除術後のフォローアップ

• 病歴聴取と身体診察を 2年間は 6ヵ月毎、その後は腎手術から最長 5年後まで 1年毎

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を 2年間は 6ヵ月毎、その後は腎手術から最長 5年後

まで 1年毎

• 腹部画像検査:

腎部分切除術後:

ベースラインの腹部 CT、MRI または USを手術後 3~12ヵ月以内に施行する

術後最初の画像検査が陰性となった場合は、各患者の危険因子に基づいて 3年にわたる 1年毎の腹部 CT、MRIまたは USを考慮

してもよい

根治的腎摘除術後:

術後 3~12ヵ月以内に腹部 CT、MRIまたは USを施行すべきである

術後最初の画像検査が陰性となった場合は、12ヵ月以降の腹部画像検査は担当医の判断で施行できる

• 胸部画像検査:胸部 X線または CTを 3年間は 1 年毎、その後は臨床的な適応に従って

• 臨床的な適応に従って、骨盤画像検査

• 臨床的な適応に従って、頭部 CTまたは MRIもしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン

次ページに続く

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416.

b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超えて継続してもよい。

最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。

フォローアップa,b

(カテゴリー2B)

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注意:特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

臨床試験:NCCNはすべてのがん患者にとって、最良の管理法は臨床試験にあると考えている。臨床試験への参加が特に推奨される。

KID-B 3 of 4

フォローアップa,b

(カテゴリー2B)

IIまたは III期

根治的腎摘除術後のフォローアップ

• 病歴聴取と身体診察を 3年間は 3~6ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から最長 5年後まで 1年毎、以降は臨床的な適応に従って

• 適応があれば、生化学検査(comprehensive metabolic panel)とその他の検査を 2年間は 6ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から

最長 5年後まで 1年毎、以降は臨床的な適応に従って

• 腹部画像検査:

ベースラインの腹部 CTまたは MRIを 3~6ヵ月以内に施行し、その後は CT、MRIまたは US(III期では USはカテゴリー2B)を

少なくとも 3年間は 3~6 ヵ月毎、以降は最長 5年まで 1年毎に施行する

5 年以降の画像検査:臨床的な適応に従って施行する

特定部位の画像検査:症状から妥当と判断した時点で施行する

• 胸部画像検査:

ベースラインの胸部 CT を根治的腎摘除術後 3~6 ヵ月以内に施行し、その後は画像検査(CTまたは胸部 X線)を少なくとも 3年間は

6 ヵ月毎、以降は最長 5年まで 1年毎の頻度で継続する

5 年以降の画像検査:各患者の特徴と腫瘍の危険因子に基づき臨床的に適応ありと判断した時点で施行する

• 臨床的な適応に従って、骨盤画像検査

• 臨床的な適応に従って、頭部 CTまたは MRIもしくは脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って、骨スキャン 次ページに続く

a Donat SM, Diaz M, Bishoff JT, et al. Follow-up for clinically localized renal neoplasms: AUA Guideline. J Urol 2013;190:407-416.

b 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップの頻度および期間は患者毎の要件に応じて個別化すべきであり、医師の判断で5年を超えて継続してもよい。

最適なフォローアップ期間の決定には、更なる研究が必要である。

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

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KID-B 4 of 4

再発例または外科的に切除不能の IV期症例に対するフォローアップ

• 全身療法を受けている患者には病歴聴取と身体診察を 6~16週毎に行い、臨床的に適応があればより頻回に行い、受けている全身療法の種

類に応じて調整する。

• 使用中の治療薬に対する要件に応じた臨床検査

• 胸部、腹部および骨盤の画像検査:

治療前または経過観察前のベースライン評価を行うための CTまたは MRI

医師の判断と患者の臨床状態に応じて 6~16週間毎にフォローアップの画像検査。病状の変化の速さと活動性疾患がみられる部位に応じ

て画像検査の実施間隔を調整する。

• ベースライン時および臨床的に適応となった時点で頭部 CTまたは MRIを考慮する。医師の判断で 1年毎にサーベイランス目的の画像検査

を施行する。

• 臨床的な適応に従って脊椎 MRI

• 臨床的な適応に従って骨スキャン

c 単独ですべての患者に適切となるようなフォローアップ計画は存在しない。フォローアップは、治療スケジュール、副作用、併存症および症状に基づいて個別化すべきである。

フォローアップc

(カテゴリー2B)

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考察

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テムシロリムス投与症例の選択に用いられる予後不良の予測因子 a

a Hudes G, Carducci M, Tomczak P, et al. Temsirolimus, interferon alfa, or both for advanced renal-cell carcinoma. N Engl J Med 2007;356:2271-2281.

KID-C

予後不良の患者は、予後不良の予測因子を3つ以上認める患者と定義される。

• 乳酸脱水素酵素値>正常上限値の 1.5倍

• ヘモグロビン値<正常下限値

• 補正血清カルシウム濃度>10mg/dL(2.5mmol/L)

• 最初の診断から全身療法の開始までの期間が 1年未満

• Karnofskyの一般全身状態スコア≦70

• 2 ヵ所以上に臓器転移を認める

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ST-1

病期分類

イリノイ州シカゴの American Joint Committee on Cancer(AJCC)の許可を得て使用。この情報の原本および一次資料は、Springer Science+Business

Media LLC(SBM)発行の AJCC Cancer Staging Manual 第 7版(2010年)である。(この病期分類表の裏付けとされた完全な情報およびデータにつ

いてはwww.springer.comを参照。)本資料の引用についてはすべて、出典として AJCC を表記しなければならない。ここに本情報を掲載することは、

AJCCの代理人である Springer SBM社の書面での許可無くして再利用および再頒布を行うことを是認するものではない。

表 1

American Joint Committee on Cancer(AJCC)

腎癌の TNM病期分類(2010 年第 7版)

所属リンパ節(N)

遠隔転移(M)

解剖学的病期/予後分

NX 所属リンパ節の評価が不可能である

N0 所属リンパ節転移を認めない

N1 所属リンパ節に転移を認める

M0 遠隔転移を認めない

M1 遠隔転移を認める

I期 T1 N0 M0

II期 T2 N0 M0

III期 T1または T2 N1 M0

T3 N0または N1 M0

IV期 T4 すべての N M0

すべての T すべての N M1

原発腫瘍(T)

TX 原発腫瘍の評価が不可能である

T0 原発腫瘍を認めない

T1 腫瘍の最大径が 7cm以下であり、かつ腎臓に限局している

T1a 腫瘍の最大径が 4cm以下であり、かつ腎臓に限局している

T1b 腫瘍の最大径が 4cmを超えるが 7cmは超えず、かつ腎臓に限局

している

T2 腫瘍の最大径が 7cmを超えており、かつ腎臓に限局している

T2a 腫瘍の最大径が 7cmを超えているが 10cmは超えず、かつ腎臓

に限局している

T2b 腫瘍の最大径が 10cm を超えており、かつ腎臓に限局している

T3 主要な静脈内への進展または腎周囲組織への浸潤を認めるが、

同側副腎への浸潤はなく、Gerota筋膜は越えていない

T3a 腎静脈またはその領域内(筋層を伴う)の分枝への進展を肉眼

的に認めるか、腎周囲および/または腎洞脂肪組織への浸潤を認

めるが、Gerota筋膜は越えていない

T3b 横隔膜までの下大静脈内への進展を認める

T3c 横隔膜を越える下大静脈内への進展または下大静脈壁への浸潤

を認める

T4 腫瘍が Gerota筋膜を越えて浸潤している(同側副腎への連続的

な進展を含む)

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考察

考察

NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

カテゴリー1:高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適切

であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介

入が適切であるという NCCNのコンセンサスが存在する。

カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づいてはいるが、そ

の介入が適切であるかという点で NCCN 内に大きな意見の不一致があ

る。

特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

目次

概要 ................................................................................................ MS-2

文献検索の基準とガイドラインの更新の方法 ................................ MS-2

初回評価および病期分類 ................................................................ MS-2

限局例に対する治療 ....................................................................... MS-3

I期(pT1a)症例の管理 ..................................................................... MS-5

I期(pT1b)症例の管理 ..................................................................... MS-5

II期および III期症例の管理 ................................................................ MS-6

限局例に対する治療後のフォローアップ ......................................... MS-6

進行例または IV期症例の管理 ........................................................ MS-8

予後予測モデル .................................................................................... MS-8

再発または IV期症例および切除不能症例に対する一次治療 ....... MS-9

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する一次治療 ............................... MS-10

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療 ............................... MS-14

非淡明細胞癌の患者に対する全身療法 ........................................... MS-19

再発または IV期症例および切除不能症例に対する

フォローアップに関する推奨事項................................................... MS-21

支持療法 ....................................................................................... MS-22

参考文献 ....................................................................................... MS-23

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考察

概要

2015年に米国において腎癌と診断される米国人の数は 61,560人、腎癌

で死亡する米国人の数は 14,080 人と推定されている 1。腎細胞癌

(RCC)は新たに診断される悪性腫瘍全体の約 3.8%を占めており、診

断時年齢の中央値は 64歳である。腎腫瘍の約 90%が RCCであり、そ

の約 80%は淡明細胞型である 2,3。その他の比較的まれな細胞型として

は、乳頭状、嫌色素性、転座型、ベリニ管(集合管)癌などがある。集

合管癌の腎癌症例全体に占める割合は 1%未満である。腎髄質癌

(medullary renal carcinoma)は集合管癌の亜型であり、最初は鎌状赤血

球形質を認める患者に発生すると記載された。

RCC 発生の危険因子としては喫煙と肥満が確立されている。遺伝性の

RCC もいくつか存在するが、その中ではフォンヒッペル-リンドウ

(VHL)病が最も頻度が高い。VHL病は、VHL遺伝子の構造的変異によ

り引き起こされ、常染色体優性遺伝し、淡明細胞型 RCC やその他の増

殖性血管病変を発生させる 4,5。

SEER データベースの解析から、腎癌の 5 年生存率は限局例(1992~

1995年の88.4%から2004~2010年の91.8%へ)と進行例(1992~1995

年の 7.3%から 2004~2010年の 12.3%へ)のそれぞれで経時的に上昇

していることが示されている 6。5 年生存率に影響する最も重要な予後

規定因子は、腫瘍の病期、異型度、腫瘍の局所進展度、所属リンパ節

転移の有無および受診時の転移巣の有無である 7-16。RCCの主な転移部

位は肺、リンパ節、骨、肝臓、副腎および脳である 5。

文献検索の基準とガイドラインの更新の方法

NCCN 腎癌ガイドラインの本版の更新に先立ち、「Renal Cell

Carcinoma or Kidney Cancer」を検索語とし、2014 年 7 月 28 日から

2015年 7月 28日までに発表された腎癌に関する重要文献を対象として、

PubMed データベース上で電子検索を行った。本文書の公開前にアッ

プデート検索を行った。PubMed データベースは、医学文献の情報源

として現在も最も広く使用されているものであり、また査読された生

物医学文献のみがインデックス化されているため選択した 17。

得られた検索結果から、英語で発表されたヒトを対象とする研究のみ

に絞り込んだ。採用する論文の種類は、第 II 相臨床試験、第 III 相臨床

試験、第 IV 相臨床試験、ガイドライン、ランダム化比較試験、メタア

ナリシス、系統的レビュー、バリデーション研究に限定した。

PubMed での検索により 364 件の報告が特定され、それぞれの潜在的

関連性を検討した。本版の考察の節には、これら PubMed 上の重要論

文に加えて、追加の情報源(例えば、印刷版掲載前の電子出版物、会

議抄録)のうち当委員会が本ガイドラインと関連性があると判断した

ものや議論の対象としたものから収集した文献のデータを記載してい

る。高水準のエビデンスがない推奨については、比較的低水準のエビ

デンスについての当委員会のレビュー結果と専門家の意見に基づいて

いる。

NCCN ガイドラインの策定および更新の完全な詳細については、

NCCNのウェブサイトに記載されている。

初回評価および病期分類

RCC患者では、放射線検査(CT[コンピュータ断層撮影]である場合

が多い)で発見された腎臓の疑わしい腫瘤を理由として受診するのが典

型的である。画像診断法(例えば、腹部/骨盤部 CT、超音波検査[US])

の活用が普及してきたことにより、偶発的に RCC が発見される症例が

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

増えてきており 18,19、典型的な三徴(血尿、側腹部腫瘤、側腹部痛)で

受診する患者は比較的少ない。

頻度は低くなるが、骨痛やリンパ節腫脹、肺実質または縦隔転移に起因

する肺症状など、転移巣が原因で生じる症候を理由に受診する場合もあ

る。その他の症状としては、発熱、体重減少、貧血、精索静脈瘤などが

ある。比較的若年(46 歳以下)での RCC の発生は遺伝性疾患の可能性

を意味するものであり 20、そのような患者については、さらなる評価の

ために遺伝性腫瘍を専門とする診療科に紹介するべきである。

十分な病歴聴取とともに入念な身体診察を行うべきである。臨床検査

としては、全血算と生化学検査(comprehensive metabolic panel:補正

血清カルシウム、血清クレアチニン、肝機能検査、検尿など)を施行す

る。生化学検査としては、血清補正カルシウム値、血清クレアチニン

値、肝機能検査、尿検査などを行う。

初回精査では腹部および骨盤部の造影および単純CTと胸部の画像検査

(胸部 X 線と胸部 CT のいずれか)が必須となる 21。転移の評価のため

には最低でもルーチンの胸部 X 線検査が必須であるが、胸部の病期分

類を行う上では胸部 X線よりも胸部 CTの方が正確である 22-24。

下大静脈への進展が疑われる場合には、その評価のために腹部 MRI(磁

気共鳴画像法)が用いられ、またアレルギーや中等度の腎不全のために

造影剤を投与できない場合には、腎腫瘤の検出および病期分類のため

に CTの代わりに MRIを利用することができる 25,26。

腎中心部の腫瘤は尿路上皮癌の存在を意味している可能性があり、こ

の場合には、尿細胞診、尿管鏡検査および生検を考慮すべきである。

大半の骨および脳転移例では診断時に症状がみられる。そのため、骨ス

キャンは、血清アルカリホスファターゼ(ALP)値の上昇か骨痛の訴えが

ない限り、ルーチンには施行しない 27。臨床徴候、臨床像および症状から

脳転移が示唆される場合は、脳のCTまたはMRIを施行してもよい。

推奨される腹部画像検査は診断精度が高い。したがって、術前の針生

検は必ずしも必要ではなく、画像検査で明らかな所見を認める患者で

は特にその可能性が高い。限定された患者では、RCC の診断を確定し

て、積極的なサーベイランスおよびアブレーション治療(凍結療法やラ

ジオ波焼灼術など)の戦略を立てる上での指針とするべく、小径病変に

対して針生検を考慮してもよい 28。前述のように、画像検査で腎中心

部の病変や腎実質の均質な浸潤が認められた場合にも、それぞれ尿路

上皮癌またはリンパ腫を除外するために生検を考慮すべきである。

RCC における PET(ポジトロン断層撮影)の価値については、依然と

して不明確なままである。現時点で PET 単独は、腎癌の診断や腎摘除

術後の再発所見のフォローアップに標準的に用いられる検査法にはな

っていない 29。

最新の TNM分類 30と組織型分類 31の適用が治療上の判断に重要である。

限局例に対する治療

臨床的限局性 RCC では依然として外科的切除が有効な治療法であり、

その選択肢としては(以降で詳述するように)根治的腎摘除術と腎温存

手術がある。これらの治療法にはそれぞれに有益性とリスクがあり、

それらのバランスを取ることで長期的な腎機能や無病生存期間を最適

化していくべきである。

腎温存手術および根治的腎摘除術

根治的腎摘除術では、腎臓、腎周囲脂肪組織、所属リンパ節および同

側副腎を腎筋膜ごと切除する。腫瘍が下大静脈に進展している場合は、

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考察

根治的腎摘除術が望ましい治療法となる。根治的腎摘除術は開腹下、

腹腔鏡下またはロボット支援下の術式を用いることができる。長期成

績のデータによると、腹腔鏡下と開腹下で根治的腎摘除術の無病生存

率は同等であることが示唆されている 32-39。

腎部分切除術(腎温存手術)については、当初は根治的腎摘除術では機

能的無腎となり透析が必要となる状況でのみ適応があるとされていた。

そのような状況としては、単腎症例で発生した RCC、対側腎機能が不

十分な状態で一側の腎に発生したRCC、両側同時性のRCCなどが挙げ

られる。

腎部分切除術については、根治的腎摘除術に匹敵する十分な成績デー

タが収集されている 40-45。根治的腎摘除術は慢性腎臓病のリスクを増

加させる可能性があり 46,47、心血管系の合併症および死亡のリスク増大

を伴うことが集団ベースの研究 48 から報告されている。根治的腎摘除

術と比較した場合、腎部分切除術は腎機能を温存でき、全死亡率や心

血管イベントの頻度も抑制できる 48-52。VHL病などの遺伝性 RCCの患

者でも腎温存手術を考慮すべきである。T1aおよび T1b(すなわち最大

径 7cm 以下)の腎腫瘍患者では、対側腎が正常でも腎温存手術を施行

することが増えてきており、根治的腎摘除術と同等の成績が得られて

いる 43,53-55。腎温存手術が可能な場合は、根治的腎摘除術は採用すべき

でない。より最近の研究では、Medicare 受益者の早期腎癌患者におい

て、根治的腎摘除術より腎部分切除術の方がより生存期間の改善に寄

与することが示されている 56。

追跡期間の短い研究結果によると、腎温存手術の腫瘍学的成績は腹

腔鏡下と開腹下で同程度のようである 57,58。術後 7 年の腫瘍学的成

績を検討した研究では、腹腔鏡下および開腹下腎温存手術での無転

移生存率がそれぞれ 97.5%と 97.3%(P=0.47)となることが判明

した 59。

腎温存手術の目標は、虚血時間を理想的には 30 分未満に抑えつつ、最

大限の局所制御を達成することである 60。しかしながら、限局性 RCC

患者の中には、浸潤性の腫瘍増殖や腫瘍が不都合な部位にあるために

腎温存手術が適応とならない例もある。腹腔鏡下、ロボット支援下、

開腹下のいずれの術式であっても、熟練した外科医が施行すれば同等

の成績が得られている。医学的に十分に良好な状態にある I~III 期の患

者には、腫瘍の外科的切除が行われるべきである。

リンパ節郭清

リンパ節郭清については、一貫して治療上の有益性が示されているわ

けではない。EORTCによる第 III相試験では、完全なリンパ節郭清を伴

う根治的腎摘除術が根治的腎摘除術単独と比較された。解析の結果、

全生存期間(OS)、無増悪期間、無増悪生存期間(PFS)のいずれに

ついても両群間に有意差は認められなかった 61。しかしながら、核異

型度、肉腫様成分、腫瘍の大きさ、病期、腫瘍壊死の有無といった原

発腫瘍の病理学的特徴は、いずれも根治的腎摘除術の際に所属リンパ

節転移の可能性を判定する上での有用な因子であった 62。リンパ節の

状態は、画像検査(CT/MRI)での腫大と手術時の直接の触診に基づい

て評価する。CT/MRI では、正常なリンパ節における小転移が検出され

ない可能性がある 63。

NCCN 腎癌委員会は、触知可能または術前の画像検査で腫大したリン

パ節が検出された患者について所属リンパ節郭清を推奨する。

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考察

副腎摘除術

上極に大きな腫瘍が存在する場合とCT上で副腎に異常を認める場合に

は、同側副腎の摘除を考慮すべきである 64-66。画像検査で副腎が正常

と判定される場合や腫瘍の大きさと位置から高リスクではないと判断

される場合は、副腎摘除術は適応とならない 67。

積極的サーベイランスおよびアブレーション治療

積極的サーベイランス 68,69 は、初期段階で腹部画像検査を用いて腫瘍

をモニタリングすることで、適応となる時点まで介入を遅らせること

と定義される。高齢の患者と腎腫瘤が小さく他に併存症を有する患者

は RCC 特異的死亡率が低い場合が多い 70。積極的サーベイランスと凍

結療法やラジオ波焼灼術などのアブレーション治療は、限定された患

者(特に高齢患者や競合する健康上のリスクが認められる患者)に対す

る代替の治療戦略である。

アブレーション治療と外科的切除(すなわち、開腹下または腹腔鏡下で

の根治的腎摘除術または腎部分切除術)についてランダム化第 III 相試

験による比較は行われていない。

NCCN 腎癌委員会は、限局例に対する上記各治療法の有用性を病期(I

期[pT1aおよび pT1b]、II期および III期)に応じて議論してきた。

I 期(pT1a)症例の管理

当 NCCN 委員会は、臨床病期 I 期(pT1a)の腎腫瘤に対する管理方針

としては、腎部分切除術による腫瘍の外科的切除が望ましいと考えて

いる。ここでは十分な専門知識・技能と慎重な患者選択が重要となる。

腎部分切除術は、片側のみに小径腫瘍を認める患者と腎機能の温存が

最優先の課題となる患者(単腎、腎不全、両側腎腫瘤、家族性 RCC な

ど)に最も適している。腎部分切除術は開腹下と腹腔鏡下のどちらを採

用してもよく、腫瘍の大きさと位置および外科医の専門知識・技能に

応じて決定する。

限局性腎腫瘍であっても腎部分切除術が不可能な場合もあり、その

ような症例には根治的腎摘除術が推奨される。本 NCCN ガイドライ

ンでは、腎部分切除術が技術的に不可能であると泌尿器科医が判断

した I 期(pT1a)RCC 患者への代替治療として、根治的腎摘除術を

挙げている。

限定された I 期(pT1a)RCC 症例におけるその他の選択肢としては、

積極的サーベイランスとアブレーション治療がある。積極的サーベイ

ランスは限局性腎腫瘤の患者を対象とした選択肢であり、期待余命が

短い患者や重度の併存症のため侵襲性の高い介入による過剰なリスク

に曝される可能性のある患者では、この戦略をまず第一に考慮すべき

である。腫瘍学的な短期および中期の成績に従えば、最初は小径の腎

腫瘤に対するモニタリングを行い、進行時に必要に応じた治療を開始

するのが適切な方針となる 68。

アブレーション治療と従来の手術の無遠隔再発生存率は同等であるが、

アブレーション治療は局所再発リスクが高いことが指摘されている71-74。こうした低侵襲の治療法を選択する際には、現在もなお慎重な患

者選択とカウンセリングが最も重要である。

I 期(pT1b)症例の管理

限局性 RCCに対する腎部分切除術では、腫瘍学的に見て T1b症例に対

する根治手術と同程度の成績が得られている 75,76。NCCN腎癌委員会の

見解では、臨床病期が T1b の症例では、腎部分切除術(可能である限

り)または根治的腎摘除術が標準治療である。

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

II 期および III期症例の管理

一般に局所進行例では、腎部分切除術は適切な治療法とならない。こ

れらの状況で治癒を望める治療法は、依然として根治的腎摘除術とな

っている 38。根治的腎摘除術は、腫瘍が下大静脈に進展している場合

に選択される治療法であり、II期および III期の腎腫瘍患者に対する標準

治療である。下大静脈または心房の血栓摘除術には、しばしば心血管

外科医の援助が必要となり、心停止の有無により静脈-静脈バイパスや

人工心肺操作が必要となる場合もある。

下大静脈または心房内の腫瘍血栓摘除術を考慮する場合は、原発腫瘍

の局所進展度と下大静脈進展の程度によっては治療関連死亡率が 10%

にも達することから、その手術は経験豊富なチームによって施行され

るべきである。

当 NCCN委員会は、根治的腎摘除術を II期および III期の腫瘍に対する

唯一の選択肢としている。原発腫瘍が小径、片側性かつ T2a の限定さ

れた患者では、腎部分切除術が選択肢の 1つとなる場合がある。

限局例に対する治療後のフォローアップ

限局例に対して外科的切除が施行された場合、20~30%の患者が再発

を経験する。遠隔再発としては肺転移が最も多く、50~60%の患者に

みられる。手術から再発までの期間の中央値は 1~2 年であり、再発の

ほとんどは 3年以内に起こっている 77。

当 NCCN 委員会は、小径腎腫瘤のサーベイランスを受けている患者お

よび原発性 RCC の手術またはアブレーション治療を受けた患者に対す

るフォローアップの枠組みを提示している。当 NCCN 委員会は、単独

ですべての患者に適切となるフォローアップ計画は存在せず、フォロ

ーアップは臨床判断により患者毎に変更すべきであることを脚注で繰

り返し強調している。最適なフォローアップ計画について委員会内で

一貫したコンセンサスが得られていないため、それらの推奨はカテゴ

リー2B としている。また、腎摘除術後最初の 5 年間のフォローアップ

について指針を示しており、担当医の判断でフォローアップ評価を 5

年以降も延長できるとしている。後ろ向き解析の結果から、一部の患

者では原発性 RCCに対する手術から 5年以降に再発が起きることが示

されている 78。その解析では、一部の患者では5年以降のフォローアッ

プ/サーベイランスの継続に潜在的な価値がある可能性が示唆されてい

る。より長期間のフォローアップを必要とする高リスク患者集団の同

定についてはまだ確立されておらず、RCC 患者のフォローアップ戦略

を改善するために更なる研究が必要である。

本NCCNガイドラインには、集中的なサーベイランスおよび/またはフ

ォローアップ画像検査の必要性が最も高い患者を対象として、リスク

で層別化した画像検査の適用を導入している。

pT1a症例に対する積極的サーベイランス中のフォローアップ

積極的サーベイランス中のフォローアップについては、当NCCN委員会

は、病歴聴取と身体診察、生化学検査およびその他の検査を 2 年間は 6

ヵ月毎、その後は診断から最長 5 年後まで 1 年毎に行うよう推奨してい

る。当NCCN委員会は、腫瘍の増殖速度を明らかにするために、腹部画

像検査(CT または MRI による)を積極的サーベイランスの開始から 6

ヵ月以内に施行することを推奨しており、それ以降の画像検査(CT、

MRIまたはUSによる)は年 1回施行すればよい。3つの方法(US、CT、

MRI)はいずれも病理学的な腫瘍の大きさを正確に予測できることが、後

ろ向き解析で明らかにされている 79。したがって、画像検査の方法は最

善の臨床判断によって選択すべきである。生検で RCC 陽性と判定され

た患者には、胸部画像検査(胸部 X線または胸部 CT)による 1年毎の肺

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考察

転移の評価が推奨される。当委員会は、骨盤の画像検査、神経症状を認

める場合は頭部または脊椎の CTまたは MRI、ならびに ALP上昇、骨痛

または放射線学的異常所見を認める場合は骨スキャンを推奨する。

pT1a症例に対するアブレーション治療後のフォローアップ

当 NCCN 委員会が採用したアブレーション治療後のフォローアップ検

査の大半は、積極的サーベイランスに含まれるフォローアップ検査と

同様である。アブレーション治療後の画像検査については、当 NCCN

委員会は、他に禁忌がない限り、治療に対する反応を評価するために 3

~6ヵ月時点で腹部 CTまたは MRI(静注造影剤を使用または不使用)

を施行し、その後 5年間は 1年毎に腹部CTまたはMRIを施行すること

を推奨する。当NCCN委員会は、生検で証明された低リスクRCCの患

者、生検で診断に至らなかった患者、および過去に肝転移を評価する

生検を受けていない患者に対して、肺転移の評価のために 5 年間にわ

たり 1年毎に胸部X線またはCTを施行することを推奨する。アブレー

ションを行った腫瘍に(造影剤による増強の有無は問わず)進行性の増

大を示す所見が認められた場合、治療した領域またはその周辺に新た

に小結節の形成が認められた場合、治療した病変で経時的な退縮が得

られない場合、およびサテライトまたはポート部位に病変が認められ

た場合については、当委員会は再生検を勧める。

I~III期症例に対する腎摘除術後のフォローアップ

腫瘍が完全切除された患者における腎摘除後の補助療法の役割につい

ては、現時点では確立されていない。再発の可能性を減少させること

が示されている全身療法は存在しない。完全切除を受けた局所進行性

RCC患者においてインターフェロン α(IFN-α)または高用量インター

ロイキン 2(IL-2)もしくはサイトカイン併用療法による補助療法を経

過観察のみの場合と比較したランダム化試験では、補助療法群に再発

までの期間の延長も生存率の改善も認められなかった 80。腎摘除術後

の管理としては、現在も経過観察が標準とされており、適格な患者に

はランダム化臨床試験への参加を提案すべきである。補助療法として

の分子標的療法の役割を検討する臨床試験がいくつか進められており、

最近終了した試験もある。腎摘除術後の補助放射線療法については、

リンパ節転移を来した患者や腫瘍の切除が不完全に終わった患者でさ

えも有益性は実証されていない。

腎部分切除術または根治的腎摘除術が施行された pT1a および pT1b 症

例:当 NCCN 委員会は、病歴聴取と身体診察、生化学検査およびその他

の検査を2年間は6ヵ月毎、その後は腎摘除術から最長5年後まで1年毎

に行うよう推奨している。当委員会は、腎部分切除術または根治的腎摘

除術を受けた患者には、腎手術後 3~12 ヵ月以内にベースラインの腹部

画像検査(CT、MRIまたはUS)を施行することを推奨する。術後最初の

画像検査が陰性となった場合は、根治的腎摘除術を受けた患者では 12ヵ

月以降の腹部画像検査は担当医の判断で施行でき、腎部分切除術を受け

た患者には各患者の危険因子に基づいて3年にわたる1年毎の腹部画像検

査(CT、MRIまたは US)を考慮できる。腎部分切除術後の局所再発率は、

比較的小さい腫瘍で 1.4~2%、比較的大きい腫瘍で 10%である 81-83。

当委員会は、その後も臨床的な適応に従って3年間にわたり1年毎に胸

部画像検査(胸部 X線または CT)を施行することを推奨し、また臨床

的な適応に従って骨盤の画像検査、頭部または脊椎のCTまたはMRI、

骨スキャンを施行することを推奨する。

根治的腎摘除術後の II~III期症例:大きい腫瘍ほど局所および転移再発

のリスクが著しく高くなるため、pT1a または pT1b 症例より高頻度の

検査が推奨される。当 NCCN 委員会は、病歴聴取と身体診察を 3 年間

は 3~6ヵ月毎、その後は根治的腎摘除術から 5年後まで 1年毎に行う

よう推奨している。臨床的に適応があれば、担当医の判断でフォロー

アップ評価を 5 年以降も継続することができる。臨床的に適応があれ

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考察

ば、生化学検査およびその他の検査を2年間は6ヵ月毎、その後は根治

的腎摘除術から5年後まで1年毎、それ以降は臨床的な適応に従って施

行することが推奨される。

当委員会は、術後 3~6ヵ月以内にベースラインの胸部画像検査(CTに

よる)および腹部画像検査(CT または MRI)を施行し、その後は少な

くとも 3年間は 6ヵ月毎、以降は根治的腎摘除術から最長 5年後まで 1

年毎に継続的な画像検査(胸部 CT または X線、腹部 CT、MRIまたは

US)を施行することを推奨する 84。フォローアップの画像検査に US

を用いることは低リスク患者向けの選択肢であるが、再発リスクの高

い患者では CTが望ましい方法である。III期症例における USの有用性

について委員会内で見解の相違があることから、特に II 期症例に対す

る推奨度はカテゴリー2B としている。当委員会は、臨床的な適応に従

って 5 年以降も画像検査を施行してよいこと、および症状から妥当と

判断されれば特定部位の画像検査を施行してよいことを指摘している。

臨床的に適応があれば、骨盤の画像検査、頭部または脊椎のCTまたは

MRI、骨スキャンなどの他の検査が推奨される。

University of California Los Angeles(UCLA)Integrated Staging System

(UISS)85に基づくサーベイランスプロトコルなど、上記以外のサーベ

イランスプログラムも提案されている。UISS はエビデンスに基づいた

システムであり、限局性または局所進行性 RCC に対する外科治療施行

後の再発または転移リスクについて、1997年のTNM病期分類、異型度

および ECOG の一般全身状態スコアから患者を低、中、高のリスク群

に層別化するものである 85。

進行例または IV 期症例の管理

IV 期の患者でも手術が有益となる場合がある。例えば、CT 上でリンパ

節転移が疑われる場合であっても、ただの過形成であって腫瘍の転移で

はない可能性もあるため、微小な所属リンパ節腫脹の存在は手術の実施

を妨げるものではない。また少数ではあるが、原発巣が外科的に切除で

きる可能性があり、かつ1ヵ所のみに切除可能な転移巣を認めるRCC患

者の一部では、腎摘除術+転移巣切除術が適応となりうる。具体的には、

1)初診時から RCCの原発巣とともに 1ヵ所のみに転移巣を認める患者

や、2)腎摘除術後の長期無病期間後に孤立性再発を来した患者などが挙

げられる。このアプローチが可能となりうる孤立性転移の部位としては

肺、骨、脳が挙げられる。原発巣と転移巣の切除は、一期的または二期

的な手術で行う。孤立性転移の切除を受けた患者のほとんどが再発を経

験するが、それらの患者では長期の無増悪生存が報告されている。

予後予測モデル

転移性 RCC 患者の生存予後について、独立した予後因子を組み合わせ

ることで患者のリスク群を分類するスコア式の予後評価システムが開

発された。

最も広く用いられている予後因子モデルは、Memorial Sloan Kettering

Cancer Center(MSKCC)のものである。このモデルは、臨床試験に登

録されて IFNによる治療を受けた転移性 RCC患者(n=463)の予後因

子を検討することにより開発された 86。多変量解析の変数として5つの

予後因子(診断から治療までの期間が 1年未満、Karnofskyの一般全身

状態スコアが 80%未満、血清乳酸脱水素酵素[LDH]値が正常上限値

[ULN]の 1.5倍以上、補正血清カルシウム濃度が ULNを超える、血清

ヘモグロビン値が正常下限値[LLN]未満)が採用された。これらの因

子を 1 つも認めない患者は低リスクまたは予後良好群に、1つまたは 2

つ認める患者は中リスク群に、3つ以上認める患者は高リスク群に分類

される。MSKCC の基準については、Cleveland Clinic において独立し

た別のグループにより更なる妥当性検証が行われた 87。

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考察

血管内皮増殖因子(VEGF)標的療法を受けた転移性 RCC 患者のデ

ータに基づく予後予測モデルが最近開発され、 International

Metastatic RCC Database Consortium モデルあるいは Heng モデル

として広く知られている 88。このモデルはスニチニブ、ソラフェニ

ブまたはベバシズマブ+インターフェロンによる治療を受けた転移

性 RCC患者 645例の後ろ向き研究によって開発された。この解析に

は以前に免疫療法を受けた(すなわち二次治療として分子標的療法を

受けた)患者も含まれていた。この解析により、患者を予後良好群、

予後中間群、予後不良群に層別化するための臨床パラメータが 6 つ

同定された。MSKCC が以前に同定した 5 つの予後不良因子のうち 4

つ(ヘモグロビン値が LLN 未満、補正血清カルシウム濃度が ULN を

超える、Karnofsky の一般全身状態スコアが 80%未満、初回診断か

ら治療開始までの期間が 1 年未満)は、ここでも独立した予後不良因

子であった。このモデルで新たに妥当性が確認された独立した予後

不良因子は、ULNを超える好中球数増加と ULNを超える血小板数増

加である 88。

同定された 6つの予後不良因子を 1 つも認めない患者は低リスク群(n

=133;22.7%)に分類され、OS 中央値は未到達で、2 年 OS は 75%

であった(95%CI 65%~82%)。次に、予後不良因子を 1 つまたは 2

つ認める患者は中リスク群(n=301;51.4%)に分類され、OS中央値

は 27ヵ月、2年 OSは 53%であった(95%CI 46%~59%)。最後に、

予後不良因子を 3~6つ認める患者は高リスク群(n=152;25.9%)に

分類され、OS中央値は 8.8ヵ月、2年 OSは 7%であった(95%CI 2%

~16%)88。このモデルについては最近、独立したデータセットで妥当

性が検証された 89。

再発または IV期症例および切除不能症例に対する一次治療

外科的に切除できる可能性がある原発巣の腫瘤に対しては、一般に

全身療法の開始前に cytoreductive nephrectomyを施行することが推

奨される。手術後に IFN 療法が施行された患者における

cytoreductive nephrectomy の有益性はランダム化試験によって示さ

れている。互いに類似した第 III 相試験である Southwest Oncology

Group(SWOG)や EORTC の研究では、有転移症例が腎摘除術と

IFN-α療法を受ける群と IFN-α療法のみを受ける群にランダム化され

た 90-92。これらの試験を統合した解析によると、生存期間の中央値

は手術+IFN-α群の方が良好であった(13.6 ヵ月 vs 7.8 ヵ月[IFN-α

単独群])90-93。

Cytoreductive な治療法が有益となりやすい患者を同定するための患者

選択が重要である。全身療法施行前の cytoreductive nephrectomy が有

益となる可能性が最も高いのは、転移が肺のみに限られ、予後良好因

子を認め、一般全身状態が良好な患者である 94。高用量 IL-2療法(下記

参照)が適応となる患者については同様のデータが得られていないもの

の、UCLA の腎癌データベースや他のグループによる種々の研究報告

のデータからは、その他の免疫療法を受けている患者にも腎摘除術は

有益である可能性が示唆されている 95。分子標的療法(以降で詳細に検

討する)が考慮されている転移例での腎摘除術の役割については、現在

ランダム化試験が進行中であるが、 International Metastatic RCC

Database Consortiumのデータからは、VEGFに対する分子標的薬が投

与された患者でも cytoreductive nephrectomy がなお一定の役割を果た

すことが示唆されている 96。血尿を始めとする原発巣と関係のある症

状を認め、かつ手術適応がある転移例には、症状の緩和を目的とした

腎摘除術を考慮してもよい。

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考察

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する一次治療

サイトカイン療法

2005年の後半までは、転移性 RCCに対する全身治療の選択肢はサイト

カイン療法か新規薬剤の臨床試験だけに限られていた。淡明細胞型

RCCの転移例、再発例および切除不能例については、IL-2と IFNを様々

な併用法と用量で使用する治療法がランダム化試験において研究されて

きた。IL-2 については、最初はいくつかのマウス腫瘍モデルにおいて強

力な抗腫瘍活性が確認され 97、その後に RCC 患者を対象とした臨床試

験でも実証された 98-100。IFN-αと IL-2 のどちらについても、5~27%の

客観的奏効率が報告されている 100-102。これらの薬剤は一部の患者には

有用となるものの、大半の症例では若干の臨床的有益性が得られるのみ

であり、その一方では有意な毒性に耐えなければならない。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としての高用量 IL-2療法

IL-2 をベースとした免疫療法については、長期間持続する完全または部

分寛解が少数の患者群で報告されている。一方、IFN-α による治療を受

けた患者で持続的な完全奏効が得られることはまれである。FDA で承

認され米国の医療施設で採用されている高用量 IL-2の急速静注と IFN-α

とを直接比較した研究は存在しないが、フランスでの多施設共同試験の

データからは、積極的な IFN-α療法と IL-2静注療法とでは成績が同程度

となることが示唆されており、またこれらを併用した群では、毒性が増

強されたものの奏効率の向上が認められた。高用量 IL-2療法にはかなり

の毒性が伴い、この治療法が奏効しやすい腫瘍側または患者側の因子を

明らかにする試みも現在のところすべて不成功に終わっている 97,101,103。

したがって、IL-2 療法の対象患者を選択するための最良の基準は、大部

分が安全性に基づく内容となっており、その具体的な要素としては、一

般全身状態、併存症、組織型(淡明細胞型優位)、MSKCC または

Survival After Nephrectomy and Immunotherapy(SANI)リスクスコア86,95,104、リスクに対する患者の考え方などが挙げられる。

NCCN 腎癌委員会の見解では、淡明細胞型腎癌の再発例または IV 期の

切除不能例に高度に限定すれば、高用量 IL-2 は一次治療における選択

肢の 1つであり、その推奨度はカテゴリー2Aとしている。

分子標的療法

チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)および抗 VEGF抗体による分子標的療

法が一次および二次治療に広く用いられている。現在までに進行性

RCCの治療薬として FDAに承認されている分子標的薬は、スニチニブ、

ソラフェニブ、パゾパニブ、アキシチニブ、テムシロリムス、エベロ

リムス、ベバシズマブ(インターフェロンとの併用)の 7つである。

分子標的療法の選択においては、腫瘍の組織型と患者のリスク判定が

重要である。RCC の組織学的診断は、腎腫瘍の外科的切除後または生

検後に確定となる。世界保健機関(WHO)の分類に従えば、RCCで最

も頻度の高い 3つの組織型は、淡明細胞型 RCC、乳頭状 RCC、嫌色素

性RCCである 105。転移例におけるリスク層別化用に予後予測システム

が用いられている 86,88。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのスニチニブ

スニチニブはマルチキナーゼ阻害薬であり、血小板由来成長因子受容

体(PDGFR-α、PDGFR-β)、VEGF 受容体(VEGFR-1、VEGFR-2、

VEGFR-3)、幹細胞因子受容体(c-KIT)、FMS 様チロシンキナーゼ

(FLT-3)、コロニー刺激因子(CSF-1R)、神経栄養因子受容体(RET)

など、複数の受容体型チロシンキナーゼを標的とする 106,107。

前臨床研究のデータから、スニチニブには、血管新生阻害と細胞増殖

阻害の両方に由来すると考えられる抗腫瘍活性のあることが示唆され

た 108,109。第 I相および第 II相試験で有望なデータが得られたことを受

けて、未治療の転移性 RCC 患者におけるスニチニブの有効性を検討

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考察

する大規模な第 III 相国際臨床試験が開始され、淡明細胞型の転移性

RCC 患者 750 人(すべてのリスク群を含む)がスニチニブ投与群と

IFN-α 投与群とに 1:1 の比率でランダム化された 106。この試験では、

全身療法による治療歴がなく、一般全身状態が良好で、かつ計測可能

な病変を有する患者が選択された。主要エンドポイントは無増悪生存

期間(PFS)とされ、副次エンドポイントは患者関連アウトカム、全

生存期間(OS)、奏効率および安全性とされた。両治療群間のバラン

スは良好であった。年齢中央値は 60 歳であり、90%がすでに腎摘除

術を受けていた。試験に参加した患者の約 90%は、MSKCCリスク分

類で「favorable」または「intermediate」に分類されていた。PFS の

中央値は、スニチニブ群で 11ヵ月、IFN-α群で 5ヵ月であった。独立

審査によって評価された客観的奏効率は、スニチニブ群では 31%、

IFN-α群では 6%であった。重度の有害事象(Grade 3~4 の毒性)は

許容可能なものであり、スニチニブ群では好中球減少症(12%)、血

小板減少症(8%)、高アミラーゼ血症(5%)、下痢(5%)、手足

症候群(5%)および高血圧(8%)が目立ち、疲労については IFN-α

群でより多くみられた(12% vs 7%)。その後の追加報告では、一次

治療におけるスニチニブの優位性を強く示唆する傾向が全生存期間で

も実証された(26.4 ヵ月 vs 21.81 ヵ月、P=0.051)102。また、対象

を広げて実施された試験の結果により、脳転移のある患者、非淡明細

胞型の患者および一般全身状態が不良の患者においても、スニチニブ

は許容可能な安全性プロファイルと一定の効果を示すことが明らかに

されている 110。

以上の研究結果と本剤の忍容性に基づき、NCCN 腎癌委員会は、スニ

チニブを淡明細胞型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一

次治療の選択肢としてカテゴリー1の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのベバシズマブとインターフェロンの併用

ベバシズマブは組換えヒト化モノクローナル抗体であり、遊離

VEGF-A に結合してこれを中和する。多施設共同の第 III 相試験

(AVOREN)により、ベバシズマブ+IFN-αとプラセボ+IFN-αとの比較

が行われた。これはランダム化二重盲検試験であった。649 人の患者

がランダム化された(うち治療を受けたのは 641人)111。IFN-αへのベ

バシズマブの追加は PFS(10.2ヵ月 vs 5.4ヵ月)および客観的奏効率

(30.6% vs 12.4%)の有意な改善をもたらした。IFN-αを単独投与した

場合と比較して、併用による有害作用の有意な増加や新たな有害作用

の発現は観察されなかった。さらに、統計学的に有意な差ではなかっ

たものの、OS の改善傾向も観察された(ベバシズマブ+IFN-α群 23.3

ヵ月 vs IFN-α群 21.3ヵ月)111。

米国において Cancer and Leukemia Group B により同様の試験が実施

され、732 人の未治療患者が IFN-α 単独群とベバシズマブ+IFN-α 併

用群に1:1の比率でランダム化された。ベバシズマブと IFN-αの併用

は、PFS(8.5 ヵ月 vs 5.2 ヵ月)と客観的奏効率(25.5% vs 13.1%)

で IFN-α単独よりも優れた成績を示した。しかし、併用療法群では毒

性が高率にみられた 112。両群の生存期間中央値に有意差は認められ

なかった(ベバシズマブ+IFN-α群 18.3 ヵ月 vs IFN-α単独群 17.4 ヵ

月)113。

NCCN腎癌委員会は、IFN-α併用下でのベバシズマブの使用を淡明細胞

型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次治療の選択肢と

してカテゴリー1の推奨としている。

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのパゾパニブ

パゾパニブは、 VEGFR-1 、 VEGFR-2 、 VEGFR-3 、 PDGFR-α、

PDGFR-βおよび c-KITを標的とする経口用の血管新生阻害薬である。パ

ゾパニブの安全性および有効性については、第 III相のオープンラベル国

際多施設共同試験にて評価された。病変が計測可能で、未治療もしくは

治療歴がサイトカイン療法 1回のみの淡明細胞型の進行性RCC患者 435

人がパゾパニブ群とプラセボ群に 2:1 の比率でランダム化された。被

験者全体ではパゾパニブ投与によりPFSの有意な延長が認められ、平均

するとプラセボ群の4.2ヵ月に対してパゾパニブ群では9.2ヵ月であった114。パゾパニブ群とプラセボ群に2:1の比率でランダム化された233人

の未治療患者のみの集団では、PFSの中央値はパゾパニブ群の11.1ヵ月

に対してプラセボ群では 2.8 ヵ月であった 114。客観的奏効率はパゾパニ

ブ群で 30%、プラセボ群で 3%であった(以上すべての結果が統計学的

に有意であった)。パゾパニブに対する有害反応(すべての Grade を含

める)として頻度の高いものには、下痢(52%)、高血圧(40%)、毛

髪色の変化、悪心(26%)、食欲不振(22%)、嘔吐(21%)、疲労(19%)、

筋力低下(14%)、腹痛(11%)、頭痛(10%)などが挙げられる。注

目すべき Grade 3 の毒性は、アラニン(30%)およびアスパラギン酸

(21%)アミノトランスフェラーゼ値の上昇で示される肝毒性であった。

したがって、本薬剤による治療前および治療中には肝機能のモニタリン

グを行うことが非常に重要となる。

パゾパニブの OS および最新の安全性結果の最終解析では、OS につい

て統計学的に有意な効果は示されなかった 115。OS と PFS の間に相関

がみられなかったことは、オープンラベルで実施された並行延長試験

でプラセボ群の患者がパゾパニブ群にクロスオーバーされたことと、

両群の患者とも増悪後に他の抗癌治療を受けたことによるものである115。最新の解析では 115、それまでの報告と比較して、有害事象の頻度

と重症度や Grade 3/4の有害事象の頻度に差は認められなかった 114。

スニチニブとパゾパニブを比較した大規模な非劣性試験(COMPARZ)

の結果から、この 2 剤は有効性プロファイルは類似しているが、安全

性プロファイルには差があることが示された 116。転移性淡明細胞型

RCC 患者 1,110 人がパゾパニブ群とスニチニブ群にランダムに割り付

けられ、パゾパニブ群における PFS 中央値が 8.4 ヵ月であったのに対

し、スニチニブ群では 9.5ヵ月であった(ハザード比[HR]1.047)。

全奏効率はパゾパニブ群が 31%、スニチニブ群が 25%であった。パゾ

パニブ群ではスニチニブ群と比べて、疲労(それぞれ 55% vs 63%)、

手足症候群(29% vs 50%)、味覚変化(26% vs 36%)、血小板減少

症(10% vs 34%)が少なかった。しかし、パゾパニブ群ではスニチニ

ブ群よりトランスアミナーゼ値の上昇が多く認められた(それぞれ31%

vs 18%)116。OSの最終解析の結果は両群で同程度であった(パゾパニ

ブとスニチニブで比較した死亡の HR 0.92;95%CI 0.79~1.06)117。

OS 中央値はパゾパニブ群で 28.3 ヵ月(95%CI 26.0~35.5)、スニチ

ニブ群で 29.1ヵ月(95%CI 25.4~33.1)であった。リスク分類に基づ

くサブグループ解析が行われた。低リスク患者におけるOS中央値は、

パゾパニブ群の 42.5ヵ月に対してスニチニブ群では 43.6ヵ月であった。

中リスク患者における OS 中央値は、パゾパニブ群で 26.9 ヵ月、スニ

チニブ群で 26.1 ヵ月であった。高リスク患者における OS 中央値は、

パゾパニブ群で 9.9ヵ月、スニチニブ群で 7.7ヵ月であった 117。

COMPARZ試験の結果は 116,117、別の小規模な第 III相試験(PISCES)

の結果によって裏付けられている 118。その PISCES 試験では、168 人

の患者が盲検下での一次治療として、パゾパニブ800mgを10週間投与

後に 2週間の中断(プラセボ)を置いてからスニチニブ 50mg を 10週

間(4週オン/2週オフスケジュール)投与する群と、これらを逆の順序

で投与する群に 1:1の比率でランダムに割り付けられた 118。主要エン

ドポイントは 22 週後時点で評価した患者の意向であった。一方の薬剤

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考察

を選択した理由を質問したところ、約 70%が生活の質(QOL)がより

良好であったことを理由にパゾパニブを選択したのに対し、スニチニ

ブを選択した患者は 22%で、残る 8%はどちらも選択しなかった。パ

ゾパニブ投与中の患者の約 50%が疲労が少ないと報告したのに対し、

スニチニブ投与中の患者でそう報告した割合は約 15%であった。また、

パゾパニブ投与中の患者の約 45%が薬剤による味覚の変化が少ないと

報告したのに対し、スニチニブ投与中の患者でそう報告した割合は約

10%であった 118。

NCCN 腎癌委員会は、パゾパニブを淡明細胞型優位の腎癌の再発例お

よび IV 期の切除不能例に対する一次治療の選択肢としてカテゴリー1

の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのテムシロリムス

テムシロリムスは哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)蛋白に対する阻害

薬である。mTOR は、シグナル経路の下流にある様々な蛋白への作用に

よって、微量栄養素、細胞増殖、アポトーシス、血管新生などを調節し

ている。テムシロリムスの有効性および安全性は、6 つの予後不良因子

のうち 3 つ以上を認める未治療の進行性 RCC 患者を対象とした第 III 相

の多施設共同ランダム化オープンラベル試験である ARCC試験の 2回目

の中間解析において実証された 119。この試験で採用された予後因子は、

診断から全身療法開始までの期間が1年未満、Karnofskyの一般全身状態

スコアが60~70、ヘモグロビン値が正常下限値未満、補正カルシウム値

が 10mg/dL以上、LDH値が正常上限値の 1.5倍以上、1ヵ所以上の臓器

への転移ありの6つであった。626人の患者が IFN-α単独群、テムシロリ

ムス単独群、テムシロリムス+IFN-α 併用群の 3 群に均等にランダム化

された。テムシロリムスを含む 2群の患者には、infusion reactionの予防

として抗ヒスタミン薬による前投薬が推奨された。腎摘除術の治療歴と

地域によって患者の層別化が行われた。被験者構成は 65 歳未満が 70%、

男性患者が 69%であった。IFN-α単独群および 2 剤併用群と比較して、

テムシロリムスのみを投与された群で有意な OS の改善が認められた。

OS の中央値は、テムシロリムス単独群で 10.9 ヵ月であったのに対し、

IFN-α単独群では 7.3ヵ月であった。PFS(この試験の副次エンドポイン

ト)の中央値でも、IFN-α単独群の 3.1ヵ月からテムシロリムス単独群の

5.5ヵ月へと延長が認められた。テムシロリムスと IFN-αの併用について

は、OS と PFS のどちらにも有意な延長が認められなかったばかりか、

Grade 3 または 4 の発疹、口内炎、疼痛、感染、末梢浮腫、血小板減少

症と好中球減少症、高脂血症、高コレステロール血症、高血糖など、複

数の有害事象について頻度の増加が認められた。

これらのデータに基づき NCCN 腎癌委員会は、テムシロリムスを予後

不良な淡明細胞型腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次

治療の選択肢としてカテゴリー1の推奨とした。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのソラフェニブ

トシル酸ソラフェニブは、細胞内セリン/スレオニンキナーゼの複数の

アイソフォームや RAF のほか、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、

PDGFR-β、FLT-3、c-KIT、RET などの受容体型チロシンキナーゼを阻

害する低分子薬である 120-124。

第 II相のランダム化試験において、未治療の淡明細胞型RCC患者を対象

として、ソラフェニブと IFN-α との有効性および安全性の比較が行われ

た 125。189人の患者が経口ソラフェニブ(400mg 1日 2回)か IFN-αの

継続投与を受ける 2 群にランダム化され、病勢進行時にはソラフェニブ

の増量(600mg 1日 2回)か IFN-αからソラフェニブ(400mg 1日 2回)

へのクロスオーバーを選択できるものとされた。主要エンドポイントは

PFSとされた。IFN-α群では、90人が治療を受け、56人で病勢進行が確

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

認され、そのうち 50人がソラフェニブ(400mg 1日 2回)にクロスオー

バーされた。ソラフェニブ群では 97 人が治療を受け、PFS の中央値は

IFN-α群の 5.6ヵ月に対して 5.7ヵ月であった。解析の結果、ソラフェニ

ブの投与を受けた患者の方が腫瘍の退縮がより多く認められたことが判

明した(68.2% vs 39.0%)125。有害事象については、ソラフェニブの投

与を受けた患者で皮膚毒性(発疹および手足皮膚反応)と下痢の頻度が

より高く、IFN-α 群で感冒様症候群の頻度がより高かったものの、全体

的にみた有害事象の発生頻度は両群間で同程度であった。ソラフェニブ

の投与を受けた患者では、IFN-α の投与を受けた患者と比較して、報告

された症状は少なく、QOLが良好であった。ソラフェニブ群での病勢進

行後の増量と IFN-α 群での病勢進行後のソラフェニブへの変更について

は、どちらも無増悪期間の達成につながったことから、IFN-α による一

次治療後の患者とソラフェニブによる前治療歴を有する患者における

(二次治療としての)ソラフェニブの臨床的有益性が示唆された。

NCCN 腎癌委員会は、淡明細胞型優位の腎癌の再発例または IV 期の切

除不能例に限定した上で、ソラフェニブを一次治療における選択肢の 1

つとし、その推奨度はカテゴリー2Aとしている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのアキシチニブ

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療として、アキシチニブに

よる治療はソラフェニブによる治療と比較して高い客観的奏効率と長

い PFS 中央値を明確に示した。この結果が一次治療にも当てはまるど

うかを判断するべく、ランダム化オープンラベル第 III 相試験が実施さ

れ、新たに診断された患者がアキシチニブ(5mg 1日 2回)またはソラ

フェニブ(400mg 1日 2回)に 2:1の比率でランダムに割り付けられ

た 126。PFS中央値は、アキシチニブ群で 10.1ヵ月(95%CI 7.2~12.1)、

ソラフェニブ群で 6.5 ヵ月(95%CI 4.7~8.3)であった 126。アキシチ

ニブ群でソラフェニブ群より高頻度にみられた(差が 10%以上)有害

事象は下痢、高血圧、体重減少、食欲減退、発声障害、甲状腺機能低

下症および上腹部痛で、ソラフェニブ群でより高頻度にみられた有害

事象は手掌・足底発赤知覚不全、発疹、脱毛症および紅斑であった 126。

アキシチニブ群とソラフェニブ群の PFS の差は統計学的に有意ではな

かったが、本試験の結果から一次治療におけるアキシチニブの臨床活

性と許容可能な毒性プロファイルが実証された。

別のランダム化多施設共同第 II 相試験では、新たに診断された転移性

RCC 患者を対象として、アキシチニブの用量漸増の有効性および安全

性が評価された 127。この試験では、すべての患者がまずアキシチニブ

5mg 1日 2回の投与を 4週間受けた。その後、プラセボの漸増投与を受

ける群とアキシチニブの 1 日 2 回投与を段階的に 7mg まで、さらに耐

えられれば最高 1日 10mgまで漸増する群に 1:1の比率で割り付けら

れた。アキシチニブ漸増群ではプラセボ群より多くの患者で客観的奏

効が達成された(54% vs 34%)。

これらの結果に基づき、当 NCCN 委員会はアキシチニブを一次治療に

おける選択肢の 1つとした(カテゴリー2A)。

淡明細胞型優位の腎癌患者に対する二次治療

カボザンチニブ

カボザンチニブは、VEGF 受容体、MET、AXL などのチロシンキナーゼ

に対する低分子阻害薬である。進行性の甲状腺髄様癌患者に対して米国

FDAの承認を受けている。ランダム化第 III相試験(METEOR)では、TKI

療法後に進行した患者 658 人が割り付けられ、カボザンチニブ 60mg/日

(n=331)またはエベロリムス 10mg/日(n=321)の経口投与を受けた128。PFS中央値は、カボザンチニブ群で7.4ヵ月、エベロリムス群で3.8

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

ヵ月と推定された(HR 0.58;95%CI 0.45~0.75;P<0.001)。客観的

奏効率はカボザンチニブ群で 21%、エベロリムス群で 5%であった(P

<0.001)。試験の副次エンドポイントとされた OSは、計画された中間

解析において、カボザンチニブ群の方がエベロリムス群よりも有意に長

いと推定された(死亡の HR 0.67;95%CI 0.51~0.89;P=0.005)128。

有害作用(gradeは問わない)の発生率は、カボザンチニブ群で 100%、

エベロリムス群で 98%であった。有害作用のために投与を中止した患者

の割合は両群で同程度であった(カボザンチニブ群 9% vs エベロリムス

群 10%)。治療に関連したGrade 3または 4の有害作用で最も多く報告

されたものは、カボザンチニブ群では高血圧、下痢および疲労、エベロ

リムス群では貧血、疲労および高血糖であった。METEOR 試験の結果128に基づき、当NCCN委員会は、カボザンチニブをTKIによる治療歴が

ある患者に対する二次治療の選択肢としてカテゴリー1の推奨とした。

ニボルマブ

ニボルマブは、PD-1(活性化 T 細胞の表面に発現する)とそのリガン

ド(免疫細胞および腫瘍細胞の表面に発現する)との相互作用を選択的

に遮断する抗体である。第 III相試験(CheckMate 025)では、1ライン

以上の治療歴(mTOR阻害薬は除く)を有する進行淡明細胞型腎癌患者

(N=821)が、ニボルマブ(体重 1kg当たり 3mg)を 2週毎に静脈内投

与する群とエベロリムス 10mg/日を経口投与する群に(1:1の比率で)

ランダムに割り付けられた 129。試験の主要エンドポイントは OS とさ

れた。OS 中央値は、ニボルマブ群の方がエベロリムス群より 5.4 ヵ月

長かった(25.0ヵ月 vs.19.6ヵ月)。ニボルマブとエベロリムスで比較

した死亡(原因を問わない)の HRは 0.73(P=0.002)であった。ORR

もニボルマブの方が 5 倍高かったと報告された(25% vs 5%;オッズ

比 5.98[95%CI 3.68~9.72];P<0.001)129。

治療に関連した有害事象(grade は問わない)は、ニボルマブ群では

79%、エベロリムス群では 88%の患者に認められ、Grade 3~4の事象

はそれぞれ 19%および 37%で発現した。最も頻度が高かった Grade 3

~4 の事象は、ニボルマブでは疲労(2%)、エベロリムスでは貧血

(8%)であった。毒性により投与の中止は、それぞれ 8%および 13%の

患者でみられた。エベロリムス群では 2 例の死亡が報告され、ニボル

マブ群では治療関連死は認められなかった 129。

FKSI-DRS130質問票を用いて、同試験に登録された患者の QOL スコア

が得られた。ニボルマブ群では、FKSI-DRS スコアのベースラインか

らの変化量の中央値が経時的に増加し、同群の患者の QOL が有意かつ

一貫して改善したことが示唆された129。

エベロリムスとの比較でニボルマブによる OS の改善が確認された

CheckMate 025 129試験の結果に基づき、NCCN委員会は、ニボルマブ

を TKI による治療歴がある患者に対する二次治療の選択肢としてカテ

ゴリー1の推奨とした。

二次治療ではOSでエベロリムスよりニボルマブが優れていることが示

されていることから、血管新生薬阻害による治療後の進行 RCC に対す

る二次治療では、ニボルマブはエベロリムスより望ましい選択肢であ

る。同様に、カボザンチニブでエベロリムスより長い PFS が示された

ことから、血管新生阻害薬による治療後の進行性 RCC に対する二次治

療では、カボザンチニブはエベロリムスより望ましい選択肢となって

いる。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのアキシチニブ

アキシチニブは、VEGFR1、VEGFR2および VEGFR3を標的とする第

二世代の選択的 VEGFR阻害薬である 131。第 III相多施設共同ランダム

化試験(AXIS)において、一次治療で全身療法(主にサイトカインま

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

たはスニチニブ)を受けた患者の二次治療としてアキシチニブとソラフ

ェニブが比較された 132。被験者(n=723)は一般全身状態と前治療の

種類により層別化され、アキシチニブ群(5mg 1日 2回)とソラフェニ

ブ群(400mg 1日 2回)に 1:1の比率でランダム化された 132。全体で

の PFS の中央値はアキシチニブ群で 6.7 ヵ月、ソラフェニブ群で 4.7

ヵ月(HR 0.665;P<0.0001)、奏効率はアキシチニブ治療群で 19%、

ソラフェニブ治療群で 9%(P=0.0001)であった。先にサイトカイン

療法を受けていた患者(12.1ヵ月 vs 6.5ヵ月;P<0.0001)と先にスニ

チニブによる治療を受けていた患者(4.8ヵ月 vs 3.4ヵ月;P=0.01)

のいずれでも、PFS はアキシチニブ群の方が良好であった 132。すべて

の重症度を含めてアキシチニブ群で多くみられた有害事象は、高血圧、

疲労、発声障害、甲状腺機能低下であった。ソラフェニブ群で多くみ

られた有害事象は、手足症候群、発疹、脱毛症、貧血であった。

最近報告された同試験の最新結果では、OS 中央値がアキシチニブ群で

20.1ヵ月(95%CI 16.7~23.4)、ソラフェニブ群で 19.2ヵ月(17.5~

22.3)であった(HR 0.969;95%CI 0.800~1.174)133。OSには 2 群

間に有意差はみられなかったが、試験責任医師の判定による PFS の中

央値は、アキシチニブ群で 8.3ヵ月(95%CI 6.7~9.2)、ソラフェニブ

群で 5.7ヵ月(4.7~6.5)であった(HR 0.656;95%CI 0.552~0.779)133。患者報告アウトカムは、二次治療としてのアキシチニブとソラフ

ェニブで同等であった 130。

サイトカイン抵抗性の転移性 RCC患者を対象とした第 II相試験では、

追跡期間中央値 5.9 年の時点でアキシチニブ投与群の 5 年生存率は

20.6%(95%CI 10.9%~32.4%)であった 134。

NCCN 腎癌委員会は、何らかの全身療法を受けた患者を対象として、

アキシチニブをカテゴリー1の推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのエベロリムス

エベロリムス(RAD001)は経口用のmTOR阻害薬である。第 III相の国際

多施設共同二重盲検ランダム化試験である RECORD 1 試験において、ス

ニチニブまたはソラフェニブによる治療で増悪をみた転移性 RCC 患者に

対する治療としてエベロリムスとプラセボの比較が行われた 135。410人の

患者が 2:1 の比率でエベロリムス群とプラセボ群にランダム化され、主

要エンドポイントは PFS とされた。独立審査委員会によって評価された

PFSの中央値は、4.0ヵ月 vs 1.9ヵ月でエベロリムス群の方が良好であっ

た 135。エベロリムス群で最も多く報告された有害事象(ほとんどが軽度ま

たは中等度であった)は、口内炎(40% vs 8%[プラセボ群])、発疹(25%

vs 4%)および疲労(20% vs 16%)であった 135。この試験の最新の結果

によれば、独立中央審査によるPFSの中央値はエベロリムス群で4.9ヵ月、

プラセボ群で 1.9ヵ月(95%CI 1.8~1.9)であった 136。

本NCCNガイドラインでは、エベロリムスはTKI療法後の治療においてカ

テゴリー1の推奨となっている。最近の 2つのランダム化第 III相試験(前

項で考察)でエベロリムスの有効性がニボルマブおよびカボザンチニブと

比較されていることに注目すべきである。CheckMate 025 129試験では、

OS についてニボルマブがエベロリムスより優れていることが示された。

METEOR試験 128では、エベロリムスの方がPFSが長かった。これら2つ

の第 III 相試験の結果に基づくと、適格な患者はエベロリムスではなく、

ニボルマブまたはカボザンチニブの投与を受けることが望ましい。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのソラフェニブ

第 III相のプラセボ対照ランダム化試験である TARGET試験において、

一次治療(主にサイトカイン療法)後に病勢進行となった患者における

ソラフェニブの有効性が検討された 137,138。この試験では 903人の患者

が登録された。病変が計測可能であり、組織型が淡明細胞型であり、

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

過去8ヵ月間で1回の全身療法歴があり、ECOGの一般全身状態スコア

が0または1であり、かつ予後分類が良好または中等度である患者が選

択された。ほぼすべての患者がすでに腎摘除術を受けていた。試験の

主要エンドポイントは OS、副次エンドポイントは PFSとされた。

独立した評価により実施された中間解析では、ソラフェニブ群の PFS

がプラセボ群より有意に長かったことが報告された(それぞれ 5.5ヵ月

vs 2.8ヵ月、HR 0.44;95%CI 0.35~0.55;P=0.000001)138。この試

験の最終解析ではOSの延長効果が実証されなかったが、この点につい

ては、中間解析で PFS に大きな群間差が観察されたためにソラフェニ

ブ群へのクロスオーバーが推奨されたことが原因となった可能性が高

い。クロスオーバーを打ち切りとしたデータによると、ソラフェニブ

による治療はプラセボと比較して生存期間の改善と関連していたこと

が判明し、それぞれ 17.8 ヵ月と 14.3 ヵ月(HR 0.78;95%CI 0.62~

0.97;P=0.0287)であった 138。プラセボ群よりソラフェニブ群で多く

報告された高頻度の Grade 3~4の有害作用は、手足症候群、疲労およ

び高血圧であった 138。この試験により、ソラフェニブの有効性は主に

サイトカイン療法による前治療後に進行した患者で認められることが

示された。ソラフェニブは一次治療でスニチニブまたはベバシズマブ

の投与を受けた患者の二次治療としても研究されており、安全かつ実

施可能で有効であることが認められている 139,140。NCCN 腎癌委員会は、

ソラフェニブの推奨度をサイトカイン療法後に使用する場合はカテゴ

リー1、TKI療法の後に使用する場合はカテゴリー2Aとしている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのスニチニブ

サイトカイン療法の後に病勢進行となった転移性 RCC 患者に対する二

次治療としては、スニチニブにも相当の抗腫瘍活性のあることが実証

されている 107,141。スニチニブとソラフェニブの連続使用について検討

した研究は、その大半が後ろ向きの研究である。これらのチロシンキ

ナーゼ阻害薬間の交差耐性については、ソラフェニブによる治療後に

スニチニブが無効となる場合であれ、その逆の場合であれ、完全な交

差耐性は生じないことを示唆した前向きデータが(わずかではあるが)

存在する。この知見は、これら 2 剤の標的特異性が異なることや、毒

性スペクトルにわずかな差(時に一方の忍容性が他方のそれよりも良好

となる)があることと整合している 142-146。NCCN腎癌委員会は、スニ

チニブの推奨度をサイトカイン療法の後に使用する場合はカテゴリー1、

TKI療法の後に使用する場合はカテゴリー2Aとしている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのパゾパニブ

「淡明細胞型優位の腎癌に対する一次治療としてのパゾパニブ」の節で

詳述したパゾパニブとプラセボを比較した第 III 相試験では、サイトカ

イン療法による治療歴のある患者 202 人が対象とされた。これらの患

者における PFS の中央値は、プラセボ群の 4.2 ヵ月に対してパゾパニ

ブ群では 7.4ヵ月であった 114。

第 II 相試験では、分子標的薬による治療歴がある進行した転移性 RCC

患者 56人を対象として、パゾパニブ(800mg連日経口投与)による二

次治療の有効性および毒性が前向きに検討された 147。この試験に登録

された患者は、過去にスニチニブ(n=39)またはベバシズマブ(n=

16)による一次治療を受けていた。治療の 8週後に、RECISTを用いて

治療に対する反応が評価された。この試験では、パゾパニブにより

27%の患者(n=15)で客観的奏効が得られ、49%(n=27)が病勢安

定となったことが示された 147。中央値で16.7ヵ月の追跡後のPFS中央

値は 7.5ヵ月(95%CI 5.4~9.4ヵ月)であった 147。前治療がスニチニ

ブとベバシズマブのどちらであっても PFSは同程度であった。24ヵ月

時点の OS率は 43%と推定された 147。

別の後ろ向き解析では、過去に 2 ライン以上の分子標的療法を受けた

転移性 RCC患者 93 人のデータが報告された 148。この試験の評価可能

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

患者(n=85)のうち、15%(n=13)で部分奏効が得られ、PFS 中央

値は 6.5ヵ月であった(95%CI 4.5~9.7)。

上記データに基づき、NCCN 腎癌委員会は、パゾパニブをサイトカイ

ン療法後の選択肢としてはカテゴリー1の推奨としており、チロシンキ

ナーゼ無効後の選択肢としてはカテゴリー2Aの推奨としている。

淡明細胞型優位の腎癌に対する二次治療としてのその他の薬剤

第 II 相試験により、サイトカインによる一次治療後のテムシロリムス

およびベバシズマブ単剤療法の有益性が示されている 149。ベバシズマ

ブの推奨度は、サイトカイン療法後はカテゴリー2A、TKI 療法後はカ

テゴリー2Bである。

ある第 II 相試験において、サイトカイン療法後のテムシロリムス療法

の有益性が示唆された 150。第 III相試験(INTORSECT)では、RCC患

者の治療法としてスニチニブによる一次治療後のテムシロリムスの有

効性がソラフェニブと比較された 151。この試験には一般全身状態が 0

か1の淡明細胞型または非淡明細胞型の腎細胞癌患者512人が登録され

た。被験者はソラフェニブ 400mg 1 日 2 回とテムシロリムス静注

25mg/週のいずれかにランダムに割り付けられた。この試験の主要エ

ンドポイントとされた PFS に統計学的に有意な群間差は認められなか

った(P=0.1933)。PFS はテムシロリムス群の 4.28 ヵ月に対し、ソ

ラフェニブ群では3.91ヵ月であった。OSはソラフェニブの方が統計学

的に有意に良好であった。OS中央値はテムシロリムス群の 12.27ヵ月

に対し、ソラフェニブ群では 16.64ヵ月であった(P=0.0144)151。し

かしながら、スニチニブによる治療を最長 180 日間受けた後にソラフ

ェニブによる治療を受けた患者のサブグループでは、生存期間の延長

が認められなかった。この試験結果に基づき、TKIによる一次治療で奏

効期間が短かかった患者では、二次治療として mTOR 阻害を考慮して

もよい 152。当 NCCN委員会は、テムシロリムスの推奨度をサイトカイ

ン療法後はカテゴリー2A、TKI療法後はカテゴリー2Bとしている。

AXIS 試験の事後解析により、スニチニブまたはサイトカインによる治

療歴がある患者において、前治療に対する反応別、前治療の期間別お

よび腫瘍量別にアキシチニブおよびソラフェニブの有効性が評価され

た 153。この解析では、一次治療での奏効期間が長い患者ほど良好な成

績が得られることが示唆されたが、一次治療で反応が得られないこと

で二次治療の TKI で臨床に良好な結果が得られる可能性が否定される

わけではない 153。

第 II相試験である RECORD-3試験の主要目的は、一次治療におけるス

ニチニブに対するエベロリムスの非劣性を PFS を指標として評価する

ことと、転移性RCCに対する一次治療でのmTOR阻害薬の役割を明ら

かにすることであった 154。一次治療後の PFS中央値は、スニチニブの

10.71 ヵ月に対し、エベロリムスでは 7.85 ヵ月であった。一次治療で

進行した患者は代替療法にクロスオーバーすることとして、2つの治療

順序間でも PFS が比較された。その結果、エベロリムスに続いてスニ

チニブが投与された患者の PFS 中央値が 21.13 ヵ月であったのに対し、

スニチニブに続いてエベロリムスが投与された患者では25.79ヵ月であ

った(HR 1.4;95%CI 1.2~1.8)154。OS中央値は、エベロリムスに続

いてスニチニブを投与する一次治療では22.41ヵ月、スニチニブに続い

てエベロリムスを投与する一次治療では 32.03ヵ月であった(HR 1.2;

95%CI 0.9~1.6)154。これらの結果は、一次治療でスニチニブを投与し

てその後の進行時にエベロリムスを投与するという現状の推奨治療を

支持するものである。

二次治療としての高用量 IL-2 は、一般全身状態が非常に良好で臓器機

能が正常な患者に対する選択肢の 1つである(カテゴリー2B)。

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考察

非淡明細胞癌の患者に対する全身療法

淡明細胞型 RCC の有病率が高いため、分子標的薬の臨床試験は非淡

明細胞型より淡明細胞型の腎細胞癌患者を主な対象として実施されて

いる。非淡明細胞型 RCC における分子標的薬の役割については、更

なる検討が必要である。そのため当 NCCN 委員会は、非淡明細胞型

RCC に対する治療戦略としては臨床試験への登録が望ましいと考え

ている。

淡明細胞型RCCに対して承認された分子標的療法が非淡明細胞型RCC

にも有益となる可能性を示したデータが得られている。

非淡明細胞癌に対する mTOR阻害薬

テムシロリムス

Global ARCC Trial の後ろ向きのサブセット解析から、淡明細胞型だけ

でなく非淡明細胞型の RCC においてもテムシロリムスの有益性が実証

されている 119,155。非淡明細胞型 RCC患者(主に乳頭状 RCC)では、

OS中央値はテムシロリムス群で 11.6ヵ月、IFN-α群で 4.3ヵ月であっ

た。これは非淡明細胞型 RCC 患者を対象として唯一報告されている第

III相試験である。

まれな患者集団を対象とするランダム化臨床試験はしばしば困難とな

る。上記の第 III 相試験の結果と一致して、スニチニブに抵抗性を示し

た転移性の嫌色素性 RCC の症例報告において、テムシロリムスによる

治療で 20ヵ月に及ぶ持続的な臨床的奏効が達成された 156。

テムシロリムスの推奨度は、予後不良因子(MSKCCリスク分類に基づ

く)を認める非淡明細胞癌患者ではカテゴリー1、それ以外の予後リス

ク群に属する非淡明細胞癌患者ではカテゴリー2Aである。

エベロリムス

非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの有益性に関するデータ

は限られている。対象を広げた試験のサブグループ解析と症例報告の

データから、非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの臨床使用

が支持されている 157-159。

転移性の非淡明細胞型 RCC 患者におけるエベロリムスの有効性および安

全性がRAD1001 Expanded Access Clinical Trial in RCC(REACT)に登録

された患者のサブグループ(n=75)で評価された 157。エベロリムスの投

与期間の中央値は、非淡明細胞型サブグループと REACT 試験対象集団全

体において同程度であった(それぞれ 12.14週 vs 14.0週)。ORR(1.3%

vs 1.7%)および病勢安定率(49.3% vs 51.6%)も同程度で、淡明細胞型

RCCと非淡明細胞型RCCにおいて有効性が同程度であることが示唆され

た 157。非淡明細胞型RCCサブグループで最も多く報告されたGrade 3お

よび 4の有害事象は、貧血(9.3%および 8.0%)、胸水(9.3%および 0%)、

呼吸困難(8.0%および 2.7%)、疲労(8.0%および 0%)、無力症(4.0%

および 1.3%)、口内炎(4.0%および 0%)、肺臓炎(4.0%および 0%)

などであった 157。ある第 II相試験では、前治療でスニチニブまたはソラフ

ェニブの投与を受けた非淡明細胞型RCC患者49人を対象として、病勢進

行または許容できない毒性が生じるまでエベロリムス 10mgが連日経口投

与された 159。登録患者の組織型は乳頭状(n=29)、嫌色素性(n=8)、

集合管(n=2)、肉腫様(n=4)、未分類(n=6)であった 159。PFS の

中央値は 5.2ヵ月であった。客観的奏効率は 10.2%で、奏効はすべて部分

奏効であった。25 人(51%)は病勢安定となり、16 人(32.7%)はエベ

ロリムスの投与後も進行した 159。この試験で報告されたGrade 3を超える

有害事象は、貧血(10.2%)、高血糖(8.2%)、感染症(6.1%)、肺臓

炎(4.1%)などであった 159。進行中の第 II 相試験(RAPTOR)の中間結

果では、エベロリムス(10mg 1日 1回)が未治療の乳頭状RCCの進行例

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考察

で抗腫瘍効果をもたらすことが示唆されている。試験担当医師の判定に

よる PFSの中央値は 7.3ヵ月(95%CI 5.6~15.2)であった。現在も治療

継続中の患者において、独立審査委員による安全性および PFS の評価が

続けられている。当 NCCN委員会は、エベロリムスを非淡明細胞型 RCC

患者に対する選択肢の 1つとしている(カテゴリー2A)。

非淡明細胞癌に対するチロシンキナーゼ阻害薬

スニチニブおよびソラフェニブ

対象を広げた試験と第 II 相試験および後ろ向き解析のデータから、非

淡明細胞型のRCC患者におけるスニチニブ 160-166とソラフェニブ 167-169

の臨床的有効性が裏付けられている。しかしながら、データによると、

これらの薬剤の臨床的有効性は非淡明細胞型 RCC 患者では淡明細胞型

RCCの場合より低くなるようである。非淡明細胞型 RCC患者 31 人に

スニチニブを投与した第 II 相試験では、ORR が 36%(95%CI 19%~

52%)、PFS中央値が 6.4ヵ月(95%CI 4.2~8.6ヵ月)と報告された165。非淡明細胞型 RCC(乳頭状または嫌色素性)患者 53人を対象とし

た別の研究では、スニチニブまたはソラフェニブで23%のORRが得ら

れ、PFS中央値は 10.6ヵ月であった 161。

最近報告された他の2つの第 II相試験でスニチニブによる治療がエベロ

リムスと比較された。ASPEN試験では、未治療患者 108人がエベロリ

ムスとスニチニブにランダムに割り付けられた 170。試験の主要エンド

ポイントとされた PFS 中央値は、全体ではスニチニブ群の方が長かっ

た(8.3ヵ月 vs 5.6ヵ月)170。リスク分類に基づいて結果を解析した場

合には、低リスクおよび中リスク患者では、PFS 中央値はスニチニブ

群の方が長かった(14.0ヵ月 vs 5.7ヵ月および 6.5ヵ月 vs 4.9ヵ月)。

一方、高リスク患者ではエベロリムス群の方がスニチニブ群より長か

った(中央値 6.1 ヵ月 vs, 4.0 ヵ月)170。ESPN 試験では、非淡明細胞

型の転移性 RCC 患者 73 人がエベロリムスとスニチニブにランダムに

割り付けられた 171。スニチニブによる一次治療では、エベロリムスと

比較して ORRが高かった(12% vs 0%)171。

スニチニブとソラフェニブは、未治療の IV 期非淡明細胞癌患者ではカ

テゴリー2Aの推奨とされている。

パゾパニブおよびアキシチニブ

非淡明細胞型腎癌患者におけるパゾパニブとアキシチニブの臨床的有

益性はまだ確立されていない。非淡明細胞癌患者を対象として一次お

よび二次治療としてのパゾパニブおよびアキシチニブの有効性を評価

する臨床試験が進行中である 172-174。

NCCN 腎癌委員会は、外挿に基づき、これらの治療法を非淡明細胞型

腎癌の再発例および IV 期の切除不能例に対する一次治療の選択肢とし

て推奨している(カテゴリー2A)。

エルロチニブ

経口用の上皮成長因子受容体(EGFR)TKIであるエルロチニブについては、

乳頭状 RCC の進行例において有効性の検討が行われている 175。この研究

では、52人の患者に対してエルロチニブの 1日 1回経口投与による治療が

施行された。ORRは 11%(45人中 5人、95%CI 3~24%)、疾患制御率

(RECISTに基づく 6週間の病勢安定か部分または完全奏効が確認された場

合と定義)は 64%であった。OSの中央値は 27ヵ月であった 175。この試験

により、疾患制御および生存期間で見たエルロチニブ単剤投与の効果が実

証され、さらに毒性プロファイルが予想通りであったことも確認された。

NCCN 腎癌委員会は、エルロチニブを非淡明細胞型腎癌の再発例およ

び IV期の切除不能例に対する一次治療の選択肢として推奨している(カ

テゴリー2A)。

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考察

非淡明細胞癌に対するその他の分子標的療法

小規模な第 II相試験により、乳頭状 RCC患者に対するベバシズマブの

単剤療法が検討された。この試験は被験者登録のペースが遅く、5例と

いう規模の小ささから早期に終了となり、5例中 3例は前治療として腎

摘除術を、1 例は肝転移巣の切除を、1 例はテムシロリムスによる治療

を受けていた。患者毎に報告された PFSは 25、15、11、10、6ヵ月で

あった。報告された主な毒性は Grade 1~2で、高血圧、クレアチニン

値上昇、蛋白尿などであった 176。

当 NCCN委員会は、ベバシズマブを非淡明細胞型 RCC患者に対する治

療選択肢の 1つとしている(カテゴリー2A)。

転移性腎細胞癌に対する化学療法

肉腫様型および非淡明細胞型 RCC の治療は、依然として困難である。

肉腫様型はあらゆる組織型でみられる進行の速いRCCである 177。肉腫

様型 RCC は予後不良である 178-181。化学療法は様々な肉腫の管理にお

いて一定の役割を果たしていることから、肉腫様型 RCC 患者における

使用が検討されている。ゲムシタビンとドキソルビシンまたはカペシ

タビンとの併用について、肉腫様型成分を認める非淡明細胞型または

淡明細胞型 RCC 患者において若干の有効性が示されている 182-187。ゲ

ムシタビンと併用するときのスニチニブの潜在的役割が、肉腫様型

RCC を対象とする第 II 相試験で検討されている188。その結果から、こ

の併用の忍容性は良好で、進行が急速な患者で特に有効であることが

示された188。肉腫様型患者を対象にスニチニブとゲムシタビンの併用

をスニチニブ単剤と比較する試験が複数進行中である 189。

非淡明細胞型の RCC の中でも、腎髄質癌は極めてまれであり、若年者

における原発性腎腫瘍全体の約 2%を占める 190,191。95%の患者で受診

時から転移が認められる 190,191。この亜型に対する治療法は、現在も化

学療法が中心であるが、予後は依然として極めて不良である。

集合管癌も非常にまれな非淡明細胞型 RCC であり、受診時から進行し

ている場合が多い。初診時から 40%に達する患者で転移がみられ、大

半の患者が初回診断から 1~3 年以内に死亡する 192-195。集合管癌には、

尿路上皮癌と同じ生物学的特徴が認められる。ある多施設共同の前向

き研究において、未治療の患者 23 人にゲムシタビンとシスプラチンま

たはカルボプラチンとの併用治療が施行された 196。その結果は奏効率

26%、OS 10.5ヵ月であった 196。

NCCN 腎癌委員会は、肉腫様型が優位な淡明細胞型および非淡明細

胞型RCCの治療では化学療法が 1つの選択肢であることを脚注に記

載している。肉腫様型が優位な患者で一定の有益性を示されている

化学療法レジメンとしては、ゲムシタビンとドキソルビシンまたは

スニチニブとの併用療法(いずれもカテゴリー2B)がある。さらに

当委員会は、集合管癌や腎髄質癌などの他の非淡明細胞型 RCC の

患者において細胞傷害性薬剤を用いた化学療法(ゲムシタビンとカ

ルボプラチンまたはシスプラチンの併用もしくはパクリタキセルと

カルボプラチンの併用)により部分奏効が得られていることに注目

している。

再発または IV 期症例および切除不能症例に対するフォローアッ

プに関する推奨事項

当 NCCN 委員会は、全身療法を受けている患者には病歴聴取と身体診

察を 6~16 週毎、あるいは臨床的に適応があればより頻回に行うよう

推奨している。他の臨床検査は、使用中の治療薬に対する要件に応じ

て行えばよい。

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ガイドライン索引 腎癌 目次

考察

全身治療/経過観察を開始する前に CT や MRI などの画像検査を施行

すべきであり、その後は医師の判断と患者の臨床状態に応じて 6~

16 週毎に画像検査を施行する。画像検査の頻度は、病状の変化の速

さと活動性疾患がみられる部位に応じて変更すべきである。当委員

会は、頭部または脊椎の CT または MRI などの追加の画像検査と、

ベースライン時および以降の臨床的に適応となった時点での骨スキ

ャンを推奨する。

支持療法

転移性 RCC 患者では例外なく支持療法が治療の要となることに変わり

はない(NCCN Guidelines for Palliative Careを参照)。支持療法には、

頭蓋外病変は十分に制御されている孤立性脳転移例に対する手術も含

まれる。体積の限られた脳転移例では、定位放射線療法が可能であれ

ば手術に代わる選択肢となり、多発性脳転移を認める患者には全脳照

射が推奨される 197。

また、悪性腫瘍による脊髄圧迫や荷重骨の切迫骨折または骨折を認

める限定された患者においても、腫瘍の残存量がわずかな場合また

は症状が続く場合には、手術が適切となることがある。さらに症状

の緩和、特に有痛性骨転移の緩和を目的として、ビスホスホネート

系薬剤と放射線療法の併用も考慮される 。患者の受診頻度と画像お

よび臨床検査の実施頻度については、個々の症例の必要性に応じて

判断する。

進行性RCC患者の 30~40%では骨転移が生じる 198-200。RCC患者の骨

病変は溶骨性のことが多く、重大な合併症を引き起こし、手術または

放射線療法を必要とする骨痛、高カルシウム血症、病的骨折、脊髄圧

迫などの骨関連事象(SRE)につながる。骨転移を来した患者を対象と

した 2 つの研究から、様々な放射線療法による骨痛の改善が示されて

いる 201,202。

このような状況においては、ビスホスホネート系薬剤(例えばゾレドロ

ン酸)などの骨修飾薬(bone-modifying agent)の役割が十分に確立さ

れている 203,204。RANK-L 阻害薬であるデノスマブは、骨転移を来した

RCC患者への使用が承認された新規の骨修飾薬である。第 III相ランダ

ム化試験では、多発性骨髄腫患者と固形腫瘍(乳癌および前立腺癌を除

く)の骨転移患者を対象として、デノスマブ投与時とゾレドロン酸投与

時で SRE の発生率が直接比較された。この試験には、様々な癌から骨

転移を来した患者が1,776例登録されたが、ビスホスホネート未使用の

RCC患者(6%)を含んでいる 205。試験期間中の最初の SRE発生まで

の期間についてデノスマブがゾレドロン酸に劣らないことが報告され

た(HR 0.84;95%CI 0.71~0.98;P=0.0007)205。

NCCN腎癌委員会は、骨転移があり、30mL/min以上のクレアチニンク

リアランスを有する限定された患者において、ビスホスホネート系薬

剤または RANK リガンド阻害薬の使用を推奨している。毎日のカルシ

ウムおよびビタミン D 補充が強く推奨される。症状の緩和を目的とし

た治療には、特に一般全身状態が不良で転移巣の存在が明らかな患者

では、最善の疼痛管理も含まれる(NCCN Guidelines for Adult Cancer

Painを参照)。

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考察

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