next-l enjuのこれまでとこれから(2013年版)
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2013年11月23日 EnjuKaigi2013 基調講演TRANSCRIPT
Next-L Enjuのこれまでとこれから(2013年版)
田辺 浩介 (@nabeta) !
2013年11月24日 九州大学 EnjuKaigi2013
今日の話題1. はじめに
2. この1年を振り返る
A. 自分自身について
B. Project Next-Lについて
C. Next-L Enjuについて
3. Next-Lの将来展望
4. おわりに
1. はじめに
7年続きました
自己紹介• 1978年、岡山県生まれ
• 愛媛県愛光高等学校卒業
• 慶應義塾大学図書館・情報学科卒業
• 同大学大学院政策・メディア研究科修了
世界のデジタル奈良絵本 (2003)http://dbs.humi.keio.ac.jp/naraehon/
職歴• 東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科
• 助手(図書館担当)
• 大学非常勤講師
• 慶應義塾大学・東洋大学・筑波大学
• 合同会社次世代図書館システム
• 独立行政法人物質・材料研究機構(現職)
2. この1年を 振り返る
A. 自分自身について
ポジションの変化• 独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS) 企画部門科学情報室 NIMS特別専門職(7月まで)
• 独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS) 企画部門科学情報室 エンジニア(8月以降)
• パーマネントになりました
職場環境の変化• ふたたび業務の前線に立った
• 今までは長らく一開発者としてしか携わっていなかった
• 初めて経験する業務が増えた
• 電子ジャーナル管理、研究者総覧
変化によるよい影響• 自分の業務のために開発できる
• 今そこにある問題に当事者として取り組める
• Next-L Enjuの始まりもそうだった
• 当時自分が働いていた大学サテライトキャンパスにあった図書館のために開発
新たなネタに触れる機会が増えた
B. Project Next-Lに ついて
コミュニティとしての活動• Next-L Enju開発ワークショップ
• FRBR・RDA勉強会
• 南三陸町図書館・みやぎデポジットライブラリーの運用支援
Next-L Enju 開発ワークショップ
!
• 月1回のペースで開催中、現在までに20回開催
• インストールから初期設定までの体験、追加機能についての議論や実装を行う
• 最近の参加者は5名~10名程度
開発ワークショップの風景(第19回)
ワークショップの成果• enju_leafのインストール手順の大幅な改善
• 大部分のインストール作業の自動化
• インストールにテキストエディタを使用しないようになった
FRBR・RDA勉強会• 新しい目録モデルのFRBR、 新しい目録規則であるRDAの勉強会
• FRBRの報告書やRDAの本文を読んでいく形式
• 2週間に1回の割合で東京で開催
• 毎回10名~15名程度の参加者
FRBR&RDA勉強会の様子 (江草由佳. つながれインフォプロ 第1回. 情報管理56巻7号)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/7/56_473/_html/-char/ja/
FRBRとは?• FRBR(Funcational Requirements for Bibliographic Records)
• 書誌の構造をWork/Expression/Manifestation/Itemの4要素に分け、それらの要素の関連で書誌を表すモデル
RDAとは?• Resource Description and Access
• FRBRをもとにした図書館の目録規則
• この規則に従って書誌を作成する
• すでにアメリカの大学図書館などで導入が始まっている
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勉強会の成果• 幅広い属性の参加者
• Next-L Enjuへの成果の反映はまだ始まったばかり
南三陸町図書館・みやぎデポジットライブラリー運用支援• 震災復興支援として、Project Next-LによるNext-L Enjuの運用支援を行っている
• 2011年より南三陸町図書館の運用を開始
• 2012年よりみやぎデポジットライブラリーの運用を開始
C. Next-L Enjuについて
Next-L Enju• Project Next-Lで開発されている図書館管理システム
• Ruby on Rails, Apache Solr, PostgreSQL/MySQLなどのOSSを利用して構築
• Next-L Enju自体もOSSとして構築
今年の図書館総合展
クラウドは当たり前
ディスカバリーインターフェース
Cute.Search(九州大学、Summon)http://kyushu.summon.serialssolutions.com
WorldCat(神奈川工科大学)http://kait.worldcat.org
最近1年のGitHubへの登録状況
!
• issue登録: 20件
• pull request: 9件 (田辺除く)
• それほど活発なわけではない
enju_leafへのcommitの数https://github.com/nabeta/enju_leaf/graphs/
contributors
なぜ低調なのか?
(理由のひとつとして) 利用が難しいからではないか?
同じOSSでも…• OSや言語、開発や監視用ツール→多目的、いろいろな人が使うもの
• 図書館システム→目的限定、図書館を運営する人や利用する人が使うもの
利用者を増やすには?• 既存の図書館システムから乗り換えさせる
• 新規に図書館を作るところで導入する
乗り換え• とっても大変
• 乗り換えるだけのメリットは?
ディスカバリー?• インデックス対象となるコンテンツ(中身)の勝負
• Next-L Enjuは入れ物でしかない
• コードを書くだけではどうにもできない
新規導入• Next-L Enjuは大がかりすぎる
• ローカルインストール前提での開発が続いた
• お手軽用途なら他のサービスがある
マイクロライブラリー向けのシステムの例 「リブライズ」http://librize.com/ja
実は行き場所がない
…ように見えてそうではない
利用者を増やすには?(改)• 既存の図書館システムから乗り換えさせる
• 新規に図書館を作るところで導入する
• 現在の図書館に広く存在する業務で、かつ現在効率的なシステム化が行われていない業務を見つけ、そこを効率化するためのシステムを作る
FRBR・RDA• 新しい時代の目録の姿とは?
• それに対応した図書館システムとは?
!
• その姿の一端を示す
enju_root• FRBRのWork/Expressionの管理と共有を行う ためのシステム
• ブックマークレットとCiNii Books APIを使用してWork/Expression要素を作成
• 田辺浩介, 高久雅生, 江草由佳. 疎結合構成によるFRBRモデルに基づく目録システムの試作. 2013. https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/handle/2241/119344
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電子リソース管理• 電子ジャーナル・電子ブックの契約管理と利用統計を行うためのシステム
• いわゆるERMS
• COUNTER/SUSHI対応
• 大学図書館向けになるが…
• 今年12月公開予定
データの流れ
契約管理
電子リソースのコスト計算
スモールデータなくしてビッグデータ活用もオープンデータ活用も あったもんじゃない
3. Next-L Enjuの将来展望
課題の整理• (再掲)現在の図書館に広く存在する業務で、かつ現在効率的なシステム化が行われていない業務を見つけ、そこを効率化するためのシステムを作る
• それは単なる「普通の(安価な)図書館システム」ではない
求められる特性• 特定の業務に特化している
• 既存のシステムに組み込める
• システム利用者の時間を節約できる
これらを実現する スモールシステムが
Next-L Enjuの目指す道?
いろんな道• 目録(FRBR・RDAの関連管理)
• 電子リソース管理
• それ以外には?
ご意見をお聞かせください
4. おわりに
このプロジェクトって 何が楽しいの?
意外にいいことがある• 業界で初対面の人との話のネタになる
• あらかじめ自分の名前を知ってもらえる
• 外国に行ったときにも役に立つ
図書館の厳しい状況の中で• 予算は減る、成果は見えにくい
• 新しいこと、楽しいことをしようとしたら、それなりにいろいろなものが必要
• お金、資料、施設、職員、利用者、…
• それでも努力している図書館もたくさんある
「図書館100連発 フツーの図書館にできること」(アカデミック・リソース・ガイド)
http://www.arg.ne.jp/node/7204
コードは強力な武器のひとつ• パソコンが1台あればいい
• 自分の努力によって達成できる部分が大きい
• 必要な資料がインターネット上で入手しやすい
創意工夫で 世の中にインパクトが
与えられる
それは意外に叶うもの
カーリルhttp://calil.jp
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