nextwebセミナー様講演資料(奥谷) 配布用
TRANSCRIPT
2011年9月22日株式会社良品計画
web事業部奥谷 孝司
無印良品ネットストア「お客様と時間を共有する」
CRM戦略&Social Mediaマネジメント
本日お話する内容
1. 無印良品ネットストアにおけるCRM戦略
2. facebookを活用としたSocial Media戦略
1.「お客様と時間を共有する」CRM戦略
無印良品ネットストア受注実績推移
昨年度のネットストアの売上は、約85億円。2006年には有楽町店を抜き、売上最大店に
10/Dec/2010Copyright 2010 Ryohin Keikaku Co.,Ltd. All Rights Reserved.Confidential
04年の急成長から5年間は2桁成長近年は価格競争、衣料品の苦戦もあり成長は鈍化傾向
昨年11月のサイトリプレース後、売上回復トレンドに入り、第1四半期は2桁成長に戻りつつある
web事業部の役割
無印良品WEBサイト無印良品WEBサイト
①店舗送客機能①店舗送客機能
③くらしの良品研究所をベースとしたお客様とのコミュニケーション
③くらしの良品研究所をベースとしたお客様とのコミュニケーション
②ネットストアによるお客様の無印良品への購入
アクセス
②ネットストアによるお客様の無印良品への購入
アクセス
ネットとリアルの融合を進めることが最優先事項
この役割は当たり前
お客様へのアクセス方法を分析出典:村山徹/三谷宏治+戦略グループ/CRMグループ著 『CRM−顧客はそこにいる(BestSolution)』より筆者作成
強みである商品範囲を活かしながら、顧客時間に入り込む!
個客シェア(定義)個客毎の市場を把握し、各商品がどれだけ食い
込んだか?
商品範囲(定義)顧客のneeds
&wantsを満たす品揃え
顧客時間(定義)顧客の望むタイミングでの提供&推奨の実施。アフターも含めての継続的
なお付き合い
顧客範囲(定義)誰に何が売れたのかを把握し、既存顧客だけで
なく、潜在顧客も見る。
この上下の
動きを取る戦略が一般的
強みの商品範囲を活か
しながら、顧客時間を
追う
なぜ顧客時間なのか?
• 商品範囲
• 衣生食に渡る品揃えは強みではあるが、今やカテゴリーキラー全盛。真似されないビジネスモデルというよりは、真似しても儲からないビジネスモデル。→但し、人々の生活の中に深く入り込んでいる。
• 個客シェア
• シェアNo.1を取れる商品開発ではない。無印良品の商材は模倣可能(=同じものは市場にもある)
• 顧客範囲
• 誰に売れたのかを把握するのは当たり前。弊社はweb以外でこの打ち手を打てる所はない!
競合他社(カテゴリーキラー)もやりきれていない顧客時間を攻め、売上だけなくお客様との絆を作る
なぜ顧客時間なのか?• ネットストアにとっての「顧客時間の重要性」
• 現在260万人を超える会員登録メンバーが存在するが、本年まで本格的に「顧客時間」を追える「既存顧客(会員登録メンバー)」に集中した施策を打ってこなかった。→分かっているけどやってこなかった。
• 無印良品週間という10%off期間中に店頭&ネットストアに流入するお客様を獲得することで売上を拡大できた。→やらなくても売上が取れた。
• web広告を中心とした必要以上のトラフィックで売上を伸ばしていた。→お金があった。。。。今はない。。。
• Social Mediaの広がりがお客様との時間共有を可能にさせている
自社内でもやりきれていない既存顧客の時間を攻めることで少ない予算で売上を取り、お客様との絆も獲得!
現在の会員動向4:6の法則
38%
62%
過去2年間で最低1回はネットストアを利用した事
がある会員
60%以上がネットを利用しないのにメンバーでいてくれているという事実をベースに積極的に店舗送客施策を実施する
更にそのうち半年以内に買物している人は12%し
かいない!
①店舗送客施策
1.Social Mediaからの情報発信による店舗送客
お客様の利便性を拡充し店舗へお客様を誘導する施策(売上は店舗とする)
①ネット注文商品の売上は店舗計上とする
②ネット注文商品の返品も店舗にて受付
*注文はwebで出荷は新潟のネットセンター
となる。お客様
Web
店舗注文 受取り・支払
い新潟センター
2. 店頭受け取りサービス<2011年7月開始>
無印良品WEBサイト 送客送客
売上は店舗
キャンペーンサイト ログイン画⾯ 各ユーザー画面 キャンペーンサイトユーザーコメント表⽰
クーポン画面:twitter
有楽町店10周年ありがとうキャンペーン
メッセージを書いてクーポンを⼿に⼊れよう
コメント記入
①店舗送客施策 webマーケティングを活用した会員獲得&店舗送客施策• 「電子クーポン」への挑戦
顧客:MUJInetメンバーのお客様
企画内容:現在のMUJI netメンバーに店頭に行ってもらうために、クーポン発券機を設置し『来店しなければメリットを享受できない』仕組を確立して来店促進を行う
■基本データ
<運用開始日>
Twitter2009年10月29日
facebook2010年10月1日
<運用目的>Webサイト、メールマガジン、チラシ、TV CMなど、既存メディアだけでは伝えきれない(隠れた逸品的な)商品のPR<運営ポリシー>・“握手”をするくらいのフォロワーとの距離感・押し売りしない(商品PRも、あくまで紹介にとどめる)→ソーシャルメディアの特性を鑑みた訴求方法
・無印良品のアノニマス性を崩さぬよう、あえて一人称を出さない(担当者の氏名、性別、年齢非公表)・フォロワー&ファンに対しては、原則全員にフォロー返しとダイレクトメッセージ送信(ダイレクトメッセージ送信の手法は海外の美術館アカウントなどからヒントを得る)
・質問には出来る限り返信するが、明確な答えが返せない内容については問い合わせ窓口を案内する
<これまでの主な活動>
②お客様とのコミュニケーション Social Mediaの活用
①フォロワー15,000人達成記念『タイムセールなう』
②facebook & Twitterを活用した『投稿キャンペーン参加で店頭クーポン』
③お客様との物作り『iPhoneアプリ』ご意見投稿
ソーシャルメディアを活用し、お客様の「ゆるい」声を懸命に聞く&応える
②お客様とのコミュニケーション 口コミプラットフォーム my MUJIのリリース(8/22/2011)
お客様のSocial Mediaでログイン情報の流れをB to C から C to C、更に C to Bへ!
Social Media活用の新ステージへ!
MUJInet
store
情報発信
C
C
C
C
C
C
C
C
従来:お客様のニーズよりも顧客獲得&売上拡大を主眼においた情報発信
今後のネットストアへのお客様導入
WEB広告
価格プロモーション
店頭での
ネット会員獲得
拡大路線で伸びてきた
MUJI
情報発信
C
C
C
C
C
C
C
C
現在:重要なお客様の顧客時間を追うための双方向ツール&施策の充実
今後のネットストアへのお客様導入
WEB広告
価格プロモーション
店頭での
ネット会員獲得
お客様(潜在顧客含む)との「ゆるい」コミュニケーション
お客様にnetと店舗を行き来してもらう
送客MUJInet
store
2. facebookを活用したSocial Media戦略
無印良品 on Facebook (www.facebook.com/muji.jp & /muji ) 活用事例
①『無印良品:有楽町店』10周年企画
「ありがとうキャンペーン」
on
キャンペーン全体フロー
①キャンペーントップ ②ログイン認証 ③クーポン発⾏ページ
有楽町店10周年ありがとうキャンペーン
メッセージを書いてクーポンを⼿に⼊れよう
twitter Facebook
送信 送信
ネットストアの1階層下にキャンペーンページを設置。TwitterとFacebookの両⽅から投稿可能なようにフォームを設け、さらに投稿結果を下部に
表⽰し、キャンペーン感を演出する。
メッセージを投稿したユーザにのみこの画⾯が表⽰されます。
phpの「セッション」もしくは「参照」を使うので直接URLを⼊⼒してもクーポンページは
表⽰されません。
シェアボタンを設置します。リンク先はキャンペーンページへ設定し、
認知の拡⼤を狙います。
ログインでの認証はtwitter、facebookそれぞれの認証画⾯が表⽰。ここで、ユーザー名/メール
アドレスとパスワードを⼊れる
クーポン画⾯が表⽰される。あくまで、今回のキャンペーンに参加した⼈だけにこのクーポンが
発⾏されるような仕組みとする
②店頭アウトプットイメージ 〜デジタルサイネージの活⽤
Twitter経由のコメントをデジタルサイネージにリアルタイムに投影
展開イメージ
サイネージがキャンペーン告知をする
キャンペーンサイト ログイン画⾯:twitter各ユーザー画面
ちょっと投稿をしてみよう。
キャンペーンサイトユーザーコメント表⽰
フォローしているユーザーや友達
?何コレ?
クーポン画面:twitter
②facebookファン50,000人達成企画
②facebookファン50,000人達成企画
■基本データ
<開催日時>
2011年5月13日(金)〜5月23日(月)
告知開始5月13日(金)<開催目的>
ファンへの感謝を込めたサービス提供。facebookを使った販促効果のテスト<内容>
キャペーンページを作成し、ネットメンバーIDの有無のみを登録すると抽選で10,000円のMUJI Gift Card5名様プレゼント<結果>
告知から僅か4日ほどで60,000人を達成。。。。慌てて当選者数を6名に!!更に最終日に70,000人達成し、もう1名追加!!●新規ファン獲得数(5/13-5/20)1日平均1643人の増加→キャンペーンへの応募は7,447件
■基本データ
<開催日時>
2011年5月13日(金)〜5月23日(月)
告知開始5月13日(金)<開催目的>
ファンへの感謝を込めたサービス提供。facebookを使った販促効果のテスト<内容>
キャペーンページを作成し、ネットメンバーIDの有無のみを登録すると抽選で10,000円のMUJI Gift Card5名様プレゼント<結果>
告知から僅か4日ほどで60,000人を達成。。。。慌てて当選者数を6名に!!更に最終日に70,000人達成し、もう1名追加!!●新規ファン獲得数(5/13-5/20)1日平均1643人の増加→キャンペーンへの応募は7,447件
〜当選者の方にご連絡しております〜
③facebookファン50,000人達成企画
■アンケート結果■アンケート結果
MUJI net memberの大まかな構成比が把握できました。
73.9%
15.8%
10.4%
ファン数50,000人記念「MUJI GIFT CARD」プレゼントキャンペーン
はい
いいえ
わから
ない
印刷不可
無印良品 50,000人 PJT
無印良品50,000人PJT全社プロモ連動
<開催日時>2011年8月19日(金)〜
※無印良品の定番商品で愛用者も多い足なり直角靴下のリニューアルによる商品開発秘話を伝えながら、その進化した
使用感をお客様に聞く!
新足なり直角靴下50,000人の履き心地キャンペーン
全国70店舗に進化した靴下を配置。Facebook,Twitter,
メール、チラシ等でクーポンを配布し、店舗送客を行う
無印良品50,000人PJT
開始4日で800名以上の「いいね!」と1800弱のアンケート回答を頂きました!継続企画として実施予定
無印良品50,000人PJT
9/10までにアンケートにお答え頂いた方々のSMプロフィール写真を店頭ポスターやwebで紹介予定
無印良品50,000人PJT
お客様の参加度合いの可視化&柔軟なキャンペーン対応
無印良品 50,000人 PJT• Social Mediaを中心に据えながらも、Owned Mediaや、メールチラシ等
もフル活用し戦略商品の訴求を展開
• 従来のプッシュ型キャンペーンでも同じことはできるが、アンケートの見える化や、お客様の見える化を促進するにはSocial Mediaの活用が最適
• このプラットフォームを弊社の戦略商品に適用していくことで、従来弊社のブランドは知っていても使ったことがないお客様にまでアプローチを展開(案:無印良品のカレー50,000食PJT)
• お客様と対話するSocial Mediaである以上、ご意見やリアクションの受け皿としてもSocial Mediaを活用するべき
お客様とのコミュニケーションはB with Cで企業側が提案するが、お客様のC to Bによるリアクションを必ず確認し、受
け止めて行く必要がある。
Social Media活動のまとめ
• facebookはearned Media? owned Media?
paid Media(広告)
earned Media(SNS)
owned Media(自社HP)
「トリプルメディアマーケティング」(ADK-I 社長 横山 隆治著)より筆者抜粋 加筆
使い方によってはOwned Media化
が可能
Social Mediaを活用したMUJIブランドコミュニケーション
従来 ソーシャルメディアに連携
•閉鎖的なコミュニケーション•メール、投稿サイトを使った会員との対話
share with…
企業サイト 企業サイト
•投稿された書き込みは自分を信頼しているフォロワーに流れる•人とのつながりの上に情報が流れていくことが最大のメリット
各Social MediaにOwned Mediaを設定し管理する
次世代Social Mediaを活用したMUJIブランドコミュニケーション
企業のSocial mediaアカウントが個々のプラットフォームで存在!多ブランド、多事業でSM管理がより複雑多岐になる可能性大
お客様のSocial Media管理も複数に。。。
その他SM
Owned Mediaへお客様が使う複数のSMから必要な情報が入ってくる仕組。情報の流れを C to Bに!!
企業プラットフォーム(が必要!!)
その他SM
お客様が企業、ブランドについて語っていること、伝えたいことを知る!
MUJI0.3 MUJI3.0
スタンス (B) to C (B) with C
いつ サイト更新時 いつでも
どこで自社サイト
(PC)自社サイト+ソーシャルメディア
(PC+MOBILE)
だれと 無印良品メンバー 無印良品ファン
なにをテーマ(関心ごと)
コラム(テーマに対する論評)商品・サービス
テーマ(関心ごと)コラム(テーマに対する論評)
商品・サービス
どのように クローズド オープン
MUJI. netサイト運営&コミュニケーション戦略
クローズドなメンバーだけでなく、全世界のMUJIファンと繋がるサイト運営
あるべき顧客関係ピラミッド像
ロイヤル
カスタマー
ロイヤル
カスタマー
MUJI net memberMUJI net member
ファンファン
買物頻度
高
低無印良品のコンセプト&考え方への理解と共感 高低
従来の会員の概念は持ちつつ、『ファン』も取り込
む!
このラインを右へ押しやる力として
Social Mediaが必要
web事業部の役割
無印良品WEBサイト無印良品WEBサイト
①店舗送客機能①店舗送客機能
③くらしの良品研究所をベースとしたお客様とのコミュニケーション
③くらしの良品研究所をベースとしたお客様とのコミュニケーション
②ネットストアによるお客様の無印良品への購入
アクセス
②ネットストアによるお客様の無印良品への購入
アクセス
最終イメージは①と③からの流入よる売上アップ
36
まとめ
1)MUJIにとってソーシャルメディアとは?無印良品のコアファンが集まるイベント会場!
イベントを始めた以上、「無印良品」はコミュニティーリーダーでありながら、一人の参加者的立場で今後も良質なオーディエンス(お客様)を上品に楽しませて
行く謙虚な立場を維持していく必要があります。
このパーティーに終わりはありません。無印良品がある限り続きます。
アイデアは時にお客様から頂く事もあります。
やめないこと、続けることに意義があると思います。ソーシャルメディアに終わりはありません。
お客様との会話、対話の塊が我々の新しいブランド価値となり、競争優位と模倣困難性を形成する事になると信
じております。