m1_院セミナー 岸

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におけるコヒーレンフォノン測定に向けた OPP-STMの改良数理物質科学研究科 電子物理工学専攻

重川・武内研究室 修士 1 年 岸 拓実

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Page 2: M1_院セミナー 岸

アウトライン◇ 研究背景◇ 目的1. 探針の熱膨張低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察

II. 変調器の振動低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察◇ まとめ◇ 今後の展望

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アウトライン◇ 研究背景◇ 目的1. 探針の熱膨張低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察

II. 変調器の振動低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察◇ まとめ◇ 今後の展望

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時間分解 STM( OPP-STM: Optical Pump-Probe STM )

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OPP-STM時間分解能

空間分解能

光学的ポンプ・プローブ法

STM

STM  + 光学的ポンプ・プローブ法

局所での•キャリアダイナミクス•コヒーレントフォノン

Page 5: M1_院セミナー 岸

コヒーレントフォノン

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位相の揃った原子の集団振動

連続発振レーザー→位相が異なるフォノン生成超短パルスレーザー →位相の揃ったフォノン(コヒーレントフォノン)が生成光により格子振動を制御することから、相転移や特定分子の取り出しと いうような光による物質の制御の可能性がある

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時間分解 STM

レーザパルス ( ポンプ光 ) によってフォノンを励起。 →トンネル電流が変化

遅延時間 td を変化させながらトンネル電流の変化を測定。

ポンプパルスを試料に照射し、その後ある遅延時間 td の後にプローブパルスを照射し、プローブパルスの反射光を測定する

ポンプ光プローブ光

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コヒーレントフォノン測定の原理

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ポンプ光照射→ 誘電率の振動→ 物質の反射率(吸収率)は変調を受け、振動→ プローブ光照射→ 生成されるキャリアの量は遅延時間に応じた変化→ 光生成キャリア密度の違いによりトンネル電流の値が変化→時間分解 STM でフォノンを反映した信号

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トポロジカル絶縁体

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物質内部:絶縁体   表面:金属 従来の絶縁体,半導体,金属という分類の枠に当てはまらない新物質として注目を集めている 表面では質量を持たない電子が存在し、従来の物質中の電子よりも格段に動きやすい上、不純物による散乱を受けにくい   デバイスの電子の移動度の向上が期待され、これを利用した次世代の超低消費電力デバイスや超高速の量子コンピューターへの応用へ向けた研究が盛ん

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測定試料

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Bi2Te2Se ・・・トポロジカル絶縁体の中でもバルクの絶縁性が高い以前 Bi(111) のコヒーレントフォノンを測定に成功 Bi2Te2Se の場合、コヒーレントフォノン信号が Biと比べ 100 倍程弱いために、観測することができなかった。1. レーザーと STM を組み合わせたときに STM 探針の熱収縮による生じるノイズ2. 光学アライメントによるノイズや励起強度不足

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アウトライン◇ 研究背景◇ 目的1. 探針の熱膨張低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察

II. 変調器の振動低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察◇ まとめ◇ 今後の展望

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STM の仕組み→ 試料に尖った探針を近づけたときに流れる試料 - 探針間距離に依存したトンネル電流をなぞりながら測定

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光照射 探針が伸縮 試料 - 探針間距離が変化トンネル電流に重畳する

ノイズ発生光を反射すればいいのではないか?

光 STM の問題点

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反射率が W より優れた金を蒸着した針を使用することで、熱伸縮を抑えられるのでは??

波長 800nm帯域反射率 Au97%:W50%吸収率 Au3%:W50%光の熱吸収率AuはWの 1/16倍

Au の反射率 W の吸収率Au ・ W の反射率

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I 研究目的 W 針の表面に Au をコーティングした針 ( 金針 ) を STM 探針として使うことで、探針熱膨張によるノイズを減らし、光 STM の測定精度を上げる。

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測定方法

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レーザー強度を変化( レーザー光のOnOff )

レーザースポット

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測定1:パルス光による探針の伸縮 レーザー光を EOM により周期的に On/Off して、針の伸縮を測定

W 針:針の伸縮→大 W : 36 nmAu 針:針の伸縮→小 Au : 1.2 nm

Au 針の場合、針の伸縮を 1/30 に抑えることが出来た。

赤 :W 青 : Au 黒 : レーザー出力

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測定2:連続照射と暗状態での探針の伸縮

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A

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W 針のトンネル電流Au 針のトンネル電流

赤:連続照射 青:暗状態 

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超高真空下では振動に弱いため、除振しきれておらず( FBオフ) STM の装置が振動→スポットの揺れ→光強度の揺れ

W針では装置振動のノイズ (揺らぎ )が直接トンネル電流のノイズの増加として観測されるが、 Au針では反射率が高いため影響が少ない

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理論値と実験値の考察探針の伸縮   実験値→ 1/30  理論値→ 1/16 考えられる原因表面形状→ 電解研磨法で作成された、 W 探針の表面は荒れており、 金を蒸着したことによりなめらかになり反射率があがった。測定誤差を考えた上でも、探針の伸縮を 1/16 以上抑えられるようになることは間違いない

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これら測定よりAu 針は探針熱膨張によるノイズを低減できる。

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アウトライン◇ 研究背景◇ 目的1. 探針の熱膨張低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察

II. 変調器の振動低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察◇ まとめ◇ 今後の展望

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光学的ポンプ・プローブ実験

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ピエゾ変調器

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ピエゾ素子の先端にミラーを取り付け、素子に正弦波の交流電圧を印加し、振動させる。ピエゾ素子は高速で振動可能この振動により光路長が変化し、遅延時間が変調される。

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ピエゾ変調システムの問題点

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ピエゾ変調 (~1000Hz) ODL 変調 (~10Hz)周波数によって、振動が光学台を伝わり光学機器やピエゾ素子それ自体を振動させてしまい光軸を揺らしてしまう→S/N 比を下げてしまう

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新型ピエゾ変調器の作製

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逆方向の振動を与えて振動を打ち消すピエゾを反対側に備えた遅延時間変調器を作製。

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研究目的 II

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遅延時間変調 OPP-STM 測定を行う前段階として、 新型ピエゾ変調器による振動低減の検証 それを用いてのポンプ・プローブ測定

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1. マイクロメーターとフォトディテクターを組み合わせてレーザースポットの変位を測定。                   →板の位置と光強度の関係 ( 位置- 光強度 )

2. 金属板をスポットが半分隠すようにセットする。 遅延時間振幅は新旧両方 60fs  →調器を作動し 10Hz~1000Hz の間を 10Hzごとに収録 (周波数 - 光強度 )

→ 金属板の位置と光強度の関係を用いて、 スポットの変位と周波数の関係に変換 (周波数 - 変位 )

ピエゾ変調器によるレーザースポットの揺れ検証

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ピエゾ変調器によるレーザースポットの揺れ検証

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揺れ低減の理由I. 構造が振動に強いII. 反対側のピエゾが光学台に 伝わる振動を抑えている

新型の変調器を用いることで、今までよりノイズが少なくなり、変調周波数帯域に関係せずに測定が可能新型の変調器を用いることで測定の S/N 比向上に期待できる

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ポンプ・プローブ測定~反射率変化 ΔR/R の遅延時間依存性~

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新型の変調器による光学システムの改良で S/N 比が向上し、Bi2Te2Se のポンプ・プローブ測定結果を得ることができた。

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x10-6

420-2x10- 12

遅延時間[ps]

ΔR/R

理論値と近い振動周期が観測

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アウトライン◇ 研究背景◇ 目的1. 探針熱膨張低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察

II. 変調器の振動低減■ 実験装置・試料■ 測定結果・考察◇ まとめ◇ 今後の展望

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まとめ1. W 針の表面に Au をコーティングした針を

STM 探針として使うことで、探針熱膨張によるノイズを減らし、光 STM の測定精度が上がる。2. 新型の変調器による光学システムの改良で S/N比が向上し、 Bi2Te2Se のポンプ・プローブ測定結果を得ることができた。

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今後の展望 金針を用いた STM下でのコヒーレントフォノン測定を行っていく。• 探針熱膨張低減• 変調器の振動低減 コヒーレントフォノンの温度特性について調べていく。

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Fin

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Au を探針として使わずに W 探針にAu をコーティングをした針で実験を行った理由

1. W 探針を電解研磨により先鋭化する手法がすでに確立されていること2. 金探針にすると W より熱膨張係数が高くなってしまい逆に膨張しやすくなること 膨張係数  ×10 -6/K 金14.2~14.3 タングステン4.5

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暗状態での結果に比べ、Au 探針に対する結果でノイズレベルが高い理由 探針の不安定性による物と考えられる。 STM のトンネル電流のノイズレベルは探針先端の物理的、科学的安定性に大きく依存することが知られている。 Au 探針でも暗状態でノイズレベルの小さい探針状況が得られることは確認済みであり、このノイズレベルの差は探針材質の差による物ではない。

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A

543210TIME(s) 赤:連続照射 青:暗状態 

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測定 1 と測定 2 で金薄膜を試料とした理由1. 金は半導体ではなく金属であるために光電流が発生しない。よってレーザー光による探針熱膨張の影響だけを測定できる。2. マイカ上への真空蒸着で非常に平坦な表面を容易に作成でき、大気中でも酸化しないため、研磨による平坦化や真空内での酸化膜除去などの手間を省ける。

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探針の測定方法

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金ワイヤー φ0.3 、長さ 6cm を丸め蒸着源となる加熱装置の熱線の上に設置 高真空下で約 30 分蒸着源を加熱してガス抜きを行った。徐々に電圧を上げ、金を完全に飛ばし切るまで 2 時間程加熱をした。

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レーザースポット~探針熱伸縮低減~

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CCD画像上でのレーザースポットのピクセル数 高倍率 CCD カメラのイメージセンサーのピクセルサイズ

縦 :約 63 μm 横 :約 52 μm

再現性を上げるために レーザースポットサイズ基板上の照射するスポット位置異なる試料や異なる探針に対する実験においてできるだけ等しくなるように調整した。

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探針直下以外の場所にもスポットが見えているが、これは散乱光である

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フォノン測定→パルス幅は重要な要素

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質問

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フォノン依存• 温度

• 励起強度T→大振動数→減少 緩和時間→減少