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No.128 2020/夏号 NHK 連続テレビ小説「スカーレット」への 陶芸技術指導について 信楽が舞台のNHK連続テレビ小説「スカー レット」の制作にあたり、工業技術総合セン ター信楽窯業技術試験場は、陶器成形技術か ら、陶芸作業全般の動きや専門用語などを撮 影現場で役者さんへ直接指導しました。さら に、試験場で製作した生素地を大阪のスタジ オに運んで撮影、大阪で製作した生素地を試 験場まで持ち帰り焼成するなど、試験場と大 阪を頻繁に行き来し、ドラマの中で使われる 陶器のデザインから製作まで一貫して協力支 援していました。 また、撮影に使われていた穴窯は、信楽町 内に専門家の手により築かれ、役者さんが実 際に高温を体感している表情が撮影された シーンは、真に迫るの映像でした。 1日15分のドラマですが、撮影に要する 時間はその何十倍と長く、役者さんはもとよ り演出、カメラ、音声、照明、美術、衣装、 メイク、道具など沢山のスタッフの方の手で 丁寧に制作されていました。 今回の仕事で得た経験とヒトとの繋がりを 地域産業の発展に生かしたいと考えています。 (陶磁器デザイン係 高畑) 企業と共に歩む技術支援の拠点をめざします。 滋賀県工業技術総合センター 目次 研究紹介 NHK 連続テレビ小説「スカーレット」への陶芸技術指導について ��� 1 共同研究トピックス サポイン事業を活用しセラミックスローターの精密研削技術を共同開発 2019 年度日本機械学会関西支部賞技術賞を受賞 ����� 2 機器紹介 新規開放機器の紹介����������������� 3-4 事業紹介 現場力の維持・強化に向けた AI 開発支援事業 信楽焼商品開発のための3Dモデル活用事業������� 5 技術研修事業��������������������� 6 海外展開技術支援事業����������������� 7 研究成果 近畿酒造機関連携 WG が産技連より感謝状 ������� 8 スタッフ紹介 新しい職員の紹介������������������� 8 ISSN 0914-2800 2020/7 No.128

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Page 1: NHK連続テレビ小説「スカーレット」への 陶芸技術指導について · について勉強会を企画しております。陶磁器の試作・開発に3Dモデルを導入することで、精度の向上、製作困難だった形状の

No.1282020/夏号

研究紹介

NHK連続テレビ小説「スカーレット」への

陶芸技術指導について

 信楽が舞台のNHK連続テレビ小説「スカーレット」の制作にあたり、工業技術総合センター信楽窯業技術試験場は、陶器成形技術から、陶芸作業全般の動きや専門用語などを撮影現場で役者さんへ直接指導しました。さらに、試験場で製作した生素地を大阪のスタジオに運んで撮影、大阪で製作した生素地を試験場まで持ち帰り焼成するなど、試験場と大阪を頻繁に行き来し、ドラマの中で使われる陶器のデザインから製作まで一貫して協力支援していました。 また、撮影に使われていた穴窯は、信楽町内に専門家の手により築かれ、役者さんが実際に高温を体感している表情が撮影されたシーンは、真に迫るの映像でした。 1日15分のドラマですが、撮影に要する

時間はその何十倍と長く、役者さんはもとより演出、カメラ、音声、照明、美術、衣装、メイク、道具など沢山のスタッフの方の手で丁寧に制作されていました。 今回の仕事で得た経験とヒトとの繋がりを地域産業の発展に生かしたいと考えています。

(陶磁器デザイン係 高畑)

企業と共に歩む技術支援の拠点をめざします。

滋賀県工業技術総合センター目次

研究紹介NHK連続テレビ小説「スカーレット」への陶芸技術指導について ��� 1

共同研究トピックスサポイン事業を活用しセラミックスローターの精密研削技術を共同開発2019年度日本機械学会関西支部賞技術賞を受賞����� 2

機器紹介新規開放機器の紹介����������������� 3-4

事業紹介現場力の維持・強化に向けたAI開発支援事業信楽焼商品開発のための3Dモデル活用事業������� 5技術研修事業��������������������� 6海外展開技術支援事業����������������� 7

研究成果近畿酒造機関連携WGが産技連より感謝状 ������� 8

スタッフ紹介新しい職員の紹介������������������� 8

ISSN0914-28002020/7No.128

Page 2: NHK連続テレビ小説「スカーレット」への 陶芸技術指導について · について勉強会を企画しております。陶磁器の試作・開発に3Dモデルを導入することで、精度の向上、製作困難だった形状の

2 テクノネットワークNo.128(2020夏号) 滋賀県工業技術総合センター

【研究紹介】 「ヘイシンモーノポンプ®」をご存知ですか? ポンプと言っても水だけを汲み上げるだけではありません。小麦粉のような粉でも、お味噌のような塊であっても移送することができる万能ポンプです。なんと、高級食材のイクラの粒もつぶさずに送ることもできるそうです。 共同研究では、リチウム電池用電極材料に使われるような、硬い固形物や腐食性のある材料を含む混合液体を移送するポンプの開発を目指しました。その実現に向け、ポンプの主要部材である金属製のロータ(図1参照)を、耐摩耗性や耐腐食性に優れたアルミナセラミックス製に変えることを検討しました。しかし、このアルミナセラミックスは非常に加工が難しい材料で、さらにローターはねじれ形状を有する非常に複雑な形状です。そのため、アルミナセラミックスの高精度な研削加工技術などについて取り組みました。

写真1 アルミナセラミックスの研削実験

【センターの研究分担と成果】 当センターでは、電着ダイヤモンド工具を用いたアルミナセラミックスの研削基礎実験を行いました(写真1参照)。その結果、表面粗さRa※2が約0.2μmと目標値以上を達成しました(図2参照)。

 また、確立した加工技術を適用し、ねじれ形状である高精度セラミックスローターの開発に成功しました。

※2Ra:対象物の表面の凸凹を表す指標

図2 アルミナセラミックス研削面の表面状態

【受賞】 本研究成果について、2019年度日本機械学会関西支部技術賞を受賞しました。これは、関西支部地区の機械工学と機械工業の発展に貢献した研究開発グループとして、その功績に対するものです。

(機械システム係 今田)

サポイン事業を活用しセラミックスローターの精密研削技術を共同開発2019年度日本機械学会関西支部賞技術賞を受賞

共同研究

トピックス

 工業技術総合センターでは、年間30件程度、県内企業や大学等との共同研究に取り組んでいます。その事例として、ヘイシンテクノベルク株式会社(長浜市)や県内大学などと共同で実施した移送ポンプ※1用セラミックス製ロータの精密研削技術に関する共同研究についてご紹介いたします。 ※1一般的には、液体を低い場所から高い場所へ移送する機械を指します。

 ・本共同研究は、平成26年及び平成30年採択のサポイン事業により実施したものです。

(a)加工条件の検討前

表面粗さRa0.7μm:粗い加工面

(b)加工条件の検討後

表面粗さRa0.2μm:良好な加工面

図1 ヘイシンモーノポンプ®の内部構造図

受賞者:ヘイシンテクノベルク(株)    槇山正、長谷川佳秀、    友田賢志    中川加工技術研究所    中川平三郎    (滋賀県立大学名誉教授)    龍谷大学    小川圭二    工業技術総合センター    今田琢巳    (敬称略)

モーノポンプの詳細はこちら →

ローター 吸込

吐出

ステーター

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新規開放機器の紹介新規開放機器の紹介工業技術総合センターでご利用いただける機器が増えました。詳細は各担当者にお尋ねください。

機器紹介

滋賀県工業技術総合センター テクノネットワークNo.128(2020夏号) 3

X線応力測定装置

用途・特徴 非破壊で金属試料の残留応力を測定する装置です。試料にX線を照射し、回折X線をsin2ψ法で解析することにより残留応力の測定を行います。本装置は位置敏感型比例計数管(PSPC)を用いることで、残留応力を高速測定できることが特徴です。また、残留応力だけでなく残留オーステナイトの測定も可能です。 当センターでは、本装置以外にもcosα法で測定する残留応力測定装置(パルステック社製、μ-X360s)も保有しています(テクノネットワークNo.126に掲載)。

(無機材料係 田中)機種メーカー:株式会社リガク型  式:PSPC-MSF-3M

仕様計測方法:sin2ψ法(側傾法、並傾法)測定項目:残留応力、残留オーステナイト対象サンプル:Fe、SUS、Al、Cu入射スリット:2×2mmX線管球:Cr(30kV,10mA)

グロー放電発光分析装置

用途・特徴 本装置は、グロー放電を利用して試料をスパッタし、スパッタされた原子の発光を計測することで試料表面に含まれる元素の分析を行う装置です。発光波長と強度から元素の種類と濃度に関する情報を得ることが出来ます。また、スパッタによりマイクロメートルオーダーで深さ方向の分析ができるという特徴があります。

(無機材料係 山田)機種メーカー:株式会社リガク型  式:GDA750

仕様【グリム型ランプ】電源:直流・高周波測定波長:110nm~900nm     (H~Uの範囲で41元素測定可能)モノクロメータ:200nm~730nm【バルク分析・深さ方向分析】サンプルサイズ:15mm角以上100mm角以下、厚さ20mm以下(直径15mm以上の平滑面があれば分析可能)、前処理として表面研磨(サンドペーパーで#600以上)が必要

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機器紹介

4 テクノネットワークNo.128(2020夏号) 滋賀県工業技術総合センター

 無機材料係

示差走査熱量計

用途・特徴 示差走査熱量計(DSC)は、主に物質の温度変化に伴う熱の出入りを測定し、熱的性質・挙動を調べる装置で、融点や融解熱、ガラス転移温度、比熱等の測定が可能です。本装置は吸熱・発熱量を直接測定するDSCであり、高速の昇/降温速度での測定が可能です。

(有機材料係 中島啓)機種メーカー:パーキンエルマー社型  式:DSC8500

仕様測定原理:入力補償型測定温度範囲:-70~600℃最高昇温速度:750℃/min.オートサンプラー:96点

フーリエ変換赤外分光分析装置

用途・特徴 本装置は、物質が赤外線を吸収する性質を利用して、主に有機物の構造・材質を調べる装置です。プラスチック・接着剤・油等の種類の判別や劣化の程度、製品に混入した異物の分析等に活用できます。

(有機材料係 白井伸)機種メーカー:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社型  式:Nicolet6700、NicoletiN10MX赤外顕微鏡

仕様【Nicolet6700】測定波数範囲:4500~525cm-1(ATR測定)       7400~375cm-1(透過測定)測定用アクセサリ:1回反射ATR(ダイヤモンド)、透過測定【NicoletiN10MX】検出器:MCT-A検出器測定波数範囲:4000~675cm-1

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現場力の維持・強化に向けたAI開発支援事業

事業紹介

滋賀県工業技術総合センター テクノネットワークNo.128(2020夏号) 5

 本事業は、右図に示すように4つのステップで構成されています。①として工業技術総合センターのAI支援体制の強化、②として中小企業の皆さま向けAI人材育成講習および大学などの県内専門人材との交流、③として中小企業の皆さまへのAI専門人材の派遣・指導、④として中小企業の皆さまへのAIシステムの開発支援環境の提供を予定しております。 特に、②および③では、AIやディープラーニング*の事業応用の検討に必要な基礎知識の習得を目指す講習、AI専門人材による先進事例の紹介やAI専門人材との情報交換の実施とともに、企業の皆さまの現場へのAI専門人材の派遣により、中小企業の皆さまのAI活用に向けた取組み

①3Dモデルを知る 3DCADや3Dプリンタを活用したものづくりについての勉強会(無料)を開催します。

②3Dモデルを作る 3DCADの操作方法や実際に3Dモデルを描く講習を開催します。(無料、定員あり、勉強会参加者が優先)

 滋賀県工業技術総合センターでは、令和2年度から3か年、県内中小企業の皆さまへのAI(人工知能)活用の裾野を広げることを目的に、“現場力の維持・強化に向けたAI開発支援事業” を実施します。AIなどのデジタルツールの利活用によるものづくりは、産業の高度化(例えば、新たな商品・サービスの創出、生産性向上・労働力不足緩和、経営の改善など)につながるとされています。

 信楽焼商品開発のための3Dモデル活用事業では、3DCADや3Dスキャナーなどを活用した新商品開発のための技術支援を行っています。3DCADによるモデルの製作方法や、CNC加工機や3Dプリンタでデータ出力したモデルの活用方法などについて勉強会を企画しております。陶磁器の試作・開発に3Dモデルを導入することで、精度の向上、製作困難だった形状の実現、製造工程の効率化が期待でき、新商品開発に役立つ技術を得ることができます。勉強会や個別指導、試作品開発を通じ、信楽焼をはじめとする県内の陶磁器産業が今後も持続可能な産業となるよう支援を行います。

を促進していただくことを目指しています。 以上のように、当センターではAI開発支援を実施しますので、自社内にAI技術の導入を検討されている方など、お気軽にご相談ください。

(電子システム係 今道、平野、山本)

③3Dモデルを活用する CNC加工機や3Dプリンタを用いて3Dモデルを出力し、試作品の開発に活用するための支援を行います。

(セラミック材料係 植西)

信楽焼商品開発のための3Dモデル活用事業

事業紹介

CNC加工機 インクジェット式3Dプリンタ

*ディープラーニング:画像認識など人間が行うような仕事をコンピューターに学習させ実行する手法で、AIを支える技術のひとつ。

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6 テクノネットワークNo.128(2020夏号) 滋賀県工業技術総合センター

技術研修名 実習で使用する装置 開催時期・場所

熱物性測定の基礎~フラッシュ法による熱拡散率・熱伝導率測定~

熱物性測定システム(Xeフラッシュ、レーザフラッシュ) 10月頃・栗東

マイクロフォーカス X線透視装置の構造と取扱方法について マイクロフォーカスX線透視装置 10月頃・栗東

注目を集める 商品写真撮影テクニック講座 デジタル一眼レフカメラ、照明器具、撮影台 10月頃・信楽

耐候性(環境)試験による製品の寿命・安全・信頼性の向上

キセノンウェザーメータ、環境試験装置と、色差計など評価装置紹

11月~ 12月頃・栗東

光の基礎知識、輝度計の基本原理と使いかた 分光放射計など 12月頃・栗東

(仮)3Dプリンタ活用の応用~多軸造形を目指して~ 金属粉末積層造形装置(DED方式) 1月頃・栗東

走査型電子顕微鏡を用いた観察・分析技術の基礎 多機能走査型電子顕微鏡システム 1月頃・栗東

初心者必聴! 振動試験機を利用した製品信頼性評価技術の基礎 大変位振動衝撃試験機 1月~ 3月頃

・栗東

業界初! 10mHzから100MHzを実現した固体電解質のインピーダンス測定方法

固体電解質向けインピーダンス測定システム

1月~ 3月頃・栗東

何ができる?非接触三次元測定機 ~最新機種による形状測定~ 非接触三次元測定機、三次元測定機 2月頃・栗東

※タイトルは仮題です。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、開催時期の変更あるいは中止する場合もございます。予めご了承ください。

 

開催日時などの詳しい内容は、メールマガジン「IRCSNews」、ホームページなどでご案内します。メールマガジンは、センターHP(右のQRコード)から無料で申込み可能です。

■お問い合わせ:白井(伸)、平野、中居、神屋■

   

 モノづくり技術力向上のための「技術研修」事業では、県内のモノづくり産業を支える人材育成のため、生産性、問題解決力、製品付加価値、信頼性の向上を目指し、現場で必要とされる技術、評価や試験方法等を学ぶことができる技術研修を実施します。 メーカーの技術者等を講師とし、座学での原理・技術に直結する内容の学習に加え、センター保有の様々な装置を用いて、測定・分析の実演・実習を行います。これから装置を使用しようと思っておられる方はもちろん、すでに利用されている方にも有意義な講習になると思いますので、ご興味をお持ちの方の参加をお待ちしております。今年度開催を予定している講習会は、以下のとおりです。

モノづくり技術力向上のための

「技術研修」事業事業紹介

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滋賀県工業技術総合センター テクノネットワークNo.128(2020夏号) 7

中国や東南アジアへの

海外展開技術支援事業事業紹介

① 海外展開支援に関する技術セミナーの開催

2回の海外展開支援技術セミナーを予定しております。・第12回 リスクアセスメントの実践講座(仮)・第13回 CEマーキング対応のための考え方と進め方(仮)※開催時期は当センターのホームページにて随時ご案内いたします。 なお、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から中止する場合もございます。

② 専門相談員による個別相談(県内企業のみ)

CEマーキングやRoHSなど海外規格に精通した専門相談員が無料でご相談に応じます。センターHPの海外展開相談フォームからお申込みいただけます。https://www.shiga-irc.go.jp/kaigai/

③ 海外規格の閲覧サービス

CEマーキング、RoHS指令などの各種規格書の閲覧が可能です。・圧力装置指令2014/68/EU ・機械指令2006/42/EC・低電圧指令2014/35/EU ・電磁両立性指令(EMC)2014/30/EU・有害物質使用制限指令(RoHS)2011/65/EU・ISO12100:2010、IEC82079-1 など

④ EMC、RoHS 等に関する技術アドバイス

各種規格に応じた測定方法などの技術アドバイスを行います。

⑤ 各種測定機器による測定(有料)

右のような測定機器を利用できます。

■お問い合わせ:今田、山本、山田■

 企業の皆様が自社製品を海外へ輸出する場合、販売先である国の安全規格への適合や、特定有害物質の使用制限に対する指令への対応など、各国の規格や規制に適合させる必要があります。当センターでは、各国の安全規格などに対する技術的支援や情報提供を行うため、平成28~令和元年度に海外展開技術支援事業を行ってきました。本年度も引き続き、欧米諸国をはじめ、中国、韓国、台湾、東南アジア圏など海外へ輸出しようとする企業を中心に本事業を実施します。新たに製品の輸出を検討していている中小企業の皆様にとって海外展開への一助となるよう、是非、当事業をご活用ください。

自社製品の海外展開に向けて・・・

このような課題解決を支援するため、次の支援事業を行っています。

販売先の規格は?

評価はどこで?

必要な手続きは?

評価はどのように?

電磁耐性評価(EMC) 蛍光X線分析装置(RoHS)

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テクノネットワーク/No.128 /令和2年7月31日発行 グリーン購入法適合用紙を使用しています。滋賀県工業技術総合センター/〒520-3004栗東市上砥山232 / TEL:077-558-1500 / FAX:077-558-1373    信楽窯業技術試験場/〒529-1851甲賀市信楽町長野498 / TEL:0748-82-1155 / FAX:0748-82-1156

新しい職員の紹介

近畿酒造機関連携WGが産技連より感謝状

スタッフ

紹介

研究成果

転入 次長 田丸享司 TAMARUTakashi 中小企業支援課で金融支援に3年間携わった後、淡海環境保全財団で淡海環境プラザの運営や中国湖南省の水環境改善JICA事業等を2年間担当し、今年度より当センターにまいりました。企業の皆様の振興のお役に立てるよう精一杯努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

有機材料係 専門員 中島啓嗣 NAKAJIMAKeiji 県庁モノづくり振興課で3年間勤務し、技術支援の現場に戻ってまいりました。高分子、有機化合物の評価を担当します。県庁での経験も活かしながら、企業の皆様と一緒に考え、研究開発・問題解決のお手伝いができるよう努力してまいります。些細な内容でもお気軽にご相談ください。

新規採用 陶磁器デザイン係 主任技師 西尾俊哉 NISHIOToshiya この度新しく入りました西尾です。前職は定時制の工業高校で実習助手として電気工事などを担当しておりましたが、今回窯業の陶磁器デザイン係として働かせていただきます。技術や機器の使用について未熟なところが多いのですが、頑張らせていただきますのでよろしくお願いします。

 令和元年度産業技術連携推進会議*総会において滋賀県工業技術総合センターが参加している「近畿酒造機関連携による地域資源活用開発WG」に感謝状が贈呈されました。 この取り組みは、平成28年度から近畿経済産業局管内の公設試験研究機関(8機関)と国立研究開発法人産業技術総合研究所関西センター、独立行政法人製品評価技術基盤機構が連携して、清酒醸造用酵母の開発や新技術開発のために重要な小仕込み試験の標準化、輸出で酒質を損なわない製造技術の開発など地域の酒造業者へ技術移転できる成果を目指して取り組んでいます。 今後も近畿の公設試験研究機関や関連機関と連携して技術創出に努めていきます。*都道府県の公設試験研究機関と国立研究開発法人産業技術総合研究所との連携を通して、産業の発展に貢献することを目的とした組織。試験研究等の技術力を高め、地域の企業と連携力を高めてイノベーション創出等を目指しています。(https://unit.aist.go.jp/rcpd/sgr/index.html)

https://www.shiga-irc.go.jp