norma · 2013. 1. 9. · 社協情報 ノーマ 2012 7月 norma no.258 発信 いきいき...

12
NORMA JULY 2012 7 SPECIAL REPORT P.6 新連載/地域福祉を「計画」的に考え・推進するということ〔第1回〕 社協が地域福祉を「計画」的に考え推進することの意義 P.8 社協活動最前線 松江市社会福祉協議会(島根県) 社会教育と地域福祉の融合 公民館を拠点とした地区社協活動 P.10 連載レポート/東日本大震災 被災地社協の現場から〔第3回〕 女川町社会福祉協議会(宮城県) P.11 連載 わたしたちからのメッセージ ~住み慣れた地域で暮らし続けるために~〔第13回〕 財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会 地域母子会の再興をめざして P.12 発信 いきいきわかて 小松市社会福祉協議会(石川県) 地域が抱える課題から必要な支援を考える 社協情報 ノーマ No.258 平成2年10月2日第3種郵便物認可 平成24年7月1日発行(毎月1日)No.258 P.2

Upload: others

Post on 27-Jan-2021

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

  • 社協情報

    ノーマ 2012 7月

    NORM

    A No.258

    発信

    いきいきわかて

    NORMAJULY

    2012

    7特集

    SPECIAL REPORT

    地域福祉の大きな推進力となる

    「ふれあい・いきいきサロン」の活動

    P.6 ●新連載/地域福祉を「計画」的に考え・推進するということ〔第1回〕 社協が地域福祉を「計画」的に考え推進することの意義P.8 ●社協活動最前線 松江市社会福祉協議会(島根県) 社会教育と地域福祉の融合 公民館を拠点とした地区社協活動P.10 ●連載レポート/東日本大震災 被災地社協の現場から〔第3回〕 女川町社会福祉協議会(宮城県)P.11 ●連載 わたしたちからのメッセージ ~住み慣れた地域で暮らし続けるために~〔第13回〕 財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会 地域母子会の再興をめざしてP.12 ●発信 いきいきわかて 小松市社会福祉協議会(石川県) 地域が抱える課題から必要な支援を考える

    社協情報ノーマ No.258

    平成2年10月2日第3種郵便物認可 平成24年7月1日発行(毎月1日)No.258

    P.2

  • 「ふれあい・いきいきサロン」と

    「ふれあい・いきいきサロン」と

    地域づくり

    地域づくり

    龍谷大学社会学部教授 

    筒井

    のり子

    地域・コミュニティとサロン活動

    のつながりについて、また、仮設

    住宅や今後の復興住宅でのサロン

    の役割や意義について整理すると

    ともに、前年の島根県松江市での

    全国集会をふまえて、サロンをよ

    り楽しくするヒントについて詳し

    特 集

    地域福祉の大きな推進力となる「ふれあい・いきいきサロン」の活動

    平成23年度「ふれあい・いきいきサロン」全国研究交流集会 in おうしゅう 報告から

    昨年11月5日、岩手県・奥州市において、

    県内外から600名を超える参加者に

    より、平成23年度の「ふれあい・いきいきサ

    ロン全国研究交流集会」が開催された。奥州

    市社会福祉協議会と全国社会福祉協議会とが

    主催し、岩手県社会福祉協議会、そしてサロ

    ン活動に長くにわたって助成支援を続けられ

    る「みずほ教育福祉財団」の後援を今回も得

    て、実施された。

     今回の全国研究交流集会は、東日本大震災

    の被災地である岩手県の奥州市において、全

    国各地のふれあい・いきいきサロンの活動に

    携わる人たちが集い、その活動が大震災に対

    する復興に果たす役割を探るとともに、その

    活動の意義や魅力を共有し、さらなる活動の

    活性化を図ることなどを目的にして開催され

    た。最初に龍谷大学・筒井のり子教授による

    基調報告、続いて3分科会における各地から

    の実践発表を通じて、全国の活動の研究と交

    流が深まり、各地での今後の活動の取り組み

    に活かされることが話し合われた。また、集

    会前夜には、全国各地からの参加者による

    「絆」をテーマとした情報交換と交流活動の

    機会として、参加者交流会(任意参加)も開

    催された。

     本特集では、この全国集会の報告概要とと

    もに、これまでの全国的な活動推進の歩みを

    たどる。そして、首都大学東京・室田信一准

    教授の提言により、地域福祉の大きな推進力

    となるサロン活動の広がりを考える。

    基調報告

    分科会

    1

    く解説する。

    まとめとしては、とにかく楽しく

    笑うこと、笑いは相手と共有する

    ものである。サロンに一緒に取り

    組むこと、新しいつながりを作り

    自分たちの町をつくっていくこ

    と、そして、顔見知りが増えてい

    くこと。これが地域づくりの原点

    だと考える。

    「災害に負けるな 被災地発  

    「災害に負けるな 被災地発  

    ふれあい・いきいきサロン」

    ふれあい・いきいきサロン」

    実践発表

    福島県

    富岡町社会福祉協議会

    「おたがいさまセンター」吉田

    恵子

    宮城県

    多賀城市社会福祉協議会主任

    菊地

    顕緩

    全国曹洞宗青年会

    災害復興支援部 

    アドバイザー 

    宮下

    俊哉

    岩手県

    釜石市社会福祉協議会係長菊

    コーディネーター

    桃山学院大学社会学部准教授川

    太加子

    大震災により今まで住んでいた地

    域を離れ、仮設住宅での新たな生

    活を始めた人たちのつながりづく

    2

  • コーディネーター

    岩手県立大学社会福祉学部准教授

     

    都築

    光一

    誰もが助け合いながら暮らしてい

    くことができるように、地域社会

    をつくっていかねばならないと考

    える。そのためのさらに創意した

    取り組みが必要になる。住みにく

    い、子供が元気に遊ぶことができ

    ない、障がいのある方々が地域と

    のつながりをもつことができない

    ような地域社会は非常にもろい社

    会となりつつある。社会を構成す

    る人が小さくならない地域社会を

    つくっていくための取り組みのひ

    とつとして、サロン活動を展開す

    ることが非常に有効であり、これ

    からのサロンのあり方を、特に子

    育てや障がいの部分から考えてい

    きたいと思う。

    非常に重要なテーマとしてあらた

    めて浮かび上がったのが、つなが

    りという部分ではないか。もうひ

    とつはボランタリーな活動であ

    り、さらに地域で求められている

    ものや、あるいは、サロン活動を

    していくうえで、一緒に取り組む

    方々が必要と思っている部分に社

    協はいかにコミットするかが重要

    であると考える。

    「ふれあい・いきいきサロンの 

    「ふれあい・いきいきサロンの 

    魅力発信」

    魅力発信」

    実践発表

    岩手県

    奥州市・ござえん茶「いわぜき」

    宍戸

    年子

    青森県

    八戸市・「こどもはっち」代表

    平間

    恵美

    秋田県

    藤里町社会福祉協議会事務局長

    菊池

    まゆみ

    コーディネーター

    岩手県社会福祉協議会 地域福祉企画部長

     

    根田

    秋雄

    サロン活動の魅力発信ということ

    で、各地の取り組みや企画運営し

    ていく楽しさや魅力、地域における

    サロンの可能性を共有することによ

    り、今後の活動の一助にしたいと考

    える。

    それぞれのサロンの楽しさを自慢す

    ることで魅力発信につながると思

    う。良いところを活かし、活動が広

    がっていくことを願う。

    ○実践発表では、いろいろな人を頼

    り、人のネットワークが広がって

    いると感じた。それが地域のネッ

    トワークづくりにかかわっている

    と思う。

     

    この全国集会での実践をふまえ

    て、奥州市社協ではその成果や課題、

    今後の展望等が話し合われ、その内

    容を中心に「ふれあい・いきいきサ

    ロン活動の手引書」がまとめられた。

    これからサロン活動を始める方や、

    これまで長年にわたり活動を続けら

    れてきた方々にとっても、今まで以

    上の活動を展開する契機になればと

    発行されたものである。

     

    内容として、①何ごともやるのは

    大変・何から手をつければいいの?

    ②参加する人を増やすには? 

    ③協

    力する人を増やすには? 

    ④集まっ

    たけど何をしたらいいのだろう? 

    ⑤お金がなかったらできないの? 

    ⑥会場がなかったらできないの? 

    ⑦その他気をつけなければならない

    こと? 

    という7項目について、一

    問一答方式で企画のヒントや優位点

    がまとめられている。また、ふれあ

    い・いきいきサロンの機能・効果に

    ついても整理されている。

    りの一部として、サロン活動の可

    能性を探り、深めていきたい。

    被災された方々はたいへんな生活

    をされており、その生活をいかに

    豊かにするかが課題である。その

    なかで被災者自身が切り開いてい

    けるような手段として、サロンが

    少しでも役立てばよいのではない

    か。後ろから支えていけるような

    仕組み、そんな役目ができるのは

    サロンではないかと考える。サロ

    ンはこれでなければならないとい

    うものではなく、みんなで力を出

    していろいろな方法を見つけ出し、

    よりよいサロンをつくっていきた

    いと思う。

    「地域の子供や障がい者と歩む 

    「地域の子供や障がい者と歩む 

    ふれあい・いきいきサロン」

    ふれあい・いきいきサロン」

    実践発表

    宮城県

    登米市・子育て支援サークル

    「まごまごサークル」

    佐々木

    美紀子

    岩手県

    奥州市・精神保健ボランティア

    にじの会「ゆったりサロン」

    小澤

    房子

    山形県

    村山市社会福祉協議会主任

    井上

    高志

    分科会

    2

    ふれあい・いきいき

    サロン活動の手引書

    分科会

    3

    ※所属・職名は平成23年11月5日時点のもの。3 2012 NORMA JULY No.258

  • 資料1 ふれあい・いきいきサロン設置状況の推移(市区町村社会福祉協議会活動実態調査報告および基本調査報告より)

    資料2 サロン活動への具体的な取り組みのポイント(NORMA社協情報No.86 特集より)

    サロン活動推進のあゆみ

    1993(平成5年)▶ 高齢者の社会参加についての全国実態調査

    実施

    1994(平成6年)▶ 11月 冊子『アクティビティサービスのすすめ

     ふれあい・いきいきサロン開発マニュアル』発行(絶版)

    1996(平成8年)▶ 3月 冊子『新しいボランティア活動の手引き

    ボランティア ア・ラ・カ・ル・ト —ふれあい・いきいきサロンづくり活動—』発行(絶版)

    •福祉医療機構(旧・社会福祉・医療事業団)助成「ボランティア活動振興プログラム開発研究事業」(平成6〜7年度)をもとにまとめられた3冊の手引きの1冊。

    ▶ ふれあい・いきいきサロンによる高齢者の介護予防普及事業 実施

    •福祉医療機構助成事業

    1997(平成9年)▶ 8月 冊子『「ふれあい・いきいきサロン」の

    すすめ』発行(絶版)

    2000(平成12年)▶ ふれあい・いきいきサロンによる高齢者の介

    護予防普及事業 実施•福祉医療機構助成事業▶ 8月 冊子およびビデオ『あなたも まちも い

    きいき! ふれあい・いきいきサロンのすすめ 〜寝たきり・痴呆予防にも〜』発行(絶版)

    2001(平成13年)▶ 地 域における痴呆 性高齢 者のためのイン

    フォーマルサービス普及事業 実施•福祉医療機構助成事業▶ 8月 サロン活動アンケート実施▶ 11月 冊子『こんなに楽しい! ふれあい・い

    きいきサロン 痴呆性高齢者も参加できるふれあい・いきいきサロン活動事例集』(支援者養成講座プログラム・教材付き)発行(絶版)

    ▶ 平成13年度「ふれあい・子育てサロン」活動の開発のための調査研究事業 実施

    •福祉医療機構助成事業▶ 地域を基盤とした子どもたちの福祉・ボラン

    ティア活動学習推進モデル事業 実施

    2002(平成14年)▶ 平成14 年度「ふれあい・子育てサロン」活動

    の開発のための調査研究事業 実施•福祉医療機構助成事業▶ 12月 第1回ふれあい・いきいきサロン全国

    サミット 開催•開催地:東京都世田谷区•主催:世田谷区社協•共催:世田谷区、東京都社協•後援:全社協

    2003(平成15年)▶ 3月 冊子『子育てサロン活動推進マニュア

    ル』発行(絶版)•福祉医療機構助成事業▶ 平成15年度「ふれあい・子育てサロン」活動

    の開発のための調査研究事業 実施•福祉医療機構助成事業

    2004(平成16年)▶ 2月 第2回ふれあい・いきいきサロン全国

    サミット 開催•開催地:東京都世田谷区•主催:世田谷区社協•共催:世田谷区、東京都社協•後援:全社協▶ 3月 『子育てサロン担い手養成ハンドブック

    子育てを支えあう地域づくりをめざして』発行(絶版)•福祉医療機構助成事業▶ 9月 第1回ふれあい・いきいきサロン全国

    研究交流会 開催•第13回全国ボランティアフェスティバルびわこ協賛事業

    •開催地:滋賀県大津市•参加者355名•主催:全社協、滋賀県社協 •後援:みずほ教育福祉財団

    2005(平成17年)▶ 10月 第2回ふれあい・いきいきサロン全国

    研究交流会 開催•第14回全国ボランティアフェスティバル火の国くまもと協賛事業

    •開催地:熊本県八代市•参加者600名•主催:全社協、熊本県社協、八代市社協 •後援:みずほ教育福祉財団

    2006(平成18年)▶11月 第3回ふれあい・いきいきサロン全国

    研究交流会 開催•第15回全国ボランティアフェスティバルぐんま協賛事業

    •開催地:群馬県渋川市•参加者550名•主催:全社協、群馬県社協、群馬県ふれあい・いきいきサロン推進連絡会、渋川市社協

    •後援:みずほ教育福祉財団、群馬県、群馬県民生委員児童委員協議会、渋川市

    2007(平成19年)▶ 9月 第4回ふれあい・いきいきサロン全国

    研究交流会 開催•第16回全国ボランティアフェスティバルあいち・なごや協賛事業

    •開催地:愛知県名古屋市•参加者550名•主催:全社協、愛知県社協、名古屋市社協•後援:みずほ教育福祉財団、愛知県、名古屋市

    2008(平成20年)▶ ふれあい・いきいきサロン実態調査 実施•みずほ教育福祉財団助成事業▶ 4月 冊子『「ふれあい・いきいきサロン」の

    てびき 〜住民がつくる地 域 交 流 の場 〜』発行(在庫有)

    •主な内容:実践基礎編、発展応用編、「ふれあい・いきいきサロン」展開の経緯と今後の方向性、紹介したサロンの一覧

    •問合せ:全社協出版部受注センター 電話 049-257-1080 メール [email protected]▶ 9月 第17回全国ボランティアフェスティバ

    ルにいがた/第2分科会「誰かとお話したい、行くところがほしい、人と人とのつながりを求めて 〜広がるふれあい・いきいきサロン、地域の茶の間」開催

    •開催地:新潟県新潟市•第2分科会参加者281名•第2分科会後援:みずほ教育福祉財団•ふれあい・いきいきサロン全国研究交流会 通算第5回

    2009(平成21年)▶ 9月 第18回全国ボランティアフェスティバ

    ルえひめ/第11分科会「サロン発!元気・いきがいづくり」開催

    •開催地:愛媛県松山市•第11分科会参加者150名•第11分科会後援:みずほ教育福祉財団•ふれあい・いきいきサロン全国研究交流会 通算第6回

    2010(平成22年)▶9月 平成22年度ふれあい・いきいきサロン

    全国研究交流集会 開催•開催地:島根県松江市•参加者300名•主催:全社協、松江市社協•後援:みずほ教育福祉財団、島根県社協•ふれあい・いきいきサロン全国研究交流会 通算第7回

    2011(平成23年)▶ 11月 平成23年度ふれあい・いきいきサロ

    ン全国研究交流集会inおうしゅう 開催•開催地:岩手県奥州市•参加者600名•主催:全社協、奥州市社協•後援:みずほ教育福祉財団、岩手県社協•ふれあい・いきいきサロン全国研究交流会 通算第8回

    調査年度 サロン設置社協数 実施率 サロン数参加者対象

    高齢者 身体障害者 知的障害者 精神障害者 子育て家庭 複合型 その他1997 524 15.5% 3,359 3,159 — — 43 58 — 992000 1,124 40.7% 13,174 12,669 — — 52 236 — 2152003 1,245 46.4% 37,196 32,314 159 89 111 2,183 2,062 2502005 1,615 71.8% 39,496 32,522 214 90 119 3,337 2,719 4952009 1,348 79.1% 52,633 43,714 225 161 153 4,518 3,417 445

    ① ① イメージづくりと具体的な準備② ② キーパーソンの発掘と位置づけ③ ③ 参加しやすいサロンづくりの工夫

    ④ ④ 安心して活動できる環境づくり •事故に備える •財政的な支援は慎重に

    ⑤ ⑤ 行政とのパイプ役になる⑥ ⑥ 気軽に・楽しく・無理なく

    4

  •  

    先日、東日本大震災被災死亡者に関

    する驚くべき研究結果が公表された[1]。

    研究をまとめた京都女子大学の山田健

    司教授は、震災後警視庁が公表した死

    亡者の死因と年代別の状況に関する

    データを分析した結果、震災により亡

    くなられた方々は、「平日昼間に主とし

    て家屋内で生活していた方々である」

    と類推している。亡くなられた方々の

    うち実に77・1%が50歳以上、65・2%

    が60歳以上であり、これは被災地の人

    口構成よりも高い数値となっている。

    すなわち、震災により亡くなられた方々

    は、地理的な条件から逃げ遅れ津波に

    巻き込まれたのではなく、むしろ日中

    家に閉じこもりがちで、他者との交流

    のない高齢者層が逃げ遅れた可能性が

    高いということが、客観的なデータに

    よって示されたのである。

     

    この研究結果は、地域におけるサロ

    ン活動の重要性を裏付けている。交流

    による余暇の充実や孤独感の解消、認

    知症の予防といった平時におけるサロ

    ンの機能は、災害時にも被災者の心と

    身体のケアやニーズキャッチの面にお

    となるものであり、その重要性は否定

    されるべきものではない。しかし、万

    能薬にはなり得ないだろう。とりわけ、

    地域から孤立し外部との交流を避けな

    がら生活している人々にとって、サロ

    ンへの参加はあまりにもハードルが高

    い。先駆的な地域のサロン活動では、

    サロン欠席者に対して安否確認の活動

    を組み合わせるなどの取り組みがすで

    になされてきているものの、サロンに

    参加しない地域住民に対する働きかけ

    を積極的におこなっている実践事例の

    話はあまり耳に

    しない。

     

    サロンへの参加

    に消極的になる

    理由には、その人

    の個人的な背景

    や、その地域特有

    の事情なども含

    まれるだろう。そ

    のような文脈を

    無視してサロン活

    動へ強引に勧誘

    することは、その

    人の尊厳を無視

    し、自由を干渉

    することになり

    かねない。社協職

    員がサロンに関与

    することの意義

    とは、そのよう

    な実態を把握し、

    提 言提 言

    いて重要な役割を果たすことが、前掲

    の全国研究交流集会においても確認さ

    れた。それに加え、山田教授の研究結

    果は、災害予防の観点からもサロンが

    重要な役割を果たすということを示唆

    するものであった。

     

    しかし、サロン活動の支援に携わっ

    てきた社協職員であれば、ここで次の

    ような疑問を抱くかもしれない。果た

    してサロン活動がすべての要援護者を

    災害から守れるだろうか。東日本大震

    災で亡くなられた高齢者の中には、地

    域のサロン活動の存在を知っていても

    参加しなかった(できなかった)方々

    が含まれるのではないか。

     

    サロン活動を推進する上での悩みの

    ひとつに、参加者の固定化というもの

    がある。サロンを立ち上げ、一定の参

    加者を得ることはできるが、メンバー

    が固定化し新たな参加者がなかなか増

    えない、といった悩みである。また、

    交流すること自体が苦手な層の参加を

    いかにして得るかという悩みも、それ

    に関連するものである。

     

    サロン活動は地域の福祉活動の基盤

    日時: 平成24年9月30日(日)9:00 〜 15:00会場:三重県総合文化センター(三重県津市)  参加定員:200名内容: 基調報告基調報告  ルーテル学院大学学長 市川 一宏 氏

    シンポジウムシンポジウムコーディネーター ルーテル学院大学学長 市川 一宏 氏シンポジスト 岩手県・大船渡市社会福祉協議会 東京都・世田谷区社会福祉協議会 石川県・能美市(調整中) 三重県・津市つつじが丘ボランティアの会「よりあい」ワークショップワークショップ(ワールドカフェ方式)(ワールドカフェ方式)ファシリテーター 桃山学院大学社会学部教授 松端 克文 氏

    主催: 全国社会福祉協議会、津市社会福祉協議会後援: みずほ教育福祉財団、三重県社会福祉協議会

    ふれあい・いきいきサロンの

    射程と社協職員の役割

    首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系

     准教授 室田

    信一

    特 集

    ※今回は第21回全国ボランティアフェスティバルみえ2日目の第6分科会として開催されます。サロン運営に携わる多くの皆様のご参加をお待ちしています。

     詳細はホームページ参照:http://www.miewel-1.com/vfmie/

    平成24年度「ふれあい・いきいきサロン」全国研究交流会広げよう地域の絆・増やそう地域の笑顔 〜ふれあい・いきいきサロン〜

    地域の中で孤立していると思われる個

    人に対して、どのような働きかけが可

    能であるかを検討し、具体的な対策を

    提案、推進することである。冒頭で紹

    介した研究結果は、そうした取り組み

    の必要性を示唆してくれたように思う。

    [1]山田健司「東日本大震災被災死亡者

    の群像

    年齢構成比による志望要因

    の類推」『社会政策』第4巻第1号、

    2012年

    5 2012 NORMA JULY No.258

  •  

    社協は社会福祉法において「地域

    福祉を推進する団体」として規定さ

    れるようになったものの、その活動内

    容はきわめて多様で、社会的な認知

    度も高いとはいえず、不況と財政危

    機、そして行財政改革のなかで、国

    /地方を問わず社協組織に対する風

    当たりは一層強くなっている。それ

    だけに社協は「ここはどこ? 

    私は

    だれ?」というアイデンティティを

    めぐる問いのなかに投げ込まれ、そ

    の答えを求めてもがき苦しんでいる

    状況にあるともいえる。

     「私」の存在は他者との関係を含め

    て、私の置かれている状況のなかで確

    認できるものであり、私だけが独立

    して存在しているわけではない。社

    協という組織も同様で、社協の置か

    れている状況のなかでその存在意義

    が確認される。もし、いま社協が組

    織として、あるいは社協の職員とし

    て、アイデンティティが揺らいでい

    るのだとすれば、それは社協を取り

    巻く状況のなかで、社協がしっかり

    とした役割を果たしていないことを

    意味している。

     

    バブル景気の崩壊した一九九〇年

    代初頭以降、日本の社会のかたちは大

    きく変容した。この間、格差が拡大し、

    貧困問題が深化し、住民の抱える生

    活課題が複雑化してきた。このいわ

    ゆる「失われた二十年」は福祉業界

    も変革の時期であり、一九九〇年に

    福祉関係八法が改正され、在宅サー

    ビスの法定化、措置権の町村への移

    譲が行われ、一九九七年に介護保険

    法が成立し、社会福祉基礎構造改革

    の議論を経て、二〇〇〇年には社会

    地域福祉を「計画」的に考え・推進するということ

    ─社会福祉協議会における地域福祉推進の戦略─

    社協が地域福祉を「計画」的に考え

    推進することの意義

    桃山学院大学 

    社会学部教授

    松まつのはな端

    克かつふみ文

    連載第1回

    福祉法が成立するなど、社会福祉サー

    ビスの利用の仕組みが「措置から契

    約へ」と変更され、法制度上の地域

    福祉の位置づけが明確化されるなど、

    地域福祉が「主流化」してくる時期

    でもあった。

     

    しかし、いまやこのような改革が

    雇用、住宅、そして貧困問題を中核

    とする住民の生活課題に対応できて

    いなかったことは明白である。むし

    ろ貧困問題を過去のものとし、福祉

    政策における介護を中心とした「ケ

    ア」への焦点化が、まさに貧困が深

    刻になっていく時期に行われたとい

    うことが、福祉政策と生活課題との

    乖離の状況を如実に物語っている。

      

    社会福祉サービスの利用において、

    本人の自己決定に基づき福祉サービ

    ◆はじめに

     この連載では、地域福祉を推進すると

    いう役割を担う社会福祉協議会が、地域

    福祉活動計画や発展強化計画の策定のみ

    ならず、「計画」的に考えるという文脈

    で日々の業務をとらえ直すことで、地域

    福祉を戦略的に推進していくことの重要

    性を確認するとともに、社協が地域福祉

    を推進していくための具体的なヒントを

    提供していきます。次回以降できるだけ

    事例を紹介しながら、各社協が実践して

    いくうえで「計画」の意義を具体的にイ

    メージしやすいよう試みます。

    「ここはどこ? 私はだれ?」

    「ここはどこ? 私はだれ?」

    深刻な生活課題

    深刻な生活課題

    地域福祉の真価が問われるのは、

    地域福祉の真価が問われるのは、

    実はこれから

    実はこれから!?!?

    展開予定のテーマ(全8回)

    第1回

    社協が地域福祉を「計画」的に

    考え推進することの意義(今回)

    第2回

    社協の発展強化計画

    第3回

    地域福祉活動の計画的推進

    第4回

    地域福祉活動計画づくり

    第5回

    社協戦略としての地域福祉計画

    第6回

    福祉教育の実践としての

    地域福祉活動計画づくり

    第7回

    地域福祉活動計画の推進

    第8回

    計画の評価、そして循環的な展開へ

    6

  • ス利用が開始されるという制度その

    ものを否定することはできない。しか

    し、そのような福祉サービスを必要

    としている住民が自らの意思で福祉

    サービスを契約利用するというモデ

    ルは、それ自体がある種の状況に置

    かれている住民を「排除」するとい

    う構造をもっている。たとえば、自

    ら支援の必要性に気づいていない人

    や必要な情報を入手できない人、あ

    るいは積極的に支援を拒否する人な

    どの存在は、自己決定と契約に基づ

    く仕組みの機能不全を示すものであ

    る。「孤立死」の問題も多くの場合、

    経済的困窮と社会的孤立とが重なり、

    社会福祉サービスを含めて社会保障

    制度そのものから排除されている住

    民層において生じている。

     

    それだけに、地域福祉の真骨頂で

    ある住民参加で潜在化したニーズを

    掘り起こし、ニーズを把握する仕組み

    の構築や、ソーシャル・サポート・ネッ

    トワークを形成することの必要性が

    高くなっているのである。支援を拒

    むようなケースに加え、既存の社会

    福祉サービスでは十分に対応するこ

    とができない「制度の狭間」の問題

    や、単一の制度では対応できない「複

    合化」した生活課題が噴出している

    現状をふまえれば、地域の実情に応

    じて柔軟な発想で多様なアクターが

    協働することで、住民の抱える生活

    課題や、地域のなかに存在する地域

    課題の解決を図る地域福祉の必要性

    が高まっているのである。少し迂遠

    な言い回しをすれば、上述した地域

    福祉が「主流化」してきた状況その

    ものが、地域福祉の必要性を際立た

    せるようになったのである。

     

    多くの社協が掲げる「誰もが住み

    やすい福祉コミュニティづくり」の

    理念も悪くはないが、上述したよう

    な深刻な生活課題を直視すれば、あ

    まりに楽天的に過ぎる。むしろ地域

    住民の抱える生活課題の解決を図り、

    「住民の暮らしをまもる」ために社協

    として何ができるのか、何をすべき

    なのかということを正面に据えて組

    織のあり方を見直すべき時期にきて

    いるといえる。

     

    また、昨年の東日本大震災以降、

    「絆」や「つながり」の重要性が指摘

    されているが、裏を返せばそれだけ

    「絆」や「つながり」が失われている

    ということでもある。社協は地域コ

    ミュニティの希薄化という問題と向

    き合い、地域のなかに失われつつある

    共同性を再構築すべく取り組んでき

    た組織でもある。コミュニティ・オー

    ガニゼーションやコミュニティワー

    クは、そのための手法として重視さ

    れてきた。地域住民を「同じ地域で

    暮らす住民」として組織化していく

    地域組織化、「同じ課題を抱える当事

    者」として組織化していく当事者の

    組織化、そして「同じことに関心を

    もち行動を起こそうとする市民」と

    しての組織化を図るボランティアの

    組織化などは、それぞれの社協で大

    なり小なり取り組まれた地域支援の

    方法である。このように地域を基盤

    として人と人との「つながりをつく

    る」という役割を果たすことも、社

    協には強く求められている。

     

    社協が自らの置かれている状況を

    どのように分析し、どのような活動

    を展開していくのかということにつ

    いては、それぞれの地域の状況に規

    定される側面があるが、上述したよ

    うな認識はある程度共有されるので

    はないかといえる。

     

    社協における「ここはどこ?」と

    の問いの答えは、社協が設置されて

    いる市区町村に求める必要があり(よ

    り正確には、当該市区町村域に所在し

    ているということを「拠り所」とす

    るということであり)、「私はだれ?」

    との問いの答えは、当該市区町村の

    住民の抱える生活課題、あるいは地

    域の課題といかに向き合い、その課

    題の解決に向けていかに取り組むの

    かということのなかにある。

     

    とはいえ、「すべて」の課題に「完

    璧に」対応することなどできない。常

    に・すでに取り上げる課題も支援の

    プログラムも恣意的なのである。問

    題は、それにもかかわらず「すべて

    の住民が…」と平然と口にしてしま

    うところにある。もちろん大きな理

    念として掲げることはよいとしても、

    実際の活動の場面では「すべて」は

    あり得ないことに自覚的であるべき

    だし、そうであるからこそ、どのよ

    うな課題にまず着手するのか、そし

    て具体的にどのような活動を展開し

    ていくのかということが問われるの

    である。

     「いま、私たちは、どのような課題

    に対して、どのような実践をしてい

    くべきなのか」という課題に対して、

    「計画」的に考えるからこそ、限界を

    自覚し、できることから取り組むとい

    う方向が拓けてくる。地域の福祉課題

    を分析し、どのような地域福祉活動

    を展開していくのかということにつ

    いては、「地域福祉活動計画」が重要

    な意味をもつ。そして、社協組織と

    して地域福祉を推進していくために

    どのような体制をつくっていく必要

    があるのかということについては「発

    展強化計画」が重要になってくる。

     

    こうした計画づくりも含めて、社

    協として地域福祉を推進していくた

    めには、ある種の「戦略」性をもっ

    て臨まなければ、「ここはどこ? 

    はだれ?」という迷宮からは抜け出

    せないのである。 

    社協が地域福祉を「計画」的に

    社協が地域福祉を「計画」的に

    考え推進することの意義

    考え推進することの意義

    7 2012 NORMA JULY No.258

  •  

    昨年、松江市社会福祉協議会(以下、

    松江市社協)は「日本地域福祉学会・

    地域福祉優秀実践賞」に選定された。

    この賞は「日本地域福祉学会地域福祉

    優秀実践賞審査基準」にある「先駆性・

    独創性」、「継続性・発展性」、「参加性・

    普及性」、「記録性」を基準に審査され

    たものであり、松江市社協は、公民館

    を拠点とした住民主体の地域福祉活

    動、「行政・公民館・社協の連携と協

    働の仕組み」が高く評価された。

     

    現在、松江市の公民館は29館あり、

    それらは小学校区ごとに設置されて

    いる。現在、公設自主運営方式で運営

    され、地域福祉推進の拠点となるべく

    地区社協の事務局が配置されている。

    こうしたことで、公民館が本来もって

    いる「社会教育」と「地域福祉」の一

    体的な取り組みが始まった。いわゆる

    「松江市方式」といわれる取り組みで

    ある(平成17年度に合併した鹿島町ほ

    か6町村と昨年合併した東出雲町は

    移行中)。

     

    このようなスタイルを取り入れた

    のは、市の財政問題が大きなきっか

    けとなっている。1963年から

    1971年の7年間、旧松江市は財

    政再建団体の指定を受けていた。そ

    こで、公民館を公設公営から公設自

    主運営方式へとシフトチェンジした。

    つまり、建物の設置をはじめとした施

    設設備費や費用補助は市で行い、運営

    は住民団体代表者で構成される協議

    会が受託するというスタイルだ。こ

    れにあわせて市社協から公民館側へ、

    地区社協の事務局を公民館に設置し

    てほしいと働きかけた。住民が主体

    的に活動し運営していくという点で、

    地区社協と公民館の役割は非常に共

    通項が多かったからだ。

     

    しかし、最初はかなり強い抵抗が

    あったという。「公民館は社会教育、

    生涯学習の場であるという意識が強

    かったため、いまひとつ福祉とつなが

    らなかったのでしょう」と、常務理

    事の須田敬一さん。市社協側は粘り強

    くていねいに働きかけ、結果、旧松江

    市内にある21の公民館すべてに地区

    社協事務局が設置されることとなっ

    た。また、1997年には館長、主任、

    主事の3人体制だった公民館へ、嘱託

    として地域保健福祉推進職員を配属。

    2010年には正規職員と位置づけ

    られた。現在は、公民館館長が地区社

    協の役員を兼務している。

     

    住民が主体的に地域福祉の活動に

    取り組めるためのサポートとして

    行っているのは、財政支援と活動を活

    性化させるための補助事業だ。松江市

    で特に、住民(公民館)・行政・社協

    がうまく連携して取り組んでいるの

    が、『すこやかライフ推進事業』だ。

     『すこやかライフ推進事業』には、「必

    須事業」と「重点・選択事業」とがある。

    「必須事業」としているのは、地域の

    要援護者に対する見守り活動。「重点・

    選択事業」は、健康づくり活動や認

    知症高齢者対策の推進、介護予防活動

    の推進、独居高齢者のふれあい事業、

    子育て支援事業、ボランティア養成講

    座、サロン活動、給食サービスなど、

    さまざまなメニューを地区担当職員

    が紹介し、地域の実情に応じたもの

    を住民が選んで活動へつなげていく。

    総務係長であり地区担当の経験もあ

    る諏訪方宣さんは、「住民のみなさん

    が、今、何に関心をもち、どんな問題

    に直面しているのかをとらえること

    が大事。必要な情報を地区担当が把握

    して、具体的にこんな活動を、こんな

    ところで実践したらこんな効果がみ

    られた、というような形で紹介してい

    くと興味を持ってもらいやすい」と語

    る。また、住民に現状を知ってもらう、

    問題意識をもってもらうために、地域

    へのヒアリングをともに行うことも

    効果的だという。

    社協活動最前線松江市社会福祉協議会

    社会教育と地域福祉の融合公民館を拠点とした地区社協活動

    小学校区ごとに設置された公民館に地区社協の拠点を置き、公民館がもつ学習機能と一体的に地域福祉活動に取り組む松江市社会福祉協議会。1966年以来取り組んできたこのスタイルは「松江市方式」といわれ全国で大きな注目を浴び、昨年2011年には日本地域福祉学会・地域福祉優秀実践賞に選定された。これまでの歩みと、これからを見据えた松江市の地域福祉について取材した。

    社協データ社協データ【地域の状況】(平成24年3月31日現在)人   口/ 207,682人世 帯 数/ 82,144世帯高齢化率/ 24.59%

    【社協の概要】理 事 24名評議員 49名監 事 2名職員数 267名

    (正規職員77名、非正規職員190名)

    【主な事業】●地区社協活動支援事業●小地域ネットワークづくり事業●なごやか寄り合い事業●ボランティアセンター運営事業●地域包括支援センター事業●法人後見事業●日常生活自立支援事業●障がい者サポートステーション運営事業●介護保険事業(居宅介護支援事業、 訪問介護事業、通所介護事業)●指定管理施設(福祉センター等)運営事業

    福祉推進員による情報交換会(淞北地区)

    地区社協を活性化する

    地区社協を活性化する

    すこやかライフ推進事業

    すこやかライフ推進事業

    公民館に設置された

    公民館に設置された

    地区社協事務局

    地区社協事務局

    8

  •  

    例えば、一緒に地域の銀行やスー

    パーで聞き取りを行うなかで、「いつ

    も印鑑がないといってこられるおば

    あさんがいる」、「お金を払わずに帰る

    おじいさんがいる」という話を直接耳

    にし、現実を知ることで住民の問題意

    識が高まる。そうしたことから勉強会

    をはじめたり、さらに勉強会を重ねる

    うちに、住民主体で認知症の高齢者を

    支援する事業を自分たちで立ち上げ

    た地区もあるという。

     

    城北地区にある住宅団地「淞北台」

    でも、高齢者福祉事業を分担する住民

    組織「淞北台いきいきライフを推進

    する会」を発足し、認知症・介護予防

    のための支援活動や安否確認活動を

    中心に活動している。2か月ごとに福

    祉推進員による情報交換会が開かれ、

    松江市社協の地区担当職員も参加す

    る。「高齢化が進み厳しさは増してい

    るが、地域の実体をきちんと把握する

    ことが大切」と、城北地区社協会長の

    高橋博さん。近く、高齢者生活実態調

    査を数年ぶりに行う予定だという。

     

    松江市社協でもうひとつ特徴的な

    のは、ボトムアップ方式による地域福

    祉活動計画づくりだ。公民館を拠点と

    した地域福祉活動をより活発化させ、

    それを継続していくためには、住民

    が本当に求めていることを反映する

    計画でなければならない。そのため

    に、まずは地区ごとに地域福祉活動計

    画を作成し、上位計画の松江市地域

    福祉計画・地域福祉活動計画に反映

    させる。また、松江市地域福祉計画・

    地域福祉活動計画も行政と市社協、住

    民による合同事務局を設けて、一体的

    に策定を行っている。このようなこと

    に対して難しさを感じなかったのだ

    ろうか? 

    そんな問いに須田さんは、

    「結局は人と人とのつながりです」と

    微笑む。「行政と社協は車の両輪。日

    頃からそうした関係をつくっておく

    ことが必要です」。そして今、まさに

    人事交流も行っている。

     

    また、地域福祉計画・地域福祉活動

    計画も、住民参画を徹底するために

    ワークショップやアンケート、利用者

    ニーズの把握等を行い、およそ3年を

    かけて「まつえ福祉みらい21プラン

    (地域福祉計画・地域福祉活動計画)」

    を完成させた。こうして作成した計画

    づくりによって、およそ400もの

    生活課題や福祉課題が明確化された

    が、なかでも最大の課題は、多様な

    ニーズに対する迅速かつ効率的な課

    題解決のための仕組みであり、総合

    的な解決機能だ。その対策として「地

    域福祉ステーション構想」が重点プロ

    グラムとなっている。

     

    近年、特に力を入れているのが、障

    がい児や特別な支援が必要な子ども

    の家族と支援者の会「あったかスクラ

    ム」事業である。公民館を拠点に楽し

    い行事やお茶会などを開催し、地域

    を巻き込んだ活動は、住民の障がい

    への理解や気づきにつながっている。

    また、事業の立ち上げには、地域をよ

    く知る民生委員児童委員や福祉推進

    委員の存在は欠かせなかった。「あそ

    こに茶道のできる人がいる」、「陶芸な

    らこの人に頼めばいい」といったアド

    バイスから活動メニューが充実して

    いった。現在29地区中13地区で取り組

    んでいる。

     

    かつて、「地域の子どもたちは、養

    護学校へ通っているうちの子のこと

    を知らない」とつぶやいた母親がい

    た。今、同じように特別支援学校へ

    通う子の母親からは「知り合いが多

    くなった」、「気兼ねなく相談できる」、

    「仲間と居場所ができた」などの声が

    聞こえるようになった。課題は、参加

    していない親子の把握やそうした保

    護者のニーズをどう拾い上げていく

    か、地域での実践者・サポーターをど

    う育成するか、放課後や長期休業中の

    支援をどうすべきか、そして未実施地

    区への拡大などがあげられている。

     

    最後に、今後の地域づくりに欠かせ

    ないものとして、須田さんは「連携」

    という言葉をあげた。孤独死や高齢

    者・児童の虐待、若者のひきこもり、

    松江市松江市(島根県)(島根県)島根県東部に位置する。県庁所在地。総面積572.98㎢。平成17年に6町1村、平成23年に1町が合併し、山陰最大の20万都市となる。汽水湖の中海・宍道湖を有し、温泉資源も多い。松江城下の堀川の美しさもあり「水の都」といわれる。京都・奈良と並ぶ国際文化観光都市としても有名。

    あったかスクラム事業(城西あったか広場)

    地域福祉課地域福祉係の皆さん

    DV被害など、福祉・生活課題は山

    積している。これらに大きく影響して

    いるのが、「つながり」の脆弱化だと

    指摘する。

     

    松江市社協では、昨年9月に「安心

    して暮らせる地域づくりをめざして」

    と題した『地域ケア連携推進フォー

    ラム』を開催した。参加団体は、JA

    島根中央会、松江保健生活協同組合、

    生活協同組合しまね、くにびき農業協

    同組合、松江市地区社協会長会、そし

    て松江市社協である。個別支援や地域

    支援に取り組む各団体が集い、互いの

    活動について情報交換しながら、地域

    に欠かせない連携のあり方について

    学びあった。次回のフォーラムには松

    江赤十字病院も参加を予定している。

     「私たちは常にどこかで他分野との

    つながりを意識しています。それは公

    民館に地区社協を配置するという発

    想のなかに、すでに持っていたことか

    もしれません」と、須田さん。松江市

    社協としては、今後はコミュニティ・

    ソーシャルワークをしっかりと意識

    して仕事をしていくこと、それに尽き

    ると力強くうなずいた。

    地域づくりに欠かせない

    地域づくりに欠かせない

    「つながり」が、今後の課題

    「つながり」が、今後の課題

    ボトムアップ方式による

    ボトムアップ方式による

    計画づくり

    計画づくり

    9 2012 NORMA JULY No.258

  • 東日本大震災

    被災地社協の現場から

    第3回連載レポート

    昨年3月11日の東日本大震災か

    ら1年4か月を迎えようとしてい

    る。女川町は津波により町の7割の

    家屋が全壊流失、人口の約1割の

    方々が尊い命を奪われる甚大な被害

    を受けた。当社協も事務所、書類等

    が流され、公用車1台が唯一残るだ

    けであった。

    震災直後は、福祉避難所運営から

    スタートし、3月17日に立ち上げた

    災害ボランティアセンター(以下、

    災害VC)の運営に全職員が尽力

    した。職員数は、震災前の18名から

    現在は46名と大幅に増え、事務局、

    復興支援センター、地域活動支援セ

    ンター、福祉仮設住宅、サポートセ

    ンター、地域包括支援センター(一

    部業務委託)の事業を展開している。

    町の仮設住宅は昨年5月から11月

    にかけて建設され、全国初の3階建

    て仮設を最後に全戸が完成した。仮

    設住宅総数は、町内(一部石巻市)に

    30か所1285戸、みなし仮設は町

    内外で434世帯という状況にある。

    災害VCの運営に際しては、県内

    外社協職員の派遣とNPO・NGO

    の支援なしでは機能しなかったと今

    思う。当社協の危機的状況を救って

    くれたことに対し、この誌面をお借

    りして深く感謝申し上げたい。

    被災直後の混乱状況にあっては、

    ボランティアの受け入れ体制が整わ

    ず、ウェブでのボランティア募集を

    始めとした情報公開を行わなかっ

    た。それでも昨年5月の連休中には、

    1日最大100名のボランティアに

    被災者支援に携わっていただいた。

    昨年9月以降、災害対応から生活

    支援を目的として、災害VCの名称

    を「復興支援センター」と変更した。

    災害系のボランティア対応をすると

    ともに、仮設住宅入居者への支援物

    資配布や訪問活動を開始し、生活で

    の困りごとや不安等を生活支援相談

    員の活動から拾うことに努めた。

    10月には町のサポートセンター

    「こころとからだとくらしの相談セ

    ンター」の一部を受託したことで、

    町全体での生活支援を展開した。当

    社協としては、受託事業と復興支援

    センターをうまく被災者支援へと結

    びつけることが課題であった。

    現在の被災者生活支援の仕組み

    として、サポートセンターでは町全

    体を7つのエリアに分け、各エリア

    の中心となる仮設集会所にサブセン

    ターを設けている。各サブセンター

    には有資格者のライフサポートアド

    バイザー(通称「ここから専門員」)

    と、社協で雇用した15名の生活支

    援相談員(通称「くらしの相談員」)

    の2~3名を1組として配置し、活

    動を展開する。地域状況を正確に把

    握するとともに、地域に寄り添った

    対応を行っている。

    一方、復興支援センターは、県内

    外のボランティアや支援団体と地域

    の取り組みやニーズをマッチングす

    ることを中心に活動している。

    当社協では、サポートセンターの

    一部受託や復興支援センターの運営

    をしていくなかで、孤独死の防止や、

    知らない者同士が生活する空間のコ

    ミュニティづくりの支援に努めてい

    る。そのために配置したくらしの相

    談員による訪問活動等を通して、日

    常的に住民の生活課題を把握すると

    ともに、SOSを発信できない人

    への寄り添いを大切にしている。そ

    れらを通して、被災住民をはじめと

    する女川町における住民の心、体、

    そして生活の支援を今後も継続して

    いきたい。

    今後の女川町社協の取り組み課

    題のひとつに、地域福祉活動計画の

    見直しが挙げられる。平成22年度に

    第3次地域福祉活動計画を策定した

    が、この大震災を受け、現状にそぐ

    わない中身となってしまったことか

    ら、早急に見直しをかけ、町の地域

    福祉計画や復興計画等の諸計画との

    整合性をもつ新たな活動計画を策定

    していきたい。社協が掲げる「安心

    して共に暮らせるまちづくり」をど

    のように展開していくのか、今改め

    て社協の存在意義が問われている時

    期にあると考える。地域福祉を担う

    推進団体としての使命・役割を果た

    すためには、行政、各関係機関等と

    の連携はもちろん、住民と協働しな

    がら地域福祉を推進していきたい。

    最後に、女川町の明るいニュース

    を全国へ発信していくことが、これ

    まで支援をいただいた方々への恩返

    しになるものと考えている。

    女川町社会福祉協議会

    事務局長佐々木

    茂博

    宮城県

    仮設集会所に設けられたサブセンター

    受託事業と復興支援センター運営

    受託事業と復興支援センター運営

    町全体での生活支援を展開

    町全体での生活支援を展開

    住民の生活課題を把握し

    住民の生活課題を把握し

    心、体、そして生活の支援を

    心、体、そして生活の支援を

    10

  • わたしたちからのメッセージ ~住み慣れた地域で暮らし続けるために~連載

    第13回

    財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会会長 吉村 マサ子

    地域母子会の再興をめざして

    財団法人全国母子寡婦福祉団体協議会(全母子協)は、戦後の昭和25年に、未亡人となられた方々が各地で組織を設立し、その連絡協議機関として、当初は全国未亡人団体協議会との名称で結成されたのが始まりでした。そして、同じ母子・寡婦家庭の母たちが自ら立ち上がり、手を取り合って互いに慰め合い、励まし合い助け合って、ともに進んできた会です。母子家庭の生活の安定に欠かせない母子寡婦福祉法・児童扶養手当法をはじめ、母子家庭のためのさまざまな制度が整った背景には、多くの先輩方の力強い団結と並々ならぬ真摯な活動の歴史がありました。昭和57年に会の名称を現在の名称に改め、現在は東京都品川区に事務所を置き、全国の都道府県・指定都市・中核市に58の加盟団体を有しております。

    もとより、私ども全母子協では、地域に根ざした母子会が一人ひとりとつながって活動し、さらに全国へというネットワークを展開しております。このような取り組みは、『住み慣れた地域で暮らし続けるために』役立ってきたものと確信しております。

    しかし近年、地球規模の災害が発生し、わが国では東日本大震

    災とその後の原子力発電所事故、各地での台風・竜巻その他による大きな被害を受け、また、世界的な金融経済の混乱の波はわが国にも大きな経済不安をもたらし、その結果、社会的弱者である母子家庭の母や子はたいへん切実な立場に立たされております。母子家庭の母は、子どもばかりでなく地元の老親を一人で見ることにもなるなど、現状に踏みとどまるのもやっとで、新たにさまざまな環境を選択して立ち上がれるほど恵まれていないケースが目立ちます。最近では、経済の悪化や政策方針の転換による福祉の削減等の動きが生じており、さらに気がかりとなっています。

    メンバーのボランティアを中心に担われてきた母子会ですが、母子寡婦福祉法に定められた会の運営基盤も維持し難くなるなど、昨今、会の運営の難しさを訴える声が増えたように思います。私どもとしても、これからの会の運営のあり方について改めて考えてまいりますが、このような時代であればなおさらに、一人よりも二人、二人よりも三人と、これからも全国の社会福祉協議会の方々とともに力を合わせて前進していきたいと願っております。

    平成24年度市区町村社会福祉協議会 基幹職員研修会総合相談・生活支援研修会

     本研修会は、個別援助にかかわる専門職として必要な知識・技術を学ぶとともに、個別支援からつながる地域福祉の仕組みづくりや、要援護者を中心にすえ、さまざまなネットワークをつなぎ、総合化させていくソーシャルワークの“ワザ”を、演習を中心としたプログラムにより学びます。

     サロンで地域全体が活性化。サロンで住民の仲間づくりを推進。誰でも気軽に楽しく集うサロン。サロンは地域住民に見える社協活動。サロンを展開し社協活動の起爆剤に。認知症高齢者が参加できるサロン。子育て経験から智恵を共有するサロン。サロンは地域福祉の切り札。

    障害児や家族のニーズに寄り添うサロン。地域づくりを進める拠点サロン。サロンから復興への一歩へ。 これは、平成7年からこの春までに本誌に綴られてきたサロン記事の見出しの一部です。その思い、願い、そして夢を忘れずに編集に取り組みます。(昌)

    インフォメーション

    2012年 7月号 平成24年7月1日発行

    編 集/ 全国社会福祉協議会 地域福祉部発行所/ 地域福祉推進委員会 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル TEL 03-3581-4655 FAX 03-3581-7858発行人/ 村上哲雄   編集人/ 野崎吉康定 価/ 210円(本体価格200円)デザイン・印刷/ 株式会社トライ

    主催:全国社会福祉協議会・地域福祉推進委員会、 滋賀県社会福祉協議会期日:平成24年9月13日(木)~ 14日(金)会場:ピアザ淡海(滋賀県大津市におの浜)対象:⃝ 市区町村社協において福祉サービス利用支援(日常生活自立支援事業、

    生活福祉資金等)をとおして相談支援にかかわる基幹的職員   ⃝市区町村社協において地域支援にかかわる基幹的職員定員:100名  参加費:8,000円  締切:平成24年8月23日(木)申込先:名鉄観光サービス(株)京滋支店 TEL:075-255-2211問合せ:滋賀県社会福祉協議会・地域福祉部 TEL:077-567-3921    全国社会福祉協議会・地域福祉部 TEL:03-3581-4655

    会期:2012年9月26日(水)~ 28日(金)開場時間:10:00 ~ 17:00会場: 東京国際展示場 「東京ビッグサイト 東展示ホール」(東京・江東区有明)入場料:無料・登録制(一部のプログラムは有料)出展: 15か国・1地域540社より 約20,000点の福祉機器を総合展示WEBサイト:http://www.hcr.or.jp

    H.C.R.2012事務局(財)保健福祉広報協会〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-3 新霞が関ビルTel. 03-3580-3052 / Fax. 03-5512-9798

    ●開催内容(予定)❶福祉機器約20,000点を総合展示❷国際シンポジウム「デンマークの税と社会保障(仮題)」を開催 【日時】2012年9月27(木)PM  【会場】東京ビッグサイト 会議棟6階「605-608会議室」❸H.C.R.セミナー  福祉職から一般、福祉利用者、家族を対象に、保健・福祉・介護をテーマに3日間開催。❹H.C.R.出展社プレゼンテーション❺H.C.R.特別企画 ①はじめての福祉機器選び方・使い方セミナー   「基本動作編」「自立支援編」「住宅改修編」を10のテーマに分類し、3日間開催。 ②高齢者の生活支援用品コーナー 高齢者の生活を便利にするグッズなどを紹介。 ③コミュニケーション機器の使い方セミナー(仮題)   携帯電話など身近にあるテクノロジーの福祉的利用方法について解説・実演。 ④ふくしの相談コーナー 福祉機器・リハビリ・自助具の相談コーナーを設置。 ⑤障害児のための「子ども広場」 子ども用福祉機器相談・療育相談も実施 ⑥福祉機器開発最前線 研究・開発中の機器や新製品を紹介 ⑦高齢者世帯向けの手軽な日々の食事   市販の弁当・惣菜も工夫次第で栄養バランスが取れた食事に。各日1回開催。 ⑧ふくしの防災・避難用品コーナー ⑨被災地応援コーナー 東日本大震災で被災した東北地方の障害者授産施設の製品を販売するコーナー。その他、多彩なプログラムを実施。※プログラムは変更されることがあります。最新情報と詳細はH.C.R.Web(http://www.hcr.or.jp)サイ

    トでご確認ください。

    11 2012 NORMA JULY No.258

  • 社協情報

    ノーマ 2012 7月

    NORM

    A No.258

    発信

    いきいきわかて

     小松市は、石川県西南部に広がる、山と海に囲まれた自然豊かな加賀平野の中央に位置し、産業都市として発展し、南加賀の中核を担っています。小松空港、北陸自動車道、JR鉄道などアクセスや物流の利便性を活かし、産業や観光交流人口の拡大を進めています。 市の人口はおよそ11万人、高齢化率は23.9%です。市内には19の地区社協が組織され、ふれあい・いきいきサロンをはじめ、敬老会、福祉講座、一人暮らし高齢者の会食会などを企画し、活発な地域福祉活動が展開されています。

    東とう

    陵りょう

    地区社協の活動

     地区社協の1つ、東陵地区社協の小こ

    枝えだ

    敬けい

    一いち

    会長にお話を伺いました。

    森田:東陵地区は地域福祉活動がとても活発ですが、その理由はなんだとお考えですか。小枝:まず大きな理由として、先輩がたが一生懸命築き上げた地区社協の組織が、現在もしっかりしていることだと思います。森田:今年6月から、東陵版生活支援サービス「シルバーサポート事業」が始まりますが、具体的にはどのような活動ですか。小枝:ゴミ出しや買い物などで困っている

    発行人 

    村上哲雄 編集人 

    野崎吉康

    〒100

    8980 

    東京都千代田区霞が関3

    3

    2

    新霞が関ビル 

    全国社会福祉協議会地域福祉推進委員会

    電話 

    03

    3581

    4655 (地域福祉部)定価210円(本体200円)

    高齢者や障がい者を、近隣の地域住民が支援する活動です。森田:そのような活動を始めようと思ったきっかけはなんですか。小枝:私たちの地区には住宅団地があり、今後、一気に高齢化が進んでいくことが懸念されています。また、今年の3月でこの住宅団地唯一のスーパーマーケットが閉店したことも理由の1つです。森田:2年前に生活・介護支援サポーター養成講座を地区で開催しましたが、その後自主的に地域調査を行い、ニーズ把握にも努めました。皆さんの地域福祉への熱意が伝わります。小枝:これまでも住民同士の支え合いは見られましたが、10年後20年後もそんな支え合いの姿がこの地域で見られるように、今、仕掛けが必要だと思いました。小松市で初めての取り組みなので、役員一同頑張っていきます。

    みんなで支え合える町づくりを目指して

     私自身が仕事をする上で、地域の課題を把握するために、地域に出向くことに遠慮しないようにしています。東陵地区社協のように、課題から必要な支援を生み出す仕事も楽しいですし、例えば日常生活自立支援事業のような個別支援も社協の重要な業務です。「どちらが重要」というのではなく、お互いをうまく組み合わせて、みんなで支え合える町づくりをめざしていきたいです。

    地域が抱える課題から

    必要な支援を考える

    小松市社会福祉協議会(石川県)福祉サービス利用支援事業 専門員

    森田 敏裕

    小松市東陵地区社協長小枝 敬一さん

    産業のまち 小松

    小松市で初めての取り組みとなる「シルバーサポート事業」など、積極的に活動する東陵地区社協のみなさん

    NORMAJULY

    2012

    7特集

    SPECIAL REPORT

    地域福祉の大きな推進力となる

    「ふれあい・いきいきサロン」の活動

    P.6 ●新連載/地域福祉を「計画」的に考え・推進するということ〔第1回〕 社協が地域福祉を「計画」的に考え推進することの意義P.8 ●社協活動最前線 松江市社会福祉協議会(島根県) 社会教育と地域福祉の融合 公民館を拠点とした地区社協活動P.10 ●連載レポート/東日本大震災 被災地社協の現場から〔第3回〕 女川町社会福祉協議会(宮城県)P.11 ●連載 わたしたちからのメッセージ ~住み慣れた地域で暮らし続けるために~〔第13回〕 財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会 地域母子会の再興をめざしてP.12 ●発信 いきいきわかて 小松市社会福祉協議会(石川県) 地域が抱える課題から必要な支援を考える

    社協情報ノーマ No.258

    平成2年10月2日第3種郵便物認可 平成24年7月1日発行(毎月1日)No.258

    P.2