11 月November

No.46

特集 1地域医療推進部より

　『河北医療連携ナビ』（医療機関検索システム）　　導入のお知らせ

APT 講演会のご案内『救急室における 被虐待児対応』～こどもたちを護る為に わたしたちがすべきこと～

特集 3フットケア外来のご案内

表紙記事2014 年度 「病診連携会」 開催報告

特集 2外科腹腔鏡手術と専門外来開設などのご案内

　9 月 4 日に、 病院 ・ 診療所の先生をお招きしての病

診連携会・懇親会を座・高円寺ホールで開催しました。

杉並区、 中野区、 練馬区を中心に 58 の医療機関より

77 名の方にご来場いただきました。 今後も顔の見える

地域連携を更に進めていきます。

2014 年度　「病診連携会」 開催報告

特集 1

　平素は患者さんをご紹介頂きまして誠に有難うございます。

　この度、 地域医療推進部では患者さんの逆紹介を更に推進して

いくための新しいシステムを導入しました。 今回はこの 『河北医療

連携ナビ』 システムについてご紹介致します。

　地域医療推進部では、これまで逆紹介、二人主治医制（地域

連携パスなどを利用した協働診療）推進に重点を置いて取り組

んで参りました。当院で治療が終わった患者さんが滞りなく地

域の医療機関にお戻りになることで、病院・診療所それぞれが

本来の機能に専念できる診療体制づくりを目標としています。

　この逆紹介には、「当院の治療が終わった患者さんをそのま

ま紹介元にお返しするＵターン紹介」、「他の医療機関に転院す

る場合などのＪターン紹介」、そして「かかりつけ医を持たな

い新規のＩターン紹介」があり、『河北医療連携ナビ』は主に

Ｉターン紹介時の医療機関検索のシステムとなります。

　かかりつけ医療機関をお持ちでない患者さんに対しては、診

療科、自宅からの距離、医療処置、専門性など様々な要件を勘

案して紹介先の医療機関を選定していくわけですが、判りやす

く納得して頂けるよう MAP 型の検索システムとし、様々な要件

はチェックボックス式で簡便に検索できるように致しました。

　診療ブース、地域医療室、健康生活支援室のパソコンに設置

し病院内いずれでも検索できるような体制として参ります。

　システムに登録する医療機関情報は『逆紹介に関するアン

ケート』の回答内容を基に作成しておりますので、連携医療機

関の先生方のご意向を反映した紹介ができるものと思っており

ます。

　今後も地域の皆さんに選ばれる病院を目標に努力を重ねて参

りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

　『逆紹介に関するアンケート』については既に回答頂いてい

る診療所様も多数ありますが、システム始動にあたり再度広く

ご回答協力の依頼をさせて頂きます。添付しましたアンケート

用紙にご記入のうえお送り頂けますようお願い致します。アンケートのご回答をいただいた診療所様をマップ上にフラグ表示しています。

検索要件はチェックボックス式で簡便に検索できるようにいたしました。

講 師：井上 信明 先生　東京都立小児総合医療センター　救命救急科医長救急医学、小児科学、国際保健 米国小児救急専門医、米国小児科専門医、公衆衛生学修士（国際保健）、PALS インストラクター、東京 DMAT 隊員、国際緊急援助隊（JDR）登録

日 時：2014 年11月10日 (月 )18:30 ～ 19:30場 所：河北総合病院 西館地下講堂費 用：無料お申込み：所属、氏名、職種、人数、連絡先を FAX でお知らせ下さい。主 催：社会医療法人 河北医療財団 虐待防止委員会（APT） お申込み　FAX 03 － 3339 － 2304（総務課　虐待防止委員会（APT））　お問合せ　TEL 03 － 3339 － 3602（担当：総務課　黒川）

地域医療室課長

古庄　輝朗

*APT とは：Abuse Prevention Team

当院の虐待防止委員会活動を実施するチームの略称です。

地域の先生方も、日頃こういった事例に関わることがあるかと思います。

私達も日々悩みながらですが、共に学びの場にしていけたらと思いますので、是非ご参加下さい。

『河北医療連携ナビ』（医療機関検索システム）導入のお知らせ

地域医療推進部より

特集 2

【腹腔鏡システムを追加導入しました】

　この度、最新の腹腔鏡ビデオシステ

ム OLYMPUS VISERA ELITE を追加導入

致しました。観察性能と取り扱い性能

が向上しており、さらに精緻な手術が

可能になりました。当科では腹腔鏡手

術を積極的に取り入れており、胆嚢摘

出のほとんど、大腸癌待機手術の大部

分、早期胃癌、鼠径ヘルニアの約半数、

肝切除、虫垂切除、直腸脱の一部など

を腹腔鏡下に安全に施行しております

が、今後さらに適応を拡大し、より低

侵襲な治療を推進してゆきたいと考え

ております。

【直腸肛門専門外来を開設しました】

　毎週金曜日午前中に、直腸肛門外来を開設いたしましたので

ご案内いたします。直腸肛門外来では、痔核、裂肛、肛門周囲

膿瘍、痔瘻、直腸脱、肛門ポリープ、直腸癌、肛門癌などの疾

患を対象として、大腸肛門病専門医が診察致します。当院では、

体に優しい低侵襲の治療法を実践しておりますので、ご紹介を

よろしくお願い致します。

　代表的な肛門疾患である痔核に対しましては、当院では、通

常の結紮切除法の他、最新の治療法である痔核硬化療法 ALTA

（ジオン）注射療法および PPH 法を行っており、肛門の状態に

応じて最適な方法を選択します。軽度な場合は外来でゴム輪結

紮による簡易療法も行う場合もあります。

　直腸脱は特に高齢女性に多い疾患で、骨盤底が緩み、直腸の

固定が悪いことが原因です。便秘や排便時のいきみが誘因にな

り発症します。手術以外に治療法はありませんが、高齢のため

しばしば全身状態が問題となります。当科では高齢者の全身管

理に長けておりますので、安心して治療をお任せいただけると

自負しております。当科では、再発のほとんどない根治療法と

して、腹腔鏡下直腸固定術を導入しました。腹腔鏡下に鉗子操

作で直腸を吊り上げ、メッシュを用いて固定します。疼痛や違

和感も少なく、極めて優れた治療法であり、生活の質が格段に

向上します。子宮脱などの骨盤内臓下垂を伴う場合も有用です。

全身麻酔が困難な場合は、脱出直腸の粘膜の縫縮など侵襲の小

さな方法で対処します。

【鼠径ヘルニア専門外来を開設しました】

　第２・４土曜日午後に、鼠径ヘルニア外来を開設いたしまし

たのでご案内いたします。成人鼠径ヘルニアは次第に大きくな

り、手術以外に治療法はありません。また、嵌頓すると腸閉塞

や腸壊死を起すことがありますので、鼠径ヘルニアが疑われる

症例がありましたらご紹介をよろしくお願い致します。

　当科では、最新の治療である腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を

積極的に取り入れています。腹腔内から観察するため、再発例

や複合ヘルニア例でもヘルニアの診断が容易にでき、両側性ヘ

ルニアでも片側ヘルニアと同一の創で手術が可能というメリッ

トがあります。さらに、創が小さく、術後早期の疼痛や慢性疼痛・

違和感が少なく、再発率が低いとされており、早期の社会復帰

が可能です。病態に応じて、鼠径部の皮膚切開創からメッシュ

を挿入して修復する方法を選択する場合もあります。

【大腸がん地域連携パスを導入しました】

　当院は、東京都がん診療連携協力病

院（大腸がん）に指定されております

が、この度、都内医療機関が共通に使

用できる大腸がんの地域連携クリティ

カルパス「東京都医療連携手帳」の運

用を開始しました。これは、大腸がん

患者さんが、手術など専門的な治療を

行った後に使用するもので、患者さん

の 5 年ないし 10 年先までの診療の計

画を立てたものを、一冊の手帳にまと

めたものです。患者さんが医療機関等

を受診する際にこの手帳を持参することにより、専門病院の医

師、かかりつけ医、その他の医療機関等が、患者さんの治療経

過を共有でき、より適切な診療が可能になります。

　利用が適当と判断した大腸術後の患者さんに対し、当院の主

治医が患者さんやご家族に十分に説明し同意を得た上で、手帳

の利用を開始します。日常の診療や症状が落ち着いているとき

の投薬は、かかりつけ医に行っていただきます。手術を受けた

当院へは、節目に受診していただくことになります。患者さん

が何か心配なことなどある場合には、まずはかかりつけ医にご

相談いただき、緊急を要する場合で休日や夜間等でかかりつけ

医を受診できない場合には当院に御連絡いただくことになりま

す。

　詳細に関しましては、当院の地域医療室にお気軽にお問い合

わせください。

外科　部長

梅うめたに

谷　直なおゆき

亨 医師

卒業年度 : 1991 年卒業大学 : 東京大学

主な専門分野

消化器

認定専門医

日本外科学会専門医

日本消化器外科学会専門医・指導医

日本大腸肛門病学会専門医

消化器がん外科治療認定医

東京ストーマリハビリテーション研究会役員

身体障害者福祉法指定医

シグマ [Sigma]発行責任者：清水　利夫　発行：社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院　広報制作室〒 166-8588 東京都杉並区阿佐谷北 1-7-3TEL:03-3339-2121（代）　FAX:03-3339-2928　ホームページ : http://kawakita.or.jp

November 2014 年 10 月 20 日発行

特集 3

足は「第 2 の心臓」と言われています。

こんな方には注意が必要です。　●糖尿病 (合併症：足が見られない、感覚がない、体が

硬くて届かない )のある方

　●動脈硬化・血流障害のある方

　●足が痛い、冷える、かゆい、じんじんする、しびれる方

　●変色がある、膿み、腫れ、悪臭がある方

　●タコ、ウオノメ、水虫、巻爪をくりかえしている方

　●外傷のある方

足病ってどんな病気？　足病は糖尿病性合併症、血流障害、足部・足趾の変形な

どさまざまな原因で起こる足の病気の総称です。

　糖尿病の方は合併症が原因で感覚や視力、感染に対する

免疫力の低下、筋委縮、血流障害の方はキズができた際の

治癒率に大きく左右し、このようなリスクの発見や治療の

遅れにより下肢 (足 )の切断に至ります。

　切断で生活制限されるだけでなく、合併症のある方は切

断後の生命予後も非常に悪く、がん患者に匹敵すると言わ

れております。

　予防をするには早期発見・早期治療が必要で日頃の観察・

フットケアとフットウェア (履物 )の正しい選択や適度な

歩行改善訓練が必要になります。

足病外来の機能 【１】検査

　血流障害、変形、神経障害、感染症などを多角的に評価

【２】治療

足の専門医師による治療と症状に応じた専門外来と連携

【３】装具作成 (フットウエア )

全国 40施設の足専門外来で治療に関わる義肢装具士が対応

【４】フットケア

認定看護師による、胼胝・鶏眼処置、巻き爪、教育など予防を担当

コメント　我が国では従来より、足を大切にするという意識が薄い

という文化的背景があるようです。健やかに人生を送る上

で、「自分の足で歩く」ということは基本的でとても大切

な要素なのではないでしょうか。

　靴擦れや爪白癬、ちょっとしたキズが悪化してしまうこ

とが下肢切断の原因になります。

　糖尿病、透析などのリスクをお持ちの方、足に傷のある

方は、ぜひ早めに専門外来受診を勧めてください。

適切なフットケアで下肢切断は予防できます。

　患者さんとのコミュニケーションを大切にし、足のトラ

ブルに信頼出来る医療でお応えしていきたいと考えており

ます。

診察日時：火曜日・金曜日

診察場所：河北サテライトクリニック

　　　　　５階　皮膚科 /フットケア外来

担　当　医：木下 幹雄　

お問合せ：03-3339-2378

地域医療室でフットケア外来 (木下 )と伝えて

下さい。

11月

杉並医療連携セミナーのご案内

開催日時 開催名称 科目名 内容 演者 会場名

2014 年 12 月 2 日（火）第６回杉並心臓病カンファランス 循環器科『ミクロな循環器とマクロ な循環器肝疾患や心房細 動をモデルとして』

慶応義塾大学 循環内科

香坂　俊 先生新東京会館

お申し込み・お問い合わせ：地域医療室

TEL:03-3339-2378（直通） FAX:03-3339-2986　受付時間：平日（月～土）08:30 ～ 17:00

皮膚科　フットケア外来担当

木下 幹雄　医師