nttコミュニケーションズがちょっと変わったメディアを作ったわけ

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NTTコミュニケーションズがちょっと変 わったメディアを作ったわけ HTML5 Experts.jp 運営の裏側大公開!〜 Devrel Meetup in Tokyo #18(2017.04.05)@21cafe 発表資料

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NTTコミュニケーションズがちょっと変わったメディアを作ったわけ〜HTML5Experts.jp運営の裏側大公開!〜

Devrel Meetup inTokyo#18(2017.04.05)@21cafe発表資料

自己紹介

• 仲 裕介(なかゆうすけ)

• NTTコミュニケーションズ技術開発部所属• エンジニア• HTML5Experts.jp運営• WebRTC PlatformSkyWay TechSol&Devrel

• コミュニティ• WebRTCMeetup Tokyo主催• WebRTC BeginnersTokyo主催

• 4/9にWebRTCハンズオン勉強会をやります!

• Twitter:@Tukimikage

このプレゼンでは・・・・

• HTML5Experts.jpの事をHXと略します。

今日お伝えしたいこと

• HXは自社のブランディングのためにオウンドメディアとコミュニティを活用した、恐らく非常に稀なケースである

• コミュニティとメディアを融合させたHX独自の運営の仕組み

• オウンドメディアだけどオウンドメディアっぽくないメディアを運営してみてのメリット・デメリット

HXとは何か

概要

• Web技術者向けの情報メディアです。

• 2013.07に公開、今年で4年目

•運営母体はNTTコミュニケーションズ

•編集長は白石俊平さん

概要

• キャッチコピー• 日本に、もっとエキスパートを。

• ミッション・ステートメント• エキスパートによる質の高い情報を届ける

• 日本に、一人でも多くのエキスパートを増やす

HXの特徴は3つ

• エキスパートコミュニティを形成している• コミュニティと編集部は密接に対話しながら、記事執筆やレビュー、各種企画を実現

•限りなく非営利に近い• 広告収入などを目的としたメディアではないので、コンテンツや運営方針が営利的なロジックに左右されず、ミッションを追求できる

•限りなく中立に近い• 運営母体はNTTコミュニケーションズですが、同社含めて特定企業や団体に偏った情報発信を行わず中立性を維持

HXのこだわり1

•顔の見えるメディア• 業界のエキスパートが発信することに価値がある

• Qiitaや個人ブログが増えてきて誰でも気軽に技術情報を発信できる昨今、情報は同じエンジニア目線発信するしているからこそ、価値を持つようになってきた

HXのこだわり2

•成長するエキスパートコミュニティ• HXでは記事の執筆者であるエキスパート、コントリビューターの方々とコミュニティを運営

情報発信

①記事執筆

エキスパート

②更なる知名度向上

①記事執筆

コントリビューター

②知名度向上

③コントリビューターからエキスパートへ

HXの運営

一般的な商業メディア

Media

読者 読者 読者 読者 読者

ライター ライター ライター•運営の主体はメディア自身• 「書く人」と「読む人」を仲介する

編集

HXの場合

• エキスパートコミュニティと編集部が一体となってメディアを運営している• ライターは直接メディアに投稿できる

• もちろん編集部による提案やアドバイス、校正も入る

• 公開権限は編集部メンバのみ• 公開前にコミュニティ内で有識者によるレビューを実施

読者 読者 読者 読者 読者

エキスパートコミュニティ

Media

ライター ライター ライター 編集

HXの場合

• コミュニティ運営はSlack• 編集部は記事企画を募集• エキスパートから執筆提案• 週間PV数等のAnalytics情報の公開• Botを使った執筆締め切りの管理(まだ試験運用中なので調子悪いw

HXの場合

•他のメディアには無い独自の取り組み• 自らのメディアを使った体当たり企画• メディアのバックエンドのシステムも編集部で開発、運用

• 非営利中立、隠すものはほぼ無いw

HXの場合

•他のメディアには無い独自の取り組み• エキスパートや読者巻き込み、リアルイベントを定期開催

• イベントの模様は記事として公開

(余談)HX編集部主要メンバ

• babaさん以外エンジニア、メディア運営は素人

babaさん、CodeIQMagazine等で有名。唯一のプロですw

みんな本業はエンジニアw

HXを始めた理由

業界でのプレゼンスを向上させたい…

• 2012年、NTTコミュニケーションズの研究開発部門でHTML5に関する研究開発をするチームが発足した。

• 得意分野である通信やクラウドを活用して、更に上位レイヤのサービスでも存在感を出していきたい、そのために新しい技術を味見したり、プロトタイプサービスを開発したりすることがミッション

• しかし、NTTコミュニケーションズは通信やクラウドの会社だという世間一般的な認識の中で、この業界でプレゼンスを高めることは想像以上に難しい…

新しいことにチャレンジしたい白石さん現る!

• NTTコミュニケーションズと白石俊平編集長の思惑が見事に一致• NTTコミュニケーションズは、HTML5やWeb技術を始めとするサービスやアプリケーションレイヤでのプレゼンスを向上していきたい!

• 白石さんは、コミュニティ運営のノウハウ、エキスパートとの人脈、ライター経験等を活かして新しいことにチャレンジしたい!

2013.7.10ローンチ!

メディアを4年間運営してみて

良かったこと

• メディアとして認知されるようになってきた• 多くはないけど、RSS購読などを含め定期的に読んで頂ける読者がいる

• ミッション・ステートメントに沿った運営ができている• 質の高い情報、オリジナリティあるコンテンツを読者に提供• エキスパートコミュニティの方々に情報発信の場を提供

• メディア運営のノウハウが少しづつ溜まってきた• まだま素人ですけどね・・・・

NTTコミュニケーションズとして良かったこと

• エキスパートコミュニティの方々との交流が継続して出来ている• それによってJobChangeしちゃった人もw

•技術者コミュニティへの露出も増え、HTML5☓NTTComというイメージも定着した• オウンドメディアだけど、非営利中立というオウンドメディアっぽくないメリットはこういう所に活きてきている

課題

•読者が求めるコンテンツを継続提供する事(メディア全般に言えると思いますが・・・)• 技術者向けの情報は個人でも容易に発信できる時代であり、例えば、やってみた系の記事をメディアが発信する事へのニーズはなくなってきている(気がする

• HXだから、HXしか発信できないコンテンツを常に追い求める必要がある

• メディアとしてのKPIをどこに置くか未だに明確に決まっていない• 非営利なので広告収入、そのためのPV数獲得などのKPIはありません• コミュニティ運営と同じで、目指すものがなければマンネリ化してきます

(参考)HXのKPI

• メディアとしてのバリュー• エキスパートのノウハウを記事としてアウトプット

• エキスパートコミュニティを充実化する• これらを繰り返すことで新しい情報を読者に届ける

• このバリューを最大化させるKPIを設定する必要がある• 去年のこの記事は、実はHXがKPIを設定したいがためにコンサルしてもらったものを、面白そうなので記事化しちゃいましたw

NTTコミュニケーションズとしての課題

•非営利中立を追求したため、なかなか自社のPRに活用できない• オウンドメディアだけど、オウンドメディアっぽくないデメリットの1つ• 裏返していうと、HXで取り上げるべき新しい価値を、NTTコミュニケーションズ自身がまだ世の中に提供できていないとも言える

まとめ

今日お伝えしたかったこと

• HXは自社のブランディングのためにオウンドメディアとコミュニティを活用した、恐らく非常に稀なケースである

• コミュニティとメディアを融合させたHX独自の運営の仕組み

• オウンドメディアだけどオウンドメディアっぽくないメディアを運営してみてのメリット・デメリット

最後に

•HXでは執筆者を大募集中です!• 興味がある方は@Tukimikageまでご連絡下さい。