「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の...

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「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正等について(概要)」 に対して寄せられたご意見について 30年3月22日 厚生労働省 社会・援護局 厚生労働省では、「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正 等」について、平成 30 年2月5日から3月6日までご意見を募集したところ、405 件のご 意見をいただきました。 お寄せいただいたご意見とそれに対する当省の考え方について、別紙のとおり取りまとめ ましたので、公表いたします。 取りまとめの都合上、いただいたご意見は、適宜要約しております。また、パブリックコ メントの対象となる事項についてのみ考え方を示させていただきます。 ご意見をお寄せいただきました皆様に御礼申し上げます。

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Page 1: 「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の ...平成30年3月 22日 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 厚生労働省では、「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正

「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正等について(概要)」

に対して寄せられたご意見について

平 成 3 0 年 3 月 2 2 日

厚生労働省 社会・援護局

障 害 保 健 福 祉 部

厚生労働省では、「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う関係告示の一部改正

等」について、平成 30 年2月5日から3月6日までご意見を募集したところ、405 件のご

意見をいただきました。

お寄せいただいたご意見とそれに対する当省の考え方について、別紙のとおり取りまとめ

ましたので、公表いたします。

取りまとめの都合上、いただいたご意見は、適宜要約しております。また、パブリックコ

メントの対象となる事項についてのみ考え方を示させていただきます。

ご意見をお寄せいただきました皆様に御礼申し上げます。

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(別紙)

ご意見の内容 ご意見等に対する考え方

1.新設サービスについて

就労定着支援の基本報酬を就労定着率(過去

3年間の就労定着支援の総利用者数のうち前年

度末時点での就労が継続している者の数の割

合)に応じて評価することとしているが、仕事

の長期継続が難しい人こそ、就労定着支援事業

の支援を受けるべきであり、算出方法の見直し

を求める。

就労定着支援については、障害のある方の職場

への定着及び就労の継続を図るため、企業、医療

機関等との連絡調整や就労に伴い生じた生活面等

の課題解決に向けて相談・助言等の支援を行う障

害福祉サービスとして創設するものです。このた

め、障害のある方ができる限り長く働き続けられ

るよう支援することが重要であることから、就労

定着率が高い事業所ほど高い基本報酬とします。

なお、就労定着率を高くするため、利用者を選

別することは、サービス提供拒否となるため、指

定基準上認められません。

新規指定の場合における就労定着支援の基本

報酬の区分である就労定着率はどのように算出

するのか。

新規指定の場合は、新規指定の申請日の前月か

ら過去3年の一般就労者数のうち申請日の前月末

で就労が継続している者の割合を就労定着率とし

ます。

職場適応援助者養成研修修了者配置体制加算

は、該当する職員が週に1時間でも勤務してい

れば加算の対象となるのか。

勤務時間数にかかわらず、就労定着支援員とし

て従事する者を配置していれば加算対象としま

す。

同一法人が運営する他の就労移行支援事業所

等の利用後に一般就労した障害者の利用は認め

られるのか。

認められます。

就労定着実績体制加算算出に当たっての母数

は、何になるのか。

当該加算は、過去6年間において指定就労定着

支援の利用を終了した者が母数となり、そのうち

雇用された通常の事業所に 42 月以上 78 月未満の

期間継続して就労している者又は就労していた者

の占める割合が前年度において 100分の 70以上と

して都道府県知事に届け出た指定就労定着支援事

業所において、指定就労定着支援を行った場合に、

1月につき所定単位数を加算するものです。

就労定着支援における定着率について、引っ

越しによってやむを得ず離職する場合があるた

め、算定から除外する等してほしい。

引っ越しによる離職についても、就労定着を図

るという事業目的に照らして就労定着ができてい

ないという事実があるため、定着していないもの

とみなされます。

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就労定着支援についても処遇改善加算を設け

てはどうか。

就労定着支援員は常勤換算方法での配置として

おり、基本的には一体的に運営する就労移行支援

等の事業所に配置される人員が兼務することを想

定していることから、処遇改善については一体的

に運営する事業所の方で評価するという考え方と

しています。

自立生活援助の報酬が不十分ではないか。 自立生活援助サービス費は、想定される業務内

容や業務量等を踏まえ設定したものであり、業務

量が集中する利用開始月や同行支援を行った月は

加算で評価することとしており、適正な報酬とな

っています。

自立生活援助サービス費設定の根拠となる利

用者数は何を指しているのか。新規指定の場合

はどうなるのか。

自立生活援助サービス費設定の根拠となる利用

者数は「前年度の全利用者の延べ数を当該前年度

の開所月数で除して得た数」となります。

なお、新規指定の場合は、指定申請の際に登録

する利用者の推定数の 90%となります。

自立生活援助における福祉専門職員配置等加

算の算定にあたり、常勤で他のサービスの従業

者を兼務している支援員については従来どおり

50%以上の勤務実績で判断するのか。

福祉専門職員配置等加算に関して、複数事業所

を兼務する常勤の直接処遇職員の取扱いは、従来

どおり、1週間の勤務時間の2分の1を超えて勤

務する事業所において評価することになります。

自立生活援助サービス費について、退所等の

日から1年以上又は1年未満で報酬を決めるの

ではなく、既に地域で暮らしている方も含め、

サービスの利用期間で報酬を決めてほしい。

自立生活援助サービス費については、障害者支

援施設等から移行した直後(退所等の日から1年

以内)の関係機関との連絡調整や地域住民との関

係づくりに要する業務量を評価しています。また、

退所等の日から1年を経過している障害者や地域

生活を継続している障害者に対して支援を開始す

る場合については、業務量が集中することを評価

するため、初回加算を設けることとしています。

自立生活援助の同行支援加算については、利

用者が居宅から外出した際に支援を行った月に

加算となっているが、利用者によっては月に複

数回の利用がある場合もあることから、月単位

ではなく、回数ごとでの加算としてほしい。

自立生活援助における同行支援については、行

き先や支援内容等が、利用者の状況によって大き

く異なることから、回数に応じた単位ではなく、

月単位の包括的な報酬としています。

自立生活援助サービス利用が終了した利用者

に対して、円滑な地域生活を送る為に関係機関

との連絡調整が必要となる場合があるため、サ

ービス終了後に関係機関との連絡調整や相談援

助などを行った場合等を評価する加算の創設を

自立生活援助の利用が終了した後、自立生活援

助事業所による支援を報酬で評価することはでき

ません。なお、地域生活を継続するための支援が

必要な者については、地域定着支援を利用するこ

とを想定しています。

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お願いしたい。

2.共生型サービスについて

安全性の確保の観点から、障害者、障害児、

高齢者を同じ集団の中で日常的に支援するべき

ではないと考えるが、制度上は同じ集団内での

支援を許容しているのか。

共生型サービスは、要介護者、障害者及び障害

児に対して同じ場所でサービスを提供することを

想定しております。なお、適切なサービスの提供

及び安全性の確保等の観点から、共生型サービス

の対象サービスを、介護保険と障害福祉両方の制

度に相互に共通するサービスであり、原則として

現行の基準該当サービスとして位置づけられてい

るサービスとしています。

サービス管理責任者が地域に貢献する活動に

従事する場合、常勤専従要件違反にならないか。

サービス管理責任者が地域に貢献する活動に従

事する時間につきましては、専従要件違反にはあ

たりません。活動内容に応じて常勤時間に含むか

否かを判断することになります。

今回の「共生型サービス」の創設により、障

害福祉の日中支援に、多くの介護保険事業者が

参入することが予想される。もうけ本位の事業

者が参入してこないか不安である。

共生型障害福祉サービスの報酬につきまして

は、本来的な障害福祉サービス事業所の基準を満

たしていないため、本来報酬単価と区別をして設

定しますが、障害者へのサービスの質の確保のた

め、例えばサービス管理責任者を配置している場

合等を加算で評価する予定です。また、共生型サ

ービス事業所については、指定障害福祉サービス

事業所で算定可能な加算について、基本的に同様

に算定が可能になります。

共生型サービスについて、65歳を超えた方が

共生型介護保険サービス事業所を利用する場合

の報酬について、介護認定と障害支援区分の認

定基準の違いもあり、現状の報酬を大きく下回

ることになる可能性がある。同じサービスを提

供して大きな報酬減少になるのであれば積極的

に取り組まない方が良いという考え方になって

しまいかねない。障害福祉サービスから別途特

別な加算があるとサービスの拡大につながると

考える。

指定障害福祉サービス事業所が介護保険法に基

づく共生型介護保険サービスを行う場合の報酬に

ついては、障害者が 65歳に到達して介護保険に切

り替わる際に事業所の報酬が大きく減ることは適

切ではないことから、概ね障害福祉制度における

報酬と同等の水準で単位設定しています。

3.地域生活支援拠点等

地域生活支援拠点の要件は何か。市町村が自

由に認定してよいのか。

地域生活支援拠点等の整備に当たっては、支援

困難な障害者等の受け入れを前提として、原則と

して5つの機能(①相談②緊急時の受け入れ・対

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応③体験の機会・場④専門的人材の確保・養成⑤

地域の体制づくり)全てを備えることを基本的な

要件としていますが、地域の実情を踏まえ、必要

な機能の判断は最終的に市町村が行うこととして

います。

「地域生活支援拠点等相談強化加算」につい

て、短期入所につないだ場合のみ算定とされて

いるが、家族の疾病・虐待ケース等の対応では

通常、短期入所だけでなく並行してグループホ

ームにも受入れを打診する場合が殆どであるこ

とから、グループホームでの受入れにつないだ

場合も対象としてほしい。

地域生活支援拠点等相談強化加算については、

地域生活支援拠点等における相談の機能を強化す

る観点から、特定相談支援事業所や障害児相談支

援事業所コーディネーターの役割を担う相談支援

員を配置し、障害者からの相談を受け、当該特定

相談支援事業所等と連携する短期入所事業所への

緊急時の受入れの対応を行うことを評価するもの

です。グループホームに併設されている短期入所

事業所及びグループホームの空きベッドを利用し

た空床型の短期入所事業所においても加算の算定

が可能です。

重度障害者支援加算を生活介護に創設すると

しているが、そのうち、障害者支援施設が行う

生活介護を除くとしたのはなぜか。

障害者支援施設においては、利用者に対する支

援が1日を通じて適切に確保されるよう、施設入

所支援サービス費において重度障害者支援加算を

既に設けており、施設の重度障害者に対する支援

に関する評価はそちらで行っているため、今回生

活介護サービス費で創設する重度障害者支援加算

においては、障害者支援施設が行う生活介護を対

象外としています。

地域生活支援拠点等における地域体制強化共

同支援加算が新設されたが、これは共同で対応

している全ての特定相談支援事業所が受け取れ

るのか。また特定相談支援への加算であるもの

の調整や受入れで実働して頂いた事業所に対し

ても費用を支払うことができるようにするなど

協議会内での柔軟な運用を可能としてほしい。

加算の対象となる利用者に対して個別支援計画

の作成を行った特定相談支援事業所が算定可能で

あり、共同で対応をした事業所等に分配すること

も想定しています。

地域体制強化共同支援加算について、支援の

困難度合いによって終結までにかかる期間は異

なることから期間制限を設けないでほしい。

当該加算は、一月に1回までの算定という制限

はあるものの、利用者一人に関する調整・協議の

期間についての制限はございません。

地域体制強化共同支援加算について、実際に

有意義な活動が行われたかどうかをどのように

判断していくのか示してほしい。

支援困難事例等についての課題検討を通じ、地

域課題の明確化と解決に向けて、情報共有等を行

い、共同で対応していることが有意義であると考

えられるため、当該取り組みを算定要件として、

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協議会に報告することをもって評価することとす

る予定です。

4.障害福祉サービス等における横断的事項

○ 食事提供体制加算は実態調査を行った上で

再検討するとされているが、障害基礎年金2

級の人はこの加算がなくなると、何かあった

ときに医療費も払えない状態になったり、高

齢になってオムツが必要になったときにもお

金が無くてオムツも買えない状態になってし

まう。食事提供体制加算は止めないでほしい。

○ 健常者も障害者も食事をしなければ生きて

いけないため、障害の有無に関わらず、食費

は負担しなければならないものであることか

ら、福祉サービスを利用している時間は障害

者というだけで食費が税金で支払われるのは

大変不公平だと感じるため、食事提供体制加

算の継続に反対である。加算の減額や廃止を

検討してほしい。

食事提供体制加算については、障害福祉サービ

ス等改定検討チームの議論の結果等を踏まえ、今

回の改定では継続することとしました。

送迎加算について、自動車維持費等が減少し

ているという理由で引き下げる案となっている

が、原油やガソリン価格は上昇傾向であり、中

山間地域や雪の多い地域では悪路を走行するこ

とが多いため燃費も伸びず、むしろコストが増

加しているため、むしろ引き上げるべきではな

いか。また、重度障害者への送迎は、そのため

の体制を整える必要があるため、更に評価して

ほしい。

送迎加算については、年ベースでの自動車維持

費が減少していることから一定の適正化を図り、

その上で、生活介護における送迎については、重

度者等を送迎した場合に更に評価を行います。

一人でも車中支援が必要な利用者がいればそ

のための体制を整えた上で送迎を行う必要があ

るため、生活介護の送迎加算の重度加算の算定

基準の割合を引き下げるか、個別の加算として

ほしい。

重度者等への送迎が一定割合以上である事業所

においては、送迎にかかるコスト等が高くなるこ

とから、当該場合に対する更なる評価を設けてい

ます。

身体拘束廃止未実施減算について、「記録をし

ていない場合」とあるが、身体拘束を行ってい

ない場合にも記録をしていく必要があるのか。

また、「身体拘束等に係る記録」に関してどのよ

うな場合にどのような記載が求められるのか。

身体拘束廃止未実施減算については、身体拘束

を行った場合で記録をしていない場合に減算する

ものです。また、「身体拘束等に係る記録」とは

は、各サービスの指定基準上で記録が求められて

いる、身体拘束の「態様及び時間、その際の利用

者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その

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他必要な事項」を指します。

地域別最低賃金の引き上げが行われており、

毎年人件費が上昇しているにもかかわらず、今

回の改定においては、報酬1単位単価は基本的

には上がっていない。このため、「最低賃金の地

域区分と報酬1単位単価の地域区分を同一にす

る」、「報酬1単位単価を最低賃金と同じく引き

上げをする」必要がある。

平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定にお

いては、前回改定以降の賃金の上昇傾向を踏まえ、

基本報酬の単位数を設定しております。

一部の自治体は今回の改定で級地が下がる

が、級地が下がるとサービス提供時間が短い場

合、報酬が大幅に減額されてしまうため、報酬

をとることを目的に利用者本位の支援ではな

く、事業所の都合を優先し、無意味に長時間支

援することも起こりうることから、本来の趣旨

に逆行するのではないか。

障害福祉サービス等報酬における地域区分は、

今回の報酬改定において、類似制度である介護保

険サービスにおける地域区分との均衡を考慮し、

介護の地域区分の考え方に合わせ見直していま

す。

その上で、上乗せ割合が引き上がる(引き下が

る)自治体においては、報酬単価の大幅な変更を

緩和する観点から、自治体の意見を聴取した上で、

経過措置として、平成 32年度末までの間、見直し

前の上乗せ割合と見直し後の上乗せ割合の範囲内

で自治体が選択した区分を設定できるようにして

おり、見直し後の地域区分については、それぞれ

の自治体が地域の実情に応じて設定したもので

す。

現在の処遇改善の単価では全く人材は確保で

きないため、増額してほしい。

福祉・介護職員処遇改善加算については、これ

までも財源を確保しつつ着実に実施しており、平

成 29年度には臨時に報酬改定を行い、月額平均1

万円相当の処遇改善を実施したところです。

また、今後、平成 29 年 12 月8日に閣議決定さ

れた「新しい経済政策パッケージ」に基づき、引

き続き福祉・介護職員の処遇改善に取り組むこと

としております。

5.訪問系サービス

重度訪問介護に係る病院等に入院中の支援の

評価について、入院前後に支給量変更の手続き

等ができにくい状態にあることから、在宅時と

同じ支給量のまま利用できるよう自治体に周知

するとともに、重訪事業所が未だにない自治体

重度訪問介護の利用者が、病院等に入院又は入

所して重度訪問介護を利用する場合は、改めて支

給決定を行う必要はありません。

また、今般の制度改正は、最重度の障害がある

方が入院される場合に、入院前から重度訪問介護

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も多いことから、地域格差を生じることのない

よう、重度訪問介護の利用者に限定せず、重度

訪問介護の対象者も対象としてほしい。

を利用している方について、ご本人の状態等を熟

知したヘルパーにより、入院中も引き続き重度訪

問介護の支援を受けられるようにするものです

が、入院前に重度訪問介護を利用していない方に

ついては、このような状況にないことから、今回

のヘルパー利用の対象としないこととしていま

す。

重度訪問介護について、入院中の支援内容は

幅広く対象としてほしい。

支援内容については、具体的にどのような支援

を行うかについて、個々の利用者の症状等に応じ

て、病院等で提供される治療等の療養の給付等に

影響がないように病院等の職員と十分に調整した

上で行うことになります。

重度障害者の入院時利用については、ヘルパ

ーが利用者の体調の変化等を即座に察知し、医

師・看護師へ症状を正確に伝える必要がありま

す。医療連携の必要性の観点からも、重度訪問

介護で認められている「見守り支援」について、

入院時支援においても報酬評価されるというこ

とを、留意事項等で明記・周知してほしい。

意思疎通支援等を適切に行うために利用者の見

守りを行っている時間については、報酬の算定と

なります。今後通知等においてお示しします。

病院等に入院中の支援の評価について、対象

者が区分6に限定されましたが、他の区分4、

5の人にもニーズがある。個別のケースに対応

可能な枠組みにしてほしい。

対象者を区分6の方とすることについては、制

度の持続可能性を確保しつつ、真に必要な支援を

提供していくため、今回の制度改正においては、

最重度の障害のある方に対する支援について最大

限配慮したところです。

入院が決まり、自治体の窓口に行った際、「入

院中に重度訪問介護は使えません。」といわれる

ことがないよう、入院中の利用を認めることに

なった趣旨や経緯を自治体に丁寧に周知してほ

しい。

入院中における重度訪問介護の利用について、

その運営等に関して通知等でお示しします。

意思疎通が困難な利用者等への同行支援の評

価について、具体的な運用において、「熟練ヘル

パー」の要件はどう設定するのか。

熟練したヘルパーについては、当該利用者の障

害特性を理解し、適切な介護が提供できる者であ

り、かつ、当該利用者へのサービスについて利用

者から十分な評価がある重度訪問介護従業者であ

ることを要件とします。

意思疎通が困難な利用者等への同行支援の評

価について、「新規に採用」とは雇用のことでは

なく、対象利用者の重度訪問介護に新たに従事

させることとの理解でよいか。

今回の改正の対象となるのは、重度訪問介護事

業所に新規に雇用された職員であり、新たに従事

させた職員ではありません。

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同一建物等に居住する利用者等へのサービス

提供に対する評価の適正化について、「同一建物

等」の具体的な例示を示してほしい。

集合住宅の1階部分に事業所がある場合などが

考えられます。

同一建物等への利用者等に提供した場合の減

算について、減算を直ちに実施すると現場への

負担が増えるため、3年の経過措置を設けてほ

しい。

今般の改正では、居宅介護事業所が所在する建

物と同一建物等に居住する利用者または同一建物

に居住する一定数以上の利用者に対しサービス提

供する場合に、移動等の労力が軽減されることか

ら減算を行うことで居宅介護の報酬の適正化を図

ったものであるので、経過措置は設けません。

同行援護、行動援護で重度障害者を支援して

いるが、基本報酬が低すぎると感じるため、引

き上げてほしい。

既存の同行援護、行動援護については、収支差

率が高い状況であるため、基本報酬の引き上げは

行いませんが、同行援護において盲ろう者の方や

障害支援区分3以上の方に対して支援した場合の

加算を新設する等、重度障害者に対する支援の充

実を行います。

重度障害者等包括支援事業について、サービ

ス提供責任者の位置づけを変更される点につい

て、計画相談の相談支援専門員との兼務を認め

ないということか。

サービス提供責任者について、今回の改定後に

おいて計画相談支援の相談支援専門員との兼務は

可能です。

盲ろう者の中には、同行援護しか利用してお

らず障害支援区分が出ていない方や障害支援区

分3以上が出ていない方も考えられることか

ら、障害支援区分3の場合の加算に、聴覚障害

5級以上も加えてほしい。

盲ろう者の方の支援は、盲ろう者向け通訳・介

助員が盲ろう者の方を支援した場合の加算により

評価しており、特に身体介護が困難な方への支援

については別途加算を創設したものであるため、

障害支援区分3の者を支援した場合の加算の要件

に聴覚障害5級以上の方は含まれません。

精神障害を抱える当事者の生活の幅を狭める

ことがないよう、今後介護保険サービスの訪問

介護と同軸で考えず、あくまで障害福祉分野に

おける居宅介護の実情に沿った検討をしてほし

い。

障害福祉サービスの居宅介護については、障害

特性等に配慮した検討を引き続き行っていきま

す。

6.日中活動系サービス

生活介護は重度障害者にとって重要な「日中

の暮らしの場、つながりの場」となっており、

また、施設・病院からの地域移行や在宅での引

きこもりからの通所の場合、短時間からスター

トするのが通常である。今回初めて生活介護で

短時間利用の減算が導入されようとしている

が、個々のニーズ・生活パターンが歪められた

今回の見直しに当たっては、関係団体等から御

意見をうかがった上で、当該減算の対象となる利

用者数を算定する際には、障害特性等により長時

間の利用が難しい利用者については算定から除外

できることとするなど、一律な算定方法とならな

いようにいたします。

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り日中の場を失うことが決してないよう、障害

特性等やむを得ない事由での短時間利用は除外

してほしい。

運営している生活介護事業所において、現在、

支援員間の意思統一を図り支援の質を確保する

ために、毎週土曜日は利用時間を短縮し、残り

の時間を職員会議の時間に充てている。しかし、

今回の報酬改定により、このような場合も短時

間利用減算の対象になってしまうため、減算の

対象から除いてほしい。

運営規程に営業時間を明示した上で、特例的に

短時間開所の日を設けている場合等については、

平均利用時間の算定から外すなど柔軟な取り扱い

ができるよう周知します。

重度児者対応支援加算は、事業者の見込みの

届け出のみで算定できるのか。

重度児者対応支援加算については、実際に支援

が行われた日において、障害支援区分5若しくは

区分6又は障害児支援区分3に該当する利用者の

数が全利用者の 100分の 50以上であった場合につ

いて、算定が可能です。

福祉型強化型短期入所サービスは、医療的ケ

アが必要な利用者を受け入れるための制度とあ

るが、看護職員は常勤換算で1以上とのことな

ので、医ケア児の利用時間を通じての配置は必

須ではないとの趣旨か。

福祉型強化短期入所サービス費の算定に当たっ

ては、看護職員が常勤換算で1以上配置されてい

れば、医療的ケアが必要な利用者の利用時間に関

わらず算定が可能です。

入所施設の不足等により、短期入所の長期利

用は必要なケースが多い。実際にこれまでの実

績で空きができれば入所に切り替えており、1

年間の猶予期間とせずに実際のニーズで判断し

てほしい。

短期入所の長期利用については、短期入所の本

来の趣旨や実態を踏まえて、適正化を図ることと

していますが、介護者が急病や事故により長期間

入院することとなった場合等はやむを得ない事情

による長期利用については一定の配慮を行うこと

としています。

短期入所の長期利用の制限について、今回の

改定で 30日が限度と示されたが、連続して 30

日利用した後、1日以上利用しない期間があれ

ば、再度連続した 30日以内の利用は可能となる

のか。

連続して 30日利用した後、1日以上利用しない

期間があれば、再度連続した 30日以内の利用は可

能とします。

長期(連続)利用日数の上限設定について、

現在の障害福祉サービス利用者の状況を明らか

にした上で説明すべきである。単に介護保険サ

ービスと同じ扱いにするだけでは、利用制限を

するだけになる。長期で短期入所を利用しなけ

ればいけない状況を改善するための施策を打ち

出すべきである。

長期利用の理由について、平成 28年度改定検証

調査の結果においては、「介護者の高齢化、体調

不良等による介護力の低下で自宅に戻ることが困

難」等の理由が挙げられています。

長期利用については、短期入所の本来の趣旨や

実態を踏まえて、適正化を図るものですが、介護

者が急病や事故により長期間入院することとなっ

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た場合など、やむを得ない事情による長期利用に

ついての一定の配慮を行います。

医療型短期入所について、このたび示された

障害福祉サービス費の報酬改定案によると、基

本報酬の増額はされたものの、「医療型短期入

所」の運営を安定させるには、さらなる上積み

が必要であると考える。

今回の報酬改定では、医療型短期入所について、

基本報酬の増額のほか、医療的ケアが必要な障害

児者の受入れを積極的に支援するため、看護職員

を配置し、医療的ケアが必要な障害児者を受入れ

た場合の短期入所の新たな報酬区分として、「福

祉型強化短期入所サービス費」を創設します。こ

の福祉型強化短期入所においては、医療的ケアが

必要な利用者を受け入れた場合や、重度な障害児

者を一定割合受け入れる場合について、支援の負

担を評価する加算を併せて創設し、医療的ケアが

必要な利用者への支援を強化します。

7.施設系・居住系サービス

日中サービス支援型グループホームの報酬が

不十分ではないか。

日中サービス支援型共同生活援助サービス費

は、既存の共同生活援助の基本報酬を踏まえ、日

中・夜間の支援等に必要な報酬を含めたものであ

り、適正な報酬となっています。

夜勤職員配置体制加算について、算定要件を

満たす夜勤職員の数を越えて配置している場合

の評価はされないため、一人増えるごとにさら

に単位が追加されるようにしてほしい。

夜間業務については、利用者の重度化・高齢化

に伴う業務負担の増加や日中業務とは異なる負担

感や勤務態勢であることを踏まえ、夜間支援体制

をより適切に評価するため、夜勤職員配置体制加

算の単位数を引き上げるところです。職員の加配

に対する更なる評価については、支援に必要な人

員数等を慎重に検討していく必要があります。

重度・高齢に対応した類型が新設されるが、

既存の共同生活援助についても、重度障害者に

対する支援が低下しないよう、基本報酬を引き

上げてほしい。

既存の共同生活援助については、平成 27年度報

酬改定において区分4以上の基本報酬を引き上げ

ており、その結果、収支差率が高い状況であるた

め、基本報酬の引き上げは行いませんが、看護職

員を常勤配置した場合の加算を新設する等、重度

障害者に対する支援の充実を図っています。

来年度から精神障害者地域移行特別加算が新

設されるが、このような改定以前の時期に当該

加算の要件を満たした場合も加算の対象として

考慮してほしい。

平成 30 年度報酬改定は、平成 30 年4月から適

用されるため、それ以前に要件を満たした場合に

ついては加算の対象外となります。

共同生活援助の基本報酬の引き下げは、実情

に合っていない。特に、区分1以下の大幅な減

額は納得できない。

共同生活援助にかかる平成 30年度報酬改定は、

報酬改定検討チームの議論を踏まえ、重度・高齢

の利用者への支援の充実等を図るとともに、経営

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実態を踏まえ、基本報酬の見直しを行っています。

共同生活援助の精神障害者地域移行特別加算

の算定にあたり、精神科病院への入院歴はどの

ような方法で確認・証明を求めるのか。また、

相談援助や個別支援を行う専門職は、事業所の

従事者であることを要するのか。

精神障害者地域移行特別加算の算定対象者の確

認は、支給決定の際に、市町村が行うことを想定

しており、診断書等による証明を必須とはしませ

ん。また、当該共同生活援助事業所の従業者とし

て社会福祉士等を配置する必要があります。

精神障害者地域移行特別加算は、社会福祉士、

精神保健福祉士又は公認心理師等が支援を行う

ことになっているが、精神科作業療法は精神障

害者の社会復帰に有効であるため、作業療法士

も含めるべきである。

精神障害者地域移行特別加算は、住まいの場で

あるグループホームにおいて、社会福祉士等が日

常生活に関する相談や助言等の支援を行うことを

評価する加算であるため、作業療法士等の訓練等

を行う職種は要件に含めておりません。

共同生活援助の強度行動障害者地域移行特別

加算は、強度行動障害の有無は誰がどのように

判定するのか。

精神障害者地域移行特別加算の算定対象者の確

認は、支給決定の際に、市町村が行うことを想定

しております。

日中サービス支援型共同生活援助について、

既存の類型と同様、定員8名以上の場合の大規

模住居等減算を適用することを必須にすること

が必要と考える。

日中サービス支援型共同生活援助は、共同生活

住居ごとの独立性が確保されている等の場合に、

1つの建物に複数の共同生活住居を設け、入居定

員の合計を 20 人以下とすることを認める類型で

あるため、大規模住居等減算は 21人以上の場合に

適用することとしています。

日中サービス支援型共同生活援助について、

他類型のグループホームと同様、夜間支援体制

加算等の各加算を算定できるようにしてほし

い。

日中サービス支援型共同生活援助は、運営基準

や支援内容等を踏まえ、基本報酬や加算を設定し

ており、既存の共同生活援助と全く同じ加算を算

定することはできません。

日中サービス支援型共同生活援助の新たな加

算「夜勤職員加配加算」「看護職員配置加算」の

算定要件は事業所単位か、それとも住居単位か。

夜勤職員加配加算は「住居」、看護職員配置加

算は「事業所」を算定要件の単位としています。

8.訓練系サービス

自立訓練(機能訓練)のリハビリテーション

加算の見直しについて、「頸髄損傷による四肢の

麻痺等」とあり、対象が頸髄損傷を原因とする

ものに限るかのように読み取れるが、原因では

なく状態によって対象と認めてほしい。

リハビリテーション加算の対象者は「頸髄損傷

による四肢麻痺その他これに類する状態にある障

害者」となるため、疾患等の原因を問わず、四肢

麻痺の状態にある者が対象となります。

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自立訓練(生活訓練)の個別計画訓練支援加

算について、「・・・社会福祉士や精神保健福祉士

等が作成する・・・」とあるが、介護福祉士も含ま

れるのか。

個別計画訓練支援加算については、社会福祉士

や精神保健福祉士、公認心理師が個別訓練実施計

画を作成することを要件とするため、介護福祉士

は含まれません。

9.就労系サービス

就労継続支援A型について、サービス利用開

始時点において、病気の影響から遅刻早退する

ことが予見できた場合は、不採用にせざるを得

ないがそれで良いのか。

就労継続支援A型の利用の可否は、暫定支給決

定により、障害者本人の希望を尊重しつつ、より

適切なサービスの利用を図る観点から、障害者本

人の意向の確認とともに、就労継続支援A型の利

用が適切かどうかの客観的な判断により決定され

るものです。

また、就労継続支援A型は、サービス提供拒否

の禁止が規定されているため、暫定支給決定を経

て就労継続支援A型の利用が適当と判断された場

合、障害者の体調が事業所の平均労働時間に影響

し、基本報酬の算定に影響が出ることを懸念して

採否を決めることは、サービス提供拒否となるた

め、指定基準上認められません。

就労継続支援A型は平均労働時間に応じた基

本報酬の評価となるが、平均労働時間算出にあ

たっての短時間除外ケースを具体的に示してほ

しい。

精神障害者等で体調に変動があったことにより

短時間利用となってしまった場合や、退院直後の

サービス利用が短時間となってしまう場合など

は、平均労働時間数の算出から除外します。

就労継続支援B型の基本報酬は、廃止される

目標工賃達成加算分が反映されていない。減収

となるので見直してほしい。

目標工賃達成加算は、毎年工賃を引き上げるこ

とが求められており、工賃が少しでも下がると加

算されない仕組みであったため、高工賃を実現し

ている事業所を適切に評価できていないとの指摘

もあったところです。

今回の報酬改定では、経営実態調査における収

支差を踏まえつつ、目標工賃達成加算を算定でき

ない年であっても平均工賃月額に応じて評価する

仕組みとすることで、安定した事業運営が可能と

なると考えています。

就労継続支援B型における就労移行支援体制

加算の前年度就労実績の就労とはパートタイム

勤務も含まれるか、それとも一般雇用(常勤)

に限られるか。

一般就労の定義は正規、非正規、労働時間数は

問わないため、パートタイム勤務も含まれます。

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就労継続支援B型における就労移行新体制加

算における一般就労には就労継続支援A型も含

めるべきである。

就労継続支援A型は、通常の事業所に雇用され

ることが困難であって、適切な支援により雇用契

約に基づく就労が可能である障害者が利用する障

害福祉サービスであるため、一般就労には含まれ

ません。

就労継続支援B型では、利用者の状況に応じ

て、週1日や半日利用も積極的に受け入れ、短

時間でのサービス提供も行っている場合、平均

工賃月額は低く算出される。平均時給や日額で

の算出とする、算定にあたり障害基礎年金1級

の方又は支援区分5以上の方などを除外する、

フルで利用している者のみを算定対象とするな

ど対応してほしい。

十分な生産活動ができない重度の利用者への配

慮として、障害基礎年金1級の受給者が利用者の

半数以上いる場合に、平均工賃月額に 2,000 円を

加えた額を平均工賃月額として報酬を設定してい

ます。

障害や疾病の状況により短時間や少ない日数の

利用者がいることは承知していますが、就労継続

支援B型事業所には少しずつでも知識・能力の向

上を図ることが求められるものであり、徐々に作

業時間を延ばしたり、通所日を増やすことを目指

した支援を行い、工賃向上を図ることが望ましく、

そうした努力を行う事業所とそうでない事業所間

で報酬にメリハリをつけることも重要であると考

えています。

就労継続支援B型事業所の平均工賃月額を算

出する際、50%以上の1級基礎年金受給者が占

める場合は 2,000円アップの根拠をお示し願い

たい。

障害福祉サービス等報酬改定検証調査(平成 29

年調査)によると、重度障害者支援体制加算(Ⅰ)

を算定している障害基礎年金1級受給者が半数以

上いる場合には、重度障害者支援体制加算の算定

がない事業所と比較して平均工賃月額が低いた

め、平均工賃月額の算出の際にそうした差を踏ま

え配慮することとしています。

就労継続支援B型の基本報酬について、改定

案では工賃月額が低い場合も高い報酬を得られ

るようになっている。実績に応じてさらにメリ

ハリをつけた報酬体系にしてほしい。

今回の改定において、平均月額工賃の分布等を

踏まえ、高工賃の事業所が高報酬を得られるよう

メリハリを付けた報酬体系としています。

就労移行支援の定着率の定義について、就労

を継続している期間が6月に達した者の数を利

用定員で除すとしているが、これでは、定員よ

り少ない実利用者数で丁寧に就労移行支援を行

う事業所が不利になるため見直してほしい。

就労定着者の割合は、前年度において、当該就

労移行支援事業所で支援を受けた後就労して、就

労を継続している期間が6月に達した者の数を、

当該前年度の利用定員で除して得た割合となりま

す。利用定員は利用実績を勘案して設定すること

が望ましく、利用実績数が利用定員より低い場合

には、実績に即した利用定員を変更することも検

討していただくことになります。

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通勤訓練加算について白杖による通勤訓練に

従事する専門職とあるが、具体的にどのような

者か。

養成研修を受けた視覚障害生活訓練専門職等の

専門職を想定しています。当該加算は視覚障害者

の歩行訓練の専門職を費用負担をともなって派遣

する場合に算定されます。

就労移行支援事業について、激変を緩和する

ための措置(6ヶ月定着だけでなく、12ヶ月定

着者もカウントして良い等)をお願いしたい。

就労移行支援は一般就労を目的としたものであ

り、現行においても、毎年安定的に一般就労への

移行実績だけでなく定着者を出すことが求められ

るサービスとなっているため、経過措置を設けま

せん。

就労移行支援の報酬区分を決定する就労定着

者の割合を算出する際、重度の障害者への支援

について評価してほしい。

就労移行支援は、就労を希望する障害者であっ

て、通常の事業所に雇用されることが可能と見込

まれる障害者に対し、障害者の一般就労への移行

を実現することを趣旨とする障害福祉サービスで

あり、重度者か否かという基準では判断していな

いため、特別な評価をすることとはしていません。

就労継続支援においては、実績が出せない事

業所の安易な事業参入を防止するため、開設後

1年間を経過していない事業所については、現

行より低い基本報酬」とあるが、それによって

質の低い事業者が排除されるとは限らないた

め、安易な事業参入を防止するためには、参入

しようとする事業者に対し、事業開始の留意点

等について、たとえば厚労省や自治体のウェブ

サイト等で情報提供する方が効果的と思われ

る。

ご意見として今後の施策の参考にさせていただ

きます。

10.相談系サービス

今回の報酬改定は相談支援にとって厳しいも

のと捉えている。基本報酬は下がってしまい、

加算取得状況が厳しくなり、加算取得の為に業

務量が倍増してしまうと感じる。

相談支援に関する今回の報酬改定では、質の高

い相談支援の実施に対して適切に評価を行うこと

ができる報酬体系等の構築や、モニタリング標準

期間の一部見直しを行うこと等により、相談支援

全体の質の向上を図ることを目的とした内容とし

ています。なお、今回の見直しにより、既に質の

高い支援を実施している相談支援事業所において

は、新設される各種加算の取得が可能となるなど、

事業所の安定的な運営に資するものと考えており

ます。

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障害時は成長によって環境や障害の状況が大

きく変わる可能性が高いので、モニタリング等

の頻度をもっと増やしても良いのではないか。

障害児相談支援については、障害児相談支援の

在り方も含め、モニタリング期間について、次期

報酬改定に向けて引き続き検討及び検証を行うこ

ととしております。

施設入所者等の計画相談支援については、施

設内での生活をどのようにしていくかを考える

ことがほとんどであるため、入所している施設

における個別支援計画で十分マネジメントでき

ていると考える。そのため、施設入所者等につ

いては、計画相談支援を必須としない規定を設

けてはどうか。

施設入所者に対する計画相談支援については、

地域移行を希望する利用者への支援や障害福祉サ

ービス以外の利用ニーズへの対応など、在宅利用

者と同様に定期的な利用者の状況のモニタリング

やサービス調整等が必要な場合があり、施設入所

者等への計画相談支援も重要であると考えていま

す。

「サービス提供時モニタリング支援加算」は、

相談支援事業所と同一敷地内にあるサービス提

供事業所等は、兼務の可能性等もあるので対象

としない方が良いのではないか。

サービス提供時モニタリング加算」については、

相談支援専門員が兼務により他事業所の職務に従

事している場合は、当該事業所のみのサービス提

供状況を確認した場合は、当該加算を算定できな

い取扱いとしています。

地域移行支援の基本報酬について、地域移行

の実績を評価すると記載があるが、何をもって

実績とするのか。退院後、ほどなく再入院する

ケースが少なくないがそのようなケースも実績

とみるのか。

地域移行支援事業所が支援した利用者が精神科

病院や障害者支援施設等を退院・退所したことで

判断することになります。なお、地域移行後の状

態変化は原則問われませんが、個別の判断となり

ます。

障害福祉サービスの体験利用や体験宿泊につ

いては、地域移行支援事業所が加算を算定する

が、日中活動サービス事業所など受入れ事業所

が直接利用できるような加算にしてほしい。

障害福祉サービスの体験利用や体験宿泊にかか

る加算には、体験費用の他に、連絡調整等にかか

る費用も含まれるため、地域移行支援事業所が算

定する必要があり、受け入れる事業所に対する加

算とすることはできません。

11.障害児通所支援

放課後等デイサービスの基本報酬に児童発達

支援管理責任者専任加算が織り込まれたが、加

算が無いのであれば、児童発達支援管理責任者

の実務経験の新要件について、経過措置を平成

31年 3月 31日まで延長すべきである。

児童発達支援管理責任者については、現行にお

いても1人以上専任かつ常勤で配置することとさ

れており、事業所の運営にあたって必須であるこ

とから、基本報酬において評価することとしてお

ります。なお、児童発達支援管理責任者の実務経

験の新要件については、質の向上を図るために平

成 29年4月1日から施行されているものであり、

本件と経過措置の延長は関係がないものと考えて

おります。

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放課後等デイサービスについて、障害の度合

いで支援の難度を区別し、報酬に差をつけるこ

とには賛成である。しかし、今回の改定ではあ

まりにも区分1と2で報酬の差があり、区分1

を算定するために児童が選別されることが懸念

されることから、段階的に報酬を区分すること

が考えられないか。

放課後等デイサービスの現行の基本報酬につい

ては、障害の程度を問わず一律の単価であったた

め、軽度の障害児ばかりの受け入れや、重度障害

児の受入れ拒否につながっているとの指摘があっ

たことから、障害児の状態像を勘案した指標を設

定し、報酬区分を適用することとしております。

報酬区分の設定方法等、報酬の評価の在り方につ

いては、今回の改定の影響を分析した上で、今後

の報酬改定において検討してまいります。

放課後等デイサービスの指標案について、内

容が聴覚障害児に当てはまるところがない。障

害はそれぞれ特徴があり、成人の障害支援区分

のように利用者一人ひとりの状態像に応じた報

酬区分を設けるべきである。

今回の改定については、行動に課題のある障害

児等、より支援の必要性が高い障害児を多く受け

入れる事業所を評価することとしております。聴

覚障害等の障害特性に応じた評価については、今

回の改定の影響を分析した上で、今後の報酬改定

において検討してまいります。

放課後等デイサービスについて、事業所のサ

ービス提供時間が短いから減算するのではな

く、本来であれば、一回当たりの利用時間が短

いことに対して減算すべきである。預かる時間

の長さにより報酬が違うとなると、単純に長さ

を伸ばす事業者が増えるのではないか。

今回の改定については、学校の授業終了後に提

供する場合に、1日に行われるサービス提供の時

間が短い事業所については、人件費等のコストを

踏まえた基本報酬を設定することとしておりま

す。

放課後等デイサービスについて、児童指導員

等加配加算(Ⅱ)を区分2であっても算定でき

るようにすべきである。

今回の改定については、より手厚い人員配置を

している場合に評価することとしましたが、限ら

れた財源の中、区分1のみ算定できることとして

います。

共生型サービスに関しては、それぞれの対象

者のライフステージが大きく違うが故の難しさ

があるにもかかわらず、児童発達支援・放課後

等デイサービスともに、共生型サービスの単位

数が通常の指定の場合よりも低いことについて

は違和感を覚える。共生型サービスの単位数を

低くするのではなく、各分野の報酬と同程度の

単位数にして事業所の指定をとりやすくすると

いった対応が必要だと考える。

共生型サービスについては、地域の実情に合わ

せて、限られた福祉人材を有効活用するといった

観点などから設けられたものですが、児童発達支

援管理責任者又は保育士若しくは児童指導員が必

ずしも配置されていないことから、基本報酬に差

を設けております。しかしながら、児童発達支援

管理責任者又は保育士若しくは児童指導員を配置

した場合について上乗せして評価することとして

おり、障害児を支援する体制が整えられている場

合には同程度の報酬が算定できることとなってお

ります。

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看護職員加配加算について、算定要件が8点

以上の医療行為をした場合となっているが、事

業所側としては8点以上の医療行為を行う児童

を預かるリスクを考えると積極的に看護師を配

置して対応することはしないのではないか。

看護職員加配加算については、事業所において、

看護職員加配加算(Ⅰ):看護職員を1名以上配

置し、医療的ケアに関する項目のいずれかの状態

である利用者が1名以上いる場合

看護職員加配加算(Ⅱ):看護職員を2名以上配

置し、医療的ケアに関する項目に規定する状態で

あり、それぞれのスコアを合算し、8点以上であ

る利用者の数が5名以上いる場合

看護職員加配加算(Ⅲ):看護職員を3名以上配

置し、医療的ケアに関する項目に規定する状態で

あり、それぞれのスコアを合算し、8点以上であ

る利用者の数が9名以上いる場合

を算定要件としており、看護職員加配加算(Ⅰ)

については、項目に規定する状態であれば点数に

よらず利用者がいる場合には評価することとし

ています。

放課後等デイサービスの基本報酬に区分を設

定したことについて、サービスの質が低い事業

所は淘汰されてしかるべきであるが、軽度の発

達障害等の児童への支援について、質の高いサ

ービスを行っている事業所がきちんと評価され

るような制度設計を検討してほしい。

今回の改定については、行動に課題のある障害

児等、より支援の必要性が高い障害児を多く受け

入れる事業所を評価することとしております。今

後、今回の報酬改定がサービス提供体制に与える

影響を分析した上で、サービスの質に関する調査

研究を行うなど、サービスの質を報酬体系に反映

させる手法等を検討してまいります。

障害児通所支援について、今回の見直しで報

酬単価が下がったが、単価の見直しは専門職の

必要性から見てもおかしいのではないか。

報酬単価については、経営実態や処遇状況に基

づいて設定をしております。

収支差率の高い放課後等デイサービスについて

は報酬単価を引き下げる一方で、児童発達支援セ

ンターや重症心身障害児を支援する事業所等につ

いては、基本報酬単価の引き上げ等の見直しを行

っております。

児童指導員等加配加算の「専門職員を配置す

る場合」の資格要件において、看護職員が対象

となっていないのは何故か。

看護職員の配置については、看護職員加配加算

により評価をしていますので、児童指導員等加配

加算では対象外としております。

看護職員加配加算について、算定要件である

医療的ケアに関する項目のスコア8点以上の障

害児が5人以上とあるが、この人数について、

「月1回利用でも利用者とみなす」こととして

ほしい。若しくは、出席している子どもの合計

ご意見として承り、今後の参考とさせていただ

きます。なお、具体的な算定要件については、今

後、通知等においてお示しします。

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点数が 40点以上であれば算定可としてほしい。

12.障害児入所支援

特になし。 -

13.障害児支援共通

特になし。 -

14.その他

本改定により、有資格者への評価が手厚くさ

れることになるが、その需要に対して、現時点

での有資格者の供給体制が不十分であるため、

資格試験を実施等が必要であると考える。

ご意見として承り、今後の参考とさせていただ

きます。