2012年4月上演決定！

まほろば

オール女優キャストによる

〇八年に初演の傑作舞台、

待望の再演！

蓬莱竜太の岸田國士戯曲賞受賞作

出演

秋山菜津子中村たつ魏 涼子前田亜季三田和代ほか

2012年4月2日│月│〜15日│日│ 前売開始1月22日│日│チケット（税込） A席5,250円 B席3,150円お問い合わせ ボックスオフィス tel .03-5352-9999

作 蓬莱竜太演出 栗山民也

全国公演4/18│水│ まつもと市民芸術館（長野） tel.0263-33-22004/21│土│兵庫県立芸術文化センター（兵庫） tel.0798-68-02554/28│土│シベールアリーナ（山形） tel.023-689-1166

4/2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 日 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ★ ● ● ★

13:0014:0019:00

休

演休

演

★4/7・14＝17:30

蓬莱竜太プロフィール

一九七六年生まれ、兵庫県出身。九十九年

にモダンスイマーズの旗揚げに参加。以降、

すべての作品の作・演出を務める。劇団外

にも﹃世界の中心で、愛をさけぶ﹄﹃東京タ

ワー

～オカンとボクと、時々、オトン～﹄

﹃赤い城

黒い砂﹄などプロデュース公演の

脚本、映画﹃ガチ☆ボーイ﹄原作など、多岐

にわたり活躍中。若い感性でのびやかに描

く青春群像劇が、世代を超えて多くの人々

の共感を集め、新世代の本格派ストーリー

テラーとして注目を浴びている。

とある田舎町。祭りの夜。男たちは出払ってお

り、女たちが残って留守を預かっている。数日前

に東京から久しぶりに帰郷したミドリ（＝秋山

菜津子）。東京生活は順調だったが、気がつけば

四十代、婚約寸前で交際相手と別れ、傷心旅行

のつもりだったのだが、実家の母（＝三田和代）

は本家の血を絶やしたくないため、いまだ独身の

ミドリに小言が絶えない。本家の「大母様」（＝

中村タツ）と、村の娘・マオが二人の間に入り、な

だめてくれるが、功を奏さない。一方、妹のキョウ

コ（＝魏

涼子）は、父親のわからない子を出産。

ミドリの姪にあたるその娘（＝前田亜季）の行

方は何年もわからない。親戚の女たちが集まり、

宴会の準備を進めているところに、長い間行方

のわからなかったその姪が突然帰ってくる……。

ものがたり

　二〇〇八年七月、「シリーズ・

同時代」の一本として小劇場で上

演された『まほろば』。気鋭の劇作

家、蓬莱竜太がオール女性キャス

ト六人を配したこの家庭劇は、

タッグを組んだ栗山民也の巧みな

演出とあいまって、評判を呼ん

だ。戯曲としても、翌年の岸田國

士戯曲賞を受賞するなど、高い評

価を得た。

　初演時の劇評では、「神話・民俗

の時間が大枠にある。舞台上方

を飾る八雲立つ山々。題名が意味

する美しき国だ。夏祭りの祭

まつり

囃ばや

子し

が、忍び込む。この民俗の時間を

切り裂く、原爆の閃せ

ん

光こう

。現代史の

悲劇を含んだ大いなる時のまな

ざしの下、産む性としての女たち

のドラマが、緊密なアンサンブルで

喜劇的に繰り広げられる。（略）客

席も包み込む轟ご

う

音おん

と劫ご

う

火か

、熱射

から身を守る、産う

ぶ

土すな

の現代女性た

ち。優れた演出だ。」［朝日新聞、山本

健一氏］と評された。

　初演から三年を経て、この『まほ

ろば』が待望の再演。小劇場の密な

空間に、さらにパワーアップした

女性たちのドラマが展開される。

井上ひさし氏

「多層な時間設定と、生きた人間像、せりふが効く」

─初演の劇評から

蓬莱さんの第一稿を受け

取り早速読んでみたので

すが、これがまるでベテ

ラン劇作家のようで、

しっかりとした土台の上

に構築された一幕物には、

くすぐられるようなおか

しみが随所に散りばめら

れ、とにかく登場人物の

位置と構成の確かさに

ビックリしたのでした。

四世代（登場人物の胎内にい

る一人を加えれば、五世代にな

る）にわたる女性たちのポ

リフォニックな会話は、

女性の生と性を自由闊達

に柔らかく行き交い、と

ても楽しく、しかも残酷

な時間が流れていきま

す。それぞれのキャラク

ターには、どこか現代の

心の闇とでも言った孤立

感が深く滲んでいるので

す。だからこそ年に一度

の夏の祭りに、自分たち

の生まれ育った土地に集

まっては、無礼講とも聞

こえるおしゃべりが賑

やかに、あっけらかんと

繰り返されていくので

しょう。

［『まほろば』初演プログラムより］

十代から七十代の

四世代の女性ばかりの物語

演出・栗山民也が語る、戯曲『まほろば』

「“妊娠”というものに主題を定

め、豊富な劇作手法をたくみに

駆使しながら、社会や家庭など

にまぎれこんでいる男性的な

ものをみごとに撃った。」

　蓬莱竜太氏の『まほろば』の登場

人物はすべて女性ですが、作者は、登

場するすべての女性に「おもしろく

て、感動的で、痛切な場面」を背負わ

せていました。それらの場面の基に

なっているのは、妊娠する力です。作

者は、過去に妊娠したことがある、い

ま妊娠している、そして近い将来に

妊娠するであろう女性たちの心の動

きとその言動を巧みに組み合わせて

がっしりした深層構造をつくりまし

た。そして表層は、華麗で滑稽で露骨

な対話で飾り立て、自由で軽快な滑

走感を生み出しました。決してよそ

見をせずに、ただひたすら「妊娠した

のか、しないのか」に焦点を絞ってい

るのも清潔でいさぎよく、豪快にし

て巧緻、軽妙にして深い思想を秘め

た傑作です。［岸田國士戯曲賞選考委員の

ひとり、井上ひさし氏の選評より］

第五十三回岸田國士戯曲賞受賞！

ボックスオフィス

Tel.03-5352-9999小劇場─THEPIThttp://www.nntt.jac.go.jp/play

New National Theatre,Tokyo

PL AY “Mahoroba”