くらしの文化を楽しむ...京都文化力プロジェクト 2016-2020 vol.4 発行...

12
京都文化力プロジェクト 2016-2020 Vol.4 令和23発行 京都文化力プロジェクト実行委員会 本誌掲載記事 写真等無断転載複写じます。 〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町540 丸池藤井ビル5階 TEL:075-354-5413 FAX:075-354-5414 E-mail [email protected] U R L: http://culture-project.kyoto/ Vol.4 くらしの文化を楽しむ アスリートが伝える京 都 山西 利和中村 輪夢 15 京都文化力プロジェクト2016‒2020が目指すもの 21 村田 純一青木 淳熊倉 功夫カズコ・ザイラー向井 久仁子 京都文化力向上宣言 19 京都・くらしの文化×知恵産業展 京都・くらしの文化まつり ~日々の暮らしに茶 道・華 道・書 道を~ 3 くらしの文化を楽しむ 8 千 宗室小川 後楽桑原 仙溪真神 巍堂市田 ひろみ吉岡 里帆 京都文化力プロジェクト機関誌に寄せて 1 長尾 真 The Creative Power of Culture: From Kyoto to the World 2016-2020

Upload: others

Post on 31-Mar-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

京都文化力プロジェクト 2016-2020 Vol.4

令和2年3月発行

京都文化力プロジェクト実行委員会

本誌掲載記事・写真等の無断転載、複写を禁じます。

〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町540 丸池藤井ビル5階TEL:075-354-5413FAX:075-354-5414

E-mail: [email protected] R L: http://culture-project.kyoto/

Vol.4 くらしの文化を楽しむアスリートが伝える京都 山西 利和/中村輪夢15

京都文化力プロジェクト2016‒2020が目指すもの21

村田 純一/青木 淳/熊倉 功夫/カズコ・ザイラー/向井 久仁子京都文化力向上宣言19

京都・くらしの文化×知恵産業展京都・くらしの文化まつり~日々の暮らしに茶道・華道・書道を~

3

くらしの文化を楽しむ8千 宗室/小川 後楽/桑原 仙溪/真神 巍堂/市田 ひろみ/吉岡 里帆

京都文化力プロジェクト機関誌に寄せて1長尾 真

The Creative P

ower of C

ulture: From K

yoto to the World

創造する文化

京都から世界へ

2016-2020

 東京2020オリンピック・パラリンピックの開催

を契機に日本の文化・芸術を京都から世界に発

信することを目的として、2016年に「京都文化力

プロジェクト」がスタートし、今年、いよいよ開催の

年を迎えました。オリンピック・パラリンピックは、ス

ポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあり

ます。この機会に、1200年を超える歴史を持ち、日

本文化を代表する都市である京都から「日本の文

化力」を世界に発信したいと考えています。

 私が理事長を務める(公財)京都市音楽芸術文

化振興財団が関わる音楽や舞台芸術はもちろん、

能・狂言や歌舞伎、京舞、お茶にいけばな、書道な

ど、京都に根づく文化は多岐にわたります。加えて

京都のすばらしいところは、そうした文化が地域の

人々の日常生活に溶け込んでいることです。舞台

やコンサート、展覧会などに積極的に足を運び、さ

まざまな芸術に親しむだけでなく、季節が変わる

ごとに床の間の掛け軸や建具を替えたり、祇園祭

をはじめ各地の祭りや神社仏閣の行事を心待ち

にしたりと、人々は日々文化を楽しみながら暮らし

ています。それこそが京都の「文化力」だと私は考

えています。

1 2

京都文化力プロジェクト機関誌に寄せて

公益財団法人 京都市音楽芸術文化振興財団 理事長元京都大学 総長京都文化力プロジェクト実行委員会 顧問

長尾 真

 一方京都では長きにわたって伝統的な工芸技

術も磨かれてきました。そうした蓄積の中から真

の芸術や新しい文化が創造されていくところに

も、京都の強みがあります。加えて京都は40を超

える大学が拠点を置く日本屈指の学術都市でも

あります。豊かな自然、悠久の歴史を持つこの地

だからこそ、物事を根本的に考え、真理を探究し

たり、革新的なものを生み出すことも可能になる

のではないでしょうか。こうした日本のすばらしさ

を明確にし、世界に示していくことが重要であり、

京都はその拠点としての役割を果たせると私は

考えています。

 2020年を機に、ここ京都でいっそう文化力を高

め、新たな文化を創造し、それを世界に発信して

いきたい。国・行政を挙げてそれを力強くサポート

していただきたいと期待しています。

くらしの文化を楽しむ

京都から文化・芸術を世界に発信し、

日本、そして世界で新しい創造の潮流を起こす。

そう目標を掲げて始まった京都文化力プロジェクト。

2019年度のテーマは「くらしの文化」。

平安京に都が築かれてから1200年余り、

歴史の中で花開いた数々の文化・芸術は

今も人々のくらしの中にしっかりと根づいています。

そうした京のくらしに息づく文化力を発信します。

長尾 真(ながお・まこと) 1936年、三重県生まれ。1959年、京都大学工学部卒業、1961年、京都大学大学院工学研究科修士課程修了。1966年、工学博士。京都大学工学部で助手、助教授を経て1973年、教授に就任。長年コンピュータの画像処理、自然言語を研究。1986年、京都大学大型計算機センター長、1997年、京都大学総長、2007年、国立国会図書館長を歴任。2013年より公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団理事長。2004年、フランス・レジオンドヌール勲章、2005年、日本国際賞、2014年、京都府文化賞特別功労賞、2018年、文化勲章を受ける。2019年、京都市名誉市民。

魅せます。

千年の京都力

日々の暮らしに

茶道・華道・書道を

 平安時代から1200年以上、都であり続

けた京都。人やモノが集まる日本の中枢とし

て豊かな文化や技術が育まれるとともに、

人々の生活の中で絶えず創意を繰り返し、

新しい文化や産業を発展させてきました。

その技や知恵は今日の先端産業にも生かさ

れています。今回、国際博物館会議(ICOM)

京都大会2019に合わせて「文化×知恵産

業展」と共同開催した「京都・くらしの文化

×知恵産業展」では、そうした京都のくらし

に息づく文化と伝統産業、先端産業が一堂

に会しました。

 初日、書家の杭迫柏樹氏による席上揮毫

で開幕。ステージでは、あでやかな振袖を着

た2019京都・ミスきものが登場した後、茶

道、煎茶道の各流派が点前やもてなしの作

法を披露しました。いけばなと書道のすばらし

い作品が展示された会場では、茶道・煎茶道

の各流派による呈茶、煎茶体験を実施。来場

者は目の前で点前を見て、作法を教わり、ふく

いくとした茶の味を愉しみました。また華道・

書道の体験ブースも好評。参加者は講師の指

導を受けながら花を生け、短冊などに書をし

たため、その楽しさ、奥深さに触れました。

 その他、ステージでは各界の第一人者が

京町家の食の習わしや茶の湯のたしなみ、

京都の花街など、京都に根づくさまざまな文

化について興味深いお話や舞踊を披露しま

した。一方会場では、先端産業の製品展示

や、さまざまな伝統産業の職人の技を間近

にみられる実演、製作体験も実施しました。

 開催中の3日間、多くの人が来場。京都で

培われてきたさまざまな文化・産業を多く

の人が見て、知って、体験してそのすばらし

さを再認識しました。

京都・くらしの文化

知恵産業展

京都・くらしの文化まつり

京都・くらしの文化

知恵産業展

2019年9/3(火)、4(水)、5(木) 開催

2019年9/3(火)、4(水)、5(木) 開催

2019年10/19(土)、20(日) 開催

3 4

 茶道、華道、書道など、くらしの文化を日々

の暮らしの中に取り入れるだけで、人生に新

たな潤いがもたらされます。そしてそれらは、

そのひとときを楽しむためだけのものにとど

まりません。勉強や仕事など、あらゆる場面

で役立つことでしょう。アクセス便利な京都

経済センター2階の京都産業会館ホールで

開催された「京都・くらしの文化まつり」で

は、10流派のいけばな作品が華やかに出迎

えた会場で「日々の暮らしに茶道・華道・書

道を」をテーマに、その素晴らしさを実感で

きる実演・講座が繰り広げられたほか、気軽

に参加できる体験の場が設けられました。

 初日のオープニングにはピカチュウたち

が登場。また2日目は、京都橘大学書道部

によるパフォーマンスで幕開けました。ピカ

チュウを取り囲む、子どもたちの笑顔。音楽

に身を任せて書きあげていく様子を、手拍

子しながら見守る参加者。それぞれの魅力

で人々を惹きつけ、会場の雰囲気を盛り上

げました。

 ステージでの茶道・煎茶道の実演や講座、

茶道・華道・書道の各ブースで行われた体験

はいずれも、初心者でも気後れすることなく

参加できる和やかな雰囲気。夫婦や友人同

士で訪れる方 に々混じって、親子連れや外国

人の方の姿も見られました。また、2日目の京

菓子製作実演も大盛況。大人から子どもま

で、幅広い年齢層の参加者がその流れるよ

うな手さばきに見入り、美しい意匠に感嘆の

声をもらしていました。

 多くの参加者にとって、伝統文化の素晴

らしさを再確認するとともに、それらを身近

に感じることのできる、有意義な2日間とな

りました。

「初春令月 氣淑風和」。万葉集から引用された歌。京都を拠点にする書家・杭迫柏樹氏が、「令和」にちなみ、新春を迎えた喜びを美しい描写で謳った句を鋭利で気品に満ちた筆致で書き上げました。

料理研究家の杉本節子氏が杉本家に伝わる「歳中覚」を紹介。年中行事で食べられたハレの日の食事と、日常(ケ)に食べられたお茶漬けなど、京の暮らしに根づく「食」と文化を解説しました。

茶道研究家の筒井紘一氏が、ストレス解消方法の一つとして、また感性を維持する手段の一つとしての茶道の有用性について紹介。幅広い視点から、伝統文化に親しむことの魅力が語られました。

2019年10/19(土)、20(日) 開催

5 6

書道 席上揮毫

表千家、武者小路千家、藪内家の3流派が点前を実演。各流派の歴史や点前に込められたもてなしの心が解説されました。呈茶体験では、会場に設けられた茶席で、参加者は茶碗や茶道具の数々、しつらえについても説明を受けながら、滋味深い一服を味わいました。

茶道実演・呈茶体験

二條流、方円流が煎茶の手前を実演。黄檗宗萬福寺の開祖・隠元禅師によって始められたという煎茶道の歴史がひも解かれるとともに、各流派のしつらえや風雅な茶道具が披露されました。煎茶体験で参加者は手前にも挑戦。独特の袱紗さばきや布巾、茶碗の扱いに悪戦苦闘しながらその作法を学ぶとともに、思いのほか深い煎茶の味わいに驚きながらもその豊かな世界を堪能しました。

煎茶道実演・煎茶体験

京都いけばな協会から、桑原専慶流、古流松藤会、清水流、未生流笹岡、草月流、峰風遠州流がそれぞれ、いけばなの歴史や流派の基本の型などのレクチャーを担当。参加者は、指導を受けながら各々が個性あふれる生け方で、いけばなを楽しみました。

いけばな レクチャー・体験

京都書作家協会、京都書道連盟の講師から文字の成り立ちやさまざまな書体についてレクチャーを受けた後、書に挑戦。書道初心者も指導を受けながら思いおもいの書体、文字で書の楽しさを体験し、短冊や色紙にしたためた各々の会心の作品を持ち帰りました。

書道 レクチャー・体験

杉本節子氏(料理研究家)のお話

村田製作所チアリーディング部演舞

芸舞妓の舞踊と花街のお話

出汁の試飲伝統産業エリア 先端産業エリア伝統産業若手リーダートークセッション

京都・ミスきものフォトセッション

筒井紘一氏(茶道研究家)のお話

ステージ・パフォーマンス・体験

京都・くらしの文化  知恵産業展

京都・くらしの文化まつり

京都・くらしの文化まつり

ピカチュウたちが登場! 茶道実演・呈茶体験

煎茶道実演・煎茶体験

秋の草花が描かれた華やかなきものを着た2019京都・ミスきものとともに、ポケモンセンターキョウトから、わかくさ帽子のピカチュウとはんなりお着物のピカチュウが登場。かわいらしい姿であいさつした後、会場内をグリーティングしました。子どもたちはピカチュウと握手したり、一緒に記念撮影し、笑顔を弾けさせていました。

実演と体験とも、裏千家が担当。実演ではお茶の飲み方、軸や花の楽しみ方などを解説しながら、会話のデモンストレーションを取り入れることで、亭主と客が心を通わせる「楽しい時間」を再現。お茶席における目標が「客においしく飲んでいただき、笑顔で帰っていただくこと」であることを、参加者が肌で感じられるひとときとなりました。

実演では煎茶道瑞芳菴流と煎茶道泰山流が登壇。煎茶道の歴史などに関する解説や、道具一つひとつについての丁寧な説明を交えながら、自然体の流れるようなお手前を披露しました。玉川遠州流・煎茶賣茶本流による体験は、おいしい煎茶を堪能するとともに、茶道具やしつらえを間近で鑑賞できる貴重な機会となりました。

きもののきれいな着方講座

三宅てる乃アカデミー校長・三宅てる乃氏が、きものを着こなすポイントを、実演を交えながら伝授。「きものを着ることは難しくはありません」と呼びかけました。

書道パフォーマンス

京菓子製作実演

京菓子協同組合青年部から京菓子職人が登場。子どもたちのリクエストにも応じながら、多彩な意匠の生菓子が次々と生み出され、幅広い世代で賑わいました。

京都橘大学書道部の学生3名が、ポップな曲にのせて共同作品を制作。リズミカルかつダイナミックな動きで参加者を魅了しました。

ステージ・パフォーマンス・体験

吉本芸人のいけばな体験「京都国際映画祭2019」の連携企画として、吉本芸人とのコラボレーションステージが実現。漫才コンビの女と男、タナからイケダが、ステージ上でいけばなに挑戦しました。指導するのは、京都未生流の家元・松本司氏です。まずはハサミの持ち方、花の切り方、花の扱い方から説明がスタート。松本家元の軽妙で的確なアドバイスを聞きながら、女と男、タナからイケダの池田氏の3名が、秋の花材を使い、花を生けました。「難しく考えず、花の美しさを生かすこと」と指導する松本家元。両漫才コンビが、時折「ボケ」もはさみながら、初めてのいけばなに悪戦苦闘する姿に会場は大いに沸きました。「自然の花に人の手を加えることで花がさらに美しくなる。そうして新しい世界をつくるのが、いけばなの魅力です」と松本家元。大きくしなった見事な枝ぶりの石化柳の扱いに苦戦している女と男・市川氏に、松本家元が少し手を加えると、がらりと印象が変わるから不思議です。また女と男・ワダちゃんは、コスモスを使ってかわいらしく、タナからイケダの池田氏は栗やアゲラタムを使って秋の風情いっぱいにと、それぞれ個性あふれる作品を完成させました。吉本芸人の笑いあふれる実演に、いけばなの楽しさが伝わるステージとなりました。

いけばな体験

華道ブースでの体験では、京都いけばな協会から、月輪未生流、京都未生流、遠州、専慶流の4流派がレクチャーを担当。それぞれの流派の基本の型や生け方を教わった後は、基本を押さえつつ自由に生けていくスタイルで、いけばなを実践。参加者は思い描いた形に生けようと悪戦苦闘しながら、花を生ける楽しさを体験しました。

書道体験

きもの

京都書作家協会、京都書道連盟から漢字の成り立ちなどのレクチャーを受けた後、各自が好きな書体、文字を選んで書を楽しみました。「しんにょうの右払いは、太い線があることで全体がしまりますよ」など、一人ひとりに具体的にアドバイス。参加者が手を挙げて質問する姿がたびたび見られ、満席になる回もあり、終始、活気に満ちていました。

茶道

亭主とお客様の以心伝心が茶の湯の楽しみの一つ

 茶の湯では、部屋のしつらえ、道具の数々、亭主の所作の一つひとつ、それらすべてにお客様に対するもてなしの心が込められています。私たちは数えきれないほど点前作法の稽古をいたします。それは、自分がお茶をたてていることを忘れるくらい身体に所作を覚え込ませるため。手順を考えていると、お客様に対する気持ちがおろそかになってしまいます。お客様のことを心からもてなす手間を惜しまない姿勢が大切です。そこから主客共に感謝の念が生まれ、お茶の味わいはひとしおのものになります。そうした亭主とお客様の間の以心伝心が叶うことが、茶の湯の楽しみの一つです。 茶の湯は、無理に押しつけるものではありません。私がお客様を招いた時に心がけているのは、茶道について講釈するのではなく、

「思い出」というお土産を持って帰っていただくことです。例えば海外からお客様を迎えた際、入れてある花の英名を説明したりする。エネルギーとしての炭を用いた扱いをお見せする。相手の国の文化との共通点を見つけて会話を楽しむことで思い出を持ち帰っていただく。それが茶の湯を通じて日本文化に関心を持っていただく最初の一歩になるのではないかと思います。

茶の湯を支える技・文化とワンチームで次代に続いていく

 歴史を振り返ると、千利休、少庵、そして宗旦の三代が侘び茶としての茶道を日本に根づかせたといわれています。しかし最初は、武士の間で嗜まれ、一般には縁遠いものでした。江戸時代になって世情が安定し、武士以外にも生活や心に余裕の出てきた人々の中から茶の湯に対する関心が芽生えた時、

その受け皿となったのが、私たち千家の茶人でした。それから400年を超える長い年月にわたって茶の湯の文化が絶えることなく続いてきた背景には、多くの人々の力添えがありました。 一人ではお茶をたてることはできません。器や茶筅などお茶にまつわる道具はもとより、茶室に入れる花や器、軸などを作る職人の方々など、茶の湯に関わるあらゆる人々の支えがあって初めて茶席は整います。とりわけ京都では、平安時代から京都御所を中心として最高の工芸や芸術が育まれてきました。そうした方々が誇りをもって集い、いわば「ワンチーム」となり互いに敬い、支え合ったからこそ、茶の湯は今日まで続いてきたのだと思います。 私は、そうした方々の努力を認識し、覚悟を持って一碗の濃茶を練らなければならないと肝に銘じています。そして次期家元にそれを担う覚悟とともに裏千家という「箱」を受け渡すのが私の役目。受け取った後は、自分で箱の中を整え、さらに豊かなものにするべく、一歩ずつ進んでいってもらいたいと願っています。これからも茶の湯だけでなく、茶の湯を支える「チーム」が一つになって、次の時代を拓いていきたいと考えています。

心を込めてお客様をもてなし

それに対する感謝の念が生まれた時

お茶の味は、ひとしおのものになります。

7 8

(女と男)京都国際映画祭を通じて、僕たちは、毎年ワークショップなどのイベントで、伝統産業の職人さんと一緒に、お客さんと体験型の催し物をさせてもらっています。今回、いけばな体験もさせていただき、家元のお人柄もあってか、伝統文化が身近な存在に感じられ、見る目もかわりました。京都の伝統文化・職人さんは、日本の宝です。(タナからイケダ・田邉)京都で育ちながら、いけばなに触れる事無く生活してきましたが、素敵な機会を与えていただき楽しかったです!(タナからイケダ・池田)初めての体験で右も左も生も花もわかりませんでしたが、アドバイスをいただきながら、先生に手を加えていただくと、美しい生花へと生まれ変わりました。人間が持っている美の感性を口や手などの技術で表現できることは素晴らしいなと思いました。この文化が無限に続くことを願います。

京都和装産業振興財団と和装(きもの文化)ユネスコ登録推進・連絡協議会により、ゆかたの「着付け教室」を開催。着方を教わった後、2019京都・ミスきものと記念撮影しました。また、きもの文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組についてPRしました。

感想いただきました!

千 宗室 さん茶道裏千家 第十六代家元

くらしの文化を楽しむ

千宗室(せん・そうしつ) 1956年、京都府生まれ。臨済宗大徳寺管長・僧堂師家中村祖順老師のもとで参禅得度し、斎号「坐忘斎」を受ける。2002年12月、鵬雲斎家元の跡を継いで裏千家第十六代家元となり、今日庵庵主として宗室を襲名。一般財団法人今日庵理事長、一般社団法人茶道裏千家淡交会会長。

美味なお茶をさしあげたいその真心を形にしたのが煎茶道

 煎茶道では、急須の中に茶葉を入れて湯を注ぐ、正式には「淹茶(えんちゃ)」と呼ばれる煎法で、おいしいお茶をいれ、喫茶を楽しみます。その魅力は、お茶をいれる人の心を映して変化する茶味の素晴らしさ、豊かさにあります。 煎茶道として家元制度のもと受け継がれるようになったのは、江戸時代後期のこと。京都では一番長い歴史を持つ小川流の始まりも、およそ200年前に過ぎません。しかし煎茶という言葉そのものに焦点を当てると、その歴史は平安時代にまで遡ります。唐の王侯貴族が楽しんでいたお茶の種を最澄・空海が持ち帰り、天皇を中心とする貴族階級のもとで煎茶文化が花開きました。庶民にとっては京、つまり都の文化として、憧憬の対象だったのです。その後、幕末には京都の文人・志士が、武家政権のもとで発展した茶の湯ではなく煎茶を嗜むようになったことから、明治・大正にかけて、煎茶は再び興隆期を迎えました。 かつて憧憬の対象だったとはいえ、煎茶道、特に小川流では、客人に細かな作法を強いることはありません。手前の種類は茶葉の種類だけあると言えますが、それらは、最良の茶味を引き出すための必然的な手順の積み重ねが、自ずと形になったもの。手前によらず最も大切なことは、「美味なお茶をさしあげよう」という真心なのです。

手ずからいれた特別なお茶には相手に伝えたい想いが宿る

 喫茶精神の極意は、おいしいお茶をいれる稽古を通して、思いやる心と、物事を広く見通す力を培うことにあります。それは煎茶にまつわるさまざまなエピソードとともに今に伝えられており、煎茶史を学べば、進むべき道が自ずと見えてきます。このことは、現代、そして未来にも通じる煎茶道の存在意義の一つと言えるでしょう。 また私自身は、茶席は非言語コミュニケーションの場だと考えています。多くの言葉を交わすわけではないのですが、茶席に参加された方は「安らぐ」と言ってくださいます。言葉ではない何かが、そう思わせているのです。その何かとはおそらく、言葉以外の全てです。統計学上、人が相手を信用す

る時、実は言葉以外のものに重きを置いており、その割合は7~8割とも言われます。茶席なら、まずは所作。味覚という側面からもアプローチします。きちんとした所作でいれたお茶が本当においしければ、言葉はなくとも、あるいは「私は信頼に足る人間です」と

100回言うよりも、健全な信頼関係が成立すると思うのです。 コミュニケーションが希薄な現代において、茶席における非言語コミュニケーションが、愛情や感謝の気持ちを伝えるツールの一つ、人と人とをつなぐ一助となることを願って

います。それは身の回りにある道具で、すぐに実践できます。たとえば家族の誕生日や職場の歓送迎会で、ペットボトルのお茶の代わりに、目の前で手ずから、お茶をいれてみてはいかがでしょうか。茶葉を吟味して、お菓子を用意して、皆でお茶を味わう。それだけで、心に残る素敵なひとときを共有できることと思います。

小川 後楽 さん小川流煎茶七世家元

煎茶道

きちんとした所作で、おいしいお茶をいれる。

ただそれだけで、大切な人に想いを伝える

コミュニケーションツールになります。

小川 後楽(おがわ・こうらく) 1971年、京都市生まれ。立命館大学法学部卒業後、NTT西日本㈱に勤務。2009年、小川流煎茶家元嗣に就任。2017年、小川流煎茶七世家元を襲名。流祖より受け継ぐ小川流独自の煎法を守りながら、煎茶の魅力を広める活動に尽力。京都造形芸術大学客員教授、佛教大学非常勤講師。

華道自然の美しさを器に凝縮するそれがいけばなの魅力

 自然の美しさを切り取って器に入れることで、そこに新しい命が芽生え、新たな物語を語り始める。器の中の花一輪が、まるでマジックのように自然の真理を物語る。それがいけばなの魅力です。 そもそも「花を生ける」という文化は中国から伝わり、日本で日本的なものに進化を遂げました。その成り立ちには、自然を依り代として崇拝する樹木信仰など、日本人が培ってきた自然を敬う心、自然に対して神秘的な魅力を感じる独自の感性が影響しています。中でも桑原専慶流は、元禄時代(十七世紀)、桑原冨春軒仙溪によって京都で創流されました。立花の名手だった流祖の仙溪は、「型」が重視された当時のいけばなの潮流に対し、枠にはまらない自由な気風を大切にしました。1688(元禄元)年に仙溪が 著した「立花時勢粧」という8巻からなる花伝書はその後の華道の歴史にも大きな影響を与えています。 自然の美しさを器に凝縮して表現するのが立花の醍醐味。桑原専慶流では、代々植物の持ち味を生かすことを大切にしながら、流祖の自由闊達な気風を受け継ぎ、新しいいけなばの創造にも挑戦し続けてきました。十五世家元を継いだ私も、花を大切に思い、「どうしたらその花を生かせるか」と考えながら花と向き合っています。

心を込めて生けた花が人と人の心を結びつける

 いけばなの最もすばらしいところは、「和」を作り出せるところにあると私は考えています。無機質な部屋でも花が一輪飾られているだけで、こころに気持ち良い風が吹き抜け、その場の空気がふわりと柔らかくなる。誰しもそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。ただきれいに見せることが重要なのではありません。大切なのは、自然を敬う気持ち、花を大切に生かす心を持って生けること。そうして自然と心を通わせてきた日本人の心のあり様が、その場に「和」をもたらす。そうした力がいけばなにはあります。 たとえ言葉の通じない相手とも、いけばなを通じて心を通わせられるから不思議です。私自身、海外でいけばなを披露する中で、幾度もそんな体験をしてきました。グローバル 桑原 仙溪 さん

桑原専慶流十五世家元

化が進む現代こそ、世界の人々とコミュニケーションを取り、「和」をもって世界とつながる上で、いけばなが大きな役割を果たせる

のではないかと考えています。 千年以上もの間都だった京都には、全国から質の高いモノや技術が結集し、豊かな文化が育まれました。そうした多様な文化が出合って化学反応を起こし、新たな文化が創造されてきた歴史があります。私の若い頃にも異分野交流を通じて自己研鑽する機会がたくさんありましたが、今の時代は、そうした機会も心の余裕も減っているように感じています。豊かな文化もその担い手である一般市民の方々の心が豊かでなければ次代に伝えることはできません。京都が多様な文化が混ざり合い、未来に新たな文化が生まれるところであってほしい。私もいけばなを通じてそれに貢献していきたいと考えています。

自然を敬い、自然と心を通わせる。

いけばなに凝縮された「和」の精神には

人と人を結びつける力があります。

桑原 仙溪(くわはら・せんけい) 1961年、大阪府生まれ。1984年、十四世家元の長女櫻子と結婚し、家元を補佐しながら教授活動を開始。古典の継承といけばなの普及に力を入れる。2004年、十五世家元襲名。公益財団法人日本いけばな芸術協会理事、京都いけばな協会会長。

9 10

花材:紫木蓮 花器:市川博一 作

くらしの文化を楽しむ くらしの文化を楽しむ

書道

11 12

年齢、経験を重ね書は変わっていくもの

 書との出合いは、小学生の時。臨済宗建仁寺塔頭正伝永源院の前住職である父親が「将来僧侶になるなら習わせておこう」と同じ建仁寺塔頭の禅居庵に書道を習いに行かせたのが最初でした。幼い頃から字を書くのが好きだったことに加えて、小学1年生の時の担任が書を嗜んでいたことなどいくつかの偶然が重なり、自然と書に親しむようになりました。京都市内の小学生が書を競い合う「競書会」に出場する選手に選ばれ、放課後毎日のように特訓させられたことを今でも覚えています。その後、京都教育大学の書道に進学し、日展にも出展するようになりました。 日本の文字の起源は中国。芸術としての書は、中国・東晋時代の書家・王羲之が確立したとされています。書の道を究める上で未熟な若いうちに大切なのは、まず古典に忠実に書き、基礎となる技術を磨くこと。私も王羲之や宋代の書の名手といわれた米芾などの書と寸分違わず臨書できるよう鍛錬を重ねました。大学時代、その技術もなしに基本を無視した作品を学生同士の展覧会に出展し、先輩にこっぴどく叱られたこともありましたね。 王羲之や米芾の書は、誰かに見せることを意図したものではなく、心の赴くままに書いた「卒意の書」です。それに対して、中国でも明代の終わりから清朝の初め頃にかけて、人に見せることを目的として華麗な技巧を凝らした書が登場します。年齢や経験を重ねた今は、それもまた「ええな」と思います。 日本の書家があこがれる展覧会に2020年も出品させていただきました。この展覧会では、出品者はことのほか緊張感をもって制作にあたりますが、今回私は一点だけ草書を中心にした遊び心の強い作品を出品しました。どれほど技術を高めても、またいくつになっても、書は変化していくものだと実感しています。

書の文化を育む豊かな環境が整った京都

 京都には、京都教育大学を中心に、書を学ぶ豊かな環境が整っています。また多くの書家が拠点を構えているのも、神社仏閣を中心に古くから書の文化が根づいてきた京

都ならではでしょう。そうした社寺に残る書画、あるいは床の間に飾られた軸、また書画展など、日常の中でもすばらしい書に触れる機会はたくさんあります。 書の文化を次の世代に残していくためには、書を嗜む人だけでなく、しっかり技術を身につけた人材を育てなければなりません。

私が大学で教鞭をとるのも、そうした思いがあってのことです。何より「正しい字を書く」ということは、教育の根本です。その意味でも今こそ小学校から書道教育を見直すべきだとも考えています。日本の未来に書の文化を残していくために、これからも尽力したいですね。

真神 巍堂 さん建仁寺塔頭正伝永源院住職

歴史ある神社仏閣や

書を学ぶ大学がある京都には

書の文化が根づいています。

真神 巍堂(まがみ・ぎどう) 1943年、京都府生まれ。幼い頃から書を学び、村上三島に師事。京都教育大学卒業。2016年、改組新第3回日展東京都知事賞、2017年、改組新第4回日展文部科学大臣賞、2019年、恩賜賞・日本芸術院賞、2020年、京都府文化賞功労賞を受賞、2019年、京都市文化功労者表彰。京都教育大学教授(書道専攻)を経て、現在、京都教育大学名誉教授、日展特別会員、日本書芸院理事長、読売書法会常任総務、京都書作家協会会長。

きものを通じて日本の文化を次代に伝えたい きものは「日本の文化の集約」だと私は考えています。例えば、歌舞伎や能といった伝統芸能も、きものがなければ成り立ちません。とりわけ京都は、初詣に始まり、初釜など文化と結びついた年中行事が数多くありま

す。また初節句から十三参り、成人式、結婚式といった通過儀礼でもきものを着る機会が多く、くらしの中にきものを着る文化が根づいていると感じます。 平安京の時代から都があった京都だからこそ、京友禅や西陣織をはじめ最高品質のきものが生まれ、洗練されてきました。今日でも親から子へと職人の技や感性が受け継がれています。きものの需要が減り、きもの産業の衰退によって、そうした次代にきものを引き継ぐ職人が失われていくことは、日本の文化が失われていくことに他なりません。京都のある呉服店の社長から「市田さんがきもの教室を始め、きものを着る人を増やしてくれたおかげで今まできもの文化が続いてきたんや」と言われ、「この仕事についたのは『運命』だったな」とつくづく感じています。 現在は、子どもにきものと日本の文化を教える講座も開催。教えると、子どもたちも真摯に耳を傾け、きものにも関心を持つようになると実感しています。これからもきものを通して日本の文化、京都の文化を次代に伝えていきたいですね。

きものの町・京都できものを着る人を育てる 京都で美容室を営み、「髪結いさん」、今でいうスタイリストの仕事もしていた母を手伝うようになったのは、1961(昭和36)、62(昭和37)年頃のことでした。ある時、室町の呉服問屋の社長に、デパートできものの着つけを実演する「きもの教室」の開催を頼まれたのが、着つけ教室を始めるきっかけです。「京都は、きものの町や。きものを着られる人を育てていかなあかん」という言葉に共感し、「さしてください」と答えました。これが日本の「着つけ教室」の先駆けになりました。終戦からしばらく経って社会も落ち着き、「きものを着たい」と思う人が増えてきた頃。依頼がひきもきらず、私は全国を飛び回って「きもの教室」を開催してきました。 またきものを海外で披露する機会にも数多く恵まれました。ブラジル修交100年、メキシコ日本人移住100周年、EU・JAPANフェストなど海外のイベントに招聘されて訪れた都市は108にものぼります。2008(平成20)年の洞爺湖サミットでも、各国の要人を前に十二単を解説しながら着装を行いました。世界のどの国でも、きものは「美しい」という称賛を越え、尊敬の念を持って評価されています。それほどすばらしいものなんですね。

市田 ひろみ(いちだ・ひろみ) 短大を卒業後、企業で役員秘書を経験した後、女優としてデビュー。その後、母親の経営する美容室で美容師をしながら、日本で初めて「きもの教室」を開催。全国に着つけ教室を広げた。現在は服飾評論家、エッセイスト、大学講師、日本和装師会会長として活躍。きものを日本、世界に広めている。2001年、厚生労働大臣より着つけ技術において「卓越した技能者表彰」を受賞。2005年、経済産業大臣より「伝統的工芸品産業功労者表彰」を受賞。2008年7月、G8洞爺湖サミット配偶者プログラムでは、詩書と源氏物語を語るとともに、十二単の着つけを披露した。2008年、京都府文化賞功労賞を受賞。

市田

ひろみさん

くらしの文化を楽しむ

京都の暮らしに

根づくきもの

ルビあり ふつ

くらしの文化を楽しむ

轆轤(2016年 改組 新 第3回日展 東京都知事賞)

13 14

らす魅力の一つだと思います。私にとって特に馴染み深いのが、北野天満宮です。京都に住んでいた頃は、毎月催される「天神さんの市」に家族や友達とよく行きました。またお正月には北野天満宮で行われる書き初め「天満書」に参加するのが恒例。年の始めに天満宮で書をしたため、気持ちがキュッと引き締まったことを今でも覚えています。

 もう一つ忘れられないのが、高雄山神護寺で本尊の薬師如来立像を見た時のことです。そのすばらしさに、「京都に生まれてよかった」と心から思いました。 何より京都のすばらしいところは、神社仏閣だけでなく、お祭りや伝統行事など、さまざまな歴史や文化が生活の中にしっかりと根づき、まちの人たちがみんなでそれを守っ

ていることだと思います。近年は、外国人観光客が増え、国内外を問わず京都以外の方々にまちの魅力を発信する機会が増えています。世界に誇る歴史や文化があり、くらしの中でそれに触れることができる。そうした京都の良さを私自身が理解し、伝えられるようになりたいですね。 上京して5年近く、東京で充実した毎日を送っていますが、仕事に熱中している時には知らず知らず肩に力が入っているのかもしれません。京都は私にとってホッと癒される場所。目まぐるしい東京と違って京都では、時間がゆっくりと穏やかに流れているように感じます。実家に戻った時には、近くのお寺や神社をお参りしたり、京都で活躍されているアーティストの作品展に足を運び、リラックスするのが楽しみです。京都には大学も多く、歴史や伝統だけでなく、新しいカルチャーも次々生まれています。そんなところも奥深い魅力です。 限られた時間の中で、あらゆる文化や価値観に触れられるのが、演劇の魅力です。令和2年を迎え、今年は特に舞台にも力を入れたいと意気込んでいます。これからも俳優として観客の方々に楽しんでいただき、「良い作品だった」と思っていただける作品に携わっていきたいと思っています。

芸術・文化に触れて育ったことが俳優としての今につながった 演技の世界に興味を持ったのは、高校生の時。当時アルバイトをしていたお店で映画の撮影が行われることになり、人手が足りないからとエキストラとして撮影に参加したのがきっかけでした。その後、小劇場の舞台に立ったり、自主製作映画に参加したり、ここ京都での経験が、俳優としての基盤になっています。 一方で、小さい頃から書道を学び、書道コースのある大学に進学。本格的に書道を学び、「書道の先生になりたい」と真剣に考えたこともありました。書道の道に進むか、俳優を目指すか。二つの進路を前に悩みましたが、スタッフ、俳優がみんなで一つの作品をつくる醍醐味を知り、「もっと俳優という仕事を掘り下げたい」と俳優の道に進むことを決意しました。 京都市右京区太秦で生まれ育った私にとって、映画の世界はとても身近なものでした。演劇を志した背景にも、そうしたまちの風土や文化が少なからず影響していると感じます。映画だけでなく、幼い頃、母や祖母に連れられて歌舞伎や能、日本舞踊、落語を見に行くなど、日本の古典芸能に親しんだことも大きいですね。今京都を離れて生活して改めて、さまざまな芸術や文化に触れながら育つ中で今の私がかたちづくられたのだと実感しています。 俳優として演劇に携わる上でも、文化や芸術に対する感受性を磨き続けたいと思っています。その一つとして最近、新しい筆と硯を買いました。地方での撮影で出会った方々に直筆でお手紙を書きたいと思ったからです。また四季折々できものを着る機会も多く、きものを通じて日本の季節や文化を感じることも大切にしています。

歴史・文化が身近にありまちの皆が守っているのが京都の魅力 数多くの神社仏閣があり、身近に歴史や伝統的な文化に触れられるのが、京都で暮

吉岡 里帆(よしおか・りほ) 1993年生まれ。京都府出身。小劇場の舞台などに出演し、京都を中心に活動を続けていたが2015年に本格的に上京。2016年に出演したNHK連続テレビ小説「あさが来た」で注目を集める。ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(2018年)、映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」(2018年)、「パラレルワールド・ラブストーリー」(2019年)、「見えない目撃者」(2019年)で、主演・ヒロインを務める他、「ホットギミックガールミーツボーイ」(2019年)など話題作に出演。最新映画「Fukushima50」に出演する他、舞台「FORTUNE」にも挑戦している。

京都で芸術・文化に触れて育ったことが、

俳優としての今につながっています。

くらしの文化を楽しむ

俳優

吉岡 里帆さん

学も、目標に向かって精一杯取り組んだ日々のすべてがいい思い出です。今の自分があるのは、恩師の先生方をはじめ、京都の地で多くの方々にご指導いただけたからだと感じています。

京都で競技を続けてきて学んだこと、成長したところを聞かせてください。

 一競技者として、また一学生としてどうあるべきかを学んだと思っています。学生時代は「何のために競技を続けるのか?」「アスリートとしてのゴールは何なのか?」と自身に問い続けながら競技に取り組んでいました。自問自答しながら学生の本分である学業と陸上競技とを両立させる中で、物事の優先順位のつけ方や集中力といった、あらゆる分野で大切なことを身につけることができました。またさまざまなバックボーンを持った仲間と一緒に過ごす中で多様な視点を培ったことが、競技人生でプラスに働いていると思います。

アスリートにとって京都の魅力は何でしょうか?

 毎年、全国高校駅伝や都道府県対抗女子駅伝など、身近で駅伝の全国大会が開かれ、一流の選手が走る姿を間近に見られたこと

は、中学・高校生の私にとって非常に良い経験だったと思います。陸上競技にかかわらず、そうした一流のものに触れる機会が数多くあることが、京都の魅力だと感じます。

くらしの中で文化や芸術に親しんでいることがありましたらお教えください。

 芸術には疎く、深く親しんでいるというわけではありませんが、時々美術館に足を運び、絵画などを楽しんでいます。これからはもっと優れた芸術に触れる機会を増やし、自分の感性を磨いていきたいですね。

東京2020オリンピック・パラリンピックで京都の魅力を世界にアピールするとしたら、どんなことを伝えますか?

 やはり京都の文化を見ていただきたいと思います。単に形として残る神社仏閣や作品に留まらず、そうした文化を生活の中で楽しみ、連綿と受け継いできた京都という土地の風土、精神性を感じてもらうことが一番ではないでしょうか。

東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、意気込み・目標を聞かせてください。

 東京で開催されることが決まったのは高校3年の時。それ以来、オリンピック出場を目指して競技に取り組んできました。2018年に愛知製鋼株式会社に入社した後、国際大会で上位に入賞するようになり、2019年、ドーハ世界陸上競技選手権20km競歩で優勝。東京2020大会出場のチャンスをつかみました。私自身、特別身体が大きい方ではなく、これといったフィジカルの強みがあるわけでもありません。そのため常に「どうしたらライバルたちに勝てるか」「勝つために今何をすべきか」を考えながら競技に取り組んでいます。 目標は、東京2020大会で金メダルをとること。そのために残りの日々も精進します。当日、最高のパフォーマンスを発揮して、それが京都の皆様に届けば嬉しいです。ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。

陸上、そして競歩との出合いを聞かせてください。

 小学生の時から長距離走が好きでした。中学で陸上部に入り、長距離走を専門にするようになりました。当時はたいした選手ではなく、地区予選で負けてしまうレベルでしたが、走るのは楽しかったですね。高校でも「楽しく続けられたら」という気持ちで陸上部に入部。そこで出合ったのが、競歩でした。高校1年の6月、競歩をしている先輩たちを見て興味を持ち、長距離と並行して競歩も練習するようになりました。最初は見よう見まねで、しばらくはルールを守るのに苦労しましたが、練習を重ねるうちにみるみる上達。2ヵ月後の8月に行われた京都府新人戦で優勝し、その年の近畿大会でも4位に入ることができました。どんどん競技にハマっていったのは、練習すればすぐに結果が出るのが嬉しかったから。恩師の指導もあって次第に長距離走より競歩の方が良い結果が出るようになったため、2年生からは競歩をメイン競技として取り組むようになりました。

京都とはどのような関わりがありますか?京都での思い出を聞かせてください。

 京都で生まれ、中学から大学卒業まで京都で過ごしました。陸上競技はもちろん勉

山西 利和(やまにし・としかず) 1996年、京都府生まれ。長岡第三中学校、堀川高校を経て京都大学を卒業。2018年、愛知製鋼株式会社に入社し、陸上競技部で競歩を続けている。学生時代は、2016・2017年、日本インカレ10000m競歩で優勝。2017年には日本選手権20km競歩で3位、ユニバーシアード20km競歩で優勝した。2018年、世界競歩チーム選手権20km競歩4位、同年のアジア大会20km競歩2位。2019年には、全日本競歩能美大会20km競歩優勝、さらに競歩GPラコルーニャ20km競歩で日本人初の優勝。ドーハで行われた世界陸上競技選手権20km競歩でも日本人で初めて優勝という快挙を成し遂げ、東京2020年大会出場が内定した。

15 16

陸上競技(競歩)選手愛知製鋼株式会社

山西 利和さん

東京2020大会で金メダルを取り、

その喜びを京都の皆様に届けたい。

アスリートが伝える

京都

写真提供/中部実業団陸上競技連盟

写真提供/中部実業団陸上競技連盟

んの楽曲が大好き。ふだんの生活ではもちろん、BMXにライディング中も聴いています。

今年いよいよ東京2020大会が開催され、世界中から多くの人が日本にくることが予想されます。

 東京だけでなく、少し足を延ばして京都にも来てもらえたら嬉しいですね。ぜひ京都で日本の歴史を感じてもらいたいです。

東京2020大会でBMXフリースタイルが初めて正式種目となり、中村さんの活躍が期待されています。意気込みを聞かせてください。

 自分の力を100%出し切って、悔いのない走りをすることが目標です。もちろん出場する以上は、「1番」を目指していますが、ベストを尽くした上で結果がついてくれば、最高

ですね。一番練習したライダーが勝つ。そう信じて本番まで誰よりも練習しようと思っています。

や日本の文化がよく知られていることに驚きますね。海外のライダー仲間が日本に来た時には、清水寺や伏見稲荷を案内することも。みんなとても喜んでくれます。アテンドすることで海外のライダーと親交が深まるので、そんなまちが地元であることに感謝しています。 また僕自身にとって京都の魅力は、リフレッシュできる場所が多いこと。嵐山の川沿いや竹林がお気に入り。ゆっくり歩くと、自然と気持ちが鎮まります。

くらしの中で文化や芸術に親しんでいることがありましたら教えてください。

 競技をする上でも欠かせないのが、音楽です。特に京都出身のラッパー・ANARCHYさ

京都とはどのような関わりがありますか?京都での思い出を教えてください。

 父親の経営するBMXショップが京都市内にあり、京都はまさにホームグラウンド。中学の時にプロに転向してからは、海外に遠征に行ったり、年末にオーストラリアで合宿するなど、京都、日本を離れることが多くなりましたが、今でも年末年始は必ず地元に戻り、実家で過ごしています。元日の朝、初詣に行って一年を始めるのが毎年の恒例です。

日本、そして世界で活躍されて、改めて京都の魅力を感じることはありますか。

 国際大会に出場し、海外のライダーと交流した時、「京都出身」だと言うと、それだけで話が盛り上がります。改めて世界でも京都

BMXとの出合いを聞かせてください。

 父親がBMXライダーで、BMXショップを経営していることから、生まれた時からBMXが身近にありました。2歳頃から自然に乗るようになり、5歳からキッズクラスの大会に出場するようになりました。全日本選手権や国際大会で活躍する強豪ライダーが出場する国内のメジャー大会のジュニアクラスで優勝したのは、14歳の時。2018年からシニアクラスで「FISEワールドシリーズ」に参戦し、2019年の「FISEワールドシリーズ」のUCIワールドカップ第3戦、フリースタイル・パークで優勝しました。

17 18

中村 輪夢(なかむら・りむ) 2002年、京都府生まれ。2歳でBMXを始め、5歳で大会に初出場。2015年に「FISE World 成都大会」(アマチュア部門)で優勝したのを皮切りに、2016年「RECON TOUR」(13~15歳クラス)、「PERUGIA CUP」「G-Shock Real Tougness」で優勝を果たす。2017年、「UCIアーバンサイクリング世界選手権」7位、「第1回全日本BMXフリースタイル・パーク選手権大会」優勝。2019年、「UCIワールド杯広島大会」準優勝、「UCIワールド杯中国大会」で優勝し、同年の「UCIワールド杯」の年間総合優勝を獲得。

BMX選手

中村 輪夢さん

東京2020大会で自分の力を100%出して「1番」を取れたら最高です。

アスリートが伝える

京都

写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社

写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社

写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社 写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社

写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社

写真提供/NaokiGaman/ファーストトラック株式会社写真提供/ファーストトラック株式会社

19 20

京都文化力向上宣言

カズコ・ザイラーピアニスト

 一千年前、山紫水明の平安の都に「源氏物語」が

誕生し、近年では二十余の外国語に翻訳され、世界

各地の人 に々感銘を与え続けています。

 2008年11月1日、国立京都国際会館において平成

の天皇、皇后両陛下のご臨席の下、源氏物語千年紀

記念式典を開催するとともに、この11月1日を「古典の

日」として宣言いたしました。

 その後2012年に古典の日に関する法律が施行さ

れるところとなり、2015年開催の「琳派400年記念

祭」をはじめとして、京都の優れた文化的所産を積極

的に国内外に発信してまいりました。

 一方で、京都に広く世界の文化や知見を招き交流

を広めるべく、国際会議の誘致・開催にも取り組んで

おり、2019年に国際博物館会議や、国連観光・文化

京都会議が開催されたのは記憶に新しいところです。

 今後は、京都へ移転する文化庁とも一層の連携を

図りながら、国内外に「京都」の魅力を発信し続けると

ともに、世界との交流の場をよりいっそう設けることを

通じて、京都のさらなる文化力向上のお役に立ちたい

と考えています。

村田 純一公益財団法人 京都文化交流コンベンションビューロー 理事長古典の日推進委員会 会長京都文化力プロジェクト実行委員会 理事

向井 久仁子向井酒造株式会社 杜氏

 建築の設計をしていると、2つの思いに引き裂か

れる瞬間がときに訪れます。この案はいまだ体験し

たこともないまったく新しい世界だ、という思いと、

それとは逆に、この感覚はずっと昔、誰かが体験し

た感覚だったという思いとにです。京都市美術館

の再生のために設計しているときにも、そんな瞬間

を何度となく体験しました。なにしろ今から80年余

り前、実際その建築の現場では、金工たちが扉に

すばらしい細工を施し、また左官が漆喰で丁寧に

持ち送りを造っていたのですから。かつて職人たち

がそこで嗅いだはずの未知の世界と、いま自分の

前に拓けつつある未知の世界が重なり合って、響

き合う感覚のこの不思議な体験。京都という町が

そういうやり方で、伝統を更新しつつ紡いできたこ

とに、今さらながら思い当たります。美術館とは、も

のを「つくる」という人間の一側面とともにある機

関。加速度的にせわしなく条件反射的な反応ばか

りが溢れる現代のなかで、ものを「つくる」ことの本

源であるその体験の貴重を守り、さらに広げてい

きたいと思っています。

 伝統というものには、ある困難に直面した時、それを乗り越える力があると感じます。京都に

息づいた伝統文化の一つである茶の湯は、明治維新による京都の地方化という現実を乗り

越え、昭和初期、新たな家元制とともに復活を遂げました。重要なのはその時、従来とは異な

る機能・組織を作り出しているということです。時代の要請に応え自己変革することで受け継

がれてきたもの、それが伝統文化なのです。それらが秘める目には見えない“文化力”は、広く

社会に発信することでこそ、培われていくものなのだろうと思っています。

 日本文化を受け継いでいく上では、まず、形ではなく精神を伝えるという発信者の意識、そ

れを感じ、素直に楽しむ受け手の姿勢が大切です。そして人生100年時代に向けて、さらに

変革していかなければなりません。高齢者の方、障害のある方、外国人の方も、誰もが公平に

享受できる形を創造し、文化に触れる一人ひとりにとって、それぞれが抱える困難を乗り越え

る力となるような存在へと進化させていきたいと考えています。

 日本酒の醸造元に生まれ、物心ついた頃には、毎年冬、兵庫県の温泉町から杜氏さんが

来て住み込みで酒造りをする光景がありました。その頃から職人さんの世界が好きで、歴史

あるものに惹かれていました。転機は、父親の強い希望で進学した大学の醸造学科で、竹田

正久教授のいる醸造微生物学研究室に入ったこと。「これからは話題性のある酒造りをして

いかなければならない」とおっしゃる竹田先生のもとで酵母作りから酒造りを経験し、日本

酒を造る喜びと探究心が生まれました。向井酒造に就職後も、先生から学んだ「新しいことに

挑戦する心」を大切に新酒開発にも力を入れてきました。その一つ1998年に造った「伊根満

開」は2020年の今、海外にも輸出し、当蔵を代表する日本酒になっています。

 昔ながらの清酒造りや文化を守りつつ、同時に新酒造りに挑むことは、酒造を続けていくた

めに大切な事だと思います。日本酒は日本の文化の一つです。私も先人が残してくれた文化を

大切に学び伝えるとともに、新しいことに挑戦する楽しさも伝えていきたいと思っています。

 京都は長い歴史の中で多様な文化が育まれてきた日本文化の代名詞ともいうべき都市です。そうした数ある伝統文化の中にあって比較的新しい芸術文化である西洋音楽も豊かに育む土壌が、京都にはあります。音楽の専門課程のある公立大学をはじめ、いくつもの音楽が学べる大学の他、京都市交響楽団などが活躍するのもその一端です。私自身も南丹市にコンサートホール「かやぶき音楽堂」を建立し、同じくピアニストだった夫と共に世界中で演奏活動を行いながら、初夏と秋に「かやぶきコンサート」の開催を続けてきました。大切なのは、過去の文化を守るだけでなく、未来に向けて文化をさらに発展させていくこと。そのためには次代の文化の担い手を育てるとともに、地域の方々が文化や芸術に触れる機会を増やす必要があると考えています。コンサートに足を運び、生の音色を聴く感動は他に代えがたいものです。ぜひ国や行政を含め、地域を挙げて芸術・文化を応援し、その感動に触れる機会を増やしていただければと願っています。

青木 淳京都市京セラ美術館 館長京都文化力プロジェクト実行委員会 特別委員

熊倉 功夫一般社団法人 和食文化国民会議 名誉会長MIHO MUSEUM 館長

京都文化力プロジェクトをより発展させていくために、

京都文化力プロジェクト実行委員会の関係者等から、

これからの京都の文化力をさらに向上させるための

メッセージをいただきました。

(敬称略)

京都文化力プロジェクト2016‒2020が目指すもの

 「京都文化力プロジェクト」は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等を契機として、日本の文化首

都・京都を舞台に行われる文化と芸術の祭典です。

 オリンピックは、世界最大の平和の祭典であり、スポーツの祭典であるとともに、文化の祭典でもあります。オリンピック

憲章では、オリンピズムとはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものと規定しています。

 京都から多彩な文化・芸術を世界に発信するとともに、国内外の人 と々交流・協働し、新たな創造の潮流を起こし

ていきたいと考えています。

 現在「伝統的」と言われるものの多くが、創生当時「革新的」であったように、今、「はじめる、新しいものをつくる」ことが、100年後、200年後の未来につながっていきます。 京都文化力プロジェクト実行委員会では、悠久の歴史に育まれてきたヒト・モノ・コトを「美術・工芸」(アーツアンドクラフツ)、「舞台芸術」(パフォーミングアーツ)、日常生活の中に息づく「くらしの文化」による3つの分野の視点を中心に事業を展開していきます。 年度ごとに1つの分野に絞ったリーディング事業と合わせ、その他2つの分野のワークショップやイベントなど、様々な規模で実施しています。 2020年に、あらゆる分野の総合的な文化芸術の祭典を計画。未来への遺産(レガシー)の布石となるよう、活動していきます。

The Creative Power of Culture: From Kyoto to the World

事業展開

これまでの活動

3つの目標世界の人々に

京都の魅力を伝えもてなす基盤をつくる

世界の人々に京都の総合的な文化力を提示する

世界の人々と協働し新たな創造の潮流を起こす

創造する文化 京都から世界へ

21 22

アーツ アンドクラフツ

2017 2018 2019 2020

パフォーミングアーツ

くらしの文化

毎年実施する事業●推進フォーラム●機関誌の発行●webサイトの運営

リーディング

リーディング

リーディングあらゆる分野の総合的な祭典

 京都文化力プロジェクト実行委員会では、2020年以降を見据えた文化プログラムを「beyond2020プログラム」として認証しています。認証を受けることで、ロゴマークを活用した広報や、本実行委員会ホームページのほか、全国の文化プログラムを集約・多言語化するポータルサイト「Culture Nippon」などに掲載され、広く事業がPRできます。▶詳しくは http://culture-project.kyoto/pages/entry/entry_beyond.html

beyond2020プログラム(京都文化力)の認証について

 京都文化力プロジェクト実行委員会の趣旨にご賛同いただける団体、企業、個人を募っています。ご賛同いただける場合は下記URLからお願いします。(入会費・年会費不要)※会員には、beyond2020プログラム(京都文化力)に認証された事業を定期的に配信します。▶詳しくは http://culture-project.kyoto/pages/entry/

京都文化力プロジェクト実行委員会への入会について

2013年(平成25年)

9月 東京2020オリンピック・パラリンピックの開催決定

2014年(平成26年)

8月 「京都文化フェア」呼びかけ

10月 「京都文化フェア呼びかけ」に基づく推進委員会設立 (ワーキング会議設置)

2015年(平成27年)

9月 基本構想中間案公表

2016年(平成28年)

3月 基本構想策定

5月 京都文化力プロジェクト実行委員会設立 (理事会開催、部会設置)

10月 実施計画(総論)策定 スポーツ・文化・ワールド・フォーラム開催

2017年(平成29年) 1月 大学生による京都文化の発信・体験プラン コンテスト開催

3月 機関誌Vol.1発行

4月 第1回推進フォーラム開催

8月 beyond2020プログラムの 認証申請受付開始

8月・9月 「東京キャラバン in 京都」開催

12月~2018年3月 “伝統×最先端”球乗り型ロボット 衣装デザインコンペ開催

2018年(平成30年)

2月 機関誌Vol.2発行 第2回推進フォーラム開催

4月 マルチリンガル伝統文化ウィーク in 二条城実施

9月 KYOTO・アート6-芸術めぐり- 開催

11月 伝統と創生 -無形文化財保持者たちの作品展- 開催

12月 第3回推進フォーラム開催

2019年(平成31年・令和元年)

1月 入門冊子『はじめての近代日本画 京都画壇のスゴイ画家と作品!』発行

2月 野外インスタレーション公募展

3月 機関誌Vol.3発行

5月 国際交流茶会開催

8月 イベントガイド秋号発行

9月 京都・くらしの文化×知恵産業展開催 まちじゅうお稽古実施

10月 京都・くらしの文化まつり開催

12月 イベントガイド冬号発行

2020年(令和2年) 1月 第4回推進フォーラム開催

3月 機関誌Vol.4発行    大人のインターンシップ(文化交換)開始