昭和29年1月30日 1 平成25年8月26日 第2851号 町村週報 ...第2851号...

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1 平成25年 8 月26日 第2851号 昭和29年1月30日 第三種郵便物認可 町村週報 発行所 全国町村会 〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番35号 電話03-3581-0486 FAX03-3580-5955 発行人 石田直裕定価1部40円・年間1,500円(税、送料含む) 振替口座00110-8-47697   http://www.zck.or.jp 町村の購読料は会費 の中に含まれております 毎週月曜日発行 2851 ○写真募集○ 表紙に掲載する写真を募集してい ます。採用者には、粗品を差し上 げます。 写真には撮影者の住所、氏名及び 撮影場所・日時を明記して下さい。 なお、採否は当方に一任願います。 送り先:全国町村会・広報部 100020133コラム

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  • 町 村 週 報1 平成25年 8 月26日 第2851号昭和29年1月30日第三種郵便物認可( )

    町村週報発行所 全国町村会 〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目11番35号:電話03-3581-0486 FAX03-3580-5955発行人 石田直裕:定価1部40円・年間1,500円(税、送料含む) 振替口座00110-8-47697   http://www.zck.or.jp

    町村の購読料は会費の中に含まれております

    毎週月曜日発行

    ( )2851号

    ○写真募集○● ●

    も く じも く じひまわり

    表紙に掲載する写真を募集しています。採用者には、粗品を差し上げます。写真には撮影者の住所、氏名及び撮影場所・日時を明記して下さい。なお、採否は当方に一任願います。

    送り先:全国町村会・広報部

    夏休みの帰省・旅行シーズン。今年も猛

    暑の中を日本中で人々が移動した。安定し

    た生活を営む人たちにとって、帰省や旅行

    は一時的な非日常空間への移動にすぎな

    い。だが、仕事が不安定だったり、これか

    らの暮らしに不安を抱える人たちには、帰

    省先・旅先でのふとした経験が、移住・定

    住のきっかけとなることもある。「旅先で

    出会ったこの土地に定住を決めた」という

    話を耳にすることもある。

    ところが、多くの地域では、こうしたきっ

    かけを活かし、移住・定住に結びつけるこ

    とができない。それは、来訪者がその地へ

    の移住を思い描くための具体的な情報がな

    いからだ。

    私たちは、暮らしを「創造」するのでな

    く「選択」するようになっている。欲しい

    ものは、探せばたいてい手に入る。「選ぶ」

    ことが消費であり、生活である。都会が豊

    かだと言われるならば、それは選択肢の多

    さゆえである。手土産一つ購入するのでも、

    結婚式場一つ決めるのでも、身近なところ

    に何百種類もの選択肢があり、実に多数の

    選択肢の中から、自分に合ったものを選ぶ

    ことができる。

    とはいえ、人間の情報処理能力には限界

    もある。大量の選択肢の中からどれを選ん

    でよいかわからない。人はしばしば迷う。

    そこで登場するのが、指南(アドバイス)

    をするサービスである。手土産を紹介した

    カタログ、あるいは結婚情報雑誌、結婚式

    をプロデュースするサービス業者など、自

    分に合った商品を選ぶためのサービスもま

    た、一つのビジネスとなっている。

    非正規雇用の拡大。大卒での就職難。人

    生の選択肢として「田舎暮らし」「移住」

    に関心を持つ人もいるだろう。ところが、

    どこに行けばどんな仕事と暮らしが手に入

    りそうなのか。体系的に描かれた情報がな

    い。移住という選択肢が見えないのである。

    都会からの若者の移住・定住に成功した

    地域に共通するのは、移住後の暮らしをデ

    ザインし、「この地域に来れば、こんな仕事、

    このくらいの年収、こんな一週間がおくれ

    る」という絵を提示していることである。

    移住した先人がおり、彼らがロール・モデ

    ルとして、移住後の生活を見せてくれると

    いうこともあるだろう。「地域おこし協力

    隊」などの制度もまた、現地での数年間の

    所得や暮らしを具体的に考えながら移住を

    可能とする装置として機能している。

    地元での仕事と暮らしのイメージを具体

    的にいくつか提示することで、その土地へ

    の移住は、初めて選択肢の一つとしてイン

    プットされる。地元の情報を整理し、選択

    肢をデザインし、提示すること。都会型消

    費行動に慣れた人々への移住を呼び掛ける

    メッセージは、そこから始まる。

    「訪日ブランド」確立により外国人観光客1、000万人達成へ〜2013年版観光白書〜…⑵

    花と緑と水のまち=宮崎県三股町……………………………………………………………………⑸

    復興だより 

    3年目の大きな一歩〜宮城県七ヶ浜町〜……………………………………………⑼

    町村Navi……………………………………………………………………………………………⑽

    「瀬戸内のハワイ」周防大島町の驚愕の歴史…………………山口県周防大島町長 

    椎木 

    巧…⑾

    フォーラム

    コラム

    移住・定住という選択肢

    日本大学経済学部教授 

    尾 

    なみ

    ぬま

  • 町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成25年 8 月26日 2第2851号

    政 策

    白書第1号と海外旅行自由化

     

    観光白書は1964(昭和39)年

    より作成され、今回で第50号となっ

    た。いわば記念号として、今年の白

    書では、この50年の観光行政を振り

    返っている。

     

    1964年といえば、東京オリン

    ピックが開催された年としてよく知

    られるが、前年に観光基本法が制定

    され、それに基づき初めて観光白書

    が作成された年でもあった。そして、

    それまで一般には認められていな

    かった、観光目的の海外旅行が自由

    化されたのもこの年だった。

     

    しかし、この当時行政の視点は、

    まだまだ外国人観光客を誘致し外貨

    を獲得することに向けられていたと

    いえる。いっぽう日本人海外旅行客

    は、500米ドルまでしか持ち出せ

    なかった。1ドル360円の固定相

    場時代だったので、およそ18万円で

    ある。

    80年代の海外旅行ブーム

     

    そして、1980年代後半のバブ

    ル期になると、欧米諸国との間に生

    じた貿易摩擦への対策のひとつとし

    て、日本人の海外旅行を促進する政

    策がとられた。好景気と円高を追い

    風に、日本人海外旅行者数は瞬く間

    に年間1、000万人を超えたが、

    日本を訪れる外国人旅行者数との乖

    離が広がり、国際旅行収支(日本人

    が海外で使うお金と、外国人旅行者

    が日本で使うお金の収支)が大幅な

    赤字となってしまった。

    21世紀は観光立国をめざす

     

    21世紀に入り、国は「観光立国を

    めざす」と宣言。10年前の2003

    政府は2013年版観光白書をこのたび閣議決定した。今年は白

    書50号目を数えるが、また日本が観光立国を目指して10年目、さら

    に観光庁が発足して5年目と、節目が重なった。白書は過去50年を

    振り返るとともに、今後は東南アジアからの観光客誘致に力を入れ

    るように提案。安倍内閣は提案を受けて、タイとマレーシアからの

    旅行客の観光ビザを免除することを決定した。

    年には国土交通大臣が本部長とな

    り、「ビジット・ジャパン・キャンペー

    ン」の名称の下、外国人観光客の誘

    致を積極的に始めた。そして観光立

    国推進基本法が成立、施行され、

    2008年には観光庁が発足。日本

    を訪れる外国人旅行者数を2013

    年に1、000万人、2016年に1、

    800万人、2020年に2、50

    0万人とする目標を掲げている。

     

    さて、このような経緯を再確認し

    た上で、2012年の状況を見てい

    こう。

    日本は、観光新興国

     

    2012年、世界全体の観光客数

    は、前年比約4%増で史上初めて10

    億人を突破した。国別ランキングは

    まだ2011年のものしかないが、

    どこの国が人気があるかというと、

    フランスが7、950万人でトップ。

    2位アメリカが6、233万人、そ

    して中国5、758万人が3位であ

    る。日本は、622万人で39位。観

    光においては、先進国にはほど遠く、

    白書の表現によれば「我が国は、〝観

    光後進国〞からようやく〝観光新興

    国〞になったに過ぎない」。ただし

    2011年は、東日本大震災による

    落ち込みが激しかったため、その前

    「訪日ブランド」確立により外国人観光客1,000万人達成へ

    ~2013年版観光白書~

    政策解説

  • 町 村 週 報3 平成25年 8 月26日 (第三種郵便物認可) 第2851号

    政 策

    年の861万人という数字をあては

    めてみると30位ぐらいにはなるが、

    やはり新興国といえよう。

     

    2012年の訪日外国人旅行者数

    は837万人で、大震災の影響から

    は回復したが、目標としていた90

    0万人には届かなかった。2012

    年9月の尖閣諸島国有化以降、中国

    人観光客が前年同月比で34〜44%減

    であったのが響いている。

     

    日本を訪れる外国人観光客数は、

    韓国・中国・台湾・香港の東アジア

    4ケ国で約65%を占めている。白書

    は、中国人観光客の減少を「特定の

    市場に依存した訪日外国人客構造の

    脆弱性を身を持って学んだ」と指摘

    し、「送客元の多様化により、外的

    要因に大きく影響されることのない

    安定的な訪日外客構造を構築するこ

    とが必要」と指摘。具体的には、成

    長著しい東南アジア諸国からの旅行

    客誘致を強化するとしている。

    日本人の海外旅行者数は過去最高

     

    また、日本人観光客数に注目する

    と、2012年に国内旅行をした日

    本人の延べ人数は、1億7、876

    万人で前年比5・2%増。さらに、

    震災前の前々年比でも4・3%増で、

    震災の影響から回復した。このうち

    2012年に海外旅行をした日本人

    は、1、849万人で過去最高を記

    録している。

     

    しかし、東北6県を見ると、観光

    客向けの宿泊施設の利用者数は前々

    年比約20%減で回復が遅れている。

    外国人宿泊客だけを見ると、前々年

    同月比40〜80%減と落ち込みはさら

    に大きい。東北運輸局では、2012

    年3月から2013年3月まで、東

    北全体を博覧会場に見立てた「東北

    観光博」を開催。各観光地でのおも

    てなしの向上や、地域間での連携の

    取組が始まり、さらに今後にも引き

    継がれていくと期待されている。

    3つのCで観光先進国をめざせ

     

    日本が観光立国化を宣言して10

    年。当初は、520万人ぐらいだっ

    た外国人観光客数は約837万人へ

    と増えた。海外で積極的にキャン

    ペーンなどを行った成果だが、今後

    1、000万人、1、800万人、

    2、500万人へと拡大していくた

    めには、新たな戦略が求められる。

    多くの国の中から、日本を選んでも

    らうためには、魅力的な日本のイ

    メージを確立しなければならない。

    ぜひとも日本を訪れたいと感じても

    らわなければならない。白書は、こ

    0

    200

    400

    600

    800

    1,000

    1,200

    1,400

    1,600

    1,800

    2,000

    38

    昭和 平成

    39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63年元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

    (万人)

    (年)

    日本人海外旅行者数訪日外国人旅行者数

    0102030405060708090100(%)

    24232221201918171615141312111098765432年元6362616059585756555453525150494847464544434241403938

    昭和 平成

    その他アフリカ南米オセアニアアジア欧州北米

    (年)

    ■参考1 日本人海外旅行者数及び訪日外国人旅行者数の推移

    ■参考2 地域別訪日外国人旅行者数シェアの推移

    (注) 1 日本政府観光局資料に基づき観光庁作成。 2 平成24年の数値は暫定値。

  • 町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成25年 8 月26日 4第2851号

    政 策

    れを「訪日ブランド」の確立と表現

    している。

     

    そして、「日本を旅行することで

    しか得られない3つの価値」をあげ、

    この価値を日本各地の観光地が外国

    人旅行者に提供することで、日本の

    統一イメージを形成することができ

    るとしている。

     

    すなわち

    価値1:日本人の神秘的で不思議

    な「気質」に触れることができる

    (Character

     

    高い美徳、規律。礼儀正しさ。シャ

    イだけど親切。好奇心と根気で独自

    の世界を作り上げる。わびさび。暗

    黙知。

    価値2:日本人が細部までこだわり

    抜いた「作品」に出会える(C

    reation

     

    匠の作品。世界一のハイテク作品。

    異文化を日本的に昇華させた作品。

    自然と一体化した作品。日本食。

    価値3:日本人の普段の「生活」に

    あるちょっとしたことを経験できる

    (Common Life

     

    ちょっとしたことに楽しみやくつ

    ろぎを感じられる生活。四季や伝統

    と現代が融合した生活。世界一厳し

    い消費者を満足させるレベルの高い

    消費ができる生活。おもてなし。便

    利、清潔、安全な生活。

    の3つの価値(3つのC)である。

     

    なお、価値3(C

    ommon Life

    については、居酒屋で一杯飲みなが

    ら日本食や日本人の気質を味わった

    り、ハイテクの粋である新幹線に

    乗って窓の外を見ると由緒ありげな

    古い祠があったりと、日本人の日常

    生活を体験することとしている。

    MICE分野での薄まる存在感

     

    ツーリズムと並んで、白書が重要

    課題と位置づけるのが、MICE分

    野の国際競争力の強化である。

     

    MICEとは、M

    eeting

    企業等

    のミーティング、Incentive

    企業の

    奨励旅行、研修旅行、C

    onvention-

    総会、学術会議、Event

    /Exhibition

    イベント、見本市。のことで、国際

    会議をイメージすれば理解しやすい。

     

    1990年代には、アジア太平洋

    地域におけるMICE開催数は圧倒

    的に日本が多かったが、現在では中

    国、韓国、シンガポールなどが大き

    く数を伸ばしている。かつては50%

    を超えていた日本のシェアは201

    1年には21%まで低下している。

     

    MICE開催は、オリンピックの

    ように誘致の力が問われるため、海

    外の諸都市との競争に勝てる人材を

    育てることが重要である。

    産業力とインフラの強化

     

    最後に、産業という視点で見ると

    我が国の観光産業は縮小している。

    旅行業の旅行取扱額は1996年が

    9・92兆円であったのが、2011

    年には6・29兆円と36・6%減少。

    宿泊業の市場規模も、1991年の

    4・94兆円から2011年には2・

    70兆円と45・3%減少している。こ

    れは、バブル期に市場が急激に拡大

    し、その後は伸びていないからだが、

    白書によれば海外の巨大なグローバ

    ルチェーンと競争できる企業を育成

    し、産業に競争力をつけなければな

    らないとしている。

     

    また、インフラ面ではIT整備も

    必要だ。無線LANを拡充したり、

    旅行案内所をネットワークでつない

    だりといった、IT機器を携えた旅

    行の時代への対応も急がれている。

    東南アジアとムスリム

     

    6月11日、白書が閣議決定される

    前に、安倍首相が主宰する「観光立

    国推進閣僚会議」が開催され、タイ

    とマレーシアからの訪日旅行者の観

    光ビザを免除することが決められた。

     

    経済成長が著しく、今後増加が見

    込まれる東南アジア観光客の誘致に

    力を入れるべきだという白書の提案

    を受けた格好となっている。

     

    マレーシアなど東南アジアにはイ

    スラム教徒が多い。いわゆるムスリ

    ムである。ムスリムは戒律を守って

    生活していて、食事も豚肉やアル

    コールを摂ってはならない。しかし、

    下ごしらえにアルコールや豚に由来

    した調味料などを使わなければ、寿

    司も天ぷらも楽しめる。これからは

    日本でもムスリム用の食事を提供す

    ることが求められるだろう。

     

    すでに、北海道運輸局では201

    2年から、イスラム文化圏からの誘

    客促進に取り組んでおり、料理につ

    いても研究が進んでいる。また、中

    部・北陸両運輸局では、2012年

    に「昇竜道プロジェクト」を開始し、

    海外プロモーションを行って観光客

    を迎えているが、2013年からは

    東南アジアも対象市場に追加するこ

    とになっている。

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  • 町 村 週 報5 平成25年 8 月26日 (第三種郵便物認可) 第2851号

    フォーラム

    三股町は、宮崎県の南西部に広が

    る都城盆地の東部に位置し、町の約

    72%が鰐塚山系に囲まれた平均標高

    250メートルの台地です。そして、

    九州山地の高峰、高千穂の峰をはる

    か西に望み、東は鰐塚山、雪が峯、

    柳岳、東岳の4つの峰が連なる鰐塚

    山系に囲まれ、これらの山地を背景

    に平野が広がる中、東西に大淀川の

    支流「沖水川」が貫流している自然

    豊かな土地柄です。町の人口は、平

    成25年7月1日現在で、25、28

    6人となっており、県内で唯一人口

    が増加している町です。また、15歳

    以下の年少人口の割合が16・2%と

    県内でもその割合は一番高くなって

    おります。

    歴史的には、明治2年、薩摩藩士

    で弱冠35歳の三み島しま通みち庸つね公が都城の地

    頭として赴任し、三股建設の大事業

    を起こし、教育振興をもって開拓の

    大本としました。その頃、荒涼とし

    た原野であった山さん王のう原ばる地区をこの地

    の麓と定め、縦横に大道路を建設し、

    そして近隣集落から70戸を移住さ

    せ、政庁と学校を建設しました。わ

    ずか2年の在任期間ではありました

    が、短日月に開拓整備したものは多

    く、三股発展の礎は三島通庸公にあ

    るといっても過言ではないと言われ

    ています。そして、明治22年の村制

    施行により三股村、昭和23年に三股

    町となり、今年で町制施行65周年を

    迎えます。

    本町の基幹産業は、農畜産業であ

    み また ちょう

    三股町宮崎県

    宮崎県

    N三股町

    花と緑と水のまち

    △ 都城盆地を一望できる上米公園。ソメイヨシノ500本が植えられている。例年 3月下旬から 4月上旬に見頃となり、夜はライトアップされる。

    現地レポート

    地域資源を活かした活性化策

  • 町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成25年 8 月26日 6第2851号

    フォーラム

    り、温和な気候と肥沃な土壌が生み

    出す農畜産物の品質は高く評価され

    ております。肉用牛、ひな、サトイ

    モ、ラッキョウ、荒茶は全国1、8

    00市町村の中でも100位以内に

    入る産出額を誇っています。特に肉

    用牛においては、平成24年10月に開

    催された「和牛のオリンピック」と

    呼ばれる第10回全国和牛能力共進会

    において、本町の肥育牛が宮崎県代

    表として出品され、二大会連続で日

    本一を獲得するなど、高い実績を残

    しています。

    文教のまち

    三股町には、小学校6校、中学校

    1校があり、昔から「文教のまち」

    と呼ばれています。藩政時代、薩摩

    藩に属していたこの地域では、郷ご

    中じゅう

    教育と呼ばれる伝統的な教育が

    盛んに行われていました。郷中とは

    今でいう自治会組織のようなもので

    す。その中で、年少者は年長者から

    武芸、学問のほか、社会生活を送る

    ために大切なことを学んできまし

    た。明治初期になり、三島通庸は郷

    中教育をさらに振興し、「礼儀を正

    しくせよ」などの教育が徹底されて

    いました。この精神を受け継いで三

    股町には独自の「あいさつ」があり

    ます。登校時には感謝の心をもって

    校門で一礼、授業前には心を落ち着

    けて黙想・座礼をします。また、無

    言清掃で学校を磨くとともに、心を

    磨くことを学びます。また、毎月3

    の付く日を「みまたの日」と定めて、

    「みまたの日」には三股の文化・歴

    史などを給食時間に放送して郷土を

    愛するこころを育てています。この

    ように「あいさつ」「無言清掃」「郷

    土学習」など、「三股ならでは」の

    理念をもとに義務教育課程の9年間

    を通して、継続した一貫教育を行

    なっています。特に、郷土学習につ

    いては、未来を担う子どもたちに、

    ふるさとを想い、大切にする心を育

    てるため、伝統芸能を各学校で練習

    しています。地域の人々が学校を通

    して教えており、子どもたちと地域

    の大人を結びつける役割を持ってい

    ます。まさしくこれが学校と家庭・

    地域社会が連携して育てる「文教み

    またの伝統教育」であると言えます。

    平成22年11月24日、「文教みまた

    子どもサミット」が開催され、町内

    全児童生徒(約2、600名)が三

    股町の伝統について話し合いまし

    た。その結果、文教三股の歴史と伝

    統をもとにした三股町児童生徒憲章

    が制定されました。

    町では、三股町児童生徒憲章をも

    とにして、文教みまたにふさわしい

    子どもを育てることで、人間性豊か

    な文教のまちづくりに取り組んでい

    ます。

    また、最近は教育用コンピュータ

    の更新、書画カメラや校務支援ソフ

    トの導入など教育の情報化も進めて

    います。

    そのほか、地域における創造的で

    文化的な表現活動のための環境づく

    りに特に功績のあった公立文化施設

    として、三股町立文化会館が財団法

    人地域創造による「平成24年度地域

    創造大賞(総務大臣賞)」を県内で

    昨年の全国和牛能力共進会で見事日本一

    に輝いた福永透さんの受賞報告。

    三股町立文化開館の長期人材育成事業と

    して始まった、小学生から高校生による

    演劇ワークショップ「みまた座」。9期

    生本公演の様子。

    町には各地区に古くから伝わる棒踊りや

    奴踊りなどがあり、今も子どもたちへと

    継承されている。写真は梶山棒踊り。

  • 町 村 週 報7 平成25年 8 月26日 (第三種郵便物認可) 第2851号

    フォーラム

    初めて受賞しました。平成13年の開

    館以来、劇団こふく劇場と連携し、

    「戯曲講座」「演劇ワークショップ・

    みまた座」「まちドラ」「開館10周年

    記念演劇・おはよう、わが町」など

    を実施し、活力ある地域づくりに貢

    献したことが評価されました。ここ

    にも、「文教のまち・みまた」の意

    気が受け継がれています。

    アスリートタウンみまた

    さらに、近年では、スポーツ振興

    にも力を入れており、生涯スポーツ

    や競技スポーツ等、様々な面からス

    ポーツ振興を図るため、平成22年度

    にスポーツ振興計画を策定しまし

    た。町民一人一人が、健康で充実し

    た生涯を送ることやスポーツ水準の

    向上を目的に、子どもも高齢者も、

    町民誰もが、それぞれの体力や年齢、

    身体、目的に応じて身近な地域で「い

    つでも、どこでも、いつまでも」ス

    ポーツを楽しむことができるよう

    「〝アスリートタウンみまた〞の創造」

    をスローガンに掲げ取り組んでいま

    す。特に、毎年夏に開催する「みま

    た町民総合スポーツ祭」では、自治

    公民館対抗のソフトボールをはじ

    め、グラウンドゴルフ、パークゴル

    フ、卓球、テニスなど、計16種目を

    行い、千人を超える参加者が熱戦を

    繰り広げています。また、誰でも参

    加できる持久走とウォーキングの大

    会として「チャレンジRUN&

    ウォーキング大会」も開催していま

    す。持久走の部には、男子の部、女

    性の部、ファミリーの部など5つの

    部門を設定し、それぞれにレースを

    開催、ウォーキングの部門では三股

    町の自然や景観を楽しみながら参加

    者全員が7キロメートルの道を歩き

    ます。さらに、同時開催する「地区

    対抗駅伝」では、9つの地区の小学

    生から一般までの代表選手が力走

    し、地域間および世代間の交流促進

    が図られています。

    ハード面においても、平成24年に

    10人立ちが可能な南九州でも有数の

    広さを誇る県産材をふんだんに使用

    した町弓道場を新設するなど、「ア

    スリートタウン三股」の基盤づくり

    を進めています。

    自立と協働で創る     

    元気なまち三股

    平成の市町村合併が進められる

    中、本町は自主自立の道を選択しま

    した。自立の道は決して平坦なもの

    ではなく、経済・産業の環境変化、

    価値観の多様化、地方分権の進展や

    地方の財政状況の悪化など町政を取

    り巻く環境もまた著しく変化してい

    ます。このような社会環境の変化や

    町民の要望を踏まえ、さらに、より

    良い地域づくりのためには、町民と

    行政、企業、各種団体などのさまざ

    まな活動主体が互いに連携し、協働

    の意識をもつことが不可欠だと考え

    ます。このようなことから、町では

    「自立と協働で創る、元気なまち・

    みまた」を実現するため、町役場と

    町民がお互いに創意工夫しながら連

    携協力してまちづくりを行うルール

    として「三股町まちづくり基本条例」

    を制定し、平成25年6月から施行さ

    れました。現在も、町民一人一人が

    まちづくりの主役として、皆でつく

    る「まち」を目指してさまざまな活

    動をしています。

    毎年7月には町内一斉の環境美化

    活動である「クリーンアップみまた」

    を実施しています。個人で参加され

    る方のほか、ボランティア団体、各

    種民主団体、スポーツ少年団などが

    参加し、町内を流れる沖水川の河川

    敷や公園のごみ拾いなど、各地域で

    清掃を行います。今年度も7月7日

    に開催し、67団体950名が参加し、

    約5トンものごみが集められまし

    た。1回の清掃作業で、毎回数トン

    ことしの町民総合スポーツ祭の様子

    (新弓道場にて)。

    △ 「クリーンアップみまた」で清掃作業を

    行う参加者の皆さん。

  • 町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成25年 8 月26日 8第2851号

    フォーラム

    のごみが集められ、参加者はごみの

    多さに驚くとともに、力をあわせて

    取り組むことの大切さを感じる一日

    となります。

    また、町内には多くの自主活動グ

    ループやボランティアグループがあ

    ります。

    上かみ米よね地区の20代から30代の若者を

    中心に構成される「上米棒踊り若武

    者会」は、三股町の桜の名所である

    上米公園に冬にも〝サクラ〞を咲か

    そうと平成20年よりイルミネーショ

    ンの設置を行なっています。「地域

    を盛り上げたい」という若者たちの

    一途な想いで始まったこの試みは、

    地域の協力で徐々にイルミネーショ

    ンが増え、輝きを増しています。

    子どもを狙った犯罪が増える中、

    学校のみならず、地域全体で子ども

    を見守り、安全を確保しようという

    動きは全国的にも広がりをみせる

    中、勝岡小学校地区みまもり隊は平

    成17年に発足しました。以来、児童

    の登下校時の見守り活動を続けてい

    ます。同地区から始まったこの活動

    は、現在、町内の小学校区全6校区

    で取り組まれており、町内の防犯意

    識の高揚に役立っています。

    読み聞かせを通して地域の人々と

    のコミュニケーションを図ることを目

    的として結成された読み聞かせボラ

    ンティアグループ「大きな木」や、

    町の中心地である「みまたんえき(三

    股駅)」周辺地域に賑わいを再生させ

    ようと様々な想いをもって結集した

    有志たち(通称「えきにぎ」)、独居

    高齢者や認知症高齢者を見守る近隣

    の商店や宅配サービス事業者、急な

    残業や保護者の病気など少しの間子

    どもをみててほしいという時などに

    住民同士で助け合う「ファミリーサ

    ポートセンター」など、どのグルー

    プも互いに認め合い支えあう地域づ

    くりに貢献しています。

    行政としましても、毎年、地区別、

    自治公民館別に町民の皆さんに集

    まってもらい、座談会を開催してい

    ます。町の重点施策、各事業概要の

    説明、地域の実情を把握しながら、

    意見・提言を聴くことで、町民と行

    政が一体となったまちづくりに取り

    組むよう進めています。

    今後も「自立と協働で創る 

    元気

    なまち三股」をスローガンに、町民

    の皆さまとの対話・交流を行いなが

    ら、町民目線で町民参画のもと、町

    政に果敢に挑戦してまいります。

    三股町長 

    木佐貫 

    辰生

    子育て支援センターにて読み聞かせを行

    うボランティアグループ「大きな木」

    三股駅周辺地域ににぎわいを再生させよ

    うと集結したグループ(通称「えきにぎ」)

    と公募したボランティアで創りあげた

    「キャンドルナイト♥みまたんえき」。昨

    年は8、000個のキャンドルに明かり

    がともった。

  • 町 村 週 報9 平成25年 8 月26日 (第三種郵便物認可) 第2851号

    情 報

    2013年5月26日に開催され

    た、第42回産業まつり「青空市」

    です。震災前まで、町の屋内ゲー

    トボール場で開催されていた「青

    空市」でしたが、会場が被災者

    への支援物資置き場となって

    いたことと、これまでの出店

    者の諸事情もあり、開催を見

    合わせていました。しかし、

    状況が変わるのを待っていて

    も前へ進めない、と会場を役

    場前駐車場に変更して開催す

    ることにしたのでした。規模

    は縮小したものの、新鮮な魚

    介類や農産物の直売を楽しみ

    に待っていてくれた町内外の

    お客様で大盛況。大掛かりな

    演出はありませんでしたが、

    何よりたくさんの笑顔、笑い

    声でいっぱいとなった会場に、

    自然の力を信じて

     

    東日本大震災の大津波で、全

    体の約3割の面積が浸水した

    七ヶ浜町。沿岸部に多く分布し

    ている田んぼは、その9割以上

    が津波の被害を受けました。絶

    望的に思われた状況でしたが、

    県の援助や多くのボランティア

    の方々のおかげで、田んぼ再生

    計画がスタート。まずは、流れ込

    んだ泥やガレキを排除し、細か

    いガラス片などの異物を手作業

    で何度も繰り返し取り除きまし

    た。次に、海水によって浸水した

    田んぼを除塩しなければならな

    いのですが、川がない七ヶ浜の

    田んぼでの除塩作業は、苦労の

    連続。ため池の水の循環や雨に

    よる自然の自浄作用を活用しな

    がらの除塩に時間を費やし、よ

    うやく3年ぶりの田植えが実現

    したのです。そうやって再生を

    果たした田んぼは、全体の約半

    分でしかありません。

    集う楽しさ喜び

     

    もうひとつ、3年ぶりに町を

    賑わせたことがありました。

     

    2013年5月中旬、水をた

    たえた田んぼに田植え機の音が

    響きました。3年ぶりの田植え

    です。復旧を終えたのは町全体

    の田んぼの半分にも満たない広

    さですが、それでも米づくりを

    再開できた喜びはひとしおです。

    夏は緑が水面に映え、秋にはま

    ばゆいほどの穂が風にさわさわ

    と音をたてる。当たり前だった

    景色がようやく戻ってくること

    に、町の誰もがささやかな幸せ

    を感じています。

    がんばってます、東北!

    関係者も胸が熱くなる思いでし

    た。

    立ち止まらない

     

    浜から1~2キロの距離で高

    台となる町の地形。地区によっ

    て被災状況がまったく違うこの

    小さな町で、復興に向って何を

    すべきなのか、戸惑うこともあ

    ります。それでも、何かやらな

    きゃ始まらない…考え込むより

    動くこと、それが様々な「3年

    目の大きな一歩」につながったと

    信じています。2013年は町

    制55周年の年。記念式典や秋の

    収穫祭など、準備が始まってい

    ます。町民の笑い声の波動が、

    町のすみずみまで届くよう、前

    へ前へと進みます。

    ~宮城県七ヶ浜町~

    3年目の大きな一歩

    町 村 週 報8 平成25年 0 月00日 (第三種郵便物認可) 第2801号

    3 年ぶりの田植えに喜びと緊張と

    「青空市」で披露された地元中学生による吹奏楽演奏にみな癒されていました

    久しぶりの「青空市」でも新鮮な農産物はやはり人気

  • 町村Na v i町 村Na v i

    町村Naviコーナーでは掲載情報を募集しています。掲載をご希望の場合は全国町村会広報部([email protected])まで。

    町 村 週 報(第三種郵便物認可)

    情 報

    平成25年 8 月26日 10第2851号

    を工夫していくという。村は、婚活支

    援が目的だが、イベントを通して、村

    の認知度も上げていきたいという。

    島根県西にしノの島しま町ちょう

    かるたで地元の食文化伝承

    町は、地元の食文化を後世に伝える

    ために「食育かるた」を作った。完成

    したかるたは、保育園や小学校、社会

    福祉協議会などに配布する一方、希望

    者には販売も行っている。

    かるた作製にあたって、読み札の文

    句は町民から公募し、359作品の応

    募があった。「なめ味噌は 

    昔から伝

    わる 

    保存食」など、町の食文化を伝

    えるのによりふさわしい44作品を選定

    した。絵札は、町出身の女性が担当し

    た。現

    代の食事事情から、伝統食に接す

    る機会が減少しているため、町ならで

    はの食文化をわかりやすく伝えよう

    と、日本の昔ながらの遊びである「か

    るた」を利用することを思いついたと

    いう。住民からは、町を出てしまった

    わが子などにプレゼントしたい、と販

    売を望む声も多かった。

    また、かるたの作製に伴い、地元食

    材を使った24

    種類の料理の

    レシピ集も作

    り、料理教室

    に参加した若

    者らに配って

    いる。レシピ

    集は、今後も

    メニューを増

    やしていく予

    定。

    分のリフォームで、町内の業者を利用

    した30万円以上の改修工事。また、新

    築後1年以上経過した住宅に限定し、

    居間の床や天井、台所の改修などに助

    成するもの。店舗兼住宅の店舗部分や、

    塀、門扉などは対象外。

    工事費の15%を助成するが、10万円

    が上限。さらに、町内の製材業者から

    購入した木材を改修に使用すれば、木

    材購入費の30%を加算する。この場合

    も、10万円が上限となる。

    助成額分交付する商品券は、町のマ

    スコットキャラクターの名前を使った

    「よどりちゃん商品券」で、町内の買

    い物に使用できる。

    和歌山県北きた山やま村むら

    いかだ下りで婚活

    村は、伝統のいかだ下りを活用した

    「婚活イベント」を、2013年6月

    30日に初めて開催した。出会いのきっ

    かけを提供することで、村の人口減少

    に歯止めをかける狙い。また、いかだ

    下りの宣伝としても活用したい考え。

    参加対象は20歳以上の独身男女。定

    員は男女各30人で募集した。参加費は、

    男性5000円、女性3000円で、

    いかだ下り体験とランチバイキング、

    温泉入浴券が含まれている。通常、い

    かだ下りだけで6000円かかること

    から、割安な料金設定。

    男性は、いかだ師を含め、村民7人

    が参加したが、女性の参加者は全員村

    外在住者。午前中にいかだ下りを楽し

    んだ後、村営おくとろ温泉の食堂でラ

    ンチバイキングを実施した。

    今後は、同じ顔ぶれにならないよう、

    イベント開催のたびに広報の方法など

    その後の継続に関しては検討する予

    定。町への観光客は、車で訪れること

    が多いため、町は、環境負荷が少ない

    電気自動車(EV)の普及に貢献でき

    たら、としている。

    贈呈される無料券の対象は、旧三笠

    ホテル、歴史民俗資料館、同館分室市

    村記念館、追分宿郷土館、堀辰雄文学

    記念館、旧軽井沢駅舎記念館の6施設。

    対象の施設の窓口で、電気自動車(E

    V)の車検証を提示すると、運転者と

    同乗者の人数分の6施設共通入館券が

    無料でもらえる。無料券の有効期限は

    1カ月。この共通入館券は通常、大人

    600円、子ども300円で販売して

    いるもの。

    町は、以前から電気自動車(EV)

    の普及に意欲的で、2012年度から

    は、町民や別荘所有者を対象に、長野

    ナンバー限定で電気自動車(EV)購

    入費の1割(上限30万円)や、急速充

    電器の購入費の一部(上限75万円)を

    補助する制度などを導入してきた。ま

    た、役場の駐車場には、車メーカーか

    ら寄贈された急速充電器を設置し、無

    料で開放している。今回の取り組みは、

    環境への配慮と共に、観光客誘致にも

    期待を寄せている。

    奈良県大おお淀よど町ちょう

    リフォームに商品券で助成

    町は、2013年7月から、町内の

    業者を利用して自宅をリフォームする

    町民に対し、工事費などの一部を商品

    券で助成する事業を始めた。地域経済

    の活性化を目的とし、事業費は500

    万円。40〜50件の応募を見込んでいる。

    対象となるのは、個人住宅の居住部

    町は、2013年7月5日、東北大

    学大学院歯学研究科と「子どもの口の

    健康推進事業に関する協定」を締結し、

    子どもの虫歯対策の強化に乗り出し

    た。東日本大震災の影響で生活環境が

    変化し、子どもの口腔内の衛生状態が

    悪化。虫歯をかかえる子どもが増えて

    いるという。2013年度以降の歯科

    検診の結果をデータベース化し、学校

    や家庭での効果的な予防策などをアド

    バイスしていく予定。

    東北大は、データベースを基に、町

    内にある小中学校の児童生徒約300

    0人を対象として、罹患率やどの歯が

    虫歯になりやすいか、などを調査する。

    データ化することで、過去の履歴から

    治療の有無や進捗状況なども把握でき

    るという。

    以前から、宮城県は子どもの虫歯率

    が高く、2010年の統計では全国

    ワースト3位。震災による避難生活や

    仮設住宅暮らしで、歯科衛生や治療が

    ままならないため、その数は増加して

    いるとみられる。今回の協定で、健康

    な歯を維持することに意識が向けば、

    と町は期待している。

    長野県軽かる井い沢ざわ町まち

    EV乗車の観光客に

    施設無料券配布

    町は、電気自動車(EV)に乗車し

    て町を訪れた観光客に、町営施設の無

    料入館券を贈呈するキャンペーンを始

    めた。2014年6月末まで実施し、

    宮城県亘わた理り町ちょう

    子どもの虫歯対策で

    東北大と協定

    西ノ島町の

     「食育かるた」

  • 町 村 週 報11 平成25年 8 月26日 (第三種郵便物認可) 第2851号

    随 想

    随随

    想想

    助役、副町長を経て町長に就任して

    5年になる。合併前の橘町に奉職して

    から公務員生活は47年にもなる。合併

    後9年目を迎え、漸く旧4町の垣根を

    越えた一体感も醸成されつつあると感

    じている。よく好きな言葉を聞かれる

    が「天命に従って人事を尽くす」と答

    えている。まさか町長になろうとは

    思ってもいなかったが、これが天命で

    あったと受け止めて「真面目に誠実に

    地道に謙虚に、そして確実に」をモッ

    トーに取り組んでいる。

    観光交流人口100万人(現在は93

    万人)の目標に向け都会の中高生の体

    験型修学旅行の誘致など色々な施策の

    展開は進んでいる。しかし過疎、高齢

    化、人口減少というモンスターのよう

    な課題には負けっぱなしだ。ピークの

    昭和22年(1947)に65、000

    人の人口は現在20、000人を割り

    込んでおり、超高齢化社会は色々な歪

    みを生み出している。

    大きな課題は過去の歴史に学ぶこと

    が大事といわれる。瀬戸内海に浮かぶ

    周防大島町(屋代島)は面白い歴史に

    満ちている。江戸時代は飢饉が相次ぎ

    日本全体としての人口は増えていな

    い。武士を除いて2500万人前後で

    推移したにもかかわらず周防大島では

    爆発的に人口が増えた。元文2年(1

    737)15、033人、天保13年(1

    842)60、706人と105年の

    間に4倍に増えている。日本中これだ

    け人口増加した地域は他にないと思わ

    れる。要因はサツマイモと出稼ぎであ

    る。コメは半分以上年貢として収める

    のに対し、サツマイモは野菜とみなさ

    れ年貢の対象にならず作ればつくるほ

    ど自分のモノになった。やはり経済的

    な自立が地域の発展には欠かせないこ

    とを歴史が示している。

    周防大島は本州と大島大橋で結ばれ

    ており、淡路島、小豆島に次ぐ瀬戸内

    海3番目の面積を有し、近年、日本一

    のアワサンゴ群生地が発見され、本年

    2月に環境省から瀬戸内海初の海域公

    園地区の指定を受けた。

    また、先日、自治体国際交流総務大

    臣表彰を受賞した。今年はハワイ州カ

    ウアイ島と昭和38年(1963)に姉

    妹島提携を締結して50周年を迎える。

    ハワイ王朝政府との移民条約によっ

    て明治18年から9年間の官約移民の渡

    航者は総数29、000余名、うち、

    山口県から10、400名を数え、大

    島からは4、000名がハワイに渡っ

    た歴史がある。昭和元年(1926)

    の海外在住の周防大島出身者はハワ

    イ、アメリカ本土、南米等あわせて6、

    249名との記録が残っている。当時

    の人口が57、000人だから移民率

    は11%と驚くべき数字だ。当時、海外

    から大島に送られてきた現金は22

    6、300円といわれており、現在の

    貨幣価値で9〜10億近い金額である。

    海外で稼いで故郷の家族に送金するハ

    ワイ移民の島、まさに海外への出稼ぎ

    だ。6

    月22日の姉妹島提携締結の日から

    役所も銀行も病院も街中アロハシャツ

    が公用着となる。20年も前からクール

    ビズならぬアロハビズだ。アロハ(感

    謝と友愛)の心で迎えるキャンペーン

    だが、古来より周防大島の人々にあっ

    たもてなしの心と同じだ。そもそもア

    ロハシャツは移民が着ていた浴衣を短

    く切って着やすくしたのがルーツと言

    われている。このような歴史に裏打ち

    された交流も時代の流れの中で、周防

    大島出身者との交流だけではなくカウ

    アイ日本文化協会やカウアイ郡との交

    流となり、次の時代を担う子供たちの

    交流に繋げていくことが重要となって

    いる。中高生のホームステイ研修や、

    専門学校生の語学研修も続いている。

    近年は周防大島でフラダンスの大

    ブームである。華やかなフラドレスで

    保育園児達はカウアイ島から贈られた

    オリジナルフラソングに合わせ見事な

    フラダンスを舞ってくれる。町内のホ

    テルや道の駅、スポーツリゾート施設

    などを会場に、屋外の天然芝をステー

    ジに美しい星空の下で毎週土曜日に開

    催されるサタフラ(サタデーフラ)が

    大人気、瀬戸内のハワイでアロハな土

    曜日に素敵なフラを披露してくれる。

    周防大島町の今年の夏は、遠く県外

    からのサタフラ出場チームもたくさん

    あり幸せな笑顔であふれている。

    皆さんも驚愕の歴史とアロハな瀬戸

    内のハワイ周防大島町へぜひ一度!!

    椎しい 木き  巧たく

    山口県周す防おう大おお島しま町長

    「瀬戸内のハワイ」

    周防大島町の驚愕の歴史

    周防大島町PRサポーターの

    みかキン、みかトトです。

  • 町 村 週 報(第三種郵便物認可) 平成25年 8 月26日 12第2851号

    町 村 生 協 の 自 動 車 共 済 に ご 加 入 の 皆 様 な ら !

    ○ 無事故による割引で新規から

    ○ 集団扱年一括払いによる割引で更に ○ 保 険 料 分 割 払 ( 回 ) も 選 択 可 能 で す 。 ( 保 険 料 分 割 払 を ご 利 用 の 場 合 は 上 記 の 集 団 扱年 一 括 払 の 5 % 割 引 の 適 用 は あ り ま せ ん 。 )

    ご 加 入 を 希 望 す る お 車 が 町 村 生 協 の 自 動 車 共 済 で 過 去 3 年 間 無 事 故 の 場 合 は 、 ノ ン フ リ ー ト 等 級 9 等 級 か ら ス タ ー ト し ま す 。 (保険料)割引%

      無 料 ロ ー ド サ ー ビ ス が つ い て き ま す 。   ご 契 約 の お 車 が 、 事 故 ・ 故 障 で 自 力 走 行 で き な く   な っ た 場 合 、 事 前 に ロ ー ド サ ー ビ ス 専 用 デ ス ク に   ご 連 絡 く だ さ い 。 に お 取 り 次 ぎ し 、 レ ッ カ ー や   分 程 度 の 緊 急 修 理 な ど を 手 配 し ま す 。   ● バ ッ テ リ ー 上 が り や 、 キ ー 閉 じ 込 み 、 ガ ス 欠 な ど

    ※ こ の 車 両 共 済 ( 保 険 ) を ご 契 約 い た だ け る 方 は 、 全 国 町 村 職 員 生 活 協 同 組 合 の 自 動 車 共 済 に 加 入 さ れ て い る 方 に 限 り ま す 。

    ・ 上 記 掛 金 ( 保 険 料 ) は 、 町 村 生 協 の 自 動 車 共 済 で 過 去 3 年 間 無 事 故 ( ノ ン フ リ ー ト 等 級 9 等 級 ) の 場 合 の も の で す 。 保 険 料 は 平 成 年 4 月 1 日 現 在 の も の で あ り 、 変 更 さ れ る 場 合 も あ り ま す 。

    ・ 掛 金 ( 保 険 料 ) は 、 型 式 、 初 度 登 録 年 月 、 年 齢 条 件 、 運 転 者 限 定 特 約 の 有 無 、 共 済 ( 保 険 ) 金 額 、 等 級 な ど に よ り 異 な り ま す 。 ・ 上 記 掛 金 ( 保 険 料 ) 例 の 「 通 常 に 新 規 で 加 入 す る 場 合 」 と は 、 ノ ン フ リ ー ト 等 級 6 S 等 級 を 適 用 し た 保 険 料 を 例 示 し た も の で す 。

    ・ こ の ご 案 内 は 概 要 を 説 明 し た も の で す 。 詳 し い 内 容 に つ い て は 取 扱 代 理 店 ( 千 里 ) ま た は 損 保 ジ ャ パ ン の 営 業 店 に お 問 い 合 せ く だ さ い 。

    契 約 条 件 と 掛 金 ( 保 険 料 ) 例 ・ 自

    ◎1年間事故が無かった場合は、翌年の等級は1等級上がります。  事故によって車両共済(保険)をご利用された場合は、事故件数1件につき3等級下がります。

    動 車 総 合 保 険 ( 損 保 ジ ャ パ ン ) 保 険 期 間 1 年 ・ 自 動 車 保 険 集 団 扱 年一 括 払 に よ る 割 引 5 % 適 用 。

    〈 車

    集団扱としてご契約いただけるのは、保険契約者および被保険者が損保ジャパンの定める条件を満たす場合のみとなります。 詳細については、取扱代理店(千里)または損保ジャパンにお問い合わせください。 両 保 険 引 受 保 険 会 社 〉 ㈱ 損 害 保 険 ジ ャ パ ン

    GE6 フィット

    平成23年2月 26歳以上補償 本人・配偶者限定 運 転 者 限 定

    金 額 150万円 共 済 ( 保 険 ) 新 車 割 引 有 記名被保険者 30才

    集 団 扱 年一 括 払 払 込 方 法

    加 入 タ イ プ

    SJ10-13443(2011.3.18作成)

    こ の 車 両 共 済 ( 保 険 ) は 、 町 村 生 協 の 自 動 車 共 済 で 補 償 す る 対 人 賠 償 、 対 物 賠 償 、 限 定 搭 乗 者 傷 害 等 に 加 え 「 ご 自 身 の お ク ル マ の 補 償 ( 車 両 保 険 ) 」 を 追 加 す る 制 度 で す 。 お 車 が 衝 突 し た 場 合 や 台 風 ・ い た ず ら ・ 盗 難 な ど 偶 然 な 事 故 で 損 害 を 被 っ た と き に 、 共 済 ( 保 険 ) 金 を お 支 払 い し ま す 。

    一 般 条 件 ( 割 引 適 用 済 )

    ( 通 常 ・ 新 規 で 加 入 す る 場 合 )

    車 対 車 + A ( 割 引 適 用 済 )

    ( 通 常 ・ 新 規 で 加 入 す る 場 合 )

    p01 2851町村週報表紙2.pdfp02-04 2851政策.pdfp05-08 2851フォーラム.pdfp09 2851情報-復興だより.pdfp10 2851NAVI.pdfp11 2851随想-山口県周防大島町長.pdfp12 2851広告-千里.pdf

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