2011年10月12日第7回住宅・建築物の省CO₂シンポジウム

省エネ改修事業に関する分析省エネ改修事業に関する分析

応募概況とアンケート結果応募概況とアンケート結果

省省COCO₂₂先導事業専門委員先導事業専門委員芝浦工業大学芝浦工業大学 教授教授 秋元秋元 孝之孝之芝浦工業大学芝浦工業大学 教授教授 秋元秋元 孝之孝之

般社団法人日本サステナブル建築協会般社団法人日本サステナブル建築協会一般社団法人日本サステナブル建築協会一般社団法人日本サステナブル建築協会青笹青笹 健健

11

報告内容報告内容

１ 平成21年度～平成23年度事業の１．平成21年度～平成23年度事業の応募概況

２．平成21年度採択事業者の２．平成21年度採択事業者のアンケート結果

22

事業概要（H23年度の例）応募概況

事業概要（H23年度の例）

【事業要件】【事業要件】

(1) 躯体（外皮）の省エネ改修を行うもの(※1)

(2) 建物全体で概ね10%以上の省エネ効果があること(※２)(2) 建物全体で概ね10%以上の省エネ効果があること(※２)

(3) 省エネルギー改修に係る事業費が500万円以上であること(4) エネルギー使用量の計測を行い 継続的な管理 省エネ活(4) エネルギ 使用量の計測を行い、継続的な管理、省エネ活

動等を行うもの(※3)

(5) 当該年度内に着手するもの 等(5) 当該年度内に着手するもの 等

【補助額】【補助額】

・工事費と設備費の合計の1/3以内 （限度額あり）

※1 H20年度事業は設備改修のみでも応募可※2 H20年度事業、H22年度緊急支援事業は、改修部分で一定の省エネ

効果が見込まれるものも可

33

効果が見込まれるものも可※3 H23年度事業のみ

年度別の応募・採択件数応募概況

年度別の応募 採択件数

非住宅 住宅

応募件数 採択件数 応募件数 採択件数

非住宅 住宅

H２０年度 （緊急促進） 約1,810 約480 約180 約110

（第１回） 約120 約110 約210 約200（第１回） 約120 約110 約210 約200

（第２回） 約220 約200 約300 約280

H21年度

（第１回） 約520 約480 － －

＜分析対象＞（第２回） 約840 約230 － －

（緊急支援） 約590 約370

H22年度＜分析対象＞

H21~23年度事業の応募事例（緊急支援） 約590 約370 － －

H23年度 約460 （審査中） － －

応募事例（非住宅）

44※H22年度以降は非住宅のみについて募集

地方別の応募棟数（H21～H23年度の合計）応募概況

1,000

地方別の応募棟数（H21 H23年度の合計）

846 868

800

900

500

600

700

棟数

400 391417

300

400

500

棟

762

101100

200

0

北海道

東北

関東

中部

近畿

中国

四国

九州

・道

・沖縄

北海道、東北がやや少ないものの全国からの応募

55

北海道、東北がやや少ないものの全国からの応募→ 棟数としては、関東、近畿が多い

建物規模別の応募棟数（H21～H23年度の合計）応募概況

1,200

建物規模別の応募棟数（H21 H23年度の合計）

1,038

1,000

659 641

600

800

棟数

401400

棟

194150

7 20

200

0 3百

㎡未

満

3百

～1千

1千

～2千

2千

～5千

5千

～1万

1万

～5万

5万

～10万

10万

㎡以満 千

㎡

千㎡

千㎡

万㎡

万㎡ 万㎡

以上

延床面積（㎡）

延床面積300 5 000㎡の提案が多い（全体の約76%）66

延床面積300～5,000㎡の提案が多い（全体の約76%）

用途別の応募棟数（H21～H23年度の合計）応募概況

1,200

用途別の応募棟数（H21 H23年度の合計）

1,084

1,000

582

800

数

471

582

400

600

棟数

131192

232201

12376

20076

0

事務

学校

物販

飲食

集会

病院

ホテ

その

複数務

所校販

店食店

会所

院テ

ル

の他

数用途

• 事務所が最も多く（全体の約35%）、幅広い用途が応募

77

事務所が最も多く（全体の約35%）、幅広い用途が応募• 次いで病院、物販店が多い

用途別の建物規模（ H21～H23年度の平均）応募概況

用途別の建物規模（ H21 H23年度の平均）

平均延床面積 平均階数 １フロアあたり床面積平均延床面積 平均階数 １フロアあたり床面積

（㎡） （階） （㎡/階）

事務所 2,900 6.0 500事務所 2,900 6.0 500

学校 2,500 4.5 1,000

物販店 3,700 2.3 2,100

飲食店 400 1.8 300

集会所 2,600 2.8 1,100

病院病院 3,900 3.7 1,200

ホテル 6,300 6.4 700

複数用途 3 700 6 5 1 300複数用途 3,700 6.5 1,300

その他 4,700 3.3 1,200

全体 3 200 4 4 1 000

延床面積はホテル、病院、物販店が大きい※１フロアあたり床面積：各物件の延床面積÷階数の平均を算出したもの

全体 3,200 4.4 1,000

88

※１フロアあたり床面積：各物件の延床面積÷階数の平均を算出したもの

用途別の建物形状（H21～H23年度）応募概況

161820

事務所 学校 物販店 飲食店

用途別の建物形状（H21 H23年度）

10121416

階数

2468

02

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

1820

病院 ホテル 複数 途

12141618

数

病院 ホテル 複数用途

その他

468

10階数

集会所

024

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

あたり 床 積( ㎡)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

あたり 床 積( ㎡)1フロアあたりの床面積(千㎡) 1フロアあたりの床面積(千㎡)

99→用途により建物形状も異なり、適切な改修が重要

改修箇所数の内訳（H21～H23年度）応募概況

改修箇所数の内訳（H21 H23年度）

躯体改修 設備改修

800

900

1,000

単一改修

複数改修

21

800

900

1,000

改修なし

単一改修

複数改修

躯体改修 設備改修

817383

500

600

700

棟数

601

399

25

621

500

600

700

棟数

複数改修

275 255214

521

383

239

200

300

400

棟

301 256176

415

399

272

5200

300

400

棟

73 104

275 255118

214

17 190

100

H2第

H2第

H2第

H2第

H2

緊急

H2

42 54166

301 256 23787

176

0

100

H2第

H2第

H2第

H2第

H2

緊急

H2

1年度

1回

1年度

2回

2年度

1回

2年度

2回

2年度

急支援

3年度

1年度

1回

1年度

2回

2年度

1回

2年度

2回

2年度

急支援

3年度

複数の躯体、設備の改修を行うものが増加しており、より建築全体として総合的な省エネ改修の提案が多くなっている

1010

改修箇所の内訳（ H21～H23年度）応募概況

改修箇所の内訳（ H21 H23年度）

躯体改修 設備改修

71

41,000

1,200

その他

日射遮蔽

フ ルム

1047 11

21

1,200

1,400

空調 換気照明 給湯その他 昇降機

躯体改修 設備改修

209

261

271

209

6

7

44

600

800

棟数

フィルム

屋根・外壁

開口部

130

208

198

206

58

87

51

28

484

4

2 9

14

2125

6

21800

1,000

棟数

その他 昇降機改修なし

152

303

556468

273

209

1

7

2

3200

400

棟

560

867

629489

130 206

38

2824

34 211

18

58

5

200

400

600

棟

86 98 156 210 195 196611527

3

0

H2第

H2第

H2第

H2第

H2

緊急

H2

12221812

1232 171 8

0

200

H2第

H2第

H2第

H2第

H2

緊急

H2

躯体改修 部 根 熱 改修が多

1年度

1回

1年度

2回

2年度

1回

2年度

2回

2年度

急支援

3年度

1年度

1回

1年度

2回

2年度

1回

2年度

2回

2年度

急支援

3年度

• 躯体改修は、開口部、屋根・断熱の改修が多い• 設備改修は空調が大半で、次いで照明の改修が続く

1111

※複数の改修を行うものはそれぞれに集計

躯体・設備の改修割合（ H21～H23年度合計）応募概況

躯体 設備の改修割合（ H21 H23年度合計）

躯体改修 設備改修

17%

16%

4%

8%

15%3%

23% 21% 19%

80%

90%

100%

49%

30%80%

90%

100%80～100%

60

33%

8%

23%17%

16%

21%

8%

38%

50%

60%

70%

11%9%

11%67%

49%

67% 63% 67%

50%

60%

70%60～80%

40～60%

43% 46%

21%

19%

8%23%

29%

20%

30%

40%

50%

6%13%

5% 7%

5%

6%5% 6%10%

9%

7%5% 4%

20%

30%

40%

50% 60%

20～40%

26%

43%

13%

46%

10%

19%

4%

0%

10%

20%

開屋 日そ

2%

31% 34%

8%21% 17%11%

12%

5% 7%9%6%

0%

10%

20%

空換照給昇そ

20%未満

開口部

屋根外壁

フィルム

日射遮蔽

その他

空調

換気

照明

給湯

昇降機

その他

( 949) ( 1868) ( 951) ( 24) ( 48) ( 2865) ( 162) ( 808) ( 337) ( 19) ( 54)

躯体は設備に比べ、部分的な改修が多い

(n=949) (n=1868) (n=951) (n=24) (n=48) (n=2865) (n=162) (n=808) (n=337) (n=19) (n=54)

1212※複数の改修を行うものはそれぞれに集計

改修事業の例応募概況

改修事業の例

）オ ビ （延床 積 ㎡）１）オフィスビル（延床面積4,000㎡）・躯体･･･ 屋根の外断熱、開口部（複層ガラス）設備 高効率熱源機器 の更新 Ｈｆ型照明器具 の・設備･･･ 高効率熱源機器への更新、Ｈｆ型照明器具への

改修、太陽光発電の導入

２）飲食店（合計１５店の改修、延床面積 計3,500㎡）・躯体･･･ 開口部

（南北面：複層ガラス、東西面：日射調整フィルム）・設備･･･ 空調設備の高効率機器への更新

３）福祉施設（延床面積4,300㎡）・躯体･･･ 外壁の外断熱 開口部（複層ガラス）・躯体 外壁の外断熱、開口部（複層ガラス）・設備･･･ 空調設備の高効率機器への更新

13

報告内容報告内容

１ 平成20年度～平成23年度事業の１．平成20年度～平成23年度事業の応募概況

２．平成21年度採択事業者の２．平成21年度採択事業者のアンケート結果

1414

調査概要アンケート結果(H21年度事業) 調査概要

1.目的

(H21年度事業)

目的

・省エネ改修実態や課題、潜在需要等を把握、分析→ 省エネ改修促進の施策展開に役立てる→ 省エネ改修促進の施策展開に役立てる

2.アンケート概要2.アンケ ト概要①対 象： 平成２１年度事業の採択事業者（第１回、第２回）②実施期間： 平成22年3月と7月に２回に分けて実施②実施期間 平成 年 月 月 回 分け 実施③調査方法： 調査票を郵送、郵送又はメイルにて回答④送付/返信数：送付716件、返信440件 （非住宅213、住宅227）⑤有効回答： 426件（有効回答率59％）

※アンケートは東京大学清家研究室、芝浦工業大学秋元研究室の協力を※アンケ トは東京大学清家研究室、芝浦工業大学秋元研究室の協力を得て実施

※１件の返信で複数建物の回答があるものを含み、集計は、上記の回答数

15

を上回ることがある

対象建物の用途アンケート結果(H21年度事業)

103120420 403

対象建物の用途(H21年度事業)

80

100

棟・戸

） 400

･･･

幅広い用途で改修が実施

31

49

3122

2938 34

2740

60

回答

数（棟

4

22

1 20

20

回

0

住宅（戸

住宅（集

事務所

事務所

学校・研

ホテル・

病院・診

物販店

劇場・展

福祉施

公共施

その他

戸建）

集合）

所（自社ビ

所（テナン

研究機関

・旅館

診療所

店・飲食店

展示施設

施設

施設・スポビ

ル）

ントビル）

関 店設ポーツ施設

16

設

対象建物の築年数（非住宅）アンケート結果(H21年度事業) 対象建物の築年数（非住宅）(H21年度事業)

3935

40築15～25年と

2830

棟）

設備更新時期に来ている建物が多い

16

10

20

件数(棟 来ている建物が多い

3

10

46

31

10

00~ 5~ 10~ 15~ 20~ 25~ 30~ 35~ 40~ 45~ 50~

築年数 ［年］

17

回答者の属性（役割・業種）アンケート結果(H21年度事業)

83100

非住宅 住宅

回答者の属性（役割 業種）(H21年度事業)

5960

80

数（件

）

非住宅 住宅

3423

3827

43

2216

2519

3940

60

回答

数

0

14

0 314

7 3 3 0 0

144

166 4 8

19

0 0 3

0

20

建物所有

デベロッ

設計事務

住宅メー

住宅改修

総合建設

設備施工

エネルギ

機器製造

建築改修

設備改修

ESCO

事業

リース会

コンサル

その他

有者

パー

務所

ーカー

修会社

設業（ゼネ

工会社（サ

ギー事業者

造会社（メ

修会社

修会社

業者

会社タ

ント

幅広い業種がネコン）

サブコン）

者メーカー

幅広い業種が関わっている

）

18

関わ て る

改修工事の期間アンケート結果(H21年度事業)

151

改修工事の期間(H21年度事業)

151

101120140160

戸） 非住宅 住宅

180160･･

171

4759

101

594460

80100

数（棟

・戸

･

12

4731 23

9 15

4426

7 11204060

回答

数

01 2 3 4 5 6 7～

工事期間 [ヶ月]

住宅は１ヶ月、非住宅は２～３ヶ月が多い

19

改修工事期間中の建物使用アンケート結果(H21年度事業)

134150非住宅 住宅

300 287

改修工事期間中の建物使用(H21年度事業)

7175

100

125

棟・戸

）

非住宅 住宅275

･･･ 非住宅、住宅とも居ながら工事が多い50

29

55

328

169

37 29

8 10 725

50

75

答数(棟 居ながら工事が多い

8 116

1 35 9 5 5 8 5 10 1 7 20

25

夜週執中そ建騒執そ建騒執そ

回

間工事

末務者に影

間期・特

の他

物機能の

音が大き

務室での

の他

物機能の

音が大き

務室での

の他

影響なし

別な季節

の停止が必

きい

の作業が中

の停止が必

きい

の作業が中節必

要中心

必要

中心

居ながら工事 移転 閉鎖

非住宅 住宅居ながら 事 移転 閉鎖

20

改修工事が難しい理由（非住宅）アンケート結果(H21年度事業)

94 改修工事の初期投資が大きい 127

改修工事が難しい理由（非住宅）(H21年度事業)

94

89

43

改修工事の初期投資が大きい

改修工事の規模が大きくなる

改修工事の期間が長くなる

127

70

2943

93

1

改修 事 期間 長 な

工事中建物使用が制限される

省エネ診断が高額になる

9

108

5

104

45

費用対効果がわかりにくい

費用対効果が悪い

23

15

24

4

信頼できる評価方法がない

信頼できる技術が少ない

12

2

1

13

信頼できる業者が見つからない

その他躯体改修 14 設備改修

050100150

回答数

0 50 100 150

回答数

21

改修工事が難しい理由（住宅）アンケート結果(H21年度事業)

317 改修工事の初期投資が大きい 271

改修工事が難しい理由（住宅）(H21年度事業)

317

225

91

改修工事の初期投資が大きい

改修工事の規模が大きくなる

改修工事の期間が長くなる

271

73

1191

111

22

改修工事の期間が長くなる

工事中建物使用が制限される

省エネ診断が高額になる

11

65

16

149

32

費用対効果がわかりにくい

費用対効果が悪い

105

23

16

17

2

信頼できる評価方法がない

信頼できる技術が少ない

信頼できる業者が見つからない

29

2

72

17

050100150200250300350

信頼できる業者が見つからない

その他躯体改修

7

24

0 50 100 150 200 250 300 350

設備改修

050100150200250300350

回答数

0 50 100 150 200 250 300 350

回答数

22

今後の省エネ改修への関心（躯体）アンケート結果(H21年度事業)

218250

非住宅 住宅

今後の省 ネ改修 の関心（躯体）(H21年度事業)

143

200

非住宅 住宅

114

77

143130

100

150

回答

数

2036 41

12 12

7758

724

50

100

122

127

0今回

外壁

屋根

開口

通風

各種

その回

実施する

壁断熱

根断熱

口部の断熱

風に配慮し

種パッシブ

の他

るので特に

熱・遮熱

した設計

ブ設計

にない 23

→ 住宅では断熱化への関心も高い

今後の省エネ改修への関心（設備）アンケート結果(H21年度事業)

250

非住宅 住宅

今後の省 ネ改修 の関心（設備）(H21年度事業)

115 119

170

150

200

数

非住宅 住宅

115

4054

24

82

41

89

25

119102

50

100回答

数

15 4 13 240

13 5 3 1 1325

318 10 2

0

50

今空熱搬換照給輸太太

CG

B

そ今回実施すな

空調機器

熱源機器

搬送動力機

換気設備

照明設備

給湯設備

輸送設備

太陽光発電

太陽熱利用

GS

EMS

等エネ

ジメ

その他

するので特

ない

機器

電用 ネルギー

メント

特に

マネ

24

→ 住宅では太陽光発電への関心も高い

ま と めアンケート結果(H21年度事業)

1 省エネ改修工事の実態

ま と め(H21年度事業)

1.省エネ改修工事の実態・幅広い建物用途、様々な業種が関わり、改修が実施・躯体改修は部分的な改修も多い・躯体改修は部分的な改修も多い・多くの改修が居ながら工事で実施されている

2.既存建物の改修における様々な課題2.既存建物の改修における様々な課題・導入技術・機器の効果の説明や実証→躯体改修は費用対効果のわかりにくさ→躯体改修は費用対効果のわかりにくさ

・居ながら工事を行う必要性→非住宅では建物使用と工事の調整→非住宅では建物使用と工事の調整

・改修工事の初期投資の大きさ

25