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kpmg.com/techinnovation 変化し続ける 破壊的テクノロジー 2018 (第2部) テクノロジー破壊者が競争を制する

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Page 1: 変化し続ける 破壊的テクノロジー2018(第2部)...世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的な テクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高い

kpmg.com/techinnovation

変化し続ける破壊的テクノロジー2018(第2部)テクノロジー破壊者が競争を制する

Page 2: 変化し続ける 破壊的テクノロジー2018(第2部)...世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的な テクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高い

– IoT

– AI

– ロボティクス 生活、社会、環境に最も恩恵をもたらすテクノロジー 消費者市場に前例のない変革をもたらすテクノロジー

14 アプリ利用者のグローバルトレンド

16 成長への道: 破壊的ビジネスモデル競争を制する企業グローバル経済を破壊するビジネスモデル今後3年間の業界の変革

26 イノベーションと事業化の壁イノベーションの制約テクノロジー・イノベーションの事業化を阻む壁

30 まとめ

© 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

目次1 はじめに

2 巨大な可能性をもたらすテクノロジー ビジネスを激変させる破壊的テクノロジー

Page 3: 変化し続ける 破壊的テクノロジー2018(第2部)...世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的な テクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高い

これまでと同様、本レポートでは、グローバル・テクノロジー業界のリーダーを対象に実施した年次調査の結果を掲載しています。調査対象の人数は750人を超え(うち85%は経営幹部レベル)、この中には、スタートアップ企業の起業家やFortune500企業のエグゼクティブも含まれています。2018年版レポートは、次のトピックから成る2部で構成されています。

第1部 | イノベーション・ハブが勝者への道を拓く (2018年3月、日本語版2018年6月発行)。テクノロジー・イノベーション・ハブとして成長著しい都市、地域、国を明らかにしました。また、グローバル・テクノロジー業界のエコシステム内での競争には大きな困難が伴うため、本レポートでは、イノベーション管理に関して世界のリーダーたちがどのような見解を持っているかについても提示します。

第2部 | テクノロジー破壊者が競争を制する

本レポートでは、新しいビジネスモデルを可能にし、私たちの生活や仕事の方法に破壊的な影響を与えている、世界中の革新的なテクノロジーや企業について考察します。新しいテクノロジーを市場に出すためにテクノロジー業界のリーダーが直面している機会と課題も明らかにしています。

今日、テクノロジー・イノベーションは、世界中のあらゆる種類のビジネスの核となっており、人々の生活や社会に大きな影響を与えています。インターネットが数十年前に初めて登場して以降、テクノロジーの発展が破壊的に進む期間が何度かありましたが、私たちは今、その中でも最も破壊的な期間に生きています。人工知能、IoT、ロボティクスがテクノ

ロジーの主流へと着実に発展し、メディア、運輸、ヘルスケア、セキュリティ、小売、通信など多数の業種が破壊的な影響を受けています。こうした状況を伴いながら、第4次産業革命は、急速に進展しています。

KPMGのグローバルCEO調査の最近の報告によると、さまざまな業界のリーダーたちが、テクノロジー業界のリーダーシップスタイルとイノベーションから生じた、巨大な経済的・社会的な力にこれまで以上に注目しています。将来のリーダーは、先手を打ち、効果的な方法で変化に対応することが一層求められています。素早く失敗し、素早く方向転換することを容認すれば、創造性が刺激され、競争力が得られます。グローバル・テクノロジー・イノベーションの発展のペースが速いほど、将来はより良いものとなります。

本レポートが読者の皆さまに有益なインサイトを提供できることを願っています。また、次号以降のレポートに向けて皆さまからのご意見やご提案をお寄せいただけると幸いです。

Tim Zanni

Global and U.S. Technology Sector Leader

Chair of Global and U.S. TMT Line of Business,

KPMG米国

1

はじめにKPMGは、テクノロジー業界と世界経済全体に対するイノベーションの重要性を認識しています。今回で6年目となった「変化し続ける破壊的テクノロジー」では、テクノロジー・イノベーションのトレンドの全体像と、イノベーションとインサイトをテクノロジー・イノベーションのベストプラクティスにて事業化する際の主な障壁について説明します。

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– IoT– AI–ロボティクス

生活、社会、環境に最も恩恵をもたらす テクノロジー

消費者市場に前例のない変革をもたらす テクノロジー

2 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

巨大な 可能性 をもたらす テクノロジービジネスを激変させる破壊的テクノロジー

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40% 38% 36%

17%

10% 8% 10%

13% 13%

17%

12%

14%

今後3年間において、回答者は以下のテクノロジーが次のような状況を生み出すと述べている

IoT

AI

ロボティクス

ビジネスを激変させる

次世代に必須の 消費者向け テクノロジーを実現する

生活、社会、 環境に最も 恩恵をもたらす

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Survey (2018年1月)

「テクノロジー業界は、プラットフォーム企業としての経済的価値を大きく高めており(時価総額では最大)、企業や消費者が世界と向き合う方法に大きな影響を与えるAI、IoT、ロボティクスなどのテクノロジーに対して、巨額の投資を続けています。これらのテクノロジーが融合することで、企業、消費者、社会、環境に影響を与える大きな変化が生まれています」

― Tim Zanni、Global and U.S. Technology Sector Leader Chair of Global and U.S. TMT Line of Business, KPMG米国

KPMGのグローバル・テクノロジー・イノベーション調査では、今後3年間でどのテクノロジーが最も変革に影響を与えるかについて、750人を超えるグローバル・テクノロジー業界のリーダーたちから意見を集めました。その結果、上位にランクされたのは、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ロボティクスでした。

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世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的なテクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高いパーセンテージは、この新しいタイプのセンサーの利用範囲が広がるにつれて、IoTの取組みをスケールアップするための投資が実行されていることを反映しています。英国と日本で、IoTを選んだテクノロジーリーダーが多く、わずかの差で米国と中国がそれに続いています。

この数年間でIoTは、実験段階からビジネス価値を生み出す段階へと移行し、現実の世界をデジタル化しています。また、可視性、透明性、効率性を高めて、供給側を最適化するとともに、需要側のコンテクスト・データを通じて、高まり続ける顧客の期待に応えています。

IoTプロバイダーは成熟を続け、基本的な接続の提供から、クラウドオファリングにバンドルされつつある本格的なプラットフォームへと移行しつつあります。KPMGの調査によると、IoTを採用する最大の利点と課題は、次のようになっています。

最大の利点: ビジネス効率の改善、収益性の向上、コスト削減。前回調査からの最大の変化は、新たな収益ストリームになっている点です。これは、概念実証から本格的なサービスに移行したことに対応しています。

最大の課題: テクノロジーの複雑さ、リスク管理、セキュリティ。IoTプラットフォームとクラウドオファリングが登場し、各企業はこれらの課題を解決する、より成熟したサービスを求めています。

IoTは、今後3年間でビジネスを変革することが期待されるテクノロジーの第1位に挙げられています。

米国

中国

インド

日本

英国

21%

20%

16%

13%8%

IoTに対する全世界の支出は、

合計

1.1兆ドルに達する

2021年までにコグニティブおよびAIシステムに対する全世界の支出は

2021年までに522億ドルに達する

ロボティクスとドローンに対する全世界の支出は、

2021年までに2,184億ドルに達する出典: IDC Worldwide Semiannual Internet of Things Spending Guideプレスリリース(2017年12月7日)

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年1月)

4 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

IoT – デジタル経済のリーダーIoT は、膨大な量のデータを提供するデバイスで、飛躍的に増加しています。これらのコネクテッド・デバイス(インターネットに接続されるデバイス)は、インテリジェントな機能を搭載するようになり、新しいビジネスモデルの構築を可能にしています。

ビ ジネスを激変させる破壊的テクノロジー

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多くの組織では、IoTによって製品販売からサービス提供へのシフトが促進されます。また、IoT、AI、ロボティクスが融合することにより、新しいビジネスモデルを構築できるようになります。

センサーが収集したデータをAIアルゴリズムで処理し、リアルタイムIoTデータストリームを詳細に分析すれば、より効果的な意思決定が可能になります。

市場で提供されるセンサーの数が増え、多数のプラットフォームでセンサーが使用されるようになりました。これに伴い、IoTは急速な進展を見せていますが、相互運用性が依然として大きな課題となっています。

「昨年のイベントでは、サイバーセキュリティとプライバシーがお客様の最大の懸念事項でした。IoTは、ビジネス全体のあらゆる情報を収集することにより、大きな可能性をもたらしますが、セキュリティとプライバシーに関する責任が伴います。各企業は、IoTシステムが収集しているものが顧客データであることを認識し、顧客保護の姿勢を明確に打ち出さなければなりません」

― Kes Sampanthar、Executive Director, Innovation Labs、KPMG米国

5© 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

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グローバル・テクノロジーのリーダーの13%が、ビジネスを変革する画期的なテクノロジーとして、AIを上位に挙げています。米国と日本でAIを選んだテクノロジーリーダーが多く、わずかの差でインド、英国が続いています。この分野を支配するための重要なAI戦略を発表した中国は、今年、グローバルな研究成果と同じ程度に、より大きな成果を上げています。

AIは革新的なテクノロジーであるため、各テクノロジー企業は大きな野心を抱いています。特に米国と中国の有力なテクノロジー・プレーヤーによる、研究開発やM&Aへの巨額の投資が行われることも予想されています。

プラットフォーム企業は現在、チップ開発に投資しています。これらの企業は、チップ製造のためのテクノロジーと人材に巨額の投資を行う資本を有しています。また、ハード

ウェアとソフトウェアのロードマップをコントロールする能力のほか、人工知能システムを強化するコンピューティングチップを作成し、新しい製品やサービスをより迅速に開発する能力も持っています。

世界中の組織でAI、コグニティブコンピューティング、機械学習の導入が加速していきますが、プラットフォーム企業の多くは、独自の競争優位性をすでに獲得しています。AIイノベーションをリードするデジタルファースト企業のプラットフォームの好例として、AmazonやAlibabaのeコマース・プラットフォームがあります。

これらの企業はすでに、ダイナミックな価格設定、スタッフのスケジューリング、機械学習のアルゴリズムの利点を活かして、販売を促進し、顧客ロイヤルティを構築し、製品とサービスのイノベーションを推し進めています。

第2位: AI – 投資とイノベーションが牽引人工知能(AI)は、ビジネスの世界を変革しつつあります。テクノロジーの主導権と人材をめぐる競争が激化しています。

AI/コグニティブは、今後3年間でビジネスを変革することが期待されるテクノロジーの第2位に挙げられています。

米国

中国

インド

日本

英国

17%17%

15%15%

13%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年1月)

出典: IDC Worldwide Semiannual Cognitive Artificial Intelligence Systems Spending Guideプレスリリース(2018年3月22日)

IoTに対する全世界の支出は、

合計1.1兆ドルに達する

2021年までにコグニティブおよびAIシステムに対する全世界の支出は

2021年までに522億ドルに達する

ロボティクスとドローンに対する全世界の支出は、

2021年までに2,184億ドルに達する

6 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

ビ ジネスを激変させる破壊的テクノロジー(続き)

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仕事の将来

究極的には、人間とbot(ボット)が協力して仕事をすることになるでしょう。また、多くの場合、bot(ボット)は人間よりも迅速かつ適切にデータを分析し、質問に答えられるようになるでしょう。人間には、独自の能力が数多くあります。そのため、人材は、より高い目標を達成するために投入されていきます。例えば、bot(ボット)は、解決しなければならない問題について質問しないでしょうし、企業と消費者のさまざまな対話で必要となる感情的知性や共感も持たないでしょう。

AIに関するイノベーションの発展は、仕事の性質や、企業が成功を収めるために必要なスキルと人材に大きな変化をもたらします。ビジョンを持った各業界のリーダーは、デジタル時代で成功するために、人材に対する要件と将来の仕事を再定義しています。

Soul Machines™社は、生物学的に示唆された人間の脳のモデルと基本的な知覚ネットワークを組み合わせたニューラルネットワークを使用して、仮想的な中枢神経系を作成しました。2017年に台北で開催されたAmazing Night–Taiwan (上の写真)で、CBOのGreg Cross氏は、同社の対話式AIヒューマン、Rachelの脳の内部の働きを説明しました。 写真: Soul Machines社提供

「既存の従業員を教育し、将来に対応できるようにする機会を評価することは、デジタルファースト企業にとって重要です。リソースを解放し、イノベーションと成長に焦点を当てるために、将来の従業員が再定義されています。インテリジェント・オートメーションの発展により、処理コストが劇的に削減され(75%も削減されることがあります)、速度、精度、制御の側面も改善されます」

― Cliff Justice、Innovation & Enterprise Solutions and leader of Intelligent Automation initiatives、KPMG米国

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世界中の回答者の10%が、ビジネスを変革する画期的なテクノロジーとしてロボティクスを上位に挙げています。今年の調査でも、将来の従業員の状況を大きく変えるロボティクスに対して、前向きな見通しが示されています。

産業用およびサービス用ロボティクスのイノベーションが進み、新しい用途が実現されています。同時に、サービス用のロボットや、従業員を補充する代わりに簡単に雇用できる産業用ロボットの需要が成長し続けています。従業員数を最小限に抑えた工場も現実性を増すでしょう。

原料から最終製品までのサプライチェーンの各ステップをデジタルファーストのビジネスモデルでつなげれば、オートメーションとロボティクスの前途は非常に明るいものになります。

日本は、長年の労働力不足を解決するためにロボットへの依存度を高めており、ロボットが高く評価されています。

グローバルサービス用ロボティクスの市場は、産

業用ロボティクスの市場よりも大きくなることが予測されています。将来は、個人用ロボットが、人間が潜在能力を発揮できるように支援するでしょう。また、個人用ロボットは、今はまだ想像でしかない新機能を使って、その弱点を克服するでしょう。産業用ロボットやサービス用ロボットだけではありません。偵察用無人航空デバイスやその他の用途のデバイスを開発する防衛産業でも、ロボティクスに対して多額の投資が行われており、大きな需要が生まれています。

最近ロボットは、人間と安全に対話できるようになり、新しい用途で使われるようになりました。その結果、効率性が向上し、収益ストリームも多様化しています。IoTとロボティクスのイノベーションにより、これまでにないレベルの精度が得られるようになり、遠隔手術など新たな用途が実現しています。ロボットは、人間には危険だと考えられて

いる仕事に取り組んでおり、センサーを警告として使用することで事故を未然に防いでいます。ホテルや小売店のサービス用ロボットでは、コスト削減や効率アップだけではなく、顧客サービスも向上できることが実証されています。

第3位: ロボティクス – ロボットが人間の限界を 変えるロボティクスは、器用さ、知性、センサーを高度なレベルで実現しています。ロボティクスは引き続き、多くの業界にイノベーションと収益ストリームをもたらすでしょう。

ロボティクスは、今後3年間でビジネスを変革することが期待されるテクノロジーの第3位に挙げられました。

米国

中国

インド

日本

英国

8%

11%

5%

13%

5%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年1月)

IoTに対する全世界の支出は、

合計1.1兆ドルに達する

2021年までにコグニティブおよびAIシステムに対する全世界の支出は

2021年までに522億ドルに達する

ロボティクスとドローンに対する全世界の支出は、

2021年までに2,184億ドルに達する出典: IDC Worldwide Semiannual Robotics and Drones Spending Guideプレスリリース(2018年1月23日)

8 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

ビ ジネスを激変させる破壊的テクノロジー(続き)

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ロボティクス市場は、プロ向け、個人向け、家庭向けサービス用ロボットの需要が増大しており、今後も大きく変化していきます。次のような例を挙げることができます。

– さまざまな産業関連・防衛関連向けの自律航空機のナビゲーション、データ収集、分析ソリューション。

– 外科手術の作業時間を短縮し、より良い結果が得られるようにする手術支援ロボットシステム。

– 人間並みの細かい作業ができるロボットアーム。このシステムは進化を続けており、これまでロボットには不可能と思われていた作業を極めて巧みに行えるようになっています。

「現在は、産業向け以外のセグメントからのロボティクスの需要(消費者向けロボットや無人航空機など)が、収益の大半を占めています。規模の成長と機能の進化に伴い、ロボティクス製品とサービスのグローバルなマスマーケットが出現しています。これは、今後10年間、多くの人々の生活に影響を与える可能性があります」

― Per Edin、Strategy Practices Leader, Technology, Media & Telecommunications, KPMG米国

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42%

30%

21%

7%

ブロックチェーン・テクノロジーは、20年前のインターネットの衝撃と比較されることがあります。バリューチェーン全体を短くし、新しいビジネスモデルを構築できるからです。ブロックチェーンでは、取引の仲介者を不要にすることができます。これは、デジタル取引システムであるブロックチェーンでは、ピアツーピア・ネットワークでデータを安全に保存し、スマートコントラクトを実行できるためです。取引はリアルタイムで実行され、完全性と安全性は、ブロックチェーンによって保証されます。ブロックチェーン・プラットフォームは、業界・ビジネスのモデルを一変させる可能性があります。

金融サービスでは、ブロックチェーンによって利点が得られる例が多く見られます。Know

Your Customer (KYC: 顧客確認)プロセスは、金融機関にマネーロンダリング防止のバックボーンを提供します。これにより、世界中の犯罪行動を検出し、防止することが可能となります。しかし、多くの金融機関のKYCは、その重要性にもかかわらず、手順が冗長で、作業が重複し、間違えのリスクもあるなど、非効率的です。このため、コストがかかり、顧客体験にも悪影響を与えかねません。

ブロックチェーンは、不変性と透明性を備えているため、金融機関は、クリーンで最新の顧客データに迅速かつ安全にアクセスできます。その結果、運用効率と、金融機関の間の信頼性が向上し、多くの人手を要するデータ収集や、処理時間、コストが削減されます。

ブロックチェーンを使用すると顧客データのソースが1つだけになるため、監督機関は、複数の金融機関にわたる顧客の行動を詳細に把握できます。顧客の立場で考えると、金融機関がブロックチェーン対応のKYCユーティリティを使用すれば、登録の待ち時間が短くなり、同じ情報を何度も提供する必要がなくなります。

今後3年間でブロックチェーンが会社に破壊的な影響を与える可能性

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

どちらとも言えない

大いにある

あまりない

わからない

10 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

ビ ジネスを激変させる破壊的テクノロジー(続き)

ブロックチェーンがビジネスを破壊する可能性ブロックチェーンがビジネスを破壊するのではないかと予測されています。グローバル・テクノロジー業界のリーダーの3人に1人は、ブロックチェーンによって自社が破壊される可能性があると予想しています。日本では、この傾向がさらに顕著で、テクノロジー業界のリーダーの2人に1人が、ブロックチェーンによって自社が破壊される可能性があると述べています。

Page 13: 変化し続ける 破壊的テクノロジー2018(第2部)...世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的な テクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高い

27%

24%

22%

14%

今後3年間で、ブロックチェーンがもたらす最も大きな破壊は何でしょうか? ブロックチェーンが成功するための鍵

ブロックチェーンが成功するための鍵として、回答者の4分の1以上がサイバーセキュリティを挙げました。ビットコインが直面している交換やハッキングについての問題が、この結果の一因になっていると考えられます。セキュリティのランクが高かったのは、中国とインドです。

変化の激しいフィンテックの世界では、ブロックチェーンが破壊的なテクノロジーとして存在感を高めており、「必須のテクノロジー」と見なされることが増えています。ただし、ブロックチェーンが普及するためには、世間の承認と国際的な統合が依然として課題です。ブロックチェーンに対する投資が20年前のインターネットバブルと比較されることがあるのは、これが原因であると考えられます。

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

IoTプロセス(例: ソフトウェア更新、商品の補充、保証などを追跡する)

サイバー(台帳ID認証によりリスクを低減する)

トレーディング(例: 中小企業のプラットフォーム)

契約(例: ブロックチェーン・レコードを通じて支払金額、保険契約、IDを確認する)

セキュリティ

世間の承認/国際的な統合

経済発展

27%

10%

8%

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ソーシャル・グッドに対するテクノロジー・イノベーションの働きテクノロジーの進歩により、さまざまな課題が解決される可能性があります。ロボット、AI、IoTが世の中で普及しすぎることを心配する声もありますが、これらのテクノロジーが、日常生活、社会、環境を良くしていく上で役立つことが、より明確になってきました。

例えば、健康やフィットネスの予防的な管理にIoTデバイスを役立てるケースが増えています。また、個人向けのロボットが、高齢者や障害者を支援するようになっています。自然災害発生時にAIを使った新しい支援方法が考えられていますが、これは、AIがソーシャル・グッドのために利用されている例です。パーソナライズされた市民サービスをスマートシティで提供したり、行政サービスが不十分な地方で銀行やヘルスケアを提供したりできるようになっていますが、これは、AIとIoTがソーシャル・グッドのために利用されている例です。

生活、社会、環境に最も恩恵をもたらすテクノロジー

中国 インド 日本 英国 米国

IoT 12% 14% 10% 21% 13%

AI 11% 18% 10% 13% 14%

ロボティクス 8% 5% 20% 15% 13%

世界中の回答者が、IoTとAIは、ソーシャル・グッド(社会貢献的意義がある)とされる他のテクノロジーより優れていると回答しました。今回のグローバル調査では、ロボティクス革命と答えた人も10%いました。

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

IoT AI ロボティクス

これらの新しいテクノロジーは、人間が直面している重要な課題の解決に引き続き利用されます(特定の医療状況の解消や人道支援の有効性の向上など)。

テクノロジー業界のリーダーの回答を地域別に見ると、生活、社会、環境に対して最も恩恵をもたらすテクノロジーとして、日本では、(Pepperなどの)ロボットが大きく注目されています。中国では、ソーシャルネットワーキングツールと回答した割合が高くなりました(幅広く利用されているWeChatやブロックチェーン・テクノロジーなど)。英国では、IoT

と回答した割合が特に高くなりました。これは、スマートシティ・プロジェクトが主要都市で立ち上がっており、スマートホーム・ガジェットが英国の各家庭に普及しているためです。インドでは、デジタルペイメントと回答した割合が高くなりました。これは、eペイメントとeコマースのインド発のブランドであるPaytmの影響によるものです。

14% 12% 10%

12 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

Page 15: 変化し続ける 破壊的テクノロジー2018(第2部)...世界中の回答者の17%が、ビジネスを変革する画期的な テクノロジーとして、IoTを上位に挙げています。この高い

インターネット対応のコンピューターセンサーが急速に普及して、大量のデータ収集と機械学習が行われるようになりました。これにより、消費者市場では、かつてない変化が起きています。最も有名な技術関連のバズワードの2つであるIoTとAIは、ともに発展を続け、その結果、スマートホームにAmazonのAlexa、AppleのSiri、GoogleのNestがもたらされました。

本調査では、IoT、AI、ロボティクスが普及することにより、主に、個人情報のより適切な管理、個人の生産性の向上、パーソナライズされたリアルタイム情報による顧客体験の改善という3つの利点が得られることがわかりました。AI、IoT、ロボティクスの普及にあたっては、セキュリティが依然として最大の課題であると考えられています。

国ごとに少し違いがありますが、インドでは、AIが第1位に挙げられました。ムンバイでは、インド初の人工知能センターの立ち上げ準備が進められています。AIの影響によって、インドのeコマース、デジタルヘルスケア、eバンキングは変革されていくことが期待されています。米国では、IoTが他のテクノロジーより高く評価されました。これは、イノベーションが急速に発展し続けるためです。インターネット対応のホームデバイスが登場した時も、健康・医療用のウェアラブルデバイスが登場した時も、自律運転型自動車が登場した時も、イノベーションが急速に発展しました。

消費者市場に前例のない変革をもたらすテクノロジー

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

中国 インド 日本 英国 米国

IoT 11% 14% 13% 13% 21%

AI 13% 22% 7% 11% 12%

ロボティクス 11% 9% 10% 10% 8%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

IoT AI ロボティクス

中国は、この分野を支配しようと重要なAI推進策を発表しました。その内容は、世界中の研究成果に匹敵するものでした。中国では、ロボティクスを選んだ人の割合が他の国より高く、11%となりました。日本と英国がこれに続き、それぞれ10%となっています。小売店では、効率性と顧客満足度を高めるために、人間型のサービス用ロボットの使用が始まっています。

暗号通貨を選択した回答者は、全世界で7%でした。特に、デジタル通貨が急速にブームになっているアジアで、暗号通貨を選ぶ人が増えています(日本は17%、中国は13%)。

仮想現実(7%)と拡張現実(6%)は、勢いを増しています。特に拡張現実は人気が高く、モバイルアプリでのユーザー作成コンテンツのオーバーレイから、店舗内でのマーケティングまで、さまざまな用途で幅広く利用されています。

17% 13% 8%

13

今回のグローバル調査では、今後3年間においてIoTが最も変革をもたらすと答えた人が、全体の17%となりました。これは、前回調査から微増となっています。主要な地域においては、IoTとAIの両方のスコアが高くなっています。

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どのアプリカテゴリが お気に入りですか?

全世界 米国 中国 インド 日本 英国

ゲーム 8% 11% 12% 6% 0% 10%

ビジネス 7% 6% 6% 14% 17% 6%

エンターテインメント 7% 7% 10% 5% 3% 11%

旅行 7% 7% 7% 8% 13% 3%

ライフスタイル 7% 6% 11% 3% 0% 6%

ソーシャル ネットワーキング 7% 8% 9% 11% 3% 5%

写真&ビデオ 6% 8% 6% 2% 13% 5%

ニュース 6% 8% 2% 5% 13% 8%

ナビゲーション 5% 3% 8% 9% 7% 10%

スポーツ 5% 7% 6% 2% 7% 5%

音楽 5% 5% 6% 0% 7% 5%

教育 5% 4% 8% 9% 3% 6%

本 4% 2% 3% 3% 3% 2%

飲食物 4% 5% 2% 5% 3% 2%

ファイナンス 3% 1% 0% 3% 3% 2%

アプリ利用者のグローバルトレンド

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

選択結果は、地域ごとに異なります。中国では、ゲーム、ライフスタイル、エンターテインメントのアプリカテゴリが最も好まれています。米国では、ゲームが最も好まれています。日本とインドでは、ビジネスアプリがお気に入りのカテゴリとして選ばれています。英国では、エンターテインメントアプリが最も好まれており、その次に、ゲームとナビゲーションが好まれています。

私たちは、注目するスレッドを限定して、毎日さまざまなアプリを見ています。デジタルデバイス経由で見られたスクリーンショットの平均数と、セッションの長さ(時間)を測定する新しい調査が現在進められています。予備データでは、セッション当たり14~ 17秒であることが示されています。各企業は、注目を引くためにどのように競争し合うでしょうか?

アプリカテゴリのグローバルトレンド

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この自由回答形式の質問に対する回答を全体的に見ると、デジタル生活が細分化、多様化、複雑化していることがわかります。この調査から、人気の高いアプリが幅広い地域で利用されていることが明らかになりました。また、それらのアプリの多くは、米国発となっています。

全世界では、ビジネス特化型のソーシャルネットワークであるLinkedInが、お気に入りのアプリとして第1位になりました。そして、僅差で、他の多くのアプリがこれに続いています。

国ごとにいくつか顕著な違いが見られましたが、これは自国のバイアスであることが明ら

かです。米国の回答者の間では、Amazonが第1位となっています。中国セグメントの調査では、検索エンジンのBaiduが第1位となっています。

インドでは、LinkedInが第1位となっています。英国では、BBCが第1位、日本では、主要なモバイルメッセージング企業であるLineが1位となっています。コンピューターに蓄積された情報から、私たちに関する知見が多く得られます。また、それらの情報は、私たちの生活や仕事のやり方に影響を与えています。消費者のデジタル化により、各業界、ビジネスモデル、社会は変革を続けていきます。

全世界 中国 インド 日本 英国 米国

LinkedIn 4% Baidu 7% LinkedIn 11% Gmail 7% BBC 8% Amazon 5%

Facebook 3% Google Maps 4% Whatsapp 9% Line 7% Tinder 6% Tinder 3%

Google Maps 3% Line 4% Google Maps 6% Google Maps 3% LinkedIn 6% LinkedIn 3%

Instagram 3% QQ 4% Facebook 6% Instagram 3% Netflix 5% Netflix 3%

Airbnb 3% Tinder 2% Youtube 5% Airbnb 3% Facebook 5% Youtube 3%

Tinder 3% LinkedIn 2% Instagram 5% Netflix 3% Google Maps 3% Airbnb 3%

Netflix 3% NBA 2% Kindle 3% Snapchat 3% Snapchat 3% Golf Clash 3%

Youtube 2% ESPN 2% Amazon 2% NY Times 3% Gmail 3% NBA 3%

Amazon 2% Chess 2% Twitter 2% Adobe 3% Golf Clash 3% Facebook 3%

Whatsapp 2% Amazon 1% Airbnb 2% Shazam 3% Instagram 3%

Uber 2% Accuweather 1% Uber 2% Whatsapp 3%

Kindle 1% Scanner 2% Snapchat 3%

Weather Live 1% Gmail 2% ESPN 3%

Spotify 1% NY TImes 3%

Twitter 1%

どのアプリが お気に入り ですか? [自由回答形式]

このリストは、結果の一部を示しています。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

お気に入りのアプリ

本レポートに記載されているサードパーティアプリは、登録商標または商標であり、各社の知的財産です。

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成長への道: 破壊的 ビジネス モデル競争を制する企業

グローバル経済を破壊する ビジネスモデル

今後3年間の産業の変革

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デジタル革命が驚異的な速度で拡大していく中、ビジネスリーダーは、新しいテクノロジーへの取組みを進めています。その一方で、企業のあらゆる側面は、破壊的な影響を受けています。大量生産・大規模生産中心の産業経済から、情報中心のデジタル経済へと移行することは、企業の成功とは何かという本質的な問いに対する挑戦です。20世紀に業績の良い企業が生まれた要因と、21世紀に競争優位性を獲得するのに必要な要因との間には根本的な違いがあります。

21世紀の企業の特徴は、デジタル時代で成功するために不可欠な、4つの重要なビジネス属性で発生している変化に適応し、それを活用する能力を備えていることです。最良の顧客体験の提供、従来とは異なるアセットからの価値の獲得、(社内インフラストラクチャの拡張に対して)外部サービスの利用、AIやスキルのオンデマンドでの利用に重点を置くことにより、組織はスリムさ、敏捷さ、対応の早さを向上させることができます。

デジタルファースト企業で、IoT、AI、ロボティクスの各テクノロジーを導入すると、人的資源、財務、調達などの機能が分離された従来の機能的境界が侵される一因となります。この「境界のない」企業は、機械学習テクノロジーを使用して、組織に蓄積された知識に基づいて再設計されます。最終的には、顧客を一層重視したビジネスモデルが構築されます。このビジネスモデルでは、24時間365日体制で、データに基づく自動描画を行ったり、組織全体に処方的分析を適用したりすることが可能です。

その結果として、意思決定の迅速化、コストの削減、効率の向上、ユーザー体験、顧客体験の改善が実現されます。

「デジタル革命が驚異的な速度で拡大していく中、ビジネスリーダーは、

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新しいテクノロジーへの取組みを進めています。その一方で、企業のあらゆる側面は、破壊的な影響を受けています。大量生産・大規模生産中心の産業経済から、情報中心のデジタル経済へと移行することは、企業の成功とは何かという本質的な問いに対する挑戦です」

― Rick Wright、Principal, Digital Transformation Leader、KPMG米国

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成長への道: 破壊的ビジネスモデル(続き)

テクノロジー業界のリーダーが自社ビジネスの破壊に関して最も気にしている企業として、中国の巨大企業であるAlibabaが第1位に挙げられました。

貴社のビジネスが破壊されるという懸念に関して、どの企業が最も気になりますか?

リストの一部のみを表示しています。回答者が入力できるのは、1社です。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

Alibaba Facebook Airbnb Amazon Google

10% 9% 9%12% 11%

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主要な破壊的企業

Alibabaが最大のビジネス破壊企業である理由は、クラウドコンピューティング、エンターテインメント、ペイメントゲートウェイ、モバイルデータなど、革新的かつ多角的な事業を展開しているためです。中国の人口10億を超える市場を満足させるには、ビジョナリー・リーダーシップが必要です。

AIを利用した投稿と顔認証機能を導入しているFacebookは、第2位となりました(地域差はほとんどありません)。グローバル・テクノロジー業界のリーダーの5%が、Appleが自社のビジネスを破壊させるのではないかと懸念しています。ライドシェアリングサービスのUberとLyftは、ここ数年間、それぞれ回答の4%と2%を占めています。

注目すべきは、米国のテクノロジー業界のリーダーが、自社のビジネスを破壊するのではないかと最も懸念している企業として、Alibabaを挙げていることです。米国の調査では、グラフに示されている企業のほかに、TeslaとFlipKartがそれぞれ8%のリーダーに選択されています。

数ポイントを獲得した国際企業がいくつかあります。インドの有力なドットコムeコマースプレーヤーのFlipKartは、グローバルな投票では6%、米国内では8%を集めました。Alibaba以外にも、中国の他の4社(スマートフォンメーカーのXiaomi、ソーシャルメッセージングサービスのTencent、ドローンメーカーのDJI、ライドシェアプロバイダーのDidi)が、上位15社に含まれています。

中国の回答者は、最も破壊的な企業として米国の企業を選びました(AirbnbとFacebook

がそれぞれ12%)。また、中国の調査では、中国国内の競合企業であるAlibaba (11%)、Tencent (8%)、XiaomiとDidi (それぞれ7%)も上位に選出されています。

国別の上位企業

中国 インド 日本 英国 米国

Airbnb 12% 2% 13% 6% 6%

Alibaba 11% 6% 13% 13% 19%

Amazon 9% 11% 17% 8% 7%

Facebook 12% 5% 13% 13% 13%

Google 11% 20% 10% 5% 9%

Netflix 1% 2% 3% 8% 10%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

Alibabaは、主要な破壊的企業として、米国のブランド企業よりも上位に選出されています。

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e-コマース・プラットフォーム

ソーシャルネットワーキング・プラットフォーム

自律型輸送プラットフォーム

エンターテインメント・プラットフォーム

eCommerce Socialnetworking Autonomous

transportation Entertainment14% 11%26% 19%

出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

成長への道: 破壊的ビジネスモデル(続き)

eコマース・プラットフォームは、ビジネスパートナー同士が、ネットワークを介して相互に接続できるように設計されています。 各ビジネスパートナーは、シームレスに接続して顧客の要求を満たすことができるため、非常に優れた顧客体験を実現できます。

お住まいの国では、今後3年間、どの新しいビジネスモデルが最も破壊的な影響を持つでしょうか?

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新しいビジネスモデルが成長を牽引

eコマースの変化のスピードは速く、迅速な配送に始まり、その後、効率の高い物流管理やサプライチェーンの運用へと進化し、現在は、新しいモバイルペイメントサービスとデジタルアシスタントが導入されています。AlibabaとAmazonは、ビジネスに破壊的な影響を与える注目企業として上位に選ばれており、この上位ランキングは、テクノロジー業界のリーダーの回答に一致しています。

ソーシャルネットワーキング・プラットフォームは、第2位となりました。このプラットフォームは、人々の生活、行動、選択に大きな影響を与えることがわかっています。ソーシャルネットワーキング・プラットフォームは、革新的なテクノロジーの配布においても重要な役割を果たします。サービスとしての輸送と自動運転自動車からもたらされる破壊的な影響は、自律型輸送プラットフォームのランキングに反映されています。従来のエンターテインメント企業で改革が継続されることが期待されており、エンターテインメント・プラットフォームは、第4位に選ばれました。

これらの結果は、地域によって若干の違いがあります。中国では、eコマースの順位が比較的高くなりました(eコマースの中には、AlibabaとJD.comが含まれています)。また、中国では、AIを利用した自動運転プラットフォームも選ばれました。これは、中国の成長テクノロジーの1つです。インドで最も順位が高かったのは、デジタルペイメント・プラットフォームです(23%)。例えば、インド国内企業のPaytmモバイルウォレットは、急速に現金の代わりになりつつあります。

国別の上位に選ばれたビジネスモデル

中国 インド 日本 英国 米国

自律型輸送プラットフォーム 18% 12% 20% 15% 15%

e-コマース・プラットフォーム 29% 17% 30% 26% 24%

エンター テインメント・プラットフォーム

16% 9% 10% 19% 12%

ソーシャルネットワーキング・

プラットフォーム12% 20% 17% 19% 23%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

eコマース・プラットフォームは、今後3年間で最も破壊的な影響を持つと考えられています。

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業界の変革と収益化の可能性

成長への道: 破壊的ビジネスモデル(続き)

かつてない変革が起きようとしている メディアと輸送テクノロジー業界のリーダーは、今後3年間で、メディア、輸送、ヘルスケア、消費者の各市場が最大級の変革を遂げると予測しています。

NetflixやAmazon Primeなどのビジネスモデルや破壊的テクノロジーの成功が評価され、米国の例では、メディアが最大級の変革に向かっていることが示されています(18%)。この調査結果は、同じパーセンテージの英国によっても裏付けられます。AIを利用したニュース/メッセージングサイトの最前線である中国では、メディアも比較的高く評価されました。中国で輸送が高く(18%)評価されている理由として、中国ではライドシェアリングなど、サービスとしてのモビリティが採用されていることが考えられます。

今後3年間で最も破壊的影響/変革をもたらす産業の上位ランキング全世界 米国 中国 インド 日本 英国

自動車/輸送 13% 13% 18% 14% 13% 16%

消費者市場/小売 11% 13% 14% 9% 7% 8%

教育 8% 13% 8% 5% 13% 5%

エネルギー/電力・ガス 8% 5% 6% 14% 0% 10%

ヘルスケア 12% 11% 11% 6% 17% 11%

工業生産 10% 10% 4% 8% 13% 15%

メディア 14% 18% 11% 6% 13% 18%

テレコム 10% 7% 16% 12% 23% 5%

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

22 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

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メディア

世界中のメディア企業は、破壊的テクノロジーの普及によってもたらされた大きな変革の時代に直面し続けています。OTT(オーバーザトップ)コンテンツプロバイダーの成長と規模により、消費者は、テレビ視聴オプションについて、これまで以上に柔軟な選択を行えるようになっています。

OTTコンテンツ配信により、テレビ業界の収益が再分配されますが、これは始まりに過ぎないのかもしれません。プレーヤーたちは、数十年を費やして収益性の高いモデルを完成させましたが、現在、このモデルは大きく破壊されています。そして、この破壊攻撃はスピードを増しています。そのため、モデルの発展と変革が急務であると、強く認識されています。

テレビ・映画のエコシステムは、プラットフォーム・ビジネスモデルを採用するように発展するでしょう。これにより、テレビ番組を選択、購入、視聴する方法が劇的に変化することになります。新しいテレビ・エコシステムに参加しようとしている企業は、未知の領域に直面し、大きな変化に立ち向かう必要があります。

AIは、ソーシャルアプリ、活字メディア、Webサイトのニュース選択にも利用されています。どのニュースが選択されるかは、AIが収集した人気の高いコンテンツや個人のプロファイルに関する情報に基づいて決定されます。スマートフォンアプリは現在、社会に広く普及しており、消費者の注意持続時間とメディア消費に影響を与えています。

自動車/輸送

各大手テクノロジー企業は、競って自動車のエコシステムを支配しようとしています。こうした企業と競争して優勢になれば、自動車業界は統合の速度を速めるだろうと、世界中の自動車業界のエグゼクティブは考えています。自動車業界に素早く参入しているデジタ

ルプレーヤーに対抗するために、従来の装置メーカーは、競争と統合の適切なバランスを見つける必要があります。

KPMGグローバル・オートモーティブ・エグゼクティブ・サーベイ2018で次の見通しが明らかになりました。

• 従来型の小売店のほぼ50%が2025年までに廃業すると、大部分のエグゼクティブは考えています。

• 消費者は、購入を決定する際にデータセキュリティを優先させるようになります。また、セキュリティが自動車の標準機能に組み込まれることを期待するようになります。

新しい破壊的輸送方式、つまり自動運転車とモビリティサービスの組み合わせを軸とした1兆ドル市場が、世界中で急速に発展しています。この将来の市場で成功するには、今までにない考え方が必要です。

「大手テクノロジー企業の財務力は、大手自動車メーカーを凌いでいます。また、大手自動車メーカー 25社の時価総額は、大手テクノロジー企業15社の20%に過ぎません。2010年のサーベイでは60%でした。ここから明らかなことは、デジタル企業は、金融市場において全く異なる評価を得ているということです。特に大量生産者にとって、巨大テクノロジー企業と戦って生き残るには、パートナーシップが鍵となります。プレミアムサプライヤーは、これより安全なポジションにいますが、この状況を同様に認識しています。その結果として、地図サービスや電気自動車の充電ステーションなどの統合を進めています」

― Dieter Becker、Global Head of Automotive at KPMG

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「テクノロジー業界のリーダーは、企業と消費者がどのようにこの世界に参加するかを再定義し続けているデジタルファースト企業です。今日のビジネスモデルと業界のリーダーの多くは、次世代のブレークスルーを開発し、経済的価値を拡大するテクノロジー業界のプレーヤーに置き換えられるでしょう。テクノロジー業界の将来のリーダーは、他のセクターに素早く進出し、市場シェアを獲得しています」

― Tim Zanni、Global and U.S. Technology Sector Leader Chair of Global and U.S. TMT Line of Business、KPMG米国

成長への道: 破壊的ビジネスモデル(続き)

ヘルスケア/ライフサイエンス

今日の患者は、情報と医療を利用する方法や場所を柔軟に選択したいと考えています。緊急医療センター、リテールクリニック、24時間のホットライン、バーチャルケア企業、アプリ開発者が、これを可能にしようと奮闘しています。現在、大部分のシステムのビジネスモデルにとって、これらのチャネルはコアではありませんが、一時的な流行でもありません。問題は、変更するかどうかや、いつ変更するかではなく、どのように変更するかということです。

この患者中心のアプローチは、コストがかかるように見えるかもしれませんが、デジタル変革を通じて実現すれば、採算を取ることが可能です。デジタルインタラクションによって得られたデータを収集して処理することが、重要性を増していることがわかります。対象グループのニーズと行動を理解することにより、ヘルスケアプロバイダーは、信頼とロイヤルティを築いて価値を高める新しい方法を発見するでしょう。

IoT、AI、ロボティクスの各テクノロジーは、ヘルスケアの提供方法、病気の治療方法、調査の実施方法を変革しています。日本では、ロボティクスの用途として、ヘルスケアセクターに重点を置いています。ロボットは、病院の看護プログラムの一部になりつつあります。会話によって子供の不安を和らげるロボットもあれば、外科手術を行うロボットもあります。いくつかの市場では、人間型のサービス用ロボットが在宅ケアに利用されています。

消費者市場/小売

情報の入手が可能になり、消費者は、かつてないほどさまざまなことができるようになりました。しかし、これは企業にも利点をもたらしました。消費者のデータを収集して、実際の顧客の理解に役立てる能力は企業の成長に不可欠です。これは、消費者のデータを集めれば、消費者の行動を直接理解することができ、ブランドと製品のロイヤルティを高める機会が得られるからです。また、消費者のデータは、ブランドの差別化につながる新製品や体験を作り出すための情報となります。

成功の鍵の1つは、新しい組織機能をすべて備えた、適切なビジネス/テクノロジー・プラットフォームを使用することです。デジタル変革は、支出傾向を捉えてコストを管理し、サプライチェーンとバックオフィスプロセスを効率化するなど、顧客サービスを収益に結びつける機会をもたらします。

消費者市場と小売業は、新しいテクノロジーによって再定義されているところです。IoTデバイスにより、スマートシェルフ(需給に応じた商品を店頭に設置するためのデバイス)やスマートミラー(鏡に自分を映しながら、タブレット端末の様に操作できるデバイス)などの新しい製品イノベーションが実現されています。小売業では、IoTがさまざまな方法で利用されています。例えば、インターネット対応のスマートカメラを店舗に設置してセキュリティを向上させたり、温度センサーを使用してエネルギー効率を高めたり、競技用ウェアにフィットネスデバイスを組み込んでパフォーマンスを記録することなどです。

小売業では、AI、ロボティクス、IoTが大きな価値を提供しており、製品とサービスのパーソナライズや、新しいタイプの顧客サービス体験の実現を可能にしています。Amazon Go

ストアの概念は、良い例です。AmazonのGoストアとeコマース・プラットフォームを接続することにより、ネットワークに集まる顧客と在庫の数が増え、より大きな規模の経済が実現されます。

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今後3年間で、次のテクノロジーは、どの業界で最も普及するでしょうか?

ヘルスケア 11% ヘルスケア 13% 工業生産 17% 政府 13% サービス 15% 自動車 13%

工業生産 11% 消費者 11% 金融 12% ヘルスケア 13% 金融 11% サービス 13%

消費者 10% 工業生産 11% 航空&防衛 9% 工業生産 13% 自動車 10% 航空機&防衛 12%

金融 10% 自動車 10% 自動車 9% エネルギー 10% ヘルスケア 10%

サービス 10% サービス 10% 消費者 9% 金融 10% メディア 10%

サービス 10%

テレコム 10%

AIの普及

工業生産 15% 工業生産 17% 工業生産 32% ヘルスケア 17% 消費者 16% 金融 16%

ヘルスケア 11% サービス 14% 自動車 12% 航空&防衛 13% 工業生産 15% 消費者 14%

消費者 10% 政府 13% ヘルスケア 9% エネルギー 13% 金融 11% エネルギー 11%

金融 10% 消費者 10% 政府 11% 工業生産 11%

サービス 10% 金融 10% サービス 11%

メディア 10%

ロボティクスの普及

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

全世界 中国 インド 日本 英国 米国消費者 11% 自動車 14% 消費者 18% メディア 20% 教育 13% 消費者 13%

教育 10% 航空&防衛 10% 自動車 14% 教育 13% エネルギー 13% メディア 13%

サービス 9% 消費者 10% 教育 11% 工業生産 13% テレコム 13% テレコム 13%

工業生産 9% メディア 10% サービス 11% ヘルスケア 10% 消費者 10% ヘルスケア 11%

テレコム 9% 工業生産 10%

サービス 10%

IoTの普及

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イノベーションおよび 事業化の壁イノベーションの制約

テクノロジー・イノベーションの 事業化を阻む壁

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イノベーションの制約

調査に回答したテクノロジー業界のリーダーの24%が、テクノロジー・イノベーションを制限する最大の問題として、抑制的な規制政策を挙げました(前回調査の19%から上昇)。米国では、テクノロジー業界の主要なプレーヤーが、経済的にも社会的にも大きな力を獲得しましたが、重要な問題に直面しています。新しいテクノロジーがどのように機能しているのか、またテクノロジーが社会にどのような影響を与えているのかについて、規制当局、企業、消費者は、さらなる透明性を望んでいます。

重くのしかかる規制が最大の壁

テクノロジー企業がイノベーションを試みる際に、次のうちどれがイノベーションを制限/制約するでしょうか?

すべての地域で、政府の規制が最大の問題になると予測されています。国によっては、特定の問題が制約になっています。例えば、米国と中国では、外国投資に対する監視が強化されています。

人材および専門技術へのアクセスが、イノベーションの制約として第2位に選ばれています。各テクノロジー企業がイノベーションに取り組んでいる中、人材をめぐって熾烈な競争が起きています。新しいテクノロジーは、新たな道を切り開き、さまざまな専門スキルの需要をもたらしています(アルゴリズム監査や、これらの新しいテクノロジーの使用に関する行動学的調査の開発など)。

ほかに認識されている問題として、テクノロジー標準が存在しない、ITインフラストラクチャ

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

中国 インド 日本 英国 米国

抑制的な規制政策 22% 22% 40% 23% 30%専門技術/

人材へのアクセス 26% 17% 20% 16% 28%テクノロジー

標準が存在しない 21% 11% 30% 23% 21%ITインフラストラクチャが旧式 18% 20% 17% 21% 23%

24% 22% 21% 21%抑制的な規制政策

専門技術/人材へのアクセス

テクノロジー標準が存在しない

ITインフラストラクチャが旧式

が旧式というものがあります。次世代のテクノロジー開発は複雑さが増し、相互接続が進んでいるため、新しい標準の策定が必要になっています。

主要なテクノロジー・プレーヤーが、テクノロジーの複雑さを低減することに関心を持っていますが、標準を共同で策定しようとする気運は限定的です。新しいテクノロジーの数が増加し、既存のテクノロジーが価値を高めようと発展すると、消費者と企業は共に、統合と複雑さの問題に直面します。テクノロジー企業がどのように統合のパラダイムに対処して複雑さを低減するかが、次の波で業界のリーダーが優位に立てるかどうかの鍵となります。

中国のBAT (Baidu、Alibaba、Tencent)や米国のFAANG (Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)などのメガプラットフォーム企業の力と影響が問題になると予測したのは、全体の12%です。これらの巨大テクノロジー企業が競合他社やスタートアップ企業を締め出し、最終的には真のイノベーションが抑制されるのではないかという懸念が高まっています。

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GDPRは、チェック表を埋めることではない

テクノロジーは、単独ではソリューションではない

個人データは資産であり、かつ、負債であることを理解する

顧客をプライバシー戦略の中心に置く

質問に備える

EU外部にある組織

投資先のソリューションを検討する前に、基本事項を正しく理解する必要がある(最初は強力なプライバシーガバナンスから)。

風評被害を避けることが最優先⸺会社が迅速かつ効果的に対応できるように準備する。

バリューチェーンのすべての部分で、高いレベルのプライバシー基準が同じように適用されるようにする(顧客データと従業員データの両方について)。

会社が保持している顧客情報の種類と、そのデータをどのように使用するかについて、透明性を確保する。

個人データは企業の価値を生み出すが、違反やペナルティが発生し、顧客の信頼を失うと、負債に変わる可能性がある。

抑制的な規制政策が多くの国の最大の懸念です。

EU では、2018年5月25日にGeneral Data Protection Regulation (GDPR:

一般データ保護規則)が施行しました。GDPRは、EU加盟国の消費者と企業に対応する組織に影響を与えます。GDPRによって、個人情報の収集、保存、使用、開示、廃棄の方法が変わります。規制の義務には従う必要がありますが、GDPRを、チェック表を埋める1回限りの作業であると捉えてしまう危険性があります。GDPRは、実際にはプライバシーに配慮した文化へと計画的に移行する作業であり、これにより、透明性、市民の権利、説明責任を、すべての従業員が身に付けるようになります。

「規制の義務には従う必要がありますが、GDPRなどの規制を、チェック表を埋める1回限りの作業であると捉えてしまう危険性があります。GDPRは、実際にはプライバシーに配慮した文化へと計画的に移行する作業であり、これにより、透明性、市民の権利、説明責任を、すべての従業員が身に付けるようになります。組織がビジネスを行う上で、プライバシーを不可欠の要素にするには、最初に基本事項を正しく理解する必要があります。まずは、強力なプライバシーガバナンスから始めましょう」

― Vijay Jajoo、Principal, Cybersecurity、KPMG米国

28 © 2018 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

イ ノベーションと事業化の壁(続き)

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このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

このリストは、結果の一部を示しています。そのため、パーセンテージの合計は100%になりません。出典: KPMG Technology Innovation Findings (2018年3月)

中国 インド 日本 英国 米国

顧客による採用率の向上 19% 23% 30% 19% 23%

資金調達/資本へのアクセス 22% 23% 13% 18% 27%

サイバーセキュリティ 19% 14% 20% 21% 27%

22% 21% 21%

顧客獲得 資金調達/資本へのアクセス

サイバーセキュリティ

タの中にある脅威を識別し、その実行を阻止することができます。ディープラーニングでは、異常なネットワークアクティビティやユーザーアクティビティを検出したり、フィッシングメールを特定したりして、損害を未然に防止できます。また、企業ネットワーク内のすべてのエンドポイント(会社が支給したデバイスだけではなく、個人用のデバイスも含む)を監視することもできます。

た)。重要な役割を担うテクノロジーの採用は、グッドガバナンス体制と共に管理する必要があります。変革を起こすテクノロジーに投資する場合、センター・オブ・エクセレンスを作ると、ROIが最大になり、リスクが最小になるでしょう。例えば、AIのセンター・オブ・エクセレンスを作ると、スキルレベルが継続的に向上し、ビジネス面でもテクノロジー面でも有能な従業員が育成されます。また、AI専門の人材の獲得にも専念できます。

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テ クノロジー・イノベーションの事業化を阻む壁顧客、資金調達、サイバーが上位を占めるグローバル・テクノロジー業界のリーダーは、新しいテクノロジーを事業化する際のさまざまな問題について回答しました。過去2回の調査に引き続いて第1位となったのは、顧客獲得で、22%を占めました。この問題は日本でより顕著になっており、30%を占めています。前年は18%でした。一方、中国では今年は19%で、前年の24%から減少しています。

テクノロジー・イノベーションを事業化する際の壁は何ですか?

資金調達と資本へのアクセスを選んだ回答者は依然として多く、21%でしたが、前回調査では36%でした。グローバル経済が成長していくと、これはもはや一番の問題ではなくなります。英国のテクノロジー業界のリーダーは、資本へのアクセスについてより楽観視しており、18%となっています。前年は47%でした。この問題はインドと日本でも前年と比べてパーセントが減少しています(前年は、それぞれ40%と39%)。

この経済が好調な期間に、人材へのアクセスがより大きな問題として出現しています。これは、急成長分野のAIについて教育を受けた専門家、データサイエンティスト、エンジニアが不足していることが一因です。

サイバーセキュリティは引き続き、新しいテクノロジーを事業化する際の課題となっています。データサイエンティストがサイバーセキュリティを向上させようとしている中で、人工知能と、特にディープラーニングが有望なソリューションとして出現しています。サイバーセキュリティの観点で考えた場合、ディープラーニングを利用すると、大量の非構造化デー

この競争の激しいビジネスサイクルの中で、投資収益率は厳しい数値となっています(20%の回答者がイノベーションの事業化の阻害要因とみなしています。前年は15%でし

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まとめUber、Didi、Lyftが輸送を改革したのと同様に、ブロックチェーンが金融市場やその他のビジネスを改革しています。拡張現実は、モバイルゲームや小売店のほか、訓練や教育のための教室で使用されることが増えています。自動運転車やパッセンジャー・ドローンは、もはやSFの世界の話ではありません。バイオテクノロジーは、がんやその他の病気の治癒を目指して進歩を続けており、私たちの長生きや健康増進に役立っています。

イノベーション全体が急速に進展している最大の要因は、人工知能分野の主導権をめぐる争いです。AIは仕事の生産性と効率性の向上を約束します。先進国では、温度、音、セキュリティ、照明を監視できるガジェットのおかげで、自宅での生活がかつてないほど快適になっています。市場が広がりを見せる中、行政サービスが不十分な地域にIoTとロボティクスを導入し、遠隔手術などの高度な医療を受けられるようにする取組みも進められています。

一方で、課題も残っています。テクノロジーの標準がなく、複雑であることが、こうした相互接続される世界で技術が進歩するための壁となっています。抑制的な規制政策が、大手、中小企業にかかわらず、テクノロジー業界のさまざまなプレーヤーに影響を与えていると考えられます。規制当局、企業、消費者は、新しいテクノロジーの機能やそれが社会に与える影響について、さらなる透明性を望んでいます。加えて、テクノロジー業界は、ソーシャルメディアでの犯罪行為や、絶え間なく続くサイバーセキュリティ違反にも直面しています。そのため、次世代の起業家はこれらの問題を解決しようと奮起するでしょう。巨大テクノロジー企業の統合が増えていることも、懸念事項になっています。スタートアップ企業や、それほど強力ではないライバル企業は、こうした統合によりイノベーションが抑制されると考えています。

第4次産業革命は着実に進行しています。最先端のテクノロジーが企業、消費者、社会、および環境に影響を与え、産業全体が激変しつつあります。次の波となる破壊的テクノロジー、つまりIoT、人工知能、ロボティクスが結びつきを深め、新しいビジネスモデルと企業が出現している中で、今世紀のテクノロジー革命は、その歩みを速めています。わずか数年前にビジネス/消費者市場に革命を起こしたクラウドコンピューティングとモバイルテクノロジーも、AIなどのイノベーションと共にクラウドで発展を続けており、機械学習への対応も図られています。次世代のテクノロジーの進化は加速し続けているため、これらのイノベーションの影響は予測できません。

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日常生活における新しい テクノロジーに関する懸念の増加

IoT、AI、ロボティクスは、複雑な社会の問題を解決し、ビジネスと経済を変革するのに役立ちます。しかし、倫理的な問題を検討する必要があります。世界中の人々がこれらのテクノロジーを利用する際に、個人の権利がどのように保護されているのかという問題があります。

さまざまな結果が考えられますが、それに対して、次のような研究が始まっています。

AIの差別と偏見。アルゴリズムが必ずしも中立で、善意であるとは限りません。AIの差別と偏見については、すでに前例があります。企業によっては、システム設計時に包括的なチームを編成し、偏見を確認する幅広いテストを開発しています。

信頼。人間、AI、ロボット、IoTデバイス間でのデータ交換に関する信頼にも課題があります。場合によっては、人間とAIが協調することにより、これらの課題のいくつかを解決できることがあります。人間によるアルゴリズムの監査と機械学習を組み合わせることにより、AIアルゴリズムと意思決定コードの透明性を実現し、信頼を築くことができます。

デジタルフラグメンテーションとデジタルへの依存性。スマートフォン⸺そして、インターネットに接続されたデバイス⸺の急成長は、予測されていませんでした。調査によると、あるアプリから別のアプリに移動する時の人間の平均注意持続時間が減少していることがわかっています。同時に、デジタルビジネスモデルによっては、中毒性のあるデジタル使用パターンをユーザーが形成するような報酬メカニズムを作動させているものもありました。いくつかのテクノロジー企業では、ガイドラインを策定し、テクノロジーの使用に関して健康上望ましい制限を設定する方法を定めています。

テクノロジー業界のエコシステムは、創造性を発揮して、重要な問題を解決しています。こうした新しいテクノロジーを採用した結果、さまざまな課題が生じたため、業界のリーダー、学会、次世代の起業家は、これらの問題を評価し、解決しようとしています。

これらの新しいテクノロジーは、職場、自宅、社会全体に どのような影響を与えますか?

この複雑な破壊的テクノロジーと新しいビジネスモデルを通じて、先を見越した戦略的な経営を行うには、先見の明と勇気が必要です。失敗を恐れたり、現状維持に甘んじたりしている場合ではありません。デジタルファースト企業への転換を進めなければ、伝統的な企業であっても廃れていくことになります。

世の中で、私たちの生活や仕事の方法を一変させる新しいテクノロジーが、魔法のように組み合わされることが増えています。各企業は、数年前には視野になかった新しい事業分野に参入しています。この複雑なテクノロジーを通じて事業を展開し、最前線のポジションを維持することが、次世代のグローバルリーダーにとっても課題となります。

「IoT、AI、ロボティクスなどの新しいテクノロジーが融合することにより、人間の限界が変化し、ビジネスの世界が改革されます。将来の見通しは、全体的に明るいと言えるでしょう。ビジョンを持ったリーダーは、イノベーションと透明性こそが、市場のリーダーになるために重要であることを理解しています」

― Tim Zanni、Global and U.S. Technology Sector Leader Chair of Global and U.S. TMT Line of Business、KPMG米国

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KPMGのプロフェッショナルはテクノロジー業界のリーダーの方々に対し、新たなビジネス機会やチャレンジを推進するためのインサイトを提供すべく、当該産業の知見と技術上の経験を結び付けます。KPMGネットワークのプロフェッショナルは、Fortune500企業からIPO前のスタートアップ企業まで幅広いグローバル・テクノロジー企業との豊富な経験を有しています。彼らは変化するビジネス・技術・財務戦略における短期・長期の様々なオポチュニティを期待しています。KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。世界154の国と地域のメンバーファームに約200,000名の人員を擁し、サービスを提供しています。KPMGネットワークに属する独立した個々のメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG

International Cooperative(KPMGインターナショナル)に加盟しています。KPMGの各メンバーファームは、法律上独立した別の組織体です。

KPMG Technology Innovation Center

KPMGはイノベーションの重要性を認識しています。2012年に米国で、将来の破壊的テクノロジーの影響を評価・定義するために、グローバルテクノロジーイノベーションセンターを立ち上げました。当センターは、起業家、Fortune500のテクノロジーのエグゼクティブ、KPMGメンバーファームのプロフェッショナルを含む主要なテクノロジー業界の思想家達を結び付ける役割を果たしております。

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最新のレポート破壊的技術の兆候:テクノロジーセクター

『破壊される破壊者』2016年11月(2017年3月翻訳版発行)

テクノロジー企業は常に変化に晒されています。次から次へと現れる新しい技術がテクノロジーセクターを破壊しつつある今、テクノロジー企業のリーダーが最善の選択をするためにはどうすれば良いのでしょうか?KPMGは、世界規模で実施した「破壊的技術(Disruptive Technology)」に関する意識調査で得られた洞察を基に、テクノロジー企業のリーダーがどの技術を、いつ採用するかを決めるための指針となる枠組みを組み立てました。

変化し続ける破壊的テクノロジー 2017(第1部) 世界に広がるイノベーション・ハブ2017年3月(2017年9月翻訳版発行)

企業規模の大小を問わず、イノベーションの促進が重要な経営課題となる中、テクノロジー・イノベーションの震源地が複数の国や地域に分散傾向にあります。シリコンバレーに続くイノベーション・ハブとしての地位確立を志向する国や地域におけるエコシステムや政府による支援・奨励策の動向などについて解説しています。

破壊的技術の兆候:メディアセクター

『行動喚起』2017年1月(2017年4月翻訳版発行)

グローバル化、規制の変化、顧客需要、そして破壊的技術(Disruptive Technology)など、さまざまな要因が重なって、企業の寿命はかつてないほど短くなっています。ますます多くのテクノロジーがメディア業界を破壊し続け、メディア関連企業のリーダーにチャンスと脅威をもたらしています。KPMGは、世界規模で実施した「破壊的技術」に関する意識調査を基に、破壊的技術に由来する課題やチャンス、組織的変化、投資、重要業績指標についての洞察を提供しています。

変化し続ける破壊的テクノロジー 2017(第2部) イノベーションの融合が拓く新潮流2017年7月(2017年12月翻訳版発行)

KPMGが世界のテクノロジー産業のリーダーを対象に実施した「テクノロジー・イノベーション調査」の結果を基に、テクノロジー産業のリーダーが新しいテクノロジーを導入する際に直面する課題や、破壊的テクノロジーの事業化機会の評価を試みつつ、産業構造と企業のビジネスモデルの抜本的な変革の契機となり得る最も有望な破壊的テクノロジーについて解説しています。

破壊的技術の兆候:通信セクター

『つながった世界に力を与える』2016年12月(2017年4月翻訳版発行)

今、通信セクターでは革命が起きつつあると言っても過言ではありません。主要プレイヤーたちは、コモディティ化された回線提供者となってしまうのを避けながら、高速かつ安全で、信頼性のあるネットワークの提供が求められています。KPMGは、世界規模で実施した「破壊的技術(Disruptive Technology)」に関する意識調査で得られた洞察を基に、通信会社のリーダーがどの技術を、いつ採用するかを決めるための指針となる枠組みを組み立てました。

変化し続ける破壊的テクノロジー 2018(第1部) テクノロジー・ハブが勝者への道を拓く2018年3月(2018年6月翻訳版発行)

2017年の半導体業界は、シリコンサイクル(3~ 5年で好景気・不景気を繰り返す)を超え、予期せず好景気サイクルに入りました。このような目覚ましい業績を達成した後、2018年は半導体メーカーにとってどのような年になるのでしょうか。本レポートでは、予想外の大波を長期的な成長の波へと変えるために半導体業界のエグゼクティブはどのように舵を切ればよいか考察します。

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Tim ZanniGlobal and U.S. Technology Sector Leader Chair of Global and U.S. TMT Line of Business, KPMG in the U.S. [email protected]

Patricia Rios Director, TMT Line of Business, KPMG in the U.S. [email protected]

Kes Sampanthar Executive Director, Innovation Labs, KPMG in the U.S. [email protected]

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Australia Kristina [email protected]

CanadaAnuj [email protected]

ChinaPhilip [email protected]

FranceMarie [email protected]

Germany Peter [email protected]

Hong Kong (SAR)Anson [email protected]

India Akhilesh [email protected]

IrelandAnna [email protected]

IsraelArik [email protected]

JapanKeita [email protected]

KoreaSeung-Yeoul [email protected]

The NetherlandsStephen Van den Biggelaar [email protected]

RussiaYerkozha Akylbek [email protected]

SingaporeJuvanus Tjandra, [email protected]

SpainLuis Buzzi [email protected]

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本冊子は、KPMGインターナショナルが2018年6月に発行した「The Changing Landscape of Disruptive Technologies Tech disruptors outpace the competition」を翻訳したものです。翻訳と英語原文間に齟齬がある場合は、当該英語原文が優先するものとします。

ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり、特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません。私たちは、的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが、情報を受け取られた時点及びそれ以降においての正確さは保証の限りではありません。何らかの行動を取られる場合は、ここにある情報のみを根拠とせず、プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください。

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