「熱分析」 従来法(等温、定速降温) による速度論的解析 1...

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熱分析熱分析従来法等温定速降温従来法等温定速降温による速度論的解析 による速度論的解析 1. 結晶化

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「熱分析」「熱分析」

従来法(等温、定速降温)従来法(等温、定速降温)

による速度論的解析による速度論的解析

1. 結晶化

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【目的】

DSCなどの熱測定法では、1次相転移に伴う吸熱DSCなどの熱測定法では、1次相転移に伴う吸熱

(発熱)流束をみることができる。

以下では、結晶化など、核形成-成長様式で進行する

1次相転移のキネティクスについて、Avramiプロット小沢法などの詳細な解析法を紹介する。

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高分子の結晶化

1次相転移結晶ドメイン(球晶)の核形成-成長

Nucleation

Growth

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結晶化度の時間発展,C(t)結晶化度の時間発展, ( )

1.0 Avrami model

exp[ ]01C C= − −0.5XC

Sigmoid curveAvrami model

( ) ( )

0

0 0

tC N t V t t dt′ ′ ′= −∫0.0

2 01 51 0 0∫2.01.51.0

N : 単位体積当たりの核形成頻度単位体積当たりの核形成頻度V : 各成長ドメインの体積

( )V tG∝ ∆( )V tG∝ ∆

1次核形成頻度 N & 線成長速度 G1次核形成頻度, N & 線成長速度, G

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→ 速度係数一定

結晶化度C(t)の時間発展

1.等温結晶化

結晶化度C(t)の時間発展

1.0

次核生成

0.5XC

1次核生成

成長

0.02 01 51 0

成長

2.01.51.0

exp[ ] exp[ ]n01 1

t

C C Z t= − − = − −

∫ ( ) ( )0 0

tC N t V t t dt′ ′ ′= −∫C 成長ドメイン間の重なり合いなどの相関を無視した結晶化度C0: 成長ドメイン間の重なり合いなどの相関を無視した結晶化度

N: 単位体積当たりの1次核形成頻度

V: 核形成後の個々の成長ドメインの体積

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Kolmorgov Avrami モデルKolmorgov-Avrami モデル

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時間発展を決める因子時間発展を決める因子

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Avrami指数nと定数 Z

log[ ln( )] log log log 01 C t CZ n− − = + =Avrami plot:

( ) ( )0 0

tC N t V t t dt′ ′ ′= −∫

Avrami指数 n =h+kl:成長機構に関する有用な情報

1次核形成機構: h = 0 11次核形成機構: h 0, 1

ドメイン成長機構: k = 1/2, 1 指数 核形成 成長 形状1/2 不均一 拡散 ロッド

結晶ドメインの次元: l = 1, 2, 3 1 不均一 拡散 ディスク3/2 不均一 拡散 球3/2 均一 拡散 ロッド2 均一 拡散 ディスク5/2 均一 拡散 球5/2 均一 拡散 球1 不均一 界面 ロッド2 不均一 界面 ディスク3 不均一 界面 球2 均一 界面 ロッド3 均一 界面 ディスク4 均一 界面 球

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1次核が不均一核形成の場合

( ) ( ) ( )n0 0 00

t n nZ t C N t V t t dt N V t N gG t′ ′ ′= = − = =∫G:ドメイン成長速度

log[ ln( )] log log1 C tnZ− − = +

log ( ) log[ ( ) / ]0

1Z T G

nGT=

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1.等温結晶化

H t FldC

F

0.2

exo.

Heat Flow Fdt

∝0.1

0.01 0

( )( ) 0

tF t dt

C t′ ′

=∫

1.0

0.5C ( )( )

0

C tF t dt

∞′ ′∫0.0

100500

time /min

l [ l ( )] l lAvrami plot

1 ZC t

time /min

0

log[ ln( )] log log1 Z nC t− − = +-2

-1

1.51.0

log[time /min]

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1.等温結晶化 ポリフッ化ビニリデンの等温結晶化時の(a)発熱流束、(b)結晶化度の時間変化および(c)そのAvramiプロット

0.2 exo.(a)

156℃

3 0 3 2≅0.1

0.0

の結晶化は、

. .3 0 3 2n≅ −

球晶の成長

1.0

C

(b)154 156 160158

155 157 159 161 ℃

→ PVDFの結晶化は、球晶の不均一核成長

0.5

0 0

C 155 157 159 161 ℃

0

1

(c)

0.0

2

-1

-22.01.51.0

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1次核が不均一核形成の場合

/log ( ) log[ ( ) / log ( ) log(] ln / )0 1 2 21

Z T G T G T n= = − τ +

τ1/2:半結晶化時間

/g ( ) g[ ( ) g ( ) g(] )0 1 2n

2

1

-1

1-2

0

160155

-3

球晶成長の顕微鏡観察の実測データとの比較

τ1/10?

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2.定速降温1.0

exo.6 ℃/分

→ 速度係数の変化0.5

(a)Cooling

Avrami plot × 0.0

1.0

17 10 6 4 2.3 1.3 0.8 0.4 ℃/分

exp[ ]01C C= − −0.5

(b)

( ) ( )0 0

tC N t V t t dt′ ′ ′= −∫

0.0

(b)

1

exp[ ( )| |

]1n

TC

χ= −β

⇒ − -1

0

( )| |nβ -2

160155150145

(c)

ポリフッ化ビニリデンの定速降温結晶化時の(a)発熱流束および(b)(c)結晶化度の変化

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2.定速降温

℃Τ=147 - 158 ℃

0 .3 3n≅-1

-1.5 -1.0 -0.5 0.0

降温速度に対するプロット

log[ ln( ( ))] lo (g | | )log1 X T n T− − = χ− β +

Avrami指数と等価な指数n

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1次核が不均一核形成の場合

( ) [ ( ) ]0

0

nT

TT gN G T dTχ = −∫

/ /( )

0

1 10

n ndgN G

dTχ = −

dT

2

1

-1

/log[ ]1 nd χ 1

-2

log[ ]dT

− χ

0

160155150

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高分子結晶化はアレニウス型ではない*U K

E

*exp[ ]exp[ ]( ) ( )0

0 M

U KG

R T T kT T T= ν − −

− −

exp( )RateE

RT

E

∝ −3

2

Linear cooling17, 8, 3, 1.3, 0.4 K/min

ln( )2 1p pConst.

ET T

R

E d

− −β = −1

0160155150145

ln2

p

E dG

dTRT=

160155150145

1212

10-0.1

2.382.362.342.32 -0.3

-0.2

OMKissinger

160150

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1次核が不均一核形成の場合

1.等温結晶化

/

log[ ln( ( ))] log log

log log[ ( )

(

/

)

]10

1

n

C t n t

G G

Z T

Z T

− − = +

=結晶成長速度の温度依存性

2.定速降温 log[ ( ) / ]0

dG T G

0

og[ ( ) / ]0G GdT

(log[ ln( ( ))] log log )1 TC T n

d

− − = χ− β +

/log( ) log[ ( ) / ]10

ndG T G

dT− χ =

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PVDFでの結果のまとめ

PVDFの結晶化は、球晶の不均一核成長

-0.10

等温定速降温

. .3 0 3 2n≅ −.3 3n≅

-0.15

T-MDSC

光学顕微鏡

-0.20

160150

顕微鏡観察結果との比較T-M DSC:良好等温結晶化、定速降温:不良

等温結晶化、定速降温の結果には不均一核の数密度N0の温度依存性も含まれている。

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まとめまとめ

等温結晶化:アブラミプロットによる解析

定速降温結晶化:小沢プロットによる解析

不均一核形成:成長速度の温度依存性

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「熱分析」「熱分析」

従来法(定速昇温)従来法(定速昇温)

による速度論的解析による速度論的解析

2. 融解

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【目的】

高分子結晶の融解温度領域における定速昇温でみるこ

とができる融解キネティクスの過熱度依存性について

紹介する。

高分子結晶:微結晶の集合体

・広い融解温度領域(>10℃)

・速い融解キネティクス(∆T 小)・速い融解キネティクス(∆T 小)

→等温融解測定は難しい→等温融解測定は難しい定速昇温による測定

Tm

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高分子結晶の融解 特徴1

融解は球晶の縮小過程ではない。結晶性高分子試料=ラメラ状微結晶の集合体

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特徴2

広い広い 分子量分布、欠陥分布

融解温度領域 → ラメラ厚分布、σe 分布融解温度領域 ラメラ厚分布、σe 分布

融解→再結晶化→融解

400

Tm 300

200

m

10080604020

number of carbon atoms

PET の昇温過程

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特徴3融解速度と結晶化速度:非対称融解速度と結晶化速度:非対称

融解に関する従来の一般的な常識: 融解は融点で起こる。過加熱なし 熱拡散律速型

融解速度は非常に速い。(小さい過熱度)

過加熱なし。熱拡散律速型。

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特徴4再結晶化・再構造化が同時並列的に起こる。

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特徴4再結晶化・再構造化が同時並列的に起こる。

2.0 PTT1.5

1.0

Endo. β=0.8 ℃/分

0.5

0.0240220200180 240220200180

Temperature /℃

i-PP0.8 i-PPβ=0.8 ℃/分

0.8

0.6

0 4

Endo.

0.4

0.2

0 00.0170160150

Temperature /℃

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特徴4再結晶化・再構造化が同時並列的に起こる。

60 Tc = 115℃

40

20

80

60

40

Tc = 125℃

100

40

20

T = 140℃80

60

40

Tc = 140℃

20170160150140

i-PP の定速昇温による融解の定速昇温による融解β = 0.4, 0.8, 2.0, 5, 10, 20, 40 K/min

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定速昇温による高分子結晶の過加熱過程?Hellmuth & Wunderlich, 1966

◆ 再結晶化・再構造化はアニールで飽和させる。

PCL

◆ 装置内での熱伝導の遅れを補正する必要→ 装置較正→ 装置較正

indiumの融解開始温度で十分か?

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熱流束型DSCの集中常数を用いた等価回路

試料 Ref.

Th

T ∆T

Newton’s law

Ts ∆T

Newton s law

1 m ss

s )(= +−K T TdTC Fdt

1 0m

m m mhs () )(= − −+K

dtdTCd

T TT KT1 0m m mhs () )(dt

hh 0= +T T tβ

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Melting of Indium

165

160

155

前提:金属の融解は過加熱なしに起こる。

融解中の試料温度は融点に保たれる。

融解終了後は定速昇温に戻る。

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Melting of Indium start

s s ms1 0h

1 0

for

( )

<+= + − +

t tC C CT T tK K

β β1 0

s mm1 0h

0

+= + − C CT T tK

β β

start end

s s ms2 Melt 0h start

1 0

for

( )

< <+= = + − +

t t tC C CT T T tK K

β β

0 12

m

1 0

s 1m1 Melt 2 m2

1 0 1(1 )

( )

+− ∆

= + + ∆ + −+

K Kt

CC KT T t C eK K K

β α β

2 start

1

0 1

∆ ≡ −

≡+

t t tK

K Kα β

end

s3 0h

for <

=

t t

T T 1 3 2 3s s m1 2( ) − ∆ − ∆++ − + + +t tC C Ct a e a eλ λβ βs3 0h

1 3 2 3

1 21 0

s mm1 0h 1 2

0

( )

− ∆ − ∆+= + − + +t t

K KC CT T t b e b e

Kλ λ

β β

β β

3 end

2 0 1 0 11

s m s m( ) 0

∆ ≡ −+− + + =

t t tK K K KK

C C C Cλ λ

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Melting of IndiumK1

0 1=

+K

K Kα β

2 0 1 0 11

s m s m( ) 0+− + + =K K K KKC C C C

λ λ

end

s s

{ ( ) ( ) }∞

− + −∫ ∫t

K T T dt T T dtstart end

0 m2 m1 m3 m1

f

{ ( ) ( ) }− + −

= ∆

∫ ∫t tK T T dt T T dt

H

onset s mm Melt ( )= + +C CT T

K K Kβm Melt

1 0 1( )

+K K K

K K C

β

0 1 m, ,⇒ K K C

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・広い融解温度領域(>10℃)

・速い融解キネティクス(DT 小)

融解 等 定 難→融解キネティクスの等温測定は困難定速昇温による測定

Tm

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モデリング1個 微結 解 ネ 仮定個々の微結晶の融解キネティクスを仮定。

:定速昇温 等温融解は困難なので。

Toda et al. Polym(02) in press

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モデリング2

全結晶化度の時間変化 → 融解ピーク( DSC )

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モデリング3

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iPP の例

60

40

iPP meltingβ=2, 7, 20, 40 K/min

faster heating

20

0

/

180175170165

.shift

0 23T∆ ∝ β

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他の高分子 shiftzT∆ ∝ β

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結果のまとめ

Heating rate dependence of superheating ∆T with C DSC

peak

shiftz yT R T∆ ∝ β ⇒ ∝ ∆

superheating ∆T with C-DSC

iPP

1

1z

y=

+4

iPPPCLPETLDPE hPE

y

z y

LDPE 0 43 1 3

2

PELDPE l

LDPE 0.43 1.3

PE 0.37 1.7

iPP 0.23 3.30 3 3 3

PET 0.15 5.7

PCL 0.12 7.30

1.00.80.60.40.20.0

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融解キネティクスの律速過程とは

通常の融解 → 核形成の必要なし

律速過程:1 荒れた融解界面上での1.荒れた融解界面上での

キネティクス

2.融解熱の拡散

ある種の高分子で何故強い∆T依存性があるのか?

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まとめまとめ

融解温度領域 融解+再構造化+再結晶化融解温度領域:融解+再構造化+再結晶化

融解キネ ク 過加熱度依存性融解キネティクス:過加熱度依存性

定速 速度依存性定速昇温での昇温速度依存性