化学療法を る が ん ども -...

8
化学 療法 セルフ 看護援 ( 千葉大学大学院護学研究科) 本研 究, 小児 がん 内炎 対す るセ ルフ ケア を促 す看 護 援 助 を 明 とで 化学療法を受 白血病 学童 2 例 を対 象 , 1 かれた 看 護 援助 , 2 例日 援助を実施 した結束 のこ 明確 1 ) 化学療法 受け 小児 がん 内炎 対す るセ ケアを促す看護援助 , < 身体 的 , 精神 的苦痛 入院初期 > には口内炎 よる 苦痛緩和を重視 , 内炎 関連す 基本的知識 , 基本的技術を事前 提供す , < 内炎 対す 関心 , 問題意識 高く な 時期 > には 内炎 関連す 基本的知識 , 基本的技術を反復 して , 続的 提供す 】【 内炎 対す るセ ルフ ケア を認 , ほめる 】【 内炎 対す 対処方法 選択 , 決定を子 促す 】【 過去 治療 にお る口 内炎 発症 を子 , 家族 とと 共有す , < 外 泊 を 目標 とし治療 臨む にな る時期 > 過去 治療 にお る口 内炎 発症 を子 , 家族 とと 共有す を継続す2 ) 白血 球 数, 好中球数, CRP 変動 から , 内炎出現時 増悪時期 , 回復 時 期 を予 測 す あり , 内炎 を る上で 有用 過去治療 にお る口 内炎 発症 を子 , とと 共有す , 白血球数, CRP 値を 内炎 のモ タリ グの 指標 として とは . 内炎 対す るセ ケア を維 持 , 強化 せる上で 有効 KEY W OR D S : c h i ld wi t hcan cer , se lf - c are , or alm u cos i t i s , s i de e ff ec t , che m o t he r a py I . はじ化学 療法起因す る口 内炎 ( 以下 内炎 ) , 化学療法 40 0 / . られ る高頻度 合併 症 1) , 小児 悪性 腫な 器悪性腫 にお る口 内炎 発症頻度 2) われ 内炎 , 局所的な痛 を呈す なく, 食事摂取 困難, 内 服 困難 , 困難な ど日 常生活 悪影響を及 , がん にと 闘病意欲 も引 き起 す可能性 体験 具体的操作期 る7 歳以学童期 , 活習 にお から 援助 必要 とし なくな 時期 あり , この 過程を通 , れば かと う方法 判断力を学習 した , セルフ 能力 また , 近年 , 小児 がん 化学療法 , 入院形態 取り ながら, 外泊を頻 回に 繰り 返し がら実施さ れるよにな てお , 小児がん とそ 家族 , 内炎 をはじめと化学療法 因す 副作用 , 在宅 にお 自分 対処 るを 状 況 も増 え き , 今後, 小児 がん セルフ める , 看護師 重要 役割 ると考え化学療法 起因す る口 内炎 , 発症を予防す には 限界 ると う特徴 あり , がん , 内炎 発症を 小限にしがら , 内炎苦痛対処 とが め られ , それには のセル ケアが 影響す ると られ た しか し , 国内外 文献 内炎 関す 研究 , 内炎予防改善 具体 的 ケア方法 を論 , セル ケアを 促す とに 点を てた 文献存在 まえ , 本研究 着手す ととした . 研究目的 化 学療 法 けるがん 内炎対すセル ケアを 促す , 効果 的な 看護 援助 方向性 . 用語 定義 1 . どもの口 内炎 するセル が口 内炎 対す基本的知識 技術をもち, れらに , 内炎 悪化防止 , 内炎 受理 : 平成16 615 Acce p t ed: un. 15 2 00 4 18 千葉看会誌 VOL .10 N o.1 20 04 . 6

Upload: others

Post on 07-Nov-2019

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

原 著

化学療法を受ける小児が ん の 子 ども の

口 内炎 に対する セ ル フ ケ アを促す看護援助

中 村 美 和 ( 千 葉大学大学院看護学研究科)

本研 究の 目的は , 小児 が ん の 子 どもの 口 内炎 に対す る セ ル フ ケ ア を促 す看護 援助を明確にす る こ と で ある。 化学療 法を受

けて い る 白血病 の 学童 2 例を対 象と し ,1 例 目 より導か れ た看護 援助 に基 づ き

,2 例日 に援助を実施 した結 束 以 下の こ と

が 明確 に な っ た 。 1) 化学療 法 を受け る小児が ん の 子 ど もの 口 内炎に 対する セ ル フ ケ アを促す看護援助 は,

< 身体 的,

精神

的苦痛 の 強 い 入院初期 > に は 口 内炎 に よ る 苦痛緩和 を重視 し, 【口内炎 に関連 する 基本的知識

,基 本的技術を事前 に 提供す

る】,< 口 内炎 に 対す る 関心 , 問題意識 が 高く なる 時期 > に は 【口内炎 に関連 する 基本的知識

,基 本的技術を反復 して

,継

続 的 に提供す る】【子 どもの 口 内炎 に対す るセ ル フ ケ ア の 向上 を認め,

ほ め る】【口内炎 に対す る対処 方法の 選択,

決定を子

ども に促す】【過去 の 治療 に お ける 口 内炎 の 発症 パ ター

ン を子 ども, 家族と と も に共有す る】,< 外泊 を目標 と し治療 に 臨む

よう にな る時期 > に は 【過去の 治療 にお ける 口内炎 の 発症 パ ター ン を子 ども

,家族 と とも に共有す る】 を継続する こ と が 重

要で あ っ た 。 2) 白血 球数, 好 中球数,C R P 億 の 変動 か ら

,口 内炎の 出現時軌 増悪時期

,回復 時期 を予 測す る こ と が 可

能で あり,

口 内炎 をモ ニ タ リ ン グす る上 で 有用 で あ っ た 。 さら に 【過去の 治療 にお ける 口内炎 の 発症 パ ター ン を子 ども

,衣

族 と と もに 共有す る】 際, 白血球数,C R P 値 を口 内 炎の モ ニ タ リ ン グの 指標 と し て用 い る こ と は

.子 どもの 口内炎 に 対す

るセ ル フ ケ ア を維持 , 強化 させ る上 で 有効 で あ っ た。

K E Y W O R D S : c hild w ith c a n c e r, s elf- c a r e , o r al m u c o si ti s ,

sid e e ff e c t, c h e m o th e r a py

I . は じめに

化学療法に起因す る口 内炎 (以下 口内炎とする) は,

ん化学療法 の 約40 0/. に見 られ る高頻度の 合併症で ある1 )

特 に,小児 の 白血 病 や悪性 リ ン パ腫な ど の 造血 器悪性腫

痘 にお ける 口 内炎 の 発症頻度 は多 い2)

と 言 わ れ て い る 。

口 内炎 は,

局所的な痛 み を呈する の み で なく, 食事摂取

困難,内服困難

,開口 困難な ど日 常生活 に悪影響を及 ぼ

し,

小児が ん の 子 どもに と っ て は闘病意欲 の 低下 をも引

き起 こ す可能性 の ある つ ら い 体験 で あ る。

具体的操作期 に 入る 7 歳以上 の 学童期 は, 日常生 活習

慣 にお い て 親 か ら の 援助 を徐 々 に必要 と しなくな る 時期

で あり,

こ の 過程を通 じて 子 ども は,

ど の よう にす れ ば

良 い の か と い う方法 や判断力を学習 し たり,セ ル フ ケ ア

能力 を身 に つ ける 。 ま た,近年 , 小児 が ん の 化学療法 は

,

入院と い う形態 を取り な が らも,外泊を頻 回 に繰り返 し

なが ら実施さ れ る よう に な っ て きて お り, 小児が ん の 子

どもと そ の 家族 は,

口 内炎 を は じめ とす る化学療法 に起

因す る副作用 に対 して,在宅 にお い て 自分 たち で 対処せ

ざる を得な い 状況も増えきて い る。 よ っ て, 今後, 小児

が ん の 子 どもの セ ル フ ケ ア を高 め る 関わ りは,

看護師の

重要な役割と な る と考える 。

化学療法 に起因す る 口 内炎 は,

発症を予防す る こ と

には 限界が あ る と い う特徴が あり,小児 が ん の 子 どもに

は,

口 内炎の 発症を最小限に しなが ら,

口 内炎の 苦痛に

対処 して い く こ とが 求め られ,

そ れ に は 子 どもの セ ル フ

ケ ア が 影響す る と考え られ た。 しか し,

国内外 の 文献の

口 内炎に 関す る研究の 多く は,

口 内炎の 予防や 改善の た

め の 具体的な 口腔ケ ア方法 の みを論 じて おり,

子 どもの

セ ル フ ケ ア を促す と い う こ と に焦点を当て た 文献は存在

しなか っ た 。

以上 をふ まえ,

本研究 に着手す る こ と と した 。

Ⅱ . 研究目的

化学療法を受 け る小児が ん の 子 どもの 口 内炎に 対する

セ ル フ ケ ア を促す上 で, 効果的な看護援助 の 方向性 を導

く。

Ⅲ . 用語の定義

1 . 子どもの 口 内炎に 対するセル フ ケア

子 どもが 口 内炎 に対する 基本的知識 と技術をもち,こ

れ ら に 基 づ き,口 内炎 の 予防 ・ 悪化防止 や

,口 内炎 に

受理 : 平成16 年 6 月15 日 A c c ep te d :ユu n . 1 5 ・2 0 0 4 ・

1 8 千葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 20 04 . 6

Page 2: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

よ る 苦痛 に 対 して,

子 ども自身が 自分自身 に と っ て 望

ま し い と思 い 自主的 に 実践 して い る 行動を さ す 。こ の

中 に は,

子 どもが 口 内炎 に よ る 苦痛を他者 に報告す る こ

と,

医療者 に指導 ・

提示 さ れ た 口腔 ケ ア 方法 を実施す る

こ と,

口 内炎 によ る痛 み に対 して 自分自身が 望ま し い と

思 っ て い る 行動をと る こ と,

他者 に 口 内炎 に対 し て 何を

して ほ し い か を依頼す る こ と も含 む 。

2 . 口腔粘膜症状

i~口腔粘膜 の 他覚的変調」 と 「 口 内炎 に よ る主観的苦

痛」 に 分類す る 。 「 口腔粘膜 の 他覚的変調」 は,

発赤 ・

白斑等 の 粘膜表面の 色 の 変化,

腫脹 ・ 水泡 ・ 廉欄 ・

潰蕩

等 の 粘膜表面の 形態 の 変化 をさ す。 「 口 内炎 に よ る 主観

的苦痛」 は,

子 どもの 口腔内の 痛み と,

そ れ によ っ て 引

き起 こ さ れ る 日 常生 活上 の 支障を さ し,

食事,飲水

,内

服,

口腔 ケ ア,

開口,

会話が 困難 な状態,

睡眠 障害,

機嫌 な どの 精神活動の 変化を含 む。

3 . 口 内炎の 発症パタ ー ン

口 内炎 の リ ス ク フ ァ ク タ - の 影響 を受 け,

口腔粘膜症

状 が 出現,

増悪,

回 復 し て い く過程 の 特徴 で ある 。

Ⅳ . 研究方法

1 . 対象者

自血痛ま た は 悪性 リ ン パ 腫 と 診断 さ れ,

付 き添 い 制

の A 痛院小児科 に 入院中の 子 どもの うち,

1 ) 診断時に

7 - 1 2 歳 で あ る,

2 ) 初発 で あ る,

3 ) 精神発達 の 遅

れ が な い,

4 ) 研究 へ の 参加 に関 して,

親 の 承諾 と子 ど

もか ら の 同意 が得 ら れ る,

と い う条件 を満 た した者 と し

た。

2 . 調査期間

20 0 1 年1 1 月 - 2 0 02 年10 月 ま で の 計12 ケ月間

3 . 倫理的配慮

研究 の 趣旨, 自由参加 で ある こ と, プ ラ イ バ シ

と 匿

名性 の 保障 に 関 して,

親 に文書 にて 説明 し研究 へ の 承諾

を得 た 。 子 どもに も文書 を提示 し, 年齢 に応 じた 口頭説

明を加え研究参加 へ の 同意 を得 た。 ま た, 施設長, 病棟

師長の 承諾を得 て,

受 け持ち看護師 と して,遊 び や 日 常

生活上 の 世話 を含 め て 子 どもと かか わ っ た 。

4 . 研究の すすめ方

1 ) 口 内炎 の 発症 パ タ ー

ン の 明確化

① 「 口 腔粘膜 の 他覚的変調」 は,

口唇,

左右頬粘膜,

口 蓋, ロ 底, 歯 肉の 7 領域 に分 け,

口腔粘膜表面

の 色 ・ 形態 の 変化を観察 し, 口 腔輪郭図に描画する

こ と に よ っ て 把握 した。 「 口 内炎 によ る 主観的苦痛」

は W o n g と B a k e r によ るF a c e R a ti n g S c al e を参考 に し

た ペ イ ン ス ケー

ル を用 い, 口腔内 の 痛み を評価 した

後,

さ ら に,

どの よ うな場合 に どの 程度痛 い の か と

い う 日常 生 活上 の 支障 に つ い て 質問す る こ と に よ っ

て 把握 した 。

② 口 内炎の リ ス ク フ ァ ク タ - と して, 本研究 で は 末梢

血 液所見 の うち白 血 球数,

好 中球数 ,C R P 値を取

り上 げ,

そ れ ら の 変動を把握 した 。

③上 記① 「 口腔粘膜症状 の 経過」 と 上 記② 「 白血 球数,

好中球数,

C R P 値 の 変動 の 特徴」 を ク ー

ル 毎 に 口

内炎 の 発症 パ タ ー ン 分析 シー トに整 理 した 後,

口腔

粘膜症状 の 出現時期,

増悪時期,

回復時期の 白血 球

数,

好 中球数,

C R P 値を明 ら か に し,

口 内炎 の 発

症 パ タ ー ン と して 整 理 した 。

2 ) 看護援助の 実施 の 手順

① 1 例日の 対象者 に は,

口 内炎予防 と悪化防止 を目的

と した 口内炎 に 関す る情報提供 ( 口 内炎 の 病態,

液の 機能,

口 内炎を引き起 こ しや す い 薬剤) を, 寛

解導入療法1 4 日 目を目安 に実施 し た。 さら に,

必 要

な口 内炎 に対す る看護援助を追加す る と と もに, 明

確 に さ れ た 口内炎 の 発症パ タ ー ン を取り入 れ た 看護

援助計画を立 案,

実施,

評価 した 。

② 2 例日以 降の 対象者 に は,

1 例日 よ り導 か れ た看護

援助 に基 づ き, 年齢 を考慮 し実施 した 。

3 ) 看護援助の 分析 ・ 評価方法

口 内炎 に対する 看護援助 の 内容を,

ケ ー ス 毎 に縦断的

に整理 ・ 比 較 し,対象者間の 類似性

,相違性を抽出 した 。

さ ら に,

看護援助実施前後 の 変化 に関 して, 「 子 ども の

口 内炎 に対する セ ル フ ケ ア」 「 親 の 子 ども に対す る関 わ

り方」 「 口 腔粘膜症状 の 程度」 を縦断的 に整理 し,

実施

した看護援助の 妥当性を検討 した 。 分析・ 評価 に は

, 研

究者 が 関 わ っ た 際 の フ ィー ル ド ノ ー

ツ, 診療

看護記

鈍 親 と の 面接内容も使用 した 。 分析過程 にお い て,

時小児看護学研究指導者 よりスー

パー

バ イ ズ を受 け た。

Ⅴ . 結 果

1 . 対象者 の概要

対象者 は,

7 歳0 ケ月 の 急性 リ ン パ 性白血病 の 女児 1

名 と,

1 2 歳1 ケ月 の 成熟B 細胞 型 急性 リ ン パ 性白血病 の

男児 1 名 で あ っ た ( 表 1 ) 。 両 ケー

ス と も に,

化学療法

表 1 対象者 の 概要

対象 発症年齢 性 別 疾患名 治療プロ トコ ー ル名 看護援 助実施期間

A7 歳

女急性 リ ン パ T C C S G A L L 2 00 1 年11 月

0 ケ 月 性白血 病 L 9 9- 15 H R - 2 0 02 年10 月

B12 歳

1 ケ月男

成熟 B 細胞

型急性リ ン

パ 性白血病

T C C S G N H L

0 105 B p r ot o c ol D2 00 2 年 7 月 - 10 月

T C C S G ( T oky o C h nd re n C a n c e r S t ud y G ro up): 束京′ト児がん研究グ ル ー プ

千葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 2 00 4 . 6 1 9

Page 3: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

に起因す る 口 内炎を発症 した 。

2 . ケー

ス A に対する 看護援助

1 ) ケー

ス A の 口 内炎の 発症 パ タ ー

ン の 明確化

ケー

ス A の 寛解導入療法 と第 2 ク ー

ル 中の 口 内炎の 発

症 パ ター

ン を分析 した 結果, ① 口 内炎の 出現時期 に は,

白血球数 が1 0 00 / m r㌔ 以下 ,また は好中球数が50 0/ 皿 ㌔ 以

下 に低下 し,

C R P 値 が1 .O m g/dl 未満 で は ある が 上 昇 し始

め て い る, ② 口内炎の 増悪時期 に は

, 白血 球数 が50 0/ m ㌔

以 下, また は好中球数が1 0 0/ m m3以下 に低下 し

,C R P 値

は クー

ル 中で 最高値を示 して お り , 発熱も伴 っ て い る,

③口 内炎 の 回 復期 に は, 白血球数 が1 00 0/ m m

3以 上 ま

た は 好中球数 が5 00/ m m3以 下 に 上 昇 し

,C R P 値 が 最 高

値 か ら急激 に低下 . し始 め て い る,

と い う 口内炎 の 発症 パ

タ ー ン が 明確 に され た。 そ して

,こ の よ うな傾向は

,全

治療過程 で 認め られ た。

2 ) 看護援助 の 実際 と ケー

ス A の セ ル フ ケ ア 状況 の 変

化 , 母親の 子 どもに対す る 関わ り方の 変化

ケー

ス A は, 入院時 より , 現疾患お よ び化学療法 に よ

る 発熱,

倦怠感, 唯気・

唯吐 な どの 身体的苦痛 に加え,

初 め て 体験す る骨髄穿刺・

髄腔内注射・

中心静脈 カ テ ー

テ ル 挿入術な どの 処置や , 点滴注射・

輸血 な どの 治療 に

対する 恐怖心な ど身体的・

精神的苦痛を有 して い た 。 母

親も, 子 ども の 療養上 の 世話 に よ る 疲労感, 診断 に よ

る シ ョ ッ ク, 罪悪感な ど身体的・

精神的苦痛を有 して い

た o こ の 時期 は < 身体的 ・ 精神的苦痛 の 強 い 入院初期 >

と して 分類さ れ, 寛解導入療法開始2 5 日 ま で 持続 して

い た ( 以 下, 対象者 と そ の 家族の 変化 に よ る 時期分類を

< > で 示 し た) 。こ の 時期 に お い て

, 寛解導入療法開始

1 5 日 目 に,

口 内炎の 病態, 血 液の 働き, 口 腔 ケ ア 方法,

鎮痛剤 ・ 食事 に 関する 苦痛時の 対処方法な どの 【口 内炎

に 関連す る基本的知識 ・ 情報 を事前 に提供する】 こ と を

立案 し,

実施 した ( 以 下 , 口内炎 に 関連する看護援助を

【 】 で 示 した) 。 しか し, ケー

ス A は,

口腔 ケ ア を就寝

前 しか実施せ ず, ケー

ス A に対 し て 口腔 ケ ア を促すよう

な母親 の 行動も観察さ れ なか っ た。 そ の 後, 寛解導入療

法開始後20 日 目 に痛み を伴う 口 内炎 を発症 した が,

ケ ー

ス A は た だ泣く の み で あ っ た 。 ま た, 母親 は

, 子 ども

に対 して 「 何 に も して あげられ な い」 と言う の み で あ っ

た。 こ の 時の 看護援助 は, 食事摂取, 内服,

口腔 ケ ア に

伴う苦痛 の 横和 が 中心と な っ て い た 。

そ の 後,

ケー

ス A は寛解導入療法開始2 5 日 以降に,

内炎に よ る痛 み や 身体的苦痛 が 軽減 し, 「 どう し て 口 内

炎 に な る の」 「 口 内炎 に な る の い や」 な ど,

口 内炎 に 対

す る 関心 を示す言葉が 聞 か れ, 自主的, 積極的に 口 内炎

予防の た め の 口 腔ケ ア に取り組 む よう に な っ た 。 ケ ー

20 千葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 2 00 4 . 6

A の 身体 的状態が 安定す る に 従 い 母親 か ら は,「 口内炎

にな っ て か ら で は 遅 い」 と い う言葉が 聞か れ る よう にな

り,

ケ ー ス A に口腔 ケ ア を促す行動が 観察 さ れ る よう に

な っ た。 こ の 時期を< 口 内炎 に対す る 関心,

問題意識が

高まる 時期 > と分類 し た。 こ の 時期 の 看護援助 は, 【口

内炎 に対す る知識,

技術を反復 し て,

継続的 に提供す

る】【子 どもの 口 内炎 に対す るセ ル フ ケ ア の 向上 を認め,

ほ め る】【口 内炎 に対す る 対処方法の 選択,

決定 を子 ど

も に促す】【過去 の 治療 に お ける 口 内炎 の 発症 パ タ ー ン

を子 ども,

家族と と も に共有する】 で あ っ た 。 こ れ ら の

看護援助 によ っ て,

ケ ー ス A の 自主的, 積極的な口腔 ケ

ア に取り組 む姿勢 と,

母親 の ケ ー ス A に 口 腔ケ ア を促す

行動 は持続 し て い っ た。

寛解導入療法後7 8 日 以 降 に 外泊 の 機会 が多くなり,

ケ ー ス A と母親 は,

外泊を,

次の 治療 に 臨む た め の 心理

的準備期間と し て,

そ し て 退院まで の 短期目標と して 捉

えて い た 。 こ の 時期 を < 外泊 を目標 と し治療 に臨む よう

にな る 時期 > と 分類 し た 。こ の 時期 に は

, 【子 どもの 口

内炎 に対す る セ ル フ ケ ア の 向上 を認め,

ほ め る】【口 内

炎 に対す る対処方法 の 選択,

決定を子 ども に促す】 こ と

を実施す る と とも に,

明確 に さ れ た 寛解導入療法中と 第

2 ク ー ル 中の 口 内炎 の 発症 パ タ ー ン に 関 して,

グ ラ フ を

用 い て ケ ー ス A と 母親 に フ ィー

ド バ ッ ク し, 【過去 の 治

療 にお け る 口 内炎の 発症 パ タ ー ン を子 ども,

家族と と も

に共有す る】 こ とを繰り返 し実施 した 。 そ の 結果,

ケ ー

ス A は, 歯垢染色 に よ る ブ ラ ッ シ ン グを導入 し

, 継続的

に,

丁寧 に 口腔 ケ ア を 実施 した り,外泊中の 口腔粘膜の

変調を母親 や看護師に報告する こ と が 可 能と な っ た 。一

方母親 は, 白血 球数 や 口腔粘膜症状の 程度 に応 じ て

,ま

た,

口 内炎を発熱 の 前駆症状 と して 捉え,

口 腔ケ ア回数

を増加 させ たり,

口腔 ケ ア や 苦痛時の 対処 をケ ー ス A に

助言 した り, 子 ども へ の 関わ り方を変化さ せ て い た 。

3 ) 口腔粘膜症状 の 程度

ケ ー ス A の 寛解導入療法中 に泣く ほ どの 口 内炎を発

症 し,

そ の 後 は,

口腔粘膜 の 他覚的変調 を認め たり,軽

度の 主観的痛 み を伴う 口 内炎 を発症 した 。 しか し,

第3

ク ー

ル の 大量 メ ソ ト レ キ セ - ト療法で は, 痛み を伴う口

内炎を発症せ ず,全治療過程を通 じ

,泣くほ どの 痛み を

伴う口 内炎を発症 した の は,

寛解導入療法中の み で あ っ

た 。

3 . ケー ス B に対す る看護援助

1 ) ケ ー ス B の 口 内炎 の 発症パ タ ー ン の 明確化

ク ー ル 毎 に 口 内炎 の 発症 パ タ ー ン を明確 に し て い っ た

結果, ① 口 内炎 の 出現時期 は,

抗が ん剤 の 静脈投与開始

後 8 日 目 で あり,

白血 球数,

好中球数が1 0 00/ m m

3

以 下

Page 4: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

に低下 し,

C R P 値が1 .O m g/dl 未満 で は ある が 上 昇 し始め

て い る, ②口 内炎の 増悪時期 は

,抗が ん剤 の 静脈投与開

始後11 日 目以 降 で あり, 白血球数 が10 0/ m m

3

以下,

好中

球数 が 0 / m 皿3以 下 に低下 し

,C R P 値が 各ク

ル 中で 最高

値を示 して い る, ③ 口内炎の 回復時期 は

,抗 が ん剤の 静脈

投与開始後23 日目以降で あり, 白血球数が1 00 0/ m r㌔以下,

好中球数が5 00/ m m3以下 と 低値 で あ っ て も最低値 か ら上

昇 し始 め て お り,

C R P 値 が最高値 か ら急激 に1 .0 皿 g/dl 未

満 に 低下 して い る,

と い う ケ ー ス B の 口 内炎 の 発症 パ

タ ー

ン が 明確 に さ れ た 。

2 ) 看護援助 の 実際と ケ ー ス B の セ ル フ ケ ア状況 の 変

化, 母親 の 子 ども へ の 関わ り方 の 変化

< 身体的 ・ 精神的苦痛 の 強 い 入 院初期 > に お い て,

ケ ー ス B は,

寛解導入療法開始直後 に, 腫蕩崩壊症候群

によ る急性腎不全に なり,

集中治療室 に入室 して い た た

め,

口 内炎発症前に 【口 内炎 に関連す る基本的知識 ・ 情

報を事前 に提供する】 こ と が で きな か っ た 。 こ の 時期

は, 寛解導入療法開始 か ら3 5 日 ま で 持続 した 。 ケ

B の 口 内炎に対する セ ル フ ケ ア 状況 は,

口腔 ケ ア を時 々

し か実施 して い な か っ た 。 また,

母親も ケー

ス B が 曜気

を有 し て い た た め,

口腔 ケ ア を強制的 に は や ら せ て い な

か っ た。 そ の 後,

ケ ー ス B は,

29 日 目 に強度 の 痛み を伴

う 口 内炎を発症 した が , 泣き なが ら た だ我慢 して い る の

み で あ っ た .

方,

母親 は,「 どう して あげれ ば い い の

か。 何も で きな い」 と ケー

ス B を励ます の み で あ っ た。

こ の 時 に,

口 内炎の 病態や 血 液 の 働き, 口 内炎予防の た

め の 口腔 ケ ア 方法,鎮痛剤が 使用 で きる な どの 苦痛時の

対処方法の ほ か に, バ イ ン ス ケ

ル によ る痛 み の 評価 ・

伝達方法を加え, 【口 内炎 に関連す る基本的知識 ・ 情報

を提供する】 こ と を実施 し た 。

そ の 後,

ケー

ス B と 母親 か ら 口 内炎 に 関す る 質問が

聞か れ る よ う に なり,

寛解導入療法開始後35 日 - 65 日

の 期間が < 口内炎 に対す る 関心 ・ 問題意識が 高くな る時

期 > と し て 分類 さ れ た。 こ の 時期 に は, 【口 内炎 に 対す

る 知識, 技術 を 反復 し て

,継続的 に提供す る】【子 ど も

の 口 内炎 に対す る セ ル フ ケ ア の 向上 を認め ,ほ め る】【口

内炎 に対す る対処方法 の 選択 決定 を子 ども に促す】 を

実施 した 。 さ ら に, 【過去の 治療 にお ける 口 内炎の 発症

パ タ ー ン を子 ども,

家族 と と も に共有す る】 で は, 寛解

導入療法中の 白 血 球数 と C R P 借 の 変動 を示 し た グ ラ フ

を提示 し な が ら,「 白血 球 が10 00 (/ 皿 ㌔) よ りも低く,

C RP が 上 が り始 め た と き に唇 が 荒 れ て きた」 「 白血 球 が

o (/ m m

3

) で,

C R P が一

番高 か っ た と き, 痛 み が 『5』

で あ っ た」 こ と な どを, ケー

ス B と 母親 と と も に 確認

し た 。 以 上 の 看護援助 を 継続す る こ と を通 じ, ケ

B は,

ペ イ ン ス ケー

ル に興味を示 し た の み で な く,口 内

炎 に よ る 痛み の 程度を連 日 評価 し, 痛み の 程度 や鎮痛剤

を使用 して ほ し い こ とを母親や 医療者 に伝達 で きる よ う

に な っ た 。 また,

口腔 ケ ア を食後, 間食後 に実施する よ

う に なり,口 腔ケ ア の 手技も正確 に実施す る よう に な っ

た 。 さ ら に, 外泊 の 時 に は

, 説明 の 際使用 し た パ ン フ

レ ッ トを自宅 に持ち帰り ,口 腔 ケ ア を継続 し て い た り,

痛 み に備えス ポ ン ジ ・

ス ワ ブ や や わ らか い 食材を準備す

る よ う に母親 に依頼 で きる よ う に な っ て い た 。 母親 は,

ケー

ス B に 口 腔ケ ア を促す行動 が 頻回 に観察 され,

そ の

方 で, 子 どもの 対処方法を子 ども に助言 し たり, 相談

す る行動も観察さ れ る よう にな っ た 。

ケー

ス B の < 外泊を 目標 と し治療 に 臨 む よ う に な る

時期 > は, 入院後65 日 目以降で あり , 治療第 3 ク ー ル の

後半 で あ っ た。 第 3 ク ー

ル と第 4 ク ー

ル が 同 じ治療内容

で あ っ た た め, 第 4 ク ー

ル が 開始 さ れ た 入院72 日 日 頃よ

り, 第3 ク ー

ル 中の 口内炎 の 発症 パ タ ー ン に基 づ き 【過

去 の 治療 に お け る 口 内炎 の 発症 パ タ ー ン を 子 ども, 秦

族 と と もに 共有する】 を実施 した 。 また,

ケ ー ス B が 学

童後期 で あ っ た た め,

ケ ー

ス B に積極的に か か わ り, 白

血 球数,C R P 備 に つ い て グ ラ フ を用 い て モ ニ タ リ ン グ

し,

口 内炎 の 発現時期, 増悪時期,回復時期 を予測 し な

が ら,

ケ ー

ス B が す べ き こ と や 要望 に つ い て デ ィ ス カ ッ

シ ョ ン した 。 その 際 に, 母親 に は 同席 して もら う形式 で

すす め た。 そ の 結果,ケ ー

ス B は, 「 9 日 目 か10 日 目 に

番痛くなる か ら,

そ こ を乗り越えれ ば,2 2月 目か

,23

日 目 こ ろ外泊で きる」 と 今後 の 経過を予測 し, 現在自分

自身がす べ き行動と して 「 食 べ ら れ るうち にた くさ ん食

べ て お く」 と い う行動を自ら が 見出 し,

実践 して い た 。

ま た, 痛み の 程度 に応 じて

,口腔 ケ ア 方法,

食事 の 変更,

鎮痛剤 の 必要性を自分自身で 判断 し,

実践 ・ 依頼す る よ

う に な っ た 。 さ ら に,

食前 の 手洗 い や 上 気道感染予防を

目 的と した 合歓な どの 感染予防行動 や,

日 常的 な洗顔な

どの 清潔行動が 習得 さ れ た。 母親 は,

ケ ー ス B の 口腔 ケ

ア に対する 自発性 に応 じて,

口腔 ケ ア を促す行動 は減少

して い き, さ ら に,

ケ ー ス B の 口腔 ケ ア 方法や 食事 に 関

して, 助言 を しなが ら も

, 子 どもの 希望 に添 っ て い た 。

3 ) 看護援助 に よ る 口腔粘膜症状 の 程度

第 3, 第4 ク ー

ル は, 大量 M T X ( メ ソ ト レ キ セ - ト)

療法が 組み 込まれ た,

ま っ たく同 じ治療 で あ っ た が,

腔粘膜症状の 程度が,

第4 ク ー

ル の 方が 軽度 で あり ( 秦

2 ) , 回復も早くな っ て い た 。

千葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 20 04 . 6 2 1

Page 5: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

表 2 ケー

ス B の 各クー

ル の 口腔粘膜症状 の 程度

クー ル 口腔粘膜症状

寛解導 入

療法 ( 第

1 . 2

ク ー ル)

第3 クー ル 第4 ク

ー ル 第5 クー ル

痛み の 最高 5 5 4 3 .5

塩酸モ ル ヒ ネの 必要 必要不要 不要

的苫痛

使用 (期間) ( 5 日間) ( 10 日間)

食事摂取 困難 の

持 続期 間6 日間 7 日間 3 日間 3 日 間

覚的変

治療 開始 1 . 2 日臼全体

発赤.

白色

部 白色 変調な し

治療 開始4 . 5 E] E]

全体

発赤 白斑

2 箇所

部白色一

部白色

治療開始8 . 9 日臼

白斑面積

拡大.一

観察不可

全体

発赤.

白色面積拡大

治療開始15 日員 観察不可 観察不可 全体発 赤一

部発赤.

白色

Ⅵ . 考 察

1 . 小児がんの 子どもの 口 内炎に対するセ ル フケ ア を促

す看護援助の 実践的 ア プロ ー チ とその 効果

1 ) 各時期別の 看護援助 の すすめ 方

本研究 に お い て,

第1 - 4 クー

ル ま で の 入院後 2 ケ月

間が,

子 どもの 口 内炎 に対す るセ ル フ ケ アを促す上 で 重

要な時期 で ある こ と が 示唆 さ れ た。 また,「 子 ども

,母

親の 身体的 ・ 精神的状態の 変化」 「 口 内炎 に対す る 関心,

問題意識 の 変化」 「 入院生 活 の 変化」 「 子 ども の 口 内炎

に対する セ ル フ ケ ア 状況」 に応 じ, 子 どもと 母親 に投階

的,

継続的 に看護援助を組 み合 わ せ て い く こ と が 必要で

ある と 考え られ た。

下 記 に, 3 つ の 各時期 に お け る看護援助の 実践的な す

すめ 方と, そ の 効果 に つ い て 記述 した (図1 ) 。

①身体的,

精神的苦痛 の 強 い 入院初期

寛解導入療法開始 - 4 ・ 5 週 まで

両ケー

ス と も に, 寛解導入療法 が 開始 さ れ て 4 週

ま た は 5 週 目 は,

現疾患 や化学療法 に起因する 副作用

な どの 多種多様な不快を呈 して お り,

小児が んの 子 ど

もが 診断時や 入院初期 に痛 み が 強 い こ と やt

日 常生 活

行動が 行えなくなる と い う先行研究:】 ト 5 )

と 一

致する

も の で あ っ た。 ま た,こ の 時期 の 両 ケ ー ス の 母親 は

,

子 ども の 慣 れ な い 療養上 の 世話 に よ り身体的 に疲労

し,

どう して い い の か わ か ら な い と い う混乱や 罪悪

感な どをも っ て お り, 先行研究と 一

致する もの で あ っ

たG )

I

/ )

。 こ の よ うな時期 に, 【口 内炎 に関連す る基本

的知識 ・ 情報 を事前 に提供す る】 こ とを実施 した もの

の, 両 ケ ー ス と母親 は

,口 内炎 を発症する ま で は

,口

内炎を問題視 で きな か っ た 。 そ の 要因 と して,

体験

し た こ と の な い 痛 み や苦痛を事前 に与え られ たと して

も,

内面化す る こ と が で きな い 認知的発達の 未熟さ8 )

と い う子 ども側 の 要因と,

小児 が んの 告知を受け,

療開始初期 の 親 は,

ス ト レ ス フ ル な状況に ある た め,

日数 会笠間始■ 4 - 5 週 ■ 2 ケ 月 ■

経過分類身体的 . 精神的苦痛が 口 内炎に 対する関心 . 外泊を目標 とし、 治療

強 い 時期 問題意 識が高く なる時期 に臨む ように な る時期

護.

炎の

普痛の

口 内 炎口内炎 口 内炎

ノレ

維拷

:.:,:.i:.:. .I : 等 ー.ー-

:.

-I.:&'.

:.:.ー .,ー:. 一

方戸

'''■=■=''-=';'二■こ`こ■:■

〒''- =' =':I:■こ' '''''l' てこl こ

l…妻≡

図 1 化学療法を受け る 小児が んの 子 どもの セ ル フ ケ ア を促す看護援助

22 千葉看会誌 V O L . 1 0 N o . 1 2 00 4 . 6

Page 6: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

情報を吸収 で きず,特 に治療 に よ る リ ス ク を明瞭 に認

識する こ と が 困難 で あ る9 )

と い う親側 の 要因が 考え

ら れ た。つ まり

,こ の 時期は

,子 ども と母親 に と っ て

,

最も身体的 ・ 精神的苦痛が 強度 で ある た め に,

子 ども

と そ の 家族 が 口 内炎 を問題視す る こ と が で きな い 時期

で あ ると 特徴 づ け られ た 。こ の よう な結果を考慮す る

と,

こ の 時期 の 看護援助 は,

子 どもと 母親 の 身体的 ・

精神的苦痛を緩和する こ と に重点が お か れ る 。 口 内炎

に 対 し て は 【口 内炎 に関連す る基本的知識 ・ 情報 を事

前 に提供す る】一

方で,

口 内炎 に よ る苦痛 が生 じた 際

に は,

子 どもと家族と と も に 口内炎 の 苦痛 に対する 対

処方法 を考える こ と の 方が よ り重要 と な る。

こ の よ う

な看護援助 は,

看護師と,

子 ども と そ の 家族 と の 関係

形成を促進 させ,

子 どもと 母親が ケ ア に参加する機会

を与える こ と に なり , 子 どもと 家族 の 口 内炎 に対する

関心と 問題意識を,徐 々 に高め て い く こ と に寄与する

と考え られ た 。

(参口内炎 に対す る 関心 ・ 問題意識が 高く な る 時期

一寛解導入療法開始後4 ・ 5 週 - 約 2 ケ 月まで

両ケー

ス と も,

寛解導入療法開始後 4 ・ 5 週 の 時期

は,

現疾患や 化学療法 の 副作用 によ る身体的苦痛 が軽

減 し,

入院生活 に も徐 々 に慣 れ 始め,

両ケー

ス と母親

は,

疾病や 治療,

身体的状況に 関 して 疑問 を持ち始 め

て い た 。 人間の 学習 は,

客観的な言葉 ・ イ メー ジ ・ 概

念 ・ 方法 ・ 法則 ・ 規則 ・ 原 理 な ど の 知識を受容す る

と い う学習方法 と,

自分自身 の 経験 ・ 体験 か ら 直 に

まなぶ こ と に よ っ て 知識 を形成す る学習方法 の 両者を

通 じ,

知識 が 生 活場面の 中 で 活用さ れ る よう に な る10)

と い われ て い る 。 つ まり,

こ の よ うな時期 は学習 ニー

ズ が 高ま っ て お り,セ ル フ ケ ア が 向上 しや す い 時期 で

あ る ため,

子 どもと そ の 家族が,

看護師 か ら の 知識 や

技術を受容す る の み で なく, 自分た ちが 体験 した こ と

を フ ィー ドバ ッ ク しな が ら, 新た な知識を形成 で きる

よう に し て い く こ と が 必要 で あ る。 従 っ て,

こ の 時期

に は,

積極的に 【口 内炎 に関連す る知識, 技術を反復

して , 継続的 に提供す る】【子 ど もの 口 内炎 に対する

セ ル フ ケ ア の 向上 を認め,

ほ め る】【口 内炎 に対す る

対処方法 の 選択 , 決定を子 どもに 促す】 と とも に, 【過

去 の 治療 に お ける 口 内炎の 発症 パ タ ー ン を子 ども, 秦

族 と とも に共有する】 こ と も重要な看護援助 で ある と

考え られ た 。 こ の ような看護援助 は, 子 ども と母親 が

口 内炎を現実に起 こりう る 問題と し て 捉え る こ と, チ

どもが 口 内炎 に対 して 実践す べ き行動や 自分自身の 要

望を明確 にす る こ と, 口 内炎 に対す る対処方法 の 選択

や決定 を可 能に し, 子 ども自身の 口内炎 に対す る セ ル

フ ケ ア の 獲得 に寄与する と 考え ら れ た 。

③外泊を 目標 と し治療 に臨 むよ う に なる 時期

一寛解導入療法開始後約 2 ケ 月 以 降

寛解導入療法開始後 2 ケ 月 以 降 に は, 外泊 回 数が

多くな り,

両 ケー

ス と 母親 は,

外泊 を 楽 しみ に し,

して 退院ま で の 短期 目標 と して 捉え る よう に な っ て い

た。 子 ども と家族 に と っ て 意義の あ る外泊を可能な限

り継続 して い く た め に は, 子 どもと そ の 家族が積極的

に 口 内炎 に対す る対処方法 を調整 し たり,

時に は 家庭

で 口 内炎を発症 し た と きに も対処 で き る よう にす る こ

と も必要と な る 。 従 っ て,

こ の 時期 に は,

< 口 内炎に

対す る 関心・

問題意識 が高く な る 時期 > の 看護援助指

針を基盤と し, 中 で も 【過去 の 治療 にお け る 口 内炎 の

発症 パ タ ー

ン を子 ども, 家族 と 共有す る】 こ と が重要

な看護援助で あ る と考えら れ た。

こ の よ うな看護援助

は,

子 どもの 口 内炎 に対す る予期的な対処を実践す る

こ と を 可能に し, 子 ども自身の 口 内炎 に対す る セ ル フ

ケ ア の 維持 ・ 強化 に寄与す る と考え られ た。

2 ) 過去 の 治療 に お け る 口 内炎 の 発症 パ タ ー

ン を子 ど

も, 家族 と と も に共有す る看護援助 と その 効果

セ ル フ ケ ア 行動を継続 させ る た め に は 継続的な刺激を

与え たり,

関わりをも っ た りす る こ と が大切 で あり,

の一

つ の 方法 と して, 病状 を 把握す る 指標 と な る も の

を提示す る こ と の 重要性11 )

が 言 わ れ て い る 。 本研究で

は, 【過去 の 治療 に お け る 口 内炎 の 発症 パ タ ー ン を子 ど

ち,

家族 と と もに 共有する】 看護援助 に お い て,

各 々 の

ケー

ス の 白血球数, C R P 値を 口 内炎 の モ ニ タ リ ン グ指

標 と し,

経時的な グ ラ フ を用 い て,

口 内炎の 発症 パ タ ー

ン と, 子 ど も自身が どの よ う に 行動すれ ば よ い の か や

,

ど の よ う に した い の か に つ い て , 子 ど もと 母親 と と も

に デ ィ ス カ ッ シ ョ ン した 。 こ の ような看護援助 は,

的な知識 ・ 情報 で は なく, 子 ども自身の 現実的なデー

で あ る た め, 子 どもと そ の 家族 に, 口 内炎 をよ り現実的

な問題 と して 捉える こ と を可能 に したり,

また,

単 に看

護師 が情報を提供する こ と と は異なり,

子 どもと そ の 家

族, 看護師が 互 い に 情報, 判断, 体験 を分か ち合う こ と

に よ っ て,

子 どもと そ の 家族 の 状況判断 を助 け る こ と に

寄与する と考え ら れ る 。 ま た,

課題を遂行す る た め に,

自分自身の 不十分な点や 問題点 をモ ニ タ リ ン グ して 発見

し,

欠 け て い る 部分を身 に つ け,

あ る い は す で に持 っ て

い る知識や 技能を修 正 する こ と は,

結果 と して 課題 の 学

習 が効率的 にな る こ と が 指摘 さ れ て い る12 )

。 以 上 より ,

【過去 の 治療 に お ける 口 内炎 の 発症 パ タ ー

ン を 子 ど も,

家族 と共有す る】 看護援助 は, 子 どもの 口 内炎 に対す る

予防的, 予測的な対処行動 を促進 させ る と と も に, 母親

千葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 2 00 4 . 6 23

Page 7: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

の 子 どもの 発達 に応 じた 適切なか か わり方 に気 づ く こ と

を促すと 考え ら れ た。 さ ら に,

こ の よ うな援助を継続的

に行 っ て い く こ と は, 常 に子 どもと 母親 に継続的刺激を

与える こ と に なり, 子 どもの 口 内炎 に対す る セ ル フ ケ ア

を維持 ・ 強化す る上 で 有効 で ある と 考えら れ た 。

2 . 看護実践 へ 適応

本研究 で 実施 した 看護援助 に よ る両 ケー

ス の 変化 か

ら,

本研究 の 看護援助 は,

口 腔 ケ ア に 対す る 額度 の 増

加,

自発性, 積極性 , 正確性, 継続性を促す こ と の み で

なく,

子 ども自身に よ る 口内炎 に対す る対処行動の 種類

を増や し,

感染予防行動や 日常生 活行動 に お ける セ ル フ

ケ ア ヘ の 応用性 に 寄与す る と考えら れ た。 また

, 看護援

助 に よ る両 ケー

ス の 母親 の 変化 か ら, 本研究の 看護援助

は,

子 どもの 口 内炎 に対す る親 の 強制的なか か わ り方の

み で なく , 口 内炎の 程度, 子 どもの 変化や 発達状況を考

慮 した, 支持的か か わ りを促す こ と に も寄与する と 考え

ら れ た 。

ケー

ス A は,

寛解導入療法中に 泣く ほ どの 口 内炎を

発症 した が , そ の 後 は発症 しな か っ た 。 ケー

ス B に関 し

て は,

同 じ治療内容 で あ っ た 第3・ 4 ク

ル を比較す る

と,

第4 クー

ル の 方 が , 口腔粘膜症状 は軽度で あ っ た 。

こ れ は,

ケ ー ス B 自身が , 口 腔 ケ ア を積極 的 に実施 し

て い た た め 口 腔内の 清潔が 保持 で きた こ と, ま た

, 口 内

炎を発症する 前 に 「食 べ ら れ る と き にた く さ ん食 べ て お

く」 と い う予期的な対処行動を見出 し, 積極的 に食事を

摂 る よう に 努め て い た た め,

栄養状態の 維持 ・ 改善 に つ

な が っ た こ と もー

因 と して 考えら れ , 結果的 に 口腔粘膜

症状を軽度 にさ せ る こ とが で きた と 考え られ た 。

本研究の 看護援助 は,

口腔粘膜症状 と, そ れ に伴う苦

痛を緩和 さ せ る こ と に も寄与する 可能性が あ ると 考え ら

れ た 。

以 上 よ り,

本研究 で 用 い た看護援助は,

子 どもの 口内

炎に対する セ ル フ ケ ア を促 し,

母親の 子 どもの 口 内炎 に

対する セ ル フ ケ ア を促す か か わり方 を引き出 し, さ ら に

口 腔粘膜症状を軽減 させ る 効果 が ある こ と が 示唆 さ れ ,

看護実践 に お い て 適応可能な看護援助 と し て 考え られ

た 。

本研究 に お い て,

悪性血液疾患 の 子 どもを対象者 と

し,

年齢,

治療 プ ロ ト コー

ル も異な っ て お り, 例数も少

な い た め,

般化す る に は 限界 が ある。 今後

,固形腫癌

や, 多様な 治療 プ ロ ト コ ー

ル を受けて い る 子 ども へ の 看

護援助の 適応と,

年齢別 の 具体的なア プ ロー

チ 方法を詳

細 に 検討す る必 要性が 示 さ れ た。

2 4 千葉看会誌 V O L .10 N o . 1 2 00 4 . 6

Ⅶ . 結 語

本研究で は,小児 が ん の 子 ども と そ の 家族 の 身体的,

精神的状態,口 内炎に 対する 関心

問題意識, 入院生 活

の 変化, 子 どもの セ ル フ ケ ア 状況 に合 わせ,

口 内炎 に 関

す る看護援助を展開する こ と が 重要 で あ る こ とが 明確 に

な っ た 。 ま た, 白 血 球数 ,

C R P 値 の 変動 を, 子 ども と

そ の 家族 と と も に, 経時的 に把握 し なが ら 口 内炎を モ ニ

タリ ン グす る こ と が, 子 どもの 口 内炎 に対す る セ ル フ ケ

ア の 補強・

強化 に寄与する こ とが示唆さ れ た。

今後 は, 事例 を重 ね

, 白 血 球数, 好中球数,C R P 値

を 口 内炎 の モ ニ タ リ ン グの 指標 と して 用 い る こ と の 有用

性を検証 して い くと と も に, 化学療法を受 け る子 どもの

口 内炎以 外 の 副作用 に対す る セ ル フ ケ ア を促す看護援助

を検討 して い きた い 。

な お, 本研究 は

, 千葉大学大学院看護学研究科 に お け

る修士論文の一

部で ある 。

< 引用文献 >

1 ) 山本昇 : 2 副作用 の 概要,が ん化学療法 の 副作

用, 対策, 西城長宏監修, pp 4 - 8, 中外医学杜

1 998 .

2 ) 有害寛 : 3. 抗 が ん剤 の 副作用発現時期 と そ の 治

療,が ん 化学療法 の 副作用対策, 吉 田 清

監修,

p p1 29 - 1 30, 最先端医学社 ,

1 99 6 .

3 ) B o s s e rt ,E

,A .

, C l e v e,L

,V .

,A dl a r d ,

K .

, S a v e d r a,M .

:

P ai n a n d L e u k e m i a : T h e S t o ri e s of 「m r e e C hild r e n,

J o u r n al o f P edi at ri c N u r si n g ,1 9(1) ,

2 - ll,20 02 .

4 ) W o o dg a t e,R ・

,M c cle m e n t

, S ・

'

・ S e n s e of s elf i n C hild r e n

w i th C a n c e r a n d i n C hild h o o d C a n c e r S u r v i v o r s : A

C riti c al R e vi e w,J o u r n al o r P e di a tri c N u r si n g ,

1 4(3) ,1 37

- 15 5 ,1 9 97 .

5 ) Ⅵ n,C h a o

- H si n g: A d a p t a ti o n i n C hild r e n W i th

C a n c e r : R e s e a r c h W ith R o y

'

s M o d el,N u r si n

gS ci e

'n c e

Q Lu a rt e rly ,14 1 - 1 4 8

,2 001 ・

6 ) 水野貴子, 中村菜穂, 服部淳子, 岡田 由香, 山口桂

子,

松本博子 : 小児が ん患児童 の 入院初期段階に お

ける母親役割の 変化と 家族 の 闘病体制形成 プ ロ セ ス

( 第 1 報) , 日 本小児看護学 会誌,l l(1) ,

2 3 - 3 0,

20 02.

7 ) 早川香 : 小児 が ん 息児の 発症 か ら退院後現在まで に

母親 が経験 した 葛藤 に つ い て,

日本看護学会誌,6

(1) ,2 - 8

,19 97 .

8 ) P e d e r s o n,C .

,P a r r a n

,L

リH a rb a u g h ,

B ・: C hild r e n

'

s

P e r c e p tl O n O f P ai n D u ri n g 3 W e e k s o f B o n e M a r r o w

Page 8: 化学療法を る が ん ども - opac.ll.chiba-u.jpopac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900040439/n-0225.pdf · はじ めに 化学療法 ... 口内炎の発症パタ ー ン 口 内炎のリスクファクタ-の影響を受け,

T r a n s pl a n t E x p e ri e n c e ,J o u r n al o f P ed i a t ri c O n c o lo g y

N u r si n & 1 7( 1) , 2 2-

3 2 , 20 00 ・

9 ) R u c ci o n e , K . , M o o r e ,I

.M

. ,P e ri n

, g ・: I n fo r m e d C o n s e n t

払r T r e a t m e n t of C hild h o o d C a n c e r : F a c t o r s A ff e cti ng

P a r e n ts'

D e ci si o n M a ki n g ,J o u r n al o f P e di a tri c O n c ol o g y

N u ri s n g , 8 (3) ,11 2 - 12 1

,1 99 9 ・

1 0) 林芳樹 : 第6 章 第 4 節 参画教育 理論 と値 の あり

方論, 参画教育 と参画理論 一 人閉 ら し い 『まな び』

と 『く ら し』 の 探求 一 林芳樹著, pp 25 4- 27 0 , 学

文社,20 02

.

l l) 二 宮啓子 : 再発 した 子 ども ・ 家族 の セ ル フ ケ ア,

児看護,24 (3) ,

33 4-

3 38 ,2 00 1

.

1 2) 岡本英彦 : 7 メ タ 認知一

思 考を制御 ・ 修 正 す る

心の 働き, 認知心 理学 を語 る③ お も しろ思考の ラ

ボ ラ トリ ー

, 森敏昭編著, pp 14 0- 1 6 0

, 北 大路書房,

2 00 3 .

N U R SI N G I N T E R V E N TI O N T O P R O M O T E S E L F- C A R E F O R O R A L M U C O SI TI S

I N C H IL D R E N Ⅵq T H C A N C E R U N D E R G O I N G C H E M O T H E R A P Y

M i w a N a k a m u r a

G r ad u a t e S c h o ol o f N u r si n g ,C hib a U n i v e r si ?

K E Y W O R D S :

c hild w ith c a n c e r,s elf- c a r e

,o r al m u c o siti s , sid e e ffe ct , c h e m o th e r ap y

T h e p u rp o s e o f thi s s t u dy w a s t o i d e n tify n u r si n g i n t e r v e n ti o n s p r o m o ti n g s elf- c a r e fo r o r al m u c o si ti s i n c hild r e n

u n d e rg o l n g C h e m o t h e r a p y fo r c a n c e r ・ S u bj e c t s w e r e 2 s c h o o l c hild r e n w ith le u k e m i a u n d e r g o i n g C h e m o th e r a py ・

I n t e r v e n ti o n s i n th e s e c o n d c a s e w e r e b a s e d o n n u r s l n g I n t e r v e n ti o n g u id eli n e s e x t r a c t e d fr o m th e n u r si n g Pl a n i n th e

fi r st c a s e .

T w o m ai n r e s u lt s w e r e o bt ai n ed . 1) I n th e e a rly

d ay

s o f h o s pi tal i z ati o n , w h e n c hild r e n a n d fa m ili e s s u fft r g r e a t

p hy si c al a n d e m o ti o n al di st r e s s ,r eli e v i n g S P e Cifi c di st r e s s r ela t e d t o o r al m u c o siti s a n d

"

p r o vi di n g b a si c kn o w l ed g e a n d一▲

s』11s ab o u t o r al m u c o siti s i n a d v a n c e

"

i s 血p o 工t a n t ・ W h e n r al S l n g I n t e r e st a n d a w a r e n e s s o f o r al 皿 u C O Siti s, p r o v idi n g

b a si c k n o w le d g e a n d s kill s ab o u t o r al m u c o siti s c o n ti n u o u sly"

)r e c o g n l Z l n g a n d p r a l S l n g I m p r o v e m e n ts i n th e c hild

'

s

H

. .〃 H

. .〃

s elf -

c a r e fo r o r al m u c o s ltl S , e n c o u r ag i n g C hild r e n t o s el e c t a n d d e cid e o n c o p l n g St r a te gi e s f♭r o r al m u c o sl tl S,

a n d"

s h a ri ng

w ith c hild r e n a n d fa m ili e s th e e v o lu ti o np

a tt e r n s o f o r al m u c o si ti s

"

a r e i mp

o r t a n t ・I n th ep

e ri o d w h e n child r e n

a n d fa m ili e s ai m t o s t a y a t h o m e o v e mi gh t, th e i m p o r t a n t n u r s i n g I n t e r v e n ti o n i s t o

"

s h a r e w i th child r e n a n d fa m ili e s

th e e v o lu ti o n p a tt e r n s o r o r al m u c o si ti s

''

.2) Bァ ob s e r v i n g 凸u c t u a ti o n s i n w hit e c ell c o u n t s

,n e u t r o p hili c l e u k o c y te

c o u n ts,

a n d C R P v al u e s,th e a p p e a r a n c e , e x a c e rb a ti o n a n d r e c o v e r y s t ag e s o f o r al m u c o si ti s c a n b e e sti m a t e d ・ T h e s e

i n di c e s a r e u s e fu l fo r m o n it o ri n g o r al m u c o si ti s ・ U tili zi n g w hi t e c ell c o u n t,

n e u t r o p hili c l e u k o cyt e c o u n t, a n d C R P

l e v el a n d"

s h a ri n g w it h c hild r e n a n d f a m ili e s th e e v olu ti o n p a tt e r n s o f o r al m u c o si ti s

"

allo w s th e m ai n t e n a n c e a n d

r ei nfTo r c e m e n t o f th e c hild'

s s elf -

c a r e fo r o r al m u c o si ti s .

千 葉看会誌 V O L .1 0 N o . 1 2 00 4 . 6 2 5