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超音波画像診断 超音波画像診断 超音波画像診断 1 1 595 Vol.38 No.5 超音波画像診断 超音波画像診断 超音波画像診断 1 1 超音波画像診断 超音波画像診断 超音波画像診断 1 1 消化管超音波診断の know-how 川崎医科大学 検査診断学 畠 二郎 はじめに 腹部超音波検査にかかわる者にとって消化管 は、もはや避けて通れない臓器として認識されつ つある。超音波検査は、特に従来の診断法である 内視鏡やX線造影は施行そのものが容易とは言え ない急性腹症、あるいはそれに準ずる病態におい て有力な診断法であることが明らかとなり、近年 注目を集める分野となった。できるだけ楽に診断 してほしいというのは万人に共通した願いであ り、「開腹すればわかる」、「カメラを突っ込めばわ かる」、「バリウムを飲ませればわかる」という理 屈をすべての患者に適応するのは、やや乱暴では あるまいか。昔に較べれば激減したものの、相変 わらず「内視鏡でわかるものを何故エコーなんか するのだ!」という批判的ご意見をいただくこと もあるが、私にすれば「エコーで楽にわかるもの を何故内視鏡までしないといけないのか」と言い たいところである(そういう方に理解されるはず は無いので黙っているが……)。診断においては 各施設において得意とする modality を優先すれば 良いという考え方に異論はないが、各 modality の 侵襲度に大差が無いというのが大前提として必要 であろう。でなければ「うちの病院では少しでも お腹が痛ければ全例開腹する」という理屈が堂々 とまかり通ってしまうではないか。 一方で超音波検査は特に operator-dependency の強い形態学的検査法としても知られており、い くら有用であるといっても「適切な手技で走査さ れ、良好な条件で撮像され、理論的な画像解析が 行われ、幅広い鑑別診断の知識をもとに診断され」 なければ、下手な占いより始末が悪い。これは超 音波という modality の限界ではなく、使用する側 の技量の問題であるが、「消化管なんて超音波で 見えるわけがない」という発言は両者を混同して いる。そこで、本稿においては消化管の超音波診 断に関し、know-how の一端をご紹介する。 超音波診断に必要な3つの眼 消化管に限ったことではないが、漠然と画面を 眺めていたのでは何もわからない。ここでは “three eye(I) s for gastrointestinal ultrasound”と 称してそれぞれの eye(I)に関し述べる。言うまで も無いが、eye と I の発音が同じ【 ai 】であるこ とをもじったものである。 1) Identification(見る眼):異常を発見すること 消化管は複雑に走行する一本の管腔臓器である ことからその走査は容易でなく、また内腔には音 響陰影や多重反射、さらにはサイドローブといっ た種々のアーチファクトの温床であるガスが存在 しており、これらがこれまで消化管の超音波診断 が普及しなかった大きな要因である。 見落としを防ぐため、また確かな解剖学的診断 のためにも系統的走査は重要であり、例えば肝臓 においては門脈枝を同定することでもれなく走査 し、また病変の部位の判定に用いている。同様に 消化管においてもいくつかの固定点を同定しなが

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超音波画像診断超音波画像診断超音波画像診断特 集特 集 11

595Vol.38 No.5

超音波画像診断超音波画像診断超音波画像診断特 集特 11集 超音波画像診断超音波画像診断超音波画像診断特 集特 11集

消化管超音波診断のknow-how

川崎医科大学 検査診断学

畠 二郎

はじめに

 腹部超音波検査にかかわる者にとって消化管は、もはや避けて通れない臓器として認識されつつある。超音波検査は、特に従来の診断法である内視鏡やX線造影は施行そのものが容易とは言えない急性腹症、あるいはそれに準ずる病態において有力な診断法であることが明らかとなり、近年注目を集める分野となった。できるだけ楽に診断してほしいというのは万人に共通した願いであり、「開腹すればわかる」、「カメラを突っ込めばわかる」、「バリウムを飲ませればわかる」という理屈をすべての患者に適応するのは、やや乱暴ではあるまいか。昔に較べれば激減したものの、相変わらず「内視鏡でわかるものを何故エコーなんかするのだ!」という批判的ご意見をいただくこともあるが、私にすれば「エコーで楽にわかるものを何故内視鏡までしないといけないのか」と言いたいところである(そういう方に理解されるはずは無いので黙っているが……)。診断においては各施設において得意とするmodalityを優先すれば良いという考え方に異論はないが、各modalityの侵襲度に大差が無いというのが大前提として必要であろう。でなければ「うちの病院では少しでもお腹が痛ければ全例開腹する」という理屈が堂々とまかり通ってしまうではないか。 一方で超音波検査は特にoperator-dependencyの強い形態学的検査法としても知られており、いくら有用であるといっても「適切な手技で走査さ

れ、良好な条件で撮像され、理論的な画像解析が行われ、幅広い鑑別診断の知識をもとに診断され」なければ、下手な占いより始末が悪い。これは超音波というmodalityの限界ではなく、使用する側の技量の問題であるが、「消化管なんて超音波で見えるわけがない」という発言は両者を混同している。そこで、本稿においては消化管の超音波診断に関し、know-howの一端をご紹介する。

超音波診断に必要な3つの眼

 消化管に限ったことではないが、漠然と画面を眺めていたのでは何もわからない。ここでは

“three eye(I)s for gastrointestinal ultrasound”と称してそれぞれのeye(I)に関し述べる。言うまでも無いが、eyeとIの発音が同じ【 ai 】であることをもじったものである。1)Identification(見る眼):異常を発見すること 消化管は複雑に走行する一本の管腔臓器であることからその走査は容易でなく、また内腔には音響陰影や多重反射、さらにはサイドローブといった種々のアーチファクトの温床であるガスが存在しており、これらがこれまで消化管の超音波診断が普及しなかった大きな要因である。 見落としを防ぐため、また確かな解剖学的診断のためにも系統的走査は重要であり、例えば肝臓においては門脈枝を同定することでもれなく走査し、また病変の部位の判定に用いている。同様に消化管においてもいくつかの固定点を同定しなが

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2006 年 5 月596

ら走査すれば、頸部食道、腹部食道、胃〜十二指腸、回腸末端〜直腸の系統的走査は可能である。以下に、系統的走査における主なポイントを列挙する。あくまで大まかな目安なので、詳細は成書をひもとかれたい。・頸部食道は、甲状腺左葉の背側を頭尾方向に直

線的に走行する。・腹部食道は、肝左葉背側と大動脈腹側の間で横

隔膜を貫く。・十二指腸下降部は、膵頭部に接する。・腹部食道と十二指腸下降部の間を背側→腹側→

再び背側と、腹巻の様に走行するのが胃から十二指腸球部である。胃と十二指腸球部の境界には、固有筋層の肥厚した幽門輪が存在する。

・十二指腸水平部は消化管の中で、唯一大動脈と上腸間膜動脈との間を走行する。

・空腸と回腸の系統的走査は困難であるが、概ね左上腹部を中心としてケルクリングの目立つ腸管が空腸(図1)であり、骨盤腔を中心に存在しケルクリングの目立たない腸管が回腸である。

・上行結腸および下行結腸は腹腔内で最も背側、最も外側を上下(頭尾方向)に走行する。

・横行結腸は、腹膜直下を左右方向に走行する。・腹部正中縦断像において、頭側から肝左葉─胃

─横行結腸の順に配列することが多いが、骨盤

腔に達するほど低位を走行することもある。・右側において、腸腰筋を乗り越えて上行結腸に

連続するのが回腸末端、左側において下行結腸に連続するのがS状結腸である。

・直腸は、骨盤腔内で最背側に観察される。・大腸は、特に右側ではハウストラが見られるこ

とが多く、その蠕動をリアルタイムに観察することは少ない。

・小腸は、概ね活発な蠕動が見られる。2)Imaging(観る眼):評価に耐えうる画像を得る これは機器の性能に左右される面も大きいが、現在使用している機器においても少しの工夫で消化管病変がより明瞭に描出されうる。以下に、いくつかのポイントを示す。・ 拡大する:通常の表示レンジは腹腔内全体が描

出されるように設定されており、肥厚したところでせいぜい2cm以下、正常では2〜3mm程度の消化管を評価することは困難である。スクリーニングは通常レンジで行うが、病変を疑った場合には拡大(表示レンジが6〜2cm程度)して説得力のある画像を得るようにする。

・圧迫を上手に用いる:超音波の上級者は例外なく「押し上手」である。圧迫することにより病変に近接する消化管ガス像を排除できるだけでなく、プローブの特性に適したfocus areaに病変を位置させることができる。体位変換も同様の理由で有効である。

・高コントラストにする:ダイナミックレンジやブライトネスは肝臓の画像に合わせて調節することが多いが、消化管の場合は層構造の判定上も高コントラストが望ましく、ダイナミックレンジを狭くし、ブライトネスは低めにすると全体にすっきりした画像が得られる。

・高周波を用いる:薄い消化管壁の構造を観察するためには高周波プローブが適している。正常の虫垂などは通常の低周波コンベクスではその同定が困難である。最近の機器は種々の工夫により高周波であっても比較的良好なペネトレーションを得ることができるため、成人の腹部にも積極的に用いると良い。図2aは、大腸進行癌における3MHzコンベクス、表示レンジ6cmの画像である。これでも拡大した画像で

図1 正常な空腸丈が高く、密に存在するケルクリング襞が描出されている。

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597Vol.38 No.5

あるが、存在診断はかろうじてなされるものの、その質的診断に至っては詳細な検討が困難である。一方図2bは、同一病変の7MHzリニアを用いた画像であるが、粘膜下層が断裂し、進行癌であることがわかる。

・ハーモニックイメージングを用いる:ガスによるサイドローブの軽減に有効であり、例えれば通常のファンダメンタル画像に較べて刷りガラス一枚分の画質差がある。さらに言えば、より純粋にハーモニック信号を得られるpulse subtractionなどの手法を用いた画像が、いわゆるfilter法を用いたそれよりも優れる。

3)Interpretation(診る眼):画像を解析し、診断する 最終的な超音波診断は適切な画像の解釈と疾患に関する深い知識に基づき決定されるが、筆者は従来より、消化管の超音波画像の解釈上重要な点を以下の10のポイントに整理して日々の診断に用いている。①壁肥厚の程度 壁肥厚の程度は、概ね炎症の強さや癌の浸潤範囲を反映する。②異常所見の部位と分布 分布上、限局性の異常は腫瘍や単発性の潰瘍など、びまん性の異常は多くの炎症性疾患やスキル

ス癌などを示唆するものであり、病変がスキップして見られる場合はクローン病の可能性を考える。③層構造 (1)明瞭:粘膜下層が明瞭に描出される。癌であればその浸潤は粘膜下層浅層にとどまることを指し、炎症であれば粘膜下層の浮腫が軽度であることを示唆する。図3に、潰瘍性大腸炎症例におけるS状結腸縦断像を示す。層構造の明瞭な連続性の肥厚を呈している。(2)不明瞭:固有筋層は描出されるが、粘膜から粘膜下層の境界が不明瞭なもの。粘膜下層の浮腫性肥厚が強いことによる場合が多い。(3)消失:層構造が描

図2a 進行大腸癌の横行結腸横断像(3MHzコンベクス)前壁に限局性の壁肥厚が見られるようであるが(矢印)、その性状は不詳であり、また多重反射も多く存在診断も確かとは言えない。

図2b 同症例の7MHzリニアによる像中心に軽度の陥凹を有する限局性の壁肥厚、同部における粘膜下層の断裂が明瞭に描出され、進行癌であることがわかる。

図3 潰瘍性大腸炎のS状結腸縦断像層構造の明瞭な連続性びまん性の壁肥厚を呈する。

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2006 年 5 月598

出されないもの。癌であれば固有筋層に浸潤した進行癌、炎症であれば全層におよぶ激しい炎症を反映する。図4は、クローン病症例における横行結腸の縦断像であるが、層構造の消失した壁肥厚が見られる。また、粘膜下腫瘍においてはその主座の判定が質的診断に必須であることから、層構造の観察は非常に重要である。図5は、胃脂肪腫の超音波像であるが、粘膜下層に主座を置く高エコー腫瘍が描出されている。④エコーレベル 病変のエコー輝度はその組織構築を反映する。すなわち音響インピーダンスの異なる境界が少ない病変ほど低エコーを呈することになり、強い浮腫を呈する炎症や間質に乏しい腫瘍においてはよ

り低エコーとなる。図6は、回腸バーキットリンパ腫症例における回腸末端の縦断像であるが、エコーレベルの低い限局性壁肥厚を呈している。図7は、SLE腸炎の症例における回腸の縦断像であるが、粘膜下層浅層は強い浮腫により著明な低エコーを呈している。

図4 クローン病の横行結腸縦断像肝彎曲寄りに、層構造の消失した著明な壁肥厚が描出されている。ただしクローン病の場合は、その活動性により層構造や厚みは大きく変化する。

図5 胃脂肪腫粘膜下層内に主座を有する、境界明瞭で輪郭の平滑な高エコー腫瘍が描出されている。この程度の画像が得られれば、穿刺を目的としない超音波内視鏡検査の必要はないと言える。

図6 回腸バーキットリンパ腫における回腸末端縦断像回盲弁辺りの回腸末端に、限局性の壁肥厚が描出されている。内部エコーは、ほぼ均一で著明な低エコーを呈している。

図7 SLE腸炎における回腸縦断像粘膜下層浅層に著明な浮腫が見られている。造影超音波では同部の染影は得られなかったことからも、リンパ濾胞の腫大ではなく水腫であることが強く示唆された。

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⑤壁外の変化 壁外への腫瘍浸潤や炎症波及により、周囲脂肪織は肥厚して病変をより際立たせるが、我々はこれをisolation signと呼んでいる。従ってisolation signの見られる病変はより強い炎症、漿膜外へ浸潤した腫瘍を疑う根拠となる。図8は、上行結腸憩室炎症例であるが、憩室周囲の脂肪織が著明に肥厚している。⑥蠕動の状態 消化管の血流障害、癌の固有筋層への浸潤、強い炎症などにより蠕動は減弱する。特に腸閉塞症例での蠕動の低下は、絞扼性を示唆する重要な所見である。⑦壁の硬さ プローブによる圧迫に伴う可変性に乏しい場合をコンプレッシビリティが低下していると表現し、飲水あるいは蠕動に伴う内容物の移動に際して壁の伸展性に乏しい場合をコンプライアンスが低下していると表現するが、いずれも進行癌や強い線維化などで見られる所見である。⑧内腔の拡張、狭小化 内腔の拡張は著明な蠕動低下や遠位側の狭窄病変の存在、特殊な場合では粘液などの貯留を、内腔の狭小化は癌の浸潤や線維化による局所のコンプライアンスの低下、あるいは壁外からの圧迫を示唆する。図9は、虫垂粘液嚢腫の症例であるが、虫垂は腫大し、内腔に粘液の貯留を見る。

⑨壁の変形 粘膜面の変形として代表的なものに潰瘍による壁欠損がある。漿膜面の変形は癌の漿膜外への浸潤や炎症の壁外への波及を示唆する。図10に、穿通性十二指腸潰瘍症例の十二指腸球部縦断像を示す。壁は大きく欠損し、断裂している。⑩血流 ドプラでは比較的太いレベルの血管が描出され、その形態や血流波形の分析が病変の鑑別に役立つ。さらに造影剤静注下の間欠送信を用いた壁内微細血流の評価は、腫瘍の性状の判定、炎症の

図8 上行結腸憩室炎粘膜下層を中心とする壁肥厚、糞石を内包する憩室、憩室周囲脂肪織の著明な肥厚が描出されている。

図9 虫垂粘液嚢腫における虫垂縦断像虫垂開口部から途中までは壁、内腔とも正常であるが、先端寄りには内腔の著明な拡張が見られる。壁の層構造は正常で炎症を示唆する所見がないことから、虫垂炎に伴う水腫ではなく粘液嚢腫であると考えられる。

図10 穿通性十二指腸潰瘍における十二指腸球部縦断像十二指腸球部前壁の浮腫性肥厚、深い潰瘍による壁欠損と内腔の変形が描出されており、潰瘍は壁を貫通していることがわかる。

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2006 年 5 月600

活動性の把握、腸閉塞における虚血の判定などに有用である。

おわりに

 以上、大まかではあるが消化管の超音波診断

における重要なポイントを述べた。本稿を眼にされた先生方の技量の向上、あるいは消化管超音波に対する偏見の排除に少しでも役立てば幸いである。超音波診断の対象臓器として消化管を加えることは、日常臨床において寄与するところ大と確信している。

 参 考 文 献

1) 春間 賢ほか:消化管超音波診断ビジュアルテキスト. 医学書院, 東京, 2004

2) 畠 二郎:体外式超音波の消化管への応用. 超音波医学, 29(3) : 243-247, 2002

3) 本田伸行ほか:日常診療における消化管超音波診断─腹部食道から直腸まで. メディカル・コア, 東京, 1996

4) 梶山梧朗ほか:消化管と超音波検査. 自然科学社, 東京, 1997

5) 長谷川雄一ほか:腹部画像診断アトラス vol. 3 消化管─超音波からはじまる診断のポイント─. ベクトルコア, 東京, 2000

6) 湯浅 肇ほか:消化管エコーの診かた・考えかた 第2版. 医学書院, 東京, 2004