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1 国土空間データ基盤整備の現状について NPO法人 National Spatial Data Infrastructure Promoting Association http://www.nsdipa.gr.jp

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Page 1: 国土空間データ基盤整備の現状について · 地方自治体(都道府県・市区町村)における統合型GISの導入推進を目的とする「47都 道府県・統合型GISセミナー」を支援する。

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国土空間データ基盤整備の現状について

NPO法人 National Spatial Data Infrastructure Promoting Association

http://www.nsdipa.gr.jp

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1.NSDIPAの概要

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1)NSDIPAとは?

海外情報/統合型GIS/3次元GIS/ 防災GIS/基本法

海外情報/統合型GIS/3次元GIS/ 防災GIS/基本法

会長会長

事務局事務局

理事会理事会

運営委員会運営委員会

専門部会専門部会

会 長:石原信雄(元内閣官房副長官)理事長:相原宏徳(元三菱商事副社長)会 員:GISユーザー&ベンダー目 的:「GISの普及&啓蒙&産業創出」

NSDIPA発足・H7.1.17 阪神淡路大震災

H7.10

NPO法人格取得

H15.5

行政・産業・住民活動における災害・都市計画などの社会の課題を解決するには「空間データ」は不可欠である。

・「空間データ」の整備・流通を促進する活動について、社会に働きかける。・「空間データ」の重要性について国民理解を深めると共に産業経済の振興を図る。

・「空間データ」の整備・流通を促進する活動について、社会に働きかける。・「空間データ」の重要性について国民理解を深めると共に産業経済の振興を図る。

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2)活動内容

(1)GIS官民推進協議会(官民一体のGIS推進)

GIS関係省庁連絡会議発足(H7.9)(22省庁)

NSDIPA設立(H7.10)

経団連GIS-WG(H9.12)

長期計画策定(H8.12)(5年間計画)

GISアクションプログラム(H14.2)2002-2005

GIS官民推進協議会発足(H11.1)(民間事務局:NSDIPA)

GIS官民推進協議会発足(H11.1)(民間事務局:NSDIPA)

各府省へ企画・提案GISに関する委員会参加統合型GISの推進

データ流通データ流通

地図データ品質地図データ品質

クリアリングハウスクリアリングハウス

GIS技術検討GIS技術検討

データ基盤データ基盤

「政府空間データ公開」

「地理情報標準」

「サイバー見本市」NSDIPA「クリアリングハウス」

「。。。。。」

「統合型GIS」の指針

*GIS実証実験( H12.6)・モデル事業、データ流通・全国7地区

*GIS実証実験( H12.6)・モデル事業、データ流通・全国7地区

GISアクションプログラム(H19.3)2010

*普通交付税措置 ( H16年度~)・統合型GISの導入経費

*普通交付税措置 ( H16年度~)・統合型GISの導入経費

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(2)専門部会

①3次元GIS専門部会3次元GISに関連する技術・コンテンツの調査や市場ニーズを取りまとめ、有識者との意見交換会及びセミナー(ワークショップ)を開催する。

②海外情報専門部会海外(欧米やアジア)におけるGISのユニークな利活用方法や最新の技術動向に関するベンダープレゼンテーション実施し、日本における利用の可能性等について意見交換を行う。

③統合型GIS専門部会地方自治体(都道府県・市区町村)における統合型GISの導入推進を目的とする「47都道府県・統合型GISセミナー」を支援する。

④防災GIS専門部会防災GISの現状を調査し、防災におけるGISの活用事例の勉強会通じて意見交換を行い、今後の防災GISの方向性等について検討を行う。

⑤基本法専門部会「地理空間情報活用推進基本法案」の成立後の運用に関し、地方公共団体における基盤地図情報整備を支援し、基盤地図情報や地理空間情報について新たなビジネスに繋がるような施策等の検討を行う 。

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2.国土空間データ基盤整備

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1)GIS官民推進協議会

メンバー構成

政府側 議長内閣官房副長官補

内閣官房内閣審議官総務省大臣官房総括審議官総務省大臣官房技術総括審議官経済産業省商務情報政策局長国土交通省大臣官房技術審議官国土交通省総合政策局長国土交通省国土計画局長国土交通省国土地理院長

民間側 議長国土空間データ基盤推進協議会 理事長

NTTコミュニケーションズ株式会社株式会社NTTデータ鹿島建設株式会社西濃運輸株式会社東海旅客鉄道株式会社東京海上日動火災保険株式会社東京ガス株式会社東京電力株式会社トヨタ自動車株式会社株式会社日立製作所株式会社ファミリーマート富士通株式会社株式会社三井住友フィナンシャルグループ三菱商事株式会社株式会社リクルートの各社副会長、副社長、専務クラス

特別顧問国土空間データ基盤推進協議会会長石原 信雄

平成19年3月15日 第7回GIS官民推進協議会開催・議事:GISアクションプログラム2010(案)について

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2)GISアクションプログラム2010

民間意見を国へ提言(第7回GIS官民推進協議会)

「GISアクションプログラム2010政府案」について以下要望を政府へ提示

①目指すべき社会実現へのスローガンの必要性②GISの国民への浸透③公共測量作業規定見直しにおける民間参入への期待④基盤地図情報整備の更新頻度や精度について⑤図面の電子化の推進とそのデータの基盤地図情報の更新への利用、「共用空間データ」構築支援⑥官が保有する地理空間情報の提供・流通に関する要望⑦国家安全に関する情報公開への配慮の必要性⑧デジタル画像アーカイブセンター設立⑨政府の率先したGIS利用や人材採用⑩ハザードマップ作成の全国整備⑪電子申請・納品の推進⑫GISサービスを利用するためのAPIの標準化と公開⑬GIS普及に向けた国際GIS検索エンジン・アプリケーション開発支援や税制優遇措置⑭衛星リモートセンシングデータの利用促進

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(1)GISアクションプログラム2010の概要

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3)統合型GIS

<目的>①庁内の業務改革と効率化(コストカット)◎行政業務のスピードアップ(イントラ共用地図⇒情報共有)◎行政経営の判断ツール(政策企画・分析評価)ニューヨーク市、ボルチモア市

②住民サービスの向上◎安全・安心な生活(防災・医療福祉)◎快適な生活(生活情報・学校教育)

・・・空間データの整備は手段(日本全土の基盤整備)・・・

メタデータ

共用空間データベース

建物・道路

データ

台帳データ

都市計画業務

個別空間

データ

行政区域筆

境界杭基準点街区

道路中心線道路

車歩道境界線

建物軌道

河川水涯線湖池海岸線

水部構造物標高画像

クリアリングハウス

個別空間データベース

ネ ッ ト ワ ー ク

○○業務

上下水業務 ○○業務道路業務固定資産業務

都市計画主題データ

○○課に△△データ有り

道路・海岸線データ

e

SS

統合型GIS導入

個別型GIS

統合型GIS統合型GIS

固定資産業務、都市計画業務、道路業務、上下水業務 ・ ・ ・個別空間

○○業務

○○業務

総務省資料

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<推進>①政府・・財政負担(特別交付税、普通交付税)②民間(NSDIPA)・・「統合型GISセミナー」47都道府県の各県単位開催

「統合型GIS自治体連絡会議」(各県・GIS担当課長)

<導入実績> 平成17年度

都道府県統合型GIS導入状況(47/47)

導入済; 14; 29.8%

開発中; 2; 4.3%

設計; 1; 2.1%

基本計画; 3; 6.4%事前調査; 16; 34.0%

検討中; 1; 2.1%

未検討; 10; 21.3%

市町村導入状況(1403/1843)導入済; 191; 13.6%

開発中; 44; 3.1%

未検討; 905; 64.5%

検討中・その他; 14;1.0%

事前調査; 204; 14.5%

基本計画; 42; 3.0%

設計; 3; 0.2%

導入済

開発中

設計

基本計画

事前調査

検討中・その他

未検討

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4)地理空間情報活用推進基本法

第16条(基盤地図情報の整備等)国は、基盤地図情報の共用を推進することにより地理情報システムの普及を図るため、基盤地図情報の整備に係る技術上の基準を定めるものとする。

2 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、同項の技術上の基準に適合した基盤地図情報の整備及び適時の更新その他の必要な施策を講ずるものとする。

◆二つ省令と整備に係る技術上の基準

【省令①】基盤地図情報の項目を定める省令行政区域、基準点、道路縁、道路区域界、建物、軌道、河川水涯線、河川区域界、湖池、海岸線、標高、住所といった必要最小限の項目を規定

【省令②】基盤地図情報の位置情報の基準を定める省令基盤地図情報として最低限満たすべき品質を定め、基盤地図情報の位置情報の基準を性能規定(位置正確度、鮮度についてランクを定める)

【技術上の基準】基盤地図情報の整備に係る技術上の基準省令で規定した位置情報の品質を明示する他、製品仕様書の作成や品質検査に関する基準等を規定

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(1)基盤地図情報の整備事業

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3.GISの利用事例

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1)日本の利活用分野

基盤整備 安心安全 生活基盤

犯罪履歴・子供への声かけ情報、交通事故発生状況、携帯端末を使った現在位置情報

バリアフリーマップ、自律歩行支援

店舗位置情報、エリアマーケティング、配送計画、動態管理、トレーサビリティ

観光案内・施設情報

国土

福祉

治安 産業数値地図、国土数値情報

航空写真、衛星写真

都市 観光都市計画情報

建設 医療施設案内・検索、統計調査・解析医療

施設の維持管理、建築確認 地域

市民参加型SNS、webコミュニティー

景観社会的合意形成、シュミレーション

ハザードマップ、防災情報共有プラットフォーム、氾濫解析

防災

環境

農林 娯楽 ゲーム、カーナビ、施設検索

教育地域の課題を地図で表現

社会科の授業

営農管理支援、災害発生時の対策支援、国有林などの維持管理 罹災 震災復興支援、地震災害

情報システム、帰宅支援

生物多様性情報、自然環境情報、海洋調査観測

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2)事例

都市計画情報(兵庫県西宮市) 社会的合意形成(NSDIPA3次元専門部会)基盤整備

安心安全 子供への声かけ情報(千葉県警) 生活基盤 目的地までの経路検索

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3)米国(自治体)の活用例

(1)行政経営へのGISの活用(ボルチモア市)

◇ 米国有数の犯罪多発地区◇ 1999年 マーチン・オマーリ市長就任◇ NY市警のComStat(犯罪統計システム)を応用◇ CitiStatの導入

Citi Statとは・・・市民との対応履歴(誰が、いつ、どうした) 、市職員等からの情報をデータベース(CitiTrack)で一括管理。市長直轄のCitiStatチームが情報をGIS化、分析。毎週行うCitiStat会議で部門長がGISを使って市長にプレゼンテーション。その場で政策判断。

CitiStat会議を市民公開。

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(2)CitiStat会議の様子

「空き家と犯罪の相関関係について」 <警察署長>

署長 「3年間の空き家と犯罪発生場所のデータを重ねてみると、空き家が多い地域で犯罪が発生しているのがはっきりわかります。」

市長 「最近、ウォーターフロントの左右地区で強盗が発生したと聞いたが、この地区の空き家はどうなっているのか?」

署長 「今週から、この地区の空き家見廻りを強化しています。又、 Boarding作業を計画中です。」

CS 「板囲いの効果は出ているのか?」

署長 「板囲いした家の位置と犯罪の発生箇所をプロットしてみると、明らかに板囲いによる効果がわかります。」

市長 「過去のデータはあるか?重ねてみてくれないか。」

CS 「確かに減ってきている。」

市長 「板囲いは徹底して続けてくれ。」

「Boarding効果について」 <警察署長> (以下CS: CitiStatチーム)

※板囲いーーーBoarding.空き家に人が入れないように戸や窓に板を打ち付けること。

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(3)広域行政運営へのGISの活用(プリンス・ウィリアム郡)

ヴァージニア州3番目(人口)の行政区域人口:約28万人 面積:900km2

50~60年代:農業中心 その後商工業が急速に発展

ワシントン郊外のベッドタウン、閑静な住宅街

◇ 20の行政区域(2つの市、4つの町、14の行政区域)のGIS業務を統合して、一つの組織で執行

◇ GIS窓口業務の一本化(建築確認、道路新設、商業施設建設)

◇ GISFACTデータによる目標値管理

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ボルチモア市

① GISによる行政の可視化

・政策判断プロセスの公開と政策判断のスピード化

・GISによる情報の重ね合わせによる分析と解決策

② 情報の一元管理

・情報共有のデータベース

プリンス・ウィリアム郡

① GISを活用した広域・横断的な運用による業務改革

② 徹底した数値的成果管理

「GISを使わないで仕事になるのか? GISはWordやExcelと同じ。」

(4)米国でのGISの利用目的

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ご清聴ありがとうございました。

ご参考。。。

NSDIPA : http://www.nsdipa.jp

統合型GISポータルサイト: http://www.gisportal.jp