「学び確認テスト」分析支援システムの開発...2...

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平成27年度(2015年度) 情報教育に関する研究Ⅱ 「学び確認テスト」分析支援システムの開発 -児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実と学習意欲の向上を目指して- 内容の要約 キーワード 「学び確認テスト」 「ガッテン!!プリント」 G コンパス」 個に応じた指導の充実 学習意欲の向上 PDCA サイクルの確立 滋賀県総合教育センター 滋賀県総合教育センター Ⅰ 主題設定の理由 Ⅱ 研究の目標 Ⅲ 研究の仮説 Ⅳ 研究についての基本的な考え方 1 「学び確認テスト」分析支援シ ステムの必要性 2 「学び確認テスト」分析支援シ ステムのコンセプト 3 四つの特性を持つシステム 4 付属資料 Ⅴ 研究の進め方 1 研究の方法 (1) (1) (2) (2) (2) (2) (2) (4) (5) (5) 2 研究の経過 Ⅵ 研究の内容とその成果 システム活用と一年間の指導の流 2 「G コンパス」のシステム概要 利用マニュアルと操作ガイドの作 4 「読込フォルダ」の開発 Ⅶ 研究のまとめと今後の課題 1 研究のまとめ 2 今後の課題 文 献 (5) (5) (5) (6) (11) (11) (12) (12) (12) 全国学力・学習状況調査の結果から、滋賀県の児童生徒は、授業時間以外 での学習時間が少ないこと、基礎的・基本的な知識・技能が十分に定着して いないことが明らかにされた。これらの課題を改善するため、本県では「学 び確認テスト」と「学び直しプリント(ガッテン!!プリント)」が作成された。 本研究では、これらをこれまでより効果的に活用することができる「学び確 認テスト」分析支援システム(「G コンパス」)を開発した。この開発によっ て、教員の指導に役立つ分析資料が作成でき、学年全体・学級ごと、児童生 徒一人ひとりの課題に応じた「ガッテン!!プリント」を示すことができた。

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Page 1: 「学び確認テスト」分析支援システムの開発...2 「学び確認テスト」分析支援システムのコンセプト 本研究で開発する「学び確認テスト」分析支援システムは、「F

平成27年度(2015年度) 情報教育に関する研究Ⅱ

「学び確認テスト」分析支援システムの開発

-児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実と学習意欲の向上を目指して-

内容の要約

キーワード

「学び確認テスト」 「ガッテン!!プリント」 「G コンパス」

個に応じた指導の充実 学習意欲の向上 PDCA サイクルの確立

目 次

滋賀県総合教育センター

滋賀県総合教育センター

Ⅰ 主題設定の理由

Ⅱ 研究の目標

Ⅲ 研究の仮説

Ⅳ 研究についての基本的な考え方

1 「学び確認テスト」分析支援シ

ステムの必要性

2 「学び確認テスト」分析支援シ

ステムのコンセプト

3 四つの特性を持つシステム

4 付属資料

Ⅴ 研究の進め方

1 研究の方法

(1)

(1)

(2)

(2)

(2)

(2)

(2)

(4)

(5)

(5)

2 研究の経過

Ⅵ 研究の内容とその成果

1 システム活用と一年間の指導の流

2 「G コンパス」のシステム概要

3 利用マニュアルと操作ガイドの作

4 「読込フォルダ」の開発

Ⅶ 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

2 今後の課題

文 献

(5)

(5)

(5)

(6)

(11)

(11)

(12)

(12)

(12)

全国学力・学習状況調査の結果から、滋賀県の児童生徒は、授業時間以外

での学習時間が少ないこと、基礎的・基本的な知識・技能が十分に定着して

いないことが明らかにされた。これらの課題を改善するため、本県では「学

び確認テスト」と「学び直しプリント(ガッテン!!プリント)」が作成された。

本研究では、これらをこれまでより効果的に活用することができる「学び確

認テスト」分析支援システム(「G コンパス」)を開発した。この開発によっ

て、教員の指導に役立つ分析資料が作成でき、学年全体・学級ごと、児童生

徒一人ひとりの課題に応じた「ガッテン!!プリント」を示すことができた。

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平成27年度(2015年度) 情報教育に関する研究Ⅱ 研究構造図

学 習 意 欲 の 向 上

◇ 授業時間以外での学習時間が少ない ◇ 学年ごとの基礎的・基本的な知識・技能の定着が十分でない

(平成26年度全国学力・学習状況調査結果、第3回公表より、滋賀県教育委員会)

学 び に 関 す る 課 題 を 把 握 するために作成された問題

学 び の 定 着 を 図 る こ と を 目的に作成された学習教材

よ り 効 果 的 な 活 用 を 目 指 し て

学年全体・学級ごとの特徴・傾向が把握できる分析資料

自校(学年全体・学級ごと)の強みや弱みが一目瞭然!!

領域・問題形式ごとに正答・誤答・無答の状況がレーダーチャートで把握できる!!

児童生徒一人ひとりの特徴・

傾向が把握できる分析資料

ランキング表やグラフで、児童生徒一人ひとりが自分の強みや弱みを把握できる!!

「G」賞も作成できる!!

個 に 応 じ た 指 導 の 充 実

ランキング表やグラフ、一覧表から、児童生徒一人ひとりが自分の強みや弱みを把握できる!!

この他にもいくつかの分析資料が あり、様々な角度から、児童生徒の分析が可能になります!!

弱み順に並べた一覧表とそれに 対応した「ガッテン!!プリント」で課題の克服に役立つ!!

児童生徒の学びの確認!! 教員の多忙化の軽減!!

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情報教育に関する研究Ⅱ

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情報教育に関する研究Ⅱ

「学び確認テスト」分析支援システムの開発 ―児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実と学習意欲の向上を目指して―

Ⅰ 主 題 設 定 の 理 由

滋賀県教育委員会は、平成26年度全国学力・学習状況調査結果において、授業時間以外で、1日当た

り1時間以上勉強すると答えた児童生徒が、同年度の全国の割合ならびに平成25年度の本県の割合を下

回っていることを明らかにしている。また、同調査の設問ごとの結果分析において、主に知識を問う A

問題で、学年ごとに身に付けておかなければならない基礎的・基本的な知識・技能が十分に定着してい

ないことも指摘している。このような状況を受け、滋賀県総合教育センターは、平成26年度に「学び確

認テスト」i)と「学び直しプリント」(以下、「ガッテン!!プリント」ii)とする)を作成した。各校では、

これらを活用して、児童生徒の課題を把握できるようにするとともに、学習する時間と機会を充実させ、

基礎的・基本的な知識・技能の定着を目指す取組が進められている。さらに、滋賀県教育委員会は「学

ぶ力向上 滋賀プラン」(平成27年3月)を示し、各校が授業改善に取り組んだり、補充的な学習の機会を

設けたり、家庭での学習時間を増やしたりして学習状況の改善のための PDCA サイクルの確立を目指す

よう働きかけている。

しかし、これらの取組は始まったばかりであり、PDCA サイクルの確立については、各校が独自に模

索しながら進めている。また、「学び確認テスト」のテスト結果の活用方法やその後の取組、「ガッテン!!

プリント」の活用は、各校・教員に委ねられている状況にある。このようなことから、「学び確認テスト」

実施後、児童生徒の特徴・傾向を明確に示し、課題に応じた「ガッテン!!プリント」を把握できるシス

テムを構築することは、学びの定着に大変有益であると考えられる。

本研究では、各校での円滑な PDCA サイクルの確立に役立つよう、「学び確認テスト」分析支援シ

ステムを開発する。「学び確認テスト」から容易に分析資料が作成でき、なおかつ、児童生徒の課題

に応じた「ガッテン!!プリント」を示すことができるようにする。このことにより、個に応じた指導を

充実させ、児童生徒の学習意欲を高められると考え、本主題を設定した。

Ⅱ 研 究 の 目 標

「学び確認テスト」のテスト結果から、学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひとりの特徴・傾向が明

確に把握でき、児童生徒一人ひとりの課題に応じた「ガッテン!!プリント」を示すことができる「学び

確認テスト」分析支援システムを開発する。

「学び確認テスト」分析支援システムを開発することで、個に応じた指導の充実を図り、児童生

徒の学習意欲の向上を目指す。

i) 児童生徒の学力の状況などを把握し、一人ひとりの課題を明確にすることを目的に作成された問題である。平成27年11月から「つ

まずき診断テスト」より改称された。

ii) 学びの定着を図ることを目的に作成された学習教材である。

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情報教育に関する研究Ⅱ

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Ⅲ 研 究 の 仮 説

「学び確認テスト」分析支援システムの開発により、教員は、個に応じた指導を充実させ、授業改

善などに取り組むことができるだろう。また、児童生徒は、具体的な自己の特徴・傾向を把握できると

ともに、分析結果に基づいて示された「ガッテン!!プリント」に繰り返し取り組むことで、課題の克服

も可能になるだろう。

Ⅳ 研究についての基本的な考え方

1 「学び確認テスト」分析支援システムの必要性

全国学力・学習状況調査が実施されて以来、多くの都府県が、独自に、学力に関する調査を行って

いる。滋賀県でも昨年度から「学び確認テスト」が実施されている。その対象は、小学校3~5年生、

中学校1・2年生の児童生徒で、実施の有無については各学校に委ねられていた。今年度は、滋賀県

内の全ての公立小学校3~6年生、中学校1・2年生の児童生徒が対象となり、より多くの児童生徒・

教員が「学び確認テスト」に関わることとなる。教員が、児童生徒の学びの定着を把握・分析し、課

題解決のために指導を工夫したり、授業改善を行ったりすることは大変重要である。しかし、教員の

多忙化が叫ばれている中、「学び確認テスト」の分析資料を作成し、改善策を模索するためには大変

な労力と時間を要する。

一方、本県には、各校で活用されている「F コンパス」i)があり、全国学力・学習状況調査の調査結

果から、容易に児童生徒の分析資料が作成できる。しかし、「学び確認テスト」のテスト結果から学

びの定着の状況を容易に把握できるシステムはない。そこで、「学び確認テスト」の実施後、直ちに

児童生徒の学びの定着を把握できるような「学び確認テスト」分析支援システムを開発することが必

要であると考える。

「F コンパス」や「学び確認テスト」分析支援システムを活用することによって、個に応じた指導

を充実させ、学びの定着を見取ることにつなげることができるだろう。また、「学び確認テスト」分

析支援システムを開発することによって、教員の多忙化を軽減することができ、一年を通して、各校

での PDCA サイクルの確立に役立つと考える。

2 「学び確認テスト」分析支援システムのコンセプト

本研究で開発する「学び確認テスト」分析支援システムは、「F コンパス」のように分析資料が作成

でき、さらに、児童生徒の課題に応じた「ガッテン!!プリント」が示されるシステムとする。また、

「F コンパス」を活用し、「学び確認テスト」で、各校が取り組んだ指導の工夫や授業改善についての

効果の検証に役立てることができるシステムとする。

以上のように、「F コンパス」を次の段階にステップアップさせたシステムであることや、本研究の

キーワードである「ガッテン!!プリント」、「学習意欲の向上」の頭文字が「G」であることから、「学

び確認テスト」分析支援システムを「G コンパス」と名付ける。

3 四つの特性を持つシステム

「G コンパス」は、次のページから示す四つの特性を持つシステムとする。

i) 平成 24年度情報教育に関する研究Ⅰ(滋賀県総合教育センター)において開発した研究成果物である。

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(1) 多くの教員が活用できるシステム

「F コンパス」は、全国学力・学習状況調査の調査結果を入力し、操作手順に従って各ボタンを

クリックするだけの容易な操作で、分析資料が作成できるシステムである。

「G コンパス」は、「F コンパス」と同様の操作方法・資料構成とする。このことで、「F コンパ

ス」の操作方法や活用の仕方を参考にすることができ、より多くの教員が、容易に「G コンパス」

を活用できるようになる。これらの結果、分析結果の考察やその後の取組をスムーズに進められ、

各校での PDCA サイクルの確立に役立てることができるようになると考える。

(2) 児童生徒の強みや弱みが把握できるシステム

「学び確認テスト」には、図1のような解答一覧表がある。この解答一覧表には、正答例のほか、

設問ごとに解答形式(選択・短答・記述)、出題のねらい、領域、学習指導要領(の内容)などが掲載

されている。教員はこの解答一覧表を見て、児童生徒の特徴・傾向を分析する。しかし、解答一覧

表と児童生徒の答案用紙を照らし合わせ確認するだけでは、学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひ

とりについての具体的な強みや弱みを把握することは難しい。「学び確認テスト」のテスト結果を効

果的に活用するためには、指導の工夫や授業改善を見据えた分析が不可欠である。

そこで、「G コンパス」では、学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひとりの強みや弱みを示し、指

導の工夫や授業改善に役立つ分析資料を提示できるようにする。

(3) 課題に応じた「ガッテン!!プリント」が表示されるシステム

「ガッテン!!プリント」は朝の学習や授業、宿題な

ど様々な場面で活用できる。しかし、これらの学習場

面において、教員は、一律に同じ「ガッテン!!プリン

ト」を選んで取り組ませたり、児童生徒は、自らの課

題に相応しない「ガッテン!!プリント」を選んで取り

組んだりする場合があると考えられる。より効果的に

活用するためには、児童生徒が、自らの課題を明確に

把握し、その課題を克服するために必要な「ガッテン!!

プリント」に取り組むことが重要であると考える。

自らの課題とその課題を克服するための目標を把握

し、繰り返し取り組むことにより、「できなかったこと

ができるようになった」と思えるようになる。このことが、学習意欲の向上につながると考える。

図2 従来の「ガッテン!!プリント」を取得

するまでの作業手順

解答一覧表と答案用紙から、児童生徒の課

題・「弱み」を検討する

「学び確認テスト」との対応表をダウンロー

ドする

答案用紙と「学び確認テスト」との対応表

を照らし合わせ、必要な「ガッテン!!プリ

ント」の番号をメモなどに書き記す

必要な「ガッテン!!プリント」をダウンロー

ドする

図1「学び確認テスト」解答一覧表(小学校3年生,国語)

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3ページの図2に、従来の「学び確認テスト」を採点してから「ガッテン!!プリント」を取得す

るまでの作業手順を示した。これまでは、学級担任や教科担任が、「学び確認テスト」解答一覧表(p.3

の図1)と「学び確認テスト対応表」(図3)を照らし合わせ、児童生徒一人ひとりについて課題を分

析し、課題に応じた「ガッテン!!プリント」を選び出す作業を行っていた。この作業手順では、テ

スト結果から課題を探し出し、「ガッテン!!プリント」を選び出すために多くの労力と時間を要する

ことになる。また、答案用紙と「ガッテン!!プリント」対応表を照らし合わせるだけでは、「どの領

域」「どの内容」が苦手なのか、直ちに克服させたい課題は何か、どこが「弱み」なのかを詳しく把

握することは難しい。そこで、これらの課題を解決するために、「G コンパス」を活用する。

図4に、「G コンパス」で「ガッテン!!プリント」を

取得するまでの作業手順を示した。容易な操作手順で、

学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひとりの特徴・傾

向を明らかにし、児童生徒に取り組ませたい「ガッテ

ン!!プリント」が表示できる。このことで、児童生徒

に明確な目標を持たせ、時機を逸することなく、意欲

的に学習に取り組む機会を設定することができるよう

になると考える。

(4) 汎用性のあるシステム

「学び確認テスト」や「ガッテン!!プリント」は、今後の教育に関する動向、児童生徒の様々な

課題によって、教科の追加や内容の変更があると考えられる。これらに対応できるよう汎用性のあ

るシステムの開発を目指す。

4 付属資料

「G コンパス」を活用するにあたり、以下の二つの資料を作成する。

(1) 利用マニュアル

「G コンパス」の操作手順や特性を記載した利用マニュアルを作成する。入力方法から分析資料

の作成方法や分析資料の特徴などを記載する。

図4「Gコンパス」で「ガッテン!!プリント」

を取得するまでの作業手順

「Gコンパス」の活用によって、

☆学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひとり

の の特徴・傾向を示す分析資料

☆学年全体・学級ごと、児童生徒一人ひとり

に に応じた「ガッテン!!プリント」の番号

この2つが自動的に表示される

必要な「ガッテン!!プリント」をダウンロ

ードする

「G コンパス」をダウンロードする

図3 「学び確認テスト」対応表(小学校3年生,国語)

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情報教育に関する研究Ⅱ

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(2) 操作ガイド

学級担任や教科担任が、直ちに操作できるよう利用方法を簡略化した操作ガイドを作成する。「学

び確認テスト」のテスト結果の入力から、分析資料を作成するまでの操作方法を中心に、多くの図

を用いて、見やすく、分かりやすくする。

Ⅴ 研 究 の 進 め 方

1 研究の方法

(1) 「F コンパス」をもとに、全国学力・学習状況調査結果からデータを集約する方法、分析資料を

作成する仕組みを分析し、「G コンパス」の構成を検討する。

(2) 「学び確認テスト」に合わせ、小学校3年生から6年生、中学校1・2年生の国語・算数(数学)・

理科の3教科と、その3教科を総合的に分析できる「G コンパス」《試用版》を開発する。

(3) 「G コンパス」《試用版》の問題点や課題点を探り、新たに作成された「学び確認テスト」「ガッ

テン!!プリント」の内容に応じた「G コンパス」《完全版》を開発する。

(4) 「G コンパス」の構成や操作手順、分析資料の特徴などを示す利用マニュアルと、「学び確認テス

ト」のテスト結果から、分析資料を作成するまでの操作手順を簡潔に示した操作ガイドを作成する。

(5) 各校の学年ごとに算出された正答率や無答率についてのデータを集約するツールを開発する。

(6) (5)で集められた各校のデータを市町ごとに集約できる仕組みを開発する。

2 研究の経過

4月

5~7月

7月

7~10月

10~11月

11~12月

研究構想、推進計画の立案

「G コンパス」《試用版》の開発

第1回専門・研究委員会(研究構想、計画)

「G コンパス」の再構築

第2回専門・研究委員会

「G コンパス」《完全版》の検討・開発

「G コンパス」《自校採点データ入力版》・

あ 《1次版》の公開

12月

1月

2月

3月

研究紀要原稿執筆

研究発表大会の準備

研究発表大会

「G コンパス」《完全版》の公開

研究のまとめ

次年度研究構想

Ⅵ 研 究 の 内 容 と そ の 成 果

1 システム活用と一年間の指導の流れ

図5に、学びの定着を図る一年間の指導の流れを示した。この図のように、各校が「F コンパス」

や「G コンパス」を活用して、継続的に PDCA サイクルを回すことによって、児童生徒に学びの定着

を図る。

図5 一年間の指導の流れ

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2 「G コンパス」のシステム概要

「G コンパス」は、「学び確認テスト」のテスト結果が

入力されたファイルを分析用のフォルダに移動し、ボタ

ンをクリックするだけで、容易に分析資料が作成できる

システムである。

また、「G コンパス」は、「学び確認テスト」の実施時

期やテスト結果の集約時期で、必要とするファイルが異

なるため、図6のように3段階で公開する。

「G コンパス」《自校採点データ入力版》には、「学び

確認テスト」のテスト結果を入力するファイルとそれを

集約するファイルがある。「G コンパス」《1次版》には、

自校(学年全体・学級ごと)のテスト結果のみで分析資料

が作成できるファイルがある。「G コンパス」《完全版》

には、《1次版》よりも詳しい分析資料と課題に応じた

「ガッテン!!プリント」が分かる分析資料が作成できるファイルがある。

これらのファイルを、それぞれの目的ごとに、「入力サポートツール」「教科分析ツール」「全体把

握ツール」「集計ツール」と呼び、以下のような機能を持たせた。

(1) 「入力サポートツール」《自校採点データ入力版》

分析資料を作成するための基礎データを扱う最も重要な役割を担うのが入力サポートツールで

ある。自校採点用ファイルとも呼び、学級担任や教科担任などが「学び確認テスト」のテスト結果

を入力するための専用ファイルである。

この入力サポートツールは、「TOP」「国語」「算数(数学)」「理科」「集計データ」の五つのシート

で構成されている。

「学び確認テスト」のテスト結果を、各教科のシートに数字キー「1」「2」「3」で入力し、確

定ボタンをクリックする。この操作だけで、数字「1」「2」「3」が、記号「○」「×」「-」に変

換される(図7)。

図6 3段階のダウンロードで手にするフォル

ダとファイル

図7 電子データに変換された入力サポートツール、「国語」シートの画面

データ入力画面 変換後の電子データ

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情報教育に関する研究Ⅱ

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各教科のシートに入力したデータは、「集計デー

タ」シートの「設問ごとの正答率・誤答率・無答

率」を示す表(図8)や、「正答数・無答数ごとの児

童生徒の割合」を示す表に反映される。

このように、《自校採点データ入力版》の「入力

サポートツール」で、《1次版》《完全版》の公開

を待たずに、自校(学年全体・学級ごと)の児童生

徒の解答状況を把握できる。

(2) 「教科分析ツール」《1次版》《完全版》

自校採点用ファイルを用いて、児童生徒の特

徴・傾向を示す分析資料を作成できるツールが教

科分析ツールである。「国語」「算数(数学)」「理科」

のファイルがあり、教科ごとに分析資料が作成で

きるのが特徴である。

各教科とも「TOP」「Data」「学年・学級資料」

「個人資料」「賞状」の五つのシートで構成されて

おり、《1次版》《完全版》でダウンロードできる。

《完全版》では、各校が作成した《自校採点デ

ータ入力版》を集約したデータが反映され、滋賀

県内の児童生徒の解答状況と比較でき、学年全

体・学級ごと、児童生徒一人ひとりの強みや弱みを示す分析資料が作成できる。

教科分析ツールは、図9のように、「TOP」シートに掲載している手順(STEP)に従って、必要な

項目を入力し、ボタンをクリックするだけで以下の分析資料が作成できる。

ア 学年全体・学級ごとに特徴・傾向が把握できる「学年・学級資料」

「学年・学級資料」シートでは、「正答数ごとの分布率」「設問ごとの正答率」「学年・学級の

弱みから取り組ませたい『ガッテン!!プリント』がわかる一覧表」など五つの分析資料が作成で

きる。

図10は、《完全版》の教科

分析ツールで作成できる「正

答数ごとの分布率」「設問ごと

の正答率」を示す分析資料で

ある。《1次版》の教科分析ツ

ールでは、滋賀県内の児童生

徒の解答状況と比較するグラ

フは作成できないが、自校に

おいて、どの学力層の児童生

徒が多いのか、どの設問でつ

まずいている児童生徒が多い

のかを把握することができ

る。

図10 正答数ごとの分布率と設問ごとの正答率を示す分析資料

設問を変えるボタン 左のボタンをクリックすると設問が変わる

図8 「集計データ」シートに表示されるデータの一部

図9 ボタンの内容と「TOP」シート画面

(小学校3年生,算数)

STEP3 テスト結果を分析し、集約

する

STEP1 学校名・調査実施人数の入

力を促す

STEP2 入力サポートツールからテ

スト結果を読み込む

STEP4 「学年・学級資料」シート

へ移動する

「個人資料」シートへ移動

する

各ボタンの内容

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また、7ページの図10の下段に「学び確認テスト」の設問が表示されるセル(枠)を設けた。左

端に作成したボタンを操作することで、1問ずつ、設問の内容が確認できる。

図11は、「学年・学級の

弱みから取り組ませたい

『ガッテン!!プリント』が

わかる一覧表」である。こ

の一覧表は、設問ごとに、

自校(学年全体・学級ごと)

の正答率から滋賀県内の

平均正答率を引き、負の差

が大きかった順に上から

下へと表示されるように

している。上部にある「設

問番号」「問題の内容」ほど、自校(学年全体・学級ごと)の児童生徒の間違っていた割合が高い

ことを示している(このことを本システムでは、その集団にとっての課題・「弱み」としている)。

また、一覧表の右に、その課題・「弱み」を克服するための「ガッテン!!プリント」の番号を

表示させた。このことで、自校の児童生徒に、どの「ガッテン!!プリント」を取り組ませればよ

いかを一目で分かるようにした。ここに表示された「ガッテン!!プリント」を繰り返し取り組ま

せることで、特に、基礎的・基本的な知識・技能の定着が十分でない児童生徒への支援につなぐ

ことができる。

この他、自校 (学年全

体・学級ごと)の児童生徒

の正答率・誤答率・無答率

を示すレーダーチャート

(図12、左上)、自校(学年

全体・学級ごと)の正答率

と滋賀県内の児童生徒の

平均正答率を比較できる

レーダーチャート(図12、

右上)がある。さらに、問

題形式や領域ごとに強み

や弱みが分かる横棒グラ

フ(図12、下段)などの分析

資料があり、視覚的に特

徴・傾向が把握できるよう

にしている。なお、下段の六つの横棒グラフには、プルダウンメニューを設定しており、注目し

たい領域や問題形式を選択して、その状況が確認できるようにしている。

このように、「学年・学級資料」シートに示された様々な分析資料を活用することで、自校(学

年全体・学級ごと)の課題を探り、指導の工夫や授業改善に向けての取組を直ちに進めることが

できると考える。

図11 学年・学級の弱みから取り組ませたい「ガッテン!!プリント」が

わかる一覧表(平成26年度版,小学校3年生,算数)

図12 自校(学年全体・学級ごと)の「強み」、「弱み」を表す分析資料

項目別解答状況(左)と項目別正答率(右)

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情報教育に関する研究Ⅱ

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イ 児童生徒一人ひとりの特徴・傾向が把握できる「個人資料」

(ア) 「個人資料」の構成

児童生徒一人ひとりの特徴・傾向を示しているのが「個人資料」シートである。

「個人資料」シートには、「問題形式のランキング表」「領域別のランキング表」「あなた(個

人資料に示された児童生徒)の正解数と滋賀県全体の正答率」を確認できるグラフ、「あなた(個

人資料に示された児童生徒)が正解した問題と滋賀県全体の正答率」が確認できるグラフ、課題

に応じた「ガッテン!!プリント」が分かる表などの分析資料がある。

図13は、「個人資料」シー

トの上半分を示す図であ

る。図13の左上にある学

年・学級・ID(出席番号)を

示す番号で個人を特定した

後、決定ボタンをクリック

するだけで、該当する児童

生徒の分析資料を作成でき

る。

「問題形式・領域別のラ

ンキング表」は、「個人資料」

シートに示された児童生徒

の正解数と県内の児童生徒

の平均正答率から、一人ひとりの強みや弱みを示せるようにした。また、「領域別ランキング表」

は、学年・教科・「学び確認テスト」の内容によって、表示する内容を変更している。児童生徒

の発達段階、教科の特性などに合わせて表示する内容を変えたことで、「個人資料」シートを手

にした児童生徒が、具体的かつ明確に自己の特徴・傾向をとらえることができるようにした。

図14は、「個人資料」シー

トの下半分を示す図であ

る。同じく図14の中央には、

「個人資料」シートに示さ

れた児童生徒の弱みを上か

ら順に並べた表がある。こ

の表は、「個人資料」シート

に示された児童生徒が間違

った設問を基準値「0」と

し、基準値「0」からその

設問と同じ設問の滋賀県内

の児童生徒の平均正答率を引き、負の差が大きかった順に上から示している。また図14の下に

は、滋賀県全体の正答率が低かった順に上から並べた表がある。これらの表から、児童生徒は、

どの設問が苦手だったのか、どのような設問に多くの人が間違っていたのかを把握できるよう

にした。また、その表の右側には、それぞれの設問について、課題の克服につながる「ガッテ

ン!!プリント」の番号を表示させた。これらのことから、児童生徒に、課題を克服するための

学習目標を立てさせたり、自主的な学習を促したりすることにつなげられる。

図13 「個人資料」シート(上半分)

図14 「個人資料」シート(下半分)

切り取り線

印刷ボタン

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情報教育に関する研究Ⅱ

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(イ) 「個人資料」の効果的な利用方法

「個人資料」シートには、9ページの図14の上

部に切り取り線、表の右端に確認欄を設けている。

この「個人資料」シートを切り取り、ノートなど

に貼り付け、課題の確認や復習に活用できるよう

にした。また、「賞状」シートに「G」(ガッテン)

賞(図15)を作成した。「個人資料」シートには印刷

ボタンを設け、これをクリックすると、容易に「G」

賞が印刷できる。全ての「ガッテン!!プリント」

に取り組んだという証に、この賞状を手渡すことで、児童生徒の達成感につなげることもでき

る。

(3) 「全体把握ツール」《完全版》

各学年で作成した各教科の教科分析ツールの結果を集約し、学年全体・学級ごとに強みや弱みを

示す分析資料を作成することができるツールが全体把

握ツールである。

全体把握ツールは、「TOP」「Data」「学年・学級資料」

の三つのシートで構成されている。

「TOP」シートに掲載している手順に従って、必要

事項を入力し、読込ボタンをクリックすると、三つの

教科分析ツール内から分析に必要なデータを読み込

み、3種類の分析資料が作成できる。

一つ目は、国語・算数(数学)・理科の教科分析ツー

ルから、教科・領域を統合して強みや弱みを比較する

ことができるレーダーチャートである(図16)。県内平

均を基準値「0」とし、基準値を上回れば(外側に大きくなれば)強みとし、下回れば(内側に小さ

くなれば)弱みとして表した。

二つ目は、教科・領域ごとに強みや弱みが分かる横棒グラフである。教科分析ツールにある「学

年・学級資料」シートと同様、プルダウンメニューから

着目したい内容が選択でき、視覚的に滋賀県内の児童

生徒の平均正答率と比較したグラフを見ることができ

る。

三つ目が、三つの教科・領域をランキング表とグラ

フにした資料である(図17)。数値とグラフから一目で

自校(学年全体・学級ごと)の強みや弱みを把握できる

ようにした。

これらの分析資料を活用して、児童生徒の実態や状

況について話合い、それぞれの学習状況を改善するための取組を模索することができる。

(4) 各学年の分析資料を集約する「集計ツール」

《自校採点データ入力版》で作成した入力サポートツールを利用して、提出用集計データファイ

ルを作成できるツールが集計ツールである。

図15 各教科ツールにある「G」(ガッテン)賞

図16 教科・領域を比較できるレーダーチャート

自校の強み

自校の弱み

図17 教科・領域別ランキング表とグラフ

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これまで、比較する基準となるデータがなく、自校の強みや弱みを示すことができなかった。こ

の提出用集計データファイルを作成したことで、滋賀県全体の解答状況に関するデータを集約する

ことが容易になった。

この提出用集計データファイ

ルは、図18のように、集計ボタン

をクリックするだけの操作で、入

力サポートツールの「集計データ」

シートで作成された各教科の「設

問(通し番号)ごとの正答率」「正解

した人の割合」「設問(通し番号)

ごとの無答率」「無答だった人の割

合」についてのデータがコピーさ

れる。各校は、この提出用集計デ

ータファイルを各校が所属する教

育委員会に送り、これらが後日集

約され、滋賀県内の児童生徒の平均正答率・設問ごとの正答率となって「G コンパス」《完全版》に

反映される。

3 利用マニュアルと操作ガイドの作成

(1) 利用マニュアルの作成

利用マニュアルは、20ページで構成されており、「G コンパス」の構成、各ファイルの作成方法、

それぞれのファイルで作成でき

る分析資料の特徴を詳細に記載

している。

(2) 操作ガイドの作成

図19のように、学級担任や教

科担任が、分析資料を作成する

際の手順のみを9ページにまと

めた操作ガイドを作成すること

ができた。

4 「読込フォルダ」の開発

これまで「学び確認テスト」の分析結果から自校の児童生徒の強みや弱みを示すことができる具体

的な基準はなかった。

そこで、その基準を算出するためのシステムとして「読込フォルダ」を開発した。各校が作成した

提出用集計データファイルを市町ごとに集約し、滋賀県内の児童生徒の平均正答率を算出し、各校の

強みや弱みを示すことができる「G コンパス」《完全版》に反映させている。

図19 操作ガイド内のページ

図18 提出用集計データファイル(小学校用)

集計ボタン

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Ⅶ 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

(1) 教員にとって、個に応じた指導の充実や授業改善につなげることができるシステムを開発するこ

とができた。

(2) 児童生徒が、自己の課題を把握し、その課題の解決に役立てられるシステムを開発することがで

きた。

(3) 「G コンパス」の幅広い活用を目指す利用マニュアルや操作ガイドが作成できた。

(4) 「学び確認テスト」のテスト結果から滋賀県内の児童生徒の平均正答率を集約する「読込フォル

ダ」を開発することができた。

(5) 「G コンパス」を開発したことによって、各校での学びの定着に関する研修を充実させる見通し

を持つことができた。

2 今後の課題

(1) 汎用性を求めたシステムではあるが、滋賀県の児童生徒の課題、「学び確認テスト」「ガッテン!!

プリント」の改良などによって、システムを更新する必要がある。

(2) 本年度は、システムの開発のみであったため、今後、児童生徒・教員それぞれに対しての効果の

検証を行う必要がある。

(3) 今後、各校での課題解決に向けた長期的な取組を示すロードマップなどの作成を考えていく必要

がある。

文 献

滋賀県教育委員会事務局学校教育課「平成26年度 全国学力・学習状況調査結果公表」、平成26年(2014年)

滋賀県教育委員会事務局学校教育課「平成26年度 全国学力・学習状況調査結果公表3」、平成26年(2014年)

滋賀県教育委員会「学ぶ力向上 滋賀プラン-夢と生きる力を育てる-」、平成27年(2015年)

文部科学省「学校現場における業務改善のためのガイドライン」、平成27年(2015年)

国立教育政策研究所教育課程研究センター「全国学力・学習状況調査を活用した授業アイデア例 BOX(小学校編)(中学校

編)」平成25年(2013年)

専 門 委 員

湖南市立菩提寺小学校校長 中邨 哲也

滋賀県教育委員会事務局学校教育課指導主事 包吉 洋之

研 究 委 員

栗東市立葉山小学校教諭 山口 敏生

東近江市立蒲生西小学校教諭 小林 大輔