有明海再生を可能にするフルボ酸鉄シリカ 資材を用...
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有明海再生を可能にするフルボ酸鉄シリカ資材を用いた干潟浄化実証研究
福岡大学 工学部 社会デザイン工学科教授 渡辺 亮一(水循環・生態系再生研究所長)
昭和50年(1975年)以降の有明海におけるアサリ漁獲量
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アサリ漁獲量(福岡・佐賀・長崎・熊本)(トン)
年
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
福岡県,佐賀県,長崎県および熊本県のアサリ漁獲量の推移
有明海(干潟)における問題点整理
有明海(干潟)に筑後川から砂が供給されていない
国土交通省HPより抜粋
アサリ減少の原因
底質の浄化効果が期待されているフルボ酸鉄シリカ資材に着目
要因
食害 海岸工事
土砂供給減少
水質汚濁
底質のヘドロ化貧酸素化
赤潮の発生
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この見出しはダミーですご了承くださいフルボ酸鉄シリカ資材
・リサイクル原料(木クズ、下水汚泥、食品廃棄物)の発酵処理品とシリカ・鉄から成る製品を混合
・人工的に容易に,安価に製造可能
・シリカが含まれていることで赤潮抑制・二枚貝の斃死防止・ヘドロ化抑制効果がある
フルボ酸鉄による有機物の分解
底質改善のために干潟に適応
フルボ酸 + O2 → H2O2
Fe2+ + H2O2 → Fe3+ + HO’ + OH’
3価鉄イオンは
フルボ酸と光エネルギーにより
2価鉄イオンへ還元
光エネルギー
(福嶋, 2011)
ヒドロパーオキシドラジカルの強力な酸化作用
有機化合物を酸化分解
ヒドロパーオキシドラジカル(HO’)
水中の溶存酸素(O2) 過酸化水素(H2O2)光エネルギー
フルボ酸鉄シリカによる効果
○珪藻類が多量に水表面やその付近で浮遊している変化を確認しプランクトンの増殖が促進されていることがわかった。
○珪藻類の中でもアサリの代表的な餌の一つであるスケレトネマが多く確認された。
○アサリの成長促進が確認された。
研究目標の設定
フルボ酸鉄シリカ資材のヘドロ分解に伴う実際の干潟での二枚貝への効果を確認する
干潟に資材を施工した箇所でコドラート調査を行うことで二枚貝の生息に与えるフルボ酸鉄シリカ資材の影響を把握することを目的とした
コドラート調査手法
0.5m×0.5mコドラートの中の深さ10~20cmの泥をスコップで採取
4.75mm目の篩にかける
篩に残った生物を採取する
コドラート調査地点
施工区(20m×100m区画5m格子)に53袋
対照区(20m×20m区画)
施工区
対照区
20m
100m
熊本県玉名郡長洲町沿岸干潟
2015.07.14 2015.08.17
2015.09.102015.10.12
2016.01.22
2015.11.11
2015.12.23
2016.02.20
施工区と対照区の比較
施工内No.1
施工内No.6
対照内No.1
2015.07.14 2015.09.10 2016.01.22
調査で確認された主な二枚貝類
シオフキガイ(Maetra venenformis )鰓の粘液に砂粒を付着させているのであまり好んで食べられない。
ホトトギスガイ(Muscalista senhousia)足糸を出し絡み合い,マット状になり底床表面を覆い,他の底生動物は,摂餌・呼吸を十分行えなくなり,窒息・死亡させるので有害動物となっている。
アサリ(Ruditapes philippinarum)国内では,有明海のような内湾域が主産地で水産有用種
コドラート調査結果(二枚貝の個体数変動)
(資材投入)
コドラート調査結果(二枚貝の個体数変動)
(資材投入)
コドラート調査結果(二枚貝の個体数変動)
(資材投入)
コドラート調査結果(アサリの個体数変動及び殻長変化)
地点1 地点2
アサリの個体数(個体数/0.25㎡)
0102030 2015年7月14日
0102030 2015年8月17日
0102030 2015年9月10日
0102030 2015年10月12日
0102030 2015年11月11日
0102030
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2015年12月23日
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0102030 2015年11月11日
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2015年12月23日
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2015年12月23日
地点3
殻長(mm)
コドラート調査結果(アサリの個体数変動及び殻長変化)
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30 2015年8月17日
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0102030 2015年11月11日
0102030
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2015年12月23日
0102030 2015年9月10日
0102030 2015年10月12日
※フルボ酸鉄シリカ資材添加なし
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30 2015年11月11日
0102030
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2015年12月23日
地点4 地点5 地点6
アサリの個体数(個体数/0.25㎡)
殻長(mm)
コドラート調査結果(アサリの個体数変動及び殻長変化)
アサリの個体数(個体数/1.25㎡)
殻長(mm)
施工区全地点比較
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0204060 2015年11月11日
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2015年12月23日
まとめ
地点2のアサリ
7月14日
9月10日 12月23日
個体数増加 殻長成長
・シオフキガイ,ホトトギスガイ(泥を好む二枚貝)の個体数はフルボ酸鉄シリカ資材投入後一度は増えたものの減少傾向にある・アサリ(砂干潟を好む二枚貝)の個体数はフルボ酸鉄シリカ資材投入後増加している・アサリの殻長はフルボ酸鉄シリカ資材投入後生残率が向上し徐々に殻長が大きくなっている
お問い合わせ先
福岡大学 研究推進部 産学官連携センター
担当コーディネーター 川上 由基人
TEL 092-871-6631(内線:2806)
FAX 092-866-2308
e-mail sanchi @adm.fukuoka-u.ac.jp