地盤情報を有効活用するための提案...アンケートでは,圧倒的に支持されました...
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アンケートでは,圧倒的に支持されました
地盤情報を有効活用するための提案-高知「ユビキタス(防災立国)」
実証事業から見えてきたもの-
(社)全国地質調査業協会連合会・(NPO) 地質情報整備活用機構
実証その1:一般の人に わかりやすい ハザードマップ の作成
いままでの地震ハザードマップ今回作成した地震(震度階)ハザードマップ
125mメッシュの予測結果を「2次元平滑化処理」
により,よりわかりやすく表現しました。
・従来の震度マップは 1辺が500m~
100mのメッシュで表現されています。
・今回作成した震度マップは,見やすい
ように 等値線表現 を採用しました。
事業の目的: 公共事業などで得られた 地質・地盤情報やハザード 情報が
無償で利活用できる場合 ,それにより何ができるか という実証
特区を設定してできたこと:情報の無償提供と二次利用
無償提供されたデータ 提 供 元 で き た も の
ボーリングデータ,土質試験結果一覧表データ
国土交通省1次元地盤柱状体モデル,地質断面図,
3D地盤モデル,工学基盤面分布図
ボーリングデータ(紙),
土質試験結果一覧表データ(紙)
高知県・
高知市XLMで電子化 した後は国交省に同じ
工学的基盤面の地震波形(CSV) 高知県 工学基盤面の入力地震波
土砂災害警戒区域データ(ShapeFile) 高知県地震時の崩壊予測計算急傾斜地の傾斜量分析(傾斜,曲率)
鏡川流域洪水ハザードマップなど(PDF) 高知市 洪水ハザードマップ(Web-GIS)
5m・10mメッシュDEM 国土地理院急傾斜地の傾斜量分析(傾斜,曲率)
標高段彩図(現況,-2m沈降後)
[・地表の 加速度,速度,計測震度,卓越周波数 の予測
・液状化危険度予測 と 斜面崩壊危険度予測
[・近い将来,中央防災会議・高知県 が実施すると思われる 3連動地震
(南海・東南海・東海地震)の災害予測では,高知市中心部の地盤モデルは
ほぼ整備 されました。 ただし,不足分を追加する必要はあります。
実証その2:ボーリングデータを活用 した 液状化危険度の判定
ボーリングの位置 や 地質断面図 もオーバーレイが可能です
もちろん,ボーリングデータなども閲覧が可能です
① ハザードマップ上に 国,県,市のボーリングデータが同時表示 できる公開サイト
は,高知「ユビキタス(防災立国)」実証事業 以外に 例がありません
② ボーリングデータ,地質断面図と3次元地盤モデルは,いずれも 無償公開中
→ ご自身の周辺地盤に不安のある方は,是非一度アクセスして下さい
→ 地質リスク学会・全地連の提唱する ジオ・アドバイザー の地盤評価に最適です
③ 液状化の危険度判定はボーリング柱状図・地質断面図 などから125mメッシュサイ
ズの地盤モデル を作成しました
→ 表層の微地形区分での判定より精度が高くなっていると考えています
④ しかし,ボーリングの無い125mメッシュも相当な数が存在 します
→ より精度の高い判定には ボーリング調査が必要 です
→ 長期的な安心・安全のためには 是非 必要な地質調査を!
液状化しにくい地層
水色:粘性土
液状化しやすい地層
黄色:砂質土
7 / 1 0 NH Kスペシャル
-シリーズ東日本大震災“世界最大”の液状化-で取り上げられました。
国交省・高知県・高知市のボーリング柱状図の様式を統一しました
実証その4:想定南海地震による 斜面の崩壊危険度の判定
実証その3:地質リスク情報 を 独自に評価して公開
全地連提言:都市地盤災害への備えのために
地盤リスクの評価とWeb公開
・ボーリング柱状図から読み取れる軟弱地盤情報
・独自に予測計算した地表地盤の揺れの予測結果,
液状化予測結果と斜面の崩壊予測結果
・高知県が公開している土砂災害警戒区域の情報
・高知市が公開している洪水ハザードマップと過
去の浸水履歴マップ
・技術顧問など 地盤のプロ が使用する情報です。
・地域ボランティア などへ展開することにより,
住民の地盤情報リテラシーを向上させましょう。
・ボーリングの無いところは,是非実施の提案を!
・A~B間は,想定南海地震時の崩壊により,通行不能となるかもしれません。
・ただし,この結果はあくまでもシミュレーションです。入念な現地調査を行って,問題点を明らかにし,必要な対策をお願いします。
準拠:小山内信智他(2009)地震時の急傾斜地崩壊危険箇所危険度評価マニュアル(案).
国土交通省国土技術政策総合研究所資料,No.511,pp.1-15.
実証その5:津波浸水域の予測に代えて
最大水深:2m高 知 城
高 知 駅
はりまや橋
収容避難所学校・ホール等
要援護者施設病院・特養等
最大水深:4m
他に,アンダーパスと
大規模地下室も明示
・予算上,津波浸水マップの 独自予測は不可能 であったので,
代わりに,想定南海地震で 2m沈下した とする 標高段彩図
を作成しました(ArcGIS + 5mDEM)。
・青色の範囲は 海面下となり津波で確実に水没するでしょう。
・想定南海地震の発生確率は,今後30年で60% と言われています。
・高知県は,高知市で最大約1.95mの地盤沈下を想定しており,満潮時
には平均0.8m潮位が上昇するため,市街地の大部分にあたる 約2,800ヘクタールが最大5m浸水する可能性があると,発表しています。
本図は,高知「ユビキタス(防災立国)」実証事業のWebサイトで公開しています。
http://www.geonews.jp/kochi/
昭和南海地震(昭和20年)で発生した津波の浸水状況
2m沈降後の標高段彩図(3次元表示)
提 案 2:ボーリングデータの統一管理の提案
全地連提言:都市地盤災害への備えのために
提 案 1:ボーリング識別番号の統一化の提案 例えば ucode の採用地連提言:都市地盤災害への備えのために
現状の課題:
① 各行政で個別に管理されているため,
たとえ近接した場所のボーリング
データを迅速に探し出せない。
② ボーリング柱状図の様式と記載内容
が統一されていないので,地質や地
盤の解釈に困難が生じる。
解決への提案:
① ボーリングデータの管理番号を全国
で統一化しよう。例えば,ucode(ユビキタスコード)などの適用性に
ついて検討する価値があります。
② 様式と記載内容は国土交通省の標準
様式(XML)で統一しよう。これによ
り,イメージとしてのボーリング柱
状図が,処理可能なデータとなるた
め,2次利用が促進されます。
神奈川県 横 浜 市
国土交通省
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?><!DOCTYPE 柱状体モデル情報 SYSTEM "JIBAN010.DTD"><鉛直1次元地盤柱状体モデル情報 DTD_version="1.0"><基礎情報><第3次地図メッシュコード></第3次地図メッシュコード><作成業務名称></作成業務名称><作成機関></作成機関><作成日時></作成日時>
</基礎情報><第6次地図メッシュ地盤情報><第6次地図メッシュコード></第6次地図メッシュコード><中心緯度></中心緯度><中心経度></中心経度><参照ボーリング番号></参照ボーリング番号><メッシュ平均標高></メッシュ平均標高><工学的地震基盤深度Vs300></工学的地震基盤深度Vs300><工学的地震基盤深度Vs700></工学的地震基盤深度Vs700><地下水位m></地下水位m><速度層情報>
<速度層順位></速度層順位><地質名称></地質名称><地質コード></地質コード><地質記号></地質記号><層厚m></層厚m><実測N値></実測N値><S波速度値></S波速度値><P波速度値></P波速度値><減衰常数></減衰常数><湿潤密度></湿潤密度><非線形特性番号></非線形特性番号><地下水位面下単位堆積重量></地下水位面下単位堆積重量><地下水位面上単位堆積重量></地下水位面上単位堆積重量><平均粒径D50></平均粒径D50><細粒分含有率FC></細粒分含有率FC>
</速度層情報></第6次地図メッシュ地盤情報><予備情報></予備情報></鉛直1次元地盤柱状体モデル情報>
X M L 標 準 の 名 称 内 容
交換用ボーリングデータ 高知県,高知市
鉛直1次元地盤柱状体モデル情報 6次メッシュ
柱状体モデル地震応答結果情報 6次メッシュ
・揺れ(地震動)の予測と液状
化危険度判定に対処可能な
XML標準です。
・6次地図メッシュため,日
本全国で利用できます。
・本モデルと基盤波形があれ
ば,地震応答解析が安価に
計算できます。
鉛 直 1 次 元 地 盤柱 状 体 モ デ ル 情 報
提 案 3:鉛直1次元地盤柱状体モデルの XML 標準の提案
全地連提言:都市地盤災害への備えのために
提 案 4:ボーリングデータと地盤情報の自由な2次利用の提案
全地連提言:都市地盤災害への備えのために
厚さ5m以上の盛土区域
・本図中の 赤枠 は 横浜市 建築局宅地企画課 から公開されている大規模盛土造成地マップ に示さ
れた 5m以上の盛土地区 です。
・東日本大震災地震では,仙台市内の盛土地盤の地すべり被害が大きい という報告があります。
① 地質や地盤情報を リユース(2次利用) するとこのような合成図を作成することができます。
② 行政が所有する地図情報の提供により,民間のボランティア(ジオ・アドバイザー)が地域住民のために活動できます。
・基 図:Googlemaps・古地図:昭和30年代三千分一地形図
・盛土図:横浜市大規模盛土造成地マップ
!ボーリングデータに関する国土交通省の立場!
・ボーリングデータに著作権はない
・営利目的であっても自由な2次利用を認める
→ 全ての公共事業などへ展開すべし