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「分数の計算のくふう」徹底攻略
このプリントでは,
1 1 1 1 1+ + + +
10×11 11×12 12×13 13×14 14×15
というような複雑な計算を,くふうして楽に解いてしまう方法を学習します。
すぐる学習会
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分数の計算のくふう
基本テクニックを理解する
このプリントでは,
1 1 1 1 1+ + + +
10×11 11×12 12×13 13×14 14×15
というような複雑な計算を,くふうして楽に解いてしまう解き方を学習します。
解くための基本となることがらは 基本1 と 基本2 の2つあり,この2つを理解できたら,
あとは問題練習あるのみです。
基本1
突然ですが,次の例題1を暗算でやってみましょう。
例題1: 4378-1256+1256-1378
この例題は,ふつうに暗算で求めるのはキツいです。
でも,例題をよ~く見ると,"-1256" というところと,"+1256" というところが,引き算と足し算の違いはあっても,まったく同じ数になっています。つまり,「1256を
引いて」,「1256を足す」ということです。
たとえば,「30円使ってから」,「30円もらう」と,手持ちのお金は変わりませんね。
それと同じように,「1256を引いてから足す」というのは,「何もしない」ことと同じで
す。
よってこの計算は,
4378-1256+1256-1378
何もしない
=4378-1378
=3000
となるのです。
では,次の例題2を暗算でやってみて下さい。
例題2: 3000-728+728-874+874-902+902-1000
(答えは次のページ)
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分数の計算のくふう
例題2の答えは2000です。
今回は,何もしないところが結構ありましたね。
計算は,次のようになります。
3000-728+728 -874+874 -902+902 -1000
何もしない 何もしない 何もしない
=3000-1000
=2000
次のような,分数の計算の場合でも,考え方は同じです。
7 9 9 17 17 7 7 4例題3: - + - + - + -
17 23 23 63 63 15 15 17
7 9 9 17 17 7 7 4- + - + - + -
17 23 23 63 63 15 15 17
何もしない 何もしない 何もしない
7 4= -17 17
3=17
余計なカッコがついていても,無視して計算しましょう。
1 1 1 1 1 1 1 1例題4: - + - + - + -
15 91 91 17 17 36 36 30
1 1 1 1 1 1 1 1- + - + - + -
15 91 91 17 17 36 36 30
1 1 1 1 1 1 1 1= - + - + - + -15 91 91 17 17 36 36 30
何もしない 何もしない 何もしない
1 1= -15 30
2 1= -30 30
1=30
これで,基本1 は終了です。次のページの,基本2 に進みましょう。
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分数の計算のくふう
基本2
ここでは,分子が1の分数どうしの引き算を学習します。
1 1例題5: -
4 5
ふつうは,次のように通分して求めます。
1 1-
4 5
5 4= -20 20
1=20
では,次の計算はどうでしょう。
1 1例題6: -
19 20
ふつうは,次のように通分して求めます。
1 1-
19 20
20 19= -380 380
1=380
例題5と例題6の問題と答えを,もう一度書いてみます。
どうですか,簡単な解き方に気づきましたか?
1 1 1 1 1 1例題5: - = 例題6: - =
4 5 20 19 20 380
気づかなかった人は,分母だけに注目してみましょう。きっと気づきますよ。
例題5の問題の分母は4と5。答えの分母は20。
例題6の問題の分母は19と20。答えの分母は380。
そう,答えの分母は,問題の分母をかけ算したものになっています。つまり,
- 4 -
分数の計算のくふう
1 1 1 1 1 1例題5: - = 例題6: - =
4 5 4×5 19 20 19×20
となっているのです。
ただし,例題5も例題6も,ちょっと仕組んだ問題であることに注意してください。
というのも,例題5の問題の分母は4と5で,1ちがい。
例題6の問題の分母は19と20で,やっぱり1ちがい。
1 1 1- =
つまり, ○ △ ○×△ となるわけです。
( 分母が1ちがいでない場合のことは,
1ちがい とりあえず考えないことにしましょう。)
では,考え方がちゃんと理解できたかどうか確かめるために,次の例題を解いてみてください。
暗算で解いてみてくださいね。
1 1例題7: -
99 100
分母は99と100で,確かに1ちがいです。
1分母の積は 99×100=9900 となるので,答えは です。
9900
さあ実は,ここからが本番です。
例題8: 次の○と△にあてはまる数を求めなさい。
ただし,○と△は1ちがいです。
1 1 1- =
○ △ 49×50
かなり簡単な問題でしたね。答えは,○が49で,△が50です。
次のように,問題の出し方をほんのちょっと変えても,簡単に解けますね。
例題9: 次の○と△にあてはまる数を求めなさい。
ただし,○と△は1ちがいです。
1 1 1= -
37×38 ○ △
答えは,○が37で,△が38です。
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分数の計算のくふう
ではいよいよ,このプリントの表紙にもあった問題を考えてみましょう。
例題10: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1 1+ + + +
10×11 11×12 12×13 13×14 14×15
1 1 1基本2 で学習したように,はじめの分数である は, - と
10×11 10 11
することができますね。
(なぜわざわざ引き算の形に直さなければならないのなどの文句は,なしにしてください。)
1 1 1 1次の は, - となります。
11×12 11 12
このように直していくと,
1 1 1 1 1+ + + +
10×11 11×12 12×13 13×14 14×15
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1= - + - + - + - + -10 11 11 12 12 13 13 14 14 15
となります。
1 1この式の中に, - + という部分がありますね。
11 11
基本1で,この部分は「何もしない」ことと同じであることに気づきましたね?
よって,
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1- + - + - + - + -
10 11 11 12 12 13 13 14 14 15
何もしない 何もしない 何もしない 何もしない
1 1= -10 15
3 2= -30 30
1= となります。30
例題11: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1+ + +
6×7 7×8 8×9 9×10
(答えは次のページ)
- 6 -
分数の計算のくふう
1 1 1 1+ + +
6×7 7×8 8×9 9×10
1 1 1 1 1 1 1 1= - + - + - + -6 7 7 8 8 9 9 10
何もしない 何もしない 何もしない
1 1= -6 10
5 3= -30 30
2=30
1=15
では,マトモにやることは絶対無理な問題に取り組みましょう。
例題12: 次の計算をしなさい。
1 1 1+ + …… +
1×2 2×3 99×100
1 1 1+ + …… +
1×2 2×3 99×100
1 1 1 1 1 1= - + - + …… + -1 2 2 3 99 100
何もしない 何もしない 何もしない
1 1= -1 100
99=100
では,次のページに,問題をたくさん用意したので,ガンガンやりましょう。
10問全部やっても,5分もかからない人がいるかも…。
- 7 -
分数の計算のくふう
1 1問題1 + =
4×5 5×6
1 1問題2 + =
18×19 19×20
1 1 1問題3 + + =
2×3 3×4 4×5
1 1 1 1 1問題4 + + + + =
1×2 2×3 3×4 4×5 5×6
1 1 1 1 1問題5 + + + + =
4×5 5×6 6×7 7×8 8×9
1 1 1問題6 + + …… + =
1×2 2×3 9×10
1 1 1問題7 + + …… + =
3×4 4×5 11×12
1 1 1問題8 + + …… + =
5×6 6×7 39×40
1 1 1問題9 + + …… + =
10×11 11×12 99×100
1 1 1問題 10 + + …… + =
100×101 101×102 199×200
(答えは次のページ)
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分数の計算のくふう
問題1~問題10の解答
1 1 3 2 1問題1 - = - =
4 6 12 12 12
1 1 10 9 1問題2 - = - =
18 20 180 180 180
1 1 5 2 3問題3 - = - =
2 5 10 10 10
1 1 5問題4 - =
1 6 6
1 1 9 4 5問題5 - = - =
4 9 36 36 36
1 1 10 1 9問題6 - = - =
1 10 10 10 10
1 1 4 1 3 1問題7 - = - = =
3 12 12 12 12 4
1 1 8 1 7問題8 - = - =
5 40 40 40 40
1 1 10 1 9問題9 - = - =
10 100 100 100 100
1 1 2 1 1問題 10 - = - =
100 200 200 200 200
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分数の計算のくふう
次に,知らないと戸惑う問題をやりましょう。
例題13: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1 1+ + + +
20 30 42 56 72
通分が面倒な計算だなあと思うかも知れませんが,この問題にはウラがあるのです。
すでに,次の問題をやったことを覚えていますか?
1 1 1 1 1問題5 + + + +
4×5 5×6 6×7 7×8 8×9
1 1この問題と,今の例題13とをくらべてみると, と とは同じ分数,
20 4×51 1
と とも同じ分数です。このように,例題13は, 問題5とまったく同じ問題30 5×6
1 1だったのです。ただ,例題13では などと書かずに, などと書いてあったの
4×5 20
で,わかりにくくなっているだけだったのですね。
結局 例題13は,次のようにして解きます。
1 1 1 1 1+ + + +
20 30 42 56 72
1 1 1 1 1= + + + +4×5 5×6 6×7 7×8 8×9
1 1= -4 9
5=36
では練習をしてみましょう。
1 1 1 1 1 1問題11 + + + + + =
30 42 56 72 90 110
1 1 1問題12 + + =
90 110 132
1 1 1 1問題13 + + + =
2 6 12 20
1 1 1 1 1問題14 + + + + =
110 132 156 182 210
(答えは次のページ)
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分数の計算のくふう
問題11~問題14の解答
1 1 1 1 1 1問題11 + + + + + =
30 42 56 72 90 110
1 1 1 1 1 1= + + + + +5×6 6×7 7×8 8×9 9×10 10×11
1 1= -5 11
6=55
1 1 1問題12 + + =
90 110 132
1 1 1= + +9×10 10×11 11×12
1 1= -9 12
1=36
1 1 1 1問題13 + + + =
2 6 12 20
1 1 1 1= + + +1×2 2×3 3×4 4×5
1 1= -1 5
4=5
1 1 1 1 1問題14 + + + +
110 132 156 182 210
1 1 1 1 1= + + + +10×11 11×12 12×13 13×14 14×15
1 1= -10 15
1=30
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分数の計算のくふう
では,応用問題(といっても,基本問題をちょっと変えただけ)に取り組みましょう。
例題14: 次の計算をしなさい。
5 5 5 5+ + +
1×2 2×3 3×4 4×5
5 1 5 1は, ×5 のことです。 は, ×5 のことです。このように
1×2 1×2 2×3 2×3
考えると,
5 5 5 5+ + +
1×2 2×3 3×4 4×5
1 1 1 1= ×5 + ×5 + ×5 + ×51×2 2×3 3×4 4×5
1 1 1 1= + + + ×5
1×2 2×3 3×4 4×5
1 1= - ×5
1 5
4= ×55
=4
つまり,このような問題では,分子がいつも通り1だと思って計算していって,最後に分子が
5なら5倍する,という解き方でOKです。
ではちょっとだけ,練習してみましょう。
2 2 2問題15 + + =
3×4 4×5 5×6
3 3 3 3 3問題16 + + + + =
4×5 5×6 6×7 7×8 8×9
20 20 20問題17 + + …… + =
1×2 2×3 99×100
(答えは次のページ)
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分数の計算のくふう
問題15~問題17の解答
2 2 2 1 1 1 1問題15 + + = - ×2 = ×2 =
3×4 4×5 5×6 3 6 6 3
3 3 3 3 3問題16 + + + +
4×5 5×6 6×7 7×8 8×9
1 1= - ×3
4 9
5= ×336
5=12
20 20 20問題17 + + …… +
1×2 2×3 99×100
1 1= - ×20
1 100
99= ×20100
4=19
5
- 13 -
分数の計算のくふう
発展問題の学習
意欲のある人のみ取り組みましょう。
例題15: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1+ + +
1×3 3×5 5×7 7×9
1 1この問題は,残念ながら - の計算では答えにはなりません。
1 9
たとえば,前に学習した,
例題11: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1+ + +
6×7 7×8 8×9 9×10
1 1という問題ならば, - と計算してよいのです。
6 10
1 1 1 1 1 1なぜなら, なら - , なら - というようになっていくので,
6×7 6 7 7×8 7 8
1 1 1 1+ + +
6×7 7×8 8×9 9×10
1 1 1 1 1 1 1 1= - + - + - + -6 7 7 8 8 9 9 10
何もしない 何もしない 何もしない
1= となるのでした。15
1 1 1ところがこの問題では, は - とならないのです。
1×3 1 3
1 1 1 1 2 1なぜなら, は ですが, - は, となり, の2倍になってしまう
1×3 3 1 3 3 3
のです。ですから,2でわらなければ,正しい答えにならないのです。
よって,例題15は,次のようにやります。
1 1 1 1 1 1 8 4+ + + = - ÷2= ÷2=
1×3 3×5 5×7 7×9 1 9 9 9
1このように,たとえば の1と3のように2ちがいだったら2で割り,
1×3
1たとえば の2と5のように3ちがいだったら3で割るのです。
2×5
- 14 -
分数の計算のくふう
同じようにして,
例題16: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1+ + + …… +
10×15 15×20 20×25 45×50
10と15は5ちがい,15と20も5ちがい,……と,すべて5ちがいになっていますから,
1 1 1 1+ + + …… +
10×15 15×20 20×25 45×50
1 1= - ÷5
10 50
2= ÷525
2=125
さらに,次の問題をマスターすれば,もう「分数の計算のくふう」は文句なしです。
例題17: 次の計算をしなさい。
1 1 1 1+ + + …… +
1×2×3 2×3×4 3×4×5 7×8×9
1 1 1これは, が - ÷2 となることを利用して解きます。
1×2×3 1×2 2×3
1 1 1+ + …… +
1×2×3 2×3×4 7×8×9
1 1 1 1 1 1= - ÷2+ - ÷2+……+ - ÷2
1×2 2×3 2×3 3×4 7×8 8×9
1 1 1 1 1 1= - + - + …… + - ÷2
1×2 2×3 2×3 3×4 7×8 8×9
何もしない 何もしない 何もしない
1 1= - ÷2
1×2 8×9
1 1= - ÷2
2 72
35= ÷272
35=144