最近の磁気ドラム記憶装置について - hitachiu.d.c.る81.142:る21.3け.39.087.る3...
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U.D.C.る81.142:る21.3け.39.087.る3
最近の磁気ドラム記憶装置についてOnthe Advanced Magnetic Drum Memory Device
川 又 晃* 古 谷 勝 美**Akira Kawamata KatsumiFuruya
倉 根 是 昭***KoreakiKurane
内 容 梗 概
磁気ドラム記憶装置は,単位情報量当たりの刑曲が低廉でfFi頼性の高い計数形記憶装置であるとされてい
るが,その半面製造技術的にはきわめてむずかしい三組㌔llIの一つに数えられている。
本邦においで情報処理棟構の研究開発が行なわれた初期の頃から,この安定にして低廉な磁気ドラム記憶装
罠の完成は一つの技術的目
ここに
とされていたが,最近に至るまで十分満足し得る製品は作られていなかった。
老らは,多くの関係者と協プJして,この技術的問題点の解明に努力を続けてきた結果,最近に`]三っ
てきわめて性能のよい機械的にも物理的にも安適な磁気ドラム記憶装筐の製造に成功することができた。
本稿ほこの技術的成果について可及的詳細に報告したものである。
1.緒 言
計数形情報処理機構の一つの特徴は,演算の過程において一部の
データを記憶し,必要に応じてこれを引き出して 用することが可
能な点にある。これらの枚能を有する装置を総称して記憶装置と呼
んでいるが,磁気ドラムはこの畦のものとしては最も筒中で使いや
すいため比較的古くから 匝、、l用
その構造は第1図に示すように
られてきた。
面に強磁性体の薄膜を有する円
筒状の回転体と磁気ヘッドを対向させたもので,テープ・レコーダ
などと同様の原理で符号化された情報の記録再生を行なう機能を有
している。記憶している情報の中から希望する特定の情報を引き出
すのに要する時間をアクセス・タイムと呼ぶが,ドラムの場合には一
回転に要する時間そのものと考えてよい。このため機械的な条件の
許容し得るかぎり高速に回転させることが望ましい。また一方で記
憶容量をできるだけ大きくすることが要望されており,楼械的\」'法
の増大を
円筒休
さない方法でこれを実現するためには,記録媒体となる
面の単位面積当りの情報蓄積密度を高めることが必要であ
る。
上記の問題点せ「トLに最近における 、-
政吉の成果を要約して報告したいと考える。
ドラム記憶 置の進歩と
2.超精密高速回転体としての磁気ドラム
回転休と磁気ヘッドとの間隔をスペーシソグ(s)と呼び,磁気ヘ
ッド前面のすき間をギャップ(g)と呼ぶ。単→の磁気ヘッドをもっ
て書き込み読み出す場合sは小なるほど変換能率が高く説出電圧も
高く出る。したがって可及的sは小さく選びたいのであるが,磁気
ドラムの回転に伴う風損ならびに軸受部・電動磯部に起こる発熱に
基づく熱変形が必ずしも一様に行なわれないこと,特に始動後一応
熱的平衡状態に入った 気ドラムを少時運転休_11二させた場合などを
想定すると,磁気もヘッドを取り付けた外殻は放冷の結果収縮し,111】
転体は放熱が行なわれず膨張したままの状態にあるため,そのr~jJの
寸法すなわちスペーシングのせばまりが考えられる。このほか回転
に伴う遠心力に基づくl司転体のラジアル方向の膨 や,回転体の偏
心に基づく一回転中に生ずる近寄りと遠退きに基づくスペー∵ン∵/グ
の変動などを考慮におくと,空げきを介してドラムとヘッドを国定
して収り付けた形式においては,Sとして20ないし30〃畑山転時)
ほ機械的な安全性を見込むために必要であろう。g寸法について
*
[t本局信電話公社電克通・に研究所 工帖**
日立製作所戸塚工場 工帖
***日立製作所戸塚工場
52
∬
(迂去、)
里
∩〃岨
\回転体
迂:月央に記飯されたイ三号はβ-ど一β
り順て読み出さ新る
第1図 磁気ドラムの構造
ノ〟 ノ♂ 〟 イ′ゾ J♂ ムⅤ
スペーシング(〟)
詭ノ β♂
第2図 スペーシングと読山電旺の関係図
最 近 の 磁 気 ド ラ ム 記 憶 装【1竺 に つ い て 1195
は一般にS≒gに選ばれる。理由はこの付近で磁気ヘッドの変換能
率が最大値をとるからであると考えられているが,特にその効果は
顕著ではない。
単一の磁気ヘッドをもって書き込み読み出す場合の読出電圧はド
ラムの周速に比例し,スペーシングを広げると対数的に減少する。
弟2図はD-3形磁気ヘッドについて 測した値から打点したもので
ある。弟2固より担l転体の偏心に基づくふヒi_tl電圧の変動率はスペー
シ′ン/ に値Ⅵク 係せず偏心の絶対値に比例することが推論できる√、ノ
逆にこれから運転状態における偏心を推定すると静的に測定した仙
の2ないし3倍になっていることがわかった。ちなみに静的に測っ
た偏心晶は最近のものでは人形のもので1.0/∠小形のもので0.6什以
下に収まっている。
前述の理由から磁気ドラムの恒l転数ほ一般に速く,その周
40m/sから1001n/sに及ぶものもある。かように高速の回転体と
なるとその外周における遠心力は5,000gから10,000gに達し,梢
造強度的にもよく検討された構造でないと変形を して実用に供し
がたい。また夙損も大きくこれに基づく熱変形と前者をあわせ考え
るとき,回転体の大きさと許容回転数の間に一定の制約があるもの
のようである。弟3図はこの関係を現在実用されている各社の磁気
ドラムについて打点したもので,ここに一つの傾向を求めることは
可能であろう。もちろん,水素,ヘリウムなどのガス充てんを行なえ
ば,この線を上l~Lリったものができるであろうが,調整,頼H悍)困難
を考えるとき特によい方法とほノ似えない。むしろこの制約下-こおい
て使用すべきであろう。
上記した熱的な変形を可及的少なくするためにろ過裾な適Lた外
気を導入してドラムの周辺を冷却する方式のドラムがあり,所脚の
日的は一応果しているようであるが,長期
・V
∬
阜
へいニ■し
吊一風イ」爪⊥
†
田■「わt
山~‥~
】某件の下てF]転口1(・:
面直イ互
1
】∫------一丁
′′月影張亘ノ♂〟とした曲線∠∫ 】 l
ウ′雪`′~■βノーー
':/′+∵
′て.■=・
(}
乱
+十
l-ツ。-L.も「・1
、
】
l主=~㊥
l
i)
転した場合ろ過器のl~1
ムた
一■・・lり
..
-‥
い這う
]止一・∵
用言ク
リにパ
11て面化
り表磁
1i)さ_磁気\lソドを介して
再び読〟出したもの
困圃粧聖封涙
「小~~~~~T
ん:
クし」リブJj出真敗
くり返し周波敬
介・鞘能上‖∴砿亮ドうムしレ〕磁化ペ_ノ;し・ンL/ノ相互千ご清
いJリ∴に写り読比竜ノ_L-J■γ低~トj~言愕言に∴しり車呈厚手一
浪宣するレノ)で.l二記Ⅲ直i冒合し、すれも山。州1膣〔、■ホ1~。
←丹封こは、むてヲ止、〟占】」艮ヒしソ連色凪甘〔、葺く用いら1L・∴
第4図 分 解 旭 の 規:7よ プノ 法
づまりによる通気量減少に基づくドラム周辺温度の上昇,またろ過
器を通過して侵入するダストにより
不都合であるので,
用している。
面磁性膜の損傷を招きやすく
者らの製作したドラムはすべて密閉構造を採
潤滑方式についても,同じような考え方から油潤滑はすぐれては
いるが,ドラムの表面を汚す点で不適当でグリース潤滑方式を採川
したり グリースとLてほライフ・タイム(スタンダード・バキュー
ム■製)を仙川しノている..仙受にほしJP級のプ7ンギエラー・コンタク
ト形を阻l」し 人形のIL小転淋にほバ、ゾク・ツウ・ノミックとして,■-い
小形のものにはプリ・ロートむかけて前述の精度を出している。い
ずれの場合も筆者らが 用Lた方法はベアリングの外輪を正として
切削を子fなったもので,かくすることによ巾偏心最宜非常に少なく
することがl~け脂′こなった。ラーう初軸受#命について多少の不安をもっ
u侶=unUn
/7トラ・リブ
′磁気ヽりド
し0経書およ折三言の定義
雑音電斤
Ⅷ.り虐合方〟比二l†爪/■/レ伽〝′ン/
:全トラlソ′ワ中の最小読出電圧
:全トラリノ中の最大稚苗電圧し沈
l」細重昭叫
〟脚了二ん7也・!孟誓X∫I二 l
/∠Jイ~~~~~一▲~~~‖「~'~~+■■~~~~~~‖・・ワ
トラップナンバー
①偏心による周一トラ1リク内読出電圧偏差
ルス、・、1
-・
列ル\ノる
〉王:/タイ三
←発出・スとは.ドラムの一周ごとにで.』転に同期させるもの。
う主:2潰規定法による偏葦は、平均三晶出
電圧(艶何平均)に封し土/♂%以下
ま規格値といってしlる。
註:J信号の治し桟りによる∂〟比の劣イヒを考えても.総合ふV比2♂躇川上あれば
十.オて-しセ,こさ。
注:イ総朗与読此電止の偏差は下記の値-
-
と~ちえて仁王_い。
/∂■〟¢′、ノg〟¢±ご♂プJ
∠J♂¢~J∂ロ¢±晶慌
第5図+読出′⊥丘址の偏差と総合SN比
逆上チ1∴・:-Lリ⊥し~ぐ⊥川サる罵言
漣兢したパル∴うIj差ドラムの且iウに・-一千泉に
苫、二iもし7′1)`く竿に・.り漣卜
.≡三j頂扱不二高くし-〔りさ千ミ・$に⊥つ~~r読1L!」」電圧
レソ1、・三、しりき渦■F了(ビゴる。
53
皿′:ユ=し亀山
(」 U U
1-ギ‡叩 し旦・■
よノ「~ 占′
_ご「み\J「J
-一肌【-1】雄三鵜.≡、川としし扶用~JるJ烏合
冊:山・沃欄;えし-した電圧て漏話といぅ
江:1.ドラムにいったん退き込んで再読み≠しをすると60dIうの減衰
をうける。そのため苫き込みと同時に読札川しを†Jなう遅延線メ
モリとして使う場合は灘ぷ湖凍ほとして80dB以上とっている。⊃2.壬ぎき込み読み出しが交互に行なわれる Ⅱq)場合は漏.品軋鉦一t
は20dB以上あれほ美JR上支障ほないが,ヘッドの配列ほ十分注
意すべさ・である。
第6凶 抽う詰 の 規定ノJ法
1196 昭和37年8月
第1表 磁性記録媒体の改良による.~㍍姑牲性の改選瀬川
立
注:*()l刃ほ完全飽和偵を示す
**RZ式ダブ/レ′ミルス法により測定
ガ
甜
β
〃
∫
(S
へ砿畏寧e→雅紳)鰍蛸喝
e血痕更J拙袖ぷ佃釘記章
l
L
1
害がない。!
0 __∠ノ
l
れ上1下なら失■
1-一--トl/ 2 J イ ∫ ♂ グ
メッニし」等(〟)
第7図 重ね書きによる†.iシJ・の成長
(ト灯こ
穴相識軸
(ら薫・恵一\三
蝉短塩指
′イ♂/J
メッキ厚(〟)
江:記録密度は分解能〟=0.8で測定。
第8図 磁性メッキ厚さと記録特性
∠♂
∵㌢こ宅〕\二∵十王三
国柑封柁
ていたが,仰旧狛寛が非佃こ帆いところで助川さ凡ているためでも
あろうが,連続20,00(川細J運松し・たものについて,初期の植とさし
たる変化が認められておらず,また現在までベアリングのノj命がき
たことによる破損は-イ㌻もない「.現状の使用基準を適川する限りに
おいては製造時の偏心を許糾釦納に収めることかできれはノf命の
点について牙封こ大きく考慮する必要はないと考えている。
3.記録特性の改善
磁気ドラムの.詰払け性は計数形証協卜亡あるから,最終的にはr.瀬
度の良否で1珊ほれるが,これを機龍雄に分けて分解能,SN比
読川滝‖ミのr†n;基,沫白.;■はどのJけで一般牲を与えて規定している。
それぞJLについて定ぶを弟トム図に示し,り川三までの改善のム
54
第44巻 第8号
第2表 磁気ドラム製造技術の推移
未 面 加 工 法
表面仕上げ精度
磁性メッキ抗磁力(エルステッド)
†言号対雑音比(dB)
記 録 密 度
(bits/mm)
へ宣ト■べ、妄三
壁於詣じ皿
特殊旋削仕上+超仕上
<0.4S
200′・・一220
30~40
4~4.5
/♂ ご♂
へ㌣さ盲)出、圃訂一正川
しヲ♂イ〟 戊フ
スペーシング(〟)
∠U 7♂
i■1二:分解能斤=0.8,測定用址60m/sで測定。
第9図 スペーシングと記録特性
/鉦‰βノりェWノ1β〝∴・・・∴-∴、丁-ト、
γ○こはJ台にブいての実測値てあることを示す
/リ ごJ JJ
周 囲温度(bご)
`/J
第10図 温度特性の一例
(隼nゞ三
田醒ヨ
掘ガ
とを弟1表にとりまとめてみた。
上i;dの諸昭性に加えて,実用上肛闇如こなる特性が二つある。その
一つはドラムに記録されたl月容を訂正する際に残る消し残りの雑音
で,これが累積してくるとSN比が非常に悪化してくるため,一定の
川間をおいて直流消磁してこれを取り除くようにしている。現在の
ドラムについてほその必要度ほ非常に少なく,二,三箇月に一度です
むようになっている。第二は同一箇所に消磁せずに重ねて信ぢ・の書
き込みを行なう場合に,一読出電圧が歌第に増大してくる現象で,第7
図のようにメッキ将によって人きく左右される。メッキの厚みを滅
ずることによi),上.記が改善されると同時に書き込まれた信号に相
当するドラムJか丘iの徴′卜磁汀~rの減磁係数が′トさくなり,記録密度も
弟8図のように人きく改ぎ与される。また記録磁性体を飽和させるの
に十分な`[E流をJ肌、て書き込めろので,膏込条件の多少の変動に対
して㌢わめて安定であるなど諸相生の政一掛こ卓効が認められた。
そけ判血狛≠粛l三が下り,メッキ~F地の加~~Ⅰ二面があらいとSN比
が悪化し,このノ∴くから不都合をきたすので,特殊な表面仕上加工法
な開拓L-て,弟2表にホすよシな好成横を収めることができた。現
在の「磁性記録煉体はニッケル・コノミルトの二元合金を特殊メッキ法
最 近 の 磁 気 ド ラ ム
によって得ており,抗磁力200から220ェ′レステ、ソド,B-H州線は
かなり長方形に近いものが得られている。加1二日こを血_注した結果牛
産性もきわめて良好である。
弟9図はメッキの厚裁を一定に保って記録据度とスペーシングの
関係を求めたもので,同一の仕様を満すのにけl時に比べて,ほるかに
大きなスペーシソグを与えて讃き込むことができるようになったこ
とを示している。このように大きなスペーシ∵/グをケえておけば,
多少過酷な使用条件におかれても事故を隼守るおそれがきわが)て少
なくなる。
弟10図は上記の構想で十分のスペーシングを与えて設計された
磁気ドラムの温度 性の一例である。説J」_憬圧が′ノ己仝に、仁似である
のは回転体とサポータを同一材質にして温度射ヒに対して1「1動補供
する形式になっているためでもあるが,一つには書込条什が完全飽
札責をこえた点を 用しているためスペーシングの変動の女じ苧撃をう
けにくいという理由も考えられる。いずれにせよ一般にこのような
構想で作られた最近のドラムは非常に扱いやすく堅ろうである。
ん:磁気ヘッドの改良
磁気ドラム記憶装荷は一般に多数の磁気ヘッドを 装Lている
が,それぞれ各個に書込読出用の増幅器を備法ることほほとんどな
く,磁気ヘッドのfl‡力端子を電子的に切替選択して士別扁器類を共川
する方式が採用されている。このような使いカにおいては,各磁冤
ヘッド相了f二間の特性の相違を愕少に押えておかないとこiトのトラッ
クについていかほどよいSN比が得られても,全体とLて見た場√†,
最も感度の恋いトラ、ソクの信一引1りJと,最も感度の良いトラックの
雑音出力の比でSN比が定められてしまうので総合的にみてよい磁
気ドラム記憶装郡を作ることができない。特に人形の多数磁㌔(へッ
ドを 装したものについてこの傾向が慮く認ガ)らかる。
全く偏差のない磁気ヘッドを製造するということは不可能に近い
が,これをかなりの精度に合わせることは可能でぁる、一雄㌢気ドラム製
造の初壬捌こおいては,この考え方に基づいて弟11図(C)のような多
素子の磁気ヘッドが製造さjtた。この形式のヘッドは一素丁・ごとに
独立して作る方法に比べて多少製造原価が廉くできるが,け-一一ブロ
ック内の素~r間に多少にもせよ不ぞろいが生ずると補正する-~f段が
ないため,結 的に磁気ドラムの総合SN比を悪くLてL■まう。こ
れに対し弟11図(A)に示した里・一系丁のヘッドは一木一本一昭腑こ
調整できるため総合SN比に少しも想影響を与えないうえ,第12図
のように漏話がきわめて少ない特徴がある。.肘川的には多少高仙で
あるが,総合特性のよいドラムを作ることができ,-一面不1辻ヰiが比
較的低いので現在大形の磁気けラムに対してはすべてこの形式のヘ
ッドを使用しているr〕何図「卜しB)はHL形と称し素ナは(A)と同じ
で多素子化したものである。使川‖的にエり多宜り・の方が側利な場
合にこれを使用している「、
その特性も初期のものに比べると第3表のように改苫され,特に
磁心寸法を小さくして感度をよくし,トラック幅を狭くしている点
が大きな改良点である。この結果トラック幅を初期励ものの61糾こ
せばめることができたので,同一寸法のドラムでトラック 装数が
約1.5倍に向上した。分解能の改善を合わせ考えると容量的にほ徽
2.4倍になっている。
上記の磁気ヘッドはいずれも繰り返し周波数200から300kc/s程
度で使用される目的で開発されたもので,現用の磁気ドラムの機械
的な限界内においてRZ法で書き込む場合にはなんら不満はないが,
書込方式をNRZ とした場合とか,磁気ヘッドを浮動法あるいは
噴流法などで回転体にきわめて接近して保持して高据度書き込みを
した場合には,上記よりほるかに高い繰り返し周披数のパルスを取
り扱わねばならない。かかる場合にはフェライト・コアのへ、ソト1を
記 憶 装 琵 に つ い て
第11[望lドラ ム用樋∴気/、、ソド(℃)
個瀾鯉相川肝〃
イ.乍
へ1.・′【"間隔(∫符〝)
えー
第12」ズI riう.一系r・形磁気トット■相七聞の渥詰減衰桔
豹3ム:甘==磁
4
5
6
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8
9
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局/\、ソ
ト ラ ック 勅■.i (mm〕
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ク問最小
容憶己
二■‖ ⊥L!.
∵l・-
の 比
ヘッ ド 怖* 〔mm)
ヘッ ド 形 式
ノ 材
ッ l 巻 六保
ヘッド巻線インピー"ダ㌧/ス(n,at100kc/s〕
トラックごとの感度調節
漏 請 〔dB)
外 観 形 状
0.6
0.9
1
8
f今一素手
0.05mmハーー~マ
ロイ板精岡30T十30T
47
1汀
第12Lズl参照
第11図A
卜'の比 校
1197
1.0
1.3
0.7
24
多素子
0・05-¶nl′三~~マロイ板&`渥/
30T-ト30T
lOO
不可
-20>
第11囲C
0.9
1.3~1.5
0.7へ・0.6
20へ30
多嘉子
n.n5⊥nmパーマ
ロイ坂眉凧
不可
一20>
雛11tヌIC酎似
江:ヰ:ヘッド上桶庸り晒こ遅延線ノ・モリに二机、てil手込,説「lトッド問の機帆桝〔ム・之小
距離な意味するもので,これが小なFノば,短い遅延祝な作ることが可能に√〔る0
**HI一形は電気的柑′11D形にま-フたくl;u.でへツT(幅22mmのもの。
使用する亡) 者らはこれを浦膜による浮動保持力式の磁気ヘッドに
ついて試作研究を進めておF),磁心の形状などに問題のあることを
たLかめることができた。
5.磁気ドラムの設計例
以上に述べた開発研究結果を適川した製l-■言■】数種を小心に開発の経
過を述べる。
初期における川途は情報姐坪機構の~†三メモリであって,磁気ドラ
ムから発信するクロック・/くルスに同期させて漬算が行なわれる形
式のものが多かった。、アクセス・タイムを短かくする必要から高速
化が要求されたのはこの時期である〔、このため主機からの要求にし
たがって,それぞれに適合した仕様のドラムを設計する必要があ
55
1198 昭和37年8月
モーートル
(1~〕
第4表 標準化され.た磁気
立 評 第44巻 第8号
伺
節13図 磁 気
ムラ
ミ=Ll:l-
160乍ら×300
160¢×300
220ゥ1×300
300¢×340
360¢×470
1
2
3
*
*
率
期回転数(rpm)
9,000
9,000
6,000
3,000
3,000
悦容是
35[l,000
437,000
678,000
1,050,000
1,770,0〔〉0
3.3
5
10
10
賦 ベルト駆動
i.工
i/二
l.7二
l笥問如いトート′し
高周池・モートル
その他若-「の予備トラックを有する。
RZ方式による。NRZ方式の場合は50%増しとたる。
平均往時鼎は最人経略mの半分でこも,る。
14図 D-1630形磁気ド ラ ム
(HITAC2nlきょう体内に実装したもの)
り,その楓造も舞13図のように数椰にわたるものが作られてきた
が,コア・メモリの発達は磁気ドラムを次第に供遠大容量のファイ
ル・メモリの分野に移しつつあり,設計の方針も高速化から大容見
化へと変遷を続けてきた。
大帝最化が単に記録媒体の 面析を上門す方向,すなわち大形化を
指向するものであるならば,楼械的寸法に制約が烏る以上 それほ
ど画期的なものは作り行ないが,多くの場合高照度書込方式せ併用
ー「「
∠上 ∠ゝ
lフ
56
l l
l
瓢\+貨
(〟〕
ム の 話 形 式
/空気の循環
第15図 D-3020形磁 気ド ラ ム
(専用きユう体内に制御回路と共に収容)
終 三塁日吉 闇 ′:九【)
第16図 磁気ドラム起動後の経咋特性
、・
‥=・
(b.)
昧刃∴嘩岬
することによって,かなり大容量のものまで製造し得るようになる
ものと考えられる。
最 近 の 磁 気 ド ラ ム 記 憶 装 臣 に つ い て 1199
的年古谷,倉限の両名ほ日本国 鉄道技術研究所の指導のもとに
Cu-Ni-・Fe線を巻いたドラムに油膜をもって浮動させ,フェライ
ト・ヘッドを用いて高密度書込の実用化試作を行なったが,これは
その一つの方向を示唆するものではないかと考えている。
一般の磁気ドラムについても容量の大きなものが次々と要求され
ており,いわゆる補助ドラム的なものが多くなってきた。このよう
な要求に対しては初期の場合と異なりある程度標準化したドラムを
要求に応じて班用する形が可能であると考え,従 の機種から舞4
表のように選んで標準機種とLた。この中1と4について策14,15
図にその外観を示した。
これらのドラムはいずれも前述の改良されたニッケル・コバルト・
メッキを使用しており,その性能安定度ともに十分実用機とLて使
川に耐えることが実証されている。
→椴にドラムの機械「1勺構造は小,小形のものにあっては比較的問
題は少ないが,人形のものになるにつれて構造に十分の配慮を払わ
ないと,熱変形,振動などによって危険な状態を招来しやすく,また
設計よろしきを得ないと熱的平衡に入るまで,具体的には読出電丑
が安定するまでは長曙関を要して大変抜いにくいものとなる。第1る
図は実測値の一例である。
筆者らほ上記の見地から磁気もドラムの 械的な構造を検討した結
果,大形のものについては弟13図L卜のⅡ-④の形式のものが種々
の見地から棟能上最も望ましいと結論Lた。すなわち立形で全密閉
構造を採用し,空気の循環孔のある内側ハウジングとそれを完全に
おおうカバーがあり,ドラムの回転に伴ってこれらの間を空気が激
しく循環する形式のものがよい結果を得ている。
熱的に比較的楽な中,小形の磁気ドラムでは,スペーシングさえ
十分にとっておけば,構造についてそれほど神経質になる必要はな
く,特にⅠ-③,④のような形でも実用上支障なく,むしろ小形ドラ
ムではドラムの占有体積の小さいものがヤほれるので,こういう場
合には横形の方が便利であろう。
d.結 l=コ
磁気ドラムは初期においては情報処理機構の主記憶装置とLて賞
用されたが,その後磁気コア記憶装掛こその をゆずり,現在ほむ
特許 弟281229号
か ご
特 許 の
Lろ補助記憶装置あるいはファイルメモリとLて認識されつつあ
る。
しかL現在でも簡一単な情報処理機構,あるいは計算速度より高信
頼性に重点を置く制御用,ある種の甲用の情報処理機偶にはかなり
使用されているようである。
また大形情報処理機構の一部にいわゆるバッファとして入出力装
置の接続用に用いられる例もあり,今日においてもなお記憶装置の
一つとして重要な不動の地位を占めている。
筆者らは上述の見地より高信頼度のきわめて使いやすい記憶装閏
としての磁気ドラムに 目し,この技術的実現に努力して たもの
であって,今日ほぼその日的を果したものと考え,ここにとりまと
めて総合的な形で報告した次第である。
本稿に述べた設計方針に基づいて製造されたドラムの中にはすで
に継続20,000時間以上の運転実績をもっているものもあり,適当な
棟会を得て現状を報告L・たいと考えていたものである。
稿を結ぶふに∋ り,これら開発の過程において技術的にいろいろと
ご指導を賜った日本電信電話公社電気通伝研究所#安次長,毛利精
密工作研究塾長,日本国有鉄道技術研究所大野技師をほじめとする
係された各位の方々,東京人学航研穂坂教授,生研・亘理教授ま
た日立製作所において本研究の推進にご協力いただいた口立研究
所,巾央研究所,川崎上場,亀戸二L場,多賀工場,戸塚」二場の多数
の技術者各位に厚くお礼申しあげる。
参 考 文 献
(1)古谷:"ディジタル記録"通学誌 Vol.44,No.11,p.92~
102
2
3
4
熊谷:日立.軌論41,1082(昭34-9)
川又晃:ディジタルテープ録音 共立H版
川又晃二 磁気ドラム記憶装置に関する軒先 ≡通研成果牒措
第1655号(1961)
(5)喜安,毛利はか:磁気ドラム用空気浮動式磁気ヘッド 電子
計算機研究酎18委員会資料
(6)G.J.Axel:Random Access Data Storage System,Proc.
EJCC,p.189~203(Dec.1960)
(7)H・W・Fullerほか:The Design of SystemAspects of
the HD File Drum,Proc.EJCC(Dec.1954)
紹 介
形 誘 導 同 期
かご形誘導同期電動機は図面に示すように回転子を凸極形に形成
し,磁極1に起動川かご形巻線2を設けるとともに,磁極間の満3
に運転中;tilj動巻線として作用する短絡導体4を鋳こむことにより起
動時ほ誘導電動機,運転中は反動電動機として山力を生ずるように
したもので,直流励磁を要せず構造が簡単であるという特長を有し
ているが,第1図のように短絡導体4を磁極面と同じ高さまで鋳こ
んだ場合には運転中の温度上昇がほなはだしく効率も低い。その原
因をさぐった結果,空隙における高調波磁界によって短絡導体の表
面の部分に廷ずる渦流損がこのような異常な温度」二昇をまねく主な
原因であることがわかった.。
本発明ほその対策として短絡導体の表面の少なくとも一部を第2
図5のように磁極面より凹ませて高調波磁界による渦流損の発生を
防いだものである。--・例として10HP,4極の全閉外扇形誘導同期
電動機について行なった実験によると,本発明の実施により固定子
の温度-_1二昇は約50%減,効率は8%札 同期脱rlいルクも16%増
となり顕著な効果が認められた。 (坂 本)
57
電 動 機
固
第1岡 第2図